(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】既設側溝の補修方法および既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材
(51)【国際特許分類】
E03F 5/04 20060101AFI20230405BHJP
【FI】
E03F5/04 A
E03F5/04 D
(21)【出願番号】P 2019127092
(22)【出願日】2019-07-08
【審査請求日】2022-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】502045884
【氏名又は名称】株式会社赤羽コンクリート
(74)【代理人】
【識別番号】110003111
【氏名又は名称】あいそう弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100089060
【氏名又は名称】向山 正一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 利典
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-080306(JP,A)
【文献】特開2001-317115(JP,A)
【文献】登録実用新案第3098049(JP,U)
【文献】特開2012-225085(JP,A)
【文献】特開平11-315615(JP,A)
【文献】実開昭47-030957(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設側溝の補修方法であって、
前記既設側溝の補修方法は、
既設蓋を取り除いた既設側溝本体の長手方向に延び、かつ向かい合う一対の上面部からなる蓋受部に載置するためのコンクリート製蓋部材であり、かつ、長手方向の両側面に、下方に向かって外側に傾斜する傾斜面を有し、上面幅が下面幅よりも小さい既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材を準備する蓋部材準備工程と、
前記既設側溝より前記既設蓋を取り除いた前記既設側溝本体の前記蓋受部に、前記コンクリート製蓋部材の下面側を載置する蓋部材載置工程と、
前記蓋受部に載置された前記コンクリート製蓋部材の長手方向の両側面の側部上面側より充填材を充填する充填材充填工程とを行うものであり、
さらに、前記既設側溝の補修方法は、準備した前記コンクリート製蓋部材の幅が、前記既設蓋を取り除いた前記既設側溝本体の前記蓋受部の幅よりも大きい場合に、前記コンクリート製蓋部材の側面下部を切断する幅調整工程を行うものであることを特徴とする既設側溝の補修方法。
【請求項2】
既設側溝の補修方法であって、
前記既設側溝の補修方法は、
既設蓋を取り除いた既設側溝本体の長手方向に延び、かつ向かい合う一対の上面部からなる蓋受部に載置するためのコンクリート製蓋部材であり、かつ、長手方向の両側面に、下方に向かって外側に傾斜する傾斜面を有し、上面幅が下面幅よりも小さく、さらに、前記両側面に前記
コンクリート製蓋部材の長手方向に延びる切断起点用段部を備える既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材を準備する蓋部材準備工程と、
前記既設側溝より前記既設蓋を取り除いた前記既設側溝本体の前記蓋受部に、前記コンクリート製蓋部材の下面側を載置する蓋部材載置工程と、
前記蓋受部に載置された前記コンクリート製蓋部材の長手方向の両側面の側部上面側より充填材を充填する充填材充填工程とを行うものであり、
さらに、前記既設側溝の補修方法は、準備した前記コンクリート製蓋部材の幅が、前記既設蓋を取り除いた前記既設側溝本体の前記蓋受部の幅よりも大きい場合に、前記切断起点用段部を用いて、前記コンクリート製蓋部材を切断する幅調整工程を行うものであることを特徴とする既設側溝の補修方法。
【請求項3】
既設蓋を取り除いた既設側溝本体の長手方向に延び、かつ向かい合う一対の上面部からなる蓋受部に載置するための既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材であって、
前記コンクリート製蓋部材は、上面と、前記既設側溝本体の前記蓋受部に載置するための下面と、長手方向の両側面に、下面方向に向かって外側に傾斜する傾斜面を有し、上面幅が下面幅よりも小さく、さらに、前記両側面に前記
コンクリート製蓋部材の長手方向に延びる切断起点用段部を備えることを特徴とする既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材。
【請求項4】
前記コンクリート製蓋部材は、請求項1に記載の既設側溝の補修方法に用いられるものである請求項3に記載の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材。
【請求項5】
前記コンクリート製蓋部材は、前記切断起点用段部よりも下部かつ側部となる部分以外の部分に補強用鉄筋が埋設されている請求項3または請求項4に記載の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材。
【請求項6】
前記コンクリート製蓋部材は、幅方向の中央部分に厚さ方向に貫通するスリット孔が設けられており、かつ、上面に、前記スリット孔に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設側溝の補修方法および既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、側溝(例えば、U形側溝や門形側溝等)の上部の開口部分には、コンクリート等製の蓋体が配置されている。蓋体を含む側溝構造体は、車両等の通過による振動、重量負荷、経年劣化により、変形ないし破損する。破損または破損のおそれのある側溝構造体(特に、蓋体)の補修が必要となる。
蓋体を含む側溝構造体の補修については、種々の方法が提案されている。最近では、側溝構造体全部を取り替えるのではなく、蓋体部分のみを補修する(取り替える)方法が提案されている。例えば、既設側溝の傷んだ側溝上部を切削した後、新しい蓋体を配置するもの(特開2006-322138、特開2011-219960、特開2012-149513等)や、新しい蓋体を配置するための型枠を使用するもの(特開2007-239315、特開2008-031728等)や、現場で蓋体部分を作製するもの(特開2018-080559等)がある。
【0003】
近年、職人不足等に起因する現場での作業負荷軽減(作業性向上)の要請があり、場所打ち工法または現場打ち工法(建設現場において型枠を設置し、コンクリートを打設して造る工法)から、プレキャスト工法(専用工場においてあらかじめコンクリート製品を製作した後、現場へ運搬して設置を行う工法)への移行が強く求められている。
ここで、特許文献1(特開2011-080306)には、側溝全体の取り替えを必要とせず、既設側溝蓋の除去、既設側溝の蓋受け部の確認、幅方向長さが既設側溝の蓋受け部より短い新設側溝蓋の準備、既設側溝の蓋受け部への新設側溝蓋の載置、蓋受け部と新設側溝蓋間への填材注入、および新設側溝蓋の上面への新設道路面と面一にするための透水舗装材の敷設といった作業を含む、プレキャスト工法が開示されている。
しかし、これは、特に、既設側溝蓋の除去後に構造物測定を実施して、新設側溝蓋を作成するものであるため、少なくとも3週間程度のかなり長い施工期間を必要とする。
また、既設側溝の変形や破損は一様ではなく、新設側溝蓋の寸法設定によっては、一部の新設側溝蓋が蓋受け部に載置できなかったり、蓋受け部と新設側溝蓋との間の隙間が大き過ぎたり等といった不具合が生じる。これに対し、一様でない既設側溝の変形や破損に対応するために、複数種類の新設側溝蓋を準備するのは、コストの面から現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、既設側溝の蓋体部分の補修について、施工期間やコストの増大を抑制しつつ、作業性を向上させることができる既設側溝の補修方法および既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 既設側溝の補修方法であって、
前記既設側溝の補修方法は、
既設蓋を取り除いた既設側溝本体の長手方向に延び、かつ向かい合う一対の上面部からなる蓋受部に載置するためのコンクリート製蓋部材であり、かつ、長手方向の両側面に、下方に向かって外側に傾斜する傾斜面を有し、上面幅が下面幅よりも小さい既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材を準備する蓋部材準備工程と、
前記既設側溝より前記既設蓋を取り除いた前記既設側溝本体の前記蓋受部に、前記コンクリート製蓋部材の下面側を載置する蓋部材載置工程と、
前記蓋受部に載置された前記コンクリート製蓋部材の長手方向の両側面の側部上面側より充填材を充填する充填材充填工程とを行うものであり、
さらに、前記既設側溝の補修方法は、準備した前記コンクリート製蓋部材の幅が、前記既設蓋を取り除いた前記既設側溝本体の前記蓋受部の幅よりも大きい場合に、前記コンクリート製蓋部材の側面下部を切断する幅調整工程を行うものであることを特徴とする既設側溝の補修方法。
【0007】
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(2) 既設側溝の補修方法であって、
前記既設側溝の補修方法は、
既設蓋を取り除いた既設側溝本体の長手方向に延び、かつ向かい合う一対の上面部からなる蓋受部に載置するためのコンクリート製蓋部材であり、かつ、長手方向の両側面に、下方に向かって外側に傾斜する傾斜面を有し、上面幅が下面幅よりも小さく、さらに、前記両側面に前記コンクリート製蓋部材の長手方向に延びる切断起点用段部を備える既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材を準備する蓋部材準備工程と、
前記既設側溝より前記既設蓋を取り除いた前記既設側溝本体の前記蓋受部に、前記コンクリート製蓋部材の下面側を載置する蓋部材載置工程と、
前記蓋受部に載置された前記コンクリート製蓋部材の長手方向の両側面の側部上面側より充填材を充填する充填材充填工程とを行うものであり、
さらに、前記既設側溝の補修方法は、準備した前記コンクリート製蓋部材の幅が、前記既設蓋を取り除いた前記既設側溝本体の前記蓋受部の幅よりも大きい場合に、前記切断起点用段部を用いて、前記コンクリート製蓋部材を切断する幅調整工程を行うものであることを特徴とする既設側溝の補修方法。
【0008】
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(3) 既設蓋を取り除いた既設側溝本体の長手方向に延び、かつ向かい合う一対の上面部からなる蓋受部に載置するための既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材であって、
前記コンクリート製蓋部材は、上面と、前記既設側溝本体の前記蓋受部に載置するための下面と、長手方向の両側面に、下面方向に向かって外側に傾斜する傾斜面を有し、上面幅が下面幅よりも小さく、さらに、前記両側面に前記コンクリート製蓋部材の長手方向に延びる切断起点用段部を備えることを特徴とする既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材。
(4) 前記コンクリート製蓋部材は、上記(1)に記載の既設側溝の補修方法に用いられるものである上記(3)に記載の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材。
(5) 前記コンクリート製蓋部材は、前記切断起点用段部よりも下部かつ側部となる部分以外の部分に補強用鉄筋が埋設されている上記(3)または(4)に記載の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材。
(6) 前記コンクリート製蓋部材は、幅方向の中央部分に厚さ方向に貫通するスリット孔が設けられており、かつ、上面に、前記スリット孔に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材。
【発明の効果】
【0009】
本発明の既設側溝の補修方法は、長手方向の両側面に、下方に向かって外側に傾斜する傾斜面を有し、上面幅が下面幅よりも小さい既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材を準備する蓋部材準備工程と、既設側溝より既設蓋を取り除いた既設側溝本体の蓋受部に、コンクリート製蓋部材の下面側を載置する蓋部材載置工程と、蓋受部に載置されたコンクリート製蓋部材の長手方向の両側面の側部上面側より充填材を充填する充填材充填工程とを行うものである。そのため、既設側溝周辺の構造物や既設側溝本体が変形や破損した場合、特に、既設側溝の内方に向かって倒れ込む等した場合でも、蓋部材の側面とその周辺部材(道路等の構造物や既設側溝の側壁上部)との間に、上方に拡大する隙間を確保でき、その隙間に充填材(無収縮モルタル等)を流し込むことができる。また、コンクリート製蓋部材の傾斜面と充填材とのアンカー効果により、蓋部材をより強固に固定でき、蓋部材の脱落やガタツキを防止できる。
【0010】
また、本発明の既設側溝の補修方法は、長手方向の両側面に、下方に向かって外側に傾斜する傾斜面を有し、上面幅が下面幅よりも小さい既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材を準備する蓋部材準備工程と、準備したコンクリート製蓋部材の幅が、既設蓋を取り除いた既設側溝本体の蓋受部の幅よりも大きい場合に、コンクリート製蓋部材の側面下部を切断する幅調整工程とを行うものである。そのため、既設側溝周辺の構造物や既設側溝本体が変形や破損して蓋受部の幅が蓋部材の幅よりも小さくなってしまい、蓋部材を蓋受部に載置するのが困難な場合でも、現場にて蓋部材の幅を調整して対応することができる。さらに、蓋部材が長手方向の両側面に傾斜面を有するため、蓋部材の側面下部を切断する際に、コンクリートカッターの刃が入れ易い。また、蓋部材の側面下部の破断が必要な部位を切断すればよく、蓋部材を厚さ方向全長に亘って切断するのに比べて切断部分および厚さを小さくできる。
【0011】
本発明の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材は、既設蓋を取り除いた既設側溝本体の長手方向に延び、かつ向かい合う一対の上面部からなる蓋受部に載置するためのコンクリート製蓋部材であって、上面と、既設側溝本体の蓋受部に載置するための下面と、長手方向の両側面に、下面方向に向かって外側に傾斜する傾斜面を有し、上面幅が下面幅よりも小さく、さらに、両側面に蓋部材の長手方向に延びる切断起点用段部を備える。例えば、補修対象となる既設側溝において、既設側溝周辺の構造物や既設側溝本体が変形や破損して蓋受部の幅が蓋部材の幅よりも小さくなってしまい、蓋部材を蓋受部に載置するのが困難な場合、現場でコンクリートカッター(ポータブルコンクリートカッター)等を用いて蓋部材を切断し、蓋部材の幅方向寸法を調整することがある。その際、蓋部材に切断起点用段部が設けられていることにより、蓋部材の幅調整(切断)時の寸法的な目印になったり、切断起点用段部にコンクリートカッターの刃を当てることで刃がずれ難くなる等、既設側溝の補修に際しての作業性が向上する。また、蓋部材の側面下部の破断が必要な部位を切断すればよく、蓋部材を厚さ方向全長に亘って切断するのに比べて切断部分および厚さを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施例の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材の平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例の既設側溝の補修方法の対象となる既設側溝の設置当初の状態を示す斜視説明図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例の既設側溝の補修方法の対象となる既設側溝の設置当初の状態を示す断面説明図である。
【
図7】
図7は、
図6に示された既設側溝の補修時の状態の既設側溝本体を示す断面説明図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例の既設側溝の補修方法の幅調整工程を示す断面説明図である。
【
図9】
図9は、
図8に示される工程において側部下部が切断された蓋部材を示す断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例の既設側溝の補修方法の蓋部材載置工程を示す断面説明図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例の既設側溝の補修方法の充填材充填工程を示す断面説明図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例の既設側溝の補修方法の幅調整工程の他の例において側部下部が切断された蓋部材を示す断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の他の実施例の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材の断面拡大図である。
【
図15】
図15は、本発明の別の実施例の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材の断面拡大図である。
【
図16】
図16は、本発明の既設側溝の補修方法の対象となる他の既設側溝の設置当初の状態を示す断面説明図である。
【
図17】
図17は、
図16に示された既設側溝の補修時の状態の既設側溝本体を示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の既設側溝の補修方法および既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材を図面に示した実施例を用いて説明する。
図1には、本発明に係るコンクリート製蓋部材1(以下、単に蓋部材1とも言う)の平面図が示されている。
図2および
図3には蓋部材1の断面図が、それぞれ、示されている。なお、本実施形態においては、
図1における左右方向を蓋部材1の長手方向、
図1における上下方向を蓋部材1の幅方向、
図3における上下方向を蓋部材1や既設側溝の上下方向として説明する。
【0014】
本発明の既設側溝の補修方法は、既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62(
図7参照)の長手方向に延び、かつ向かい合う一対の上面部63,64からなる蓋受部65に載置するためのコンクリート製蓋部材であり、かつ、長手方向の両側面4に、下方に向かって外側に傾斜する傾斜面41を有し、上面幅:W1が下面幅:W2よりも小さい既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材(蓋部材1)を準備する蓋部材準備工程と、既設側溝6より既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65に、コンクリート製の蓋部材1の下面(3)側を載置する蓋部材載置工程と、蓋受部65に載置されたコンクリート製の蓋部材1の長手方向の両側面4の側部上面側より充填材8を充填する充填材充填工程とを行うものである。さらに、本発明の既設側溝の補修方法は、準備したコンクリート製の蓋部材1の幅が、既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65の幅:W3よりも大きい場合に、コンクリート製の蓋部材1の側面下部を切断する幅調整工程を行うものである。
【0015】
また、本発明の既設側溝の補修方法の他の実施例としては、既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62(
図7参照)の長手方向に延び、かつ向かい合う一対の上面部63,64からなる蓋受部65に載置するためのコンクリート製蓋部材であり、かつ、長手方向の両側面4に、下方に向かって外側に傾斜する傾斜面41を有し、上面幅:W1が下面幅:W2よりも小さく、さらに、両側面4に蓋部材の長手方向に延びる切断起点用段部44,45を備える既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材(蓋部材1)を準備する蓋部材準備工程と、既設側溝6より既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65に、コンクリート製の蓋部材1の下面(3)側を載置する蓋部材載置工程と、蓋受部65に載置されたコンクリート製の蓋部材1の長手方向の両側面4の側部上面側より充填材8を充填する充填材充填工程とを行うものである。さらに、既設側溝の補修方法は、準備したコンクリート製の蓋部材1の幅が、既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65の幅:W3よりも大きい場合に、切断起点用段部44,45を用いて、コンクリート製の蓋部材1を切断する幅調整工程を行うものである。
【0016】
図5に示されるように、補修の対象となる既設側溝6は、複数の既設側溝本体62が長手方向に連続して設けられている。各既設側溝本体62は、底板部66と、底板部66の両側部より上方に延びる側壁67,68とを備える。
図6に示されるように、各既設側溝本体62は道路等の構造物90,90の間に挟まれるように配置される。
【0017】
既設側溝本体62の側壁67,68の上部には、向かい合う一対の上面部63,64からなる蓋受部65が形成されている。具体的には、
図6に示されるように、構造物90,90の内
面に囲まれた側壁67,68の上端面(上面部63,64)において、蓋受部65が形成される。
【0018】
図5に示されるように、各既設側溝本体62の蓋受部65には、それぞれ、既設蓋61が載置されている。一般的に、既設蓋61は、蓋受部65に載置し易いように、その両側面73,73が下方に向かって内側に傾斜する傾斜面とされている。既設蓋61の長手方向の一端部には、雨水等を既設側溝本体62内に排水するための排水口形成凹部74が設けられている。
【0019】
本発明の既設側溝の補修方法では、長手方向の両側面に、下方に向かって外側に傾斜する傾斜面を有し、上面幅が下面幅よりも小さい蓋部材を準備する蓋部材準備工程を行う。本実施形態では、
図1ないし
図4に示される蓋部材1を準備する。望ましくは、長手方向の両側面4に、下面方向(下方)に向かって外側に傾斜する傾斜面41を有し、上面幅:W1が下面幅:W2よりも小さく、さらに、両側面4に蓋部材1の長手方向に延びる切断起点用段部44,45を備える既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材(蓋部材1)を準備する。
【0020】
蓋部材1は、コンクリート製の長方形厚板状の部材である。例えば、蓋部材1は、長手方向寸法が1000mm程度、幅方向寸法が400~450mm程度、厚さ(上下方向寸法)が100mm程度とされている。
図1に示されるように、蓋部材1の上面2の略全面には、上方に突出し長手方向に長い縦リブ21および上方に突出し幅方向に長い横リブ22が、交互に多数設けられており、これらが滑り止め効果を発揮する。なお、
図1以外の図面では、縦リブ21および横リブ22の図示を省略する。
【0021】
蓋部材1の幅方向の中央部分には、蓋部材1を厚さ方向に貫通するスリット孔23が2つ設けられている。スリット孔23は、平面視で長手方向に延びる細長長方形状で、蓋部材1の上面2および下面3に開口している。
図2および
図3に示されるように、スリット孔23は、下方に向かって拡がる形状(いわゆる、逆漏斗形状)とされており、雨水と一緒に流下する土砂がスリット孔23に詰まり難いようになっている。
【0022】
図3に示されるように、蓋部材1は、上面2に、スリット孔23に向かって下方に傾斜する傾斜面24を有する。傾斜面24の角度(傾斜面24と水平面とがなす角度):αは、要求される排水性能(排水量や集水効率など)に応じて適宜に設定されるが、好ましくは2°程度とされる。
図1および
図3に示されるように、蓋部材1では、スリット孔23が傾斜面24の傾斜方向と直交する方向に長く形成されている。このため、スリット孔23が、傾斜面24に沿って流下してくる水を効率よく受け入れることができる。
【0023】
蓋部材1の上面2の幅方向の中央部には、長手方向全長に亘って延び、スリット孔23に連通する集水溝25が設けられている。集水溝25は、傾斜面24に沿って流下する水を受け止め、スリット孔23へと導く効果がある。集水溝25は、蓋部材1の強度確保や蓋部材1上の通行し易さ等を考慮して、適度な大きさ(幅および深さ)で形成される。
【0024】
図3に示されるように、蓋部材1は、上面2と、既設側溝本体62の蓋受部65に載置するための下面3と、長手方向の両側面4,4に、それぞれ、下面方向(下方)に向かって外側に傾斜する傾斜面41を有する。さらに、蓋部材1は、上面幅(上面2の幅方向寸法):W1が下面幅(下面3の幅方向寸法):W2よりも小さくされている。傾斜面41の中央部分には、長手方向に全長に亘って延びるV字溝42が設けられている。
【0025】
図3に示されるように、蓋部材1は、両側面4,4に、それぞれ、蓋部材1の長手方向に延びる切断起点用段部44,45を備える。この実施例では、蓋部材1は、側端部位に設けられた第1切断起点用段部44と、第1切断起点用段部44よりも内側かつ上側に設けられた第2切断起点用段部45とを備えており、略階段状形状となっている。
【0026】
より具体的には、
図3および
図4に示されるように、蓋部材1の下面3の側端から略垂直面46が上方に延び、略垂直面46の上端から略水平面47が内方に延び、さらに、略水平面47の内側端から略垂直面48が上方に延びている。略水平面47と略垂直面48とで第1切断起点用段部44が形成されている。また、
図4に示すように、略垂直面48の上端から略水平面49が内方に延び、略水平面49の内側端が傾斜面41の下端と連続している。略水平面49と傾斜面41とで第2切断起点用段部45が形成されている。傾斜面41は、下面外側に向かって傾斜している。
【0027】
蓋部材1には、
図2ないし
図4に示されるように、切断起点用段部44,45よりも下部かつ側部となる部分以外の部分に補強用鉄筋5が埋設されている。言い換えれば、切断起点用段部44,45よりも下部かつ側部は、補強用鉄筋5の非存在部となっている。このため、切断起点用段部44,45を用いた切断時に、補強用鉄筋5が障害とならない。補強用鉄筋5は、蓋部材1の長手方向、幅方向、および厚さ方向にそれぞれ延びる鉄製の丸棒状部材である。補強用鉄筋5により、蓋部材1の強度が向上される。ここで、蓋部材1の切断起点用段部44,45よりも下部かつ側部となる部分とは、
図4においてクロスハッチを付した部分を指す。なお、
図2ないし
図4、および後述する
図8以外の図面においては、補強用鉄筋5の図示を省略する。
【0028】
次に、本発明の既設側溝の補修方法について、
図5ないし
図11を用いてより詳細に説明する。
本発明の既設側溝の補修方法を行うにあたり、対象となる既設側溝より、既設蓋が取り外される。そして、既設側溝6より既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65に、コンクリート製の蓋部材1の下面(3)側を載置する蓋部材載置工程を行うが、この蓋部材載置工程を行う前に、必要な場合には、幅調整工程を行う。
【0029】
幅調整工程は以下のように行われる。
図7に示されるように、既設蓋61を取り除いた既設側溝の既設側溝本体62の蓋受部65の幅:W3を測定する。同一の既設側溝本体62であっても部位によって蓋受部65の幅が異なることがあるが、ここでは、蓋受部65の幅:W3は、ある既設側溝本体62における蓋受部65の最小幅を指す。既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65の幅:W3は各既設側溝本体62毎また
は部位毎に異なることがあり、さらに、既設側溝6の設置当初の蓋受部65の幅とも異なることがある。これらの原因としては、構造物90の変形や、構造物90を含む周囲から受ける圧力による既設側溝本体62の変形、および既設蓋61を取り除く際の既設側溝本体62の破損等が挙げられる。本実施形態では、
図7に示されるように、構造物90の既設側溝本体62の内方への変形により、蓋受部65の幅:W3が既設側溝6の設置当初よりも狭くなっている。
【0030】
そして、既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65の幅:W3と蓋部材1の幅(蓋部材1の当初(幅調整前)の最大幅であり、ここでは、下面幅:W2)とを比較する。準備した蓋部材1の下面幅(W2)が、既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65の幅:W3よりも大きい場合には、コンクリートカッター等を用いて蓋部材65の側面下部を切断する。具体的には、蓋部材1の調整後幅:W4が蓋受部65の幅:W3よりも小さくなるように切断する。ここでは、
図8に示されるように、第2切断起点用段部45,45を用いて(第2切断起点用段部45にコンクリートカッターの刃9を当てて)蓋部材1の側部下部を切断し、
図9に示されるように、蓋部材1の幅方向寸法を調整する(調整後幅:W4とする)。
【0031】
次に、
図10に示すように、既設側溝6より既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65に、幅調整工程後の蓋部材1を下面(3)側より載置する蓋部材載置工程を行う。図示する実施例では、既設側溝本体62は、向かい合う一対の上面部63,64からなる蓋受部65を有しているので、この工程は、蓋受部65(上面部63,64)の上に蓋部材1の下面3を載置することにより行われる。
【0032】
そして、蓋受部65に載置された蓋部材1の長手方向の両側面4,4の側部上面側より充填材8を充填する充填材充填工程を行う。具体的には、
図11に示されるように、充填材8が、蓋部材1の両側面4,4と構造物90との間に形成された隙間を埋めるように充填される。また、本実施形態では、蓋部材1の側面4(傾斜面41)にV字溝42が形成されているため、V字溝42内にも充填材8が侵入する。これにより、充填材8の硬化後に、蓋部材1がより強固に固定される。充填材としては、アスファルト混合物、生コンクリート、セメントモルタル、無収縮モルタルなどが使用できるが、作業性や耐久性等を考慮して、無収縮モルタルが好ましい。充填材8は、構造物90の上端面、および蓋部材1の上面2とほぼ均一な高さとなるように、充填される。充填材8は後に硬化することにより、蓋部材1が強固に固定される。これで、既設側溝6の補修が完了する。
【0033】
上述した既設側溝の補修方法では、蓋部材1が傾斜面41を有する(特に、蓋部材1において、傾斜面41が蓋部材1の上部に設けられ、かつ、上方に露出している)ため、蓋部材1の側面4,4と構造物90との間に、上方に拡大する隙間を確保でき、その隙間に充填材8を流し込むことができる。また、蓋部材1の傾斜面41と充填材8とのアンカー効果により、蓋部材1をより強固に固定でき、蓋部材1の脱落やガタツキを防止できる。
【0034】
また、上述した既設側溝の補修方法では、構造物90や既設側溝6(既設側溝本体62)が変形や破損して、蓋受部65の幅:W3が、全体または部分的に蓋部材1の幅(下面幅:W2)よりも小さくなってしまい、そのままでは蓋部材1を蓋受部65に載置するのが困難な場合でも、現場にて蓋部材1の幅を全体または部分的に調整して対応することができる。さらに、蓋部材1が、両側面4,4に長手方向に延びる切断起点用段部44,45を備えるため、蓋部材1の幅調整(切断)時の寸法的な目印になったり、切断起点用段部44,45にコンクリートカッターの刃を当てることで刃がずれ難くなる等、既設側溝の補修に際しての作業性が向上する。
【0035】
上述の実施形態では、幅調整工程において、第2切断起点用段部45を用いて蓋部材1の側部下部を切断したが、蓋受部65の幅:W3によっては、
図12に示されるように、第1切断起点用段部44を用いて蓋部材1の側部下部を切断してもよい。このように、蓋部材1は、幅方向において位置が異なる2つの切断起点用段部44,45を備えるため、蓋受部65の幅:W3に応じて、幅方向寸法を柔軟に調整することができる。
【0036】
なお、上述の実施形態では、幅調整工程において、準備した蓋部材1の幅(下面幅:W2)が、既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65の幅:W3よりも大きかったため、蓋部材1の側部下部を切断した。これに対し、準備した蓋部材1の幅(W2)が、既設蓋61を取り除いた既設側溝本体62の蓋受部65の幅:W3よりも小さい場合には、蓋部材1を切断する必要はない。すなわち、この場合は、蓋部材1の幅が、蓋受部65の幅:W3よりも小さいことを確認した時点で、幅調整工程を完了する。
【0037】
次に、
図13および
図14には、本発明の既設側溝補修用のコンクリート製蓋部材の他の実施形態が示されている。ここで示される蓋部材1aは、本発明の既設側溝の補修方法に用いることができる。蓋部材1aは、上述した蓋部材1に対して、主に切断起点用段部を含めた側面の形態が異なる。蓋部材1aにおいて上述した蓋部材1と略同様の構成については、同一の名称および符号を用い、詳細な説明を省略する。
【0038】
図13に示されるように、蓋部材1aの長手方向の両側面4a,4aは、厚さ方向全長に亘って下面方向(下方)に向かって外側に傾斜する傾斜面41a,41aとされている。蓋部材1aは、上面幅:W1aが下面幅:W2aよりも小さくされている。蓋部材1aは、傾斜面41aから幅方向内方に向かって凹むように形成された、長手方向に延びる2つの切断起点用段部44a,45aを備える。
【0039】
具体的には、
図14に示されるように、蓋部材1aの下面3の側端から斜め上方に延びる傾斜面41aの一部から、第1の段部形成面77が斜め内方に延び、第1の段部形成面77の内側端から、第2の段部形成面78が斜め外方に延びている。第2の段部形成面78の外側端は傾斜面41aと連続している。第1の段部形成面77と第2の段部形成面78とで第1切断起点用段部44aが形成されれている。
【0040】
そして、蓋部材1aは、第1切断起点用段部44aの上方に、第2切断起点用段部45aが形成されている。具体的には、
図14に示されるように、第1切断起点用段部44aの上方に、傾斜面41aの一部から、第3の段部形成面79が斜め内方に延び、第3の段部形成面79の内側端から、第4の段部形成面80が斜め外方に延びている。第4の段部形成面80の外側端は傾斜面41aと連続している。第3の段部形成面79と第4の段部形成面80とで第2切断起点用段部45aが形成されている。第2切断起点用段部45aは、第1切断起点用段部44aより、上方かつ若干内側に位置している。
【0041】
このような蓋部材1aにおいても、上述した蓋部材1と同様に、蓋部材1aが傾斜面41aを上部に有し、かつ傾斜面41aが上方に露出しているため、蓋部材1aの側面4a,4aと構造物90との間に、上方に拡大する隙間を確保でき、その隙間に充填材8を流し込むことができる。また、蓋部材1aの傾斜面41aと充填材8とのアンカー効果により、蓋部材1aをより強固に固定でき、蓋部材1aの脱落やガタツキを防止できる。
【0042】
また、構造物90や既設側溝6(既設側溝本体62)が変形や破損して蓋受部65の幅:W3が蓋部材1aの幅(ここでは、下面幅:W2a)よりも小さくなってしまい、そのままでは蓋部材1aを蓋受部65に載置するのが困難な場合でも、現場にて蓋部材1aの幅を調整して対応することができる。さらに、蓋部材1aの両側面4a,4aに蓋部材1aの長手方向に延びる切断起点用段部44a,45aを備えるため、蓋部材1aの幅調整(切断)時の寸法的な目印になったり、切断起点用段部44a,45aにコンクリートカッターの刃を当てることで刃がずれ難くなる等、既設側溝の補修に際しての作業性が向上する。
【0043】
なお、本発明の既設側溝の補修方法において用いられる蓋部材は、切断起点用段部を備えないものであってもよい。例えば、
図15に示されるように、蓋部材1bの側面4b,4bが、厚さ方向全長に亘って、下面方向(下方)に向かって外側に一様に傾斜する傾斜面41b,41bとされていてもよい。蓋部材1bは、上面幅:W1bが下面幅:W2bよりも小さくされている。このような形態であっても、蓋部材1bが長手方向の両側面4b,4bに傾斜面41b,41bを有することにより、蓋部材1bの側面下部を切断する際に、コンクリートカッターの刃が入れ易い。また、蓋部材1bの側面下部を切断する際、蓋部材1bを厚さ方向全長に亘って切断するのに比べて切断部分および厚さを小さくできる。
【0044】
蓋部材の両側面に設けられる傾斜面は、蓋部材の上部に設けられ、かつ上方に露出しているものに限られず、例えば、側面上部の一部がストレート面(垂直面)となっていてもよい。蓋部材の両側面に設けられる傾斜面は、直線的に傾斜しているものに限られず、一部または全部が湾曲していてもよい。
【0045】
蓋部材の上面は、片傾斜形状やフラット形状(傾斜のない形状)とされていてもよい。また、蓋部材の長手方向の側面や端面には、幅方向や長手方向の位置を規定すること等を目的として、外方に突出する凸部が形成されていてもよい。
【0046】
また、補修の対象となる既設側溝は、
図16に示されるような既設側溝本体62aを備えるものであってもよい。既設側溝本体62aは、底板部66と、底板部66の両側部より上方に延びる側壁67a,68aとを備える。側壁67a,68aの上部部位には、向かい合う一対の上面部63a,64aからなる蓋受部65aが形成されている。具体的には、側壁67a,68aの上部には、向かい合う段差部69,70がそれぞれ形成されており、そこに上面部63a,64aが形成されている。上面部63a,64aからなる蓋受部65aには、既設蓋61が載置されている。側壁67a,68aは、さらに、段差部69,70から上方に延びる側壁上部71,72を備えている。
【0047】
このような既設側溝本体62aにおいても、周囲に設けられた構造物(図示せず)や既設側溝本体62aの変形や破損等によって、既設蓋61を取り除いた後の蓋受部65aの幅:W3aが、既設側溝の設置当初から変化することがある(
図17参照)。ここで、上述した蓋部材1を用いれば、蓋部材1の幅が、既設蓋61を取り除いた後の蓋受部65aの幅:W3aよりも大きい場合に、蓋部材1の側面下部を切断する幅調整工程を行って対応することができる。すなわち、例えば、
図18に示されるように、蓋部材1の幅を、第2切断起点用段部45を用いて蓋部材1の側部下部を切断することによって調整し、蓋部材1を蓋受部65a(既設側溝本体62aの上端面63a,64a)上に載置し、蓋部材1と既設側溝本体62aの側壁上部71,72との間に充填材8を充填して、既設側溝の補修を行うことができる。
【符号の説明】
【0048】
1 蓋部材
2 上面
3 下面
4 側面
5 補強用鉄筋
6 既設側溝
8 充填材
23 スリット孔
24 傾斜面
41 傾斜面
44 第1切断起点用段部
45 第2切断起点用段部
61 既設蓋
62 既設側溝本体
63 上面部
64 上面部
65 蓋受部