(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】ウェハポッドドア用の配置システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230405BHJP
【FI】
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2022166211
(22)【出願日】2022-10-17
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】202111423027.8
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522405978
【氏名又は名称】上海果納半導体技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 冬峰
(72)【発明者】
【氏名】鮑 偉成
(72)【発明者】
【氏名】王 文広
(72)【発明者】
【氏名】王 旭晨
(72)【発明者】
【氏名】叶 瑩
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-164929(JP,A)
【文献】特開2003-303869(JP,A)
【文献】特開2000-286319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハロードポート本体を含むウェハポッドドア用の配置システムであって、
前記ウェハロードポート本体は、基板と、
前記基板の一方側に位置するタンク
及びロードテーブルと、を含み、前記基板にドッキングインターフェースが設けられ、前記ドッキングインターフェースのサイズがウェハポッドドアに適合し、前記基板の
一方側とは反対の他方側に配置機構が設けられ、前記配置機構は、スイングコンポーネントと、従動コンポーネントと、ドッキングプレートと、を含み、前記スイングコンポーネントはドッキングインターフェースの上方に設けられ、前記従動コンポーネントはドッキングインターフェースの下方に設けられ、かつ、前記スイングコンポーネント、従動コンポーネントはそれぞれドッキングプレートに接続され、前記スイングコンポーネントはドッキングプレートをドッキングインターフェースの
上方に配置するようにドッキングプレートを駆動し、前記従動コンポーネントはドッキングプレートの回動自由度を拘束し、所定の位置に配置されたドッキングプレートの
一端面を上向きにし、
前記スイングコンポーネントは、スイングロッドと、クロスロッドと、を含み、前記スイングロッドの一端は第1回転軸を介してドッキングプレートの
他端面に固定された第1固定ベースにヒンジ連結され、スイングロッドの他端は基板に固定された第2固定ベースにヒンジ連結され、
前記従動コンポーネントは、接続ロッドと、可動ロッドと、を含み、前記接続ロッドと可動ロッドは第2回転軸を介してヒンジ連結され、前記接続ロッドの一端はドッキングプレートの
他端面に固定され、他端は可動ロッドにヒンジ連結され、前記可動ロッドは基板
の側面に
沿って上下移動可能であり、
第1回転軸の軸線からドッキングプレートの
他端面までの距離が、第2回転軸の軸線からドッキングプレートの
他端面までの距離よりも小さ
く、
前記ドッキングインターフェースが前記ドッキングプレートにより閉じられた場合に、前記ドッキングプレートは、一端面が前記基板の一方側に臨むように設けられている、
ことを特徴とするウェハポッドドア用の配置システム。
【請求項2】
前記スイングコンポーネントは駆動部材をさらに含み、前記スイングロッドは、前記ドッキングプレートの左右両側に対称に2つ設けられ、2つの前記スイングロッドの一端はそれぞれドッキングプレートに固定された2つの第1固定ベースにヒンジ連結され、他端はそれぞれ基板に固定された2つの第2固定ベースにヒンジ連結され、かつ、前記スイングロッドにボスが設けられ、前記クロスロッドの両端はそれぞれ2つのスイングロッドのボスに固定して接続され、前記クロスロッドと基板との間に駆動部材がさらにヒンジ連結される、ことを特徴とする請求項1に記載のウェハポッドドア用の配置システム。
【請求項3】
前記駆動部材は直動シリンダであり、前記直動シリンダのシリンダ本体の末端が基板に固定されたシリンダ末端接続板に固定して接続され、前記シリンダ末端接続板は基板に固定された支持ベースにヒンジ連結され、前記直動シリンダのピストンロッドはY字形コネクタに固定して接続され、前記クロスロッドの中央部にボスが設けられ、前記Y字形コネクタはクロスロッドのボスにヒンジ連結される、ことを特徴とする請求項2に記載のウェハポッドドア用の配置システム。
【請求項4】
前記従動コンポーネントはスライダとスライドレールをさらに含み、前記接続ロッドは、平行に2つ設けられ、ドッキングプレートの左右両側に対称に設けられ、2つの前記接続ロッドの一端は全てドッキングプレートの
他端面に固定され、他端はそれぞれ可動ロッドにヒンジ連結され、前記可動ロッドは接続板を介してスライダに固定して接続され、前記スライダはスライドレールに外嵌され、前記スライドレールは基板に垂直に固定して設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のウェハポッドドア用の配置システム。
【請求項5】
前記可動ロッドは「凵」形状を呈し、前記可動ロッドの形状及びサイズがドッキングインターフェースに適合し、前記可動ロッドはスライダに同期してスライドレールの方向に沿って基板に平行な面内を直線並進運動する、ことを特徴とする請求項4に記載のウェハポッドドア用の配置システム。
【請求項6】
前記スイングコンポーネントのスイングロッドと第2固定ベースは第3回転軸を介してヒンジ連結される、ことを特徴とする請求項2に記載のウェハポッドドア用の配置システム。
【請求項7】
ウェハポッドドアが閉じられた状態で、ドッキングプレートは垂直に配設され、かつ基板に平行であり、第3回転軸の軸線と第2回転軸の軸線は基板に平行な垂直面をなす、ことを特徴とする請求項6に記載のウェハポッドドア用の配置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体加工分野に関し、特にウェハポッドドア用の配置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の加工において、生産ラインのさまざまな位置間でウェハを搬送、移送する必要があり、通常、ウェハロードポート(Loadport)はウェハの供給に用いられ、基本的な作動原理としては、ウェハロードポートはウェハポッドに対して作業を行い、所定の位置に達すると、ウェハポッドのドアを開き、マニピュレータや他の装置によりウェハを取り出し、このように、ウェハの供給が実現される。
【0003】
半導体の加工において、さまざまな加工ステーション間でウェハを搬送、移送したり、ウェハを再分類して整備したりする必要があり、通常、上記の機能はウェハの機器フロントエンドモジュール(EFEM)、ウェハ選別機(Sorter)によって実現される。ウェハロードポート(Loadport)は通常上記装置に配置され、主として、まず、ウェハポッドをドッキングインターフェースに搬送し、次に、ウェハポッドのドアを開いて所望の位置に配置し、さらにウェハセンサによってウェハのポースを検出する役割を果たす。ウェハロードポートが上記機能を完了した後、EFEM、Sorterのマニピュレータや他の装置はポッドからウェハを取り出して加工ステーションに搬送し、このように、ウェハの供給が完了される。
【0004】
しかし、現在のウェハロードポート(Loadport)では、ドッキングプレートとウェハ検出センサが同時に下方へ移動するので、ウェハロードポートの構造が必要以上コンパクトになり、ウェハロードポートの組み立て、デバッグやメンテナンスに不利である。また、全過程に亘ってウェハポッドのドアを常に垂直配置状態にし、ドアの安定性がウェハロードポートのドッキングプレートの前側面吸盤による真空吸引力により保持され、気圧の波動による影響を受けやすい。また、ウェハロードポート(Loadport)はEFEMやSorterにおいてウェハカセットのドアを開いた後、EFEM及びSorterの底部にドアを配置するので、EFEM及びSorterの底部に取り付けられるマニピュレータを避けるために、EFEM及びSorterの体積のサイズを大きくする必要があるが、一方、実際にはEFEM及びSorterの頂部に大きな空きスペースがあり、ウェハロードポートはこの空きスペースを十分に結合、発揮、及び活用しておらず、浪費をもたらし、半導体加工に必要なクリーンな環境を維持するためのコストが高いので、装置の設計体積は冗長性を有するべきではない。
【0005】
本願は、装置の体積を小さくし、生産コストを低減させることを目的とするウェハポッドドア用の配置システムを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記欠点を克服するために、本発明の目的はウェハポッドドア用の配置システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成させるために、本発明が採用する技術的解決手段は以下の通りである。ウェハロードポート本体を含むウェハポッドドア用の配置システムであって、前記ウェハロードポート本体は、基板と、タンクと、ロードテーブルと、を含み、前記基板にドッキングインターフェースが設けられ、前記ドッキングインターフェースのサイズがウェハポッドドアに適合し、前記基板のロードテーブルと反対する側面に配置機構が設けられ、前記配置機構は、スイングコンポーネントと、従動コンポーネントと、ドッキングプレートと、を含み、前記スイングコンポーネントはドッキングインターフェースの上方に設けられ、前記従動コンポーネントはドッキングインターフェースの下方に設けられ、かつ、前記スイングコンポーネント、従動コンポーネントはそれぞれドッキングプレートに接続され、前記スイングコンポーネントはドッキングプレートをドッキングインターフェースの側部上方に配置するようにドッキングプレートを駆動することができ、前記従動コンポーネントはドッキングプレートの回動自由度を拘束し、所定の位置に配置されたドッキングプレートの前側面を上向きにすることができる。
【0008】
好ましくは、前記スイングコンポーネントは、スイングロッドと、クロスロッドと、駆動部材と、を含み、前記スイングロッドは前記ドッキングプレートの左右両側に対称に2つ設けられ、2つの前記スイングロッドの一端はそれぞれドッキングプレートに固定された2つの第1固定ベースにヒンジ連結され、他端はそれぞれ基板に固定された2つの第2固定ベースにヒンジ連結され、かつ、前記スイングロッドにボスが設けられ、前記クロスロッドの両端はそれぞれ2つのスイングロッドのボスに固定して接続され、前記クロスロッドと基板との間に駆動部材がさらにヒンジ連結される。ドッキングプレートが開かれた後にドッキングインターフェースの上方に位置し、駆動部材が駆動するときに、スイングロッドは上端のヒンジ連結点の周りにスイングし、ドッキングインターフェースの側部上方に位置するようにドッキングプレートを駆動することを目的とする。
【0009】
好ましくは、前記駆動部材は直動シリンダであり、前記直動シリンダのシリンダ本体の末端が基板に固定されたシリンダ末端接続板に固定して接続され、前記シリンダ末端接続板は基板に固定された支持ベースにヒンジ連結され、前記直動シリンダのピストンロッドはY字形コネクタに固定して接続され、前記クロスロッドの中央部にボスが設けられ、前記Y字形コネクタはクロスロッドのボスにヒンジ連結される。
【0010】
好ましくは、前記従動コンポーネントは、接続ロッドと、可動ロッドと、スライダと、スライドレールと、を含み、前記接続ロッドは平行に2つ設けられ、ドッキングプレートの左右両側に対称に設けられ、2つの前記接続ロッドの一端は全てドッキングプレートの後側面に固定され、他端はそれぞれ可動ロッドにヒンジ連結され、前記可動ロッドは接続板を介してスライダに固定して接続され、前記スライダはスライドレールに外嵌され、前記スライドレールは基板に垂直に固定して設けられる。即ち、従動コンポーネントはドッキングプレートの回動自由度を制限する。
【0011】
好ましくは、前記可動ロッドは「凵」形状を呈し、前記可動ロッドの形状及びサイズがドッキングインターフェースに適合し、前記可動ロッドはスライダに同期してスライドレール方向において基板に平行な面内を直線並進運動する。このような構成によれば、ドッキングプレートをドッキングインターフェースの側部上方に配置するようにドッキングプレートの運動経路を制御することができる一方で、EFEMやSorterのマニピュレータがドッキングインターフェースを介してウェハポッドからウェハを出し入れすることに影響を与えない。
【0012】
好ましくは、前記スイングコンポーネントのスイングロッドと第1固定ベースは第1回転軸を介してヒンジ連結され、第1固定ベースはドッキングプレートの後側面に設けられ、前記スイングコンポーネントのスイングロッドと第2固定ベースは第3回転軸を介してヒンジ連結され、前記従動コンポーネントの接続ロッドと可動ロッドは第2回転軸を介してヒンジ連結される。ウェハポッドドアが閉じられた状態で、ドッキングプレートは垂直に配設され、基板に平行であり、第3回転軸の軸線と第2回転軸の軸線は基板に平行な垂直面をなす。
【0013】
ウェハポッドドアが閉じられた状態で、ドッキングプレートは垂直に配設され、かつ基板に平行であり、第3回転軸の軸線と第2回転軸の軸線は基板に平行な垂直面をなす。
【0014】
好ましくは、第1回転軸の軸線からドッキングプレートの後側面までの距離が、第2回転軸の軸線からドッキングプレートの後側面までの距離よりも小さい。ウェハポッドドアがウェハポッドに内蔵されるので、ドアの上、下と左、右の4つの側面がウェハポッドに対して所定の距離を保ち、これにより、ドアがウェハポッドの上、下と左、右の内側壁に接触したり摩擦したりすることを回避できる。しかし、ドッキングプレートはポッドからドアを取り出す過程には、ウェハポッドがドアを平行に出てくるのではなく、所定の角度で揺れて出てくる。スイング中にウェハポッドに対するドアの傾きが大きいほど、ドアがウェハポッドの内側壁と摩擦したり、さらに応力作用を発生させたりすることが起こりやすく、これは、ウェハポッドの内側壁の摩損を引き起こし、シール効果を損なうだけではなく、摩損中に生じた微細粒子がウェハポッド、さらにEFEMやSorterの内部の清潔度に影響を与え、また、ウェハロードポートへのウェハポッドの固定の安定性にも影響し、よって、ウェハポッドからドアを取り出す際の相対傾きを低下させることにより、上記リスクの発生を効果的に回避できる。このため、第1回転軸からドッキングプレートの後側面までの距離が、第2回転軸からドッキングプレートの後側面までの距離よりも小さいように設計することにより、スイングロッドが初期位置で、ドッキングプレートに対してある程度逆方向に傾斜するようになり、この初期の逆方向傾斜により、ドッキングプレートがウェハポッドからドアを取り出すときの相対傾きが減少し、ウェハポッドからドアを取り出すときにドアがウェハポッドの内側壁と摩擦したり、押力作用を発生させたりすることが回避される。
【0015】
ドッキングプレートは配置システムにより駆動されてドッキングインターフェースに対して開閉することができ、閉じられた場合、ドッキングプレートの前側面の吸盤によりドッキングインターフェースの他側のウェハポッドドアを吸着し、配置システムにより駆動されて所望の位置にドアを配置する。ドッキングプレートの後側面に後蓋がさらに設けられる。ドッキングプレートの前側面にドア吸着用の吸盤が設けられ、吸盤に吸引力を供給する真空管路がドッキングプレートの後側面に設けられるので、運動中の管路への干渉を回避し、管路周辺の環境を清潔に保つために、真空管路を密閉するための後蓋が設けられる。
【発明の効果】
【0016】
ウェハポッドドア用の配置システムでは、ウェハロードポートの頂部のスペースを十分に活用することで、ウェハロードポートの構造のレイアウトがより合理的であり、従来のウェハロードポートでは、ウェハポッドドアを出し入れする際には、ドアは常に垂直に置かれ、真空吸引力のみによってドッキングプレートに密着するが、真空吸着には気体遮断時の保持機能がないので、吸着の安定性が気圧の波動による影響を受けやすい。本発明のウェハポッドドア用の配置システムでは、ドアが所望の位置に配置された後、ドッキングプレートは略水平に置かれ、これにより、ドッキングプレートはドアに支持力を付与することができ、真空吸引力への依存性を低減させ、ウェハロードポートにおいてウェハポッドドアを開いたり出し入れしたりするための機構のモジュール化の設計を実現し、ウェハロードポートの機械構造の集積程度を低下させ、ウェハローダの生産、組み立て、輸送やメンテナンスに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ウェハポッドドア用の配置システムの立体構造概略図である。
【
図2】スイングコンポーネントの部分概略図である。
【
図3】スイングコンポーネント及び従動コンポーネントの位置概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の利点及び特許が当業者により理解されやすいように、以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について詳細に説明し、本発明の特許範囲をより明確に定める。
【0019】
図1~11に示すように、本実施例におけるウェハポッドドア用の配置システムは、ウェハロードポート本体1を含み、ウェハロードポート本体1は、基板101と、タンク102と、ロードテーブル103と、を含み、基板101にドッキングインターフェース2が設けられ、ドッキングインターフェース2のサイズがウェハポッドドア8に適合し、基板101のロードテーブル103と反対する側面に配置機構が設けられ、配置機構は、スイングコンポーネント4と、従動コンポーネント5と、ドッキングプレート3と、を含み、スイングコンポーネント4はドッキングインターフェース2の上方に設けられ、従動コンポーネント5はドッキングインターフェース2の下方に設けられ、かつ、スイングコンポーネント4、従動コンポーネント5はそれぞれドッキングプレート3に接続され、スイングコンポーネント4はドッキングプレート3をドッキングインターフェース2の側部上方に配置するようにドッキングプレート3を駆動することができ、従動コンポーネント5はドッキングプレート3の回動自由度を拘束し、所望の位置に配置させたドッキングプレートの前側面301を上向きにすることができる。
【0020】
スイングコンポーネント4は、スイングロッド401と、クロスロッド402と、駆動部材403と、を含み、スイングロッド401はドッキングプレート3の左右両側に対称に2つ設けられ、2つのスイングロッド401の一端はそれぞれ、第1回転軸6を介して、ドッキングプレート3に固定された2つの第1固定ベース404にヒンジ連結され、他端はそれぞれ、第3回転軸409を介して、基板101に固定された2つの第2固定ベース405にヒンジ連結され、かつ、スイングロッド401にボスが設けられ、クロスロッド402の両端はそれぞれ2つのスイングロッド401のボスに固定して接続され、クロスロッド402と基板101との間に駆動部材403がさらにヒンジ連結される。ドッキングプレート3が開かれた後にドッキングインターフェース2の側部上方に位置し、駆動部材403が駆動するときに、スイングロッド401は第3回転軸409の周りにスイングし、ドッキングインターフェース2の上方に位置するようにドッキングプレート3を駆動することを目的とする。
【0021】
駆動部材403は直動シリンダであり、直動シリンダのシリンダ本体の末端が基板101に固定されたシリンダ末端接続板406に固定して接続され、シリンダ末端接続板406は基板101に固定された支持ベース407にヒンジ連結され、直動シリンダのピストンロッドはY字形コネクタ408に固定して接続され、クロスロッド402の中央部にボスが設けられ、Y字形コネクタ408はクロスロッド402のボスにヒンジ連結される。
【0022】
従動コンポーネント5は、接続ロッド501と、可動ロッド502と、スライダ504と、スライドレール505と、を含み、接続ロッド501は平行に2つ設けられ、ドッキングプレート3の左右両側に対称に設けられ、2つの接続ロッド501の一端は全てドッキングプレートの後側面302に固定され、他端はそれぞれ可動ロッド502にヒンジ連結され、可動ロッド502は接続板503を介してスライダ504に固定して接続され、スライダ504はスライドレール505に外嵌され、スライドレール505は基板101に垂直に固定して設けられる。駆動部材403がスイングコンポーネント4を介してドッキングプレート3をドッキングインターフェース2の側部上方に移動させる過程では、従動コンポーネント5はドッキングプレート3の回動を拘束し、ドッキングプレート3をウェハロードポート1に対して反時計回りで回動させることができ(
図1参照)、これによって、ドッキングプレート3を垂直状態から前側面が上向きにする状態に変更するのを実現する。
【0023】
可動ロッド502は「凵」形状を呈し、可動ロッド502の形状及びサイズがドッキングインターフェース2に適合し、可動ロッド502はスライダ504に同期してスライドレール505の方向に沿って基板101に平行な面内を直線並進運動する。このような構成によれば、ドッキングプレート3をドッキングインターフェース2の側部上方に配置するようにドッキングプレート3の運動経路を制御することができる一方で、EFEMやSorterのマニピュレータがドッキングインターフェース2を介してウェハポッド10からウェハを出し入れすることに影響を与えない。
【0024】
図3~4に示すように、ウェハポッドドアが閉じられた状態で、ドッキングプレート3は垂直に配設され、基板101に平行であり、第3回転軸409の軸線と第2回転軸7の軸線は基板101に平行な同一の垂直面にある(
図4に示す破線参照)。スイングコンポーネント4のスイングロッド401と第1固定ベース404は第1回転軸6を介してヒンジ連結され、第1固定ベース404はドッキングプレート3の後側面に設けられ、従動コンポーネント5の接続ロッド501と可動ロッド502は第2回転軸7を介してヒンジ連結され、かつ、第1回転軸6の軸線からドッキングプレートの後側面302までの距離(d)が、第2回転軸7の軸線からドッキングプレートの後側面302までの距離(D)よりも小さい。
図3に示すように、スイングロッド401はスイングコンポーネント4の一部であり、スイングロッド401は、初期位置では、ドッキングプレート3に対してある程度逆方向に傾斜し、この初期の逆方向傾斜により、ドッキングプレート3がウェハポッド10からドア8を取り出す過程における相対傾きが減少し、ウェハポッド10からドア8を取り出す過程においてドア8がウェハポッド10の内側壁と接触することが回避され、ウェハポッド10からドア8を取り出すときにドア8がウェハポッド10の内側壁と摩擦したり推力を生成したりすることが回避される。
【0025】
ドッキングプレート3は配置システムにより駆動されてドッキングインターフェース2に対して開閉することができ、閉じられた場合、ドッキングプレートの前側面301の吸盤によりドッキングインターフェース2の他側のウェハポッドドア8を吸着し、配置システムにより駆動されて、所定の位置にドア8を配置する(吸着によりドアを開く構造及び原理は本分野で公知のものであるので、ここでは詳しく説明しない)。ドッキングプレートの後側面302に後蓋9がさらに設けられ、ドッキングプレートの前側面301にドア8を吸着するための吸盤が設けられ、吸盤に吸引力を供給する真空管路がドッキングプレートの後側面302に設けられるので、運動中の管路への干渉を回避し、管路周辺の環境を清潔に保つために、真空管路を密閉するための後蓋9が設けられる。
【0026】
ウェハポッドドア用の配置システムでは、ウェハロードポート1及びEFEMやSorterの頂部のスペースを十分に活用することで、ウェハロードポート1及びEFEMやSorterの構造のレイアウトがより合理的である。従来のウェハロードポートでは、ウェハポッドドア8を出し入れする際には、ドア8は常に垂直に置かれ、真空吸引力のみによってドッキングプレート3に密着するが、本発明のウェハポッドドア8用の配置システムでは、ドア8が所定の位置に配置された後、ドッキングプレート3は略水平に置かれ、これにより、ドッキングプレート3はドア8に支持力を付与することができ、このように、真空吸引力への依存性を低減させ、ウェハロードポートにおいてウェハポッドドア8を開いたり出し入れしたりするための機構のモジュール化の設計を実現し、ウェハロードポートの機械構造の集積程度を低減させ、ウェハローダの生産、組み立て、輸送やメンテナンスにより有利である。
【0027】
図4~9には、閉状態-開く過程-完全に開く概略図であり、基本的な作動原理は以下の通りである。初期位置では、ドッキングプレート3はドッキングインターフェース2に対して中央揃えに配置され、ドッキングインターフェース2は閉状態になり、Loadportウェハロードポート1が作動し始めると、タンク102内に配置された制御システムは情報を受信して命令を送信し、ウェハロードポート1の全ての駆動部材の運動を制御し、ウェハポッド10をロードテーブル103に置き、次に、ロードテーブル103はウェハポッド10をドッキングインターフェース2に押し、その後、ドッキングプレート3に取り付けられた吸盤はウェハポッドドア8を吸着し、ドア8は吸盤の吸引力による作用の下でドッキングプレート3に密着し、ドッキングプレート3に取り付けられた解錠装置はウェハポッドドア8を開き、ウェハポッドドア8とウェハポッド10とのロックが解除され、配置システムは作動し始め、駆動部材403のピストンロッドは伸長して、クロスロッド402を移動させ、第1固定ベース404の周りに時計回りでスイングさせるようにスイングロッド401を駆動して(図示した視角)、スイングロッド401はドッキングプレート3を移動駆動し、ドッキングプレート3は可動ロッド502をスライダ504とともにスライドレール505に沿って垂直に上方へ移動させ、ドッキングプレート3は可動ロッド502とともに上方へ移動しながら、可動ロッド502の回転軸の周りに反時計回りで回動し、ドッキングプレート3はウェハポッドドア8を同期してスイングさせ、ウェハポッドドア8をウェハポッド10から揺れ出し、駆動部材403はクロスロッド402の反作用により支持ベース407の周りにスイングし、このように、駆動部材403のピストンロッドが持続的に伸長し、可動ロッド502が上方へ移動することによって、ウェハポッドドア8はスイングによりドッキングインターフェース2の側部上方に移動し、ウェハポッド10は完全に開かれる。このとき、ドア8は略水平に置かれ、ドッキングプレート3によって支持力が付与され、これによって、真空吸引力への依存性を低減させ、ドッキングプレート3は駆動部材403によって支持力が付与され、駆動部材403は、圧縮空気の作用によって、外部の気圧の波動による影響を受けずに、5ポート3位置弁を介してピストンロッドの伸長状態を長時間に保つことができる。
【0028】
以上の実施方式は本発明の技術的構想及び特徴を説明するためのものに過ぎず、当業者が本発明の内容を理解して実施することを意図しており、本発明の特許範囲を限定するものではなく、本発明の主旨に基づいて行われる等価変化や修飾は全て本発明の特許範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0029】
1、ウェハロードポート本体
2、ドッキングインターフェース
3、ドッキングプレート
4、スイングコンポーネント
5、従動コンポーネント
6、第1回転軸
7、第2回転軸
8、ウェハポッドドア
9、後蓋
10、ウェハポッド
101、基板
102、タンク
103、ロードテーブル
301、ドッキングプレート前側面
302、ドッキングプレート後側面
401、スイングロッド
402、クロスロッド
403、駆動部材
404、第1固定ベース
405、第2固定ベース
406、シリンダ末端接続板
407、支持ベース
408、Y字形コネクタ
409、第3回転軸
501、接続ロッド
502、可動ロッド
503、接続板
504、スライダ
505、スライドレール
【要約】 (修正有)
【課題】サイズを大きくせず、組み立て、デバッグやメンテナンスに不自由が生じないウェハロードポート構造を提供する。
【解決手段】ウェハロードポート本体1には、ドッキングインターフェース2が設けられ、本体の、ロードテーブル103とは反対側面に配置機構が設けられ、スイングコンポーネント4、従動コンポーネント5及びドッキングプレート3を含む。スイングコンポーネントはドッキングインターフェースの上方に、従動コンポーネントはドッキングインターフェースの下方に夫々設けられ、スイングコンポーネント及び従動コンポーネントは夫々ドッキングプレートに接続される。スイングコンポーネントは、ドッキングプレートをドッキングインターフェースの側部上方に配置するようにドッキングプレートを駆動する。従動コンポーネントは、ドッキングプレートの回動自由度を拘束し、所定の位置に配置されたドッキングプレートの内側面を上向きにする。
【選択図】
図1