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特許7256789バンパーフェイシアを含む車両用外装アセンブリー
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  • 特許-バンパーフェイシアを含む車両用外装アセンブリー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】バンパーフェイシアを含む車両用外装アセンブリー
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/50 20060101AFI20230405BHJP
   B60R 19/48 20060101ALI20230405BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20230405BHJP
   F21S 41/29 20180101ALI20230405BHJP
   F21W 102/10 20180101ALN20230405BHJP
   F21W 102/30 20180101ALN20230405BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20230405BHJP
【FI】
B60R19/50 B
B60R19/48 B
B60Q1/00 B
F21S41/29
F21W102:10
F21W102:30
F21W103:20
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020506612
(86)(22)【出願日】2019-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2019010305
(87)【国際公開番号】W WO2019177035
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2018048476
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】園田 寛行
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-264745(JP,A)
【文献】特開2015-025770(JP,A)
【文献】特開2004-071351(JP,A)
【文献】特開2005-082036(JP,A)
【文献】特開2014-034383(JP,A)
【文献】特開2014-051206(JP,A)
【文献】特開2017-144814(JP,A)
【文献】特開2013-137261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/50
B60R 19/48
B60Q 1/00
F21S 41/29
F21W 102/10
F21W 102/30
F21W 103/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取り付けられるバンパーフェイシアと、車体周辺を照明する灯具と、車体周辺の情報を収集するセンサとを備え、灯具のレンズ部およびセンサのアンテナ部が各々単一部品としてバンパーフェイシアに一体的に形成されていることを特徴とする車両用外装アセンブリー。
【請求項2】
前記灯具のボディ部およびセンサのケース部が一体的に形成され、単一部品としてバンパーフェイシアに組み付けられている請求項1記載の車両用外装アセンブリー。
【請求項3】
前記バンパーフェイシアが不透明樹脂で成形され、灯具のレンズ部およびセンサのアンテナ部が透明樹脂で成形されている請求項1または2記載の車両用外装アセンブリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体外面に裝備される車両用外装アセンブリーに関し、詳しくは、灯具とセンサを備えたバンパーフェイシアを含む車両用外装アセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軽量化および車両デザインの多様化を図るために、フロント・バンパーフェイシアまたはリア・バンパーフェイシアを樹脂で成形し、その両端部に照明用の灯具を配置する技術が知られている。例えば、特許文献1には、車体前面を覆うバンパーフェイシアの左右両端部に、灯具のレンズ部を露出させるための開口部を形成するとともに、灯具の光源ユニットを保持するボディ部をボルトで組み付ける技術が記載されている。
【0003】
また、バンパーは車体前方または後方の歩行者、他車両、障害物等に関する情報を集めるに適した位置に設置されていることから、従来、バンパーフェイシアに各種のセンサを組み込む技術も知られている。例えば、特許文献2には、バンパーフェイシアに超音波センサのアンテナ部を露出させる開口部を形成し、開口部と超音波センサのケース部との隙間をカバー部材で見栄えよく密閉する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-144814号公報
【文献】特開2013-137261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の車両用外装アセンブリーによると、車体外面に灯具を配置するために、灯具のボディ部とレンズ部をバンパーフェイシアと別体に形成して組み付ける必要があり、同様に、センサを配置するために、センサのケース部とアンテナ部をバンパーフェイシア別体に形成して組み付ける必要があった。このため、車体外面への外装アセンブリーの取り付けにあたり、部品点数が増え、組付工数も増加するという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、灯具およびセンサの一部をバンパーフェイシアに一体化し、部品点数および組付工数を減らして、車体外面に簡易に組み付けることができる車両用外装アセンブリーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の車両用外装アセンブリーは、車体に取り付けられるバンパーフェイシアと、車体周辺を照明する灯具と、車体周辺の情報を収集するセンサとを含み、灯具のレンズ部およびセンサのアンテナ部がバンパーフェイシアに一体的に形成されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、車両用外装アセンブリーの部品点数および組付工数をさらに減らすために、灯具のレンズ部に組み合わされるボディ部およびセンサのアンテナ部に組み合わされるケース部とを樹脂で一体に成形し、単一部品としてバンパーフェイシアに組み付けるのが好ましい。より好ましくは、バンパーフェイシアを不透明樹脂で成形し、灯具のレンズ部およびセンサのアンテナ部を透明樹脂で成形することができる。
【0009】
また、本発明の車両用外装アセンブリーは、車体に取り付けられるバンパーフェイシアと、車体周辺を照明する灯具と、車体周辺の情報を収集するセンサとを備え、灯具のボディ部およびセンサのケース部がバンパーフェイシアに一体的に形成されていることを特徴とする。
【0010】
ここでも、車両用外装アセンブリーの部品点数および組付工数をさらに減らすために、、灯具のボディ部に組み合わされるレンズ部およびセンサのケース部に組み合わされるアンテナ部を樹脂で一体に成形し、単一部品としてバンパーフェイシアに組み付けるのが好ましい。
【0011】
さらに、本発明による幾つかの実施形態では、灯具が、センサより高い位置の第1灯具と、センサより下い位置の第2灯具とを含み、第1灯具、第2灯具およびセンサがバンパーフェイシアに縦一列に並設される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、灯具のレンズ部またはボディ部とセンサのアンテナ部またはケース部がバンパーフェイシアに一体的に形成されているので、部品点数および組付工数を減らし、車体外面に車両用外装アセンブリーを簡易に組み付けることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例1を示す車両の斜視図である。
図2】実施例1の車両用外装アセンブリーを示す分解斜視図である。
図3】同アセンブリーの組立分解形態を示す図1のIII-III線断面図である。
図4】本発明の実施例2を示す車両の斜視図である。
図5】実施例2の車両用外装アセンブリーを示す分解斜視図である。
図6】車両用外装アセンブリーの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を車体前面に裝備される車両用外装アセンブリーに具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1図2図3は本発明の実施例1を示し、図4図5が本発明の実施例2を示す。図6は、実施例1,2に共用できる車両用外装アセンブリーの変形例を示す。各図において、同一の符号は同一または類似する構成要素を示す。
【実施例1】
【0015】
図1に示すように、実施例1の車両用外装アセンブリー11は、車体1の前面に取り付けられたバンパーフェイシア12と、主に夜間に車体1の前方を照明する第1灯具としてのヘッドランプ13と、主に濃霧時に車体1の前方を補助的に照明する第2灯具としてのフォグランプ14と、車両前方の歩行者、他車両、障害物等に関する情報を収集するセンサ15とから構成されている。
【0016】
バンパーフェイシア12は、フロントバンパーの表層部材であり、車体1と同色の樹脂で車幅方向に長く形成され、その裏面に補強部材や緩衝部材(図示略)が設けられている。センサ15には、可視光を感知するカメラ、可視光以外の電磁波を検知するLIDARやミリ波レーダー等が用いられ、センサー15の上側にヘッドランプ13が配置され、センサ15の下側にフォグランプ14が配置され、これらのランプ13,14とセンサ15がバンパーフェイシア12の左右両端部において縦一列に並設されている。
【0017】
図2に示すように、ヘッドランプ13は、照明光を発生する光源ユニット17と、照明光を車両前方へ透過させるレンズ部18と、光源ユニット17を収容し保持するボディ部19とを含む。同様に、フォグランプ14は、光源ユニット20、レンズ部21およびボディ部22を含む。センサ15は、検知波を発生する検知ユニット23と、検知波を送受信するアンテナ部24と、検知ユニット23を収容し保持するケース部25とを含む。
【0018】
そして、ランプ13,14のレンズ部18,21とセンサ15のアンテナ部24がバンパーフェイシア12に一体的に形成されている。具体的には、図3(a),(b)に示すように、バンパーフェイシア12が不透明樹脂で成形され、レンズ部18,21とアンテナ部24が可視光を透過する透明樹脂でバンパーフェイシア12と共に2色成形されている。ただし、可視光以外の電磁波を使用するセンサ15の場合は、アンテナ部24を不透明樹脂で成形することもできるし、開口部とすることも可能である。
【0019】
一方、ランプ13,14のボディ部19,22とセンサ15のケース部25は、バンパーフェイシア12と別の成形工程で一体的に樹脂成形され、単一部品としてバンパーフェイシア12の裏面に組み付けられ、対応するランプ13,14およびセンサ15のレンズ部18,21とアンテナ部24とに組み合わされる。なお、図示例とは異なり、ボディ部19,22とケース部25を2つまたは3つに分離した状態で成形し、対応するレンズ部18,21とアンテナ部25に個別に組み付けることもできる。
【0020】
以上のように構成された実施例1の車両用外装アセンブリー11によれば、ヘッドランプ13のレンズ部18とフォグランプ14のレンズ部21とセンサ15のアンテナ部24とがバンパーフェイシア12に一体化されているので、従来と比較して部品点数および組付工数を減らし、外装アセンブリー11を車体前面に簡易に組み付けることができる。また、ランプ13,14のボディ部19,22とセンサ15のケース部25が単一部品として一体化されているので、外装アセンブリー11の部品点数および組付工数をさらに削減できるという利点もある。
【実施例2】
【0021】
図4に示すように、実施例2の車両用外装アセンブリー31は、実施例1と同様に、バンパーフェイシア12の左右両端部に、ヘッドランプ13、フォグランプ14およびセンサ15が縦一列に並設されている。図5に示すように、各ランプ13,14は光源ユニット17,20、レンズ部18,21、ボディ部19,22を含み、センサ15が検知ユニット23、アンテナ部24、ケース部25を含む。そして、実施例1とは異なり、ランプ13,14のボディ部19,22とセンサ15のケース部25がバンパーフェイシア12に一体形成されている。
【0022】
また、ランプ13,14のレンズ部18,21とセンサ15のアンテナ部24は、バンパーフェイシア12と別の成形工程において、透明樹脂で一体的に成形され、単一部品としてバンパーフェイシア12の前面に組み付けられ、対応するランプ13,14およびセンサ15のボディ部19,22とケース部25に組み合わされる。なお、図示例とは別に、レンズ部18,21とアンテナ部24を2つまたは3つに分離して成形し、対応するボディ部19,22とケース部25に個別に組み付けることもできる。
【0023】
以上のように構成された実施例2の車両用外装アセンブリー31によれば、ヘッドランプ13のボディ部19とフォグランプ14のボディ部22とセンサ15のケース部25とがバンパーフェイシア12に一体化されているので、従来と比較して部品点数および組付工数を減らし、外装アセンブリー31を車体前面に簡易に組み付けることができる。また、ランプ13,14のレンズ部18,21とセンサ15のアンテナ部24が単一部品として一体化されているので、アセンブリー31の部品点数および組付工数をさらに削減できるという利点もある。
【0024】
なお、本発明は、上記実施例1,2に限定されるものではなく、以下に例示するように、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の形状ならびに構成を適宜に変更して実施することも可能である。
(A)図6に示すように、ヘッドランプ13、フォグランプ14およびセンサ15をバンパーフェイシア12の長さ方向中央部つまり車幅方向中央部に縦一列に並設すること。
(B)実施例1,2のフォグランプ14に代えて、センサ15の下側にターンシグナルランプや自動運転表示ランプなどを配設すること。
(C)車体1の後部に取り付けられるリア・バンパーフェイシアに、リアコンビネーションランプのレンズ部またはボディ部と、センサのアンテナ部またはケース部とを一体的に形成すること。
【符号の説明】
【0025】
1 車体
11 車両用外装アセンブリー(実施例1)
12 バンパーフェイシア
13 ヘッドランプ
14 フォグランプ
15 センサ
17 ヘッドランプの光源ユニット
18 ヘッドランプのレンズ部
19 ヘッドランプのボディ部
20 フォグランプの光源ユニット
21 フォグランプのレンズ部
22 フォグランプのボディ部
23 センサの検知ユニット
24 センサのアンテナ部
25 センサのケース部
31 車両用外装アセンブリー(実施例2)
図1
図2
図3
図4
図5
図6