(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】分離デバイス
(51)【国際特許分類】
B03B 5/00 20060101AFI20230405BHJP
B03B 7/00 20060101ALI20230405BHJP
B07B 1/00 20060101ALI20230405BHJP
B07B 1/46 20060101ALI20230405BHJP
B07B 1/04 20060101ALI20230405BHJP
B02C 18/18 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
B03B5/00 Z
B03B7/00
B07B1/00 B
B07B1/46 K
B07B1/04 Z
B07B1/46 D
B02C18/18 B
(21)【出願番号】P 2020510598
(86)(22)【出願日】2018-08-31
(86)【国際出願番号】 FI2018050616
(87)【国際公開番号】W WO2019043296
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-06-14
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】500403468
【氏名又は名称】アンドリツ オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペルトネン、カリ
(72)【発明者】
【氏名】ベーマー、ヤンネ
(72)【発明者】
【氏名】カイパイネン、ベサ
(72)【発明者】
【氏名】シーク、サミ
(72)【発明者】
【氏名】ポルッカ、サムプサ
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-026793(JP,A)
【文献】特開昭62-015392(JP,A)
【文献】特表平10-510889(JP,A)
【文献】米国特許第04303207(US,A)
【文献】特開2003-220347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03B 1/00-13/06
B07B 1/00-15/00
B02C 13/00-13/31
B02C 18/00-18/38
D21D 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体及び固体含有懸濁物から大型の物体を分離するための分離デバイスであって、
前記分離デバイスは、供給導管(1)及び拒絶導管(2)を備えたハウジング(10)を有し、前記導管(1、2)と、前記ハウジング(10)の受入導管(3)との間にロータ・ユニット(13)が位置し、前記ロータ・ユニット(13)は、前記分離
デバイスの貫流方向に対して横向きのシャフト(4)を備え、前記シャフト(4)は、前記シャフト(4)に取り付けられたディスク(5)を回転させ、前記ディスク(5)の外表面及び/又は側表面がギザギザの形であり、即ち突出部(6)、ハンプ(90、91)、及び/又はノッチを有し、また前記分離デバイスは、前記ハウジング(10)に取り付けられた少なくとも2つの篩(7、8)を有し、前記少なくとも2つの篩(7、8)は、前記ディスク(5)間に延びる歯(9)を備え、また前記少なくとも2つの篩(7、8)は、前記拒絶導管(2)と前記受入導管(3)との間に位置する第1の篩(7)、及び前記供給導管(1)と前記受入導管(3)との間に位置する第2の篩(8)を有する、分離デバイス。
【請求項2】
前記液体及び固体含有懸濁物がセルロース懸濁物である、請求項1に記載の分離デバイス。
【請求項3】
前記ディスク(5)の前記突出部(6)の前面が、後縁よりも緩やかに傾斜していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の分離デバイス。
【請求項4】
前記ディスク(5)が、前記シャフト(4)に平行な平面状支持部材(51)及び/又は棒状支持部材(52)により、前記シャフト(4)に及び/又は互いに取り付けられていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項5】
前記ロータ・ユニット(13)と少なくとも1つの篩(7、8)との間の分離スロットの幅が、実質的に等しいサイズの幅であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項6】
少なくとも1つの篩(7、8)の前記歯(9)間の距離が、いくつかの他の篩(7、8)の前記歯(9)間の距離とは異なるサイズの距離であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項7】
少なくとも1つの篩(7、8)が、ヒンジ(81)又は滑動体(82)などの運動部材によって取り付けられることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項8】
少なくとも1つの篩(7、8)の取付機構が、拒絶物によってもたらされる過剰な力の影響又は兆候により可動であるように配置されることを特徴とする、請求項6に記載の分離デバイス。
【請求項9】
前記第2の篩(8)が、前記受入導管(3)に近接していることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項10】
前記第2の篩(8)が、前記供給導管(1)に近接していることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項11】
少なくともいくつかのディスク(5)の少なくともいくつかの突出部(6)の前記前面が凸状であり、且つ/又は、前記突出部(6)の前記後縁が先細になされていることを特徴とする、請求項
3、または請求項3を引用する請求項4から10までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項12】
前記シャフト(4)の中心から前記ディスク(5)の前記外表面又は側表面上の前記ハンプ(90、91)又はノッチまでの距離に違いがあることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項13】
前記篩(7、8)の前記歯(9)のうちの少なくともいくつかが、
その頂
点に向かって先細になされ、且つ/又は、前記篩(7、8)のうちのいずれかの前記歯(9)
の後縁
が先細になされていることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項14】
前記ロータ・ユニット(13)の様々なディスク(5)の少なくともいくつかの突出部(6)が、前記シャフト(4)の回転方向において様々な箇所に位置することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項15】
前記分離デバイスが、2つの別々の第1の篩(7)又は2つの別々の第2の篩(8)を含むことを特徴とする、請求項1から14までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【請求項16】
磁気、超音波、加速度、アコースティック・エミッション、及び/又は圧力の測定に基づく少なくとも1つのセンサ(14)が、前記拒絶導管に、前記分離デバイスに取り付けられたロータリ・フィーダに、前記篩(7、8)に、及び/又は特に前記篩の近傍で前記ハウジング(10)に取り付けられ、それにより、前記拒絶導管又は拒絶物除去デバイスの閉塞及び/又は充満の発生、並びに/或いは、流れ中に存在する物体が前記分離デバイスの構造体に衝突したことを検出すること、及び、前記デバイスの振動を検出することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか一項に記載の分離デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース懸濁物などの液体及び固体含有懸濁物から、大型の物体(oversized piece)を分離するための分離デバイスに関する。より的確には、本発明は、請求項1に記載の分離デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
セルロース及び紙産業の設備及びプロセスは、通常、ある程度の量の砂などの様々な不純物に持ちこたえるが、供給材料は、石、ボルト等のようなより大きな物体、及び金属片を含む場合がある。繊維質片は、多くの場合、それらが設備の動作を妨げない限り、後の処理段階で利用されて繊解され得る。その狙いは、供給パルプを高濃度に保つことであり、それにより、供給パルプは、低濃度で水盤及び容器の底に留まるであろう物体を含有する。通常、処理設備に対して最大粒径が定められ、設備は、損傷することなく又は品質を損なうことなく持ちこたえる。分離デバイスの目的は、より粗いそれらの粒子をストリームから分離すること、又は、それらを破壊することである。分離デバイスは、スラリー又は他の液体及び固体を分離するためにも使用され得る。
【0003】
従来技術の解決法の実例が米国特許第4737274号で開示されており、この特許では、分離デバイスがチャンバを有し、チャンバ内では、分離ユニットのシャフトが歯付きロータを有し、この歯付きロータは、篩(ふるい)開口部を通過しない物体を拒絶出口(reject outlet)の方へ押しやる。対応する解決法では、篩(sieve)は、例えば多孔板でもあり得る。典型的には、これらの解決法では、回転速度は、パルプを流動化させるほどに速く、したがって、エネルギー消費量が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
新型の分離デバイスは、著しく低い電力需要及び流れ抵抗を有し、また、摩耗及び破損しやすい構造が回避される。分離デバイスはまた、特定の種類の3次元的な物体を受け入れること、及び、物体を受入可能にするために分解することを特徴とする。より正確には、本発明による分離デバイスは、請求項1において定義される。従属請求項は、本発明の好ましい実施例を定義する。
【0006】
従来の解決法とは異なり、本分離デバイスのロータ・ユニットは、分離デバイスの貫流方向に対して横向きのシャフトを有し、このシャフトは、シャフトに取り付けられたディスクを回転させ、それらのディスクは、中実であるか又はそれらの中央部が開口しており、且つ、それらの外表面及び/又は側表面上に、前述の表面をギザギザにするノッチ又は突出部を有する。ギザギザの表面(jagged surface)はまた、刻み目、起伏、又は荒れなどの実質的に粗い表面として理解され、これは、ディスクの側表面上で特に有利である。ハウジングに取り付けられた少なくとも2つの篩の歯は、ディスク間に延在し、これらの篩のうちの第1の篩は、拒絶導管(reject conduit)と受入導管との間に位置し、第2の篩は、供給導管と受入導管との間に位置する。
【0007】
有利には、ディスクの側表面と第1の篩の歯、第1の篩の歯の先端、及びシャフトのディスクの支持部材との間の横方向距離、又はディスク間の支持スリーブ間の距離、並びに篩の基部とディスクの突出部の先端又は実質的に丸い外表面との間の距離、即ち分離スロットの幅は、実質的に等しい。したがって、これらの分離スロットの幅は、20%内であるべきである。異なる篩に対して、これらの分離スロットは、互いに異なってもよい。これらのスロットの幅は、パルプ流から分離される物体のサイズを決定する。受け入れられる物体のサイズは、その最大寸法によって制限されるのではなくその最小寸法によって制限されることがしばしばあることが、留意されるべきである。したがって、例えば限られた長さの細い小枝又は平らな薄板が、分離ユニットを意図的に通過し得る。例として、加圧パルプ洗浄機が、そのような物体を受け入れ、それらの物体は、繊維に分解するか、又はより後の段階で除去される。従来技術のデバイスは、この種の分離には向いていない。
【0008】
ディスクの外表面及び/又は側面上では、ノッチ及び/又は突出部によって形成されたギザギザの表面が、篩に対して大き過ぎる物体を引き裂き、粉砕し、且つ/又は擂り潰す。次いで、篩とディスクとの間に詰まった物体は、受入れ可能なサイズに摩耗されるか又は分割され、それにより、それらは閉塞を生じさせない。ノッチの縁部は、突出部及びこぶ(lump)と同じように、物体をとらえて影響を与えることができる。側表面が滑らかな場合、側表面と篩との間で動けなくなった物体は、外周へ移動することができ、それにより、ディスクのギザギザの外表面は、物体を移送し、引き裂き、粉砕し、且つ/又は擂り潰し、また、閉塞は生じない。ディスクの側面は円錐形であってもよく、それにより、ディスクは、円筒状でギザギザの外表面を必ずしも有さず、側表面のみがギザギザとされる。篩の歯もまた、分離スロットの幅を実質的に等しく保つために、頂点に向かって相応に先細になる。
【0009】
第1の篩は、その流れ方向がシャフトのより有利な回転方向と同じである場合、分離の大部分を行う。ディスクもまた、第1の篩に対する大き過ぎる物体の移送、引き裂き、粉砕、及び/又は擂り潰しのほとんどを行う。第2の篩の追加的な機能は、受け入れられた物体の逆流を防ぐことである。最も有利には、第1の篩は、ディスクの下方に位置し、第2の篩は、ディスクの上方に位置して、重力分離を確実なものにする。ディスクの回転速度、ディスクの外表面及び側表面の流れ抵抗、並びに圧力差が、シャフトのより有利な回転方向に逆らって第2の篩を通過する流量を決定する。第1の篩において拒絶すべき物体によってもたらされる部分的な詰まりさえも、第2の篩を通過するシャフト上方の流れの増大につながる。分離を最適化するために、少なくとも1つの篩は、他の篩とは異なった寸法とされ得る。例として、第1の篩の分離スロットの幅は、又は別の言い方をすれば篩の歯とディスクとの間の距離は、第2の篩のそれらとは異なるサイズとされ得る。
【0010】
有利には、ディスクの外表面又はディスクの突出部の前縁と篩の前面との間の角度は、正であり、最も好ましくは10度を超え、それにより、突出部は、篩によって止められた物体を、その外周へ、また、拒絶導管(リジェクト導管)の方へ押す。篩との間の角度が大きい、緩やかに立ち上がっている前面もまた、ディスクによりそれらの周りに旋回し且つ流動化する流れが生じる傾向を低下させる。流れ抵抗、したがってエネルギー消費量は、少なくともいくつかの突出部の前面を凸状に成形すること及び/又は後面を先細(テーパ)にすることによって、さらに低減され得る。
有利には、篩の歯のうちの少なくともいくつかは、それらの頂点がそれらの基部よりも薄くなるように厚さ方向において面取りされ、それにより、篩を通る流れ抵抗が最少化されるが、構造は中実のままである。特に、第1の篩の前面は、凸状とされ得る。篩の前面とは、ディスクの回転方向に面する表面を意味する。なおもより有利には、第1の篩の後縁は先細にされ、即ち、篩の歯の成形は、前述されたディスクの突出部の成形に対応し得る。第2の篩の前面及び後縁は、反対の方法で有利に成形されるが、これは、パルプの流れ方向が、他の方向へ向かう流れ方向であるためである。流れ抵抗を低減させることにより、第1の篩と第2の篩との間での流れが平衡を保つ。また、第2の篩の後側での繊維及び通過した物体による妨害物の集積の危険性が低下する。篩は、供給導管により近接して配置され得る。ディスクの外表面が実質的に丸い場合、即ち、突出部を含まないか又は低い突出部を含む場合、篩の前面とディスクの外表面との間の角度は、有利には80度を超える。すると、大き過ぎる物体は、外方に案内され、ディスクと篩との間で動けなくなることがない。
【0011】
有利には、第2の篩は、シャフトの回転方向において、受入導管の下流で受入導管の傍らに位置する。すると、ディスクの回転は、実質的な逆流を生じさせないが、篩は、パルプを受入導管内へ案内する。一方、第2の篩を供給導管の傍らに配置することが有利な場合があり、それにより、特に重い金属の拒絶物が、より効率的に拒絶導管に向かって降下し、繊維を含むより軽い物質が、より効率的に第1の篩内へ一緒に移動して分解され、第2の篩の供給側には、物質が集積しない。篩は、前述の位置のどちらにおいても供給導管と受入導管との間に配置することができ、それにより、位置からもたらされる全ての利点が得られる。
【0012】
有利には、ディスクは、シャフトに平行な支持部材により、回転シャフトに及び/又は互いに取り付けられ、それにより、シャフトは、ロータ・ユニットの中央部において空間全体を占有しない。シャフトは、ディスクの全てを貫通するディスクの中央穴よりも実質的に細く延在し得る。シャフトはまた、別々のシャフトが端部において最も外側のディスクの中央部のみまで延在し得るように、分割され得る。すると、分離デバイスを通過する流れは、支持部材間で中央部内の開けた空間を通過することができるので、より大量の流れになり得る。ディスクはまた、中央開口部を有することができ、それにより、流れは、ディスクの中央部を通過することもできる。支持部材の内側で詰まりが起きた場合、閉じられたディスクは、隣り合うディスク間で詰まりが横方向に広まるのを防ぐ。特に、最も外側のディスクは、シャフト開口部以外は閉じられていることが好ましく、それにより、力は、ディスクを回転させる又は支持するシャフトに最も効率的に伝えられる。支持部材間のスロットの幅、及び、ディスク間の距離は、中空の中央空間を通過することができる粒子のサイズを決定する。支持部材は、それらを通過した長い物体を篩の歯、デバイスのハウジング、及び導管の開口部に対してより短い物体にする切刻みを生じさせることができる。
【0013】
有利には少なくとも1つの篩が、最も好ましくは第1の篩が、滑動体(スライド)又はヒンジなどの運動部材によって取り付けられる。すると、閉塞が生じた場合に、篩は、オペレータ又はプロセス・コントローラによって指示された向きから外れて移動されることが可能であり、妨害物が解放され得る。次いで、分離デバイスを迂回する導管が動作してもよく、妨害物は、例えば受入チャネル内に液体を供給することにより、受入チャネルから拒絶チャネル内へ案内され得る。妨害物はまた、分離デバイスの下流で受入チャネルに接続されている別の拒絶チャネル内へ案内されてもよい。拒絶物によってもたらされる過剰な力に起因して篩の接続部が降伏するか又は篩が滑動体によって引き込まれた場合、分離デバイスの破壊が回避され得る。過剰な力は、例えば、ばねで留められたヒンジ、又はセンサによって測定された力により、篩の動作を有効にし得る。
【0014】
ディスクの外表面又は側表面が、突出部に加えて又は突出部の代わりにより小さなハンプ(hump)又はノッチを備える場合、それらは、受け入れられつつある物体を引き裂き、粉砕し、且つ/又は擂り潰すことができる。シャフトの中心からのハンプ又はノッチの距離の間に違いがある場合、前述の効果は、分離スロットの長さに沿ってより幅広く起こる。
【0015】
ディスクの最大の突出部のうちの少なくともいくつかが、回転方向において異なる位置でシャフト上に配置される場合、物体の衝突及び打撃によってもたらされる力の衝撃は、より一様に分割され、それにより、篩の不必要な降伏又は破壊を回避することが可能になる。
【0016】
有利には、例えば磁気、超音波、アコースティック・エミッション、及び/又は圧力測定に基づく少なくとも1つのセンサが、拒絶導管に、分離デバイスに取り付けられたロータリ・フィーダに、ハウジングに、最も好ましくは篩の近傍に取り付けられて、妨害物の発生、及び/又は、拒絶導管の充満若しくは拒絶物を除去するデバイスの充満を検出する。拒絶物質は、センサを使用することにより、必要とされた場合にのみ、また例えば一定の間隔ではなく、拒絶チャネルの排出が行われ得るように、通常は一時的にのみ分離デバイスに入る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第2の篩が受入導管に近接する、好ましい実施例を示す図である。
【
図2】第2の篩の位置の別の好ましい実施例を示す図である。
【
図4】分離ユニットの好ましい実施例を供給導管の方向から示す図である。
【
図5】シャフトに平行な支持部材によりディスクが互いに取り付けられた、好ましい実施例を示す図である。
【
図6】シャフトに平行な支持部材によりディスクが互いに取り付けられた、ロータ・ユニットの好ましい実施例を断面で示す図である。
【
図7】ディスクの突出部の前面に丸みが付けられており、後面が先細にされている、好ましい実施例を示す図である。
【
図8】篩が移動可能に配置されている、好ましい実施例を示す図である。
【
図9】突出部、ハンプ、及びノッチの好ましい実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、供給導管1及び拒絶導管2の付いたハウジング10を有する分離デバイスの好ましい実施例を示し、導管1及び2と受入導管3との間には、ロータ・ユニット13が配置される。ロータ・ユニット13は、貫流方向に対して横向きのシャフト4を有し、このシャフト4は、シャフト4に取り付けられたディスク5と、少なくとも2つの篩7及び8とを回転させる。シャフト4は、有利には、水平姿勢にある。ディスク5の外表面には、突出部6が設けられる。ディスク5間には、それらの間隔を等しく保つ支持スリーブ11が存在し得る。より有利な回転の方向が、図に示されている。ディスク5の回転速度は、有利には200~1000rpmの間である。有利には、異なるディスク5の少なくともいくつかの突出部6は、シャフト4の回転方向において様々な箇所に位置する。有利には、シャフトは、管シャフト12を備え、この管シャフト12上には、ディスク5及び任意選択の支持スリーブ11が、ロータ・ユニット13として配置される。各ディスク5を全く同じにすることが有利であるが、ディスク5は、異なる数の様々な突出部6を有してもよい。
【0019】
ハウジングに取り付けられた2つの篩7、8の歯9は、ディスク5間に延在し、それらの篩のうちの第1の篩7は、拒絶導管2と受入導管3との間に位置する。第2の篩8は、供給導管1と受入導管3との間に位置する。第2の篩8は、受入導管3に隣接して配置される。拒絶物は、篩7、8、ディスク5、突出部6、及びシャフト4又は支持リング11によって形成された障害を通過することができないが、重力及び突出部6の衝撃により拒絶導管3内へ送られ、拒絶物は、この拒絶導管3を介して、例えばロータリ・フィーダによって除去される。
【0020】
有利には、1つ又は複数のセンサ14が、拒絶導管3に、分離デバイス若しくは対応するデバイスに接続されたロータリ・フィーダに、篩に、又は篩の近傍に取り付けられて、閉塞及び/又は拒絶チャネルの充満を示す。センサ14は、分離デバイスの制御装置に、又はプロセス制御装置(process control)に接続される。磁気に基づくセンサは、強磁性金属片を検出することを可能にする。超音波は、固体片を検出することを可能にする。アコースティック・エミッション・センサ及び/又は加速度センサは、デバイスによって生成された音の歪みの他に、デバイスの構造物に対する流れている物体の衝突、及びデバイスの振動を検出することを可能にする。圧力測定は、分離デバイスにおける閉塞を検出することを可能にする。
【0021】
パルプの密度に近い密度であるパルプ流内の物体、特に繊維質片は、流れの中でより良く浮遊し、また、そのような物体の大部分は、有利には、突出部6と第1の篩7との間のスロットにおいて引き裂かれること、破砕されること、及び/又は擂り潰されることなく残り得る。篩7、8の前面と突出部6の前面又は実質的に丸い外表面との間の角度αが小さくなるほど、分解が行われる可能性が高くなる。角度αが大きくなるほど、拒絶物がより良好に分離ユニットの外へ案内される。角度αは、異なる篩7、8において異なる大きさの角度であってよい。また、分離スロットの寸法は、異なる篩7、8において異なる大きさの寸法になるように最適化されてもよい。篩7、8は、提示された図面におけるものとは異なる向きであってもよく、且つ、異なる位置にあってもよい。
【0022】
図2は、
図1に対応する分離デバイスを示すが、この分離デバイスの第2の篩8は、供給導管1の近くに配置されており、それにより、篩8は、分離された物体を拒絶導管2内へより良く案内する。この篩8はまた、
図1の第2の篩8と一緒に、二重の第2の篩8として同じ場所に配置されてもよい。
【0023】
図3は、篩7、8の好ましい実施例を示す。ディスク5間に延在する篩7、8の歯9の先端は、有利には、厚さ方向において篩7、8の基部よりも薄く作られる。
【0024】
図4は、供給導管1の方向から見た、
図1による解決法を示す。シャフト4は、シャフトを回転させるモータの端部において、ハウジング
10に対して軸受上で支持される。シャフト4の端部には、篩7、8の端部間の埋め部品14が設けられることが好ましく、この埋め部品は、シャフト4の端部と篩7、8との間に分離スロットを形成する。シャフト4はまた、その一方の端部において、ハウジング
10に軸受取付け(bearing-mount)され得る。埋め部品14はまた、シャフト4のための軸受ハウジングとして機能し得る。
【0025】
図5及び6は、シャフト4に平行な支持部材51、52によりディスク5がシャフト4に及び互いに取り付けられた、好ましい実施例を示す。ロータ・ユニット13の中央部に開かれた空間が形成されるので、受入可能なパルプは、ロータ・ユニット13の中心部を通過することもできる。平面状支持部材51は、シャフト4の回転力を伝達し、且つ、ディスク5を支持する。棒状の支持部材52は、平面状支持部材51間の間隔が過度に大きい場合、主に篩として機能する。支持部材51、52の相互の間隔は、構造の残りの部分の分離スロットと実質的に等しいサイズであることが好ましい。シャフト4は、ロータ・ユニット13の長さに等しい長さを有することができ、又は、シャフト4は、より短くてもよく、それにより、分離セクションの中心部は、完全に又は部分的に開かれる。シャフト4はまた、駆動シャフト4が最も外側のディスク5までにのみ延在し、且つ、ロータ・ユニット13の他方の端部が軸受取付けされた支持シャフトによりハウジング10に又は埋め部品14に対して支持されるように、分割され得る。
【0026】
通過する流れを可能にするロータ・ユニット13は、ディスク5がそれらの中央部において閉口又は開口しているように、設計され得る。棒状の支持部材52が、ディスクのパーホレーションを貫通するか、又は、ディスクを適切に支持し且つディスクに固定されている場合、平面状支持部材51は、必要とされない。少なくとも最も外側のディスク5は、平面状支持部材51なしでロータ・ユニット13を十分に頑丈にするために、それらの中央開口部において、シャフト4又は他方の端部の支持シャフトのどちらかに取り付けられなければならない。支持スリーブが、ディスク6間で棒状の支持部材52上に設けられてもよく、この支持スリーブは、棒状の支持部材52が他の方法でディスクに固定されない場合に、ディスク間の距離を決定する。
【0027】
図7は、ディスク5の突出部6の好ましい断面を示す。突出部の前面は、凸状であり、後縁は、流れ抵抗を低減させるために先細にされている。篩7、8の歯は、対応する方法で成形されてもよい。先細にされた後縁は、妨害物を蓄積し得る繊維及び物体を後縁自体の後ろに集中的に引き寄せて集めることがない。
【0028】
図8は、篩7、8が移動可能に配置される、いくつかの解決法を示す。移動可能性は、例えば、妨害物の除去を可能にする。第1の篩7はヒンジ留めされ、それにより、第1の篩7は、アクチュエータによって、最も好ましくは向流によって、回転されてもよく、それにより、拒絶物が拒絶導管2へ押し込まれる。結合部81のシャフトが例えばばねで留められている場合、篩7は、過剰な力を受けたときに、並流で押し戻されることもあり得る。篩7又はそのヒンジに接続されたセンサ又はスイッチが、一致又は過剰な力に関するデータを、分離デバイスの制御装置に又はプロセス制御装置若しくはオペレータに示すことができる。第2の篩8は、滑動体82のアクチュエータにより、ディスク5のより近くに又はディスク5からより遠くに移動され得る。篩7、8のうちの1つ又は複数は、異なるように移動可能とされてもよく、また、ハウジング10の様々な位置に配置され得る。2つよりも多くの篩7、8が存在する場合、二重の篩7、8のうちの少なくとも1つを必要に応じてわきへ移動させることは、特に有利な可能性である。
【0029】
図9は、ディスクの外表面上の突出部6を左手側に示し、これらの突出部は、緩やかに傾斜した前面と、より鋭い後縁とを有する。最も有利には、突出部6は、径方向において10~50mmの高さを有する。より小さなノッチ又はハンプ90が、ディスク5又はその突出部6に成形されるか取り付けられる。それらの機能は、篩7、8に対する物体の引裂き、粉砕、及び/又は擂り潰しを支援することである。ハンプ90は、突出部の側面まで延在し得る。ハンプ90は、突出部6の前面上に固定されてもよい。有利には、前述のハンプ90又はノッチは、ディスク5の中心から様々な距離の所に配置される。
【0030】
右手側は、ディスクの外表面及び側面上の突出部が、対応する位置にあるハンプ91及び/又はノッチである、実施例を示す。ディスク5は、実質的に円形である。ノッチ又はハンプ91が適切なサイズのものであるとき、それらは、ほとんど、提示されたより大きな突出部6のように機能し得る。突出部6、ハンプ若しくはノッチ6、91の代わりに又はそれに加えて、ディスク5の外表面及び側表面は、刻み目、溝、又は荒れを有することができる。本特許出願において提示された実施例は、それらが別々に言及されていないにもかかわらず、互いに関連して使用され得る。