(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】B型肝炎ウイルス感染の治療及び予防のためのジヒドロピリミジニルチアゾール
(51)【国際特許分類】
C07D 455/06 20060101AFI20230405BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20230405BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20230405BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20230405BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20230405BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230405BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
C07D455/06 CSP
A61P31/20
A61K31/506
C07D471/04 117N
C07D519/00 311
A61K31/5377
A61K31/519
(21)【出願番号】P 2020536164
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2018086473
(87)【国際公開番号】W WO2019129681
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/119319
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/109334
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100157923
【氏名又は名称】鶴喰 寿孝
(72)【発明者】
【氏名】ハン,シーンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ジアーン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ヨーングワーン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,ソーン
【審査官】神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/076791(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/064156(WO,A1)
【文献】特表2017-504633(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0298067(US,A1)
【文献】国際公開第2017/108630(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中:
R
1は、未置換であるか又はハロゲン又はC
1-6アルキルによって1回又は2回又は3回置換されるフェニルであり;
R
2は、C
1-6アルキルであり;
Xは、-(Cy)
0-1-(L
1)
0-1-(L
2)
0-1-であり;ここで
Cyは、3~20員のヘテロシクリルであり;
L
1は、C
1-6
アルキレン又はカルボキシC
1-6
アルキレンであり;
L
2は、O、S、-N(R
3)-、又は-C(O)-NH-(ここでR
3は、H又はC
1-6アルキルである)である;
Yは、結合、C
1-9
アルキレン、C
1-6アルコキシC
1-6アルコキシC
1-6
アルキレン、又はカルボキシC
1-9
アルキレンであり;
Aは、式(A1):
【化2】
{式中:
R
4は、水素又はC
1-6アルキルであり;
R
5は、水素又はC
1-6アルコキシである};
又は式(A2):
【化3】
{式中:
R
6は、水素又はハロゲンであり;
R
7は、水素又はハロゲンであり;
R
8は、水素又はC
1-6アルキルであり;
Uは、結合又はOであり;
Wは、CH又はNである}である]の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
R
1が、ハロゲンによって1回又は2回又は3回置換されるフェニルであり;
R
2は、C
1-6アルキルであり;
Xは、-(Cy)
0-1-(L
1)
0-1-(L
2)
0-1-であり;ここで
Cyは、5~6員の単環式ヘテロシクリル又は9~10員の縮合二環式ヘテロシクリルであり;
L
1は、C
1-6
アルキレン又はカルボキシC
1-6
アルキレンであり;
L
2は、O、S、-N(R
3)-、又は-C(O)-NH-(ここでR
3は、H又はC
1-6アルキルである)である;
Yは、結合、C
1-9
アルキレン、C
1-6アルコキシC
1-6アルコキシC
1-6
アルキレン、又はカルボキシC
1-9
アルキレンであり;
Aは、式(A1){ここでR
4は、C
1-6アルキルであり、R
5は、C
1-6アルコキシである};
又は式(A2){ここでR
6は、水素又はハロゲンであり、R
7は、ハロゲンであり、R
8は、C
1-6アルキルであり、Uは、結合又はOであり、Wは、CH又はNである}である、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
R
1がクロロフルオロフェニルであり;
R
2は、メチル又はエチルであり;
Xは、結合;O;-N(CH
3)-;ピペラジニル;カルボキシピペラジニル;(アミノカルボキシ)プロピルピペラジニル;(メチルアミノ)メチルモルホリニル;(アミノカルボニル)モルホリニル;3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジニル、又は(アミノカルボニル)プロピル-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジニルであり;
Yは、結合、
ヘキシレン、
ペンチレン、
ブチレン、
プロピレン、(エトキシエトキシ)
エチレン、又はカルボキシ
ヘキシレンであり;
Aは、式(A1){ここでR
4は、tert-ブチルであり、R
5は、メトキシである};又は式(A2){ここでR
6は、水素又はフルオロであり、R
7は、フルオロであり、R
8は、メチルであり、Uは、結合又はOであり、Wは、CH又はNである}である、請求項2に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
R
1がハロゲンによって2回置換されるフェニルである、請求項2に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
R
1がクロロフルオロフェニルである、請求項4に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
Xが-(Cy)
1-(L
1)
0-1-(L
2)
0-1-であり;ここでCyは、ピペラジニル、カルボキシピペラジニル、モルホリニル、又は3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジニルである、請求項4に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
Xが、ピペラジニル;カルボキシピペラジニル;(アミノカルボニル)プロピル-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジニルである、請求項6に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
Yが、結合、C
1-9
アルキレン、又はC
1-6アルコキシC
1-6アルコキシC
1-6
アルキレンである、請求項6に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
Yが、結合、
ヘキシレン、
プロピレン、(エトキシエトキシ)
エチレンである、請求項8に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
6-tert-ブチル-9-[6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[5-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ペントキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ブトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[3-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]プロポキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[3-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]プロポキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[3-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[7-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル-メチル-アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[[(3S)-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]モルホリン-3-カルボニル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[4-カルボキシ-6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[[(3S)-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]モルホリン-3-カルボニル]アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[[4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メトキシ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
9-[6-[[3-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-3-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロパノイル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
9-[6-[[4-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-3,3-ジメチル-ブタノイル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
(4R)-6-[[(8aS)-2-[4-[6-[2,3-ジフルオロ-5-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]フェノキシ]ヘキシルアミノ]-2,2-ジメチル-4-オキソ-ブチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-7-イル]メチル]-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル;
(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[(3S)-3-[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシルカルバモイル]モルホリン-4-イル]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル;
(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[(3R)-3-[[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシル-メチル-アミノ]メチル]モルホリン-4-イル]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル;
(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル;
(2R)-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-2-[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシルアミノ]ブタン酸;及び
4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-1-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-2-カルボン酸;
より選択される、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
以下の工程:
(a)式(VI):
【化4】
の化合物の、塩基の存在下での加水分解;
(b)式(V-2):
【化5】
の化合物の、塩基の存在下での加水分解;
(c)式(X-2):
【化6】
の化合物の、塩基の存在下での臭化物(V)
:
【化7】
での脱保護化及び置換;
(d)式(XI-3):
【化8】
の化合物の、塩基の存在下での加水分解;
(e)式(X):
【化9】
の化合物の、塩基の存在下での臭化物(V)
:
【化10】
での置換
[上記式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、請求項1~請求項9のいずれか1項のように定義され;Zは、ハロゲンであり;LGは、ハロゲンであり;PGは、Bocであり;R
9は、C
1-6アルキルである]
のいずれか1つを含んでなる、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩の製造方法。
【請求項12】
治療活性物質としての使用のための、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩と治療上不活性な担体を含んでなる医薬組成物。
【請求項14】
HBV感染の治療又は予防
に使用
するための、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩の、HBV感染の治療又は予防用医薬品の製造への使用。
【請求項16】
HBV感染の治療又は予防のための、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項17】
請求項1~請求項10のいずれか1項に定義され
る化合物又はその医薬的に許容される塩
は有効量
で投与
される、
請求項13又は14に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における治療及び/又は予防に有用な有機化合物に、そして特にHBV感染を治療するのに有用なHBsAg(HBV表面抗原)阻害剤及びHBV DNA産生阻害剤に関する。
【0002】
本発明は、医薬活性を有する新規ジヒドロピリミジニルチアゾール、それらの製造、それらを含有する医薬組成物、及びそれらの医薬品としての潜在的な使用に関する。
本発明は、式I:
【0003】
【0004】
[式中、R1、R2、X、Y、及びAは、下記に記載される通りである]の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又はエナンチオマー、又はジアステレオマーに関する。
【背景技術】
【0005】
多くの観測事実は、いくつかのHBVウイルスタンパク質が、ウイルス認識のシグナル伝達系と後続のインターフェロン(IFN)抗ウイルス活性に干渉することによって、宿主の初期細胞応答に対抗し得ることを示した。この中でも、HBVエンプティサブウイルス粒子(SVPs,HBsAg)の過剰分泌は、慢性被感染患者(CHB)において観測される免疫寛容状態の維持に参画する場合がある。HBsAgや他のウイルス抗原への永続的な曝露は、HBV特異的T細胞の枯渇、又は進行性の機能障害をもたらす可能性がある(Kondo et al. Journal of Immunology (1993), 150, 4659-4671; Kondo et al. Journal of Medical Virology (2004), 74, 425-433; Fisicaro et al. Gastroenterology, (2010), 138, 682-93)。さらに、HBsAgについては、単球、樹状細胞(DC)、及びナチュラルキラー(NK)細胞のような免疫細胞の機能を直接的な相互作用によって抑制することが報告されてきた(Op den Brouw et al. Immunology, (2009b), 126, 280-9; Woltman et al. PLoS One, (2011), 6, e15324; Shi et al. J Viral Hepat. (2012), 19, e26-33; Kondo et al. ISRN Gasteroenterology, (2013), Article ID 935295)。
【0006】
HBsAgの定量は、慢性B型肝炎における予後判定と治療応答についての意義深いバイオマーカーである。しかしながら、HBsAg消失及び血清転換の達成は、慢性被感染患者においてほとんど観測されないものの、治療の最終目標であることに変わりはない。ヌクレオシ(チ)ド類似体のような現行の治療薬は、HBV DNA合成を阻害する分子であるが、HBsAgレベルを低下することには指向されていない。ヌクレオシ(チ)ド類似体は、長期療法であっても、自然に観測されるものと同等のHBsAgクリアランス率(-1%~2%の間)しか実証されていない(Janssen et al. Lancet, (2005), 365, 123-9; Marcellin et al. N. Engl. J. Med., (2004), 351, 1206-17; Buster et al. Hepatology, (2007), 46, 388-94)。故に、HBV治療のためにHBsAgを標的とすることへの未充足の医療ニーズがある(Wieland, S. F. & F. V. Chisari. J Virol, (2005), 79, 9369-80; Kumar et al. J Virol, (2011), 85, 987-95; Woltman et al. PLoS One, (2011), 6, e15324; Op den Brouw et al. Immunology, (2009b), 126, 280-9)。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、式Iの新規化合物、それらの製造、本発明による化合物に基づいた医薬品、及びそれらの生成、並びに、式Iの化合物の、HBV阻害剤としての使用とHBV感染の治療又は予防への使用である。式Iの化合物は、優れた抗HBV活性を示す。 本発明は、式(I):
【0008】
【0009】
[式中:
R1は、未置換であるか又はハロゲン又はC1-6アルキルによって1回又は2回又は3回置換されるフェニルであり;
R2は、C1-6アルキルであり;
Xは、-(Cy)0-1-(L1)0-1-(L2)0-1-であり;ここで
Cyは、3~20員のヘテロシクリルであり;
L1は、C1-6アルキル又はカルボキシC1-6アルキルであり;
L2は、O、S、-N(R3)-、又は-C(O)-NH-(ここでR3は、H又はC1-6アルキルである)である;
Yは、結合、C1-9アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルコキシC1-6アルキル、又はカルボキシC1-9アルキルであり;
Aは、式(A1):
【0010】
【0011】
{式中:
R4は、水素又はC1-6アルキルであり;
R5は、水素又はC1-6アルコキシである};
又は式(A2):
【0012】
【0013】
{式中:
R6は、水素又はハロゲンであり;
R7は、水素又はハロゲンであり;
R8は、水素又はC1-6アルキルであり;
Uは、結合又はOであり;
Wは、CH又はNである}である]の化合物、又はその医薬的に許容される塩に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
諸定義
他に述べなければ、明細書と特許請求の範囲が含まれる本出願において使用される以下の用語は、以下に示す定義を有する。明細書と付帯の特許請求項において使用されるように、単数形の冠詞(「a」、「an」、及び「the」)には、文脈が明白に他のやり方で指定しなければ、複数の参照項が含まれることに注目されたい。いくつかの事例において、ダッシュ(「-」)は、諸定義内で交換可能的に使用してよい(例えば、「アルコキシアルキル」では、「アルコキシ-アルキル」という同等の用語に見出されるダッシュが省略される).
置換の回数を示す場合、「1回又は2回又は3回」という用語は、1回~3回の置換回数の範囲(即ち、置換基による、1つの水素の置き換えからすべての水素の置き換えまで)を意味する。「置換の(substituted)」という用語は、特定基が1個以上の置換基を担うことを意味する。ある基が多数の置換基を担い得て、多様な可能置換基が提供される場合、この置換基は、独立的に選択されて、同じである必要はない。「未置換の(unsubstituted)」という用語は、特定基が置換基を担わないことを意味する。
【0015】
本明細書に使用されるように、「アルキル」という用語は、1~9個の炭素原子(C1-C9)の飽和で直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を意味する。別の態様において、「C1-9アルキル」という用語は、1~9個の炭素原子を含有する、飽和で直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味する。別の態様において、「C1-6アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子を含有する、飽和で直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味する。別の態様では、アルキル基が、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子であって、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1-ブチル、2-ブチル、tert-ブチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、等である。特別な「アルキル」基は、エチル、プロピル、イソプロピル、1-ブチル、1-ペンチル、及び1-ヘキシルである。
【0016】
本明細書に使用されるように、「ヘテロシクリル」は、3~20個の環原子(ここで環原子は炭素であって、環又は環系中の少なくとも1個の原子は、窒素、硫黄、又は酸素より選択されるヘテロ原子である)を有する、単環式、二環式、三環式、又はスピロで飽和又は不飽和、芳香族(ヘテロアリール)又は非芳香族(例、ヘテロシクロアルキル)の環系を意味する。ある環系の環原子がヘテロ原子であれば、その系は、該環系の分子の残りへの付加点にかかわらず、ヘテロシクリルである。1つの例では、ヘテロシクリルに3~11個の環原子(「成員」)が含まれて、単環、二環、三環、及びスピロ環系が含まれ、ここで環原子は、該環又は環系中の少なくとも1個の原子が窒素、硫黄、又は酸素より選択されるヘテロ原子である場合、炭素である。1つの例では、ヘテロシクリルに、窒素、硫黄、又は酸素より選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を有する、3~7員の単環が含まれる。別の例では、ヘテロシクリルに、窒素、硫黄、又は酸素より選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を有する4、5又は6員の単環が含まれる。1つの例では、ヘテロシクリルに、窒素、硫黄、又は酸素より選択される1、2、3、4、5、又は6個のヘテロ原子を有する8~12員の二環が含まれる。別の例では、ヘテロシクリルに、窒素、硫黄、又は酸素より選択される1、2、3、4、5、又は6個のヘテロ原子を有する9又は10員の二環が含まれる。例示のヘテロシクリルは、オキシラニル、アジリジニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエラニル、1,2-ジチエタニル、1,3-ジチエタニル、ピロリジニル、ジヒドロ-1H-ピロリル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ヘキサヒドロチオピラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、オキサジラニル、チアジナニル、チオキサニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、1,4-ジアゼパニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、チアゼパニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,1-ジオキソイソチアゾリジノニル、オキサゾリジノニル、イミダゾリジノニル、チアジニル、オキサジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、チアピラニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピリミジノニル、ピリミジンジオニル、ピリミジン-2,4-ジオニル、ピペラジノニル、ピペラジンジオニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、2-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、2-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、8-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザスピロ[3.5]ノナニル、アザスピロ[2.5]オクタニル、アザスピロ[4.5]デカニル、1-アザスピロ[4.5]デカン-2-オニル、アザスピロ[5.5]ウンデカニル、4,5,6,7-テトラヒドロ[2H]インダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]イミダゾリル、1,6-ジヒドロイミダゾール[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジニル、テトラヒドロインドリル、オクタヒドロインドリル、テトラヒドロイソインドリル、テトラヒドロインダゾリル、1,1-ジオキソヘキサヒドロチオピラニルである。ヘテロシクリルは、ハロゲン、OH、SH、CN、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NO2、N3、C(O)CH3、COOH、CO2CH3、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、オキソ、ハロC1-6アルキル、フェニル、又はヘテロシクリルによって置換されてもよい。
【0017】
「アルコキシ」という用語は、単独で、又は組合せにおいて、基:アルキル-O-(ここで「アルキル」は、上記に定義される通りである)を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、2-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ、等である。特別な「アルコキシ」基は、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシである。
【0018】
「結合」という用語は、2個の原子又は2個の部分間の化学結合を意味し、この場合、結合によって結ばれる原子は、より大きなサブ構造の一部であるとみなされる。1つの側面において、本明細書に記載される基が結合である場合、その参照基は、非存在であり、それによって、残る確定基の間で結合が形成されることを可能にする。
【0019】
本明細書に使用されるように、化学構造中の結合を横切る波線:
【0020】
【0021】
は、その波線の結合が化学構造断片において分子又は構造式の残り部分へ交差する、結合の付加点を意味する。
本明細書に使用されるように、括弧中の基(例、L1)に下付き添字の整数範囲が続く提示(例、(L1)0-1)は、その基が整数範囲によって指定される出現回数を有し得ることを意味する。例えば、(L1)0-1は、L1基が非存在であり得るか又は1回出現し得ることを意味する。
【0022】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
「カルボニル」という用語は、単独で、又は組合せにおいて、基:-C(O)-を意味する。
【0023】
「オキソ」という用語は、=O基を意味して、炭素原子又はイオウ原子へ付く場合がある。
「LG」という用語は、脱離基を意味し、これは、不均等結合開裂において電子対とともに離脱する分子断片のことである。脱離基は、アニオンでも中性分子でもよいが、いずれの場合でも、脱離基には、結合ヘテロリシスより生じる付加電子密度を安定化することが可能であることが不可欠である。一般的なアニオン性脱離基は、ハロゲン、OTf、OTs、及びOMsのような、ハロゲン化物とスルホン酸エステルである。
【0024】
「PG」という用語は、保護基を意味し、これは、後続の化学反応において化学選択性を得るために、ある官能基の化学修飾によって分子中へ導入される。典型的な保護基は、Boc、Cbz、及びBnである。
【0025】
本発明による化合物は、それらの医薬的に許容される塩の形態で存在し得る。「医薬的に許容される塩」という用語は、式Iの化合物の生物学的有効性と諸特性を保持して、好適な無害の有機酸又は無機酸、又は有機塩基又は無機塩基より生成される、慣用の酸付加塩又は塩基付加塩を意味する。酸付加塩には、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファム酸、リン酸、及び硝酸のような無機酸より誘導されるものと、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、等のような有機酸より誘導されるものが含まれる。塩基付加塩には、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及び四級水酸化アンモニウムより誘導されるもの(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムのような)が含まれる。医薬化合物の塩への化学修飾は、化合物の改善された物理及び化学的安定性、吸湿性、流動性、及び溶解性を入手するための、医化学者によく知られた技術である。それについては、例えば、Bastin R.J., et al., Organic Process Research & Development 2000, 4, 427-435 に記載されている。具体的な塩は、式Iの化合物のナトリウム塩である。
【0026】
1個又は数個のキラル中心を含有する一般式Iの化合物は、ラセミ体、ジアステレオマー混合物、又は光学活性のある単一異性体のいずれとしても存在し得る。ラセミ体は、既知の方法に従ってエナンチオマーへ分離することができる。特に、ラセミ混合物からは、例えば、D若しくはL-酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、又はカンファースルホン酸のような光学活性酸との反応によって、結晶化によって分離し得るジオステレオマー塩が生成される。
【0027】
HBsAgの阻害剤
本発明は、(i)一般式Iを有する化合物:式(I):
【0028】
【0029】
[式中:
R1は、未置換であるか又はハロゲン又はC1-6アルキルによって1回又は2回又は3回置換されるフェニルであり;
R2は、C1-6アルキルであり;
Xは、-(Cy)0-1-(L1)0-1-(L2)0-1-であり;ここで
Cyは、3~20員のヘテロシクリルであり;
L1は、C1-6アルキル又はカルボキシC1-6アルキルであり;
L2は、O、S、-N(R3)-、又は-C(O)-NH-(ここでR3は、H又はC1-6アルキルである)である;
Yは、結合、C1-9アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルコキシC1-6アルキル、又はカルボキシC1-9アルキルであり;
Aは、式(A1):
【0030】
【0031】
{式中:
R4は、水素又はC1-6アルキルであり;
R5は、水素又はC1-6アルコキシである};
又は式(A2):
【0032】
【0033】
{式中:
R6は、水素又はハロゲンであり;
R7は、水素又はハロゲンであり;
R8は、水素又はC1-6アルキルであり;
Uは、結合又はOであり;
Wは、CH又はNである}である]の化合物、又はその医薬的に許容される塩を提供する。
【0034】
本発明のさらなる態様は、(ii)R1が、ハロゲンによって1回又は2回又は3回置換されるフェニルであり;
R2は、C1-6アルキルであり;
Xは、-(Cy)0-1-(L1)0-1-(L2)0-1-であり;ここで
Cyは、5~6員の単環式ヘテロシクリル又は9~10員の縮合二環式ヘテロシクリルであり;
L1は、C1-6アルキル又はカルボキシC1-6アルキルであり;
L2は、O、S、-N(R3)-、又は-C(O)-NH-(ここでR3は、H又はC1-6アルキルである)である;
Yは、結合、C1-9アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルコキシC1-6アルキル、又はカルボキシC1-9アルキルであり;
Aは、式(A1){ここでR4は、C1-6アルキルであり、R5は、C1-6アルコキシである};
又は式(A2){ここでR6は、水素又はハロゲンであり、R7は、ハロゲンであり、R8は、C1-6アルキルであり、Uは、結合又はOであり、Wは、CH又はNである}である、態様(i)による式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
【0035】
本発明の別の態様は、(iii)R1がクロロフルオロフェニルであり;
R2は、メチル又はエチルであり;
Xは、結合;O;-N(CH3)-;ピペラジニル;カルボキシピペラジニル;(アミノカルボキシ)プロピルピペラジニル;(メチルアミノ)メチルモルホリニル;(アミノカルボニル)モルホリニル;3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジニル、又は(アミノカルボニル)プロピル-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジニルであり;
Yは、結合、ヘキシル、ペンチル、ブチル、プロピル、(エトキシエトキシ)エチル、又はカルボキシヘキシルであり;
Aは、式(A1){ここでR4は、tert-ブチルであり、R5は、メトキシである};又は式(A2){ここでR6は、水素又はフルオロであり、R7は、フルオロであり、R8は、メチルであり、Uは、結合又はOであり、Wは、CH又はNである}である、態様(i)による式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
【0036】
本発明のさらなる態様は、(iv)R1がハロゲンによって2回置換されるフェニルである、態様(i)による式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる態様は、(v)R1がクロロフルオロフェニルである、態様(i)による式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
【0037】
本発明のさらなる態様は、(vi)R2がメチル又はエチルである、態様(i)による式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる態様は、(vii)Xが-(Cy)1-(L1)0-1-(L2)0-1-であり;ここでCyは、ピペラジニル、カルボキシピペラジニル、モルホリニル、又は3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジニルである、態様(i)による式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
【0038】
本発明の別の態様は、(viii)Xが、ピペラジニル;カルボキシピペラジニル;(アミノカルボニル)プロピル-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジニルである、態様(i)による式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
【0039】
本発明のさらなる態様は、(ix)Yが、結合、C1-9アルキル、又はC1-6アルコキシC1-6アルコキシC1-6アルキルである、態様(i)による式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
【0040】
本発明の別の態様は、(x)Yが、結合、ヘキシル、プロピル、(エトキシエトキシ)エチルである、態様(i)による式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
本発明の別の態様は、(xi)Aが、式(A1){ここでR4は、tert-ブチルであり、R5は、メトキシである};又は式(A2){ここでR6は、水素又はフルオロであり、R7は、フルオロであり、R8は、メチルであり、Uは、結合又はOであり、Wは、CH又はNである}である、態様(i)による式Iの化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
【0041】
上記態様のいずれも組み合わせることが可能である。
本発明による式Iの特別な化合物は、以下である:
6-tert-ブチル-9-[6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[5-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ペントキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ブトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[3-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]プロポキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[3-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]プロポキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[3-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[7-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル-メチル-アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[[(3S)-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]モルホリン-3-カルボニル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[4-カルボキシ-6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[[(3S)-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]モルホリン-3-カルボニル]アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
6-tert-ブチル-9-[6-[[4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メトキシ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
9-[6-[[3-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-3-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロパノイル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
9-[6-[[4-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-3,3-ジメチル-ブタノイル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸;
(4R)-6-[[(8aS)-2-[4-[6-[2,3-ジフルオロ-5-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]フェノキシ]ヘキシルアミノ]-2,2-ジメチル-4-オキソ-ブチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-7-イル]メチル]-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル;
(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[(3S)-3-[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシルカルバモイル]モルホリン-4-イル]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル;
(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[(3R)-3-[[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシル-メチル-アミノ]メチル]モルホリン-4-イル]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル;
(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル;
(2R)-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-2-[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシルアミノ]ブタン酸;
4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-1-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-2-カルボン酸;
又はその医薬的に許容される塩。
【0042】
合成
本発明の化合物は、どの慣用手段によっても製造することができる。下記のスキームと実施例では、これらの化合物、並びにそれらの出発物質を合成するのに適した方法を提供する。すべての置換基、特に、R1、R2、及びR3は、特に断らなければ、上記に定義した通りである。さらに、そして他に明確に述べなければ、すべての反応、反応条件、略語、及び記号は、有機化学の当業者によく知られた意味を有する。
【0043】
スキーム1
【0044】
【0045】
式IIの化合物をK2CO3のような塩基の存在下にハロゲン化物IIIと反応させて式II-1の化合物を得てから、これを式IVの化合物と反応させて、中間体II-2を得る。式II-2の化合物の脱保護化に続く、DMF又はDCMのような溶媒における、DIPEAのような塩基の存在下での臭化物Vとの反応によって式VIの化合物を得てから、これをTHF/H2O又はMeOH/H2Oのような好適な溶媒において、LiOH又はNaOHのような塩基で加水分解して、式Iaの化合物を得る。
【0046】
スキーム2
【0047】
【0048】
酢酸ナトリウムのような塩基の存在下での式VIIの化合物、アミジン、及び式VIIIの化合物の3成分反応によって式V-1の化合物を得て、これをヨウ化ナトリウムとK2CO3のような塩基の存在下に式IIの化合物と反応させて、式V-2の化合物を得る。式V-2の化合物の、THF/H2O又はMeOH/H2Oのような好適な溶媒における、LiOH又はNaOHのような塩基での加水分解によって、式Ibの化合物を得る。
【0049】
スキーム3
【0050】
【0051】
フェノールXをK2CO3のような塩基の存在下にハロゲン化物IIIと反応させて式X-1の化合物を得てから、これを式IVの化合物と反応させて、式X-2の化合物を得る。式X-2の化合物の脱保護化に続く、DMF又はDCMのような溶媒における、DIPEAのような塩基の存在下での臭化物Vとの反応によって、式Icの化合物を得る。
【0052】
スキーム4
【0053】
【0054】
式XIの化合物を、DMSOのような溶媒において、DIPEAのような塩基の存在下にピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチルとともに加熱して式XI-1の化合物を得てから、これをTFA又は濃HClのような酸で処理して、化合物XI-2を得る。式XI-2の化合物を、DMF又はDCMのような溶媒において、DIPEAのような塩基の存在下に臭化物Vと反応させて化合物XI-3を得て、これをTHF/H2O又はMeOH/H2Oのような好適な溶媒においてLiOH又はNaOHのような塩基で加水分解して、化合物Idを得る。
【0055】
スキーム5
【0056】
【0057】
フェノールXをDMFのような好適な溶媒においてK2CO3のような塩基の存在下に臭化物Vと反応させて、式Ieの化合物を得る。
本発明はまた、以下の工程:
(a)式(VI):
【0058】
【0059】
の化合物の、塩基の存在下での加水分解;
(b)式(V-2):
【0060】
【0061】
の化合物の、塩基の存在下での加水分解;
(c)式(X-2):
【0062】
【0063】
の化合物の、塩基の存在下での臭化物(V)での脱保護化及び置換;
(d)式(XI-3):
【0064】
【0065】
の化合物の、塩基の存在下での加水分解;
(e)式(X):
【0066】
【0067】
の化合物の、塩基の存在下での臭化物(V)での置換
[上記式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、上記のように定義され;Zは、Br又はIであり;LGは、ハロゲンであり;PGは、Bocであり;R9は、C1-6アルキルである]
の1つを含んでなる、式Iの化合物の製造方法に関する。
【0068】
工程(a)、(b)又は(d)における塩基は、例えば、LiOH又はNaOHであり得る。
工程(c)における塩基は、例えば、DIPEAであり得る。
【0069】
工程(e)における塩基は、例えば、K2CO3であり得る。
上記の方法に従って製造される場合の式Iの化合物も、本発明の目的である。
本発明の化合物はまた、良好な安全性及びPKプロフィールを示す。
【0070】
医薬組成物と投与
本発明はまた、治療活性物質としての使用のための式Iの化合物に関する。
別の態様は、本発明の化合物と治療上不活性な担体、希釈剤、又は賦形剤を含んでなる医薬組成物又は医薬品、並びに本発明の化合物を使用してそのような組成物及び医薬品を製造する方法を提供する。1つの例では、式(I)の化合物を、製剤(galenical)投与形態中へ利用される投与量及び濃度で生理学的に許容される担体(即ち、レシピエントにとって無害である担体)とともに周囲温度で、適正なpHで、そして所望される純度で混合することによって製剤化し得る。該製剤のpHは、化合物の具体的な使用とその濃度に主に依存するが、好ましくは、約3~約8のいずれの範囲にも及ぶ。1つの例では、式(I)の化合物を酢酸塩緩衝液において、pH5で製剤化する。別の態様において、式(I)の化合物は、無菌である。該化合物は、例えば、固体又は非晶質の組成物として、凍結乾燥製剤として、又は水溶液剤として保存し得る。
【0071】
組成物は、良好な医療と一致した形式で製剤化され、用量決定されて、投与される。この文脈における考慮因子には、治療中の具体的な障害、治療中の具体的な哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与の方法、投与の計画、及び医療従事者に知られた他の因子が含まれる。投与される化合物の「有効量」は、そのような考慮事項によって支配されるものであって、HBsAgを阻害するのに必要な最小量である。例えば、そのような量は、正常細胞、又は哺乳動物全体にとって有害である量未満であり得る。
【0072】
1つの例において、非経口的に投与される本発明の化合物の投薬あたりの医薬有効量は、患者体重1kgにつき1日約0.01~100mg、あるいは約0.01~100mgの範囲にあるものであり、使用される化合物の典型的な初回範囲は、0.3~15mg/kg/日である。別の態様では、錠剤及びカプセル剤のような経口単位剤形が、好ましくは、本発明の化合物の約0.1~約1000mgを含有する。
【0073】
本発明の化合物は、経口、局所(頬内と舌下が含まれる)、直腸、膣、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内、及び硬膜外、及び鼻腔内の投与と、局所療法が望まれるならば、病巣内投与が含まれる、どの好適な手段によっても投与し得る。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下の投与が含まれる。
【0074】
本発明の化合物は、どの簡便な投与形態(例、錠剤、散剤、カプセル剤、溶液剤、分散剤、懸濁液剤、シロップ剤、スプレー剤、坐剤、ゲル剤、乳液剤、パッチ剤、等)でも投与し得る。そのような組成物は、医薬調製品において慣用の諸成分(例、希釈剤、担体、pH調整剤、甘味剤、増嵩剤、及びさらなる活性成分)を含有し得る。
【0075】
本発明の化合物と担体又は賦形剤を混合することによって、典型的な製剤を調製する。当業者には、好適な担体及び賦形剤がよく知られている。製剤には、薬物(即ち、本発明の化合物又はその医薬組成物)の洗練された体裁(presentation)を提供するか又は医療用品(即ち、医薬品)の製造を支援するために、1以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、抗酸化剤、不透明化剤、滑り剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、希釈剤、及び他の既知添加剤も含めてよい。
【0076】
好適な経口剤形の例は、約0.1~1000mgの本発明の化合物を約0~2000mgの無水乳糖、約0~2000mgのクロスカルメロースナトリウム、約0~2000mgのポリビニルピロリドン(PVP)K30、及び約0~2000mgのステアリン酸マグネシウムと複合して含有する錠剤である。初めに、粉末化した成分を一緒に混合して、次にPVPの溶液と混合する。生じる組成物は、慣用の機器を使用して、乾燥させ、造粒し、ステアリン酸マグネシウムと混合して、錠剤形態へ圧縮することができる。本発明の化合物(例えば、0.1~1000mg)を好適な緩衝溶液(例、リン酸塩緩衝液)に溶かして、所望されるならば、等張化剤(例、塩化ナトリウムのような塩)を加えることによって、エアゾール製剤の例を調製することができる。この溶液剤は、例えば、0.2ミクロンフィルターを使用して濾過して、不純物や汚染物質を除去し得る。
【0077】
故に、ある態様には、式Iの化合物、又はその立体異性体、又はその医薬的に許容される塩を含んでなる医薬組成物が含まれる。さらなる態様には、式Iの化合物、又はその立体異性体、又はその医薬的に許容される塩を医薬的に許容される担体又は賦形剤と一緒に含んでなる医薬組成物が含まれる。
【0078】
適応症と治療の方法
本発明の化合物は、HBsAgの産生又は分泌を阻害して、HBV遺伝子発現を阻害することができる。従って、本発明の化合物は、HBV感染の治療又は予防に有用である。
【0079】
本発明は、式Iの化合物の、HBsAgの産生又は分泌の阻害への使用に関する。
本発明は、式Iの化合物の、HBV DNA産生の阻害への使用に関する。
本発明は、式Iの化合物の、HBV遺伝子発現の阻害への使用に関する。
【0080】
本発明は、式Iの化合物の、HBV感染の治療又は予防への使用に関する。
HBV感染に関連した疾患の治療又は予防に有用な医薬品の製造への式Iの化合物の使用は、本発明の目的である。
【0081】
本発明は、特に、HBV感染の治療又は予防用医薬品の製造への式Iの化合物の使用に関する。
別の態様には、HBV感染の治療又は予防の方法が含まれ、該方法は、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、抱合体、又はその医薬的に許容される塩の有効量を投与することを含む。
【実施例】
【0082】
本発明は、以下の実施例を参照することで、より十分に理解されよう。しかしながら、それらは、本発明の範囲を制限するものとして解釈されてはならない。
本明細書に使用する略語は、以下の通りである:
DIPEA: N,N-ジイソプロピルエチルアミン
NBS: N-ブロモスクシンイミド
TEA: トリエチルアミン
THF: テトラヒドロフラン
DMAP: 4-ジメチルアミノピリジン
HATU: O-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロリン酸塩
CDI: N,N’-カルボニルジイミダゾール
DMF: ジメチルホルムアミド
DMSO-d6: 重水素化ジメチルスルホキシド
EtOAc: 酢酸エチル
h: 時間
IC50: 半数阻害濃度
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
LC/MS: 液体クロマトグラフィー/質量分析法
MeOH: メタノール
METHANOL-d4: ペルデューテロメタノール
M: モル濃度
MHz: メガヘルツ
min: 分
MS(ESI): 質量分析法(エレクトロスプレーイオン化)
NMR: 核磁気共鳴
obsd.: 実測値
rt: 室温
prep-HPLC: 分取用高速液体クロマトグラフィー
TFA: トリフルオロ酢酸
δ: 化学シフト
全般的な実験条件
中間体と最終化合物は、以下の機器の1つを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した:i)Biotage SP1 システムと Quad 12/25 Cartridge モジュール。ii)ISCO combi-フラッシュ クロマトグラフィー機器。シリカゲルのブランドと孔径:i)KP-SIL 60A(オングストローム),粒径:40~60μm;ii)CAS登録番号:シリカゲル:63231-67-4,粒径:47~60ミクロンシリカゲル;iii)Qingdao Haiyang Chemical 株式会社からのZCX,孔径:200~300又は300~400。
【0083】
中間体と最終化合物は、X BridgeTM Perp C18(5μm,OBDTM30x100mm)カラム又はSunFireTM Perp C18(5μm,OBDTM30x100mm)カラムを使用する逆相カラムでの分取用HPLCによって精製した。
【0084】
LC/MSスペクトルは、Acquity Ultra Performance LC-3100 質量検出計又は Acquity Ultra Performance LC-SQ 検出計を使用して入手した。標準LC/MS条件は、以下の通りである(ランタイム:3分):
酸性条件:A:H2O中0.1%ギ酸;B:アセトニトリル中0.1%ギ酸;
塩基性条件:A:H2O中0.05% NH3・H2O;B:アセトニトリル;
中性条件:A:H2O;B:アセトニトリル。
【0085】
質量スペクトル(MS):全般的には、親質量を示すイオンのみを報告して、特に断らなければ、引用する質量イオンは、正質量イオン(M+H)+である。
マイクロ波支援反応は、Biotage Initiator Sixty 又は CEM Discover において行った。
【0086】
NMRスペクトルは、Bruker Avance 400MHz を使用して入手した。
空気感受性試薬を伴うすべての反応は、アルゴン雰囲気下で実施した。試薬は、特に断らなければ、市販供給業者から受け取ったままでさらに精製せずに使用した。
【0087】
製造の実施例
本発明は、以下の実施例を参照することで、より十分に理解されよう。しかしながら、それらは、本発明の範囲を制限するものとして解釈されてはならない。
【0088】
中間体I-1
6-tert-ブチル-9-ヒドロキシ-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル
【0089】
【0090】
中間体I-1は、US20150210682,実施例141における手順に従って製造した。
中間体I-2
(4R)-6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル
【0091】
【0092】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0093】
【0094】
(4R)-6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(中間体I-2)の製造
(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-メチル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(0.37g,1.0ミリモル、WO2016016196に従って製造)のCCl4(5mL)中の撹拌溶液へNBS(0.20g,1.1ミリモル)を少量ずつ加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌した後で、溶媒を減圧下に除去して、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、中間体I-2を黄色の固形物として得た。MS oms. (ESI+) [(M+H)+]: 444.
中間体I-3
3-オキソ-1,2,5,6,8,8a-ヘキサヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7-カルボン酸tert-ブチル
【0095】
【0096】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0097】
【0098】
工程1:4-カルバモイルピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチル(化合物I-3b)の製造
ピペラジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチル3-メチル(化合物I-3a,1.22g,5ミリモル)の無水CH2Cl2(15mL)溶液へトリメチルシリルイソシアネート(634mg,5.5ミリモル)を加えた。生じる混合物を室温で64時間撹拌した。この反応混合物を減圧下にそのまま濃縮して、粗製の4-カルバモイルピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチル(1.51g)を淡黄色のフォームとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 288.
工程2:1,3-ジオキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7-カルボン酸tert-ブチル(化合物I-3c)の製造
4-カルバモイルピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチル(化合物I-3b,1.51g,4.99ミリモル)のTHF(20mL)溶液へナトリウムtert-ブトキシド(144mg,1.5ミリモル)を加えた。生じる混合物を室温で40時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈して、1M HClによってpH=4~5へ酸性化してから、EtOAcとCH2Cl2で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させて減圧下に濃縮して、1,3-ジオキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7-カルボン酸tert-ブチル(1.23g)を灰白色の固形物として得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 256.
工程3:3-オキソ-1,2,5,6,8,8a-ヘキサヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7-カルボン酸tert-ブチルの製造
3-オキソ-1,2,5,6,8,8a-ヘキサヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7-カルボン酸tert-ブチル(1.23g,4.82ミリモル)とボランテトラヒドロフラン錯体溶液(24.1mL,24.1ミリモル)の混合物を室温で一晩撹拌した。この反応物をメタノールによって注意深くクエンチしてからNaOH水溶液を加えて、室温で1時間撹拌してから、EtOAcで3回抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、いくらかの粗生成物を得た。この粗生成物をEtOAcとヘキサンからの沈殿によって精製して、3-オキソ-1,2,5,6,8,8a-ヘキサヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7-カルボン酸tert-ブチル(中間体I-2,512mg)を白色の固形物として得て、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 242.
中間体I-4
4-(3-tert-ブトキシカルボニル-6-クロロ-ヘキシル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル
【0099】
【0100】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0101】
【0102】
工程1:4-(4-tert-ブトキシ-4-オキソ-ブチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(化合物I-4c)の製造
ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(化合物I-4a,931mg,5ミリモル)及びTEA(607mg,6ミリモル)のTHF(5mL)溶液へ4-ブロモブタン酸tert-ブチル(化合物I-4b,1.34g,6ミリモル)とヨウ化ナトリウム(75mg,0.5ミリモル)を加えた。この反応混合物を50℃で24時間加熱した。室温へ冷却後、この反応混合物を濾過して、濾液を減圧下に濃縮して、粗製の4-(4-tert-ブトキシ-4-オキソ-ブチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(化合物I-4c,1.86g)を得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 329.
工程2:4-(3-tert-ブトキシカルボニル-6-クロロ-ヘキシル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルの製造
4-(4-tert-ブトキシ-4-オキソ-ブチル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(99mg,0.3ミリモル)のTHF(1mL)溶液へLDA(0.3mL,0.6ミリモル)を-78℃で滴下して、0℃で1時間撹拌した。この混合物を-78℃へ冷やしてから、THF(0.5mL)中の1-クロロ-3-ヨードプロパン(123mg,0.6ミリモル)を-78℃で滴下した。生じる混合物を-78℃で2時間撹拌してから、飽和NH4Cl水溶液によってクエンチして、CH2Cl2で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の4-(3-tert-ブトキシカルボニル-6-クロロ-ヘキシル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(中間体I-4,129mg)を黄色のオイルとして得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 405.
中間体I-5
4-(6-クロロヘキソキシ)-3-オキソ-ブタン酸エチル
【0103】
【0104】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0105】
【0106】
4-(6-クロロヘキソキシ)-3-オキソ-ブタン酸エチル(中間体I-5)の製造
NaH(160mg,4ミリモル)のTHF(2mL)懸濁液へ6-クロロヘキサン-1-オール(273mg,2ミリモル)を氷浴で冷やしながら滴下した。次いで、氷浴を外して、この混合物を1時間撹拌した。次いで、4-クロロ-3-オキソブタン酸エチル(165mg,1ミリモル)を加えて、生じる混合物を室温で16時間撹拌した。この反応物を水によってクエンチしてから、この混合物を減圧下に濃縮した。残渣を水で希釈した。生じる混合物を1M HClによって酸性化して、EtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、4-(6-クロロヘキソキシ)-3-オキソ-ブタン酸エチル(中間体I-5,452mg)を黄色のオイルとして得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 265.
中間体I-6
(3S)-3-ホルミルモルホリン-4-カルボン酸tert-ブチル
【0107】
【0108】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0109】
【0110】
工程1:(3R)-3-(ヒドロキシメチル)モルホリン-4-カルボン酸tert-ブチルの製造
(S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-3-カルボン酸(3g,13ミリモル)のTHF(50mL)溶液へボラン-テトラヒドロフラン錯体(64.9mL,64.9ミリモル)を0℃で滴下した。この混合物を室温へ温めて、16時間撹拌した。この反応混合物を2M HCl溶液でクエンチしてから、室温で1時間撹拌した。この混合物を水で希釈して、DCMに抽出した。この有機層を無水Na2SO4で乾燥させて濃縮して、化合物I-6a(2.82g)を得た。
【0111】
工程2:(3S)-3-ホルミルモルホリン-4-カルボン酸tert-ブチル(中間体I-6)の製造
粗製の3-(ヒドロキシメチル)モルホリン-4-カルボン酸(R)-tert-ブチル(化合物I-6a,500mg)のDCM(20mL)溶液へデス・マーチン(Dess-Martin)ペルヨージナン(1.46g,3.45ミリモル)を0℃で少量ずつ加えた。この混合物を室温へ温めて、16時間撹拌した。この反応物をNaHCCL及びNa2S2O4の飽和水溶液でクエンチした。この混合物をDCMで抽出した。この有機層を無水Na2SO4で乾燥させた。この有機層を濃縮して、(3S)-3-ホルミルモルホリン-4-カルボン酸tert-ブチル(中間体I-6,495mg)を得た。
【0112】
中間体I-7
6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキサナール
【0113】
【0114】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0115】
【0116】
工程1:6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキサン-1-オールの製造
2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-(ピリミジン-2-イル)-7,8-ジヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-6(5H)-イル)フェノール(化合物20a,700mg,1.97ミリモル)のDMF(10mL)溶液へ6-クロロヘキサン-1-オール(350mg,2.56ミリモル)と炭酸カリウム(545mg,3.94ミリモル)を加えた。この混合物を100℃で3時間撹拌してから室温へ冷やして、DCMと塩水の間で分配した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させて濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキサン-1-オール(化合物I-7a,678mg)を得た。
【0117】
工程2:6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキサナールの製造
6-(2,3-ジフルオロ-5-(2-(ピリミジン-2-イル)-7,8-ジヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-6(5H)-イル)フェノキシ)ヘキサン-1-オール(化合物I-7a,200mg,453マイクロモル)のDCM(5mL)溶液へデス・マーチンペルヨージナン(288mg,680ピコモル)を加えた。この混合物を室温で15時間撹拌してから濾過した。濾液を飽和NaHCCh溶液とNa2S2O3溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させて濃縮して、粗製の6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキサナール(中間体I-7,172mg)を得た。
【0118】
中間体I-8
(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソ-ブタン酸
【0119】
【0120】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0121】
【0122】
工程1:(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-ヒドロキシ-ブタン酸(化合物I-8a)の製造
(R)-2-アミノ-4-ヒドロキシブタン酸(500mg,4.2ミリモル)のジオキサン(5mL)及び水(10mL)中の溶液へ重炭酸ナトリウム(705mg,8.39ミリモル)を加えた。この混合物を-10℃へ冷やしてから、Boc2O(1.01g,4.62ミリモル)のジオキサン(5mL)溶液を滴下した。この混合物を室温へ温めて、室温で16時間撹拌してから1M HClで酸性化して、EtOAcに抽出した。この有機層を無水Na2SO4で乾燥させて減圧下に濃縮して、(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-ヒドロキシ-ブタン酸(化合物I-8a,0.9g)を得た。
【0123】
工程2:(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソ-ブタン酸(中間体I-8)の製造
(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-ヒドロキシ-ブタン酸(化合物I-8a,500mg,2.28ミリモル)のDCM(10mL)溶液へデス・マーチンペルヨージナン(1.45g)を0℃で少量ずつ加えた。この混合物を室温へ温めて、15時間撹拌した。この混合物を濾過して、濾液を減圧下に濃縮して粗製の中間体I-8(0.9g)を得て、これをさらに精製せずに直接使用した。
【0124】
実施例1
6-tert-ブチル-9-[6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0125】
【0126】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0127】
【0128】
工程1:6-tert-ブチル-9-(6-クロロヘキソキシ)-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物1b)の製造
6-tert-ブチル-9-ヒドロキシ-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(中間体I-1,223mg,0.6ミリモル、US20150210682に従って製造)のDMF(4mL)溶液へ炭酸カリウム(166mg,1.2ミリモル)を加え、この混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、1-ブロモ-6-クロロヘキサン(359mg,1.8ミリモル)を加えて、60℃で5時間撹拌した。室温へ冷却後、この混合物をEtOAcと水で希釈してからEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させて濃縮した。残渣を石油エーテルで洗浄して、6-tert-ブチル-9-(6-クロロヘキソキシ)-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物1b,299mg)を暗色の固形物として得て、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 490.
工程2:9-[6-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物1c)の製造
粗製の6-tert-ブチル-9-(6-クロロヘキソキシ)-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(299mg,0.61ミリモル)及びピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(114mg,0.61ミリモル)のDMF(4mL)溶液へヨウ化ナトリウム(91.5mg,0.61ミリモル)に続いて炭酸カリウム(169mg,1.22ミリモル)を加えた。この反応混合物を80℃で16時間加熱した。室温へ冷却後、この混合物をEtOAcと水で希釈した。水層をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させて濃縮して、粗製の9-[6-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物1c,428mg)を暗色のオイルとして得て、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 640.
工程3:6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-9-(6-ピペラジン-1-イルヘキソキシ)-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル塩酸塩(化合物1d)の製造
粗製の9-[6-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(428mg,0.6ミリモル)とEtOAc中1M塩酸(8mL,8ミリモル)の溶液を室温で1時間撹拌した。過剰の溶媒を減圧下に除去した後で、粗製の6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-9-(6-ピペラジン-1-イルヘキソキシ)-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル塩酸塩(化合物1d,435mg)を褐色の固形物として入手し、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 540.
工程4:6-tert-ブチル-9-[6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物1e)の製造
(4R)-6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(269mg,0.6ミリモル)と粗製の6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-9-(6-ピペラジン-1-イルヘキソキシ)-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル塩酸塩(435mg,0.6ミリモル)のCH2Cl2(8mL)中の混合物へDIPEA(234mg,1.80ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌した。この混合物を水とCH2Cl2で希釈した。水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させて濃縮して、粗製の6-tert-ブチル-9-[6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物1e,508mg)を褐色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 903.
工程5:6-tert-ブチル-9-[6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸の製造
【0129】
【0130】
粗製の6-tert-ブチル-9-[6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(508mg,0.56ミリモル)及び水酸化リチウム水和物(189mg,4.5ミリモル)のTHF(8mL)及びH2O(2mL)中の混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈して、酢酸によって約pH3へ酸性化してから、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させて濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、6-tert-ブチル-9-[6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例1,70mg)を黄色の固形物として得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 875. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.69 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.49-7.34 (m, 4H), 7.17 (dt, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.04 (s, 1H), 4.56 (d, 1H), 4.11-3.99 (m, 2H), 3.96-3.81 (m, 5H), 3.52 (s, 3H), 3.42-3.21 (m, 2H), 2.53-2.49 (m, 6H), 1.82-1.70 (m, 2H), 1.51-1.22 (m, 8H), 0.73 (s, 9H).
実施例2
6-tert-ブチル-9-[5-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ペントキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0131】
【0132】
表題化合物は、1-ブロモ-6-クロロヘキサン(工程1,実施例1)の代わりに1,5-ジブロモペンタンを使用することによって、実施例1の製造に類似して製造した。実施例2(59mg)を黄色の固形物として入手した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 861. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.69 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.48-7.34 (m, 4H), 7.17 (dt, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.03 (s, 1H), 4.56 (d, 1H), 4.14-3.98 (m, 2H), 3.95-3.80 (m, 5H), 3.52 (s, 3H), 3.42-3.20 (m, 2H), 2.60-2.39 (m, 6H), 2.33 (t, 2H), 1.84-1.71 (m, 2H), 1.57-1.39 (m, 4H), 1.31-1.20 (m, 2H), 0.72 (s, 9H).
実施例3
6-tert-ブチル-9-[4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ブトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0133】
【0134】
表題化合物は、1-ブロモ-6-クロロヘキサン(工程1,実施例1)の代わりに1,4-ジブロモブタンを使用することによって、実施例1の製造に類似して製造した。実施例3(57mg)を黄色の固形物として入手した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 847. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.69 (br s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.50-7.33 (m, 4H), 7.17 (dt, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.03 (s, 1H), 4.56 (d, 1H), 4.15-4.00 (m, 2H), 3.95-3.78 (m, 5H), 3.51 (s, 3H), 3.43-3.19 (m, 2H), 2.60-2.39 (m, 6H), 2.40 (t, 2H), 1.83-1.73 (m, 2H), 1.65-1.54 (m, 2H), 1.31-1.21 (m, 2H), 0.73 (s, 9H).
実施例4
6-tert-ブチル-9-[3-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]プロポキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0135】
【0136】
表題化合物は、1-ブロモ-6-クロロヘキサン(工程1,実施例1)の代わりに1-ブロモ-3-クロロプロパンを使用することによって、実施例1の製造に類似して製造した。実施例4(30mg)を黄色の固形物として入手した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 833. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.70 (br s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.29-7.90 (m, 3H), 7.51-7.35 (m, 4H), 7.23-7.05 (m, 2H), 6.03 (s, 1H), 4.56 (d, 1H), 4.15-4.05 (m, 2H), 3.97-3.81 (m, 5H), 3.51 (s, 3H), 3.31-3.22 (m, 2H), 2.65-2.30 (m, 8H), 1.99-1.89 (m, 2H), 1.33-1.19 (m, 2H), 0.73 (s, 9H).
実施例5
6-tert-ブチル-9-[3-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]プロポキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0137】
【0138】
表題化合物は、1-ブロモ-6-クロロヘキサン(工程1,実施例1)の代わりに1-ブロモ-3-クロロプロパンを、そしてピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(工程2,実施例1)の代わりにピペラジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチル3-メチルを使用することによって、実施例1の製造に類似して製造した。実施例5(30mg)を黄色の固形物として入手した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 877. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 8.73 (s, 1H), 8.10-8.00 (m, 2H), 7.53-7.40 (m, 4H), 7.23-7.15 (m, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.02 (s, 1H), 4.57 (d, 1H), 4.18-4.08 (m, 4H), 3.86 (s, 3H), 3.55 (s, 3H), 3.45-3.18 (m, 4H), 2.19-1.94 (m, 3H), 1.24 (br s, 3H), 0.73 (s, 9H).
実施例6
6-tert-ブチル-9-[6-[3-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0139】
【0140】
表題化合物は、ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(工程2,実施例1)の代わりにピペラジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチルを使用することによって、実施例1の製造に類似して製造した。実施例6(22mg)を黄色の固形物として入手した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 919. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.69 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.05-7.90 (m, 2H), 7.54-7.31 (m, 4H), 7.24-7.02 (m, 3H), 6.04 (s, 1H), 4.57 (d, 1H), 4.21-4.01 (m, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.52 (s, 3H), 3.30-3.05 (m, 7H), 1.78-1.65 (m, 3H), 1.53-1.33 (m, 4H), 1.30-1.21 (m, 2H), 0.73 (s, 9H).
実施例7
6-tert-ブチル-9-[6-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0141】
【0142】
表題化合物は、ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(工程2,実施例1)の代わりにピペラジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチル3-メチルを使用することによって、実施例1の製造に類似して製造した。実施例7(130mg)を黄色の固形物として入手した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 919. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 8.73 (s, 1H), 8.07-7.98 (m, 2H), 7.50-7.39 (m, 4H), 7.23-7.14 (m, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.03 (s, 1H), 4.57 (d, 1H), 4.25-3.99 (m, 4H), 3.86 (s, 3H), 3.54 (s, 3H), 3.42-3.21 (m, 5H), 1.83-1.59 (m, 4H), 1.50-1.33 (m, 4H), 0.73 (s, 9H).
実施例8
6-tert-ブチル-9-[6-[7-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0143】
【0144】
表題化合物は、ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(工程2,実施例1)の代わりに中間体I-2を使用することによって、実施例1の製造に類似して製造した。実施例8(130mg)を黄色の固形物として入手した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 930. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 8.72 (s, 1H), 8.15-8.02 (m, 2H), 7.54-7.41 (m, 4H), 7.29-7.17 (m, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.02 (d, 1H), 4.62-4.39 (m, 3H), 4.15-3.95 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.57 (s, 3H), 3.50-3.05 (m, 4H), 1.76 (br s, 2H), 1.55-1.20 (m, 8H), 0.73 (s, 9H).
実施例9
6-tert-ブチル-9-[6-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル-メチル-アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0145】
【0146】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0147】
【0148】
工程1:9-[6-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸メチル(化合物9b)の製造
9-[6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(化合物9a,71mg,0.1ミリモル、US20150210682に従って製造)のDMF(1mL)溶液へNaH(12mg,0.3ミリモル)を0℃で加えた。この混合物を0℃で30分間撹拌してから、ヨードメタン(141mg,0.9ミリモル)を加えた。この混合物をそのまま室温へ温めて、一晩撹拌した。この混合物をEtOAcと水で希釈してから、水層をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させて濃縮して、粗製の9-[6-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸メチル(79mg)を黄色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 571.
工程2:6-tert-ブチル-10-メトキシ-9-[6-(メチルアミノ)ヘキソキシ]-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸メチル塩酸塩(化合物9c)の製造
粗製の9-[6-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸メチル(化合物9b,79mg,0.097ミリモル)とEtOAc中1M 塩酸(5mL,5ミリモル)の混合物を室温で2時間撹拌した。過剰の溶媒を減圧下に除去した後で、粗製の6-tert-ブチル-10-メトキシ-9-[6-(メチルアミノ)ヘキソキシ]-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸メチル塩酸塩(66mg)を黄色のオイルとして入手して、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 471.
工程3:6-tert-ブチル-9-[6-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル-メチル-アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸メチル(化合物9d)の製造
粗製の(4R)-6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(中間体I-2,43mg,0.098ミリモル)と6-tert-ブチル-10-メトキシ-9-[6-(メチルアミノ)ヘキソキシ]-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸メチル塩酸塩(化合物9c,66mg,0.098ミリモル)のCH2Cl2(3mL)中の混合物へDIEA(75.7mg,0.59ミリモル)を加えた。生じる混合物を室温で一晩撹拌してから水で希釈して、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させて減圧下に濃縮して、粗製の6-tert-ブチル-9-[6-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル-メチル-アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸メチル(91mg)を黄色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 834.
工程4:6-tert-ブチル-9-[6-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル-メチル-アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例9)の製造
粗製の6-tert-ブチル-9-[6-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル-メチル-アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸メチル(化合物9d,91mg,0.09ミリモル)のTHF(2mL)及びH2O(0.5mL)中の溶液へ水酸化リチウム水和物(31mg,0.74ミリモル)を加えた。生じる混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈して、HOAcによって約pH3へ酸性化した。生じる混合物をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製して、6-tert-ブチル-9-[6-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル-メチル-アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例9,18mg)を黄色の固形物として得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 820. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.69 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.03-7.86 (m, 2H), 7.49-7.31 (m, 4H), 7.16 (dt, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.03 (s, 1H), 4.55 (d, 1H), 4.06-3.77 (m, 7H), 3.51 (s, 3H), 3.25-3.15 (m, 1H), 2.48-2.44 (m, 1H), 2.32 (s, 3H), 1.76-1.18 (m, 10H), 0.71 (s, 9H).
実施例10
6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[[(3S)-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]モルホリン-3-カルボニル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0149】
【0150】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0151】
【0152】
工程1:6-tert-ブチル-9-[2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物10a)の製造
6-tert-ブチル-9-ヒドロキシ-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(中間体I-1,743mg,2ミリモル)、2-(2-(2-クロロエトキシ)エトキシ)エタノール(405mg,2.4ミリモル)、炭酸カリウム(553mg,4ミリモル)、及びヨウ化ナトリウム(300mg,2ミリモル)のDMF(10mL)中の混合物を110℃まで24時間加熱した。室温へ冷却後、この反応混合物をCH2Cl2と水の間で分配した。分離した水層をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の6-tert-ブチル-9-[2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物10a,0.99g)を褐色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 503.
工程2:6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-9-[2-[2-[2-(p-トリルスルホニルオキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物10b)の製造
粗製の6-tert-ブチル-9-[2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(0.91g,1.81ミリモル)、トリエチルアミン(549mg,5.42ミリモル)、及びDMAP(22.1mg,0.181ミリモル)のCH2Cl2(8mL)中の混合物へCH2Cl2(5mL)中の4-メチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(517mg,2.71ミリモル)をアルゴン下に0℃で滴下した。この混合物をそのまま室温へ温めて、室温で一晩撹拌した。この反応混合物をCH2Cl2と水の間で分配して、分離した水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、粗製の6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-9-[2-[2-[2-(p-トリルスルホニルオキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物10b,620mg)を褐色のオイルとして得て、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 658.
工程3:6-tert-ブチル-9-[2-[2-(2-ヨードエトキシ)エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物10c)の製造
6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-9-[2-[2-[2-(p-トリルスルホニルオキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(554mg,0.84ミリモル)及びヨウ化ナトリウム(1.26g,8.4ミリモル)のアセトン(10mL)中の混合物を20時間還流させた。室温へ冷却後、この反応混合物をEtOAcと水の間で分配してから、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液と塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の6-tert-ブチル-9-[2-[2-(2-ヨードエトキシ)エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物10c,512mg)を褐色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 614.
工程4:6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物10d)の製造
粗製の6-tert-ブチル-9-[2-[2-(2-ヨードエトキシ)エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(123mg,0.2ミリモル)とフタルイミドカリウム(45mg,0.24ミリモル)のDMF(1mL)中の混合物を90℃で16時間加熱した。室温へ冷却後、この反応混合物をEtOAcと水の間で分配してから、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物10d,135mg)を褐色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 633.
工程5:9-[2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(化合物10e)の製造
粗製の6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(135mg,0.19ミリモル)のEtOH(1mL)溶液へ10M NaOH水溶液(0.58mL,5.8ミリモル)を加えた。生じる混合物を110℃で72時間加熱した。室温へ冷却後、この反応混合物をHOAcによって酸性化してから、CH2Cl2と水の間で分配した。分離した水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の9-[2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(化合物10e,62mg)を褐色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 475.
工程6:9-[2-[2-[2-[[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニルモルホリン-3-カルボニル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(化合物10f)の製造
粗製の(3S)-4-tert-ブトキシカルボニルモルホリン-3-カルボン酸(23mg,0.1ミリモル)、HATU(38mg,0.1ミリモル)、及びDIPEA(64mg,0.5ミリモル)のCH2Cl2(1mL)中の混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、CH2Cl2(1mL)中の粗製の9-[2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(47mg,0.1ミリモル)を加えて、室温で5時間撹拌した。生じる混合物をCH2Cl2と水の間で分配した。分離した水層をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の9-[2-[2-[2-[[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニルモルホリン-3-カルボニル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(化合物10f,59mg)を褐色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 688.
工程7:6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[[(3S)-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]モルホリン-3-カルボニル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例10)の製造
粗製の9-[2-[2-[2-[[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニルモルホリン-3-カルボニル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(59mg,85.8マイクロモル)とTFA(0.3mL)のCH2Cl2(3mL)中の混合物を室温で2時間撹拌した。過剰の溶媒を減圧下に除去した後で、残渣をDMF(2mL)に溶かした。生じる溶液へヨウ化ナトリウム(12mg,0.81ミリモル)、DIPEA(105mg,8.1ミリモル)、及び(4R)-6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(中間体I-2,36mg,0.81ミリモル)を加えた。生じる混合物を55℃で2時間撹拌した。室温へ冷却後、この反応混合物をCH2Cl2と水の間で分配し、分離した水層をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、いくらかの粗生成物を得た。この粗生成物を分取用HPLCによって精製して、6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[[(3S)-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]モルホリン-3-カルボニル]アミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例10,13mg)を黄色の固形物として得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 951. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 8.40 (br s, 1H), 7.87 (br s, 2H), 7.54 (br s, 1H), 7.34-7.24 (m, 1H), 7.07 (d, 3H), 6.90 (s, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.12 (br s, 1H), 4.38 (d, 1H), 4.26-4.06 (m, 3H), 4.02-3.89 (m, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.80-3.70 (m, 2H), 3.69-3.59 (m, 2H), 3.51 (s, 3H), 3.50-3.41 (m, 3H), 3.39-2.91 (m, 4H), 0.74 (br s, 9H).
実施例11
6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0153】
【0154】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0155】
【0156】
工程1:4-[2-[2-[2-[(6-tert-ブチル-3-エトキシカルボニル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-9-イル)オキシ]エトキシ]エトキシ]エチル]ピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチル(化合物11a)の製造
粗製の6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-9-[2-[2-[2-(p-トリルスルホニルオキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物10b,65.8mg,0.1ミリモル)、ピペラジン-1,3-ジカルボン酸1-tert-ブチル3-メチル(29mg,0.12ミリモル)、炭酸カリウム(28mg,0.2ミリモル)、及びヨウ化ナトリウム(15mg,0.1ミリモル)のアセトニトリル(1mL)中の混合物を90℃で20時間加熱した。室温へ冷却後、この反応混合物をCH2Cl2と水の間で分配してから、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の4-[2-[2-[2-[(6-tert-ブチル-3-エトキシカルボニル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-9-イル)オキシ]エトキシ]エトキシ]エチル]ピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチル(化合物11a,85mg)を褐色のオイルとして得て、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 730.
工程2:6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-2-メトキシカルボニル-ピペラジン-1-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物11b)の製造
粗製の4-[2-[2-[2-[(6-tert-ブチル-3-エトキシカルボニル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-9-イル)オキシ]エトキシ]エトキシ]エチル]ピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチル(85mg,0.093ミリモル)のCH2Cl2(3mL)溶液へTFA(0.5mL)を加えた。生じる混合物を室温で3時間撹拌してから、減圧下に濃縮した。残渣をCH2Cl2(3mL)に溶かした。この溶液へDIPEA(109mg,0.085ミリモル)と(4R)-6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(中間体I-2,38mg,0.085ミリモル)を加えた。生じる混合物を室温で16時間撹拌してから、CH2Cl2と水の間で分配した。分離した水層をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-2-メトキシカルボニル-ピペラジン-1-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物11b,97mg)を黄色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 993.
工程3:6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例11)の製造
粗製の6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-2-メトキシカルボニル-ピペラジン-1-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(97mg,0.078ミリモル)のTHF(3mL)及びH2O(1mL)中の溶液へ水酸化リチウム水和物(66mg,1.56ミリモル)を加えた。生じる混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物をHOAcによって酸性化してから、CH2Cl2と水の間で分配した。分離した水層をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製して、6-tert-ブチル-9-[2-[2-[2-[2-カルボキシ-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例11,18mg)を黄色の粉末として得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 951. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 8.40 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.28-7.19 (m, 1H), 7.10-6.98 (m, 3H), 6.93-6.82 (m, 2H), 6.70 (s, 1H), 6.06 (d, 1H), 4.39-4.08 (m, 4H), 4.04-3.94 (br s, 1H), 3.88-3.05 (m, 21H), 0.71 (s, 9H).
実施例12
6-tert-ブチル-9-[4-カルボキシ-6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0157】
【0158】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0159】
【0160】
工程1:9-[4-tert-ブトキシカルボニル-6-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物12a)の製造
6-tert-ブチル-9-ヒドロキシ-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(中間体I-1,106mg,0.29ミリモル)と4-(3-tert-ブトキシカルボニル-6-クロロ-ヘキシル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(中間体I-4,129mg,0.29ミリモル)のDMF(2mL)中の混合物へ炭酸カリウム(119mg,0.87ミリモル)とヨウ化ナトリウム(43mg,0.29ミリモル)を加えた。この混合物を60℃で16時間加熱してから、EtOAcと水で分配した。分離した水層をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の9-[4-tert-ブトキシカルボニル-6-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物12a,151mg)を褐色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 740.
工程2:9-[4-tert-ブトキシカルボニル-6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物12b)の製造
9-[4-tert-ブトキシカルボニル-6-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物12a,151mg,0.2ミリモル)と酢酸エチル中1M塩酸(5mL,5ミリモル)の混合物を室温で2時間撹拌した。過剰の溶媒を減圧下に除去した後で、残渣をDMF(2mL)に溶かした。この溶液へDIPEA(121mg,0.94ミリモル)と(4R)-6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(中間体I-2,83mg,0.19ミリモル)を加えた。この混合物を室温で20時間撹拌した。この反応混合物へ追加の(4R)-6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(83mg,0.19ミリモル)とヨウ化ナトリウム(28mg,0.19ミリモル)を加えた。生じる混合物を50℃で5時間加熱してから、CH2Cl2と水で希釈した。水層をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を水と塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の9-[4-tert-ブトキシカルボニル-6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物12b,303mg)を褐色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 1003.
工程3:6-tert-ブチル-9-[4-カルボキシ-6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例12)の製造
粗製の9-[4-tert-ブトキシカルボニル-6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物12b,303mg,0.3ミリモル)と水酸化リチウム水和物(127mg,3ミリモル)のTHF(3mL)及びH2O(1mL)中の混合物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物をHOAcによって酸性化し、CH2Cl2と水で分配してから、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮した。この残渣へTFA(3mL)を加えてから、生じる混合物を室温で1時間撹拌した。過剰の溶媒を減圧下に除去した後で、残渣を分取用HPLCによって精製して、6-tert-ブチル-9-[4-カルボキシ-6-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例12,15mg)を黄色の固形物として得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 919. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.68 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.06-7.89 (m, 2H), 7.50-7.32 (m, 4H), 7.23-6.98 (m, 3H), 6.80-6.70 (m, 1H), 6.03 (s, 1H), 4.56 (d, 1H), 4.13-3.98 (m, 2H), 3.95-3.80 (m, 6H), 3.51 (s, 3H), 3.42-3.18 (m, 2H), 2.35 (br d, J=6.8 Hz, 2H), 1.83-1.53 (m, 6H), 0.72 (s, 9H).
実施例13
6-tert-ブチル-9-[6-[[(3S)-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]モルホリン-3-カルボニル]アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0161】
【0162】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0163】
【0164】
工程1:9-[6-[[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニルモルホリン-3-カルボニル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(化合物13b)の製造
(3S)-4-tert-ブトキシカルボニルモルホリン-3-カルボン酸(23mg,0.1ミリモル)、9-(6-アミノヘキソキシ)-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸塩酸塩(化合物13a,48mg,0.1ミリモル、US20150210682に従って製造)、HATU(38mg,0.1ミリモル)、及びDIPEA(52mg,0.4ミリモル)のDMF(1mL)溶液を室温で1時間撹拌した。この混合物を水で希釈して、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の9-[6-[[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニルモルホリン-3-カルボニル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸((化合物13b,62mg)を黄色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 656.
工程2:6-tert-ブチル-9-[6-[[(3S)-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]モルホリン-3-カルボニル]アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例13)の製造
粗製の9-[6-[[(3S)-4-tert-ブトキシカルボニルモルホリン-3-カルボニル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(62mg,0.95ミリモル)とEtOAc中1M塩酸(5mL,5ミリモル)の混合物を室温で2時間撹拌した。過剰の溶媒を減圧下に除去した後で、残渣をDMF(2mL)に溶かした。この溶液へ(4R)-6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(中間体I-2,57.8mg,0.13ミリモル)、DIPEA(84mg,0.65ミリモル)、及びヨウ化ナトリウム(29mg,0.19ミリモル)を加えた。この混合物を55℃で2時間加熱してから水で希釈して、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製して、6-tert-ブチル-9-[6-[[(3S)-4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]モルホリン-3-カルボニル]アミノ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例13,17mg)を黄色の固形物として得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 919. 1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ = 8.69 (s, 1H), 7.98 (d, 1H), 7.74 (d, 1H), 7.45-7.38 (m, 2H), 7.29 (s, 1H), 7.22 (dd, 1H), 7.05 (dt, 1H), 6.98 (s, 1H), 6.11 (s, 1H), 4.43 (d, 1H), 4.16-4.03 (m, 3H), 3.98-3.69 (m, 8H), 3.58 (s, 3H), 3.51-3.42 (m, 1H), 3.30-3.18 (m, 3H), 3.07-2.98 (m, 1H), 2.64-2.55 (m, 1H), 1.86-1.76 (m, 2H), 1.59-1.45 (m, 4H), 1.44-1.28 (m, 3H), 0.84 (s, 9H).
実施例14
6-tert-ブチル-9-[6-[[4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メトキシ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0165】
【0166】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0167】
【0168】
工程1:4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-(6-クロロヘキソキシメチル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸エチル(化合物14a)の製造
2-クロロ-4-フルオロベンズアルデヒド(157mg,0.99ミリモル)、4-(6-クロロヘキソキシ)-3-オキソ-ブタン酸エチル(中間体I-5,452mg,0.99ミリモル)、チアゾール-2-カルボキシイミダミド塩酸塩(162mg,0.99ミリモル)、及び酢酸ナトリウム(162mg,1.98ミリモル)のEtOH(5mL)中の混合物を80℃で40時間加熱した。室温へ冷却後、この混合物を水で希釈して、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-(6-クロロヘキソキシメチル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸エチル(化合物14a,692mg)を黄色のオイルとして得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 514.
工程2:6-tert-ブチル-9-[6-[[4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メトキシ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物14b)の製造
6-tert-ブチル-9-ヒドロキシ-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(中間体I-1,581mg,1.56ミリモル)と炭酸カリウム(432mg,3.13ミリモル)のDMF(3mL)中の混合物を80℃で30分間撹拌した。次いでこの反応混合物へDMF(3mL)中の4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-(6-クロロヘキソキシメチル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸エチル(化合物14a,551mg,0.78ミリモル)に続いて、ヨウ化ナトリウム(234mg,1.56ミリモル)を加えた。生じる混合物を80℃で16時間撹拌した。室温へ冷却後、この反応混合物を水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮して、粗製の6-tert-ブチル-9-[6-[[4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メトキシ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物14b,1.05g)を褐色のオイルとして得て、これを精製せずに次の工程に直接使用した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 849.
工程3:6-tert-ブチル-9-[6-[[4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メトキシ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例14)の製造
粗製の6-tert-ブチル-9-[6-[[4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メトキシ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸エチル(化合物14b,1.05g,1.24ミリモル)と水酸化リチウム水和物(415mg,9.89ミリモル)のTHF(6mL)及びH2O(2mL)中の混合物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈し、1M HClによって約pH3へ酸性化して、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させて濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製して、6-tert-ブチル-9-[6-[[4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メトキシ]ヘキソキシ]-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例14,90mg)を黄色の固形物として得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 821. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.11 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.01-7.89 (m, 2H), 7.49-7.38 (m, 4H), 7.18 (dt, 1H), 7.01 (d, 1H), 6.03 (d, 1H), 4.88-4.72 (m, 2H), 4.55 (d, 1H), 4.11-3.91 (m, 4H), 3.86 (s, 3H), 3.68-3.55 (m, 2H), 3.40-3.33 (m, 1H), 3.26-3.15 (m, 1H), 1.84-1.24 (m, 6H), 1.04 (t, J=7.1 Hz, 3H), 0.71 (s, 9H).
実施例15
9-[6-[[3-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-3-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロパノイル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0169】
【0170】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0171】
【0172】
3-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-3-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロパン酸(化合物15a,30mg,48.5マイクロモル、US20160083383,実施例19における手順に従って製造)のDCM(2mL)溶液へCDI(9.43mg,58.1マイクロモル)を0℃で加えた。この混合物を1時間撹拌してから、トリエチルアミン(14.7mg,20.3μL,145マイクロモル)と9-((6-アミノヘキシル)オキシ)-6-(tert-ブチル)-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-3-カルボン酸塩酸塩(化合物13a,23.2mg,48.5マイクロモル)を加えた。この反応混合物を室温へ温めて16時間撹拌した。この反応混合物を減圧下に濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製して、9-[6-[[3-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-3-フルオロ-フェニル)-5-エトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロパノイル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例15,17mg)を得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 1043. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.65 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.03 (d, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.66-7.58(m, 1H), 7.43-7.22 (m, 4H), 7.02 (s, 1H), 6.04 (s, 1H), 4.61-4.50 (m, 1H), 4.06-3.88 (m, 6H), 3.83 (s, 3H), 3.75-3.56 (m, 3H), 3.26-3.09 (m, 5H), 3.05-2.73 (m, 6H), 2.18-2.09 (m, 1H), 2.07-1.97 (m, 1H), 1.77-1.68(m,2H), 1.34-1.22 (m, 6H), 1.10-0.96 (m, 9H), 0.72 (s, 9H).
実施例16
9-[6-[[4-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-3,3-ジメチル-ブタノイル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸
【0173】
【0174】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0175】
【0176】
4-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-3,3-ジメチル-ブタン酸(化合物16a,30mg,48.5マイクロモル、US20160083383,実施例55における手順に従って製造)のDCM(2mL)溶液へCDI(9.43mg,58.1マイクロモル)を0℃で加えた。この混合物を1時間撹拌してから、この溶液へトリエチルアミン(14.7mg,20.3μL,145マイクロモル)と9-((6-アミノヘキシル)オキシ)-6-(tert-ブチル)-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-3-カルボン酸塩酸塩(化合物13a,23.2mg,48.5マイクロモル)を加えた。この混合物を室温へ温めて、16時間撹拌した。この反応混合物を減圧下に濃縮した。残渣を分取用HPLCによって精製して、9-[6-[[4-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-3,3-ジメチル-ブタノイル]アミノ]ヘキソキシ]-6-tert-ブチル-10-メトキシ-2-オキソ-6,7-ジヒドロベンゾ[a]キノリジン-3-カルボン酸(実施例16,14mg)を得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 1043. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.71 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.03 (d, 1H), 7.96 (d, 2H), 7.48-7.37 (m, 4H), 7.23-7.13 ( m, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.04 (s, 1H), 4.61-4.52 (m, 1H), 4.08-3.98 (m, 3H), 3.95-3.88 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.76-3.68 (m, 1H), 3.69-3.62 (m, 1H), 3.52 (s, 3H), 3.53-3.50 (m, 1H), 3.46-3.36(m, 2H), 3.28-3.22 (m, 1H), 3.11-2.94 (m, 4H), 2.90-2.78 (m, 3H), 2.24-2.13(m, 1H), 2.13-2.05 (m, 1H), 2.01-1.93 (m, 2H), 1.79-1.70 (m, 2H), 1.46-1.20 (m, 6H), 0.91 (d, 6H), 0.73 (s, 9H).
実施例17
(4R)-6-[[(8aS)-2-[4-[6-[2,3-ジフルオロ-5-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]フェノキシ]ヘキシルアミノ]-2,2-ジメチル-4-オキソ-ブチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-7-イル]メチル]-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル
【0177】
【0178】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0179】
【0180】
4-[(8aS)-7-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-3,3-ジメチル-ブタン酸(化合物16a,60mg,96.9マイクロモル)のDMF(3mL)溶液へトリエチルアミン(19.6mg,27μL,194マイクロモル)とHATU(55.3mg,145マイクロモル)を加えた。この混合物を室温で10分間撹拌してから、6-(2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-(ピリミジン-2-イル)-7,8-ジヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-6(5H)-イル)フェノキシ)ヘキサン-1-アミン(化合物17a,44mg,96.9マイクロモル,WO2016177655,実施例59に従って製造)を加えた。この混合物を室温で14時間撹拌してから分取用HPLCによって精製して、(4R)-6-[[(8aS)-2-[4-[6-[2,3-ジフルオロ-5-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]フェノキシ]ヘキシルアミノ]-2,2-ジメチル-4-オキソ-ブチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-7-イル]メチル]-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(実施例17,70mg)を得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 1055. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.70 (s, 1H), 8.99 (d, 2H), 8.84 (s, 1H), 8.02 (d, 1H), 7.95-7.94 (m, 2H), 7.63 (t, 1H), 7.46-7.37 (m, 2H), 7.21-7.11 (m, 1H), 6.65-6.57 (m, 2H), 6.03 (s, 1H), 5.33-5.23 (m, 1H), 4.09 (t, 2H), 3.98-3.86 (m, 3H), 3.73-3.67 (m, 1H), 3.67-3.61 (m, 1H), 3.51 (s, 3H), 3.48-3.40 (m, 3H), 3.3 (s, 2H),3.15-2.94 (m, 5H), 2.89-2.78 (m, 4H), 2.23-2.15 (m, 1H), 2.12-2.04 (m, 1H), 2.01-1.90 (m, 2H), 1.78-1.69 (m, 2H), 1.47-1.29 (m, 7H), 0.90 (d, 6H).
実施例18
(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[(3S)-3-[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシルカルバモイル]モルホリン-4-イル]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル
【0181】
【0182】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0183】
【0184】
表題化合物は、化合物13aの代わりに化合物17aを使用することによって、実施例13の製造に類似して製造した。実施例18(115mg)を固形物として入手した。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 931. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.96 (s, 1H), 8.99 (d, 2H), 8.83 (d, 1H), 8.17-8.09 (m, 1H),8.02 (d, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.64 (t, 1H), 7.44-7.34 (m, 2H), 7.20-7.12 (m, 1H), 6.65-6.57 (m, 2H), 5.99 (s, 1H), 5.33-5.25 (m, 1H), 4.07 (t, 2H), 4.03-3.68 (m, 5H), 3.61-3.52 (m, 2H), 3.48 (s, 3H), 3.45-3.39 (m, 1H), 3.27-3.24 (m, 1H), 3.16-3.01 (m, 2H), 3.01-2.92 (m, 2H), 1.76-1.66 (m, 2H), 1.45-1.24 (m, 11H).
実施例19
(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[(3R)-3-[[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシル-メチル-アミノ]メチル]モルホリン-4-イル]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル
【0185】
【0186】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0187】
【0188】
工程1:(3R)-3-[[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシル-メチル-アミノ]メチル]モルホリン-4-カルボン酸tert-ブチルの製造
6-(2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-(ピリミジン-2-イル)-7,8-ジヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-6(5H)-イル)フェノキシ)ヘキサン-1-アミン(化合物17a,300mg,660マイクロモル)のMeOH(5mL)溶液へホルムアミド(19.8mg,660マイクロモル)を加えた。この混合物を室温で5時間撹拌してから、シアノホウ水素化ナトリウム(124mg,1.98ミリモル)を加えた。この混合物を室温で12時間撹拌してから、粗製の3-ホルミルモルホリン-4-カルボン酸(S)-tert-ブチル(中間体I-6,284mg)を加えた。生じる混合物をさらに12時間撹拌してから、2M NaOH水溶液でクエンチした。この混合物を水で希釈して、DCMで抽出した。この有機層を濃縮して化合物19a(470mg)を得て、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。
【0189】
工程2:(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[(3R)-3-[[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシル-メチル-アミノ]メチル]モルホリン-4-イル]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチルの製造
(3R)-3-[[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシル-メチル-アミノ]メチル]モルホリン-4-カルボン酸tert-ブチル(化合物19a,470mg)のMeOH(5mL)溶液へ濃塩酸(3mL)を加えた。この混合物を室温で5時間撹拌してから、NaHCO3水溶液で塩基性にした。生じる混合物をDCMで抽出した。この有機層を無水Na2SO4で乾燥させて濃縮した。残渣をDMF(3mL)に溶かして、DIPEA(45.5mg,61.5μL)、ヨウ化カリウム(29.2mg,176マイクロモル)、及び6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸(R)-メチル(中間体I-2,150mg)の添加を続けた。この混合物を50℃で3時間撹拌してから分取用HPLCによって精製して、(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[(3R)-3-[[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシル-メチル-アミノ]メチル]モルホリン-4-イル]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(実施例19,37mg)を得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 931. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 8.99 (d, 2H), 8.83 (s, 1H), 8.07 (s, 1H),8.02 (t, 1H), 7.97-7.92 (m, 1H), 7.64 (t, 1H), 7.45-7.36 (m, 2H), 7.17-7.12 (m, 1H), 6.67-6.57 (m, 2H), 6.04 (s, 1H), 5.35-5.26 (m, 1H), 4.15-4.01 (m, 3H), 3.95-3.60 (m, 5H), 3.52 (s, 3H), 3.49-3.40 (m, 2H), 3.22-2.93 (m, 5H), 2.92-2.77(m, 2H), 2.54 (s, 3H), 1.83-1.60 (m, 4H), 1.58-1.16 (m, 9H).
実施例20
(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル
【0190】
【0191】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0192】
【0193】
2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-(ピリミジン-2-イル)-7,8-ジヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-6(5H)-イル)フェノール(化合物20a,24mg,67.5マイクロモル、WO2016177655,実施例44に従って製造)のDMF溶液へ炭酸カリウム(18.7mg,135ピコモル)を加えた。この混合物を80℃で1時間撹拌した。次いでこの混合物を室温へ冷やして、6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸(R)-メチル(30mg,67.5ピコモル)を加えた。この混合物を55℃で2時間撹拌した。この混合物を室温へ冷やして濾過した。濾液を分取用HPLCによって精製して、(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-[[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]メチル]-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(実施例20,32mg)を得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 719. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.81 (s, 1H), 8.99 (d, 2H), 8.72 (s, 1H), 7.96-7.79 (m, 2H), 7.64 (t, 1H), 7.33 (dd, 2H), 7.00 (s, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.75-6.56 (m, 1H), 6.00 (s, 1H), 5.50-5.25 (m, 2H), 5.23-5.12 (m, 1H), 3.92-3.78 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.47-3.37 (m, 1H), 3.13-2.96 (m, 2H), 1.34 (d, 3H).
実施例21
(2R)-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-2-[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシルアミノ]ブタン酸
【0194】
【0195】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0196】
【0197】
工程1:(4R)-6-[(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)メチル]-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(化合物21a)の製造
6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸(R)-メチル(中間体I-2,100mg,225マイクロモル)のDMF(1mL)溶液へピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(41.9mg,225マイクロモル)、DIPEA(78.5μl,450マイクロモル)、及びヨウ化カリウム(74.7mg,450マイクロモル)を加えた。この混合物を50℃で3時間撹拌してから室温へ冷やして、減圧下に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物21a(97mg)を得た。
【0198】
工程2:(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-(ピペラジン-1-イルメチル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(化合物21b)の製造
(4R)-6-[(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)メチル]-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(化合物21a,97mg,176マイクロモル)のMeOH(5mL)溶液へ濃塩酸(2mL)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌してから、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性にした。この混合物をDCMで抽出した。この有機層を無水Na2SO4で乾燥させて濃縮して、(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-6-(ピペラジン-1-イルメチル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(化合物21b,75mg)を得た。
【0199】
工程3:(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ブタン酸(化合物21c)の製造
(4R)-6-[(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)メチル]-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸メチル(化合物21b,80mg,178マイクロモル)のMeOH(5mL)溶液へ粗製の(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-オキソ-ブタン酸(中間体I-8,129mg)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌してから、シアノホウ水素化ナトリウム(22.3mg,356マイクロモル)を加えた。生じる混合物を室温で16時間撹拌してから、K2CO3水溶液とDCMの間で分配した。この有機層を減圧下に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ブタン酸(化合物21c,128mg)を得た。
【0200】
工程4:(2R)-2-アミノ-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ブタン酸(化合物21d)の製造
(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ブタン酸(化合物21c,128mg,197マイクロモル)のMeOH(5mL)溶液へ濃塩酸(2mL)を加えた。この混合物を室温で5時間撹拌してからアンモニア水で塩基性にして、DCMで抽出した。この有機層を減圧下に濃縮して、(2R)-2-アミノ-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ブタン酸(化合物21d,112mg)を得た。
【0201】
工程5:(2R)-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-2-[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシルアミノ]ブタン酸(実施例21)の製造
(2R)-2-アミノ-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ブタン酸(化合物21d,80mg,116マイクロモル)のMeOH(5mL)溶液へ粗製の6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキサナール(中間体I-7,55mg)を加えた。この混合物を室温で6時間撹拌してから、シアノホウ水素化ナトリウム(14.6mg,232ピコモル)を加えた。生じる混合物を室温で15時間撹拌してから分取用HPLCによって精製して、(2R)-4-[4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-2-[6-[2,3-ジフルオロ-5-(5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル)フェノキシ]ヘキシルアミノ]ブタン酸(実施例21,4.5mg)を得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 988. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 9.66 (s, 1H), 8.99 (d, 2H), 8.84 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.63 (, 1H), 7.43-7.34 (m, 2H), 7.23-7.12 (m, 1H), 6.61 (d, 2H), 6.02 (s, 1H), 5.35-5.25 (m, 1H), 4.14-4.05 (m, 2H), 3.98-3.78 (m, 3H), 3.49 (s, 3H), 3.14-2.73 (m, 7H), 2.63-2.52 (m, 8H), 1.96-1.52 (m, 8H), 1.50-1.16 (m, 7H).
実施例22
4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-1-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-2-カルボン酸
【0202】
【0203】
表題化合物は、以下のスキームに従って製造した:
【0204】
【0205】
工程1:4-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチル(化合物22b)の製造
6-(4,6-ジフルオロ-2-ピリジル)-5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン(化合物22a,60mg,176マイクロモル、WO2016177655,実施例151に従って製造)のDIPEA(2mL)及びDMSO(0.5mL)中の溶液へピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチル(56mg,229マイクロモル)を加えた。この混合物を120℃で48時間撹拌してから、減圧下に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、4-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチル(化合物22b,15mg)を得た。
【0206】
工程2:1-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-2-カルボン酸メチル塩酸塩(化合物22c)の製造
4-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチル・O3-メチル(化合物22b,15mg)の混合物のMeOH(5mL)溶液へ濃塩酸(1mL)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌してから減圧下に濃縮して、粗製の1-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-2-カルボン酸メチル塩酸塩(化合物22c,16.2mg)を得た。
【0207】
工程3:4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-1-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-2-カルボン酸の製造
1-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-2-カルボン酸メチル塩酸塩(化合物22c,16.2mg,32.3マイクロモル)のDMF(3mL)溶液へ6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸(R)-メチル(中間体I-2,14.4mg,32.3ピコモル)、DIPEA(12.5mg,96.9ピコモル)、及びヨウ化カリウム(10.7mg,64.6ピコモル)を加えた。この混合物を50℃で3時間撹拌してから室温へ冷やした。この混合物へ水(1mL)と水酸化リチウム一水和物(15mg)を加えた。生じる混合物を室温で2時間撹拌してから6M HClで酸性化して、分取用HPLCによって精製して、4-[[(4R)-4-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-メトキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-1-[4-フルオロ-6-[5-メチル-2-ピリミジン-2-イル-7,8-ジヒドロ-5H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-6-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-2-カルボン酸(実施例22,5mg)を得た。MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 814. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 8.99 (d, 2H), 8.91 (s, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.63 (t, 1H), 7.46-7.38 (m, 2H), 7.22-7.14 (m, 2H), 6.14 (s, 1H), 6.04 (s, 1H), 5.89 (s, 1H), 5.73-5.66(m, 1H), 4.50-4.40 (m, 1H), 4.16-4.10 (m, 1H), 3.51 (s, 3H), 3.47- 3.36 (m, 3H), 3.32- 3.28 (m, 2H), 3.17-2.89 (m, 6H), 1.50 (d, 3H).
生物学的実施例
実施例23:HepG2.2.15細胞の一次スクリーンアッセイ
材料と方法
HBV細胞系
恒常的にHBVを発現する細胞系であるHepG2.2.15細胞(Acs et al. Proc Natl Acad Sci U S A, 84, (1987), 4641-4)を、10%胎仔ウシ血清(Invitrogen)と200mg/Lの最終濃度でのG418(Invitrogen)を補充した DMEM+Glutamax-I 培地(Invitrogen,カリフォルニア州カールスバッド、アメリカ)において培養して、5% CO2において37℃で維持した。
【0208】
HBsAgアッセイ
HepG2.2.15細胞を白色の96ウェルプレートの中へ1.5x104個の細胞/ウェルで同一2検体で播いた。この細胞をDMSO中3倍連続希釈系列の化合物で処理した。最終DMSO濃度は、すべてのウェルで1%であって、DMSOを薬物無し対照として使用した。
【0209】
HBsAg化学発光イムノアッセイ(CLIA)キット(Autobio Diagnostics 社、鄭州、中国、カタログ番号:CL0310-2)を使用して、分泌されたHBV抗原のレベルを半定量的に測定した。検出には、50pL/ウェルの培養上清を使用して、HBsAg化学発光イムノアッセイ(CLIA)キット(Autobio Diagnostics 社、鄭州、中国、カタログ番号:CL0310-2)を使用してHBsAgを定量し、50pLの上清をCLIAアッセイプレートへ移して、各ウェル中へ50pLの酵素コンジュゲート試薬を加えた。このプレートを密封して、室温で1時間穏やかにかき混ぜた。上清-酵素混合物を捨てて、ウェルを300pLのPBSで6回洗浄した。CLIAプレートを吸収性ティッシュペーパー上に裏返して置くことによって、残留液体を除去した。各ウェルへ25pLの基質A及び基質Bを加えた。10分のインキュベーションの後で、ルミノメーター(Mithras LB 940 Multimode Microplate Reader)を使用して、発光を測定した。用量応答曲線を作成して、E-WorkBook Suite(ID BusinessSolutions 社、ギルドフォード、イギリス)を使用することによって、IC50値を外挿法で推定した。IC50は、HBsAg分泌が薬物無し対照と比較して50%抑制されるときの化合物濃度(又は条件培地対数希釈率)として定義された。
【0210】
本発明の化合物について、本明細書に記載されるようにHBsAgを阻害するそれらの能力を試験した。上記のアッセイにおいて実施例について試験して、IC50が10pM未満であることを見出した。特別な式Iの化合物では、IC50が1.0pM未満であることを見出した。HBsAgアッセイの結果を表1に示す。
【0211】
表1:本発明の化合物の活性データ
【0212】