(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】ラック式攪拌機および攪拌システム
(51)【国際特許分類】
B01F 29/31 20220101AFI20230405BHJP
B01F 29/32 20220101ALI20230405BHJP
B01F 35/42 20220101ALI20230405BHJP
G01N 1/38 20060101ALI20230405BHJP
G01N 35/02 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
B01F29/31
B01F29/32
B01F35/42
G01N1/38
G01N35/02 D
(21)【出願番号】P 2021068592
(22)【出願日】2021-04-14
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003355
【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
(73)【特許権者】
【識別番号】520278310
【氏名又は名称】東洋セイキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【氏名又は名称】藤本 信男
(72)【発明者】
【氏名】高橋 知克
(72)【発明者】
【氏名】森田 巧
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-111014(JP,A)
【文献】特開2015-045550(JP,A)
【文献】特開2015-131260(JP,A)
【文献】特開2020-134381(JP,A)
【文献】実開平07-018266(JP,U)
【文献】特開2013-122465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 35/40 - 35/43
B01F 29/00 - 29/90
G01N 35/02 - 35/04
G01N 1/38
B01L 9/00
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機であって、
前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、
前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、
前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、
前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、
前記第1被押動部
は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成されていることを特徴とするラック式攪拌機。
【請求項2】
前記第2押さえ部材は、前記第2挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第2挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、
前記第2押さえ部材の上端に設けられた第2被押動部が上方から押されることで、前記第2挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され
、
前記第2被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成されていることを特徴とする請求項1に記載のラック式攪拌機。
【請求項3】
前記ラック保持機構は、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを下方側から支持するための下方側支持部を有し、
前記第1押さえ部材は、前記ラック保持空間に設置された前記ラックの上方側への移動を規制するための浮き上がり規制部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラック式攪拌機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のラック式攪拌機と、前記ラックとを備えることを特徴とする攪拌システム。
【請求項5】
前記試料容器は、容器本体と、前記容器本体の上方に装着されるキャップを有し、
前記キャップは、上方から見た場合に、前記容器本体に対して前記キャップを上下軸を中心として第1方向に回転させることで前記容器本体に対して螺合するように形成され、
前記ラックは、前記ラック保持空間に前記ラックを設置した状態で、前記キャップを上方に向けた状態の前記試料容器を縦立状態で保持するように構成され、
前記攪拌駆動機構は、上方から見た場合に、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを、上下軸を中心として前記第1方向とは反対の第2方向に旋回させることで、前記試料容器内の試料を攪拌させるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の攪拌システム。
【請求項6】
前記ラックは、前記ラックが前記ラック保持空間に設置された状態で、前記第1挟み部および前記第2挟み部によって挟まれる被挟み部を有し、
前記ラックの前記被挟み部の前後方向における前後には、前記第1押さえ部材および前記第2押さえ部材に対する前記ラックの前後方向への移動を規制する前後方向移動規制部が形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の攪拌システム。
【請求項7】
前記ラックは、上下方向に並べた複数のプレートを上下方向に連結した構造を有し、
前記複数のプレートのうち最上方の前記プレートが、前記第1挟み部および前記第2挟み部によって挟まれるように構成されていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の攪拌システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のラック式攪拌機と、前記ラックを搬送可能なラック搬送機とを備えた攪拌システムであって、
前記ラック搬送機は、前記ラックを左右方向に挟んで把持可能な一対の把持爪を備え、
前記第1押さえ部材は、前記把持爪によって前記第1被押動部を上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成されていることを特徴とする攪拌システム。
【請求項9】
前記把持爪は、下方に向かうに従って左右方向の内側に寄るように傾斜したテーパ傾斜面を、その下端側の左右方向の外側に有していることを特徴とする請求項8に記載の攪拌システム。
【請求項10】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のラック式攪拌機と、前記ラックを搬送可能なラック搬送機と、前記ラックとを備えた攪拌システムであって、
前記第2押さえ部材は、前記第2挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第2挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、第2被押動部を上方から押されることで、前記第2挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、
前記ラック搬送機は、前記ラックを左右方向に挟んで把持可能な一対の把持爪を備え、
前記一対の把持爪によって前記ラックを挟んで保持した状態で前記ラックを下降させることで、一対の前記把持爪の一方によって前記第1被押動部を上方から押して前記ラック保持空間から離れるように前記第1挟み部を移動させるとともに、一対の前記把持爪の他方によって前記第2被押動部を上方から押して前記ラック保持空間から離れるように前記第2挟み部を移動させるように構成されていることを特徴とする攪拌システム。
【請求項11】
ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機と、前記ラックとを備える攪拌システムであって、
前記ラック式攪拌機は、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、
前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、
前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、
前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、
前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、
前記試料容器は、容器本体と、前記容器本体の上方に装着されるキャップを有し、
前記キャップは、上方から見た場合に、前記容器本体に対して前記キャップを上下軸を中心として第1方向に回転させることで前記容器本体に対して螺合するように形成され、
前記ラックは、前記ラック保持空間に前記ラックを設置した状態で、前記キャップを上方に向けた状態の前記試料容器を縦立状態で保持するように構成され、
前記攪拌駆動機構は、上方から見た場合に、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを、上下軸を中心として前記第1方向とは反対の第2方向に旋回させることで、前記試料容器内の試料を攪拌させるように構成されていることを特徴とする攪拌システム。
【請求項12】
ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機と、前記ラックとを備える攪拌システムであって、
前記ラック式攪拌機は、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、
前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、
前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、
前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、
前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、
前記ラックは、前記ラックが前記ラック保持空間に設置された状態で、前記第1挟み部および前記第2挟み部によって挟まれる被挟み部を有し、
前記ラックの前記被挟み部の前後方向における前後には、前記第1押さえ部材および前記第2押さえ部材に対する前記ラックの前後方向への移動を規制する前後方向移動規制部が形成されていることを特徴とする攪拌システム。
【請求項13】
ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機と、前記ラックとを備える攪拌システムであって、
前記ラック式攪拌機は、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、
前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、
前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、
前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、
前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、
前記ラックは、上下方向に並べた複数のプレートを上下方向に連結した構造を有し、
前記複数のプレートのうち最上方の前記プレートが、前記第1挟み部および前記第2挟み部によって挟まれるように構成されていることを特徴とする攪拌システム。
【請求項14】
ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機と、前記ラックを搬送可能なラック搬送機とを備えた攪拌システムであって、
前記ラック式攪拌機は、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、
前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、
前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、
前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、
前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、
前記ラック搬送機は、前記ラックを左右方向に挟んで把持可能な一対の把持爪を備え、
前記第1押さえ部材は、前記把持爪によって前記第1被押動部を上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成されていることを特徴とする攪拌システム。
【請求項15】
ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機と、前記ラックを搬送可能なラック搬送機と、前記ラックとを備えた攪拌システムであって、
前記ラック式攪拌機は、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、
前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、
前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、
前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、
前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、
前記第2押さえ部材は、前記第2挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第2挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、
前記第2押さえ部材の上端に設けられた第2被押動部が上方から押されることで、前記第2挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、
前記第2被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、
前記ラック搬送機は、前記ラックを左右方向に挟んで把持可能な一対の把持爪を備え、
前記一対の把持爪によって前記ラックを挟んで保持した状態で前記ラックを下降させることで、一対の前記把持爪の一方によって前記第1被押動部を上方から押して前記ラック保持空間から離れるように前記第1挟み部を移動させるとともに、一対の前記把持爪の他方によって前記第2被押動部を上方から押して前記ラック保持空間から離れるように前記第2挟み部を移動させるように構成されていることを特徴とする攪拌システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学、生物工学、化学、薬学等において用いられる溶液状の試料を攪拌させるラック式攪拌機および攪拌システムに関し、特に、ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機および攪拌システムに関する。
【0002】
従来、医学、生物工学、化学、薬学等において用いられる溶液状の試料の検査等を行うときには、試料に含まれる成分を効率良く検出するために溶液状の試料を攪拌することが行われ、このような試料の攪拌は、人手やボルテックスミキサー等の器具によって、試料容器の底部側を旋回させることで、試料容器内の試料に渦流を形成することで行われる。
【0003】
ところが、このような試料容器では、複数の試料容器を保持可能なラックにセットした状態で、持ち運び等のハンドリングを行うことがあり、上述したように人手やボルテックスミキサー等の器具によって試料を攪拌させる場合、ラックから各試料容器を取り出し、各試料容器内の試料を攪拌させた後に、試料容器をラックに戻すという煩雑な操作が必要になる。
【0004】
そこで、特許文献1では、複数の試料容器を保持した状態のラックに対して攪拌処理を施すことが可能なラック式攪拌機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、本出願人は、ラック搬送機を利用したシステムの自動化を模索しており、特許文献1に記載の攪拌機では、ラック式攪拌機に対してラックをセットするに際して、クランプアームを手前に引いて操作してクランプピンを解除した後に、ラック式攪拌機に対してラックをセットし、クランプアームを離してラックを固定するといった、オペレーターの手による操作を必要とするため、システムの自動化に支障をきたすという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡素な構造で、自動化が容易なラック式攪拌機および攪拌システムを提供することを目的とするものである。
【0008】
本発明のラック式攪拌機は、ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機であって、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
本発明の攪拌システムの一態様は、ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機と、前記ラックとを備える攪拌システムであって、前記ラック式攪拌機は、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、前記試料容器は、容器本体と、前記容器本体の上方に装着されるキャップを有し、前記キャップは、上方から見た場合に、前記容器本体に対して前記キャップを上下軸を中心として第1方向に回転させることで前記容器本体に対して螺合するように形成され、前記ラックは、前記ラック保持空間に前記ラックを設置した状態で、前記キャップを上方に向けた状態の前記試料容器を縦立状態で保持するように構成され、前記攪拌駆動機構は、上方から見た場合に、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを、上下軸を中心として前記第1方向とは反対の第2方向に旋回させることで、前記試料容器内の試料を攪拌させるように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
本発明の攪拌システムの他の態様は、ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機と、前記ラックとを備える攪拌システムであって、前記ラック式攪拌機は、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、前記ラックは、前記ラックが前記ラック保持空間に設置された状態で、前記第1挟み部および前記第2挟み部によって挟まれる被挟み部を有し、前記ラックの前記被挟み部の前後方向における前後には、前記第1押さえ部材および前記第2押さえ部材に対する前記ラックの前後方向への移動を規制する前後方向移動規制部が形成されていることにより、前記課題を解決するものである。
本発明の攪拌システムの他の態様は、ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機と、前記ラックとを備える攪拌システムであって、前記ラック式攪拌機は、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、前記ラックは、上下方向に並べた複数のプレートを上下方向に連結した構造を有し、前記複数のプレートのうち最上方の前記プレートが、前記第1挟み部および前記第2挟み部によって挟まれるように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
本発明の攪拌システムの他の態様は、ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機と、前記ラックを搬送可能なラック搬送機とを備えた攪拌システムであって、前記ラック式攪拌機は、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、前記ラック搬送機は、前記ラックを左右方向に挟んで把持可能な一対の把持爪を備え、前記第1押さえ部材は、前記把持爪によって前記第1被押動部を上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
本発明の攪拌システムの他の態様は、ラックに保持された状態の試料容器内の試料を攪拌させるラック式攪拌機と、前記ラックを搬送可能なラック搬送機と、前記ラックとを備えた攪拌システムであって、前記ラック式攪拌機は、前記ラックを着脱可能に保持するためのラック保持機構と、前記ラック保持機構によって保持された前記ラックを動かすための攪拌駆動機構とを備え、前記ラック保持機構は、前記ラックを上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間と、前記ラック保持空間を挟んだ左右方向の両側にそれぞれ設けられ、前記ラック保持空間に設置された前記ラックを左右方向に挟むための第1挟み部を有した第1押さえ部材および第2挟み部を有した第2押さえ部材とを備え、前記第1押さえ部材は、前記第1挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第1挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、前記第1押さえ部材の上端に設けられた第1被押動部が上方から押されることで、前記第1挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、前記第1被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、前記第2押さえ部材は、前記第2挟み部が左右方向に移動可能であるとともに、前記第2挟み部が前記ラック保持空間に近づく方向に向けて付勢された状態で設置され、前記第2押さえ部材の上端に設けられた第2被押動部が上方から押されることで、前記第2挟み部が前記ラック保持空間から離れるように動くように構成され、前記第2被押動部は、前後方向に沿った軸を中心として回転可能なローラまたは摺動プレートとして構成され、前記ラック搬送機は、前記ラックを左右方向に挟んで把持可能な一対の把持爪を備え、前記一対の把持爪によって前記ラックを挟んで保持した状態で前記ラックを下降させることで、一対の前記把持爪の一方によって前記第1被押動部を上方から押して前記ラック保持空間から離れるように前記第1挟み部を移動させるとともに、一対の前記把持爪の他方によって前記第2被押動部を上方から押して前記ラック保持空間から離れるように前記第2挟み部を移動させるように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、オペレーターの手動による操作を必要とすることなく、ラック式攪拌機に対してラックを保持したラック搬送機を下降させる動作を利用して、第1被押動部を上方から押して第1押さえ部材を操作することが可能であるため、ラック式攪拌機に押さえ部材を動かすためのアクチュエータを設ける必要もなく、簡素な構成で、ラック搬送機を用いた攪拌システムの自動化を実現することができる。
【0010】
また、攪拌駆動機構が、ラック保持空間に設置されたラックを、容器本体に対してキャップを螺合させる時にキャップを回転させる方向である第1方向とは反対の第2方向に旋回させることで、試料容器内の試料を攪拌させるように構成されている場合、攪拌駆動機構による攪拌動作によって容器本体に対してキャップが緩んでしまうことを回避でき、容器本体に対するキャップの緩み対策を別途設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の攪拌システムにおけるラック式攪拌機を示す説明図。
【
図6】ラック式攪拌機による攪拌方法を説明する説明図。
【
図7】ラック式攪拌機に対するラックのセット方法を示す説明図。
【
図8】ラック式攪拌機に対するラックのセット方法を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態である攪拌システム10について、図面に基づいて説明する。
【0013】
攪拌システム10は、医学、生物工学、化学、薬学等において用いられる溶液状の試料を攪拌させるためのものであり、具体的には、ラック50に保持された状態の試料容器40内の試料を攪拌させるものである。
【0014】
攪拌システム10は、
図7に示すように、複数の試料容器40を保持した状態のラック50に対して攪拌処理を施すように構成されたラック式攪拌機20と、複数の試料容器40を保持した状態のラック50を搬送可能なラック搬送機30と、試料を収容する試料容器40と、複数の試料容器40を保持可能なラック50と、ラック式攪拌機20やラック搬送機30等の各部を制御するCPU等からなるシステム制御部(図示しない)とを備えている。
【0015】
以下、各構成要素について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0016】
まず、ラック式攪拌機20は、
図1や
図2に示すように、試料容器40を保持した状態のラック50を着脱可能に保持するためのラック保持機構21と、ラック保持機構21によって保持されたラック50を動かすための攪拌駆動機構26とを備えている。
【0017】
ラック保持機構21は、
図1や
図2に示すように、ラック50を上方側から受け入れて保持するためのラック保持空間22と、ラック保持空間22を挟んだ左右方向X2(上下方向X1に直交する水平面内における一方向)の両側にそれぞれ設けられ、ラック保持空間22に設置されたラック50を左右方向X2に挟むための第1挟み部23aを有した第1押さえ部材23および第2挟み部24aを有した第2押さえ部材24と、ラック保持機構21の各部材を支持する支持構造体25とを有している。
【0018】
第1押さえ部材23は、
図1に示すように、第1挟み部23aが左右方向X2に移動可能であるように設置され、本実施形態では、その下端側に設けられた前後方向X3(上下方向X1に直交する水平面内における一方向であって左右方向X2に直交する方向)に沿って延びる揺動軸23bを中心として揺動可能に支持構造体25に取り付けられている。
第1押さえ部材23は、
図1に示すように、付勢バネ23cによって、第1挟み部23aがラック保持空間22に近づく方向に向けて付勢されているとともに、支持構造体25に形成された揺動規制部25aによって、第1挟み部23aがラック保持空間22に近づく方向に向けて揺動することを規制されている。これにより、第1押さえ部材23は、無負荷状態では、
図1に示すように、その長手方向が上下方向X1に沿った延びた姿勢を取り、
図7(c)に示すように、後述する第1被押動部23dを上方から押されることで、第1挟み部23aがラック保持空間22から離れるように動く(揺動する)ように構成されている。
第1被押動部23dは、
図1や
図7(c)に示すように、第1押さえ部材23を揺動させる時に、ラック搬送機30の把持爪32によって押される部位であり、本実施形態では、第1押さえ部材23の上端に設けられ、前後方向X3に沿った軸を中心として回転可能なローラとして構成されている。なお、第1被押動部23dの具体的態様については、上記のローラに限定されず、把持爪32によって円滑に押されるように構成されていれば、如何なるものでもよく、例えば、第1押さえ部材23の上端に設けられた摺動プレートとして構成されていてもよい。
第1押さえ部材23は、
図1や
図8(e)に示すように、ラック保持空間22にラック50を設置した状態で、ラック50の最上方のプレート51の上方側に位置して、ラック50の上方側への移動を規制するための浮き上がり規制部23eを、第1挟み部23aの上方側に有している。
【0019】
第2押さえ部材24は、第1押さえ部材23と同様に形成され、具体的には、以下の通りに形成されている。
【0020】
第2押さえ部材24は、
図1に示すように、第2挟み部24aが左右方向X2に移動可能であるように設置され、本実施形態では、その下端部側に設けられた前後方向X3に沿って延びる揺動軸24bを中心として揺動可能に支持構造体25に取り付けられている。
第2押さえ部材24は、
図1に示すように、付勢バネ24cによって、第2挟み部24aがラック保持空間22に近づく方向に向けて付勢されているとともに、支持構造体25に形成された揺動規制部25aによって、第2挟み部24aがラック保持空間22に近づく方向に向けて揺動することを規制されている。これにより、第2押さえ部材24は、無負荷状態では、
図1に示すように、その長手方向が上下方向X1に沿った延びた姿勢を取り、
図7(c)に示すように、後述する第2被押動部24dを上方から押されることで、第2挟み部24aがラック保持空間22から離れるように動く(揺動する)ように構成されている。
第2被押動部24dは、
図1や
図7(c)に示すように、第2押さえ部材24を揺動させる時に、ラック搬送機30の把持爪32によって押される部位であり、本実施形態では、第2押さえ部材24の上端に設けられ、前後方向X3に沿った軸を中心として回転可能なローラとして構成されている。なお、第2被押動部24dの具体的態様については、上記のローラに限定されず、把持爪32によって円滑に押されるように構成されていれば、如何なるものでもよく、例えば、第2押さえ部材24の上端に設けられた摺動プレートとして構成されていてもよい。
第2押さえ部材24は、
図1や
図8(e)に示すように、ラック保持空間22にラック50を設置した状態で、ラック50の最上方のプレート51の上方側に位置して、ラック50の上方側への移動を規制するための浮き上がり規制部24eを、第2挟み部24aの上方側に有している。
【0021】
支持構造体25は、ラック押さえ部材23、24等を支持するものであり、
図1に示すように、ラック保持空間22に設置されたラック50を下方側から支持するための下方側支持部25bを有している。
【0022】
攪拌駆動機構26は、ステッピングモータ等から構成され、ラック保持機構21の下方側に設置され、ラック保持機構21によって保持されたラック50の試料容器40内の試料に上下方向X1にほぼ沿った軸を中心とした渦流を形成させて試料を攪拌させるように、ラック保持機構21によって保持されたラック50(すなわち、支持構造体25)を動かす(旋回させる)ものである。
攪拌駆動機構26は、
図6に示すように、水平面内におけるラック50の姿勢(左右方向X2や前後方向X3に対するラック50の向き)を維持した状態で、ラック保持機構21によって保持されたラック50の中心から水平方向にずれた、上下方向X1に沿って延びる偏心軸を中心として、ラック50を第2方向D2に旋回させるように、支持構造体25を動かすように設計されている。
なお、上述した第2方向D2は、
図5(b)に示す、容器本体41に対してキャップ42を螺合する時にキャップ42を回転させる方向である後述する第1方向D1とは反対の方向であり、本実施形態では、上方から見た場合に、
図5(b)に示すように、第1方向D1は時計回りであり、
図6に示すように、第2方向D2は反時計回りに設定されている。
このように、攪拌駆動機構26が、ラック保持空間22に設置されたラック50を、容器本体41に対してキャップ42を螺合させる時にキャップ41を回転させる方向である第1方向D1とは反対の第2方向D2に旋回させることで、試料容器40内の試料を攪拌させるように構成されていることにより、攪拌駆動機構26による攪拌動作によって容器本体41に対してキャップ42が緩んでしまうことを回避でき、容器本体41に対するキャップ42の緩み対策を別途設ける必要がない。
【0023】
ラック搬送機30は、
図3に示すように、上下方向X1、左右方向X2、および前後方向X3に移動可能に構成された把持ユニット31と、ラック50を左右方向X2に把持可能な一対の把持爪32とを備え、左右方向X2に沿って互いに接近および離間可能な一対の把持爪32によって、試料容器40を保持した状態のラック50を左右方向X2に挟んで把持して搬送するように構成されている。
なお、ラック搬送機30は、把持ユニット31を移動させるユニット(図示しない)や、把持爪32を駆動するアクチュエータ(図示しない)等も有している。
【0024】
各把持爪32は、
図7に示すように、把持ユニット31に対して左右方向X2に移動可能(水平移動可能)な状態で設けられている。
各把持爪32は、
図3に示すように、その下端側において左右方向X2の内側面から内側(他方の把持爪32側)に向けて突出形成された引っ掛け部32aを有している。この引っ掛け部32aは、
図7(a)に示すように、一対の把持爪32によってラック50を保持した状態で、ラック50(最上方のプレート51)を下方から支えるものである。
また、各把持爪32は、
図3に示すように、下方に向かうに従って左右方向X2の内側(他方の把持爪32側)に寄るように傾斜したテーパ傾斜面32bを、その下端側の左右方向X2の外側に有している。
【0025】
試料容器40は、合成樹脂から形成され、
図5に示すように、試料を収容するチューブ状の容器本体41と、容器本体41の上方に装着されるキャップ42とから構成されている。
キャップ42は、所謂スクリューキャップとして形成され、
図5(b)に示すように、上方から見た場合に、容器本体41に対してキャップ42を上下軸を中心として第1方向D1(本実施形態では時計回り)に回転させることで、容器本体41に対して螺合(ネジ装着)されるネジ部を有している。
【0026】
ラック50は、ゴムや合成樹脂や金属等から形成され、
図4に示すように、上下方向X1に並べた複数のプレート51を上下方向X1に連結した構造を有し、具体的には、上下方向X1に並べた略矩形状の複数のプレート51と、プレート51を上下方向X1に連結する複数の連結柱(連結ボルト)52とを有している。
【0027】
ラック50は、
図4に示すように、試料容器40を上方から受け入れて保持する容器収容部53を複数(本実施形態では3つ)有し、複数の試料容器40を前後方向X3に並べて縦立状態で保持するように構成されている。
容器収容部53は、本実施形態では、
図4に示すように、最下方のプレート51以外のプレート51に上下方向X1に貫通する孔を形成することで構成され、また、最下方のプレート51は、試料容器40の下端部を下方から支持するように構成されている。
容器収容部53は、サイズや形状の異なる試料容器40を収容可能に構成されている。
【0028】
ラック50は、
図4に示すように、ラック50がラック式攪拌機20のラック保持空間22に設置された状態で、ラック押さえ部材23、24の挟み部23a、24aによって挟まれる被挟み部54を、最上方のプレート51の左右方向X2の両側部にそれぞれ有し、本実施形態では、
図4に示すように、最上方のプレート51の左右方向X2の両側部に形成された凹部の底部が被挟み部54として機能している。
被挟み部54は、ラック50がラック搬送機30の一対の把持爪32によって把持された状態で、一対の把持爪32によって挟まれる部位としても機能する。
【0029】
また、ラック50は、
図4に示すように、被挟み部54の前後に、ラック押さえ部材23、24に対するラック50の前後方向X3への移動を規制する前後方向移動規制部55を有し、本実施形態では、
図4に示すように、上述した凹部の前方側および後方側の内縁が、前後方向移動規制部55として機能する。
各前後方向移動規制部55は、
図4に示すように、被挟み部54側に向かうに従って左右方向X2の内側に向けて寄るように傾斜して形成されている。
前後方向移動規制部55は、
図4に示すように、ラック50がラック搬送機30の一対の把持爪32によって把持された状態で、把持爪32に対するラック50の前後方向X3への移動を規制する部位としても機能する。
【0030】
次に、本実施形態の攪拌システム10における、ラック式攪拌機20に対するラック50のセット方法について、以下に説明する。
【0031】
まず、ラック式攪拌機20のラック保持空間22に対して試料容器40を保持した状態のラック50をセットする時には、
図7(a)(b)に示すように、ラック50をラック搬送機30の把持爪32によって把持した状態で、ラック式攪拌機20に対して把持ユニット31を上下方向X1に沿って下降させる。
【0032】
次に、
図7(b)(c)に示すように、ラック式攪拌機20に対して把持ユニット31を上下方向X1に沿って更に下降させることにより、把持爪32の下端部によって、押さえ部材23、24の被押動部23d、24dを上方から押して押さえ部材23、24を動かす(揺動させる)ことで、ラック保持空間22から離れる方向に挟み部23a、24aを移動させて、ラック保持空間22に対してラック50をセットする。
【0033】
この時、
図7(c)に示すように、被押動部23d、24dがローラとして構成され、また、把持爪32にテーパ傾斜面32bが形成されていることにより、把持爪32によって押さえ部材23、24(の被押動部23d、24d)を左右方向X2に円滑に押すことができる。
また、ラック式攪拌機20のラック保持空間22に対してラック50がセットされた状態では、支持構造体25の下方側支持部25bによって、ラック50は下方から支持された状態になる。
【0034】
次に、
図8(d)に示すように、ラック搬送機30の左右の把持爪32を互いに離間させるように、左右の把持爪32を左右方向X2に移動させる。すると、ラック押さえ部材23、24が互いに離れる方向に更に移動するとともに、左右の把持爪32によるラック50の把持が解除される。
【0035】
次に、
図8(e)に示すように、ラック搬送機30の把持ユニット31を上方に移動させると、ラック保持空間22にラック50を残した状態で把持ユニット31を上方に離脱させることができ、また、付勢バネ23c、24cの付勢力によって、揺動規制部25aによって移動規制された位置にラック押さえ部材23、24が復帰し、ラック押さえ部材23、24によって、ラック50が挟まれた状態となる。
【0036】
この
図8(e)に示すラック保持空間22にラック50がセットされた状態では、ラック押さえ部材23、24の挟み部23a、24aによって、ラック50の左右方向X2の移動が阻止され、また、
図4に示すように、ラック50に前後方向移動規制部55が形成されていることでラック押さえ部材23、24によってラック50の前後方向X3への移動が阻止され、また、ラック押さえ部材23、24の浮き上がり規制部23e、24eと下方側支持部25bとによってラック50の上下方向X1への移動が阻止される。
【0037】
次に、本実施形態の攪拌システム10における、ラック式攪拌機20からのラック50の取り出し方法についても、以下に説明する。
【0038】
まず、ラック式攪拌機20のラック保持空間22にセットされたラック50を取り外す時には、ラック搬送機30の左右の把持爪32の間隔を
図7(a)(b)に示される間隔と同様に設定した状態で、ラック式攪拌機20に対して把持ユニット31を下降させる。
【0039】
次に、ラック式攪拌機20に対して把持ユニット31を上下方向X1に沿って更に下降させることにより、把持爪32の下端部によって、押さえ部材23、24の被押動部23d、24dを上方から押して押さえ部材23、24を動かす(揺動させる)ことで、ラック保持空間22から離れる方向に挟み部23a、24aを移動させる。
【0040】
次に、ラック搬送機30の左右の把持爪32を互いに離間させるように、左右の把持爪32を左右方向X2に移動させて、ラック押さえ部材23、24を互いに離れる方向に押すとともに、把持爪32の引っ掛け部32aが最上方のプレート51の下側にくる位置までラック搬送機30の把持ユニット31を下降させる。
【0041】
次に、左右の把持爪32を互いに接近させることにより、把持爪32によってラック50を把持する。
【0042】
ここで、把持爪32によってラック50を把持した状態では、把持爪32によって、ラック50の左右方向X2の移動が阻止され、また、
図4に示すように、ラック50に前後方向移動規制部55が形成されていることで把持爪32によってラック50の前後方向X3への移動が阻止され、また、把持爪32の引っ掛け部32aによってラック50の下方への移動が阻止される。
【0043】
次に、ラック搬送機30の把持ユニット31を上方に移動させることで、ラック保持空間22からラック50を上方側に取り出す。
【0044】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0045】
例えば、上述した実施形態では、試料容器40が、試料を封入したチューブ等の合成樹脂製のチューブであるものとして説明したが、試料容器40の具体的態様は上記に限定されない。
また、上述した実施形態では、ラック押さえ部材23、24が揺動可能に設けられているものとして説明したが、挟み部23a、24aが左右方向X2に移動可能に設けられているものであれば、ラック押さえ部材23、24の具体的態様は如何なるものでもよく、例えば、ラック押さえ部材23、24全体が左右方向X2に水平移動するようにラック押さえ部材23、24を設けてもよい。
また、第1挟み部23aが左右方向X2に移動可能であるように第1押さえ部材23のみを可動に設置し、第2押さえ部材24については固定状態で設置してもよい。
また、上述した実施形態では、ラック搬送機30の把持爪32によってラック押さえ部材23、24の被押動部23d、24dを上方から押して、ラック押さえ部材23、24を動かすように構成されているものとして説明したが、ラック搬送機30の把持爪32に把持されたラック50によって被押動部23d、24dを押すように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、ラック50の最上方のプレート51が、ラック式攪拌機20のラック押さえ部材23、24やラック搬送機30の把持爪32によって挟まれる(把持される)部位であるものとして説明したが、ラック押さえ部材23、24やラック搬送機30の把持爪32によって挟まれる(把持される)部位は、ラック50の一部であれば、如何なる箇所でもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 ・・・ 攪拌システム
20 ・・・ ラック式攪拌機
21 ・・・ ラック保持機構
22 ・・・ ラック保持空間
23 ・・・ 第1押さえ部材
23a ・・・ 第1挟み部
23b ・・・ 揺動軸
23c ・・・ 付勢バネ
23d ・・・ 第1被押動部
23e ・・・ 浮き上がり規制部
24 ・・・ 第2押さえ部材
24a ・・・ 第2挟み部
24b ・・・ 揺動軸
24c ・・・ 付勢バネ
24d ・・・ 第1被押動部
24e ・・・ 浮き上がり規制部
25 ・・・ 支持構造体
25a ・・・ 揺動規制部
25b ・・・ 下方側支持部
26 ・・・ 攪拌駆動機構
30 ・・・ ラック搬送機
31 ・・・ 把持ユニット
32 ・・・ 把持爪
32a ・・・ 引っ掛け部
32b ・・・ テーパ傾斜面
40 ・・・ 試料容器
41 ・・・ 容器本体
42 ・・・ キャップ
50 ・・・ ラック
51 ・・・ プレート
52 ・・・ 連結柱
53 ・・・ 容器収容部
54 ・・・ 被挟み部
55 ・・・ 前後方向移動規制部
X1 ・・・ 上下方向
X2 ・・・ 左右方向
X3 ・・・ 前後方向