(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】電気外科照明のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20230405BHJP
A61B 90/30 20160101ALI20230405BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B90/30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021178570
(22)【出願日】2021-11-01
(62)【分割の表示】P 2019514811の分割
【原出願日】2017-09-15
【審査請求日】2021-11-15
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316017169
【氏名又は名称】インブイティ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ヴェイザー,アレックス
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0157920(US,A1)
【文献】特表2011-502596(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0216618(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/14
A61B 90/30-90/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、
前記ハンドルの遠位側に延在し、高周波(RF)エネルギーを用いて電気外科手術を行うように構成された電気外科チップと、
前記電気外科チップの周りに周方向に少なくとも部分的に連続的に延在する光導波管であって、近位端および遠位端を有
する光導波管と、
前記光導波管の前記近位端に光学的に連結され、複数の色の光を生成するように構成された複数の光
源と、
前記複数の光源を制御するように構成された照明スイッチと
を備え
、
前記照明スイッチは摺動スイッチを備え、前記摺動スイッチが摺動された距離に基づいて光の強度および光の色の少なくとも1つを制御するように構成され、
前記光導波管は、前記複数の光源からの光を伝達するように構成されている、照明付き電気外科器具。
【請求項2】
前記光導波管は、複数の異なる色の前記光
を送達するように構成されている、請求項1に記載の照明付き電気外科器具。
【請求項3】
前記光導波管は、前記複数の光源によって生成された光を混合し、前記複数の光源によってそれぞれ生成された前記複数の色の光の混合である単一の均一な色の前記
光を形成するように構成されている、請求項1に記載の照明付き電気外科器具。
【請求項4】
前記照明スイッチは、前記光
の色を制御するように構成され
ている、請求項3に記載の照明付き電気外科器具。
【請求項5】
前記照明スイッチは、前記ハンドルに対して摺動し、前記
光の色を
制御するように構成され
ている、請求項4に記載の照明付き電気外科器具。
【請求項6】
前記複数の
色は
、白色光
の明度を変化させるために用いられる、請求項1
から5のいずれか一項に記載の照明付き電気外科器具。
【請求項7】
前記光導波管は、
前記光ビームから1つまたは複数の周波数の光を取り除くように構成されたフィルタ、または
前記光ビームから1つまたは複数の周波数の光を取り除くように構成された被膜の少なくとも1つを有する、請求項1に記載の照明付き電気外科器具。
【請求項8】
前記複数の光源は、前記光を間欠的に生成するように構成されている、請求項1に記載の照明付き電気外科器具。
【請求項9】
前記複数の光源は、前記ハンドルに配置されている、請求項1に記載の照明付き電気外科器具。
【請求項10】
前記複数の光源は、前記ハンドルの外部に配置されている、請求項1に記載の照明付き電気外科器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2016年9月16日に出願された米国仮特許出願第62/395,529号
の優先権を主張するものであり、その開示内容は、参照することによって、その全体がこ
こに含まれるものとする。
【0002】
本願は、2015年12月8日に出願された米国特許出願第14/962,942号(
代理人整理番号:No.40556-740.201)に係るものであり、その開示内容
は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
【0003】
[発明の分野]
本願は、一般的に、医療装置、システム、及び方法に関し、更に詳細には、照明付き電
気外科器具に関する。
【背景技術】
【0004】
従来式の電気外科工具は、殆どの外科処置においてよく使われている。エネルギーハン
ドピースは、一般的に、(本明細書ではハンドルとも呼ばれる)ハンドピース及びエネル
ギーチップを備えている。ハンドピースは、外科医が手術中にハンドピースを操作し、エ
ネルギーチップを所望の位置に配置することを可能にするように人間工学的に形作られて
いる。所望の位置において、組織を切除又は凝固させるために、エネルギー、典型的には
、高周波(RF)エネルギーが標的組織に送達される。これらの装置に関する課題の1つ
は、それらが(手術野を塞ぐことなくアクセスすることが困難であり、十分に照明するこ
とが困難である)深く且つ暗い開口部で用いられることにある。市販のエネルギーハンド
ピースは、手術野を照明するための照明要素を必ずしも備えていないので、照明は、外科
医が装着するヘッドランプ又は手動で調整される天井照明のような他の装置によって供給
されねばならない。これらの装置による照明は、いずれも、特定の状況下では限界がある
。ハンドル内に離脱可能に又は固定して取り付けられた発光ダイオード(LED)等の照
明要素を有する照明付きハンドピースが用いられる場合もある、しかし、この照明要素は
、必ずしも作業面又は作業標的から最適な位置又は最適な距離に配置されるとは限らない
。また、これらの装置は、光を集光して成形するための最適化されたレンズ機能を有して
いない。高度の光成形は、大きな輪郭のレンズを必要とするが、このような大型のレンズ
は,手術域の大きさが限定される外科用途において実用的ではない。また、レンズは、多
くの場合、手術が行われた後に廃棄される一回使用の装置の製品コストを著しく高いもの
とする。また、光成形も重要である。何故なら、従来のLEDダイは、集光及び指向を必
要とする広域ランバート出力をもたらすからである。更に、高出力LEDは、LEDダイ
からかなりの熱を生成し、この熱がLED基板のコアに伝達される。従って、特に患者と
接触している時に、装置全体を安全に保つために冷却が必要である。また、光を可能な限
り手術標的の近くに保ち、これによって、十分な輝度及び強度を確実にすることが望まし
い。多くの市販の装置では、LEDが装置のまさに遠位端に配置されているが、これによ
って、十分な輝度、装置輪郭、ビーム指向性、光成形、及び熱管理等の照明品質に関する
課題が生じることになる。更に、多くの照明付きハンドピースは、エネルギーチップから
の望ましくない影及び反射をもたらす。従って、LEDによって生じる光は、好ましくは
、熱的に安全であり、輪郭が小さく、手術標的を最適に照明するように指向され、且つ成
形される必要がある。それ故、手術野等の作業面又は標的領域を照明するために、より良
好な照明をもたらす改良されたエネルギーチップを提供することが望まれる。これらの目
的の少なくともいくつかは、以下に開示される実施形態によって解消されるだろう。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、一般的に、医療システム、装置、及び方法に関し、更に詳細には、照明付き
エネルギー装置、システム、及び方法に関する。
【0006】
本開示の一態様では、照明付き電気外科器具は、近位部分及び遠位部分を有するハンドル
と、ハンドルの遠位部分の近くに連結された照明要素と、照明要素に連結された電気外科
チップと、を備えている。照明要素は、電気外科チップの周りに周方向に少なくとも部分
的に連続的に延在しているとよい。照明要素は、照明要素の遠位側、及び(1)電気外科
チップの遠位先端の近位側、(2)電気外科チップの遠位先端、又は(3)電気外科チッ
プの遠位先端の遠位側のいずれかに、少なくとも部分的に連続的な環状の光ビームを投射
するようになっていてもよい。照明要素は、連続的な環状の光ビームを標的に送達するよ
うになっていてもよい。照明要素は、光導波管、有機発光ダイオード(OLED)、1つ
の発光ダイオード(LED)又は複数の離散LED、又は複数の光ファイバーを含んでい
てもよい。照明要素の断面形状は、部分円又は完全円、部分楕円又は完全楕円、部分長円
又は完全長円、部分正方形又は完全正方形、部分矩形又は完全矩形、及び部分多角形又は
完全多角形の1つから選択されていてもよい。照明要素が、ハンドルに調整可能に連結さ
れ、第1の方向における照明要素の作動によって、照明要素がハンドルの近位部分に向か
って移動し、第1の方向と反対の第2の方向における照明要素の作動によって、照明要素
がハンドルの遠位部分に向かって移動するようになっていてもよく、更に、電気外科チッ
プが、照明要素に調整可能に連結され、第1の方向における電気外科チップの作動によっ
て、電気外科チップがハンドルの近位部分に向かって移動し、第1の方向と反対の第2の
方向における電気外科チップの作動によって、電気外科チップがハンドルの遠位部分に向
かって移動するようになっていてもよい。更に、電気外科チップは、照明要素に調整可能
に連結され、第1の方向における電気外科チップの作動によって、電気外科チップがハン
ドルの近位部分に向かって移動し、第1の方向と反対の第2の方向における電気外科チッ
プの作動によって、電気外科チップがハンドルの遠位部分に向かって移動するようになっ
ていてもよい。電気外科チップは、照明要素に取外し可能に連結されていてもよい。光源
が、照明要素の近位端に連結されていてもよい。電力を光源に供給するために、バッテリ
がハンドル内に配置されていてもよい。
【0007】
本開示の他の態様では、手術標的を照明するための方法は、環状の照明要素を有する電
気外科チップを準備することと、手術標的を照明要素からの光によって照明することと、
照明要素を手術標的に向かう方又は手術標的から離れる方に移動させ、これによって、手
術標的への照明を調整することと、を含んでいる。この方法は、電気外科チップを異なる
電気外科チップと取り換え、照明調整後に電気外科チップ又は照明要素の1つ又は複数を
係止することを更に含んでいてもよい。
【0008】
本開示の他の態様では、照明付き電気外科器具は、ハンドルと、ハンドルに連結された照
明要素と、照明要素に連結された電気外科チップと、電気外科チップの周りに周方向に少
なくとも部分的に配置され、照明要素に連結された(少なくとも部分的に環状の光ビーム
を標的に送達する)光学要素と、を備えている。照明要素は、有機発光ダイオード(OL
ED)、1つの発光ダイオード(LED)又は複数の離散LED、又は複数の光ファイバ
を含んでいてもよい。照明要素が、ハンドルに調整可能に連結され、第1の方向における
照明要素の作動によって、照明要素がハンドルの近位部分に向かって移動し、第1の方向
と反対の第2の方向における照明要素の作動によって、照明要素がハンドルの遠位部分に
向かって移動するようになっていてもよく、更に、電気外科チップが、照明要素に調整可
能に連結され、第1の方向における電気外科チップの作動によって、電気外科チップがハ
ンドルの近位部分に向かって移動し、第1の方向と反対の第2の方向における電気外科チ
ップの作動によって、電気外科チップがハンドルの遠位部分に向かって移動するようにな
っていてもよい。更に、電気外科チップは、照明要素に調整可能に連結され、第1の方向
における電気外科チップの作動によって、電気外科チップがハンドルの近位部分に向かっ
て移動し、第1の方向と反対の第2の方向における電気外科チップの作動によって、電気
外科チップがハンドルの遠位部分に向かって移動するようになっていてもよい。電気外科
チップは、照明要素に取外し可能に連結されていてもよい。光源が、照明要素の近位端に
連結されていてもよい。電力を光源に供給するために、バッテリが、ハンドル内に配置さ
れていてもよい。光学要素は、所望の光学特性をもたらすために、レンズ、中空反射鏡、
勾配レンズ、単一レンズレット、複数のレンズレット、フィルタ、又は被膜の1つ又は複
数を備えていてもよい。光学要素は、電気外科チップと同心であってもよい。
【0009】
本開示の他の態様では、手術標的を照明するための方法は、電気外科チップの周りに周方
向に少なくとも部分的に配置された光学要素を有する電気外科装置を準備することと、光
学要素からの光によって手術標的を照明することと、を含んでいる。この方法は、光ファ
イバを手術標的に向かう方又は手術標的から離れる方に移動させ、これによって、手術標
的への照明を調整することを更に含んでいてもよい。
【0010】
本開示の他の態様では、近位部分及び遠位部分を有するハンドルと、ハンドルの遠位部分
の近くに連結された電気外科チップと、近位部分及び遠位部分を有する光ファイバ(又は
複数の光ファイバ)であって、光ファイバの遠位部分は、ハンドルの近位部分に連結され
、光が光ファイバから標的に送達されるようになっている、光ファイバとを備えている。
光ファイバの近位部分は、ハンドルの近位部分の近位側外方に延在していてもよく、光フ
ァイバの近位部分は、光源(例えば、LED、複数のLED、レーザ、キセノンランプ、
又はそれらの任意の組合せ)に連結されていてもよい。照明要素が、ハンドルに調整可能
に連結され、第1の方向における照明要素の作動によって、照明要素がハンドルの近位部
分に向かって移動し、第1の方向と反対の第2の方向における照明要素の作動によって、
照明要素がハンドルの遠位部分に向かって移動するようになっていてもよく、更に、電気
外科チップが、照明要素に調整可能に連結され、第1の方向における電気外科チップの作
動によって、電気外科チップがハンドルの近位部分に向かって移動し、第1の方向と反対
の第2の方向における電気外科チップの作動によって、電気外科チップがハンドルの遠位
部分に向かって移動するようになっていてもよい。更に、電気外科チップは、照明要素に
調整可能に連結されており、第1の方向における電気外科チップの作動によって、電気外
科チップがハンドルの近位部分に向かって移動し、第1の方向と反対の第2の方向におけ
る電気外科チップの作動によって、電気外科チップがハンドルの遠位部分に向かって移動
するようになっていてもよい。
【0011】
本開示の他の態様では、手術標的を照明するための方法は、ハンドル及び光ファイバを有
する電気外科装置を準備することであって、光ファイバの少なくとも一部は、ハンドル内
に配置され、光ファイバは、光源に連結されている、ことと、光ファイバからの光によっ
て手術標的を照明することと、を含んでいる。手術標的への照明を調整するために、光フ
ァイバを手術標的に向かう方又は手術標的から離れる方に移動するようになっていてもよ
い。
【0012】
本開示の他の態様では、照明付き電気外科器具は、近位端及び遠位端を有するハンドルと
、ハンドルの遠位端の近くに連結された電気外科チップと、電気外科チップの周りに周方
向に連続的に配置された(近位端及び遠位端を有する)第1の照明要素であって、電気外
科チップの周りに拡がる第1の連続的な環状の光のビームを標的に送達する、第1の照明
要素と、ハンドルの遠位端の近くに配置された(近位端及び遠位端を有する)第2の照明
要素であって、第2の光を標的に送達する、第2の照明要素と、を備えている。第1の照
明要素は、光導波管、1つ又は複数のLED、OLED、複数の光ファイバ、又はそれら
の任意の組合せを含んでいてもよい。第2の照明要素は、光導波管、1つ又は複数のLE
D、OLED、1つ又は複数の光ファイバ、又はそれらの任意の組合せを含んでいてもよ
い。第1の照明要素用の第1の光は、ハンドル内に配置された第1の光源から供給されて
もよいし、又は外部光源から供給されてもよい。外部光源は、LED、複数のLED、レ
ーザ、キセノンランプ、又はそれらの任意の組合せであってもよい。第2の照明要素用の
第2の光は、ハンドル内に配置された第1の光源から供給されてもよいし、又は外部光源
から供給されてもよい。外部光源は、LED、複数のLED、レーザ、キセノンランプ、
又はそれらの任意の組合せであってもよい。第1の照明要素及び第2の照明要素は、同軸
であってもよい。第1の照明要素が、ハンドルに調整可能に連結され、第1の方向におけ
る第1の照明要素の作動によって、第1の照明要素がハンドルの近位部分に向かって移動
し、第1の方向と反対の第2の方向における第1の照明要素の作動によって、第1の照明
要素がハンドルの遠位部分に向かって移動するようになっていてもよく、更に、電気外科
チップが、第1の照明要素に調整可能に連結され、第1の方向における電気外科チップの
作動によって、電気外科チップがハンドルの近位部分に向かって移動し、第1の方向と反
対の第2の方向における電気外科チップの作動によって、電気外科チップがハンドルの遠
位部分に向かって移動するようになっていてもよい。更に、電気外科チップは、第1の照
明要素に調整可能に連結され、第1の方向における電気外科チップの作動によって、電気
外科チップがハンドルの近位部分に向かって移動し、第1の方向と反対の第2の方向にお
ける電気外科チップの作動によって、電気外科チップがハンドルの遠位部分に向かって移
動するようになっていてもよい。
【0013】
本開示の他の態様では、手術標的を照明するための方法は、第1の照明要素及び第2の
照明要素を有する電気外科装置を準備することと、第1の照明要素からの光によって手術
標的を照明することと、第2の照明要素からの光によって手術標的を照明することと、含
んでいる。第1の照明要素を手術標的に向かう方又は手術標的から離れる方に移動させる
ことによって、手術標的への照明を調整するようになっていてもよい。
【0014】
更に他の態様では、照明付き電気外科器具は、ハンドルと、照明要素と、電気外科チッ
プとを備えている。ハンドルは、近位部分及び遠位部分を有している。照明要素がハンド
ルの遠位部分の近くに連結され、電気外科チップが照明要素に連結されている。照明要素
は、電気外科チップの周りに周方向に連続的に延在している。照明要素は、照明要素の厚
み内に少なくとも部分的に配置された溝を備え、溝は、照明要素の長さに沿って少なくと
も部分的に軸方向に延在している。電気外科チップの少なくとも一部が、溝内に配置され
るようになっている。
【0015】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、それらの各々がこ
こに具体的に且つ個々に記載されるのと同程度に、参照によって、ここに含まれるものと
する。
【0016】
本発明の新規の特徴は、添付の請求項に詳細に記載される。本発明の特徴及び利点の更
なる理解は、本発明の原理を用いる例示的実施形態を述べる以下の詳細な説明及び添付の
図面を参照することによって、得られるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】標準的な照明付きエネルギーハンドピースを示す図である。
【
図1B.1C.1D】標準的な照明付きエネルギーハンドピースを示す図である。
【
図2A.2B.2C】環状の照明要素を有するエネルギーハンドピースを示す図である。
【
図2D.2E】環状の照明要素を有するエネルギーハンドピースを示す図である。
【
図2F.2G】環状の照明要素を有するエネルギーハンドピースを示す図である。
【
図3A.3B】光導波管の例示的実施形態を示す図である。
【
図4A-4F】照明要素の例示的実施形態を示す図である。
【
図5A-5D】光導波管に隣接する導体要素の例示的実施形態を示す図である。
【
図6A.6B.6C】LEDを備える光源の例示的実施形態を示す図である。
【
図6D】LEDを備える光源の例示的実施形態を示す図である。
【
図6E】照明要素を伴う電極の他の例示的実施形態を示す図である。
【
図7】電極を伴う光導波管の例示的実施形態を示す図である。
【
図9】通路を有する照明付き電気外科装置の例示的実施形態を示す図である。
【
図10】エネルギーチップを有する照明付きハンドピースの例示的実施形態を示す図である。
【
図11】エネルギーチップを有する照明付きハンドピースの例示的実施形態の断面図である。
【
図12】エネルギーチップを有する照明付きハンドピースの例示的実施形態の断面図である。
【
図13A.13B】エネルギーチップ又は導体要素に連結された照明要素の例示的実施形態を示す図である。
【
図14A-14C】照明要素に対する光源の代替位置を示す図である。
【
図15】係止機構の例示的実施形態を示す図である。
【
図16A.16B.16C】照明付き電気外科装置の他の例示的実施形態を示す図である。
【
図16D】照明付き電気外科装置の他の例示的実施形態を示す図である。
【
図17A.17B】任意選択的なバッテリ特徴部を示す図である。
【
図17C.17D】任意選択的なバッテリ特徴部を示す図である。
【
図18A】照明付き電気外科チップの他の例示的実施形態を示す図である。
【
図18B】照明付き電気外科チップの他の例示的実施形態を示す図である。
【
図18C】照明付き電気外科チップの他の例示的実施形態を示す図である。
【
図18D】照明付き電気外科チップの他の例示的実施形態を示す図である。
【
図18E】照明付き電気外科チップの他の例示的実施形態を示す図である。
【
図18F】照明付き電気外科チップの他の例示的実施形態を示す図である。
【
図19A-19D】種々の電極断面を示す図である。
【
図20A.20B】照明要素からの光投射の例示的実施形態を示す図である。
【
図20C.20D】照明要素からの光投射の例示的実施形態を示す図である。
【
図20E.20F】照明要素からの光投射の例示的実施形態を示す図である。
【
図21A.21B.21C】光ファイバ特徴部を強調する例示的な照明付き電気外科装置を示す図である。
【
図21D.21E.21F】光ファイバ特徴部を強調する例示的な照明付き電気外科装置を示す図である。
【
図22A-22F】外科器具の周りを少なくとも部分的に連続的に取り巻く例示的な照明要素を示す図である。
【
図23】導波管を包囲する可動シュラウドを有する外科器具の操作を示す模式図である。
【
図24】ミラー取付具が電気外科チップの周りを摺動する外科器具の操作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、ここに開示される装置、送達システム、及び方法の特定の実施
形態について説明する。この詳細な説明のどの部分も、任意の特定の構成要素、特徴、又
はステップが本発明に不可欠であることを意味するものではない。
【0019】
例えば、組織を切除又は凝固するための電気外科手術中に用いられる照明付きエネルギ
ーハンドピースに関連して、本発明を説明する。しかし、当業者であれば、これが本発明
を制限することを意図せず、本明細書に開示される装置及び方法が他の器具又は方法に用
いられてもよいことを理解するだろう。
【0020】
図1Aは、標準的な照明付きエネルギーハンドピース10を示している。照明付きエネ
ルギーハンドピース10は、ハンドル12と、エネルギーチップ又は電極20と、照明要
素16と、ケーブル14と、ケーブル14に動作可能に連結された外部電源40とを備え
ている。外部電源40は、RFエネルギーのようなエネルギーを電極20に供給するため
に用いられるとよい。一般的に、標準的な照明付きエネルギー装置は、ハンドル内のバッ
テリのような封入された電源、又は別個のプラグ又は接続具を有する外部電源を有してい
る。照明要素がハンドル12の遠位部分に取り付けられているので、照明要素16から放
出される光は、手術野に導かれた時、必ずしも所望の強度、指向性又は均一性、又は他の
所望の光学特性をもたらすとは限らない。これは、種々の長さの電極20がハンドル12
と共に用いられ、光源から(手術標的のような)標的までの相対距離が変化する時、更に
当てはまる。光の強度は、標的までの距離の2乗に反比例するので、光源を標的の近くに
保つことが望ましい。レンズが照明要素16と併せて用いられることもあるが、レンズは
、必ずしも所望の光品質をもたらすとは限らない。特に大きい断面のレンズが必要とされ
るが、このような大サイズのレンズは、空間が極めて制限される外科手術用途では、必ず
しも実用的ではない。
【0021】
図1B-1Dは、例示的な照明付き電気外科器具を示している。
図1Bは、RF電極及
びLED照明要素を有する電気外科ペンシルを示している。
図1Cは、
図1Bの装置のチ
ップを拡大表示している。LEDがペンシルに取り付けられているので、もし長い電気外
科チップが用いられたなら、該LEDが手術野からあまりにも離れすぎ、手術野の組織を
十分に照明しないことがある。
図1Dは、他の電気外科ペンシルを示している。この電気
外科ペンシルでは、照明源が器具のペンシル内に配置されているので、器具の輪郭が大き
くなり、手術野へのアクセスを遮る可能性がある。
【0022】
前述の課題のいくつかは、以下に述べる照明付き電気外科器具の例示的な実施形態によ
って解消されることになる。
【0023】
図2Aは、電気外科ペンシルの例示的実施形態を示している。この電気外科ペンシルは
、環状の照明要素(ここでは、光導波管)202と、(エネルギーチップとも呼ばれる)
電極214とを有している。照明要素202は、ハンドル204の遠位部分に連結されて
いる。電極214は、組織を凝固又は切除するために、エネルギー、典型的には、RFエ
ネルギーを該組織に送達するためのものであり、光導波管202から遠位側に延在してい
る。
【0024】
導波管202は、エネルギーチップ214の周りを部分的に取り巻いていてもよいし、
又は完全に取り巻いていてもよい。ケーブル208が、ハンドルの近位部分に連結されて
いる。ケーブル208は、エネルギーハンドピースを外部電源、例えば、電気外科発電器
に動作可能に連結している。電源210は、RFエネルギーを導体要素220を通して電
極214に供給すると共に、電力を光源216に供給し、光源216が光を導波管218
の近位部分を通して導波管202に送達する。任意選択的に、電源210は、外部光源(
例えば、キセノンランプ、レーザ、等)を備えていてもよい。この外部光源は、ケーブル
208内に含まれる光ファイバを介して光を送達し、これによって、光を導波管に導くこ
とが可能である。この任意選択的な光源は、電源210と一体であってもよいし、又は別
の構成要素であってもよい。
【0025】
電極214は、導波管202又はハンドル204に固定して取り付けられてもよいし、
又は取外し可能に取り付けられてもよい。後者の場合、ユーザーは、実施される手術に応
じて電極チップを取り換えることができる。
【0026】
代替的実施形態では、ハンドル204の一部は、マイクロLEDダイと一体であっても
よく、これによって、電気外科電極チップ214は、該チップがペンシル内に挿入された
時、光を生成する電力を供給することができる。何故なら、電流が生じた時、該電流がL
EDにも流れるからである。
【0027】
光導波管202は、ハンドル204に固定して取り付けられてもよいし、又は可動接続
具等を用いて、ハンドル204に調整可能に取り付けられてもよい。後者の場合、光導波
管202の長さを電極214の長さに基づいて調整することができる。可動光導波管20
2の長さの調整を可能にするするために、当業界において知られているどのような機構、
例えば、コレット、ネジ付き接続具、ピン/デテント機構、バネ懸架機構、ラチェット/
爪機構、等が用いられてもよい。光源216は、光を光導波管に供給する限り、ハンドル
204内に配置されてもよいし、ハンドル204の遠位部分204に連結されてもよいし
、又は導波管202の近位端に連結されてもよい。従って、この実施形態又は任意の実施
形態において、光源216は、導波管202と共に移動するようになっていてもよいし、
導波管202は、電極214と無関係に移動するようになっていてもよい。本明細書の本
文において説明するように、この装置のどのような数の構成も可能である。具体的には、
エネルギーチップ214は、導波管202に固定して接続され、導波管202が内方又は
外方に移動(例えば、摺動)する時、導波管202と一緒に移動するようになっていても
よい。チップ214は、導波管202に取外し可能に接続され、導波管202が内方又は
外方に移動する時、導波管202と共に移動するようになっていてもよい。更に他の実施
形態では、チップ214は、ハンドル204に連結されてもよく、この場合、チップ21
4は、導波管202が移動する時、静止した状態でとどまることになる。チップ214は
、導波管202と無関係に移動するようになっていてもよい。
【0028】
任意の実施形態において、照明要素は、任意の実施形態における電極の周りを部分的に
又は完全に取り巻いているとよい。任意の実施形態において、照明要素は、貫通する中心
通路を有する中空管状の導波管として構成され、電極が該中心通路を部分的に又は完全に
貫通するようになっているとよい。照明要素は、電極及び導体ワイヤと光導波管の内面と
の間に空間が存在しない中実ロッドであってもよい、任意の実施形態において、照明要素
は、電極の周り又はその近傍に離散する光をもたらす離散光源と違って、電極の周りに周
方向に連続的に拡がる光をもたらすようになっているとよい。いずれの実施形態において
も、光導波管は、固定されているか又は調整可能になっている。光導波管が固定されてい
る時、この光導波管は、ハンドルに取り付けられた特定の管長を有することになる。
【0029】
任意の実施形態において、標的領域に伝達される光は、約390nmから約700nm
の1つ又は複数の波長を有する可視光、好ましくは、明るい白色光を含むとよい。任意の
実施形態において、標的に伝達される光は、概して、約700nmから約1mmの間、好
ましくは、約700nmから約1μmの間の1つ又は複数の波長を有する赤外線又は近赤
外線を含んでもよい。任意の実施形態において、標的領域に伝達される光は、約100n
mから約390nmの間の1つ又は複数の波長を有する紫外線を含んでもよい。光は、1
つ又は複数の光源によって供給されるとよい。いくつかの実施形態では、光は、明るい白
色光からなるとよい。いくつかの実施形態では、光は、鏡面又は斑パターンの反射光であ
ってもよい。いくつかの実施形態では、標的領域に伝達される光の波長は、時間、標的領
域からの距離、手術モード、又は外科処置の種類の関数として変更されてもよい。一種又
は複数種の光が、単一の光源及び/又は照明要素から同時に投射されてもよい。一種又は
複数種の光が、1つ又は複数の光源及び/又は照明要素から同時に投射されてもよい。任
意の実施形態において、一種又は複数種の光は、連続的に送達されてもよいし、又は間欠
的に送達されてもよい。間欠光は、任意のパルス繰返し周波数で送達されるとよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、光導波管202は、ハンドル204から離れる方又はハンド
ル204に向かう方に(例えば、摺動可能に)伸縮するようになっている。
図2B-2D
は、この特徴を示している。
図2Bでは、光導波管202は、ハンドル204内に入り込
んでいる。
図2Cでは、光導波管202は、ハンドル204から離れる方に伸張している
。光導波管202は、一定長さを有しているが、その露出部分の長さが減少するようにハ
ンドル204内に入り込み、その露出部分が増大するようにハンドル204から離れる方
に伸張するようになっている。光導波管の伸縮を可能にする種々の機構が、すでに開示さ
れており、又は当業界において知られている。光導波管202の調整を可能にすることに
よって、ユーザーは、光を手術標的のような作業面に接近させることができ、又は光を作
業面から離れる方に移動させることが可能になる。これは、外科医がハンドルに対して種
々の長さのエネルギーチップを用いる時に有利である。例えば、長いチップが用いられる
時、光を標的組織の近くに確実に送達させるためにより長い光導波管が望まれ、同様に、
短いチップが用いられる時、導波管の先端が作業面に接近しすぎないようにするためによ
り短い光導波管が望ましい。従って、可変長さの光導波管を用いることによって、ユーザ
ーは、必要に応じて、その長さを調節し、電極チップに対する光出射部を位置決めするこ
とが可能になる。
【0031】
図2B,2Cに示されるように、電極214は、光導波管に連結されている。これによ
って、光導波管202が伸縮する時、すなわち、光導波管202がハンドル204に向か
う方又はハンドル204から離れる方に(例えば、摺動可能に)移動する時、電極214
の一部(例えば、その最遠位端)と光導波管202の一部(例えば、その最遠位端)との
間の距離が実質的に一定に維持されることになる。導波管のいくつかの実施形態では、導
波管は、中実又は中空の円筒形状又は他の形状であるとよい。また、導波管は、一定の断
面を有していてもよいし、又は近位側から遠位側に向かう方向又は遠位側から近位側に向
かう方向において、テーパ又はフレアが付されもよい。
【0032】
例えば、
図2D-2Eに示されるいくつかの実施形態では、光導波管202は、電極2
14と無関係に伸縮するようになっている。いくつかの例では、光導波管202がハンド
ル204から伸縮する時、電極213の一部(例えば、その最遠位端)とハンドル204
の一部(例えば、その最遠位端)との間の距離は、実質的に一定に維持されるようになっ
ている。光導波管202は、ハンドル204から外方に伸張し、又はハンドル204に向
かって収縮することになる。
【0033】
例えば、
図2F-2Gに示されるいくつかの実施形態では、電極214は、光導波管2
02と無関係に伸縮するようになっている。いくつの例では、電極214がハンドル20
4から伸張する間、光導波管の一部(例えば、その最遠位端)とハンドル204の一部(
例えば、その最遠位端)との間の距離は、実質的に一定に維持されるようになっている。
電極214は、ハンドル204から外方に伸張し、又はハンドル204に向かって収縮す
ることになる。
【0034】
電気外科ペンシルは、ハンドル204上に制御スイッチ206を更に備えている。制御
スイッチ206によって、ユーザー、外科医、又はオペレータは、手術モード、具体的に
は、切除モード又は凝固モードを制御することができる。この実施形態又は任意の実施形
態において、スイッチ206は、個々に又は集合的に、任意の形式、例えば、ジョイステ
ック、圧力スイッチ、近位スイッチ、プッシュボタンスイッチ、プッシュホイールスイッ
チ、ロッカースイッチ、ロータリスイッチ、スライドスイッチ、速度スイッチ、トグルス
イッチ、又はその組合せであるとよい。スイッチ206は、付勢式であってもよいし、又
は非付勢式であってもよい。多くの場合、2つのスイッチ206が用いられる。1つのス
イッチ206は、組織の切除に最適な電極にRF電流を供給するものであり、他のスイッ
チ206は、凝固に最適な電極にRF電流を供給するものである。これらの制御スイッチ
は、電流が電極から組織に送達する時に光を導波管に自動的に供給し、手術野を照明する
ようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、電極の電力と無関係に光源を作動さ
せるために、別個の照明用制御スイッチがハンドルに配置されていてもよい。
【0035】
(例えば、
図2D-2Eに示される)いくつかの実施形態では、3つ以上のスイッチ2
06、例えば、3つのスイッチ、4つのスイッチ、5つのスイッチ、6つのスイッチ、等
が用いられてもよい。3つ以上のスイッチ206を用いる実施形態では、1つのスイッチ
は、組織を切除する電極に電流を利用可能とし、1つのスイッチは、組織を凝固する電極
に電流を利用可能とし、1つのスイッチは、標的領域を照明する照明要素を作動可能とす
るものである。任意の実施形態において、スイッチ206は、ハンドル204上のどのよ
うな位置、例えば、ハンドル204の表面上の直線状の長軸に沿った位置、ハンドルの周
りに周方向に分配された位置、又はハンドル204の互いに向き合った側面上の位置に配
置されてもよい。
【0036】
(例えば、
図2F-2Gに示される)いくつかの実施形態は、電気外科ペンシルを制御
するために、単一のスイッチ206が用いられている。このような実施形態及び全ての実
施形態において、ユーザーによるスイッチ係合の期間又はスイッチ係合のパターンが、電
気外科ペンシルの動作を制御するようになっていてもよい。例えば、もしスイッチが押圧
可能なボタンであったなら、ユーザーは、連続的に二度素早く押下することによって、凝
固に適する電極への電流の送達及び照明を開始し、その後、長く押圧することによって、
電流を切断に適するように変更し、他の迅速な押圧を二度行うことによって、電極への電
流の供給を停止し、照明を遮断することができる。他の例では、照明スイッチは、摺動可
能なスイッチであってもよいし、切除及び凝固用のスイッチは、押圧可能なボタンであっ
てもよい。照明用の摺動可能なスイッチをどのくらいの距離にわたって摺動させるかによ
って、領域に送達される光の強度、色、又は任意の光特性を制御するようになっていても
よい。例えば、スイッチをより長い距離にわたって摺動させることによって、スイッチを
短い距離にわたって摺動させる時と比べて、より明るい光を生じるようになっていてもよ
い。このような例は、単なる例示にすぎず、本発明を制限するものではない。当業者であ
れば、スイッチの任意の組合せ及びスイッチ係合パターン又はその期間の任意の組合せを
用いて、電気外科ペンシルの任意の態様を制御することが可能であることを理解するだろ
う。制御可能な電気外科ペンシルの任意の態様として、例えば、制限されるものではない
が、組織を切除及び/又は凝固するための電極への電流の送達;標的領域の照明;照明要
素及び電気外科チップのいずれか又は両方のハンドルの本体からの伸縮;センサの作動、
センサによって得られた結果の記録;写真の撮影;排煙;流体の送達;流体の除去;又は
本明細書において特定される任意の他の挙動が挙げられる。
【0037】
任意選択的に、この実施形態又は本明細書に開示される任意の他の実施形態では、単一
のスイッチを用いて電気外科ペンシルを作動させ、機械的スイッチに代わって、動作セン
サ、例えば、加速度計を用いて光源を作動させるようになっていてもよい。動作センサは
、スイッチとして機能するものである。動作が検知される限り、動作センサによって生じ
た信号を用いて、電力が光源を点灯させることができる。電気外科センサが移動しない時
、光源は、遮断される。いくつかの例示的実施形態では、動作センサは、チップのエネル
ギー安全特徴部として用いられてもよい。例えば、もしペンシルの動作が検知されなかっ
たなら、電気外科ペンシルが作動されていない間に、第3者が、例えば、フットスイッチ
を踏み込むことによって装置をうっかり作動させても、電力は、オフ状態に維持されるこ
とになる。例えば、もしペンシルの動作が検知されなかったなら、電気外科ペンシルが作
動されていない間に、第3者が、例えば、フットスイッチを踏み込むことによって装置を
うっかり作動させても、電力がオフ状態に維持されることになる。
【0038】
任意の実施形態において、スイッチ206は、スイッチ係合に応じてフィードバックを
もたらすようになっている。フィードバックは、装置がある手術状態(例えば、電流を電
極に送達しているか又は領域を照明している状態)にあることをユーザーに知らせるため
のものであってもよいし、又は問題(例えば、電流駆動又は照明のために十分な電力が供
給されていない状況)に対してユーザーに警告するものであってもよい。このようなフィ
ードバックは、触覚フィードバック(例えば、振動)、聴覚フィードバック(例えば、ビ
ープ音又はトーン)、視覚フィードバック(例えば、光の点滅)、又はそれらの任意の組
合せであるとよい。視覚フィードバックは、視覚インジケータ、例えば、LEDのような
光源をスイッチ206内に含ませることによって、スイッチ206自体によってもたらさ
れるようになっているとよい。視覚インジケータは、ハンドルのいずれの箇所に配置され
てもよい。
【0039】
1つ又は複数のインジケータは、記載されるどのような実施形態と共に用いられてもよ
い。1つ又は複数のインジケータは、聴覚、視覚、又は触覚に基づき、電気外科装置の作
動状態又は作動条件、例えば、現在のバッテリの状態についてユーザーにフィードバック
するようになっているとよい。もしバッテリが再充電する必要があるなら、これらのイン
ジケータは、装置の温度、標的領域の温度、等を示すとよい。インジケータは、ハンドル
又はスイッチ上のどこに配置されてもよい。聴覚系インジケータは、ユーザーに知らせる
ために又は警告するために、単一のビープ音、引上げトーン、口頭メッセージ、一連のビ
ープ音、ホイッスル、又は任意の音響組合せをもたらすとよい。視覚系インジケータは、
ユーザーに知らせるか又は警告するために、一種又は複数種の光、一定光、フラッシュ光
、パルス光、ディスプレイ上のテキスト、ディスプレイ上の番号、又は視覚キューの任意
の組合せをもたらすとよい。触覚系のフィードバックは、一定の振動、パルス振動、脈動
、又はそれらの任意の組合せをもたらすとよい。
【0040】
図2A-2Fに集約的に示される特徴は、本明細書の任意の実施形態の任意の事項と組
み合わされてもよい。例えば、電極214は、光導波管202と共に伸縮してもよいし(
図2A-2B)、光導波管202は、電極214と無関係に伸縮してもよいし(
図2C-
2D)、電極214は、光導波管202と無関係に伸縮してもよいし(
図2E-2F)、
及び/又は電極214及び光導波管202は、伸縮しなくてもよい。更に、電極214は
、光導波管202の伸縮の関数として伸縮してもよい。例えば、制限されるものではない
が、電極214は、光導波管202の移動距離よりも短い距離、等しい距離、又は長い距
離にわたって移動してもよい。代替的又は付加的に、電極214は、光導波管202の移
動距離の関数として回転可能に、例えば、時計方向又は反時計方向に回転可能に平行移動
してもよい。同様に、光導波管202は、電極214の伸縮の関数として伸縮してもよい
。例えば、制限されるものではないが、光導波管202は、電極214の移動距離よりも
短い距離、等しい距離、又は長い距離にわたって移動してもよく、電極214の移動距離
の非線形関数、例えば、電極214の移動距離の二乗に対応する距離にわたって移動して
もよい。代替的又は付加的に、光導波管202は、電極214の移動距離の関数として回
転可能に、例えば、時計方向又は反時計方向に回転可能に平行移動してもよい。電極21
4及び光導波管202のいずれか又は両方の移動距離間の前述の平行移動の関係は、いず
れも本明細書に開示される実施形態のいずれかに組み合わされてもよい。
【0041】
図3A-3Bは、(ここでは、光導波管によって表される)照明要素202の任意の実
施形態が光学構造を備えてもよいことを示している。このような光学構造として、チュー
ブの遠位端におけるレンズレット302が挙げられる。レンズレット302は、チューブ
の内面、外面、又は任意の遠位部分304に配置されるとよい。レンズレット302は、
導波管202から放出された光を取出し、且つ成形するのを助長するものである。導波管
202の近位端は、光を光導波管202に供給する1つ又は複数の光源306を備えてい
る。光源306は、単一のLED、1つ又は複数のLED、LEDのアレイ、レーザ、ラ
ンプ、白熱電球、小型蛍光ランプ、キセノンタンプ、又はこれらの任意の組合せであると
よい。光源306は、どのような方法によって、例えば、他の連結機構への突当て連結に
よって、導波管202に連結されてもよい。導波管202のこの連結機構は、光導波管2
02の近位端が光源306から広く発散して放出される光を捕捉するために放物形状を有
する箇所である。この実施形態では、光入力部308の大きさに対する導波管直径の大き
さの比率は、好ましくは、
図3Aに示されるように、2:1の最小比率を有しているとよ
い。代替的に、この比率は、一般的に、約100:1から約1:1の範囲内、好ましくは
、約30:1から約2:1の範囲内、更に好ましくは、約5:1であるとよい。導波管の
近位部分は、
図3Bに示されるように、入力直径330を有する放物状の光入力部322
を備えていてもよい。光源324は、光326を(光入力部322を介して)導波管32
0内に放出するようになっている。導波管202,320の本体は、好ましくは、円筒状
であり、任意選択的に、外周に沿って複数の小平面を有しているとよい。これらの小平面
は、光を跳ね返し、これによって、光を導波管に沿って良好に混合させる多数の表面をも
たらすことになる。導波管の本体は、出力径部328を有し、光は、この出力径部328
を通って取り出される。好ましい実施形態では、入力径部330に対する出力径部328
の比率は、少なくとも約2:1である。代替的に、この比率は、一般的に、約20:1か
ら約2:1の範囲内にあるとよい。他の実施形態では、光源306、324は、導波管、
光源、及び(光源の近位側の熱を放熱する)チューブからなる拡張シャフトの更に遠位側
に配置されてもよい。なお、放熱をもたらすチューブは、熱を散熱させ、優先的に伝熱さ
せるどのような材料、例えば、制限されるものではないが、アルミニウム及び疑似合金、
銅合金及び疑似合金、ダイヤモンド及びダイヤモンド基複合材、マグネシウム合金及び疑
似合金、及び鋼合金及び疑似合金、並びに当業界において知られているヒートシンク材料
から作製されるとよい。
【0042】
図4A-4Fは、照明要素の例示的な実施形態を示している。いくつかの例示的実施形
態は、照明要素及び光源を備えている。
【0043】
図4Aは、ハンドピース404と、ハンドピース404内に配置された光源416と、
光源の近位端に連結された可動照明要素402と、照明要素402の遠位端436に連結
された電極414と、を備える電気外科器具を示している。光は、照明要素402の光取
出面440から取り出される。光取出面440は、光取出し構造を備えているとよい。光
取出し構造の例として、制限されるものではないが、溝、プリズムレンズ、レンズレット
、粗面領域、研磨領域、等が挙げられる。照明要素402は、光源416からの光を集光
するように構成された近位部分432も有しているとよい。近位部分432は、直線状の
輪郭、放物状の輪郭、又は1つ又は複数の正弦関数及び/又は余弦関数の組合せによって
表される任意の輪郭を有しているとよい。照明要素402は、光導波管であるとよい。照
明要素402は、ハンドピース404に摺動可能に連結されていてもよいし、ハンドピー
ス404に固定されていてもよい。
【0044】
図4Bは、光源416及び照明要素402の組合せ対の例示的実施形態を示している。
光源416は、LED又はLEDのアレイのような単一の光源であるとよい。照明要素4
02は、光源416から光を光導波管の近位端430を通して受光する。照明要素402
を通る光の成形及び/又は案内は、光導波管を照明要素402として用いることによって
、照明要素402の1つ又は複数の面上に配置されたクラッドを用いることによって、光
を導くように形作られた近位部分432を有することによって、又はそれらの組合せによ
って、達成されるとよい。光取出面440は、取り出された光が集束又は拡散又はその中
間とされるようになっている。いくつもの実施形態では、照明要素402は、電極が貫通
する通路444を有している。
【0045】
図4Cは、照明要素402と、連続的な環状の光源422から構成された光源416と
の例示的実施形態を示している。連続的な光源は、部分的又は完全な環又はリングを形成
する有機発光ダイオード(OLED)であるとよい。任意の実施形態において、連続的な
光源は、電気外科チップの周りを少なくとも部分的に取り巻いている。
【0046】
図4Dは、照明要素402と、表面424上に配置された複数の離散光源426から構
成された光源416と、の例示的実施形態を示している。複数の離散光源は、少なくとも
部分的に周方向に配置されている。離散光源426は、それぞれ、中心軸から(ここでは
、半径距離と呼ばれる)距離を隔てて配置され、半径距離によって描かれる円周に沿って
(ここでは、周方向距離と呼ばれる)距離を隔てて互いに離間している。半径距離、すな
わち、個々の離散光源上の画定点(例えば、中心軸に最も近い離散光源上の点、中心軸か
ら最も遠い離散光源上の点、又は離散光源の中心)から中心軸までの距離は、中心軸を中
心として均一であるとよいが、不均一であってもよい。この半径距離は、約0.1、0.
2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20
、25、30、35、40、45,又は50mmであるとよく、又は任意の2つの前述の
距離の間の任意の値であってもよい。周方向の距離、すなわち、個々の離散光源上の画定
点から隣接する個々の離散光源上の画定点までの距離(例えば、離散光源上の任意の点と
その隣接する離散光源との間の最短距離、離散光源上の任意の点とその隣接する離散光源
との間の最長距離、又は離散光源の中心とその隣接する離散光源の中心との間の距離)は
、周方向において均一であるとよいが、不均一であってもよい。この周方向距離は、約0
.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、2、3、4
、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
、20、25、30、35、40、45、又は50mmであるとよく、又は任意の2つの
前述の距離の間の任意の値であってもよい。離散光源426の数は、約1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、
20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、3
6、38、40、42、44、46、48、50、60、70、80、90、100、2
00、300、500、1,000、2,000、3,000、5,000、10,00
0であるとよく、又は任意の2つの前述の数の間の任意の値であってもよい。離散光源4
26の各々は、LED、OLED、又は光ファイバであるとよい。照明要素402は、複
数の離散光源426によって送達された光を、閉じたリングを形成する連続的な環状の光
ビームが照明要素402の取出面440から放出されるように、成形、形成、案内、及び
/又は組み合わせるようになっているとよい。連続的な光ビームは、一定の又はほぼ一定
の光強度の周辺を有するとよい。代替的に、連続的な光ビームは、可変光強度の周辺を有
していてもよい。本明細書に記載される実施形態において、任意選択的に、連続的な光ビ
ームは、エネルギーチップの周りの領域を照明し、これによって、該領域の影のない照明
をもたらすことになる。取出面440から取り出された光は、集束されてもよいし、又は
発散されてもよい。
【0047】
図4Eは、照明要素402の近位端430に連結された光ファイバ428の例示的実施
形態を示している。光ファイバ428は、(図示されない)光源から光を送達するように
なっている。
図4Eでは単一の光ファイバ428しか示されていないが、当業者であれば
、どのような数のファイバが用いられてもよいことを理解するだろう。
【0048】
図4Fは、複数の光ファイバ450から構成された照明要素の例示的実施形態を示して
いる。これらの光ファイバ450は、光を(図示されない)光源から複数の光ファイバ4
50の露出した遠位端456を通して標的部位に送達するようになっている。複数の光フ
ァイバ450の露出した端456は、任意のパターンを取ることができる。このパターン
の例として、ファイバの間隔及び/又は配向が厳密なパターンに従わない無作為パターン
、半径方向対称パターン、軸方向対称パターン、エネルギーチップ又はハンドル又はその
両方によって画定される面を中心として対称的なパターン、照明要素、電極、ハンドルの
中心軸から延在する一定半径によって画定される経路に沿って互いに不均一に離間又は互
いに均一に離間するパターン、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。光ファイバの縁
間の間隔は、好ましくは、複数の光ファイバ450の個々の光ファイバの直径の2倍以下
、更に好ましくは、複数の光ファイバ450の個々の光ファイバの直径以下、更に一層好
ましくは、複数の光ファイバ450の個々の光ファイバの直径の半分以下である。
【0049】
複数の光ファイバ450が軟質材料(例えば、シリコーン)内に共成形され又は組み込
まれ、次いで、光ファイバアセンブリ452が電気外科チップ(例えば、本明細書に記載
されるいずれかの電気外科チップ)の周りに嵌合されるように形成されるようになってい
るとよい。複数のファイバは、(本明細書では、フランジとも呼ばれる)支持構造454
と一致する遠位端を有しているとよい。フランジ454は、曲げ、引張、捩じれ、及び/
又は複数の光ファイバ450からの1つ又は複数の光ファイバの脱離を防ぐように設計さ
れている。フランジ452は、光ファイバアセンブリ452と同じ軟質材料から作製され
ていてもよく、又はより硬質又はより強靭なものとするために異なる処理が施された光フ
ァイバアセンブリ452と同じ軟質材料から作製されていてもよい。(異なる処理の例と
して、制限されないが、化学処理、機械的処理、又は熱強化(例えば、追加的な化学薬品
による処理)、追加的なピーニング処置、又は更なる熱処理が挙げられる)。フランジ4
54は、光ガイドの機能を有していてもよい。例えば、フランジ452は、複数の光ファ
イバ450によって送達された光を標的領域に導くようになっていてもよい。フランジ4
54に対して、当業界において知られている他の材料と共に、種々の材料、例えば、アル
ミニウム、銅、マグネシウム、又は鋼が任意選択的に用いられてもよい。フランジ454
は、本明細書に記載される任意の照明要素402を備えて;もよく、及び/又はフランジ
454は、本明細書に記載される任意の照明要素402を受け入れるように構成されてい
てもよい。
【0050】
光ファイバ束429が、複数の光ファイバ450を照明要素に送達するようになってい
るとよい。
【0051】
実施形態のいずれかにおいて、光源は、照明要素の近位端以外の多数の位置に配置され
てもよい。例えば、光源は、照明要素の近位端と遠位端との間に配置されてもよいし、又
は遠位端に配置されてもよい。加えて、光源は、照明要素に対して多数の方位に配置され
てもよい。更に、本明細書に記載されるいずれかの照明要素は、本明細書に記載される1
つ又は複数の光源及び1つ又は複数の照明要素と組み合わされてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、導体要素は、例えば、(
図2Aに示されるように)照明要素
、例えば、中実導波管又は管状導波管を貫通し、エネルギーを電源(例えば、RF電源)
から電極に供給するようになっている。他の実施形態では、例えば、
図5Aに示される実
施形態では、導体要素は、ワイヤ502である。ワイヤ502は、照明要素202の外面
の周りに螺旋状又はそれ以外の形態で巻き付けられ,電極チップ214に連結されている
。このワイヤは、螺旋形態によって生じるインダクタンスのような電磁效果を最小限に抑
えるために,絶縁されるとよい。
図5Bでは、導体要素は、好ましくは、導波管の外面に
沿って直線状に延在するワイヤ502である。
図5Cは、
図5Bの線C-Cに沿って切断
された断面の代替的実施形態を示している。ここでは、全体の輪郭を最小限に抑えるため
に。導体要素502を収容する任意選択的な凹領域504が、導波管に形成されている。
凹領域504は、凹面、斜面、又は線形面であってもよいし、又はワイヤ502の輪郭に
正確に対応するように構成されていてもよい。
図5Cの実施形態の変更例では、導体要素
は、導波管の凹領域504と相補的となるように形作られ、導体要素及び導波管が互いに
嵌合した時、円断面を有する円筒を形成するようになっていてもよい。更に他の実施形態
では、(図示されない)チューブが、導波管を覆って配置されるクラッドと同様、導波管
の周りに配置されてもよい。エネルギーチップは、この外側チューブに連結され、外側チ
ューブは、熱を領域から伝達するように構成されているとよい。チューブは、(アルミニ
ウム、銅、マグネシウム、又は鋼のような)金属から作製されていてもよいし、又はヒー
トパイプから構成されていてもよい。
図5Dは、照明要素202に連結された導体要素5
02の更に他の実施形態を示している。この実施形態では、導体要素502は、照明要素
202の外面に連結され、導体要素502は、軸方向に延在している。大きな輪郭の照明
要素202及び小さい輪郭の導体要素502は、8の字状の断面を有することになる。
【0053】
照明装置(好ましくは、光導波管)の実施形態のいずれかにおいて、所望の光学特性を
照明要素にもたらし、その効率を高めるために、被膜又はクラッドが照明要素に施されて
もよい。被膜又はクラッドは、導体要素を照明要素から光学的に隔離するために、及び必
要に応じて電気特性又は他の絶縁をもたらすために、照明要素の外面、照明要素の中心通
路、又は導体要素の外面に施されるとよい。また、クラッドの層は、導波管が隣接する外
科器具によって生じる引掻き、摩滅、又は他の損傷を被るのを防ぐために物理的バリアを
もたらすことになる。任意選択的に、本明細書に記載される任意の実施形態は、隣接する
光導波管に位置する空隙を用いて、光損失を最小限に抑え、及び照明要素と隣接する構成
要素との間の空隙を適切に維持することによって、照明要素を通る光の伝送を高めること
ができる。
【0054】
図6A-6Dは、LEDからなる光源の例示的実施形態を示している。
図6Aでは、光
源606は、正方形に形成されたダイ要素602を有するLEDのアレイを備えている。
所望の光をもたらすために、任意の数のダイ要素602又は任意のダイ要素602の組合
せが用いられてもよい。エネルギー、電力、及び/又は電気を電源からエネルギーチップ
に伝達するために、導体要素604が光源606の中心を貫通している。
図6Bは、代替
的な光源606を示している。この光源606は、
図6Aに示される4つのLEDに代わ
って2つのダイ要素602を備えるLEDのアレイを有している。任意のパターン及び任
意の数のLEDが用いられてもよい。
図6Cは、導体要素604が貫通する光源606を
示している。
図6Dは、照明要素608の近位部分に連結された光源606を示している
。電力ケーブル612が光源606に連結されている。導体要素604が照明要素を軸方
向に貫通し、その遠位部分610が露出している。導体要素604の遠位部分610は、
電極チップと一体化されてもよいし、又は電極チップに連結されてもよい。好ましくは、
電極チップは、平坦であり、導体要素は、輪郭を最小限に抑えるために丸められているか
又は平坦であるとよい。照明要素608は、本明細書に記載される照明要素の実施形態の
いずれかであるとよい。照明要素608は、丸円筒状であってもよいし、前述したように
照明要素を通る光の混合を容易にするために、六角形、八角形、又は他の多角形の断面を
有しているとよい。多角形状の断面は、好ましくは、照明要素の外周に平坦なの小平面を
有している。平面によって、光源からの光の良好な混合が可能になり、これによって、実
際のLEDダイのイメージが標的に投射されないことになる。電極チップは、任意選択的
に、光源に直接連結されてもよい。照明要素の近位端は、光源、LED、又は任意の他の
光源からの良好な光の捕捉及び混合をもたらすために放物状であるとよく、又は他の慣習
的な形状を有していてもよい。任意の実施形態において、任意選択的に、導体要素を収容
する孔が、照明要素及び光源のいずれか又は両方に形成されていてもよい。導体要素は、
導波管の全空間を充填してもよく、この場合、これらの2つは、互いに一体である。更に
、導体要素及び光源は、単一の回路基板上に一体化されてもよい。
【0055】
図6Eは、前述の実施形態の任意選択的な変更例を示している。主な違いは、単一のL
EDしか用いられことにある。光源652は、凹領域又は溝領域654を備えている。凹
領域654は、電極658に接続された導体668の一部を受け入れるように寸法決めさ
れ、且つ形作られている。単一LED656が、光源上に配置されている。単一LED6
56は、電極658の中心軸及び任意選択的に(図示されない)照明要素の中心軸と同軸
となるように、光源上に芯出しされている。電極658は、本明細書に記載される電極の
いずれかの特徴物、例えば、被膜又は他の絶縁層、特に、
図16A-16Cに関して記載
される特徴のいずれかを有しているとよい。電極658は、一般的に、テーパ付き近位端
660及びテーパ付き遠位端660を有する平面状区分を備えている。電極の遠位部分は
、エネルギーを組織に送達するための電極チップ662を形成している。近位部分は、傾
斜区分666を有する細長アーム664を形成している。傾斜区分666は、電極を導体
668に連結し、これによって、該導体を電極の中心軸からずらして配置している。
図6
Eの実施形態は、単一LEDを示しているが、当業者であれば、任意の数、例えば、2つ
、3つ、4つ、又は5つ以上のLEDが用いられてもよいことを理解するだろう。
【0056】
図7は、電極チップ714を有する光導波管702の例示的実施形態を示している。電
極チップ714は、平面形状を有し、導波管702を貫通する導体要素712に連結され
ている。導体要素を導波管702から隔離するために、クラッド層710が導体要素を覆
って配置されている。加えて、導波管702を血液又は汚染物から隔離するために、クラ
ッド層704が導波管702の外面を覆って配置されている。この実施形態における導波
管702は、外面に平坦な小平面を有する多角形状(例えば、六角形状、八角形状、等)
を有している。光源706(ここではLEDであるが、本明細書に記載されるどのような
光源が用いられてもよい)が、導波管702の近位端に連結されている。導波管702の
近位部分708は、LED706から最大量の光を受光するために、放物状に形作られて
いるとよい。LED706を導波管702に光学的に結合するために、レンズ、中空反射
鏡、勾配レンズ、等のような他の結合手段が用いられてもよい。また、結合効率を高める
ために、被膜が導波管702に施されてもよい。光源706は、LED又はLEDのアレ
イ、例えば、本明細書に記載されるLEDの実施形態のいずれかであるとよい。
【0057】
図8は、
図7の導波管702の近位部分を示している。導体要素712が、導波管70
2の全体を通って導波管の最近位端から延出し、照明要素706に連結されている。導体
要素712は、照明要素706に電気的に連結され及び/又は接合され、又は照明要素7
06を貫通する孔内に配置されてもよい。この実施形態における照明要素は、
図6A-6
Dに記載されるのと略同様のLED要素714である。加えて、LEDから最大量の光を
受光するために、導波管の近位部分は、放物状に形作られている。導体要素712を導波
管702から隔離するために、クラッド710が導体要素712を覆って配置されている
とよい。クラッド710は、これらの2つの構成要素間の接触による光損失の防止するこ
とになる。また、前述したように、光損失を最小限に抑えるために、空隙が用いられても
よい。
【0058】
本明細書に記載される実施形態のいずれかは、照明要素を貫通する1つ又は複数の通路
を備えていてもよい。
図9は、(管腔とも呼ばれる)通路904を有する照明付き外科器
具の例示的実施形態を示している。通路904は、材料を領域から除去するように(例え
ば、排煙又は流体吸引を行うように)構成されているとよい。通路904は、(冷却流体
(例えば、水、生理食塩水、等)のような)材料又は(薬物、医薬品、軟膏、凝固剤、等
のような)患者の治療流体を領域に送達するように構成されていてもよい。また、通路9
04は、カメラ又はセンサ(例えば、温度センサ)のような追加的な医療器具を収容する
ようになっていてもよい。光導波管702は、該導波管の外面を覆って配置されたクラッ
ド704を備えている。この光学クラッドは、伝送管腔と真っ直ぐに並んでいるとよく、
これによって、特に伝送管腔が導波管の場合、光源からの光損失を最小限に抑えることが
できる。導体要素712が導波管を貫通し、クラッド層710が導体要素712を覆って
配置されている。電極チップ714が導体要素712に連結されている。電極は、導体要
素712又は光導波管702に対して屈曲していてもよい。導波管712の遠位面上の任
意選択的なレンズレット902が、導波管712から出る光を成形し、これによって、所
望の照明パターンを標的(ここでは、手術標的)にもたらすことになる。通路904が、
導波管712を軸方向に貫通し、導波管712の近位端において、真空装置に連結される
とよく、これによって、吸引が通路に作用し、手術中に生じる煙又は余材が吸い込まれる
ことになる。通路904は、導波管の近位端において、材料送達システムに連結されても
よく、これによって、(冷却流体又は患者の治療流体のような)材料が手術中に領域に送
達されることになる。また、通路904は、導波管の近位端において真空手段及び材料送
達システムの任意の組合せに連結されてもよい。通路904は、1つ又は複数のセンサ又
は医療器具、例えば、カメラ、温度センサ、又は領域の電気特性(例えば、インピーダン
ス、コンダクタンス、等)を測定するセンサを収容してもよい。この実施形態又は任意の
実施形態における通路904は、多くの形態で照明要素を貫通するように個別に又は協働
して構成されているとよい。例えば、通路904は、照明要素に沿って部分的又は完全に
周方向に貫通するように、照明要素を部分的又は完全に半径方向に貫通するように、又は
照明要素をこれらの任意の組合せに従って貫通するように、個別に又は協働して構成され
ているとよい。光導波管702が中空チューブである他の実施形態では、中空チューブの
中心通路が材料移送に用いられるとよい。任意選択的に、この実施形態又は本明細書に開
示される任意の他の実施形態において、液体フィルター906が設けられてもよい。例え
ば、もし通路又は管腔が手術中に煙又は他の余材を吸引するために真空装置に接続されて
いたなら、液体が管腔内に入って装置の内部電気機器を損傷させないように、液体フィル
ターが付設されるとよい。フィルターは、空気(又は望ましないガス状材料)のみを通過
させ、液体を通過させないように構成されるとよい。フィルターは、開いた管腔の遠位端
に配置されるとよい。
【0059】
図10は、照明付き電気外科器具1002の他の例示的実施形態を示している。この電
気外科器具10002では、前述した個々の特徴が単一の例示的実施形態に組み合わされ
ている。照明付き電気外科器具1002は、ハンドル1004と、光導波管1006と、
導体要素1012と、エネルギーチップ1010とを備えている。光導波管1006は、
好ましくは、ハンドル1004内に同軸に配置され、且つチップ1010とも同軸に配置
されている。光導波管1006は、ハンドルに固定されていてもよいし、又は前述したよ
うに摺動可能に調整されるようになっていてもよい。後者の場合、導波管1006の露出
長さは、必要に応じて、増減されることになる。導波管1006は、好ましくは、導波管
の多角形の外面を形成する複数の平坦な小平面を有している。この多角形状は、前述した
ように、導波管内の光の混合を助長することになる。任意選択的なチューブが、導波管1
006を覆って配置されてもよい。このチューブは、熱移送材料(好ましくは、熱伝導材
料)から作製され、熱を装置から離れる方に伝導するヒートシンクとして機能するとよい
。加えて、光ビームが手術標的を適切に照明するように光を成形且つ案内するために、任
意選択的なレンズレット1008が光導波管1006の遠位端に配置されているとよい。
フッ素化エチレンプロピレン(FEP)のようなポリマーからなる光学クラッド又は熱収
縮材が、導波管1006を覆って配置されているとよい。光学クラッドは、導波管100
6をハンドル1004から隔離し、これによって、光の漏れを最小限に抑え、導波管を隣
接する外科器具との接触によって生じる損傷から防ぐことになる。導体要素1012が、
好ましくとは、光導波管1006を同軸に貫通し、ハンドル1004内に延び、エネルギ
ーをチップ1010に供給するようになっている。エネルギーチップ1010、ここでは
、平面状のブレードが、導体要素に連結されている。エネルギーチップ1010が使用中
に所望に形状に屈曲可能となるようにエネルギーチップ1010を導体要素1012に連
結するために、ネック領域が薄くなっていてもよい。導体要素1012を光導波管100
6から隔離するために、光学クラッド及び/又は絶縁層1014が導体要素1012を覆
って配置されてもよい。クラッド層又は絶縁層1014は、光導波管1006からの光漏
れを防ぎ、導体要素1012からのエネルギーの漏れを防ぐことになる。
【0060】
図11は、
図10の装置1002の断面図であり、装置の要素のいくつかの関係を強調
して示している。例えば、エネルギーチップ1010は、導波管1006を貫通する導体
要素1012に連結されている。外側FEP(フッ素化エチレンプロピレン)クラッド1
112が導波管1006を覆って配置され、内側FEPクラッド層1114が導体要素1
012を覆って配置されている。導波管1106及び導体要素1012は、好ましくは、
ハンドル1004を同軸に貫通している。導波管1006からの熱を散熱又は伝熱させる
ために、外側ヒートシンク1106がハンドル1004の内面に連結されているとよい。
このヒートシンク1106は、ハンドル1004の長軸に沿って軸方向に延在する金属円
筒であるとよく、又はヒートシンクとして機能する他の熱伝導材料から作製されていても
よい。導体要素1012又は導体要素1012に連結されたワイヤが導波管1006の近
位端を貫通するのを可能にするために、小さいワイヤ通路1104が導波管1006の近
位端を貫通しているとよい。導波管1006の近位端は、この実施形態では、好ましくは
、前述したのと同様、放物状に形作られている。光源1110、ここでは、金属コアLE
D印刷回路基板(PCB)が、導波管1006の近位端に連結されている。光源1110
は、本明細書の他の実施形態に記載されるいずれかであるとよい。導波管1006からの
熱を更に散熱又は伝熱させるために、金属チューブのような内側ヒートシンク1108が
導波管1006の近位端に突当て連結又はそれ以外の形態で連結されていてもよい。光源
1110の細長部分1102が、LEDPCBからハンドル1004の近位端に向かって
軸方向に延在し、該近位端において、取付具又はコネクタに連結されるようになっている
。取付具又はコネクタは、光源1110の細長部分1102を外部電源又は他の給電設備
に動作可能に連結するものである。この実施形態では、導波管1006は、内側ヒートシ
ンク1108の長さを超える長さを有している。代替的実施形態では、導波管1006の
近位端に突当て連結される内側ヒートシンク1108に代わって又は加えて、導波管10
06を部分的又は完全に閉鎖し、熱を散熱又は伝熱するために、ヒートシンクチューブが
導波管1006を覆って配置されてもよい。従って、アセンブリは、金属チューブヒート
シンク、導波管1006、本明細書に記載される光源の実施形態のいずれか、本明細書に
記載されるエネルギーチップのいずれか、及び本明細書に記載されるハンドルの実施形態
のいずれかのどのような組合せであってもよい。
【0061】
図12は、
図11の実施形態と実質的に同様のエネルギーチップ1010を有する照明
付き電気外科器具1002の例示的実施形態を示している。
図11の実施形態との主な違
いは、導波管1202が内側ヒートシンク1204よりも著しく短いことにある。内側ヒ
ートシンク1204は、導波管1202の近位端に連結されている。実施形態のいずれか
において、内側ヒートシンクチューブ1204,1108は、エネルギーを光源又はエネ
ルギーチップに供給するために、導体であるとよい。
【0062】
図13A-13Bは、エネルギーチップ又は導体要素に連結された照明要素の例示的実
施形態を示している。照明要素は、好ましくは、本明細書に記載される導波管であるとよ
いが、本明細書に開示されるものを含むどのような照明要素であってもよい。同様に、エ
ネルギーチップは、本明細書に記載されるどのようなエネルギーチップであってもよい。
エネルギーチップ1308は、ハンドル1302に連結された導体要素1306に連結さ
れている。導波管は、
図13Aに示されるように、導体1306に連結された剛性又は軟
質導波管1304であるとよい。また、導波管は、
図13Bに示されるように、エネルギ
ーチップ1308に連結された剛性又は軟質導波管1304であってもよい。これによっ
て、エネルギーチップ1308の近くを照明することができる。任意の実施形態において
、エネルギーチップ1308は、導体要素1306又はハンドル1302に固定して連結
されてもよいし、又は取外し可能に連結されてもよい。エネルギーチップ1308、導体
要素1306、導波管1304,又はハンドル1302は、本明細書に開示される実施形
態のいずれであってもよい。導波管1304は、本明細書に開示される導波管材料のいず
れから形成されてもよい。
【0063】
図13Cは、
図13A-13Bの電極又は本明細書に記載の電極のいずれかへの任意選
択的な被膜の使用を示している。電極1308は、(電気外科ペンシル又は他のハンドル
に移動可能に連結されることになる)導波管1304内に少なくとも部分的に配置されて
いる。本明細書に記載される他の電極及び導波管の特徴のいずれが用いられてよい。導波
管1304から放出された光を反射させるために、電極1308の一部がガラスによって
被覆され、及び/又は研磨されるとよい。被膜は、前述したように、絶縁特性を有してい
てもよい。光は、好ましくは、チップ及び標的作業領域に向かって反射され、外科医又は
他のオペレータに向かって放出される眩光を最小限に抑えることができる。被覆部分13
10は、電極の一部にのみ選択的に配置されてもよいし、又は任意の所望のパターンによ
って電極の全部分に配置されてもよい。被膜は、エネルギーが標的組織に送達される電極
の部分に隣接する遠位部分、電極の任意の部分(例えば、電極の上下面)、及び/又は電
極の側面に施されるとよい。被膜は、被膜をより均一にすることによって、極めて高いエ
ネルギ密度を有する電極の部分を最小限に抑え及び/又は画定することによって、極めて
低いエネルギー密度を有する電極の部分を最小限に抑え及び/又は画定することによって
、又はこれらの任意の組合せによって、チップを横切るエネルギー密度の分布を促進する
ようになっていてもよい。
【0064】
図14A-14Cは、光源位置が変化する代替的実施形態を示している。
図14Aは、
導波管1402を貫通する導体要素1404に連結されたエネルギーチップ1406を示
している。ワイヤ1408のような導体要素が、光源1410の電気接続具1412(図
14B参照)に連結され、RFエネルギーのようなエネルギーをネルギーチップ1406
に供給するようになっている。光源は、本明細書に記載されるいずれかであるとよい。い
くつかの実施形態では、単一LED1414又はLEDのアレイが、光源1410に配置
されているとよい。この実施形態では、光源1410は、ハンドル及び導波管1402の
近位部分に対して配置されている。導波管1402の近位部分1416は、光を光源14
10から受光するようになっている。
図14Bは、光源1410の端面図である。光源1
410は、好ましくは、導波管の長軸を横切っている。単一LEDは、電極チップ140
6と同軸であり、光源1410は、導波管1402の軸と略直交するか又は導波管140
2の軸を横切る面内にある。光源は、導波管1402を囲むか又は光源1410に突当て
連結されたヒートシンク内に熱を散熱又は伝熱させるようになっている。任意の実施形態
において、導波管1402は、任意選択的に、電極1406及び/又は導体要素1404
と同軸であるとよい。
【0065】
図14Cは、光源1410が導波管1402の長軸と略平行に配向され、導波管140
2の近位端に隣接して配置された代替的実施形態を示している。導波管1402の傾斜し
た放物状区分1420は、光源1410から光を受光し、該光をエネルギーチップ140
5に向かって遠位側に伝送するようになっている。この実施形態では、ワイヤ1422の
ような導体要素が、エネルギーをエネルギーチップに供給するための導体要素1404に
連結されている。また、導体要素1424は、電力を光源に供給する。導波管に沿ったL
EDの他の位置が考えられてもよく、これらの実施形態は、本発明を制限することを意図
するものではない。
【0066】
図15は、本明細書に開示される(例えば、
図2A-2Gに示される)可動導波管又は
可動エネルギーチップの実施形態のいずれかと共に用いられるとよい係止機構の例示的実
施形態を示している。ハンドル1502は、1つ又は複数の制御ボタン、ここでは3つの
ボタン1504,1506,1508を備えている。これらのボタン1504,1506
,1508は、種々のモードにおいて、エネルギーの供給をオン/オフ操作するためにユ
ーザーによって作動されるものである。例えば、1つのボタンは、エネルギーチップへの
RF切除エネルギーの供給をオン/オフ操作するために用いられるとよい。第2のボタン
は、エネルギーチップへのRF凝固エネルギーの供給をオン/オフ操作するために用いら
れるとよい。第3のボタンは、エネルギーチップにエネルギーを送達することなく、照明
をオン/オフ操作するために用いられるとよい。第3のボタンは、ボンタに代わって、圧
力センサのようなスイッチ、フットスイッチのような他のスイッチ、又はスライドであっ
てもよい。照明要素(例えば、LED、LEDのアレイ、光導波管、ファイバ、等)は、
どのようにハンドルに連結されているかによって、ボタンに対して移動してもよく、又は
固定されてもよい。導波管1510が、ハンドル1502内に配置され、ハンドルに対し
て外方又は内方に移動するようになっている。係止機構は、好ましくは、「ツイストロッ
ク(twist lock)」コレット式機構である。この機構は、導波管又はエネルギーチップの
ような伸縮可能なシャフトの周囲をクランプし、これによって、伸縮可能なシャフトを任
意の伸縮長さ又は任意の回転位置において確実に保持するようになっている。係止機構は
、2つの部品、すなわち、ノーズ部品1514及びコレットベース部品1512からなっ
ている。係止解除位置にある時、シャフト、すなわち、導波管1510は、コレットの内
径を通って自在に回転又は伸縮することができる。時計方向に所定角度、好ましくは、9
0°拗じられると、シャフトは、適所にしっかりと保持され、軸方向移動及び回転が阻止
される。当業者であれば、シャフトを適所に係止且つ係止解除するために、どのような回
転角及びどのような回転方向が用いられてもよいことを理解するだろう。
【0067】
コレットベース部品は、テーパ付き割端を有する中空内径部を有し、円形シャフトが該
内径部内に完全に挿入されるように設計されている。ノーズ部品の内径の螺旋溝内に嵌合
する(
図15に示されない)2つの小突起が、コレットベース部品の外径部に設けられて
いる。これらの突起によって、ノーズ部品は、ベース部品から離脱しないように拘束され
ると共に、ベース部品の周りに最大90°回転することが可能である。ノーズ部品が回転
すると、螺旋溝がコレットベースの突起に沿って移動し、ノーズ部品を下流方向に前進さ
せることになる。ノーズ部品及びベース部品は、干渉テーパを有し、これによって、ノー
ズ部品がベース部品に対して締め付けられると、内方半径力が生じ、伸縮可能なシャフト
の周りに強固な締付け力が生じることになる。この係止機構は、本明細書に記載される実
施形態のいずれに用いられてもよい。
【0068】
実施形態のいずれにおいても、電極チップは、中空チューブ内に配置され、中空チュー
ブは、前述したように、電極チップと無関係に移動するようになっている。従って、光導
波管は、電極チップの長さに対して摺動することができ、これは、光源を電極チップに対
する所望の位置に配置する融通性を外科医にもたらすことになる。従って、外科医は、光
導波管から放出される光のスポット径を調整することができる。光導波管を遠位側に移動
させることによって、導波管の先端を作業面の近くに移動させ、その結果として、スポッ
ト径を縮小させることができる。一方、光導波管を近位側に後退させることによって、導
波管の先端を作業面から離れる方に移動させ、その結果として、スポット径を増大させる
ことができる。
【0069】
光導波管のいずれかの実施形態において、光導波管は、円筒状に形作られている。しか
し、光導波管の実施形態のいずれかにおいて、他の断面形状、例えば、正方形、矩形、楕
円、卵形、三角形、等の光導波管が用いられてもよい。一例では、平坦な小平面が、導波
管内の光の良好な混合をもたらすために用いられてもよい。奇数の数の小平面が好ましい
が、偶数の小平面が用いられてもよい。小平面の数は、前述の入力部と出力部の寸法の比
率によって決定されるとよい。小平面の数が増えると、導波管の外形がより円形状に近く
なり、これによって、全断面寸法が増大する。小平面の数が減ると、導波管の全断面寸法
が縮小する。いくつかの実施形態では、光導波管は、光導波管の近位部分が遠位部分より
も大きな寸法を有するようなテーパを有していてもよい。他の実施形態では、光導波管は
、光導波管の遠位部分が近位部分よりも大きな寸法を有するようなテーパを有していても
よい。更に他の実施形態では、手術野から煙を排出するために、流体を吸引するために、
及び/又は治療材料を手術野に送達するために、中空チューブ状の光導波管の中心通路が
、用いられてもよい。煙又は他の望ましくない材料を手術野から中心通路内に引き込むた
めに、真空が光導波管の近位部分に印加されてもよい。本明細書の全体を通して記載され
る多くの実施形態において、材料を手術野に送達するために、材料送達システムが光導波
管の近位部分に連結されてもよい。
【0070】
他の実施形態では、光導波管は中実ロッドであってもよい。この場合、電極チップ又は
導体ワイヤと光導波管の内面との間に空気空間又は空隙が生じないことになる。前述の実
施形態におけるように、この中実の導波管は、ハンドルに固定して連結されてもよいし、
又はその長さが所望の位置に調整されるようにハンドルに調整可能に取り付けられてもよ
い。光導波管は、中心管腔を有していてもよい。この中心管腔を通して、導体ワイヤ又は
導体ロッドのような導体要素が電極に連結されるとよい。電極チップの近位部分が中心管
腔の空間の全てを占めるように導波管を貫通する結果として、中実導波管がもたらされる
ようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、これは、導電要素上に導波管をオー
バモールド成形することによって達成されるとよい。電極チップは、導体要素に連結され
てもよいし、又は導体要素と一体化されてもよい。電極チップが導体要素と一体化されて
いる場合、電極チップは、一般的に、他の電極チップと交換することができない。電極チ
ップが導体要素に離脱可能に連結されている場合、電極チップは、他の電極チップと交換
可能である。好ましい実施形態では、交換不能な電極チップが調整可能な光導波管(例え
ば、摺動可能又は他の形態で移動可能な導波管)の特徴部と組み合わされ、これによって
、ユーザーは、最適な照明性能をもたらすために光を作業面に近づく方又は作業面から離
れる方に調整することが可能になる。また、中実導波管は、中空チューブ導波管を上回る
更なる利得をもたらすことができる。何故なら、中実導波管は、中空チューブ導波管と比
較してより多くの材料を光導波管内に含み、これによって、より多量の光の伝送を可能に
するからである。加えて、中実導波管は、中空導波管よりも構造的に強靭である。従って
、より小さい外形でより多くの光を伝送することができるより強靭な中実導波管が可能で
ある。中実導波管を貫通する導体要素も、導導波管を補強することになる。
【0071】
図16Aは、完全な環状照明要素を有する照明付き電気外科装置の例示的実施形態の分
解図を示している。この実施形態の1つの利点は、照明要素及び電極を一緒に回転させる
ことによって、標的組織の均一な照明が確実に達成されることにある。照明付き電気外科
装置1602は、陽極酸化されたアルミニウムシャフト1600と、クラッド1604と
、(ここでは、LED基板とも呼ばれる)光源1606と、(ここでは、導波管とも呼ば
れる)2つの半割照明要素1608と、電極ブレード1612とを備えている。導波管は
、本明細書の他の箇所に記載されてるように、単一ユニットとして成形されてもよく、従
って、互いに連結される2つの半体を必ずしも有している必要がない。
【0072】
電極ブレード1612は、好ましくは、組織を切除又は凝固するためにエネルギー(好
ましくは、RFエネルギー)を組織に送達するために用いられる遠位部分を備えている。
この遠位部分1616は、材料層、好ましくは、ガラス被膜によって絶縁されている。ガ
ラス被膜は、有利である。何故なら、ガラス被膜は、望ましい光学特性を有し、導波管1
608の遠位側に位置し、これによって、導波管から放出される光が導波管から手術標的
領域の方に適切に反射されるのを確実なものとし、外科医又は他のオペレータに向かう眩
光を最小限に抑えるからである。チップは、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロ
エチレン、PTFE)被膜によって絶縁されてもよい。この被膜は、光を散乱させ、且つ
吸収する。チップの被膜は、反射被膜であってもよい。チップに反射被膜が施されている
と、導波管からの光をチップ表面において標的の方に反射することによって、装置の効率
を助長し、これによって、不必要な散乱及び吸収を低減させることができる。
【0073】
本明細書に開示されるいずれかの実施形態において、チップ又はブレードは、任意選択
的に、ステンレス鋼によって作製され、及び/又は被覆されてもよい。一例では、もしチ
ップが絶縁されるなら、該チップ又はブレードは、ステンレス鋼によって作製され、次い
で被覆されるとよい。いくつかの実施形態では、ブレードが加熱されると、被膜は、劣化
し始め、剥離することがある。被膜の劣化が生じ得るチップ又はブレードでは、該チップ
又はブレードは、セラミックから作製され、金属フレームが該チップの周りに形成される
とよい。金属ワイヤがチップの周りに配置されてもよい。金属フレーム又は金属ワイヤは
、劣化を防ぐために十分厚くなってるとよい。
【0074】
また、チップは、光の分散を助長するために種々の形状を有することができる。チップ
は、屈曲部又はテーパを有していてもよい。例えば、
図19Aは、電極1904の上面図
を示している。
図19Bは、線B-Bに沿って切断された電極1904の断面を示してい
る。この図は、平坦な上下面を示している。
図19C,19Dは、任意選択的な凸状の上
下面を示している。どのような他の断面の電極が用いられてもよい。また、種々のチップ
、例えば、均一な平坦ブレードチップ、ボールチップ、ニードルチップ、ループチップ、
又はワイヤチップが、電極に配置されてもよい。遠位部分は、オペレータがチップを治療
されるべき解剖学的構造と一致するよう曲げるのを可能にするために、十分薄くなってい
るとよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、種々のチップ取付具が、既存の幹部に装着され、該幹部を種
々の形状を有するチップに変換させるように構成されているとよい。このような1つの実
施形態では、幹部は、ユーザーが種々の大きさのパドルを取り付けることができるニード
ルであるとよい。多くの種類のチップが手術中に用いられるとよい。チップは、薄くて大
きいピンと類似した形状を有している。取外し可能なチップ又中空ブレードがピンチップ
に装着(又は積層)され、これによって、チップ又はブレードモジュールを形成するよう
に構成されている。取外し可能なチップ又はブレードは、どのような適切な形状を有して
いてもよく、主幹部又はピンチップに摩擦によって装着されるように構成されているとよ
い。
【0076】
図16Aを参照すると、電極ブレード1612の中央部分1612も、エネルギーが中
央部分1614に沿って電極から漏出するのを防ぐために、好ましくは、FEP(フッ素
化エチレンプロピレン)によって絶縁されているとよい。このFEPは、導波管1608
の屈折率よりも低い屈折率をもたらし、これによって、導波管1608と電極ブレード1
612との間の接触による導波管1608からの光の漏れを防ぐか又は最小限に抑えるの
を助長する。同様の效果をもたらすために、低屈折率の被膜又は空隙がFEPと併せて用
いられてもよいし、FEPに代わって用いられてもよい。電極の近位部分は、導体要素と
して機能する薄い細長部分を備えている。この細長部分によって、電極を(図示されない
)ハンドル内の(電源、好ましくは、RF生成器に動作可能に接続される)ワイヤに連結
することができる。電極1612の近位部分は、直線状であってもよいし、又は傾斜又は
湾曲区域を有していてもよい。後者の場合、薄い細長部分の近位部分が中心からずれてお
り、これによって、該近位部分は、LED基板1616の中心からずれた箇所を貫通する
ことができる。任意選択的に、電極1612の近位部分は、直線状であってもよく、LE
D基板1606の中心を貫通するようになっていてもよい。
【0077】
導波管1608の2つの半体は、それらの間に電極1612を挟み込み、互いにスナッ
プ嵌合、接着、超音波溶接、又はそれ以外の方法によって接合されるとよい。導波管16
08の2つの半体は、電極を囲む円筒形状をなし、これによって、電極1612の周りを
照明する。導波管1608の遠位部分は、該遠位部分から放出される光の成形を助長する
レンズ、複数のレンズレット、又は他の光学特徴部を備えているとよい。この実施形態で
は、光導波管は、円筒に近似する多角形を形成する多数の小平面からなる外面を有してい
る。導波管1608のこの取出面は、例えば、光の発散に対して良好な光指向性をもたら
すために、平坦であってもよいし、湾曲していてもよいし、傾斜していてもよいし、及び
/又はテーパが付されていてもよい。複数の小平面を有することによって、導波管を通る
時の光の良好な混合が可能になる。導波管1608の各半体の通路における隔離部161
0が、導波管1608と電極1612との間の直接的な接触を阻止し、これによって、接
触及びそれに続く光損失を最小限に抑えることができる。導波管1608の各半体内の通
路は、好ましくは、該通路内に位置する電極の形状に適合しているとよい。
【0078】
光源、すなわち、LED基板1606は、導波管1608を通る光を供給するための1
つ又は複数のLEDを備えている。LED基板1606は、LED、光源、又は本明細書
に記載される他の光源のいずれかであるとよい。また、LEDは、光を集束させ、導波管
に送達するのを助長するために放物状に形作られていてもよい。いくつかの実施形態では
、電極の導体部分は、LED基板1608の中心を貫通するようになっていてもよいし、
又はLED基板1608の中心からずれた箇所を貫通するようになっていてもよい。
【0079】
クラッド(好ましくは、FEPクラッド)1604の層が、導波管1608を覆って配
置され、2つの半体の周りに熱収縮され、これによって、これらを一緒に固定するように
なっている。任意選択的に、低屈折率の材料を導波管1608に隣接して設け、光損失を
防ぐか又は最小限に抑えるために、FEPクラッドと併せて又はFEPクラッド1604
の代替として、他の光学被膜がこの実施形態又は本明細書に開示される実施形態のいずれ
かに用いられてもよい。また、光損失を最小限に抑えるか又は防ぐのを助長するために、
空隙が導波管に対して配置されてもよい。何故なら、空隙は、導波管の近くに低屈折率を
もたらすからである。次いで、最外アルミニウムチューブ1600又は他の熱伝導性材料
部がFEPクラッド1064を覆って配置されるとよく、これによって、これらの構成要
素を一体化し、及び/又は蓄熱を除くためのヒートシンクとして機能することになる。こ
のチューブは、熱を散熱させるために、LED基板1606に連結されてもよい。次いで
、アセンブリの全体がハンドピースに連結されることになる。このアセンブリは、ハンド
ピースに対して内方又は外方に伸縮可能である。いったん電極1612が所望の位置に伸
張されたなら、該電極1612を適所に係止するために、コレット又は1/4ターンロッ
クのような(図示されない)係止機構が用いられてもよい。
【0080】
図16Bは、照明付きエネルギーチップ1602の端面図であり、
図16Cは、
図16
Bの線B-Bに沿って切断された断面図である。
図16Cは、FEP被覆区域1620と
、電極1612と導波管1608との間の直接的な接触を最小限に抑えるために隔離部1
610に連結された電極区域1622と、を強調して表示している。
【0081】
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、導波管は、該導波管から送達され
る光を制御するためのレンズ又はレンズ部分を備えていてもよい。従って、レンズを有す
る導波管又はレンズを有しない導波管、及び/又は別個のレンズが、用いられるLED光
源又は光源に取り付けられるか又はそれ以外の形態で連結されてもよい。従って、任意選
択的に、光を手術野に導き、且つ成形するために、LEDのような照明要素の前に取り付
けられるレンズのような光学要素を備える実施形態も考えられる。
【0082】
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、光は、いくつもの技法によって、
(本明細書では、導波管とも呼ばれる)照明要素に供給されるようになっている。光源は
、ハンドル内に配置されてもよいし、又は導波管の一部に隣接して配置されてもよい。光
源は、単一LEDであってもよいし、又は多重LEDであってもよい。単一LED又は多
重LEDは、白色光又は任意の所望の色の光を供給するとよい。例えば、多重LEDが用
いられる時、これらの多重LEDは、赤、緑、又は青(RGB)のような種々の色の光を
供給し、これによって、導波管内に入力される所望の色の光を供給するように調整される
とよい。従って、導波管は、更に重要になる。何故なら、導波管は、光が導波管の長さに
沿って伝達される時に、種々の色の光を混合し、任意選択的に、単一の均一な色の光が標
的に送達されるように種々の色の光を混合するからである。任意選択的に、多数の色の光
が、標的に送達されてもよい。白色光の陰を変化させるために、多数の色の光が用いられ
てもよい。外科医又はオペレータが手術野において組織のような種々の対象物を視覚化し
、且つ識別するのを助長するために、どのような他の所望の色の光が用いられてもよい。
特定周波数のエネルギーをろ過するために、フィルタ又は被膜が導波管のいずれかに施さ
れてもよい。本明細書に記載されるいずれかの実施形態における光は、連続的に送達され
てもよいし、又は間欠的に送達されてもよい。
【0083】
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、代替的に又は組合せて、光源は、
光ファイバ又は光ファイバ束であってもよい。例えば、光ファイバは、光をキセノンラン
プのような外部源から導波管に入力させるようになっているとよい、外部源からの光は、
光ファイバ又は光ファイバ束、ケーブル、及びハンドルを通って、導波管の近位端に伝送
されるとよい。光ファイバ又は光ファイバ束は、導波管に突き当てられ、これによって、
光を導波管に導き、続いて、光を該導波管を通して手術野に供給するようになっていても
よい。光を所望の光学特性を有する導波管に入力させるために、レンズ又は他の光学要素
が光ファイバ又は光ファイバ束の遠位端に用いられてもよい。光源、例えば、外部ランプ
ボックスが、手術野の外側に設けられてもよい。代替的に又は組合せて、光源は、ケーブ
ル接続部内の光源であってもよい。代替的に又は組合せて、光源は、ケーブル又は装置の
任意の部品に連結されたガウジング内に設けられてもよい。
【0084】
実施形態のいずれかにおいて、導波管は、所望の光学特性及び所望の機械特性を有する
材料から作製されるとよい。例示的な材料として、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シ
クロオレインポリマー又はシクロオレフィンコポリマーが挙げられる。加えて、軟質シリ
コーンが導波管を形成するために用いられてもよい。軟質シリコーンは、所望の形態に形
成(塑性変形)可能である。エネルギーチップに連結される導波管をもたらすために、成
形可能なシリコーンがチップに直接連結されてもよい。この導波管は、チップが屈曲又は
それ以外の形態で撓んだ時にチップと共に撓むことができる。Dow Corning及びNusilのよ
うな製造業者が、導波管を形成するために用いられるとよい成形用シリコーンを製造して
いる。
【0085】
加えて、本明細書に記載されるいずれかの実施形態において、センサが、導波管又はエ
ネルギーチップ内に組み込まれてもよい。これらのセンサの例として、制限されるもので
はないが、CMOSセンサ又はCCDセンサのような画像センサが挙げられる。センサは
、分光情報を収集するための熱センサ又は光ファイバであってもよい。センサは、ハンド
ル内に配置されてもよいし、又はそれ以外の形態で組み込まれてもよい。
【0086】
チップは、手術野における組織のキャパシタンス、コンダクタンス、インピーダンス、
インダクタンス、及び/又は能動的及び/又は受動的電気特性の任意の組合せ(これらは
、総称的に「電気的特性」と呼ばれる)を能動的に測定するための検知手段を備えていて
もよい。組織の電気特性を知ることによって、もしチップが重篤な構造物を切り裂くか又
はそれ以外の形態で損傷させようとしたなら、ユーザーに警告を発することが可能になる
。また、前述の検知された特性に代わって又は組合せて、組織の温度拡散を測定するため
に及び/又は組織の電気的解析、電気化学的解析、及び分光解析を行うために、検知ファ
イバをチップ内に組み込むことも考えられる。更に他の実施形態では、カメラのような撮
像要素が、ハンドル上に取り付けられてもよいし、又は電気外科チップのスリーブ又は他
の部分内に組み込まれてもよい。これらの特徴のいずれかは、本明細書に記載される実施
形態のいずれかと共に用いられてもよいし、又は組み合わされてもよい。
図16Dは、セ
ンサ1624が組み込まれた電気外科装置1602の例示的実施形態を示している。セン
サ1624は、例えば、電気センサ、光学センサ、分光センサ、及び/又は熱センサであ
るとよい。ここでは1つのセンサしか示されていないが、どのような数のセンサ又はどの
ような組合せのセンサがエネルギーチップ、導波管、ハンドル、又はその組合せの1つ又
は複数内に組み込まれてもよいことを理解されたい。
【0087】
更に他の実施形態では、ハンドルは、空気がハンドル内を循環することを可能にする排
気特徴部を有していてもよく、これによって、ハンドル及び導波管の冷却を促進すること
ができる。
【0088】
図17A-17Dは、エネルギーを照明要素に供給する任意選択的なバッテリ又は他の
電源の使用を示している。この任意選択的な特徴は、本明細書に記載される実施形態のい
ずれかに用いられてもよい。
【0089】
図17Aは、電極1704を備えるペンシル又はハンドル1702を有する電気外科器
具を示している。電極1704は、本明細書の実施形態のいずれかに記載の照明要素と組
み合わされていてもよいし、組み合わされていなくてもよい。器具ケーブル1706が、
ハンドルの近位部分に固定して又は離脱可能に連結されている。ケーブル1706の他端
は、プラグ(アダプタ又はコネクタ)1708を備えている。プラグ1708は、電気外
科発電器又は任意の他の外部ボックス(例えば、制御装置、光源、電源、等)に連結する
ための電気コネクタプロング1710を有している。
【0090】
図17Bは、凹領域1714を備えるプラグ1708の特徴部を強調して示している。
凹領域1714は、発光要素/照明要素(例えば、LED)及び電極のいずれか又は両方
に電力を供給するために用いられるバッテリ1712又は他の電源(例えば、コンデンサ
)を受け入れるように寸法決めされ、且つ形作られている。バッテリ1712は、使い捨
てバッテリであってもよいし、再充電可能なバッテリであってもよい。また、バッテリ1
712は、コンデンサ又は他の電荷貯蔵要素であってもよい。バッテリ1712の接点1
716は、凹領域1714内の対応する接点1718に係合し、これによって、電気回路
を完結させるようになっている。
【0091】
照明要素を発光させるための及び/又はエネルギーチップ1704にエネルギーを与え
るための電力は、バッテリ1712及び/又はコネクタプロング1710においてプラグ
1708に接続された外部電源から送達されるようになっている。
【0092】
いくつかの実施形態では、凹領域1714内に配置されたバッテリ1712が電力を照
明要素に供給し、プラグ1708に接続された外部電源が電力を電極1704に供給する
ようになっている。凹領域1714内に配置されたバッテリ1712が照明要素及び電極
1708の両方に電力を供給してもよく、プラグ1708に接続された外部電源が電極1
704及び照明要素の両方に電力を供給してもよく、又はいずれにも電力を供給しなくて
もよい。代替的に、凹領域1714内に配置されたバッテリ1712が電力を電極170
4に供給し、プラグ1708に接続された外部電源が電力を照明要素に供給してもよい。
いくつかの実施形態では、凹領域1714内に配置されたバッテリ1712及びプラグ1
708に接続された外部電源が、電力を照明要素及び電極1704に供給してもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、もし凹領域1704内に配置されたバッテリ1712が、照
明要素及び電極1704のいずれか又は両方に供給するのに十分な電力を有していなかっ
たなら、プラグ1708に接続された外部電源が、照明要素及び電極1704のいずれか
又は両方に電力を供給するようになっているとよい。本明細書に記載される実施形態のい
ずれかに代わって又は組合せて、バッテリ1712は、いずれかの実施形態では凹領域1
714内に配置された状態で充電されてもよいし、及び/又はいずれかの実施形態ではプ
ラグ1708内に配置された状態で充電されてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、バッテリ1712の取出しは、外部電源からの照明要素、電
極1704、又はその両方への電力供給を妨げないようになっている。この特徴によって
、手術中に、電気外科器具を用いる外科医を妨げることなく、バッテリを容易に交換する
ことが可能になる。これらの実施形態では、プラグ1708のバッテリ1712を含む部
分は、典型的には、無菌区域の外側にあり、これによって、更に交換が容易になる。プラ
グ1708に連結されたケーブル1706の端は、プラグに固定して取り付けられてもよ
いし、離脱可能に取り付けられてもよい。従って、プラグは、必要に応じて、新しいバッ
テリを有する新しいプラグと容易に交換され、これによって、処置が更に容易になる。
【0095】
図17Cは、ハンドル1702内に配置されたバッテリ1712を有する電気外科器具
を示している。ハンドル1702は、凹領域1714を備えている。凹領域1714は、
照明要素(例えば、LED)及び電極のいずれか又は両方に電力を供給するために用いら
れるバッテリ1712又は他の電源(例えば、コンデンサ)を受け入れるように寸法決め
され、且つ形作られている。バッテリ上の接点1716が凹領域1714内の対応する接
点1718に係合し、これによって、電気回路を完結させるようになっている。バッテリ
は、使い捨てバッテリであってもよいし、又は再充電可能なバッテリであってもよい。も
しバッテリ1712が再充電可能であったなら、該バッテリは、任意選択的に、ハンドル
の近位部分に固定して又は離脱可能に連結された器具ケーブル1706を通して、再充電
されるようになっている。ケーブル1706は、ハンドルの近位部分に連結された端と反
対側の端に、プラグ(アダプタ又はコネクタ)1708を有している。プラグ1708は
、電気外科発電器又は任意の他の外部ボックス(例えば、制御装置、光源、電源、等)に
連結するための電気コネクタプロング1710を有している。ケーブル1706は、バッ
テリ1712がハンドル内に配置されているか否かと無関係に電力を電気外科器具に供給
するようになっているとよい。これは、バッテリ1712が存在しない時でも、外科医が
手術を行うことができるという利点をもたらす。何故なら、ケーブルを通して供給された
電力によって、本明細書に記載される電気外科器具の照明要素、電極、又は任意の他の構
成要素を十分に給電することができるからである。いくつかの実施形態において、バッテ
リ1712が電気外科器具内に配置されていない場合、電力が電気外科器具に送達されな
いようになっていてもよい。
【0096】
図17Dは、器具ケーブルが存在しない
図17に示される実施形態と同様の実施形態を
示している。この実施形態では、装置の全体が、本明細書に記載される特性のいずれかを
実施することができる自立型になっている。
【0097】
図18A-18Eは、照明付き電気外科チップ1802の更に他の例示的実施形態を示
している。当業者であれば、この実施形態に記載される特徴のいずれかは、本明細書に記
載される他の実施形態のいずれかにおける特徴と併せて又は代わって用いられてもよいこ
とを理解するだろう。
【0098】
図18Aは、導波管1808に連結された電極1804と光源1828とを有する照明
付き電気外科装置1802を示している。導波管1808は、電極1804の周りに部分
的に周方向に延在している。光源1828は、導波管の近位端に隣接する回路基板182
6上に配置されている。電極1804は、丸められた遠位先端1806を有している。ま
た、電極1804は、標的組織へのエネルギーの送達を制御するために、他の実施形態に
おいて前述したのと同様の絶縁領域及び/又は非絶縁領域を有しているとよい。電極18
04は、外方に拡がる(又は遠位側に向かって先細になる)フレア部分1816を有し、
このフレア部1816は、平面区域で終端し、そこから細長アーム1822のみが近位側
に延在している。細長アーム1822は、エネルギーをエネルギー源から電極先端に送達
するための導体として用いられるとよい。導波管は、垂直方向に配向された狭幅のスリッ
ト1818を有している。スリット1818は、平坦な平面区域及び細長アームを受け入
れるための細長通路1820に移行している。スリット1818は、導波管に沿って、好
ましくは、その長軸と平行に延在している。スリット1818は、好ましくは、導波管の
幅の殆どにわたって切り込まれているが、導波管の幅の全体にわたって切り込まれていな
い。もしスリットが導波管の幅の全てにわたって切り込まれていたなら、導波管の2つの
半体が互いから脱落することになる。僅かな周方向接続部が、導波管の2つの半体を接合
している。(
図18Aの例示的実施形態の側面図である
図18Bに最もよく示される)丸
突起1832が細長アームから延在している。丸突起1832は、導波管の対応する形状
の凹部内に嵌入され、導波管に対する電極の軸方向移動を阻止するようになっている。
【0099】
導波管1808は、好ましくは、例えば、射出成形によって単一の一体片として形成さ
れた(光ファイバ式ではない)光導波管である。しかし、当業者であれば、他の製造技術
(例えば、フライス加工、化学エッチング、等)が用いられてもよいことを理解するだろ
う。導波管の遠位部分は、複数の微細構造物1812を備えているとよい。微細構造物1
812は、該微細構造物から取り出される光を制御し、取り出された光が本明細書に記載
される実施形態のいずれかによる所望の光学特性(例えば、発散、強度、等)を有するこ
とを確実にすためのものである。リム1814が、これらの微細構造物1812の周りに
形成されているとよい。リム1814は、チューブの内面(例えば、金属ヒートシンク)
が配置又は当接する面として機能する。このようなチューブは、前述したように、各々が
ヒートシンクとして機能する。導波管1808の本体は、好ましくは、多角形状の外面を
形成する一連の平坦な外面1810によって、多面化されている。これによって、多面を
有する導波管内の光伝達が光を多面によって反射され、これによって、光の混合をより促
進させることになる。
【0100】
導波管1808の近位部分1824は、好ましくは、放物状に形作られている。これは
、光を(好ましくは、LED又はLEDのアレイである)光源1828から導波管180
8内に案内するのを助長するためである。放物面は、LED又はLEDのアレイを中心と
して形作られている。アーム1820は、導波管1808の中心軸から位置ずれしており
、回路基板1826の溝1830内に受け入れられている。
【0101】
図18Cは、照明付き電気外科装置1802の分解図を示している。
図18Dは、照明
付き電気外科装置1802の分解側面図を示している。
【0102】
図18Eは、電極の斜視図を示し、
図18Fは、導波管1808の斜視図を示している
。
【0103】
本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、標的領域に投射される光は、多数
の形態を取ることができる。
図20A-20Fは、いかに光が照明要素から標的領域に投
射されるかの一態様、すなわち、照明要素が異なる大きさの光輪郭を標的領域(例えば、
手術部位、患者の解剖構造の一部、等)に投射する形態を示している。これらの例は、照
明輪郭の大きさを強調しているが、当業者であれば、標的領域に投射される光が他の同様
の態様(例えば、光の色、周波数、及び光のパルスが繰り返される配列、光輪郭の形状、
等)を取ることができることを理解するだろう。
【0104】
図20A-20Fは、標的領域を照明するためのシステムを示している。このシステム
は、本明細書の全体にわたって記載される実施形態のいずれかに対応する照明要素200
2を備えている。照明要素は、発光面2004を更に備えている。発光面2004は、(
エネルギーチップ、電極、等のような)外科器具を収容するように寸法決めされた内径2
006と、外径2008とを有している。いくつかの実施形態では、外径2008は、照
明要素2002の輪郭を低減させるために、可能な限り小さくなっている。照明要素20
002の断面形状は、ここでは、円形状によって表されているが、どのような形状、例え
ば、三角形、正方形、矩形、多角形、又は正弦及び余弦の組合せによって表される任意の
輪郭が用いられてもよい。同様に、「直径(diameter)」という用語が
図20A-20F
の説明及びその他に用いられているが、この用語は、一般的に、形状の特徴的な測定値を
指している。「直径」は、円又は円筒の測定値に限られるものではないが、場合によって
は、円又は円筒の測定値を指すこともある。一般的に言えば、直径は、形状の一方の側か
ら形状の中心を通って他方の側に延びる直線である。本明細書に用いられる「直径」とい
う用語は、形状を一意的に識別する寸法又は外観を表すことが意図されている。このよう
な一意的に識別する寸法の例として、例えば、制限されるものではないが、形状の1つ以
上の側面又は接線と他の1つ以上の側面又は接線との間の最小距離を表す寸法、又は形状
の1つ以上の側面又は接線と他の1つ以上の側面又は接線との間の最大距離を表す寸法が
挙げられる。
【0105】
照明要素2002は、光をその発光面2004を通して放出し、光2000を標的領域
に投射する。標的領域は、照明要素2002からある距離を隔てて位置しており、平面2
010によって表されている。
【0106】
実際には、(電極又はエネルギーチップのような)手術器具は、照明要素2002の寸
法によって画定された通路(ここでは、内径2006)内に配置され、照明要素2002
から遠位側に少なくとも部分に延在している。明瞭にするために、このような外科器具は
、
図20A-20Fから省略されている。しかし、読者は、いくつかの実施形態において
その外科器具が存在することに留意するべきである。
【0107】
本明細書に記載されるどのような実施形態においても、平面2010における光200
0は、部分的に環状又は完全に環状である。本明細書に記載されるどのような実施形態に
おいても、平面2010は、照明要素2002の遠位側のどこか、例えば、制限されるも
のではないが、照明要素2002の遠位側且つ外科器具の遠位チップの近位側、照明要素
2002の遠位側且つ外科器具の遠位チップ、及び照明要素2002の遠位側且つ外科器
具の遠位チップの遠位側に位置するとよい。従って、本明細書に記載される任意の照明要
素2002によって投射される光2000は、外科器具の遠位チップの近位側の領域にお
ける平面2010において少なくとも部分的に環状であるとよく、該外科器具の遠位チッ
プにおける平面2010において少なくとも部分的に環状であるとよく、及び/又は外科
器具の遠位チップの遠位側の領域の平面2010において少なくとも部分的に環状である
とよい。
【0108】
図20Aは、照明要素2002によって平面2010に投射された光2000が(照明
要素2002の発光面2004の内径2006と略等しい)内径2016と(照明要素2
002の発光面200の外径2008と略等しい)外径2018とを有する例示的実施形
態を示している。
【0109】
図20Bは、照明要素2002によって平面2010に投射された光2000が(照明
要素2002の発光面2004の内径2006と略等しい)内径2016と(照明要素2
002の発光面200の外径2008よりも大きい)外径2018とを有する例示的実施
形態を示している。図示されないが、いくつかの実施形態では、照明要素2002によっ
て平面2010に投射された光2000は、(照明要素2002の発光面2004の内径
2006と略等しい)内径2016と(照明要素2002の発光面2004の外径200
8よりも小さい)外径2018とを有していてもよい。
【0110】
図20Cは、照明要素2002によって平面2010に投射された光2000が(照明
要素2002の発光面2004の内径2006よりも小さい)内径2016と(照明要素
2002の発光面2004の外径2008と略等しい)外径2018とを有する例示的実
施形態を示している。
【0111】
本明細書に記載されるいずれの実施形態においても、平面2010における光2000
の内径2016は、外科器具の遠位チップの直径と略等しくなっているとよい。平面20
10における光2000の内側輪郭は、外科器具の外側輪郭に少なくとも略対応している
とよく、これによって、多量の光200が外科器具に送達されず、外科器具のごく近くの
領域に送達され、その結果、最小限の光しか外科器具から反射されないことになる。
【0112】
いくつかの実施形態では、平面2010に投射された光2000の内径2016は、エ
ネルギーチップの最遠位端の寸法と略等しくてもよく、これによって、エネルギーチップ
自体は、照明されず、チップを直接包囲する領域が照明されることになる。これは、照明
要素2002を平面2010又はエネルギーチップに近付けるか又は平面2010又はエ
ネルギーチップから遠ざけるように移動させることによって、エネルギーチップを平面2
010又は照明要素2002に近付けるか又は平面2010又は照明要素2002から遠
ざけるように移動させることによって、及び/又は本明細書に記載される方法のいずれか
によって、達成されるとよい。いくつかの実施形態において、照明要素2002及びエネ
ルギーチップからの距離は、永久的に及び/又は一時的に固定されているが、このような
実施形態では、照明要素2002は、エネルギーチップを実質的に照明することなく、エ
ネルギーーチップの近くの全領域を照明する光を生じさせるとよく、これによって、それ
ほど多くの光がエネルギーチップによって吸収されず又は反射されず、ユーザー又は患者
に対する眩光を最小限に抑えることができる。
【0113】
図示されないが、いくつかの実施形態では、照明要素2002によって平面2010に
投射された光2000は、(照明要素2002の発光面2004の内径2006よりも大
きい)内径2016と(照明要素2002の発光面2004の外径2008と略等しい)
外径2018とを有していてもよい。
【0114】
図20Dは、照明要素2002によって平面2010に投射された光200が(照明要
素2002の発光面2004の内径2006よりも小さい)内径2016と(照明要素2
002の発光面2004の外径2008よりも大きい)外径2018とを有する例示的実
施形態を示している。図示されないが、いくつかの実施形態では、照明要素2002によ
って平面2010に投射された光200は、(照明要素2002の発光面2004の内径
2006よりも大きい)内径2016と(照明要素2002の発光面2004の外径20
08よりも大きい)外径2018とを有していてもよい。更に他の実施形態では、照明要
素2002によって平面2010に投射された光200は、(照明要素2002の発光面
2004の内径2006よりも小さい)内径2016と(照明要素2002の発光面20
04の外径2008よりも小さい)外径2018とを有していてもよい。
【0115】
図20Eは、平面2010に投射された光2000が(照明要素2002の発光面20
04の外形2008と略等しい)外形1018を有する領域の全体を照明する例示的実施
形態を示している。
【0116】
図20Fは、平面2010に投射された光2000が(照明要素2002の発光面20
04の外形2008よりも大きい)外形1018を有する領域の全体を照明する例示的実
施形態を示している。図示されないが、平面2010に投射された光2000は、(照明
要素2002の発光面2004の外形2008よりも小さい)外形1018を有する領域
の全体を照明するようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、照明要素が周りに
配置されたエネルギーチップが照明されるようになっていてもよい。いくつかの実施形態
では、照明要素が周りに配置されたエネルギーチップが照明されないようになっていても
よい。ユーザーは、手術の全体にわたって、照明要素2002によって放出される光の1
つ又は複数の特性を任意選択的に変更することができ、このような選択は、本明細書に記
載される手段のいずれかによって行われるとよい。
【0117】
図21A-21Fは、光ファイバ2126が強調された照明付き電気外科装置2100
を示している。光ファイバ2126の長さの少なくとも一部は、ハンドピース2104内
に配置されている。任意の実施形態において、光ファイバ2126は、電極、照明要素、
及びハンドピースのいずれかの部分と同軸又は中心軸と平行に配置され、又は該部分を通
って配置されている。
【0118】
図21Aは、照明付き電気外科装置2100を示している。電気外科装置2100は、
近位端及び遠位端を有するハンドピース2104と、ハンドピース2104の遠位端に配
置された照明要素2102と、照明要素の遠位端の近くに連結された(ここでは、電極と
も呼ばれる)電気外科チップ2114と、光ファイバ2126と、を備えている。光ファ
場2126の長さの少なくとも一部は、ハンドピース2104内に配置され、光ファイバ
2126の長さの他の一部は、ハンドピース2104の近位端を超えて延在している。照
明要素2102は、本明細書に記載されているいずれかであればよく、近位端2130及
び遠位端を有している。照明要素2102は、その近位端2130の近くに近位部分21
30を有している。近位部分2130は、光ファイバ216からの光を分散させるように
寸法決めされ、且つ形作られ、これによって、照明要素2102の遠位端の光取出面21
40から放出された光が電気外科チップ2114の周りを部分的又は完全に取り巻くこと
になる。光は、光ファイバ2126の近位端端における(図示されない)光源から供給さ
れ、光ファイバ2126の近位端から光ファイバ2126の遠位端に伝達される。光ファ
イバ2126の遠位端は、照明要素2102の近位端2130に連結されている。光は、
本明細書に記載されるどのような種類のものでもよく、本明細書に記載されるいずれかの
光源から供給されるとよい。光ファイバ2126を照明要素2102に連結するモード又
は機構は、本明細書に記載されるどのようなものであってもよい。
【0119】
図21Bは、近位端及び遠位端を有するハンドピース2104と、ハンドピース210
4の遠位端に配置された照明要素2102と、光ファイバ2126とを備える照明付き電
気外科装置2100を示している。光ファイバ2126の長さの一部は、ハンドピース2
104内に配置され、光ファイバ2126の長さの他の一部は、ハンドピース2104の
近位端を超えて延在している。この光ファイバ2126は、弛み付与部分2112を有し
ている。照明要素2102がハンドピース2104の内外に伸縮する時に長さに沿って移
動する実施形態では、弛み付与部分2112は、照明要素2102が移動する長さと等し
いか又はそれよりも大きい光ファイバ2126の長さを与えるようになっている。
【0120】
図21Cは、光ファイバ2126の遠位端が光学要素2110に連結された照明付き電
気外科装置2100の例示的実施形態を示している。光学要素2110は、ハンドピース
2104の(エネルギーチップ2114の近くの)遠位端に配置されている。光ファイバ
2126の近位端に配置された光源から伝送される光は、光ファイバ2126の近位端か
らその遠位端に伝送され、該遠位端において光学要素2110に伝送され、この光学要素
がその光を標的領域に送達することになる。この実施形態又は任意の実施形態の光学要素
は、所望の光学特性をもたらすために、1つ又は複数のレンズ、中空反射鏡、勾配レンズ
、単一レンズレット、複数のレンズレット、フィルタ、又は被膜を備えているとよい。
【0121】
図21Dは、2つの照明源を備える照明付き電気外科装置2100の例示的実施形態を
示している。第1の照明源は、光源2116を備えている。光源2116は、ハンドピー
ス2104内に収容され、(電気外科チップ2214の周りを部分的又は完全に取り巻く
)照明要素2102の近位端に連結されている。第2の照明源は、光ファイバ2126の
近位端に連結された(図示されない)光源を備えており、光ファイバの遠位端が光学要素
2110に連結され、光学要素2110が光ファイバ2126から光を取出し、標的領域
を照明するようになっている。従って、1つ又は複数の光源は、個々に一種又は複数種の
光を標的領域に供給することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース内の光源
に連結された部分的又は完全に環状の照明要素が、電気外科チップの周りに部分的又は完
全に環状ではない光学要素と任意選択的に組合せて用いられてもよい。なお、この光学要
素からなる光源は、ハンドピースの外側に配置され、光ファイバが、光を光学要素に送達
するようになっている。
【0122】
2つの光源を備える実施形態は、いずれも、第1の光を標的領域に供給する第1の光源
と、第2の光を標的領域に供給する第2の光源と、を有しているとよい。
【0123】
図21Eは、2つの照明源を備える照明付き電気外科装置2100の例示的実施形態を
示している。第1の照明源は、光ファイバ2126の近位端に連結された(図示されない
)光源と、光ファイバ2126と、照明要素2102とを備えている。照明要素2102
の近位端2130が、光ファイバ2126の遠位端に連結されている。第2の照明源は、
ハンドピース2104の遠位端に配置された光源2116から構成されている。第2の照
明源は、実施形態に応じて、照明要素2102及び電気外科チップ2114のいずれか又
は両方の近くに位置しているとよい。
【0124】
図21Fは、2つの照明源を備える照明付き電気外科装置2100の例示的実施形態を
示している。第1の照明源は、光源2116を備えている。光源2116は、ハンドピー
ス2104内に収容され、(電気外科チップ2214の周りを部分的又は完全に取り巻く
)第1の照明要素2106の近位端2137に連結されている。第2の照明源は、光ファ
イバ2126の近位端に連結された(図示されない)光源を備えており、光ファイバ21
26の遠位端は、(第1の照明要素2106を部分的又は完全に取り囲む)第2の照明要
素2108の近位端2139に連結されている。第1の照明要素2106及び第2の照明
要素2108は、それぞれ、(本明細書に記載されるどのような形式のものであってもよ
い)第1の光取出面2141及び第2の光取出面2142を有している。第1の照明要素
2106及び第2の照明要素2108は、それぞれ、(近位端2137,2139におい
て受光した光を均一に混合するように形作られた)第1の近位部分2136及び第2の近
位部分2138を備えているとよい。第1の照明要素2106及び第2の照明要素210
8は、本明細書に記載されるどのような照明要素であってもよい。
図21Fに示される実
施形態は、第1の照明要素2106の周りを部分的又は完全に取り巻く第2の照明要素2
108を示しているが、第1の照明要素2106が第2の照明要素2108の周りを部分
的に又は完全に取り巻くように配置されていてもよいことを理解されたい。
【0125】
図22A-22Fは、手術器具の周りを少なくとも部分的に連続的に取り巻く例示的な
照明要素を示している。これらの図(例えば、
図22A-22E)において例示的な照明
要素の大部分を説明するために、手術器具の中心軸と実質的に同軸の中心軸を有する実質
的に円形状の照明要素が選択されているが、照明要素の内形及び外形は、個々に又は協働
してどのような断面形状を有してもよいことに留意されたい。このような断面形状の例と
して、部分円又は完全円、部分長円又は完全長円、部分楕円又は完全楕円、部分四角形又
は完全四角形、部分矩形又は完全矩形、部分多角形又は完全多角形、任意の部分形状又は
完全形状、又はこれらの任意の組合せが挙げられる。また、このような断面形状の中心軸
は、手術軸の中心軸と一致してしていてもよいし、平行であってもよいし、非平行であっ
てもよいし、直交していてもよいし、交差してもよいし、又はその近傍に位置していても
よいことに留意されたい。ここで、中心軸は、特徴的な識別軸、例えば、形状の重心を通
る軸、(照明要素又は手術器具のような)要素によって画定される周囲によって画定され
る形状の重心を通る軸であるとよい。同様に、これらの図(例えば、
図22A-22E)
において例示的な手術器具の大部分を説明するために、実質的に円形状が選択されている
が、手術器具は、任意の断面形状を有してもよいことに留意されたい。このような断面形
状の例として、部分円又は完全円、部分長円又は完全長円、部分楕円又は完全楕円、部分
四角形又は完全四角形、部分矩形又は完全矩形、部分多角形又は完全多角形、任意の部分
形状又は完全形状、又はこれらの任意の組合せが挙げられる。
【0126】
任意の実施形態において、照明要素の断面形状、内形、及び外形は、個々に又は協働し
て、手術器具の断面形状、内形、及び外形から独立していてもよい。照明要素の中心軸は
、外科器具の中心軸に対してずれていてもよい。例えば、外科器具の中心軸からずれた中
心軸を有する非円形輪郭を備える照明要素の1つの非制限的な例示的実施形態として、外
科器具の中心軸の下方に動作可能に配置される中心軸を有する水平楕円形の照明要素が挙
げられる。ユーザーがチップを観察することが不可欠な外科手術において、これは、照明
要素の上端輪郭を最小限に抑えることによって、ユーザーがチップの良好な視覚化が得ら
れるように装置を観察することを可能にするという利点をもたらす。断面形状及び軸ずれ
の他のこのような実施形態は、当業者にとって明らかであろう。
【0127】
本明細書に記載される任意の照明要素又は任意の外科器具の断面形状は、近位端から遠
位端にわたって特徴部の長さに沿って変化するようになっていてもよいし(例えば、照明
要素及び/又は外科器具が、全体的に円錐形状を有していてもよいし)、又は近位端から
遠位端にわたって特徴部の長さに沿って実質的に一定であってもよい(例えば、照明要素
及び/又は外科器具が、全体的に円筒形状を有していてもよい)。本明細書に記載される
全ての実施形態において、本明細書に記載される連続的な照明要素のいずれかが、本明細
書に記載される任意の連続的な照明要素と組み合わされてもよい。
【0128】
図22Aは、外科器具2214の周囲に配置された連続的な照明要素2202の例示的
実施形態を示している。連続的な照明要素2202は、発光面2204、内形2206,
及び外形2208を有している。発光面2204は、本明細書に記載されるどのような形
式であってもよい。内形2206は、外科器具2214の輪郭と一致しているとよい。
【0129】
図22Bは、発光面204と、内形2206と、外形2208と、間隙2216を画定
する第1の端2210及び第2の端2212とを備える連続的な照明要素2202の例示
的実施形態を示している。この例示的実施形態では、連続的な照明要素2202は、外科
器具2214の周りに部分的に配置されている。照明要素2202は、照明要素2202
が間隙2216の部位において外科器具2214上に配置されるか又はそこから引き出さ
れることを可能にするのに十分柔軟であるとよい。逆に、照明要素2202は、外科器具
2214が間隙2216の部位において照明要素2202内に配置されるか又はそこから
引き出されることを可能にするのに十分柔軟であるとよい。照明要素2202は、時間と
共に稼働形状になるように稼働形状に付勢されるとよい。稼働形状は、外科器具2214
の輪郭に対応する形状であるとよい。
【0130】
図22Cは、発光面2204と、内形2204と、外形2208と、第1の端2210
と、第2の第2の端2212とを備える連続的な照明要素2202の例示的実施形態を示
している。この実施形態では、連続的な照明要素2202は、外科器具2214の周囲の
半分を超える部分にわたって延在している。外科器具2214の一部に沿った第1の部分
2210と第2の部分2212との間の距離2218の部分は、照明要素2202によっ
て覆われていない。第1の端2210と第2の端2212との間の距離は、約0mmから
外科器具の周囲の値の間、好ましくは、約0mmから外科器具の周囲の値の約半分の間、
更に好ましくは、約0mmから外科器具2214の周囲の値の1/4の間の任意の値であ
るとよい。
【0131】
照明要素2202は、第1の端2210及び第2の端2212を外科具の直径よりも大
きい距離2218にわたって移動させることによって、照明要素2201が外科器具22
14上に配置されるか又はそこから引き出されることを可能にするのに十分柔軟であると
よい。逆に、照明要素2202は、第1の端2210及び第2の端2212を外科具の直
径を超える距離2218にわたって移動させることによって、外科器具2214が照明要
素2201内に配置されるか又はそこから引き出すことを可能にするのに十分柔軟である
とよい。照明要素2202は、時間と共に稼働形状になるように稼働形状に付勢されると
よい。稼働形状は、外科器具2214の輪郭に対応する形状であるとよい。
【0132】
図22Dは、発光面2204と、内形2206と、外形2208と、第1の端2210
と、第2の端2212とを備える連続的な照明要素2202の例示的実施形態を示してい
る。この実施形態では、連続的な照明要素2202は、外科器具2214の周囲の略半分
にわたって延在している。いくつかの実施形態では、(各々が外科器具2214の周囲の
略半分にわたって延在する)1つ又は複数の照明要素2202が、組合せて用いられると
よい。
【0133】
図22Eは、発光面2204と、内形2206と、外形2208と、第1の端2210
と、第2の端2212とを備える連続的な照明要素2202の例示的な実施形態を示して
いる。照明要素は、組合せて用いられることが意図される所望の外科器具の輪郭に実質的
に適合しているとよい。この実施形態では、連続的な照明要素2202は、外科器具22
14の周囲の半分未満にわたって延在している。いくつかの実施形態では、(各々が外科
器具2214の周囲の半分未満にわたって延在する)1つ又は複数の連続的な照明要素2
202が、組合せて用いられてもよい。
【0134】
図22Fは、外科装置2214を覆って配置された多角形の輪郭を有する連続的な照明
要素2202の例示的実施形態を示している。照明付き実施形態の多角形の輪郭は、八角
形であるが、どのような形状が用いられてもよい。多角形状の連続的な照明要素2202
は、発光面2204と、内形2206と、外形2208と、第1の端2210と,第2の
端2212とを備えている。内形2206及び外形2208は、異なる輪郭形状を有して
もよいし、直線方位及び/又は回転方位においてずれた同一の形状であってもよいし、又
は実質的に同じ形状であってもよい。
【0135】
任意選択的に、本明細書に記載される任意の実施形態において、可動シュラウドが設け
られてもよい。例示的実施形態では、導波管から放出された光の発散の角度を調整するた
めに、可動シュラウドが、導波管の周りに配置されてもよい。
図23は、電気外科器具2
300がハンドル2304と、導波管2302と、チップ2314とを備える例示的実施
形態を示している。チップ2314は、手術のためにハンドル2304からハンドル23
02内を通って遠位側外方に延在している。可動シュラウド2310が、導波管2302
を包囲するように位置決めされている。装置2300の下の両矢印は、発散角αを調整す
るための可動シュラウド2310の可動性を示している。可動シュラウド2310は、最
大の発散角αをもたらすために装置2300の最後退位置にある。例示的な実施例では、
可動シュラウド2310は、内側に反射面を備えているとよい。例えば、シュラウドの内
側は、吸収を低減させ、装置の出力を増大させるために、研磨/被覆されるとよい。可動
シュラウド2310が発散角α’を低減させるために遠位側に伸張している装置が、23
00’で示されている。
【0136】
電気外科器具が用いられるいくつかの手術において、手術領域を異なる角度から、例え
ば、導波管から光の殆どの照明の方向の背後の方向から観察することが望まれる場合があ
る。例えば、アデノイド手術は、有利には、電気外科チップの背後の領域を照明する装置
を用いる。任意選択的には、本明細書に記載されるいずれかの実施形態において、ミラー
取付具が設けられてもよい。例示的実施形態では、電気外科装置2400は、照明付きミ
ラーをもたらすために、ブレード2414にスリップ嵌合するミラー取付具2422を備
えているとよい。ミラー取付具2422は、ESチップ2414の周りを摺動するように
構成された中空ポスト2420の遠位端に取り付けられるとよい。中空ポスト2420は
、ブレード2414の周りを摩擦摺動するようになっている。電気外科器具2400から
の光は、ミラー2422の反射面に導かれ、2400’で示される実質的に反対の方向に
反射されることになる。中空の照明ミラーポスト2420は、ブレード2414を絶縁し
、これによって、患者に対する安全をもたらすことになる。
【0137】
前述のいずれかの実施形態は、レンズレット又は微小構造物を備えてもよいことに留意
されたい。レンズレット又は微細構造物は、照明要素の種々の実施形態の遠位端に配置さ
れるとよい。レンズレット又は微細構造物は、例えば、照明要素から放出される光を拡散
又は集束するための選択枝をもたらすことによって、照明要素から放出される光を制御す
る種々の形態をもたらす代替的な光取出面であるとよい。例えば、
図3A,4C,9,1
0,16A,18B,21Cを参照して前述したものを含むレンズレット又は微細構造物
の例示的実施形態では、レンズレット又は微罪構造物は、特定の用途による種々の形態で
光を放出するように照明要素を構成するために、取外し可能又は交換可能になっていると
よい。導波管の光取出面は、所望の取外し可能なレンズレット又は微細構造物モジュール
を受け入れるために、非構造的な面又は平坦な面として設けられてもよい。
【0138】
以上、本発明の好ましい実施形態を図示し、且つ説明してきたが、このような実施形態
が単なる例示にすぎないことは、当業者にとって明らかであろう。種々の変更、変形、及
び代替が、本発明から逸脱することなく、当業者によってなされるだろう。本明細書に記
載される本発明の実施形態に対する種々の代替例が、本発明を実施する上で用いられても
よいことを理解されたい。以下の請求項が本発明の範囲を規定すること、及びこれらの請
求項の範囲内の方法及び構造並びにそれらの等価物が本発明の範囲内に包含されることが
意図されている。