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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】電気活性デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/155 20060101AFI20230405BHJP
   G02F 1/15 20190101ALI20230405BHJP
【FI】
G02F1/155
G02F1/15 505
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021516459
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019052676
(87)【国際公開番号】W WO2020068813
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】62/736,918
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504416080
【氏名又は名称】セイジ・エレクトロクロミクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サーラック、セバスチャン マリウス
(72)【発明者】
【氏名】ロウソン、ナサニエル ジェイムズ
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0130523(US,A1)
【文献】特開昭58-114086(JP,A)
【文献】特開2017-069030(JP,A)
【文献】特開2011-071032(JP,A)
【文献】特開2009-266917(JP,A)
【文献】特表2016-536259(JP,A)
【文献】特表2002-520653(JP,A)
【文献】国際公開第2016/085823(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/155
G02F 1/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された電気活性層と
を備える積層体
を具備する電気活性デバイスであって、
前記積層体が、前記第1の電極に対応する材料が基本的にない軽減されたエリアを備え、前記第2の電極及び前記電気活性層の少なくとも一部分が、前記軽減されたエリアの下に包含されるので、機能的であり、
前記電気活性デバイスはエレクトロクロミック・デバイスを含み、
前記軽減されたエリアはティント可能な機能部によって囲まれ
前記軽減されたエリアにおける、第1のティントされた状態から第2のティントされた状態への遷移に対応する期間として規定されるティント時間が、前記ティント可能な機能部におけるティント時間の少なくとも110%かつ500%以下である、
電気活性デバイス。
【請求項2】
前記第2の電極及び前記電気活性層の全エリアが、前記軽減されたエリア内で測定されるので、機能的である、請求項1に記載の電気活性デバイス。
【請求項3】
前記軽減されたエリアが、境界線を画定し、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電流流路が、前記軽減されたエリアの前記境界線を通過する、請求項1に記載の電気活性デバイス。
【請求項4】
前記軽減されたエリア内部の前記第1の電極と前記第2の電極との間の電流流路が、前記積層体に垂直な方向から角度的にオフセットされる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の電気活性デバイス。
【請求項5】
前記角度オフセットが、少なくとも0.5°である、請求項4に記載の電気活性デバイス。
【請求項6】
前記軽減されたエリアは、前記電気活性デバイスがティントされた状態であるときにティント勾配を規定する、請求項1に記載の電気活性デバイス。
【請求項7】
前記ティント勾配が、最小ティント及び最大ティントを規定し、前記最小ティントが、前記最大ティントに比べて前記軽減されたエリアの中央領域のより近くに配置される、請求項6に記載の電気活性デバイス。
【請求項8】
前記第1の電極が、前記軽減されたエリアと境を接する表面を有し、前記第1の電極の前記表面が、前記積層体に全体として垂直である、請求項1に記載の電気活性デバイス。
【請求項9】
前記第1の電極が、第1のバス・バーに電気的につなげられ、前記第2の電極が、第2のバス・バーに電気的につなげられる、請求項1に記載の電気活性デバイス。
【請求項10】
電気活性デバイスを修復する方法であって、
前記電気活性デバイス内の欠陥の位置を特定するステップと、
前記欠陥の前記位置に対応する軽減されたエリアが第1の電極に対応する材料が基本的にないように、前記欠陥に対応する前記位置において前記電気活性デバイスの積層体から前記第1の電極を除去するステップであり、前記積層体の電気活性層及び第2の電極が前記軽減されたエリア内部では機能的なままである、第1の電極を除去するステップと
を含み、
前記電気活性デバイスはエレクトロクロミック・デバイスを含み、
前記軽減されたエリアはティント可能な機能部によって囲まれる、方法。
【請求項11】
前記第1の電極を除去するステップにおいて、前記第1の電極は450nmと600nmとの間の波長で動作されるレーザによって除去される、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気活性デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電気活性デバイスを、調節可能な光伝送を提供するための多様な用途において使用することができる。電気活性デバイスは、ビル内の制御可能な光伝送を可能にするために絶縁されたガラス・ユニットに一般に内包される。
【0003】
電気活性デバイスは、製造上の課題、据え付け中の問題、及びデバイスの寿命期間中に生じることがある動作欠陥に起因する欠陥を含むことがある。特に、いくつかの電気活性デバイスは、時にはピンホール欠陥と呼ばれる小さな欠陥を含み、この欠陥では光伝送特性が電気活性デバイスの残りの部分とは異なる。特に、ある種のティントされた状態で、このような欠陥を視認することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気活性デバイスを使用する産業は、欠陥の視認の検出を軽減するため及び電気活性デバイスの美的品質を向上させるために電気活性デバイス内の欠陥を修復する方法の改善を要求し続けている。加えて、電気活性デバイスを使用する産業は、電気活性性能の向上並びに新たな特性及び品質を作り出すことができる電気活性デバイスを要求し続けている。
【0005】
実施例は、実例として図示されており、添付の図に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施例による軽減されたエリア(mitigated area)を含む電気活性デバイスの断面図である。
図2】実施例による軽減されたエリア及び因習的に修復されたピンホール欠陥を含む電気活性デバイスの上面図である。
図3】実施例による電気活性デバイス内の欠陥を修復する方法のフロー・チャートである。
図4】走査型電子顕微鏡で見た実施例による軽減されたエリアの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図と組み合わせて下記の説明は、本明細書において開示する教示を理解する際に助けとなるように提供される。下記の検討は、教示の具体的な実装例及び実施例に焦点を当てるだろう。この焦点は、教示を説明する際に助けとなるように提供され、そして教示の範囲及び応用可能性の限定として解釈されるべきではない。しかしながら、他の実施例を、この出願において開示したような教示に基づいて使用することができる。
【0008】
「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」という用語又はこれらの任意の他の変形例は、非排他的な包含をカバーするものとする。例えば、特徴の列挙を含む方法、物品、又は装置は、これらの特徴に限定される必要がないだけでなくこのような方法、物品、又は装置に明確に列挙されていない又は固有の他の特徴を含むことができる。さらに、正反対に明示的に述べない限り、「又は(or)」は包含的ORを指し、排他的ORを指さない。例えば、条件A又はBは、下記のうちのいずれか1つにより満足される:Aが真であり(又は存在し)そしてBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)そしてBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)。
【0009】
また、「1つ(a)」又は「1つ(an)」の使用は、本明細書において説明する要素及び構成要素を記述するために採用される。これは単に利便性のためそして本発明の範囲の一般的な概念を与えるために行われるに過ぎない。この記述は、他の意味であることが明確でない限り、1つ、少なくとも1つ、若しくは複数形も含むとして単数形を含むように読まれるべきである、又は逆も同様である。例えば、単一の項目が本明細書において記述されるときには、1つよりも多くの項目を、単一の項目の代わりに使用することができる。同様に、1つよりも多くの項目が本明細書において記述される場合には、単一の項目がその1つよりも多くの項目に対して置き換えられることがある。
【0010】
特に規定されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、この発明が属する技術の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。材料、方法、及び実例は、単に例示的であり、そして限定するものではない。本明細書において説明しなかった範囲では、具体的な材料及び処理行為に関する多くの詳細は、月並みのものであり、電気活性技術内の教科書及び他の情報源に見出されることがある。
【0011】
ある特有な態様によれば、電気活性デバイスは、第1の電極、第2の電極、及び第1の電極と第2の電極との間に配置された電気活性層を規定する積層体を一般に含むことができる。ある実施例では、積層体は、第1の電極に対応する材料が基本的にない軽減されたエリアを含むことができる。もう1つの実施例では、第2の電極及び電気活性層の少なくとも一部分は、軽減されたエリアに包含されるので、機能的であってもよい。ある特有な事例では、第2の電極の全体のエリア及び電気活性層の全体のエリアは、軽減されたエリアにおいて測定されるので、機能的であってもよい。
【0012】
軽減されたエリアは、境界線を規定することができる。ある実施例では、第1の電極と第2の電極との間の電流流路は、軽減されたエリアの境界線を通過することができる。もう1つの実施例では、軽減されたエリア内の電流の流れを、積層体に垂直な方向から角度的にオフセットさせることができる。例えば、軽減されたエリア内部の電流の流れの角度オフセットを、少なくとも0.5°、少なくとも1°、少なくとも2°、少なくとも3°、少なくとも4°、少なくとも5°、少なくとも8°、又は少なくとも10°とすることができる。
【0013】
ある種の事例では、電気活性デバイスは、ティント勾配を規定することができる。ティント勾配は、電気活性デバイスがティントされた状態にあるときに軽減されたエリア内で生じることがある。より特有な実施例では、ティント勾配は、最小ティント及び最大ティントを規定することができる。さらにより特有な実施例では、最小ティントを、最大ティントに比べて軽減されたエリアの中央の領域のより近くに配置することができる。
【0014】
ある実施例では、第1の電極は、軽減されたエリアと境を接する表面を規定することができる。より特有な実施例では、表面を、積層体に対して全体として垂直にすることができる。もう1つの実施例では、表面は、湾曲したプロファイル又はそうでなければ直線でないプロファイルを有することができる。例えば、表面は、テーパを付けることができる又はアーチ状の断面形状若しくは多数平面の断面形状を含むことができる。
【0015】
ある種の事例では、電気活性デバイスのティント時間を、軽減されたエリアに隣接する電気活性デバイスのエリアに比べて、軽減されたエリアではより大きくすることができる。本明細書において使用するように、「ティント時間」は、第1のティントされた状態から第2のティントされた状態までの遷移に対応する期間を指すことができる。とりわけ、「ティント時間」は、第1のティントされた状態から第2のティントされた状態まで完全に、又は実質的に完全に遷移するために必要な期間を指すことができる。
【0016】
ある実施例では、軽減されたエリアは、積層体に垂直な方向に見たときに、長方形の形状、又は全体として長方形の形状を有することができる。もう1つの実施例では、軽減されたエリアは、積層体に垂直な方向に見たときに、円形形状、又は全体として円形の形状を有することができる。
【0017】
もう1つの態様によれば、電気活性デバイスは、ティント勾配を有する領域を含むことができる。ティント勾配を、電気活性デバイスのバス・バーから間隔を空けることができる。
【0018】
ある種の事例では、ティント勾配は、最小ティント及び最大ティントを規定することができる。ある実施例では、最小ティントを、最大ティントに比べて軽減されたエリアの中央領域のより近くに配置することができる。ある種の事例では、最大ティントを、軽減されたエリアに隣接するティントに等しくする、又はほぼ等しくすることができる。
【0019】
もう1つの態様では、電気活性デバイスを修復する方法は、電気活性デバイス内の欠陥の位置を特定するステップと、欠陥と対応する位置のところで第1の電極を電気活性デバイスの積層体から除去するステップとを含むことができる。ある種の事例では、得られる軽減されたエリアは、欠陥の位置と対応することがあり、そして第1の電極に対応する材料が基本的にないことがある。ある実施例では、積層体の電気活性層及び積層体の第2の電極は、軽減されたエリアの内部では機能的なままであることがある。
【0020】
ある実施例では、第1の電極を除去するステップを、フィル・スペクトル・レーザを用いて実行することができる。より特有な実施例では、レーザは、200fsと1500fsとの間、250fsと1250fsとの間、又は300fsと1000fsとの間のパルス幅で動作する。さらにより特有な実施例では、レーザは、450nmと600nmとの間、500nmと550nmとの間、又は510nmと525nmとの間の波長で動作する。まださらなる実施例では、レーザは、ほぼ515nmの波長で動作する。
【0021】
ある実施例では、方法は、軽減されたエリアのところの第1の電極を除去するステップの後で電気活性デバイスを動作させるステップをさらに含むことができる。ある種の事例では、電気活性デバイスを動作させるステップは、軽減されたエリアのところにティント勾配を作り出すことができる。
【0022】
図1は、第1の電極104及び第2の電極106を規定する積層体102を含む電気活性デバイス100の断面図を含む。電気活性層108を、第1の電極104と第2の電極106との間に配置することができる。ある実施例では、電気活性層108は、イオン貯蔵層110(対電極層とも呼ばれる)などの中間層により第1及び第2の電極104及び106のうちの少なくとも一方から間隔を空けられることがある。ある実施例では、電気活性デバイス100は、エレクトロクロミック・デバイスを含むことができる。より特有な実施例では、電気活性デバイス100は、固体エレクトロクロミック・デバイスを含むことができる。
【0023】
積層体102内の軽減されたエリア112が、図1では破線同士の間に位置するエリアによって図示される。ある実施例では、軽減されたエリア112は、電気活性デバイス100の残りの部分と比較して小さな動作能力を有することがある。ある実施例では、小さな動作能力は、軽減したティント能力をともなう電気活性デバイス100の機能エリア又は非機能エリアを指すことができる。例えば、電気活性デバイス100がX%にティントされるときには、軽減されたエリア112は、[X-Y]%のティントを有することができ、ここでは、Yが少なくとも0.01、少なくとも0.1、又は少なくとも1である。Yは一般にXよりも小さいことに留意されたい。
【0024】
ある実施例では、軽減されたエリア112は、電気活性デバイス100内の、1つ又は複数のピンホール欠陥などの1つ又は複数の欠陥に関係する電気活性デバイス100のエリアに対応することがある。ある実施例では、軽減されたエリア112は、電気的短絡に関係する電気活性デバイス100のエリアに対応することがある。軽減されたエリアを、積層体102に垂直に見たときに測定したような軽減されたエリア112の面積的なサイズにより規定することができる。
【0025】
ある実施例では、軽減されたエリア112には、第1の電極104に対応する材料が基本的にない。第1の電極104は、上側表面114及び下側表面116を定めることができる。ある実施例では、第1の電極104に対応する材料が基本的にない軽減されたエリア112は、第1の電極104の上側表面114と下側表面116との間で測定されるように、第1の電極104の材料が軽減されたエリア112の内部の体積の5%以下を占有するというある条件を指すことができる。このように、例えば、第1の電極104に対応する材料が基本的にない0.1mmの軽減されたエリア112は、第1の電極104の上側表面114と下側表面116との間で測定されるように、0.1mmの内部で、体積で第1の電極104の5%以下を含有する。より特有な実施例では、第1の電極104に対応する材料が基本的にないことは、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下の体積を呼ぶことができる。さらにより特有な実施例では、軽減されたエリア112内の第1の電極材料の体積は、0.5%未満、又は0.1%未満でであってもよい。ある特有な事例では、第1の電極材料は、第1の電極104の上側表面114と下側表面116との間で測定されるように、軽減されたエリア112の内部の体積の0%を占有することがある。
【0026】
ある実施例では、軽減されたエリア112は、第1の電極104の溶融した部分がなくてもよい、又は大体なくてもよい。もう1つの実施例では、軽減されたエリア112は、第1の電極104の混合した部分がなくてもよい、又は大体なくてもよい。より特有な実施例では、軽減されたエリア112は、第1の電極104の厚さに大体等しい深さを有するボイドを規定することができる。
【0027】
ある実施例では、電気活性デバイス100は、軽減されたエリア112内では機能的である。とりわけ、第2の電極106及び電気活性層108のすべてなどの、少なくとも一部分は、軽減されたエリア112内に包含されるので、機能的であってもよい。本明細書において使用するように、「機能的である」は、電気活性デバイス100がエレクトロアクティビズムを表示することができる条件を指すことができる。とりわけ、「機能的な」エリアは、異なるティントされた状態同士の間を遷移することができる。それとは反対に、「非機能的な」デバイスは、エレクトロアクティビズムをもう表示しないエリアである。このように、例えば、電気活性デバイスの非機能的なエリアは白いままである、ところが電気活性デバイスの機能的なエリアは様々な量だけティントされることがある。
【0028】
ある実施例では、第1の電極104から第2の電極106への電流の流れ(線118により図1に図示される)は、軽減されたエリア112の境界線(全体として破線により表される)を通過することができる。ある実施例では、第1の電極104から第2の電極106への電流の流れ118は、積層体102に垂直な方向から角度的にオフセットすることがある。すなわち、例えば、電流の流れ118を、少なくとも1°、少なくとも2°、少なくとも3°、少なくとも4°、少なくとも5°、少なくとも8°、少なくとも10°、少なくとも15°、少なくとも20°、少なくとも25°、少なくとも30°、又は少なくとも35°の角度、α、だけ角度的にオフセットさせることができる。ある実施例では、角度、α、は、89°以下である。ある種の事例では、角度、α、を、1°と89°との範囲内、5°と80°との範囲内、10°と60°との範囲内、15°と45°との範囲内、又は20°と30°との範囲内とすることができる。ある種の事例では、電流の流れの角度オフセットは、軽減されたエリア112の境界線のところで測定される。他の事例では、電流の流れの角度オフセットは、電気活性層108、イオン貯蔵層110、第1若しくは第2の電極104若しくは106、又はこれらの任意の組合せ内で測定される。
【0029】
ある実施例では、第1の電極104からの電流の流れ118は、軽減されたエリア112内部の第2の電極106に入ることができる。図1が電流の流れ118を表している2本の線を図示しているが、実効的な電流の流れは、軽減されたエリア112の境界線の周りで全体として連続的であってもよい。すなわち、例えば、図2を参照して、軽減されたエリア112は、その全境界線の周りで測定されるように、(下記に非常に詳細に説明される)全体として回転対称なティント勾配によって図示される全体として一様な電流の流れ勾配を有することができる。
【0030】
因習的な欠陥修復は、電気活性積層体の全厚さを貫通するボイドを形成するステップと、これにより欠陥を残りの電気活性層から完全に分離するステップとを含む。このようにして、因習的に修復された欠陥は、電気活性デバイスの残りと比較して異なる特性を示すエリアを残す。より具体的に、因習的に修復された欠陥は、電気活性デバイスがティントされたときに完全に白いままであるエリアをもたらす。因習的な方法を使用する例示的な修復2が、図2に図示される。修復2は、白くなった部分を残す。
【0031】
ある種の事例では、本明細書において説明した実施例による軽減されたエリア112は、電気活性デバイス100がティントされた状態である(すなわち、白くなっていない)ときにティント勾配を規定することができる。すなわち、例えば、電気活性デバイス100は、軽減されたエリア112において観察されるように、最大ティント及び最小ティントを含むことができる。ある実施例では、最小ティントを、最大ティントに比べて軽減されたエリア112の中央領域120のより近くに配置することができる。もう1つの実施例では、最大ティントは、最小ティントに比べて軽減されたエリア112の境界線のより近くに配置される。ある種の事例では、軽減されたエリア112の最大ティントを、残りの電気活性デバイス100のティントと全体として同じにすることができる。とりわけ、軽減されたエリア112の最大ティントを、軽減されたエリア112に直ぐ隣接するティントと全体として同じにすることができる。
【0032】
ある実施例では、軽減されたエリア112のうちの少なくとも1%は、電気活性デバイス100がティントされた状態であるときにエレクトロアクティビズムを表示することができる。すなわち、軽減されたエリア112のうちの少なくとも1%は、電気活性デバイス100がティントされた状態であるときに少なくとも部分的にティントすることができる。より特有な実施例では、軽減されたエリア112のうちの少なくとも2%はティントすることができ、軽減されたエリア112のうちの少なくとも3%はティントすることができ、軽減されたエリア112のうちの少なくとも4%がエレクトロアクティビズムを表示することができ、軽減されたエリア112のうちの少なくとも5%がエレクトロアクティビズムを表示することができ、軽減されたエリア112のうちの少なくとも10%がエレクトロアクティビズムを表示することができ、軽減されたエリア112のうちの少なくとも15%がエレクトロアクティビズムを表示することができ、軽減されたエリア112のうちの少なくとも20%がエレクトロアクティビズムを表示することができ、軽減されたエリア112のうちの少なくとも25%がエレクトロアクティビズムを表示することができ、軽減されたエリア112のうちの少なくとも50%がエレクトロアクティビズムを表示することができる、又は軽減されたエリア112のうちの少なくとも75%がエレクトロアクティビズムを表示することができる。さらなる実施例では、電気活性デバイス100がティントされた状態であるときに、軽減されたエリア112の全体がエレクトロアクティビズムを表示することができる。
【0033】
軽減されたエリア112の形状は、ティント勾配に影響を及ぼすことがある。図2を参照して、軽減されたエリア112は、積層体102の主表面に垂直に見たときに全体として長方形の形状を画定することができる。とりわけ、軽減されたエリア112は、積層体102の主表面に垂直に見たときに、円形であっても又は全体として円形であってもよい。ある種の実施例では、曲線の又は直線状の境界線のある軽減されたエリア112を、積層体102内に形成することができる。ティント勾配は、角及び不均等に湾曲した部位により影響を受けることがあり、非回転対称のティント勾配という結果になる。
【0034】
再び図1を参照して、第1の電極104は、軽減されたエリア112と境を接する表面122を規定することができる。表面122は、軽減されたエリア112の境界線の回りに広がることがある。ある実施例では、表面122は、積層体102の主表面に一般的に垂直な線に沿って存在することがある。より特有な実施例では、表面122を、積層体102に垂直にすることができる。ある種の事例では、表面122は、下側表面116への隣接辺などの、先細りの部分、湾曲した部分、又は多数の細分化された部分を含むことができる。
【0035】
ある特有な事例では、電気活性デバイス100のティント時間は、軽減されたエリア112に隣接する電気活性デバイス100のエリアに比べて軽減されたエリア112では長い。本明細書において使用するように、「ティント時間」は、第1のティントされた状態から第2のティントされた状態への遷移に対応する期間を指すことがある。ある実施例では、軽減されたエリア112のティント時間は、残りの電気活性デバイス100のティント時間の101%、残りの電気活性デバイス100のティント時間の少なくとも105%、残りの電気活性デバイス100のティント時間の少なくとも110%、又は残りの電気活性デバイス100のティント時間の少なくとも120%である。もう1つの実施例では、軽減されたエリア112のティント時間は、残りの電気活性デバイス100のティント時間の1000%以下、又は残りの電気活性デバイス100のティント時間の500%以下である。
【0036】
第1の電極104を、第1のバス・バー(図示せず)につなげることができる。第2の電極106を、第2のバス・バー(図示せず)につなげることができる。第1及び第2のバス・バーを、電気活性デバイス100をティントすること及び白くすることに影響を及ぼすように使用することができる。ある実施例では、軽減されたエリア112を、電気活性デバイス100の第1及び第2のバス・バーの両方などの少なくとも一方から間隔を空けることができる。もう1つの実施例では、軽減されたエリア112を、電気活性デバイス100の端部から間隔を空けることができる。より特有な実施例では、軽減されたエリア112を、電気活性デバイス100の機能部分の端部から間隔を空けることができる。すなわち、例えば、軽減されたエリア112を、電気活性デバイス100の機能部分によって全体を囲むことができる。より具体的に、軽減されたエリア112を、電気活性デバイス100のティント可能な部分によって全体を囲むことができる。
【0037】
ある実施例では、積層体102は、基板(図示せず)を覆うことができる。ある実施例では、第1の電極104は、第2の電極106よりも基板に近い。もう1つの実施例では、第2の電極106は、第1の電極104よりも基板に近い。すなわち、基板を、積層体102のいずれかの側に配置することができる。
【0038】
ある実施例では、基板は、ガラス基板、サファイア基板、酸窒化アルミニウム基板、又はスピネル基板を含むことができる。もう1つの実施例では、基板は、ポリアクリル化合物、ポリアルケン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリスルフィド、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、別の適切な透明ポリマ、又は前述の共重合体などの、透明ポリマを含むことができる。基板は、柔軟であっても柔軟でなくてもよい。ある特有な実施例では、基板は、フロート・ガラス又はホウケイ酸ガラスであってもよく、0.5mmから4mm厚の範囲の厚さを有することができる。もう1つの特有な実施例では、基板は、50ミクロンから300ミクロンの範囲の厚さを有するミネラル・ガラスである超薄ガラスを含むことができる。ある特有な実施例では、基板は、形成される多くの異なる非発光可変透過デバイス用に使用されることがあり、そしてマザーボードと呼ばれることがある。
【0039】
ある実施例では、第1及び第2の電極104及び106のうちの少なくとも一方は、導電性金属酸化物又は導電性ポリマを含むことができる。実例は、酸化スズ又は酸化亜鉛、そのどちらもAl、Ga、In、等などの三価元素でドープすることができる、フッ素化した酸化スズ、又はポリアニリン、ポリピロール、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、等などのスルフォン化ポリマ、等を含むことができる。もう1つの実施例では、第1及び第2の電極104及び106のうちの少なくとも一方は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、又はこれらの任意の組合せを含むことができる。第1及び第2の電極104及び106は、互いに比較して、同じ組成又は異なる組成及び同じ厚さ又は異なる厚さを有することができる。
【0040】
ある実施例では、電気活性層108は、WO、V、MoO、Nb、TiO、CuO、Ir、Cr、Co、Mn、又はこれらの任意の組合せなどの無機金属酸化物電気化学的活性材料を含むことができ、そして50nmから2000nmまでの範囲の厚さを有することができる。イオン貯蔵層110は、電気活性層に関して列挙した材料若しくはTa、ZrO、HfO、Sb、又はこれらの任意の組合せのうちのいずれかを含むことができ、そして酸化ニッケル(NiO、Ni、若しくは2つの組合せ)、及びLi、Na、H、又は別のイオンをさらに含むことができ、80nmから500nmまでの範囲の厚さを有することができる。イオン導電性層(図示せず、電解質層とも呼ばれる)を、第1の電極104と第2の電極106との間に配置することができ、そして20ミクロンから60ミクロンまでの範囲の厚さを有することができる。イオン導電性層は、イオンがそこを通って移動することを可能にし、大量の電子がそこを通過することを認めない。イオン導電性層は、リチウム、アルミニウム、ジルコン、リン、ホウ素有り又は無しのケイ素塩;リチウム有り又は無しのホウ酸塩;リチウム有り又は無しのタンタル酸化物;リチウム有り又は無しのランタニド系の材料;別のリチウム系のセラミック材料;等を含むことができる。イオン導電性層は、任意選択であり、存在するときには、堆積により形成することができる、又は他の層を堆積した後で、第1及び第2の電極104及び106などの2つの異なる層の一部分と反応してイオン導電性層を形成する。この明細書を読んだ後で、層104、106、108、及び110に関する他の組成及び厚さを、本明細書において説明した概念の範囲から逸脱せずに使用することができることを、当業者は認識するだろう。
【0041】
ある実施例では、デバイス100は、反射を減少させるために役立つように反射防止層(図示せず)を含むことができる。反射防止層は、下にある層(下にある層の屈折率をほぼ2.0とすることができる)と清浄な乾燥空気又はAr若しくはNなどの不活性ガス(多くのガスはほぼ1.0の屈折率を有する)との間の屈折率を有することができる。ある実施例では、反射防止層は、1.4から1.6までの範囲の屈折率を有する。反射防止層は、適切な屈折率を有する絶縁性材料を含むことができる。ある特有な実施例では、反射防止層は、シリカを含む。
【0042】
ある実施例では、障壁層(図示せず)を、積層体102の上方に形成することができる。障壁層は、第1の電極層104などの、ボイドの内部に露出した層のうちのいずれかと中間層を接触させないために役立つ。障壁層は、電気的に絶縁性層を含むことができる。障壁層は、酸化物、窒化物、又は酸窒化物を含むことができる。ある特有な実施例では、障壁層は、SiOx、SiNx、SiOxNy、AlOx、TiOx、TiNx、TiOxNy、又はこれらの任意の組合せを含むことができる。酸化物及び窒化物に関して、xは化学量論的な値又は化学量論的な値の50%以内の値を表すことができ、そして酸窒化物に関して、x及びyを、所望の屈折率を実現するために選択することができる。ある実施例では、障壁層は、少なくとも10nm、少なくとも12nm、又は少なくとも15nmの厚さを有し、もう1つの実施例では、障壁層500は、厚くても90nm、厚くても70nm、又は厚くても50nmの厚さを有する。障壁層を、ゾル・ゲル・プロセス、スピン-オン・コーティング、原子層堆積、等を使用して形成することができる。ある特有な実施例では、中間層がボイドの側壁に沿った層と接触することがあるので、物理気相堆積、プラズマ化学気相堆積、等などの方向性堆積方法を使用しないことがある。
【0043】
実施例に従って電気活性デバイスを修復する方法300を図示するフロー・チャートが、図3に図示される。ある特有な実施例では、方法は、電気活性デバイス内の欠陥の位置を特定するステップ302と、欠陥の位置に対応する得られる軽減されたエリアが第1の電極に対応する材料が基本的にないように欠陥に対応する位置のところの電気活性デバイスの積層体から第1の電極を除去するステップ304とを含むことができる。ある実施例では、積層体の電気活性層及び第2の電極は、積層体から第1の電極を除去するステップ304の後で軽減されたエリアの内部では機能的なままであってもよい。
【0044】
ある実施例では、欠陥の位置を特定するステップ302は、目視検査を通して起きることがある。例えば、欠陥は、人間の目に見える又は1つ若しくは複数のツール若しくはシステムの使用と合わせて視認することができる。もう1つの実施例では、欠陥の位置を特定するステップ302を、機器を用いて実行することができる。
【0045】
ある実施例では、第1の電極を除去するステップ304を、フル・スペクトル・レーザを用いて実行することができる。より特有な実施例では、レーザは、200fsと1500fsとの間、250fsと1250fsとの間、又は300fsと1000fsとの間のパルス幅で動作する。短いレーザ・パルスの使用は、電気活性層108又はイオン貯蔵層110の内部での熱の発生及び蓄積を防止することができる。短いレーザ・パルスの使用は、第1の電極104と、電気活性層108と、イオン貯蔵層110との間で相互混合すること又は溶融することを防止することができ、これにより、軽減されたエリア112を機能的な状態に維持する。
【0046】
ある実施例では、レーザは、450nmと600nmとの間、500nmと550nmとの間、又は510nmと525nmとの間の波長で動作する。より特有な実施例では、レーザは、ほぼ515nmの波長で動作する。
【0047】
ある実施例では、レーザは、全体の除去304ステップ中に同じパルス幅で動作する。もう1つの実施例では、レーザは、全体の除去304ステップ中に同じ波長で動作する。ある別の実施例では、レーザを、可変パルス幅、可変波長、又はこれらの組合せで動作させることができる。
【0048】
ある実施例では、軽減されたエリアを形成するために、レーザをいずれか第1の電極又は第2の電極の上に使用することができる。積層体102が基板を覆いそして修復が基板に近い電極上で必要である事例では、基板を通して第1の電極又は第2の電極にレーザを当てることができる。基板からの積層体102の除去は、本明細書において説明した実施例によれば、欠陥を修復するために必要ないことがある。
【0049】
第1の電極を除去するステップ304の後で、電気活性デバイスを、白くされた状態とティントされた状態との間で又は2つ以上のティントされた状態同士の間で動作上で切り替えることができる。ある種の事例では、電気活性デバイスの動作は、軽減されたエリア内にティント勾配を作り出すことができる。
【0050】
図4は、実施例による軽減されたエリア402の部分をともなう電気活性デバイス400の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図示する。電気活性デバイスは、電気活性層408及びイオン貯蔵層410によって互いに隔てられた第1の電極404及び第2の電極406を含む。図示したように、軽減されたエリア402は、第2の電極406、電気活性層408、及びイオン貯蔵層410を含むことができる。電気活性デバイス400には、第1の電極404が基本的にないことがある。さらに、軽減されたエリア402は、前に説明したように、電気活性デバイス400の機能エリアに対応することがある。
【0051】
軽減されたエリア402が、図4に部分的に図示され、そして図示した画像を超えて左に続く。図示したように、第1の電極404の表面122は、軽減されたエリア402内部の第1の電極404を除去するために、それに沿ったレーザ操作の結果として直線でないことがある。
【0052】
「実施例1」、第1の電極及び第2の電極と、上記第1の電極と上記第2の電極との間に配置された電気活性層とを備える積層体を具備する電気活性デバイスであって、上記積層体は、上記第1の電極に対応する材料が基本的にない軽減されたエリアを備え、上記第2の電極及び上記電気活性層の少なくとも一部分が、上記軽減されたエリアに包含されるので、機能的である、電気活性デバイス。
【0053】
「実施例2」、上記第2の電極及び上記電気活性層の全エリアが、上記軽減されたエリア内で測定されるので、機能的である、実施例1に記載の電気活性デバイス。
【0054】
「実施例3」、上記軽減されたエリアが、境界線を画定し、上記第1の電極と上記第2の電極との間の電流流路が上記軽減されたエリアの上記境界線を通過する、実施例1又は2に記載の電気活性デバイス。
【0055】
「実施例4」、上記軽減されたエリア内部の上記第1の電極と上記第2の電極との間の電流流路が、上記積層体に垂直な方向から角度的にオフセットされる、実施例1から3までのいずれか一項に記載の電気活性デバイス。
【0056】
「実施例5」、上記角度オフセットが、少なくとも0.5°、少なくとも1°、少なくとも2°、少なくとも3°、少なくとも4°、少なくとも5°、少なくとも8°、又は少なくとも10°である、実施例4に記載の電気活性デバイス。
【0057】
「実施例6」、上記軽減されたエリアは、上記電気活性デバイスがティントされた状態であるときにティント勾配を規定する、実施例1から5までのいずれか一項に記載の電気活性デバイス。
【0058】
「実施例7」、上記ティント勾配が、最小ティント及び最大ティントを規定し、上記最小ティントが、上記最大ティントに比べて上記軽減されたエリアの中央領域のより近くに配置される、実施例6に記載の電気活性デバイス。
【0059】
「実施例8」、上記第1の電極が、上記軽減されたエリアと境を接する表面を有し、上記第1の電極の上記表面が、上記積層体に全体として垂直である、実施例1から7までのいずれか一項に記載の電気活性デバイス。
【0060】
「実施例9」、上記電気活性デバイスのティント時間が、上記軽減されたエリアに隣接する上記電気活性デバイスのエリアに比べて、上記軽減されたエリアでは大きい、実施例1から8までのいずれか一項に記載の電気活性デバイス。
【0061】
「実施例10」、上記軽減されたエリアは、上記積層体に垂直な方向に見たときに全体として長方形の形状を備える、実施例1から9までのいずれか一項に記載の電気活性デバイス。
【0062】
「実施例11」、上記軽減されたエリアは、上記積層体に垂直な方向に見たときに全体として円形の形状を備える、実施例1から10までのいずれか一項に記載の電気活性デバイス。
【0063】
「実施例12」、上記第1の電極が、第1のバス・バーに電気的につなげられ、上記第2の電極が、第2のバス・バーに電気的につなげられる、実施例1から11までのいずれか一項に記載の電気活性デバイス。
【0064】
「実施例13」、ティント勾配を有する領域を備える電気活性デバイスであって、上記領域が、上記電気活性デバイスのバス・バーから間隔を空けられる、電気活性デバイス。
【0065】
「実施例14」、上記ティント勾配が、最小ティント及び最大ティントを規定し、上記最小ティントが、上記最大ティントに比べて上記軽減されたエリアの中央領域のより近くに配置される、実施例13に記載の電気活性デバイス。
【0066】
「実施例15」、上記電気活性デバイスが、第1の電極、第2の電極、及び上記第1の電極と上記第2の電極との間に配置された電気活性層を含む積層体を備える、実施例13又は14に記載の電気活性デバイス。
【0067】
「実施例16」、上記ティント勾配を有する上記領域が、上記第1の電極に対応する材料が基本的にない、実施例15に記載の電気活性デバイス。
【0068】
「実施例17」、上記第2の電極及び上記電気活性層の少なくとも一部分が、上記ティント勾配を有する上記領域に包含されるので、機能的である、実施例15又は16に記載の電気活性デバイス。
【0069】
「実施例18」、上記ティント勾配を有する上記領域を囲むエリアが、全体として一様なティント状態を含む、実施例13から17までのいずれか一項に記載の電気活性デバイス。
【0070】
「実施例19」、上記電気活性デバイスのティント時間が、上記ティント勾配を有する上記領域に隣接する上記電気活性デバイスのエリアに比べて上記ティント勾配を有する上記領域では大きい、実施例13から18までのいずれか一項に記載の電気活性デバイス。
【0071】
「実施例20」、電気活性デバイスを修復する方法であって、上記電気活性デバイス内の欠陥の位置を特定するステップと、上記欠陥の上記位置に対応し得られる軽減されたエリアが第1の電極に対応する材料が基本的にないように上記欠陥に対応する上記位置のところの上記電気活性デバイスの積層体から上記第1の電極を除去するステップであり、上記積層体の電気活性層及び第2の電極が上記軽減されたエリア内部では機能的なままである、第1の電極を除去するステップとを含む、方法。
【0072】
「実施例21」、上記第1の電極を除去するステップが、フル・スペクトル・レーザを用いて実行される、実施例20に記載の方法。
【0073】
「実施例22」、上記レーザが、200fsと1500fsとの間、250fsと1250fsとの間、又は300fsと1000fsとの間のパルス幅で動作する、実施例21に記載の方法。
【0074】
「実施例23」、上記レーザが、450nmと600nmとの間、500nmと550nmとの間、又は510nmと525nmとの間の波長で動作する、実施例21又は22に記載の方法。
【0075】
「実施例24」、上記レーザが、ほぼ515nmの波長で動作する、実施例21から23までのいずれか一項に記載の方法。
【0076】
「実施例25」、上記欠陥が、上記第1の電極内の短絡を含む、実施例20から24までのいずれか一項に記載の方法。
【0077】
「実施例26」、上記欠陥が、ピンホールを含む、実施例20から25までのいずれか一項に記載の方法。
【0078】
「実施例27」、上記軽減されたエリアのところの上記第1の電極を除去するステップの後で上記電気活性デバイスを動作させるステップをさらに含み、上記電気活性デバイスを動作させるステップが、上記軽減されたエリアのところにティント勾配を作り出す、実施例20から26までのいずれか一項に記載の方法。
【0079】
一般的な説明又は実例において上に説明した作業のすべてが必要とされるとは限らないこと、具体的な作業のうちの一部が必要とされないことがあること、及び1つ又は複数の作業を説明したものに加えて実行することができることに留意されたい。またさらに、作業が列挙されている順番は、必ずしも作業が実行される順番である必要がない。
【0080】
利点、他の長所、及び問題に対する解が、具体的な実施例に関して上に説明されてきている。しかしながら、利点、他の長所、問題に対する解、及び何らかの利点、他の長所、若しくは問題に対する解を生じさせることがある又はより強まってきていることがあるいずれかの特徴は、請求項のいずれか又はすべての重大な特徴、必須の特徴、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0081】
本明細書において説明した実施例の明細及び図は、様々な実施例の構造の一般的な理解を提供するためのものである。明細及び図は、本明細書において説明した構造又は方法を使用する装置及びシステムの要素及び特徴のうちのすべての網羅的であり包括的な説明として働くものではない。別々の実施例もまた、単一の実施例に組合せで形成することができ、そして逆に、簡潔のために単一の実施例の文脈で説明される様々な特徴もまた、別々に又は任意の部分的な組合せで与えることができる。さらに、範囲で述べた値に対する参照は、その範囲内の各々の値及びすべての値を含む。多くの他の実施例が、この明細書を読んだ後にだけ当業者には明らかなことがある。他の実施例を、開示から使用しそして導き出すことができ、その結果、構造的な置き換え、論理的な置き換え、又は他の変更を、開示の範囲から逸脱せずに行うことができる。したがって、開示は、限定的であるというよりは例示的であると考えるべきである。
図1
図2
図3
図4