IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 瑞光(上海)電気設備有限公司の特許一覧 ▶ 株式会社瑞光の特許一覧

<>
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図1
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図2
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図3
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図4
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図5
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図6
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図7
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図8
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図9
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図10
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図11
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図12
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図13
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図14
  • 特許-使い捨て衛生用品の折畳装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】使い捨て衛生用品の折畳装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20230405BHJP
【FI】
A61F13/15 356
A61F13/15 370
A61F13/15 380
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021560731
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 CN2020084157
(87)【国際公開番号】W WO2020207461
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】201910292032.6
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920491298.9
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521448422
【氏名又は名称】瑞光(上海)電気設備有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】徐 毅
(72)【発明者】
【氏名】白石 安紀
(72)【発明者】
【氏名】藤田 英生
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-235314(JP,A)
【文献】特許第6026060(JP,B1)
【文献】特開2015-96439(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008001246(DE,A1)
【文献】特開2015-67390(JP,A)
【文献】実開昭62-144270(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15
B65H45/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て衛生用品を表裏両側から挟んだ状態で第1経路に沿って当該使い捨て衛生用品を搬送するとともに、前記第1経路の終端に設けられた導出口を有する第1搬送部と、
前記使い捨て衛生用品を表裏両側から挟んだ状態で前記第1経路の終端から前記第1経路と交差する方向に延びる第2経路に沿って前記使い捨て衛生用品を搬送するとともに、前記第2経路の始端に設けられた導入口を有する第2搬送部と、
折畳部材を有する折畳機構であって、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間で前記使い捨て衛生用品を折り畳むための折畳機構と、
前記折畳部材に連結され、前記折畳部材が折畳位置と退避位置との間で前記第2経路に沿って往復直線運動するように前記折畳部材を駆動するための駆動機構であって、前記折畳位置は、前記第2経路の方向に沿って前記折畳部材の一部を前記導入口に押し込むことにより前記導出口から送り出された前記使い捨て衛生用品を折り畳むとともに、折り畳んだ使い捨て衛生用品を前記導入口内に案内する位置であり、前記退避位置は、前記折畳部材が前記第2経路と反対の方向に直線運動した後に前記折畳部材を前記導入口から離脱させる位置である駆動機構と、
前記使い捨て衛生用品の基端部が前記第1搬送部によって表裏両側から挟まれた状態で、前記第1経路の延長方向にて、又は前記第1経路の延長線を基準にして、前記導出口から導出された前記使い捨て衛生用品の先端部を前記第2搬送部の反対側へ案内する案内機構と、を備え、
前記駆動機構は、複数のプーリと、当該複数のプーリのいずれかに直接連結された少なくとも1つのサーボモータと、環状の経路に沿って前記複数のプーリの外周に架け渡された同期ベルトと、を備え
前記折畳機構は、前記同期ベルトと前記折畳部材を連結する連動部材と、前記環状の経路の外側で、且つ、前記折畳部材を基準として前記同期ベルト及び前記プーリと反対側に配置されて、前記折畳部材の直線往復運動と協動するための複数のローラとを有し、
前記複数のローラは、前記折畳部材と正接して転動するとともに、前記折畳部材の直線往復運動の方向において前記連動部材から離れた位置に設けられたローラを含む、使い捨て衛生用品の折畳装置。
【請求項2】
前記同期ベルトは歯付きベルトであり、前記プーリは歯付きプーリである請求項1に記載の使い捨て衛生用品の折畳装置。
【請求項3】
前記同期ベルトの芯線は炭素繊維材料を用いた請求項1又は2に記載の使い捨て衛生用品の折畳装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記環状の経路における前記同期ベルト側の幅方向の両側にそれぞれ設けられ、前記折畳部材の直線往復運動中に前記同期ベルトのズレを補正するように誘導するための誘導ローラをさらに備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用品の折畳装置。
【請求項5】
前記複数のローラは、前記折畳部材の直線運動の方向において互いに異なる位置に2組配置されており、各組がそれぞれ複数のローラを含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用品の折畳装置。
【請求項6】
前記連動部材には被検知部がさらに取り付けられ、
前記折畳機構は前記被検知部を通して前記折畳部材の位置を検出できる第1センサ、第2センサ及び第3センサをさらに有し、前記第1センサは前記折畳部材の下限位置を検出するためのものであり、前記第2センサは前記折畳部材の上限位置を検出するためのものであり、前記第3センサは前記折畳部材の原点回帰位置を検出するためのものである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用品の折畳装置。
【請求項7】
前記折畳部材は、Y字型の板状構造であり、前記同期ベルトに取付けられる取付部と、
前記導入口内に押し込まれて前記使い捨て衛生用品を折り畳む折畳部と、を備え、前記取付部の幅が前記折畳部の幅よりも小さい請求項1乃至のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用品の折畳装置。
【請求項8】
前記駆動機構はエンコーダの同期信号又はカム曲線を用いて制御される請求項1乃至のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用品の折畳装置。
【請求項9】
前記第2経路は前記第1経路に対して垂直であり、前記使い捨て衛生用品はフラットな状態で前記折畳部材によって折り畳まれる請求項1乃至のいずれか一項に記載の使い捨て衛生用品の折畳装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て衛生用品の製造装置の分野に属し、特に紙おむつや婦人衛生パンティ等の製造装置の分野、具体的には使い捨て衛生用品の折畳装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の使い捨て衛生用品の折畳方法及び装置では、同一方向に移動する一対の搬送面によって形成された搬送部が使い捨て衛生用品を搬送し、折畳部材が搬送されている使い捨て衛生用品の中央部を押し込むことによって使い捨て衛生用品を折り畳んでいる。
【0003】
中国特許公開番号CN203568565Uの特許文献「シート状構造物の折畳装置」は、折畳部材が板部材であり、当該折畳部材は、回転軸の回転軸心と同軸に配置された円盤部と、円盤部からその径方向の外側に突出する一対のブレードとを有し、両ブレードが回転軸の回転軸心周りで180°の間隔を開けて配置され、折畳部材が駆動機構によって退避位置と折畳位置とを順次経由するように回転駆動されることを開示している。退避位置は、両ベルトユニット(第1搬送部)の導出口から導出されたシート状物品との接触を避ける位置である。折畳位置は、導出口から導出されたシート状物品に対する両ベルトユニット(第2搬送部)とは反対側の位置(上側の位置)から導入口内に折畳部材の一部(ブレード)を押し込むことによりシート状物品を折り畳むとともに、折り畳まれたシート状物品を導入口内に案内する位置である。
【0004】
折畳部材はブレードであり、ブレードは、第2搬送部に垂直な方向の回転軸の周りを回転し、折り畳むときにシート状物品の中央部に当接する。シート状物品は搬送部に押し込まれるため、ブレードの回転に伴って、シート状物品とブレードは、搬送方向と交差する方向に相対移動して摩擦力を発生させ、シート状物品におけるしわ発生の原因となって、折り畳まれたシート状物品の美観が損なわれる。
【発明の概要】
【0005】
上述のように、上記特許文献に開示されたシート状構造物の折畳装置では、折畳部材と折り畳まれるシート状物品とで摩擦が生じるため、シート状物品にしわが発生し、折り畳まれたシート状物品の外観に影響を及ぼす。そして、ブレードが回転軸の回転軸心周りで180°の間隔を開けて配置されており、即ち2枚のブレード(折畳部材)がシート状物品を交互に折り畳むため、折り畳む速度が限られ、高速に折り畳むことができない。
【0006】
そこで、本発明は、使い捨て衛生用品が折り畳まれるときにしわが発生して、折り畳まれたシート状物品の外観に影響を及ぼすことを回避可能な使い捨て衛生用品の折畳装置を提供する。
【0007】
そして、本発明は、高速折り畳みを実現できる使い捨て衛生用品の折畳装置を提供する。
【0008】
本発明は、さらに、折畳装置に対して簡単な調整を行うことで、異なるサイズの使い捨て衛生用品に対応できる使い捨て衛生用品の折畳装置を提供する。
【0009】
そして、本発明は、さらに、高速折り畳み中であっても折畳装置の揺れを回避できる使い捨て衛生用品の折畳装置を提供する。
【0010】
本発明は、使い捨て衛生用品を表裏両側から挟んだ状態で第1経路に沿って当該使い捨て衛生用品を搬送するとともに、前記第1経路の終端に設けられた導出口を有する第1搬送部と、前記使い捨て衛生用品を表裏両側から挟んだ状態で前記第1経路の終端から前記第1経路と交差する方向に延びる第2経路に沿って前記使い捨て衛生用品を搬送するとともに、前記第2経路の始端に設けられた導入口を有する第2搬送部と、折畳部材を有する折畳機構であって、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間で前記使い捨て衛生用品を折り畳むための折畳機構と、前記折畳部材に連結され、前記折畳部材が折畳位置と退避位置との間で前記第2経路に沿って往復直線運動するように前記折畳部材を駆動するための駆動機構であって、前記折畳位置は、前記第2経路の方向に沿って前記折畳部材の一部を前記導入口に押し込むことにより前記導出口から送り出された前記使い捨て衛生用品を折り畳むとともに、折り畳んだ使い捨て衛生用品を前記導入口内に案内する位置であり、前記退避位置は、前記折畳部材が前記第2経路と反対の方向に直線運動した後に前記折畳部材を前記導入口から離脱させる位置である駆動機構と、前記使い捨て衛生用品の基端部が前記第1搬送部によって表裏両側から挟まれた状態で、前記第1経路の延長方向にて、又は前記第1経路の延長線を基準にして、前記導出口から導出された前記使い捨て衛生用品の先端部を前記第2搬送部の反対側へ案内する案内機構と、を備える使い捨て衛生用品の折畳装置を提供している。前記駆動機構は、複数のプーリと、当該複数のプーリのいずれかに直接連結された少なくとも1つのサーボモータと、環状の経路に沿って前記複数のプーリの外周に架け渡された同期ベルトと、を備え、前記折畳機構は、前記同期ベルトと前記折畳部材を連結する連動部材と、前記環状の経路の外側で、且つ、前記折畳部材を基準として前記同期ベルト及び前記プーリと反対側に配置されて、前記折畳部材の直線往復運動と協動するための複数のローラとを有し、前記複数のローラは、前記折畳部材と正接して転動するとともに、前記折畳部材の直線往復運動の方向において前記連動部材から離れた位置に設けられたローラを含む
【0011】
上記「表裏両側」とは、使い捨て衛生用品の外を向いた側のうち、一方側及びその反対側の両側をいう。
【0012】
上記駆動機構は、前記折畳部材を直線往復運動させることができる構成であればよく、通常、ばね等の押圧部材と押圧力に応じて折畳部材を移動させるモータとの組合せ、及び、モータと連結機構の組合せ等であればよい。本発明では、駆動装置としてサーボモータを使用することにより、使い捨て衛生用品のサイズ変更時に折畳部材の往復移動のタイミングや移動範囲等の変更により容易に対応でき、高速化を実現できる。高速化については、後述する。
【0013】
折畳機構における折畳部材は駆動機構に連結しており、駆動機構は、いずれかのプーリに直接連結されたサーボモータと環状の経路に沿ってプーリの外周に架け渡された同期ベルトとの組合せであることが好ましい。この場合、同期ベルトのプーリのうちの少なくとも1つがサーボモータによって駆動し、駆動機構は同期ベルトの形式を採用しているので、折畳部材を第2搬送部と一致する方向に沿って素早く往復直線運動させることができ、これにより、折畳機構全体が摩耗せず、且つ構造が簡単でコストが低くなる。
【0014】
駆動機構はいずれかのプーリに直接連結されたサーボモータを採用しているので、サーボモータを正転及び逆転させることで、プーリの外周に設置された同期ベルトによって折畳部材を第2搬送部と一致する方向において直線往復運動させることができる。そして、サーボモータの回転範囲を制御することで、同期ベルトに臨む折畳部材の協動位置を変更することができ、折畳部材の往復直線運動の範囲を変更することができ、そして、衛生用品のサイズの変更により対応しやすくなる。
【0015】
前記同期ベルトは歯付きベルトであり、これに対応して、プーリも歯付きプーリを採用することが好ましい。前記同期ベルトの芯線は炭素繊維材料を用いることがさらに好ましく、高速状態での軽量化特性を満たす。又、前記駆動機構は、環状の経路における同期ベルト側の幅方向の両側にそれぞれ設けられ、折畳部材の直線往復運動中に前記同期ベルトのズレを補正するように誘導するための誘導ローラをさらに備えることが好ましい。
【0016】
前記複数のローラは、前記折畳部材の直線運動の方向において互いに異なる位置に2組配置されており、各組がそれぞれ複数のローラを含むことが好ましい
【0017】
前記折畳機構は、前記同期ベルトと前記折畳部材を連結する連動部材をさらに有することが好ましい。前記連動部材には被検知部がさらに取り付けられ、前記折畳機構は被検知部を通して前記折畳部材の位置を検出できる第1センサ、第2センサ及び第3センサをさらに有し、前記第1センサは前記折畳部材の下限位置を検出するためのものであり、前記第2センサは前記折畳部材の上限位置を検出するためのものであり、前記第3センサは前記折畳部材の原点回帰位置を検出するためのものである。この場合、第1センサ、第2センサ及び第3センサによって被検知部の位置を検出してもよいし、折畳部材の先端部等を直接検出してもよい。被検知部は、往復移動する材料上に設けてもよいし、協動部材以外の、折畳部材又は同期ベルトの適切な位置に設けてもよい。このような構成により、折畳部材はサーボモータの駆動によって、第2経路の方向に沿った往復直線運動での正確な位置決めが行われ、折畳位置と退避位置との間での第2経路方向に沿った往復直線運動が実現される。
【0018】
前記折畳部材は、Y字型の板状構造であり、前記同期ベルトに取付けられる取付部と、前記導入口内に押し込まれて前記使い捨て衛生用品を折り畳む折畳部と、を備え、前記取付部の幅が前記折畳部の幅よりも小さいことが好ましい。この特殊な設置は、前記折畳部材が運動するときのバランス問題を考慮したものであり、高速運動時には揺れが発生しない。
【0019】
前記駆動機構はエンコーダの同期信号又はカム曲線を用いて制御されることが好ましい。
【0020】
前記第2経路は前記第1経路に対して垂直であり、前記使い捨て衛生用品は、フラットな状態で前記折畳部材によって折り畳まれることが好ましい。これにより、しわ発生が容易に起こらず、使い捨て衛生用品の折り畳みに有利であるとともに、しわによって生じる使い捨て衛生用品の非対称的な折り畳みや寸法偏りの問題を回避することができる。
【0021】
本発明の使い捨て衛生用品の折畳装置によれば、使い捨て衛生用品の折り畳み中に生じるしわを回避することができ、折り畳み効果が有効に保たれる。そして、当該折畳装置は構造が簡単で制御しやすく、且つ折畳位置と退避位置との間での折畳機構の迅速な変換を実現できる。そして、サーボモータによる調整によって異なるサイズの使い捨て衛生用品に対応でき、製品のサイズ変更が簡便になる。それと同時に、折り畳み効率が効果的に確保され、高速折り畳みに適している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施例1における折畳装置の全体構成を示す模式図である。
図2図2は、本発明における使い捨て衛生用品としてのパンツタイプ紙おむつの構成を示す図である。
図3図3は、図2に示すパンツタイプ紙おむつが本発明の折畳装置によって折り畳まれた状態の図である。
図4図4は、実施例1における折畳機構の正面図である。
図5図5は、実施例1における折畳機構の側面図である(主にローラ部分を表す)。
図6図6は、実施例1における折畳機構の側面図である(主に折畳部材とセンサ部分を表す)。
図7図7は、図6の連動部材と折畳部材の取付関係及び構成を示す図である。
図8図8は、実施例1における折畳機構部分の部分図である。
図9図9は、実施例1の折畳装置において、折畳部材が退避位置の1つに駆動された状態の図である(当該位置の折畳部材は、まさに折畳位置に進入しようとしている)。
図10図10は、実施例1の折畳装置において、折畳部材が折畳位置に駆動された状態の図である。
図11図11は、実施例1における折畳機構の斜視図である。
図12図12は、本発明の実施例2における折畳装置の全体構成の模式図である。
図13図13は、実施例2における折畳機構部分の部分図である。
図14図14は、実施例2の折畳装置において、折畳部材が退避位置の1つに駆動された状態の図である(当該位置の折畳部材は、まさに折畳位置に進入しようとしている)。
図15図15は、実施例2の折畳装置において、折畳部材が折畳位置に駆動された状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2及び図3は、本発明の折畳装置によって折り畳まれる使い捨て衛生用品の例示としてのパンツタイプ紙おむつSを示す。使い捨て衛生用品はパンツタイプ紙おむつに限定されず、テープタイプ紙おむつ、婦人衛生パンティ等の使い捨て衛生用品であってもよい。
【0024】
パンツタイプ紙おむつSは、尿を吸収するための吸収本体S1と、吸収本体S1につながる弾性ウェストS2とを備える。後述する折畳装置1は、パンツタイプ紙おむつSの長手方向の中央位置に設定された折り線S3に沿って、パンツタイプ紙おむつSを折り畳むためのものである。本明細書では、折り線S3がパンツタイプ紙おむつSの長手方向の中央位置に設定される場合を例として説明するが、具体的に実施する際には、折り線S3を使い捨て衛生用品の任意の位置に設定することができる。図3は、パンツタイプ紙おむつSが折畳装置1によって折り畳まれた状態を示す。尚、パンツタイプ紙おむつSを図2から図3に折り畳む過程において、パンツタイプ紙おむつSの弾性ウェストS2の両側の折り畳みは、本折畳装置1の前段の工程で行われるのであって、本発明の折畳装置1によって折り畳まれて形成されるのではない。本発明の折畳装置1は、折り線S3に従ってパンツタイプ紙おむつSを折り畳む。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明の実施例1における折畳装置の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の折畳装置1は、パンツタイプ紙おむつSを搬送する搬送機構2と、搬送機構2によって搬送されたパンツタイプ紙おむつSを折り畳む折畳機構3と、折畳機構3によって折り畳み易い姿勢となるようにパンツタイプ紙おむつSを案内する案内機構4と、搬送機構2、折畳機構3及び案内機構4を支持する支持部5とを備える。
【0026】
搬送機構2は、第1ベルトユニット6と、第1ベルトユニット6との間でパンツタイプ紙おむつSを搬送する第2ベルトユニット7と、第2ベルトユニットとの間でパンツタイプ紙おむつSを搬送する第3ベルトユニット8と、第3ベルトユニット8との間でパンツタイプ紙おむつSを搬送する第4ベルトユニット9と、第4ベルトユニット9との間でパンツタイプ紙おむつSを搬送する第5ベルトユニット10とを備える。
【0027】
第1ベルトユニット6は、第1ベルト6aと、環状の経路に沿って第1ベルト6aを架け渡すための複数の第1プーリ6b~6eとを備える。第1ベルト6aは、第1プーリ6b~6eに架け渡された状態において、水平方向と平行な第1経路R1に沿って配置された部分を有する。ここで、平行とは、第1経路R1が水平方向とほぼ平行又は実質的に平行なことも含む。
【0028】
第2ベルトユニット7は、第2ベルト7aと、環状の経路に沿って第2ベルト7aを架け渡すための複数の第2プーリ7b~7eとを備える。第2ベルト7aは、第2プーリ7b~7eに架け渡された状態において、第1経路R1に沿って配置された部分と、第1経路R1に対して傾斜する第2経路R2に沿って配置された部分とを有する。ここで、図8に示すように、第2経路R2は、第1経路R1の終端から第1経路R1と交差する方向に延びる経路である。第2経路R2と、第1経路R1に直交する直交線R12とがなす挟み角は傾斜角度Aである。
【0029】
図1を参照して、第3ベルトユニット8は、第3ベルト8aと、環状の経路に沿って第3ベルト8aを架け渡すための複数の第3プーリ8b~8fとを備える。第3ベルト8aは、第3プーリ8b~8fに架け渡された状態において、第2経路R2に沿って配置された部分と、第2経路R2に対して傾斜する第3経路R3に沿って配置された部分とを有する。ここで、第3経路R3は第1経路R1と平行であり、ここでの平行も、両者がほぼ平行又は実質的に平行なことを含む。即ち、第3経路R3は、第2経路R2に対して角度C(=角度A+90°)だけ傾斜している。
【0030】
第4ベルトユニット9は、第4ベルト9aと、環状の経路に沿って第4ベルト9aを架け渡すための複数の第4プーリ9b~9dとを備える。第4ベルト9aは、第4プーリ9b~9dに架け渡された状態において、第3経路R3に沿って配置された部分を有する。
【0031】
第5ベルトユニット10は、第5ベルト10aと、環状の経路に沿って第5ベルト10aを架け渡すための複数の第5プーリ10b~10dとを備える。第5ベルト10aは、第5プーリ10b~10dに架け渡された状態において、第3経路R3に沿って配置された部分を有する。
【0032】
第1ベルトユニット6及び第2ベルトユニット7は、第1搬送部2Aを構成し、第1搬送部2Aは、パンツタイプ紙おむつSが表裏両側から挟まれた状態でパンツタイプ紙おむつSを第1経路R1に沿って搬送する。ここで、第1ベルトユニット6と第2ベルトユニット7との間には、第1経路R1の終端に相当する位置に導出口11aが形成されている。
【0033】
第2ベルトユニット7及び第3ベルトユニット8は、第2搬送部2Bを構成し、第2搬送部2Bは、パンツタイプ紙おむつSが表裏両側から挟まれた状態で、導入口11bから第2経路R2に沿ってパンツタイプ紙おむつSを搬送する。ここで、第2ベルトユニット7と第3ベルトユニット8との間には、第2経路R2の始端に相当する位置に導入口11bが形成されているとともに、第2経路R2の終端に相当する位置に導出口11cが形成されている。
【0034】
第3ベルトユニット8、第4ベルトユニット9及び第5ベルトユニット10は、第3搬送部2Cを構成し、当該第3搬送部2Cは、第2搬送部2Bから引き受けたパンツタイプ紙おむつSを第3経路R3に沿って搬送する。ここで、第3経路R3は、その延長線が第2経路R2と交差するように配置されているため、第3搬送部2Cは、第2搬送部2Bの導出口11cから導出されたパンツタイプ紙おむつSを導入口11dから第3経路R3に沿って搬送することができる。これにより、搬送機構2は、パンツタイプ紙おむつSを第1経路R1、第2経路R2及び第3経路R3の順に搬送する。
【0035】
図4及び図5は、本実施例における折畳機構の正面図と側面図をそれぞれ表している。図4及び図5から分かるように、折畳機構3は、第1搬送部2Aの導出口11aと第2搬送部2Bの導入口11bとの間でパンツタイプ紙おむつSを折り畳むためのものである。具体的に、折畳機構3は、パンツタイプ紙おむつSを折り畳むための折畳部材18と、折畳部材18を第2経路R2の方向に沿って往復直線運動するように駆動する駆動機構30とを備える。
【0036】
駆動機構30は、固定部11によって支持部5に固定されたサーボモータ12と、固定部11を介して前記サーボモータ12の出力軸に連結された第1プーリ13と、同様に固定部11におけるサーボモータ12に遠い側に固定された第2プーリ14とを備える。もちろん、第2プーリ14は、サーボモータ12とは独立した別のサーボモータによって直接駆動されることもできるが、本実施例では、1つのサーボモータ12によって駆動する場合のみを例示する。具体的に、第2プーリ14は、支持部16を介して固定部11におけるサーボモータ12に遠い側に取り付けられ、第2プーリ14は、固定部11に対する支持部16の位置を上下に調整することによって同期ベルト15に張力を与えることもできる。第1プーリ13と第2プーリ14は、同期ベルト15によって環状の経路として連結され、一緒に連動する。同期ベルトは歯付きベルトが好ましく、これに対応して、プーリも歯付きプーリを採用している。高速状態での軽量化特性を満たすように、同期ベルトの芯線は炭素繊維材料を含むことが好ましい。駆動機構30は、誘導ローラ21をさらに備え、誘導ローラ21は、環状の経路における同期ベルト15側の幅方向の両側に1つずつ設けられ、2つの誘導ローラ21は固定座によって固定部11に取り付けられ、前記折畳部材18の直線往復運動中に同期ベルト15のズレを補正するように誘導する。
【0037】
本発明では、折り畳みの高速化を実現させるために、駆動機構30に採用される駆動モータ12は、通常のモータではなく、高回転速度で低慣性質量のモータであり、高周波変速、正転及び逆転による往復運動に適している。
【0038】
そして、駆動機構30における第1プーリ13、第2プーリ14はアルミ材料を採用している。本発明で用いるプーリは、相対的に小さいプーリであり、その歯数は80未満であり、相対的に小さいプーリの歯数も相対的に少なく、その質量は相対的に軽い。一般に鉄材料が採用されているが、歯数が80よりも多い相対的に大きいプーリの場合にはアルミ材料が採用される。プーリサイズによる材料の選択は、一般に例えば歯数80を基準に分けられる。即ち、本発明で使用される相対的に小さいプーリは、通常採用される鉄材料ではなく、アルミ材料を採用している。アルミ材料の密度は鉄材料の3分の1しかないので、本発明はタイミングプーリの重量を大幅に軽減し、伝送精度を向上させ、軽量化を実現し、高速運転の場合により適合している。
【0039】
そして、本発明では、環状の経路に従って設けられた同期ベルト15は、層状材料で設計されたものを採用することも考えられ、例えば、本体は高強度のポリウレタンゴム(UR)を、芯線は炭素繊維材料を、歯部は高強度のナイロン帆布を用いることができる。ここで、芯線に炭素繊維材料を用いることも、軽量化を実現して高速化運転に対応するためである。
【0040】
上述のように、駆動機構30において運動に関与する各部材の選択及び材料等は、従来の駆動機構とは異なり、その設置はより軽量化しており、特に高速運転の場合に適合しており、これにより、すばやい往復直線運動が実現される。それと同時に、軽量化設計により、高速運転中に折畳機構全体が摩耗することなく、且つ当該装置は従来の伝動構造に比べて簡単でありコストが低い。
【0041】
折畳部材18は、駆動機構30に連結されており、具体的に、折畳部材18は、同期ベルト15側(ガイドローラ21の反対側)に固定されている。上記の構成により、駆動機構30におけるサーボモータ12が正転及び逆転することによって、折畳部材18は下向き及び上向きの直線運動が実現される。サーボモータ12が時計回りに回転すると、第1プーリ13も時計回りに回転し、折畳部材18は下向きに直線運動して折畳位置に到達し、折畳部材18の一部が第2経路R2の方向に沿って導入口11b内に押し込まれることによって導出口11aから送り出されたパンツタイプ紙おむつSを折り畳み、そして折り畳んだパンツタイプ紙おむつSを導入口11b内の位置に案内し、図10に示す状態となる。サーボモータ12が反時計回りに回転すると、第1プーリ13も反時計回りに回転し、折畳部材18は上向きに直線運動して退避位置に到達でき、折畳部材18が第2経路R2の方向に沿って反対方向に直線運動した後、折畳部材18は導入口11bの位置を離れ、図8に示す状態となる。
【0042】
折畳機構3は、同期ベルト15の内側に配置され、前記折畳部材18に連結された連動部材17をさらに備える。当該連動部材17は同期ベルト15に連結されているため、当該連動部材17における同期ベルト15と連結される側にも歯形が設けられており、当該歯形は同期ベルト15の歯形とマッチングしている。図4及び図6に具体的に示す。折畳部材18は、連動部材17を介して同期ベルト15に連結されている。連動部材17には被検知部27がさらに取り付けられており、被検知部27は後述するセンサによって検知されることが可能である。
【0043】
本発明では、連動部材17は同期ベルト15を臨む面に同期ベルト15の歯形に対応する歯形を有し、連動部材17は、歯形を介して同期ベルト15と結合されるとともに、同期ベルト15を挟んで折畳部材18とともに固定されている。即ち、折畳部材18は、連動部材17上の歯形を介して同期ベルト15に固定され、サーボモータ12に追随して往復運動する。一般的な螺子連結では、高速往復運動時に緩みが発生するが、本発明で採用された歯形マッチング伝動方式では、折畳部材18と同期ベルト15の連結が高速往復運動時に完全に固定されており、高速下で固定が堅牢でないために緩みが発生することはなく、折畳部材18自体の位置がずれないので、高速往復運動時の伝動安定性を確保でき、よって折畳部材18の位置を正確に制御することができる。
【0044】
そして、折畳部材18は、連動部材17を介して同期ベルト15と完全に固定されており、これにより折畳部材18と同期ベルト15が一体として形成されており、サーボモータ12が正転又は逆転すると、一体となった折畳部材18と同期ベルト15が上昇又は下降するので、両者の間に摩耗が発生することもない。
【0045】
図7は、連動部材17と折畳部材18の取り付け関係及び構造を示しており、両者の間にある同期ベルト15を図示していない。図7に示すように、折畳部材18は、Y字型の板状構造であり、取付部18aと、折畳部18bとを備え、同期ベルトに取付られる取付部18aの幅は、導入口11b内に押し込まれることによりパンツタイプ紙おむつSを折り畳む折畳部18bの幅よりも小さい。折畳部18bの幅は、少なくともパンツタイプ紙おむつSの幅の1/2よりも大きく、好ましくはパンツタイプ紙おむつS全体の幅よりも小さくないことである。もちろん、軽量化の要求を満たすために、折畳部18bの幅は大き過ぎてはならない。折畳部18bの幅は、パンツタイプ紙おむつSの幅より大きく、且つパンツタイプ紙おむつSの幅の1.5倍より小さいことが好ましい。
【0046】
折畳部材18がY字型の板状構造であるため、高周波往復運動中には、折畳部材18が高速による揺れ発生を防げるように、パンツタイプ紙おむつSに接触して当該パンツタイプ紙おむつSを折り畳む折畳部18bの幅を少し広く設定することで、折畳部材18の動的バランスを保つことができる。折畳部材18上の取付部位は長孔構造を採用しているので、第2経路R2と同じ方向又は反対方向において同期ベルト15に対する折畳部材18の位置調整が容易になり、異なるサイズのパンツタイプ紙おむつSを折り畳むときの調整も容易になる。
【0047】
図5に示すように、折畳機構3は、折畳部材18における同期ベルト15の歯形に遠い側に配置され、折畳部材18の直線往復運動と協動するための複数のローラ20をさらに備える。ローラ20は上下に2組配置され、各組はいずれも複数のローラを備える。ローラ20の具体的な数量は折畳部材18の長さ及び幅に応じて決めることができ、2組のローラ20は板部材19を介して固定部11に固定されている。ローラ20と折畳部材18は正接関係にあるため転動することができ、高速運転の場合には、折畳部材18をより安定してスムーズに運転させることができる。
【0048】
図11は、折畳機構3の斜視図である。当該図から、サーボモータ12と、第1プーリ13及び第2プーリ14と、同期ベルト15と、連動部材17と、折畳部材18と、ローラ20の位置関係及び連結関係を直観的に見ることができる。
【0049】
折畳機構3は、曲げ部材28によって板部材19に取り付けられた第1センサ24、第2センサ25及び第3センサ26をさらに備える。第1センサ24は、折畳部材18の下限位置を検出するためのものである。第2センサ25は、折畳部材18の上限位置を検出するためのものである。第3センサ26は、折畳部材18の原点回帰位置を検出するためのものである。図1及び図10に示すように、パンツタイプ紙おむつSを折り畳むとき、サーボモータ12の時計回りの駆動によって、連動部材17上の被検知部27は、同期ベルト15とともに第2経路R2の方向に沿って折畳位置に到達するまで移動し、到達したときに、サーボモータ12の回転が停止する。第1センサ24は、折畳位置よりもわずかに第2経路R2の下流側に位置する下限位置に設けられ、正常な場合には、被検知部27は折畳位置に到達すると停止して、第1センサ24によって検出されない。もし被検知部27が第1センサ24に検出されれば、それは被検知部27が折畳位置を超えたことを意味し、このとき、第1センサ24の検出信号を警報信号として、サーボモータ12を停止させる。図1及び図8に示すように、パンツタイプ紙おむつSの折畳が終了した後、サーボモータ12は反時計回りに回転して、連動部材17上の検知部27は、同期ベルト15とともに第2経路R2の方向と反対の方向に沿って退避位置に到達するまで移動し、到達したときに、サーボモータ12は回転を停止する。第2センサ25は、退避位置よりもわずかに第2経路R2から離れた上限位置に設けられ、正常な場合には、被検知部27は退避位置に到達すると停止して、第2センサ25によって検出されない。もし被検知部27が第2センサ25に検出されれば、それは被検知部27が退避位置を超えたことを意味し、このとき、第2センサ25の検出信号を警報信号として、サーボモータ12を停止させる。図1及び図4に示すように、装置を再起動するか、又は折畳機構3をリセットする必要があるときには、連動部材17上の被検知部27は、第3センサ26によって検出されるまで同期ベルト15とともに第2経路R2の方向又は反対の方向に沿って移動し、検出されたときに、折畳機構3の折畳部材18は、初期設定位置に回帰している。この場合、被検知部27がどの方向に沿って移動するかは、リセットする前の折畳部材18の位置によって決まる。
【0050】
駆動機構30は、折畳部材18を駆動して折畳位置と退避位置との間で往復直線運動を行うようにし、当該駆動機構30の制御方式は、エンコーダの同期信号方式又はカム曲線方式を採用することができる。エンコーダの同期信号制御方式を採用したときには、制御システムに折畳位置と退避位置の始動同期信号の値がそれぞれ設定される。サイズが異なる使い捨て衛生用品に対応する同期信号の値は異なっており、折畳装置1が折畳位置の始動同期信号の値を受信したときには、サーボモータ12を起動して時計回りに回転させ、折畳部材18は下向きに直線運動し、つまり、折畳位置に向かう。製造装置の運転速度に合わせて、導出口11aから送り出されたパンツタイプ紙おむつSの折り線S3が第2経路R2の導入口11bに到達するのと同時に、折畳部材18の一部を第2経路R2の方向に沿って導入口11bに押し込むことによって、パンツタイプ紙おむつSを折り畳むとともに、折り畳んだパンツタイプ紙おむつSを導入口11b内の位置に案内する。この場合、折畳部材18の一部が導入口11bに押し込まれる程度は、実際の製品のサイズに応じて調整することができる。パンツタイプ紙おむつSの折り畳みが終了し、折畳装置1が退避位置の始動同期信号の値を受信したときには、サーボモータ12を起動して反時計回りに回転させ、折畳部材18は上向きに直線運動し、つまり、退避位置に向かう。折畳部材18が第2経路の方向とは反対の方向に直線運動した後、折畳部材を導入口11bの位置から離脱させる。折畳機構3を折畳装置1全体のペースに完全に同期させるために、カム曲線制御方式を採用することができ、製品サイズに合うように設計された曲線を制御システムに導入し、サーボモータ12を完全に当該曲線の運動軌跡に従って動作させる。このときのサーボモータ12は折り畳み中に変速する。実際の運転では、必要に応じて当該制御方式を設定することができる。カム曲線を用いた制御方式は、従来のエンコーダの同期信号制御方式よりも正確でシンプルではあるが、カム曲線の設計は煩雑で、製品サイズに合う曲線は異なるサイズの使い捨て衛生用品を折り畳むたびに設計が異なり、つまり、1つのサイズの製品に1つのカム曲線が対応している。
【0051】
又、折畳機構3は、機構全体の第2経路R2に垂直な方向における位置を調整するための調整部22と、機構の先端に取り付けられた保護カバー23とをさらに備える。
【0052】
図8図9は、折畳装置1の部分図を示している。図8図9に示すように、案内機構4は、第1取付部42を介して支持部5に固定されたL字板41と、第2取付部45を介して支持部5に固定された被覆部材44と、L字板41に固定された方向変換部材43とを備える。被覆部材44は、方向変換部材43の上方に位置する。L字板41は、第1経路R1の延長線R11に対して上向きに角度Bだけ傾斜しており、第1経路R1の終端から延びる傾斜線R13に沿って設けられ、即ち、延長線R11と傾斜線R13のなす角度は角度Bである。
【0053】
L字板41は、傾斜線R13に沿って第1取付部42に固定された傾斜部41aと、傾斜部41aの上端部から傾斜線R13と交差するように延びる屈曲部41bとを備える。
【0054】
図9に示すように、方向変換部材43は傾斜部41a上に固定されており、第1搬送部2Aの導出口11aから導出されたパンツタイプ紙おむつSの先端部に接触することにより、パンツタイプ紙おむつSの先端部の移動方向を変換する第1変換面43aと、傾斜線R13に沿って第1変換面43aの上端部から延びるとともに、パンツタイプ紙おむつSを下方から支持する支持面43bとを備える。
【0055】
導出口11aから導出され、第1ベルトユニット6と第2ベルトユニット7によって形成された第1搬送部2Aにより表裏両側から基端部が挟まれた状態のパンツタイプ紙おむつSは、その先端部が第1変換面43aによって第1経路R1の延長線R11を基準として第2ベルトユニット7と第3ベルトユニット8によって形成された第2搬送部2Bから離れる方向に案内される。このような機能を実現するために、第1変換面43aと導出口11aとの間の距離は、パンツタイプ紙おむつSの全長よりも短く設定されている。そして、第1変換面43aは、第1経路R1の延長線R11(図8では左を向く方向)から上向きに傾斜した湾曲面であり、延長線R11と交差している。このため、導出口11aから導出されたパンツタイプ紙おむつSの先端部は第1変換面43aに接触し、図9に示すように、第1経路R1の延長線R11の上側、即ち第1ベルトユニット6及び第2ベルトユニット7の反対側へ案内される。そして、延長線R11の上側に案内されたパンツタイプ紙おむつSの先端部は、支持面43b上に支持されており、これにより、パンツタイプ紙おむつSの先端部は傾斜線R13の方向に配置され、これにより、導入口11bの外側に位置するパンツタイプ紙おむつSに湾曲部分Wが形成される。
【0056】
図8に示すように、被覆部材44は、方向変換部材43を上方から覆う。具体的に、被覆部材44は第2取付部45により支持部5に固定された板部材であり、支持部5は、傾斜線R13に垂直な方向に沿って移動して、方向変換部材43に対する被覆部材44の距離を調節することができる。被覆部材44は、第1搬送部2Aの導出口11aから導出されたパンツタイプ紙おむつSの先端部に接触することにより、パンツタイプ紙おむつSの先端部の移動方向を変換する第2変換面44aをさらに備え、第2変換面44aは方向変換部材43から離れる方向に曲げられており、当該曲げによって、パンツタイプ紙おむつSの先端部は厳密に傾斜線R13に沿って被覆部材44と方向変換部材43との間に進入し、折畳機構3の折り畳みを容易にしている。第2変換面44aは、導出口11aが存在する位置にあり、折畳機構3は、第1搬送部2Aの導出口11aが存在する位置、且つ第2変換面44aの上方に位置する。
【0057】
本実施例では、被検知部27と、第1センサ24、第2センサ25及び第3センサ26とによって折畳部材18の位置を検出するようにしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、サーボモータ12の回転軸の回転角度から折畳部材18の位置を検出することも可能である。
【実施例2】
【0058】
実施例1に対する本実施例の相違点は、搬送機構2’及び案内規制機構4’である。図12は、実施例2における折畳装置の全体構成の模式図である。図12に示すように、本実施例の搬送機構2’は実施例1と同様に、第1ベルトユニット6’と、第1ベルトユニット6’との間でパンツタイプ紙おむつSを搬送する第2ベルトユニット7’と、第2ベルトユニットとの間でパンツタイプ紙おむつSを搬送する第3ベルトユニット8と、第3ベルトユニット8との間でパンツタイプ紙おむつSを搬送する第4ベルトユニット9と、第4ベルトユニット9との間でパンツタイプ紙おむつSを搬送する第5ベルトユニット10とを備える。
【0059】
これらの中で、実施例1と相違する第1ベルトユニット6’は、第1ベルト6a’と、環状の経路に沿って第1ベルト6a’を架け渡すための複数の第1プーリ6b’~6f’とを備える。図12に示すように、第1ベルト6a’における第1プーリ6d’と6e’との間の部分は、第1経路R1’に沿うのではなく、第1経路R1’と角度Eをなして傾斜するように設けられている。このように傾斜して設けることは、パンツタイプ紙おむつSが折畳装置1に進入する最上流側の第1経路R1’に1つの導入開口を開設したことに相当し、これにより、パンツタイプ紙おむつSの先端はより簡単に折畳装置1に進入することができる。そして、第1ベルト6a’は、第1プーリ6b’~6f’に架け渡された状態において、折畳機構3の折畳部材18に垂直な第1経路R1’に沿って配置された部分を有し、図13に示すように、第1経路R1’と折畳部材18とによって形成される角度D=90°である。ここで、垂直とは、第1経路R1’と折畳部材18がほぼ垂直又は実質的に垂直であることも含む。第1経路R1’に沿って延びる延長線R13’のように、パンツタイプ紙おむつSが導入口11bに位置する折畳位置に進入したときに直線状態となる。第1経路R1’が折畳部材18に垂直であるため、直線状態にあるパンツタイプ紙おむつSを垂直な方向から折り畳むことは、折り畳みに対してさらに有利である。このような状態を図14に示す。
【0060】
以下、直線状態にあるパンツタイプ紙おむつSを垂直な方向から折り畳むことが、折り畳みに対してさらに有利である理由を説明する。まず、本発明の折畳装置1に進入する前に、使い捨て衛生用品(本実施例ではパンツタイプ紙おむつS)は既に形成され、且つ1つずつ並べられている。即ち、使い捨て衛生用品は間をおいて並べられている。次に、使い捨て衛生用品は、複数の不織布等の材料を複合して形成され、ある程度の柔軟性を有するシート状織物であり、紙等のある程度の硬さを有する物品とは異なり、伝送中に装置の設置角度の影響を受ける可能性がある。例えば、実施例1では、使い捨て衛生用品の先端は、第1経路R1を通過した後に、案内機構4の方向変換部材43上に進入して張り付くが、第1経路R1と方向変換部材43は同一水平線上に存在するのではなく、ある程度の角度を有しており、使い捨て衛生用品は柔らかいため、その先端が案内機構4の方向変換部材43に進入したとき、軌道を変えることは難しく、しわが発生しやすくなったり、未伸展状態になったりするので、折畳装置によって曲げられた後に、折り畳まれた使い捨て衛生用品の折り畳みが非対称になる状況を引き起こす場合がある。即ち、使い捨て衛生用品の2つの縁が揃わず、一方の縁が長く、他方の縁が短くなる状況を引き起こす場合がある。実施例2の上記の方式を採用すれば、第1経路R1’と案内規制機構4’の方向変換部材43とは同一の水平線上にあるため、製品は第1経路R1’及び方向変換部材43上に「ライ・ストレート」しているので、上記の折り畳みの非対称状況を回避又は少なくとも改善することができる。
【0061】
当該実施例2は、実施例1との相違点として、案内規制機構4’をさらに有する。図13に示すように、案内規制機構4’は、第1取付部42を介して支持部5に固定されたL字板41と、L字板41に固定された方向変換部材43及びブラケット44’と、規制部材45’とを備える。L字板41は、第1経路R1’の延長線R13’と平行に設けられている。
【0062】
L字板41は、第1経路R1’の延長線R13’に沿って第1取付部42に固定された傾斜部41aと、傾斜部41aの上端部から延長線R13’と交差するように延びる屈曲部41bとを備える。
【0063】
方向変換部材43は、傾斜部41aに固定されている。方向変換部材43は、第1搬送部2Aの導出口11aから導出されたパンツタイプ紙おむつSの先端部に接触することにより、パンツタイプ紙おむつSの先端部の移動方向を変換する第1変換面43aと、延長線R13’に沿って第1変換面43aの上端部から延びるとともに、パンツタイプ紙おむつSを下方から支持する支持面43bとを備える。
【0064】
ブラケット44’は、L字板41の屈曲部41bに連結された被取付部44a’と、被取付部44a’に垂直な第3取付部44b’とを備え、被取付部44a’は、導入口11bの位置に面しており、即ち、ブラケット44’もL字構造であり、L字板41の屈曲部41bに固定されている。
【0065】
規制部材45’は、調整取付部45a’と、接触部45b’とを備える。規制部材45’は、調整可能にブラケット44’に取り付けられており、具体的には、調整取付部45a’は、ブラケット44’の第3取付部44b’に連結されている。調整取付部45a’と接触部45b’はL字の屈曲形状を呈しており、接触部45b’は方向変換部材43の位置に向かって折り曲げられている。調整取付部45a’には長穴を設けることができる。導入口11bに位置する折り畳まれる前のパンツタイプ紙おむつSは直線状態であり、接触部45b’はパンツタイプ紙おむつSの先端位置に接触して、パンツタイプ紙おむつSの先端位置を規制する。規制部材45’上の調整取付部45a’の長穴の位置を調整することによって、異なるサイズのパンツタイプ紙おむつSの先端位置に対応する。これにより、例えば、パンツタイプ紙おむつSがMサイズからLサイズに生産が変更されたときには、規制部材45’は、折畳機構3から離れた位置に調整されることにより、Lサイズのパンツタイプ紙おむつSに対応することができる。
【0066】
図14は、本実施例の折畳装置における折畳部材が退避位置の1つに駆動されたときの状態の図を示す。図9に示す実施例1における状態と同様に、この位置において、折畳部材はまさに折畳位置に進入しようとしているが、まだ進入していない。
【0067】
図15は、本実施例の折畳装置1における折畳部材18が折畳位置に駆動されたときの状態の図を示す。図15に示すように、導入口11bから送り出されたパンツタイプ紙おむつSを、第2経路R2の方向に沿って折畳部材18の一部を導入口11b内に押し込むことによって折り畳むとともに、折り畳んだパンツタイプ紙おむつSを導入口11b内の位置に案内して、折畳位置に到達する。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によって提供される使い捨て衛生用品の折畳装置は、使い捨て衛生用品の折り畳み中に生じるしわを回避でき、折り畳み効果を有効に確保するとともに、サーボモータによる調整によって異なるサイズの使い捨て衛生用品に対応でき、異なるサイズの製品の製造を簡便にするとともに、折り畳み効率を効果的に確保し、高速の折り畳みの場合に適し、例えばパンツタイプ及びテープタイプの紙おむつ、婦人衛生パンティ等の使い捨て衛生用品の生産ラインにおいて産業上の応用性を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15