(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230405BHJP
【FI】
G16H10/00
(21)【出願番号】P 2022001677
(22)【出願日】2022-01-07
【審査請求日】2022-01-18
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519261998
【氏名又は名称】日本コンピュータビジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内海 俊洋
(72)【発明者】
【氏名】岡本 周之
(72)【発明者】
【氏名】片桐 正道
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-173572(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0213416(US,A1)
【文献】再公表特許第2019/116679(JP,A1)
【文献】特開2008-242963(JP,A)
【文献】特開2018-124702(JP,A)
【文献】特開2017-091586(JP,A)
【文献】特開2020-078648(JP,A)
【文献】再公表特許第2019/188259(JP,A1)
【文献】川淵 聡,スマートフォンを用いた「食」と「運動」の日常的記録による健康増進支援サービス,情報処理,日本,一般社団法人情報処理学会,2011年10月15日,第52巻, 第11号,1390~1396ページ,ISSN: 0447-8053
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の利用者である対象利用者の現時点における身体情報である現在身体情報
として、当該対象利用者から受け付けた当該対象利用者の身体の少なくとも一部が撮像された対象利用者画像および当該対象利用者の現時点における筋肉量を示す情報、
ならびに、当該現時点から所定時間が経過した後における当該対象利用者の希望する当該対象利用者の身体情報である将来身体情報
として、当該対象利用者による前記対象利用者画像に撮像された当該対象利用者の筋肉に関する加工操作による加工後の前記対象利用者画像を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された
前記対象利用者画像および前記対象利用者の現時点における筋肉量を示す情報、ならびに、前記加工後の前記対象利用者画像に基づいて、
前記加工後の前記対象利用者画像に対応する当該対象利用者の筋肉量を示す情報であって、当該現時点から所定時間が経過した後における当該対象利用者の筋肉量を示す情報を推定し、当該現時点から所定時間が経過した後における当該対象利用者の筋肉量を示す情報、および、当該対象利用者の現時点における筋肉量を示す情報に基づいて、食事を撮影した食事画像に撮像された食品のうち、前記対象利用者に対して摂取を推奨する食品に関する推奨食品情報を推定する推定手順と、
前記推定手順によって推定された推奨食品情報を前記対象利用者に対して提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記推定手順は、
前記対象利用者の食前の前記食事画像と食後の前記食事画像との比較に基づいて、当該対象利用者が摂取した各食品のカロリーを推定し、推定した各食品のカロリーを加算することにより、当該対象利用者が摂取した食事の総カロリーを推定し、推定した前記食事の総カロリーに基づいて、当該対象利用者が摂取すると推定される一日分の食事の総カロリーを推定し、推定した前記一日分の食事の総カロリーと、当該対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーとの比較に基づいて、当該対象利用者に対して実施を推奨する運動に関する推奨運動情報を推定し、
前記提供手順は、
前記推定手順によって推定された推奨運動情報を前記対象利用者に対して提供する、
情報処理プログラム。
【請求項2】
前記推定手順は、
前記対象利用者に対して摂取を推奨しない食品に関する非推奨食品情報を含む前記推奨食品情報を推定する、
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記推定手順は、
前記食事画像に撮像された食品に含まれる栄養素の量を推定し、推定した栄養素の量に基づいて、前記推奨食品情報を推定する、
請求項1または2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記推定手順は、
前記推奨食品情報として、前記対象利用者に対して摂取を推奨する食品の摂取量を推定する、
請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記対象利用者から当該対象利用者の身体の少なくとも一部が撮像された対象利用者画像に対する加工操作を受け付ける受付手順をさらに備え、
前記取得手順は、
前記現在身体情報として、前記受付手順によって受け付けられた加工操作による加工前の前記対象利用者画像および前記対象利用者の現時点における体重または体脂肪率を示す情報を取得し、前記将来身体情報として、前記受付手順によって受け付けられた加工操作による加工後の前記対象利用者画像を取得し、
前記推定手順は、
前記取得手順によって取得された前記加工前の前記対象利用者画像、前記対象利用者の現時点における体重または体脂肪率を示す情報および前記加工後の前記対象利用者画像に基づいて、前記加工後の前記対象利用者画像に対応する前記対象利用者の体重または体脂肪率を示す情報であって、前記現時点から所定時間が経過した後における前記対象利用者の体重または体脂肪率を示す情報を推定し、前記現時点から所定時間が経過した後における前記対象利用者の体重または体脂肪率を示す情報、および、前記対象利用者の現時点における体重または体脂肪率を示す情報に基づいて、前記推奨食品情報を推定する、
請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記推定手順は、
前記推奨食品情報として、飲食店によって提供されるメニューのうち、前記対象利用者に対して摂取を推奨するメニューに関する推奨メニュー情報を推定し、
前記提供手順は、
前記推定手順によって推定された推奨メニュー情報を前記対象利用者に対して提供する、
請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記推定手順は、
前記対象利用者に対して摂取を推奨しないメニューに関する非推奨メニュー情報を含む前記推奨メニュー情報を推定する、
請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記推定手順は、
前記推奨運動情報として、前記対象利用者に対して実施を推奨する運動の運動時間を推定する、
請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記推定手順は、
前記推奨運動情報として、前記対象利用者に対して実施を推奨する運動の種類を推定する、
請求項1~8のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記取得手順は、
前記対象利用者が摂取した食事に関する食事情報および前記対象利用者が実施した運動に関する運動情報をさらに取得し、
前記推定手順は、
前記取得手順によって取得された食事情報および運動情報に基づいて、将来予測される前記対象利用者の身体情報である予測身体情報を推定し、
前記提供手順は、
前記推定手順によって推定された予測身体情報を前記対象利用者に対して提供する、
請求項1~9のいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記推定手順は、
所定の時点における利用者の身体情報、当該利用者が摂取した食事に関する食事情報および当該利用者が実施した運動に関する運動情報が入力された場合に、当該所定の時点から所定時間が経過した後における当該利用者の身体情報を出力するよう学習された機械学習モデルを用いて、前記予測身体情報を推定する、
請求項10に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記推定手順は、
前記予測身体情報として、前記対象利用者の体形、体重、胸囲、腹囲、腰囲、BMI(Body Mass Index)、体脂肪率、筋肉量、基礎代謝量、推定骨量、または、前記対象利用者の身体部位別の体形、体脂肪率もしくは筋肉量を推定する、
請求項10または11に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
処理対象の利用者である対象利用者の現時点における身体情報である現在身体情報
として、当該対象利用者から受け付けた当該対象利用者の身体の少なくとも一部が撮像された対象利用者画像および当該対象利用者の現時点における筋肉量を示す情報、
ならびに、当該現時点から所定時間が経過した後における当該対象利用者の希望する当該対象利用者の身体情報である将来身体情報
として、当該対象利用者による前記対象利用者画像に撮像された当該対象利用者の筋肉に関する加工操作による加工後の前記対象利用者画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された
前記対象利用者画像および前記対象利用者の現時点における筋肉量を示す情報、ならびに、前記加工後の前記対象利用者画像に基づいて、
前記加工後の前記対象利用者画像に対応する当該対象利用者の筋肉量を示す情報であって、当該現時点から所定時間が経過した後における当該対象利用者の筋肉量を示す情報を推定し、当該現時点から所定時間が経過した後における当該対象利用者の筋肉量を示す情報、および、当該対象利用者の現時点における筋肉量を示す情報に基づいて、食事を撮影した食事画像に撮像された食品のうち、前記対象利用者に対して摂取を推奨する食品に関する推奨食品情報を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された推奨食品情報を前記対象利用者に対して提供する提供部と、
を備え、
前記推定部は、
前記対象利用者の食前の前記食事画像と食後の前記食事画像との比較に基づいて、当該対象利用者が摂取した各食品のカロリーを推定し、推定した各食品のカロリーを加算することにより、当該対象利用者が摂取した食事の総カロリーを推定し、推定した前記食事の総カロリーに基づいて、当該対象利用者が摂取すると推定される一日分の食事の総カロリーを推定し、推定した前記一日分の食事の総カロリーと、当該対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーとの比較に基づいて、当該対象利用者に対して実施を推奨する運動に関する推奨運動情報を推定し、
前記提供部は、
前記推定部によって推定された推奨運動情報を前記対象利用者に対して提供する、
情報処理装置。
【請求項14】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
処理対象の利用者である対象利用者の現時点における身体情報である現在身体情報
として、当該対象利用者から受け付けた当該対象利用者の身体の少なくとも一部が撮像された対象利用者画像および当該対象利用者の現時点における筋肉量を示す情報、
ならびに、当該現時点から所定時間が経過した後における当該対象利用者の希望する当該対象利用者の身体情報である将来身体情報
として、当該対象利用者による前記対象利用者画像に撮像された当該対象利用者の筋肉に関する加工操作による加工後の前記対象利用者画像を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された
前記対象利用者画像および前記対象利用者の現時点における筋肉量を示す情報、ならびに、前記加工後の前記対象利用者画像に基づいて、
前記加工後の前記対象利用者画像に対応する当該対象利用者の筋肉量を示す情報であって、当該現時点から所定時間が経過した後における当該対象利用者の筋肉量を示す情報を推定し、当該現時点から所定時間が経過した後における当該対象利用者の筋肉量を示す情報、および、当該対象利用者の現時点における筋肉量を示す情報に基づいて、食事を撮影した食事画像に撮像された食品のうち、前記対象利用者に対して摂取を推奨する食品に関する推奨食品情報を推定する推定工程と、
前記推定工程によって推定された推奨食品情報を前記対象利用者に対して提供する提供工程と、
を含み、
前記推定工程は、
前記対象利用者の食前の前記食事画像と食後の前記食事画像との比較に基づいて、当該対象利用者が摂取した各食品のカロリーを推定し、推定した各食品のカロリーを加算することにより、当該対象利用者が摂取した食事の総カロリーを推定し、推定した前記食事の総カロリーに基づいて、当該対象利用者が摂取すると推定される一日分の食事の総カロリーを推定し、推定した前記一日分の食事の総カロリーと、当該対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーとの比較に基づいて、当該対象利用者に対して実施を推奨する運動に関する推奨運動情報を推定し、
前記提供工程は、
前記推定工程によって推定された推奨運動情報を前記対象利用者に対して提供する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の健康管理を支援するための様々な技術が知られている。例えば、対象者が食事をする様子を撮影装置により撮影し、撮影された画像又は動画から、食事に関する複数の項目を含む食事記録情報を取得および蓄積する。また、対象者の生体データを測定装置により測定し、測定された生体データに関する生体データ情報を蓄積する。そして、蓄積された食事記録情報および生体データ情報から、食事記録情報の各項目と生体データの変動との関連性を分析して関連性データを作成し、作成された関連性データに基づいて食事に関するアドバイスを生成し、生成されたアドバイスを対象者へ提供する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術は、対象者の過去の食事記録情報と生体データ情報とに基づいて生成された食事に関するアドバイスを利用者へ提供するに過ぎないため、利用者の健康管理を適切に支援することができるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の健康管理を適切に支援することができる情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理プログラムは、処理対象の利用者である対象利用者の現時点における身体情報である現在身体情報、および、当該現時点から所定時間が経過した後における当該対象利用者の希望する当該対象利用者の身体情報である将来身体情報を取得する取得手順と、前記取得手順によって取得された現在身体情報および将来身体情報に基づいて、食事を撮影した食事画像に撮像された食品のうち、前記対象利用者に対して摂取を推奨する食品に関する推奨食品情報を推定する推定手順と、前記推定手順によって推定された推奨食品情報を前記対象利用者に対して提供する提供手順と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者の健康管理を適切に支援することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る現在身体情報および将来身体情報の入力を受け付ける受付処理について説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る推奨食品情報の推定処理について説明するための図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る推奨運動情報の推定処理について説明するための図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法が限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.情報処理装置の構成〕
情報処理装置100は、利用者の健康管理を支援する健康管理サービスを利用する利用者が所有し使用する端末装置である。情報処理装置100は、スマートフォンやタブレットPC(Personal Computer)などのモバイル端末であってもよいし、ノートPCやデスクトップPCであってもよい。
【0011】
情報処理装置100は、現時点における利用者の体形等の身体情報および将来における利用者が希望する利用者の体形等の身体情報に基づいて、利用者の身体情報を利用者が希望する身体情報に近づけるために必要な食事や運動に関するアドバイスを提供する。例えば、情報処理装置100は、食事を撮影した食事画像に撮像された食品のうち、利用者に対して摂取を推奨する食品に関する推奨食品情報および利用者に対して摂取を推奨しない食品に関する非推奨食品情報を利用者に対して提供する。
【0012】
図1は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、撮像部150と、制御部160とを有する。
【0013】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、健康管理サービスを提供するサービス提供者によって管理されるサーバ装置との間で情報の送受信を行う。
【0014】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。具体的には、記憶部120は、健康管理サービスに関するアプリケーション等の各種プログラム(情報処理プログラムの一例)を記憶する。
【0015】
(入力部130)
入力部130は、利用者から各種操作が入力される。例えば、入力部130は、タッチパネル機能により表示面(例えば出力部140)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部130は、情報処理装置100に設けられたボタンや、情報処理装置100に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。例えば、入力部130は、画像に対する加工操作を受け付ける。
【0016】
(出力部140)
出力部140は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。出力部140は、制御部160の制御に従って、各種情報を表示する。例えば、出力部140は、受付部161が受け付けた画像を表示する。なお、情報処理装置100にタッチパネルが採用される場合には、入力部130と出力部140とは一体化される。また、以下の説明では、出力部140を画面と記載する場合がある。
【0017】
(撮像部150)
撮像部150は、対象物を撮像するカメラ機能を実現する。撮像部150は、例えば、レンズなどの光学系と、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子とを有する。具体的には、撮像部150は、利用者の操作に従って、画像を撮像する。例えば、撮像部150は、利用者の身体の少なくとも一部が撮像された利用者画像を撮像する。また、撮像部150は、食事を撮像した食事画像を撮像する。
【0018】
(制御部160)
制御部160は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部160は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0019】
制御部160は、受付部161と、取得部162と、推定部163と、提供部164を機能部として有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行してよい。なお、制御部160の内部構成は、
図1に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、各機能部は、制御部160の機能を示したものであり、必ずしも物理的に区別されるものでなくともよい。
【0020】
(受付部161)
図2は、実施形態に係る現在身体情報および将来身体情報の入力を受け付ける受付処理について説明するための図である。受付部161は、処理対象の利用者である対象利用者から、対象利用者の現時点における身体情報である現在身体情報を受け付ける。例えば、受付部161は、現在身体情報の一例として、対象利用者の横半身の体形が撮像された対象利用者画像G11を受け付ける。例えば、受付部161は、撮像部150によって撮像された対象利用者画像G11を受け付ける。また、受付部161は、入力部130を介して、対象利用者から、対象利用者の現在の体重、身長、体脂肪率を示す各数値T11の入力を受け付ける。受付部161は、現在身体情報の一例として、対象利用者によって入力された対象利用者の現在の体重、身長、体脂肪率を示す各数値T11を受け付ける。続いて、受付部161は、現在身体情報を受け付けると、受け付けた現在身体情報を現在身体情報の受付日時に関する情報と対応付けて記憶部120に記憶する。また、出力部140は、受付部161が受け付けた対象利用者画像G11および対象利用者の体重、身長、体脂肪率の各数値T11を画面に表示する。
【0021】
また、受付部161は、対象利用者から、現時点から所定時間が経過した後における対象利用者の希望する対象利用者の身体情報である将来身体情報を受け付ける。受付部161は、対象利用者から、所定時間に対応する期間の設定を受け付けてよい。将来身体情報とは、言い換えると、対象利用者が将来目標とする体形、体重等の身体情報である。
図2に示す例では、受付部161は、対象利用者から、対象利用者が現時点から6か月後において目標とする体形を示す情報を受け付ける。例えば、受付部161は、入力部130を介して、対象利用者から、先に受け付けた対象利用者画像G11に撮像された対象利用者の体形への加工操作を受け付ける。例えば、受付部161は、腹部を凹ませたり、顔の輪郭を小さくしたり、腕や脚を細くしたりする加工操作を受け付ける。続いて、受付部161は、将来身体情報の一例として、対象利用者から受け付けた加工操作による加工後の対象利用者画像G12を受け付ける。また、受付部161は、入力部130を介して、対象利用者から、現在から6か月後において対象利用者が目標とする対象利用者の体重、身長、体脂肪率を示す各数値T12の入力を受け付ける。受付部161は、将来身体情報の一例として、対象利用者によって入力された対象利用者の体重、身長、体脂肪率を示す各数値T12を受け付ける。受付部161は、将来身体情報を受け付けると、受け付けた将来身体情報を将来身体情報の受付日時に関する情報と対応付けて記憶部120に記憶する。また、出力部140は、受付部161が受け付けた加工後の対象利用者画像G12および対象利用者の体重、身長、体脂肪率を示す各数値T12を画面に表示する。なお、受付部161は、先に受け付けた対象利用者の体重、身長、体脂肪率を示す各数値T11および加工後の対象利用者画像G12に基づいて、目標とする体形に対応する対象利用者の体重、身長、体脂肪率を示す各数値T12を推定してもよい。
【0022】
なお、
図2では、受付部161が、現在身体情報の一例として、対象利用者の横半身の体形が撮像された対象利用者画像G11を受け付ける場合について説明したが、受付部161は、対象利用者の身体の少なくとも一部が撮像された対象利用者画像であれば、どのような対象利用者画像を受け付けてもよい。例えば、受付部161は、対象利用者の全身、上半身、下半身、顔、腕、脚、胸部、腹部、臀部、または背中のうち少なくともいずれかが撮像された対象利用者画像を受け付ける。また、受付部161は、任意の方向から対象利用者を撮像した対象利用者画像を受け付けてよい。例えば、受付部161は、正面方向、横向き方向または背面方向のいずれの方向から対象利用者を撮像した対象利用者画像を受け付けてもよい。
【0023】
また、
図2では、受付部161が、現在身体情報および将来身体情報の一例として、対象利用者によって入力された対象利用者の体重、身長、体脂肪率を示す各数値を受け付ける場合について説明したが、受付部161は、対象利用者の身体情報を示す情報であれば、どのような情報を受け付けてもよい。例えば、受付部161は、対象利用者の体重、胸囲、腹囲、腰囲、BMI(Body Mass Index)、体脂肪率、筋肉量、基礎代謝量、推定骨量、または、対象利用者の身体部位別の体脂肪率もしくは筋肉量を示す各数値を受け付けてよい。また、受付部161は、対象利用者の全身の体形のみならず、対象利用者の身体の特定の部位の体形(例えば、顔の形状、腕の形状、脚の形状など)が撮像された画像を受け付けてよい。また、受付部161は、対象利用者の全身のみならず、対象利用者の身体の特定の部位の体形への加工操作を受け付けてよい。
【0024】
また、
図2では、受付部161が、対象利用者から、対象利用者画像G11に撮像された対象利用者の腹部を凹ませたり、顔の輪郭を小さくしたり、腕や脚を細くしたりする加工操作を受け付ける場合について説明したが、受付部161は、対象利用者から、対象利用者の体形へのその他の加工操作を受け付けてよい。具体的には、受付部161は、対象利用者から、対象利用者画像G11に撮像された対象利用者の体形を筋肉質に加工する加工操作を受け付けてよい。例えば、受付部161は、対象利用者から、対象利用者画像G11に撮像された対象利用者の上腕二頭筋、三角筋、腹筋、または大胸筋などの各筋肉を大きくする加工操作や、各筋肉を好きなデザインにする加工操作を受け付けてよい。
【0025】
また、受付部161は、対象利用者から、食事画像を受け付ける。例えば、受付部161は、撮像部150によって撮像された食事画像を受け付ける。例えば、受付部161は、複数の食品が撮像された食事画像を受け付ける。ここで、食品は、食材そのものであってもよいし、食材を調理した料理であってもよい。
【0026】
(取得部162)
取得部162は、対象利用者の現時点における身体情報である現在身体情報、および、現時点から所定時間が経過した後における対象利用者の希望する対象利用者の身体情報である将来身体情報を取得する。取得部162は、受付部161が受け付けた現在身体情報および将来身体情報を取得する。具体的には、取得部162は、受付部161が食事画像を受け付けた場合に、対象利用者の現在身体情報および将来身体情報を取得する。より具体的には、取得部162は、受付部161が食事画像を受け付けた場合に、記憶部120を参照して、対象利用者の現在身体情報および将来身体情報を取得する。
【0027】
(推定部163)
推定部163は、取得部162によって取得された現在身体情報および将来身体情報に基づいて、食事を撮影した食事画像に撮像された食品のうち、対象利用者に対して摂取を推奨する食品に関する推奨食品情報を推定する。ここで、推奨食品情報には、対象利用者に対して摂取を推奨しない食品に関する非推奨食品情報が含まれてよい。すなわち、推定部163は、推奨食品情報または非推奨食品情報のうち一方のみを推定してもよく、推奨食品情報および非推奨食品情報の双方を推定してもよい。
【0028】
具体的には、推定部163は、受付部161が食事画像を受け付けた場合に、記憶部120を参照して、対象利用者の現在身体情報および将来身体情報を取得する。続いて、推定部163は、取得した対象利用者の現在身体情報および将来身体情報に基づいて、設定された期間内に対象利用者が摂取すべき各栄養素の量を推定する。ここで、対象利用者が摂取すべき各栄養素の量には、脂質、炭水化物、たんぱく質、ビタミン、ミネラル等の各栄養素の量に加えて、食品のカロリーが含まれる。例えば、推定部163は、対象利用者の現在の体重と将来の目標体重との差分に基づいて、設定された期間内に対象利用者が摂取すべきカロリーを推定する。また、例えば、推定部163は、対象利用者の現在の体脂肪率と将来の目標体脂肪率との差分に基づいて、設定された期間内に対象利用者が摂取すべき脂肪の量を推定する。また、例えば、推定部163は、対象利用者の現在の筋肉量と将来の目標筋肉量との差分に基づいて、設定された期間内に対象利用者が摂取すべきたんぱく質の量を推定する。
【0029】
続いて、推定部163は、設定された期間内に対象利用者が摂取すべき栄養素の量に基づいて、設定された期間において対象利用者が摂取すべき一日分の各栄養素の量を推定する。例えば、推定部163は、設定された期間内に対象利用者が摂取すべきカロリーを設定期間の日数で除することにより、設定された期間において対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーを推定する。また、例えば、推定部163は、設定された期間内に対象利用者が摂取すべき脂肪の量を設定期間の日数で除することにより、設定された期間において対象利用者が摂取すべき一日分の脂肪の量を推定する。また、例えば、推定部163は、設定された期間内に対象利用者が摂取すべきたんぱく質の量を設定期間の日数で除することにより、設定された期間において対象利用者が摂取すべき一日分のたんぱく質の量を推定する。続いて、推定部163は、対象利用者が摂取すべき一日分の各栄養素の量に基づいて、食事を撮影した食事画像に撮像された食品のうち、対象利用者に対して摂取を推奨する食品に関する推奨食品情報を推定する。
【0030】
図3は、実施形態に係る推奨食品情報の推定処理について説明するための図である。
図3では、受付部161は、5つの食品F21~F25が撮像された食事画像G21を受け付ける。推定部163は、受付部161が食事画像G21を受け付けた場合に、受付部161から食事画像G21を取得する。続いて、推定部163は、食事画像G21に撮像された各食品に含まれる各栄養素の量を推定する。例えば、推定部163は、食事画像が入力された場合に、食事画像に撮像された各食品に含まれる各栄養素の量を出力するよう学習された機械学習モデルM1を用いて、食事画像G21に撮像された各食品に含まれる各栄養素の量を推定する。ここで、食品に含まれる栄養素の量には、脂質、炭水化物、たんぱく質、ビタミン、ミネラル等の各栄養素の量に加えて、食品のカロリーが含まれる。
【0031】
続いて、推定部163は、各食品に含まれる各栄養素の量を推定すると、推定した各食品に含まれる各栄養素の量に基づいて、対象利用者に対して摂取を推奨する食品である推奨食品を推定する。例えば、推定部163は、栄養素ごとに、推定された5つの食品F21~F25の各栄養素の量を加算することにより、5つの食品F21~F25全体の各栄養素の量を推定する。続いて、推定部163は、5つの食品F21~F25全体の各栄養素の量と対象利用者が摂取すべき一日分の各栄養素の量との比較に基づいて、推奨食品を特定する。例えば、推定部163は、5つの食品F21~F25全体の各栄養素の量が、対象利用者が摂取すべき一日分の各栄養素の量を下回る場合には、5つの食品F21~F25すべてを推奨食品として特定してよい。一方、推定部163は、5つの食品F21~F25全体の各栄養素の量が、対象利用者が摂取すべき一日分の各栄養素の量を上回る場合には、5つの食品F21~F25から選択された食品の組み合わせのうち、対象利用者が摂取すべき一日分の各栄養素の量以下となる食品の組み合わせを特定する。
図3に示す例では、推定部163は、5つの食品F21~F25から選択された食品の組み合わせのうち、対象利用者が摂取すべき一日分の各栄養素の量以下となる食品の組み合わせとして、食品F21~F24の組み合わせを特定する。続いて、推定部163は、対象利用者が摂取すべき一日分の各栄養素の量以下となる食品の組み合わせを特定すると、特定された組み合わせに係る食品を推奨食品として特定する。
図3に示す例では、推定部163は、特定された組み合わせに係る食品F21~F24を推奨食品として特定する。推定部163は、推奨食品を特定した場合、推奨食品であることを視認可能な情報を画面に表示する。例えば、推定部163は、推奨食品として特定された食品F21~F24を囲む枠の位置から所定範囲内の位置に推奨食品であることを示す「OK」の文字C21~C24を表示する。
【0032】
また、推定部163は、推奨食品を特定した場合、対象利用者に対して摂取を推奨する推奨食品の摂取量である推奨摂取量を推定する。例えば、推定部163は、取得した対象利用者の現在身体情報および将来身体情報に基づいて、設定された期間内に対象利用者が摂取を控えるべき栄養素を推定する。例えば、推定部163は、対象利用者の現在の体重と将来の目標体重との差分に基づいて、体重の差分が第1閾値を超える場合には、対象利用者が摂取を控えるべき栄養素として、炭水化物を特定する。また、例えば、推定部163は、対象利用者の現在の体脂肪率と将来の目標体脂肪率との差分に基づいて、体脂肪率の差分が第2閾値を超える場合には、対象利用者が摂取を控えるべき栄養素として、脂肪を特定する。
【0033】
続いて、推定部163は、対象利用者が摂取を控えるべき栄養素を特定した場合、推奨食品として特定された食品の中に、対象利用者が摂取を控えるべき栄養素を所定の閾値以上含む食品が存在するか否かを判定する。
図3に示す例では、推定部163は、対象利用者が摂取を控えるべき栄養素として、炭水化物を特定する。続いて、推定部163は、推奨食品として特定された食品F21~F24の中に、炭水化物を第3閾値以上含む食品F22が存在すると判定する。推定部163は、炭水化物を第3閾値以上含む食品F22が存在すると判定した場合、炭水化物の摂取量が第3閾値未満となる食品F22の摂取量を推定する。例えば、推定部163は、炭水化物の摂取量が第3閾値未満となる食品F22の摂取量を半分であると推定する。推定部163は、炭水化物の摂取量が第3閾値未満となる食品F22の摂取量を推奨摂取量として特定する。続いて、推定部163は、推奨摂取量を推定した場合、推奨摂取量を視認可能な情報を画面に表示する。例えば、推定部163は、食品F22を囲む枠の位置から所定範囲内の位置に推奨摂取量が半分であることを示す「50% OK」の文字C22を表示する。同様にして、推定部163は、食品F23を囲む枠の位置から所定範囲内の位置に推奨摂取量が8割であることを示す「80% OK」の文字C23を表示する。
【0034】
一方、推定部163は、推奨食品として特定されなかった食品が存在する場合には、推奨食品として特定されなかった食品を対象利用者に対して摂取を推奨しない食品である非推奨食品として特定する。
図3に示す例では、推定部163は、推奨食品として特定されなかった食品F25を非推奨食品として特定する。推定部163は、非推奨食品を特定した場合、非推奨食品であることを視認可能な情報を画面に表示する。例えば、推定部163は、非推奨食品として特定された食品F25を囲む枠の位置から所定範囲内の位置に推奨食品であることを示す「NG」の文字C25を表示する。
【0035】
なお、
図3では、推定部163が、設定された期間内に対象利用者が摂取を控えるべき栄養素を推定する場合について説明したが、推定部163は、取得した対象利用者の現在身体情報および将来身体情報に基づいて、設定された期間内に対象利用者が積極的に摂取すべき栄養素を推定してもよい。例えば、推定部163は、対象利用者の現在の筋肉量と将来の目標筋肉量との差分に基づいて、筋肉量の差分が第4閾値を超える場合には、対象利用者が積極的に摂取すべき栄養素として、たんぱく質を特定する。
【0036】
また、
図3では、推定部163が、食事画像が入力された場合に、食事画像に撮像された各食品に含まれる各栄養素の量を出力するよう学習された機械学習モデルM1を用いて、食事画像G21に撮像された各食品に含まれる各栄養素の量を推定する場合について説明したが、推定部163が食品に含まれる栄養素の量を推定する方法はこれに限られない。例えば、推定部163は、公知の物体認識技術を用いて、食事画像G21に撮像された各食品を検出し、検出された食品の種類を特定する。続いて、推定部163は、特定された食品に含まれる各栄養素の量を示す情報を取得する。例えば、情報処理装置100は、食品に含まれる各栄養素の量と食品の種類とを対応付けた食品栄養情報をあらかじめ取得しておき、記憶部120に記憶しておく。推定部163は、記憶部120の食品栄養情報を参照して、特定された食品に対応する各栄養素の量を示す情報を取得する。続いて、推定部163は、取得された情報が示す各栄養素の量を特定された食品に対応する各栄養素の量として推定する。
【0037】
また、推定部163は、対象利用者の食後の食事画像に基づいて、対象利用者に対して実施を推奨する運動に関する推奨運動情報を推定する。具体的には、推定部163は、受付部161が食事画像を受け付けた時刻から所定時間内(例えば、30分以内など)に対象利用者から食事画像を再び受け付けた場合、対象利用者から食後の食事画像を受け付けたと判定する。
図4は、実施形態に係る推奨運動情報の推定処理について説明するための図である。
図4に示す例では、推定部163は、対象利用者から食後の食事画像G31を受け付けたと判定する。
【0038】
また、推定部163は、推奨運動情報として、対象利用者に対して実施を推奨する運動の運動時間を推定する。推定部163は、対象利用者から食後の食事画像を受け付けたと判定した場合、食前の食事画像と食後の食事画像との比較に基づいて、対象利用者が摂取した各食品の量を推定する。続いて、推定部163は、推定した各食品の量に基づいて、対象利用者が摂取した各食品のカロリーを推定する。続いて、推定部163は、推定した各食品のカロリーを加算することにより、対象利用者が摂取した食事の総カロリーを推定する。また、推定部163は、対象利用者が摂取したと推定される食事の総カロリーに基づいて、対象利用者が摂取すると推定される一日分の食事の総カロリーを推定してよい。続いて、推定部163は、対象利用者が摂取すると推定される一日分の食事の総カロリーが、対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーを上回る場合は、対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーを上回るカロリーに相当する運動時間を算出する。
【0039】
また、推定部163は、推奨運動情報として、対象利用者に対して実施を推奨する運動の種類を推定する。例えば、推定部163は、対象利用者が摂取すると推定される一日分の食事の総カロリーから対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーを減算したカロリーが第5閾値以上である場合は、対象利用者に対してジョギングを推奨することを決定する。推定部163は、ジョギングを推奨することを決定した場合、ジョギングによって消費される単位時間(例えば、10分)当たりの消費カロリーを示す情報に基づいて、対象利用者が摂取すると推定される一日分の食事の総カロリーから対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーを減算したカロリーを消費するために必要な運動時間を算出する。
【0040】
また、例えば、推定部163は、対象利用者が摂取すると推定される一日分の食事の総カロリーから対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーを減算したカロリーが第5閾値未満である場合は、対象利用者に対してウォーキングを推奨することを決定する。推定部163は、ウォーキングを推奨することを決定した場合、ウォーキングによって消費される単位時間(例えば、10分)当たりの消費カロリーを示す情報に基づいて、対象利用者が摂取すると推定される一日分の食事の総カロリーから対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーを減算したカロリーを消費するために必要な運動時間を算出する。
【0041】
図4に示す例では、推定部163は、対象利用者に対してウォーキングを推奨することを決定する。続いて、推定部163は、対象利用者が摂取すると推定される一日分の食事の総カロリーから対象利用者が摂取すべき一日分のカロリーを減算したカロリーを消費するために必要な運動時間を「30分」であると推定する。推定部163は、対象利用者に対して実施を推奨する運動の種類および運動時間を推定した場合、対象利用者に対して実施を推奨する運動の種類および運動時間を視認可能な情報を画面に表示する。例えば、推定部163は、食後の食事画像G31の表示位置から所定範囲内の位置に30分のウォーキングを推奨することを示す「今日はあと30分歩きましょう」という文字列T31を表示する。
【0042】
なお、推定部163は、対象利用者が好きな運動として対象利用者によって入力された運動の種類(例えば、ウォーキング、筋トレ等)を示す情報を取得する。続いて、推定部163は、対象利用者が好きな運動として入力された運動の種類を、対象利用者に対して実施を推奨する運動の種類として特定してよい。
【0043】
(提供部164)
提供部164は、推定部163によって推定された推奨食品情報を対象利用者に対して提供する。提供部164は、推定部163によって推定された推奨運動情報を対象利用者に対して提供する。
【0044】
〔2.情報処理手順〕
図5は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、情報処理装置100は、食事画像を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。情報処理装置100は、食事画像を受け付けていないと判定した場合(ステップS101;No)、処理を終了する。一方、情報処理装置100は、食事画像を受け付けたと判定した場合(ステップS101;Yes)、食事画像を送信した対象利用者の現在身体情報および将来身体情報を取得する(ステップS102)。
【0045】
続いて、情報処理装置100は、食事画像を解析して、食事画像に撮像された食品に含まれる栄養素の量を食品ごとに推定する(ステップS103)。続いて、情報処理装置100は、対象利用者の現在身体情報、将来身体情報、および食事画像から推定した各食品の栄養素の量に基づいて、推奨食品情報および非推奨食品情報を推定する(ステップS104)。続いて、情報処理装置100は、推奨食品情報および非推奨食品情報を対象利用者に対して提供する(ステップS105)。
【0046】
〔3.変形例〕
上述した実施形態に係る情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。なお、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
〔3-1.推奨メニュー情報の推定〕
上述した実施形態では、推定部163が、食事画像に撮像された食品のうち、対象利用者に対して摂取を推奨する推奨食品に関する推奨食品情報を推定する場合について説明したが、推定部163は、推奨食品以外の推奨食品情報を推定してよい。具体的には、推定部163は、推奨食品情報として、飲食店によって提供されるメニューのうち、対象利用者に対して摂取を推奨する推奨メニューに関する推奨メニュー情報を推定する。ここで、推奨メニュー情報には、対象利用者に対して摂取を推奨しない非推奨メニューに関する非推奨メニュー情報が含まれてよい。すなわち、推定部163は、推奨メニュー情報または非推奨メニュー情報のうち一方のみを推定してもよく、推奨メニュー情報および非推奨メニュー情報の双方を推定してもよい。
【0048】
例えば、推定部163は、外部のデータベース等から、飲食店によって提供される各メニューに含まれる各栄養素の量を示す情報を取得する。続いて、推定部163は、各メニューに含まれる各栄養素の量を示す情報と対象利用者が摂取すべき一日分の各栄養素の量との比較に基づいて、推奨メニュー情報および非推奨メニュー情報を推定する。提供部164は、推定部163によって推定された推奨メニュー情報を対象利用者に対して提供する。
【0049】
〔3-2.予測身体情報の推定〕
また、情報処理装置100は、将来予測される対象利用者の身体情報である予測身体情報を推定し、対象利用者に対して予測身体情報を提供してよい。具体的には、取得部162は、対象利用者の現在身体情報、対象利用者が摂取した食事に関する食事情報および対象利用者が実施した運動に関する運動情報を取得する。例えば、取得部162は、入力部130を介して、対象利用者によって入力された現在身体情報、食事情報および運動情報を取得する。
【0050】
推定部163は、取得部162によって取得された現在身体情報、食事情報および運動情報に基づいて、将来予測される対象利用者の身体情報である予測身体情報を推定する。具体的には、推定部163は、所定の時点における利用者の身体情報、利用者が摂取した食事に関する食事情報および利用者が実施した運動に関する運動情報が入力された場合に、所定の時点から所定時間が経過した後における利用者の身体情報を出力するよう学習された機械学習モデルM2を用いて、予測身体情報を推定する。例えば、推定部163は、予測身体情報として、対象利用者の体形、体重、BMI(Body Mass Index)、体脂肪率、筋肉量、基礎代謝量、推定骨量、または、対象利用者の身体部位別の体形、体脂肪率もしくは筋肉量を推定する。提供部164は、推定部163によって推定された予測身体情報を対象利用者に対して提供する。
【0051】
なお、上述した実施形態および変形例に係る機械学習モデル(機械学習モデルM1および機械学習モデルM2)は、例えば、畳み込みニューラルネットワークまたは回帰型ニューラルネットワークなどのニューラルネットワークによる機械学習によって生成されるが、かかる例に限定されない。例えば、実施形態および変形例に係る機械学習モデルは、ニューラルネットワークに代えて、線形回帰またはロジスティック回帰といった学習アルゴリズムによる機械学習を用いて生成されてもよい。
【0052】
〔4.効果〕
上述したように、実施形態に係る情報処理装置100は、取得部162と、推定部163と、提供部164を備える。取得部162は、処理対象の利用者である対象利用者の現時点における身体情報である現在身体情報、および、現時点から所定時間が経過した後における対象利用者の希望する対象利用者の身体情報である将来身体情報を取得する。推定部163は、取得部162によって取得された現在身体情報および将来身体情報に基づいて、食事を撮影した食事画像に撮像された食品のうち、対象利用者に対して摂取を推奨する食品に関する推奨食品情報を推定する。提供部164は、推定部163によって推定された推奨食品情報を対象利用者に対して提供する。
【0053】
これにより、情報処理装置100は、現時点における利用者の身体情報から利用者が希望する身体情報へと変化させるという目標を達成するために必要な推奨食品情報を利用者に対して提供することができる。したがって、情報処理装置100は、利用者の健康管理を適切に支援することができる。
【0054】
また、推定部163は、対象利用者に対して摂取を推奨しない食品に関する非推奨食品情報を含む推奨食品情報を推定する。
【0055】
これにより、情報処理装置100は、現時点における利用者の身体情報から利用者が希望する身体情報へと変化させるという目標を達成するために必要な非推奨食品情報を利用者に対して提供することができる。したがって、情報処理装置100は、利用者の健康管理を適切に支援することができる。
【0056】
また、推定部163は、食事画像に撮像された食品に含まれる栄養素の量を推定し、推定した栄養素の量に基づいて、推奨食品情報を推定する。
【0057】
これにより、情報処理装置100は、食事画像に撮像された食品に含まれる栄養素の量に基づいて、推奨食品情報を適切に推定することができる。
【0058】
また、推定部163は、推奨食品情報として、対象利用者に対して摂取を推奨する食品の摂取量を推定する。
【0059】
これにより、情報処理装置100は、現時点における利用者の身体情報から利用者が希望する身体情報へと変化させるという目標を達成するために必要な推奨食品情報であって、利用者が食べてもよい食品の摂取量に関する情報を利用者に対して提供することができる。
【0060】
また、情報処理装置100は、受付部161をさらに備える。受付部161は、対象利用者から対象利用者の身体の少なくとも一部が撮像された対象利用者画像に対する加工操作を受け付ける。取得部162は、現在身体情報として、受付部161によって受け付けられた加工操作による加工前の対象利用者画像を取得し、将来身体情報として、受付部161によって受け付けられた加工操作による加工後の対象利用者画像を取得する。推定部163は、取得部162によって取得された加工前の対象利用者画像および加工後の対象利用者画像に基づいて、推奨食品情報を推定する。
【0061】
これにより、情報処理装置100は、対象利用者が希望する身体情報を対象利用者が視覚的に把握しやすいため、対象利用者が目標とする体形に関する将来身体情報を適切に取得することができる。また、情報処理装置100は、適切な将来身体情報に基づいて、推奨食品情報を適切に推定することができる。
【0062】
また、推定部163は、推奨食品情報として、飲食店によって提供されるメニューのうち、対象利用者に対して摂取を推奨するメニューに関する推奨メニュー情報を推定する。提供部164は、推定部163によって推定された推奨メニュー情報を対象利用者に対して提供する。
【0063】
これにより、情報処理装置100は、現時点における利用者の身体情報から利用者が希望する身体情報へと変化させるという目標を達成するために必要な推奨メニュー情報を利用者に対して提供することができる。
【0064】
また、推定部163は、対象利用者に対して摂取を推奨しないメニューに関する非推奨メニュー情報を含む推奨メニュー情報を推定する。
【0065】
これにより、情報処理装置100は、現時点における利用者の身体情報から利用者が希望する身体情報へと変化させるという目標を達成するために必要な非推奨メニュー情報を利用者に対して提供することができる。
【0066】
また、推定部163は、対象利用者の食後の食事画像に基づいて、対象利用者に対して実施を推奨する運動に関する推奨運動情報を推定する。提供部164は、推定部163によって推定された推奨運動情報を対象利用者に対して提供する。
【0067】
これにより、情報処理装置100は、現時点における利用者の身体情報から利用者が希望する身体情報へと変化させるという目標を達成するために必要な推奨運動情報を利用者に対して提供することができる。したがって、情報処理装置100は、利用者の健康管理を適切に支援することができる。
【0068】
また、推定部163は、推奨運動情報として、対象利用者に対して実施を推奨する運動の運動時間を推定する。
【0069】
これにより、情報処理装置100は、現時点における利用者の身体情報から利用者が希望する身体情報へと変化させるという目標を達成するために必要な推奨運動情報であって、利用者に対して推奨される運動時間に関する情報を利用者に対して提供することができる。
【0070】
また、推定部163は、推奨運動情報として、対象利用者に対して実施を推奨する運動の種類を推定する。
【0071】
これにより、情報処理装置100は、現時点における利用者の身体情報から利用者が希望する身体情報へと変化させるという目標を達成するために必要な推奨運動情報であって、利用者に対して推奨される運動の種類に関する情報を利用者に対して提供することができる。
【0072】
また、取得部162は、対象利用者が摂取した食事に関する食事情報および対象利用者が実施した運動に関する運動情報をさらに取得する。推定部163は、取得部162によって取得された食事情報および運動情報に基づいて、将来予測される対象利用者の身体情報である予測身体情報を推定する。提供部164は、推定部163によって推定された予測身体情報を対象利用者に対して提供する。
【0073】
これにより、情報処理装置100は、予測身体情報を利用者に対して提供することができるので、対象利用者の健康管理に対する意識を高めることができる。
【0074】
また、推定部163は、所定の時点における利用者の身体情報、利用者が摂取した食事に関する食事情報および利用者が実施した運動に関する運動情報が入力された場合に、所定の時点から所定時間が経過した後における利用者の身体情報を出力するよう学習された機械学習モデルを用いて、予測身体情報を推定する。
【0075】
これにより、情報処理装置100は、機械学習モデルを用いることで、予測身体情報を適切に推定することができる。
【0076】
また、推定部163は、予測身体情報として、対象利用者の体形、体重、胸囲、腹囲、腰囲、BMI(Body Mass Index)、体脂肪率、筋肉量、基礎代謝量、推定骨量、または、対象利用者の身体部位別の体形、体脂肪率もしくは筋肉量を推定する。
【0077】
これにより、情報処理装置100は、多様な予測身体情報を推定することができる。
【0078】
〔5.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば
図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図6は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0079】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0080】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0081】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0082】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0083】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部160の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0084】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0085】
〔6.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0086】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0087】
また、上述した情報処理装置100は、複数のコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0088】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0089】
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
130 入力部
140 出力部
150 撮像部
160 制御部
161 受付部
162 取得部
163 推定部
164 提供部
【要約】
【課題】利用者の健康管理を適切に支援する。
【解決手段】本願に係る情報処理プログラムは、処理対象の利用者である対象利用者の現時点における身体情報である現在身体情報、および、現時点から所定時間が経過した後における対象利用者の希望する対象利用者の身体情報である将来身体情報を取得する取得手順と、取得手順によって取得された現在身体情報および将来身体情報に基づいて、食事を撮影した食事画像に撮像された食品のうち、対象利用者に対して摂取を推奨する食品に関する推奨食品情報を推定する推定手順と、推定手順によって推定された推奨食品情報を対象利用者に対して提供する提供手順と、をコンピュータに実行させる。
【選択図】
図3