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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】切断具及び収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 23/04 20060101AFI20230406BHJP
   A01D 33/06 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
A01D23/04
A01D33/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018032866
(22)【出願日】2018-02-27
(65)【公開番号】P2019146513
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-12-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】湯原 光治
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-103116(JP,A)
【文献】特開平9-37627(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2010-0000037(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0105337(US,A1)
【文献】実公昭55-5240(JP,Y2)
【文献】実開平4-7062(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 13/00 - 33/14
A01D 1/00
A01G 3/02
B26B 1/00 - 11/00
B26B 23/00 - 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場から掘り取られた農作物が有する不要部分を切断する切断具であって、
前記農作物の不要部分を切断する刃部を有する切断具本体と、
この切断具本体を被取付部に取り付けるための取付手段とを備え、
前記切断具本体は、前記農作物の不要部分を前記刃部に向けて案内する案内部と、この案内部が設けられた本体部とを有し、
前記案内部は、前記農作物の不要部分が挿入される挿入隙間を介して互いに対向する対をなす案内部材を有し、
前記案内部材は、先端側が前記本体部から前記農作物の不要部分の挿入方向とは反対側に向かって突出している
ことを特徴とする切断具。
【請求項2】
圃場から掘り取られた農作物を搬送する選別搬送手段と、
この選別搬送手段に設けられ、前記農作物が有する不要部分を切断する切断具と、
この切断具によって不要部分が切断された農作物が投入される収納容器とを備え、
前記切断具は、
前記農作物の不要部分を切断する刃部を有する切断具本体と、
この切断具本体を前記選別搬送手段の被取付部の任意位置に取り付けるための取付手段とを備え、
前記切断具本体は、前記農作物の不要部分を前記刃部に向けて案内する案内部を有し、
前記案内部は、前記農作物の不要部分が挿入される挿入隙間を介して互いに対向する対をなす案内部材を有する
ことを特徴とする収穫機。
【請求項3】
圃場から掘り取られた農作物を搬送する選別搬送手段と、
この選別搬送手段に設けられ、前記農作物が有する不要部分を切断する切断具と、
この切断具によって不要部分が切断された農作物が投入される収納容器とを備え、
前記切断具は、
前記農作物の不要部分を切断する刃部を有する切断具本体と、
この切断具本体を被取付部に取り付けるための取付手段とを備え、
前記切断具本体は、前記農作物の不要部分を前記刃部に向けて案内する案内部を有し、
前記案内部は、前記農作物の不要部分が挿入される挿入隙間を介して互いに対向する対をなす案内部材を有する
ことを特徴とする収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物の不要部分を切断する切断具、及びこの切断具を備える収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された収穫機が知られている。
【0003】
この従来の収穫機は、機体下部前方から機体中央上部にかけて、農産物を掘取り、搬送を行う掘取りコンベア装置を設け、この掘取りコンベア装置の後方に、収穫物を載置して移送しながら選別作業を行うための選別コンベア装置を配設し、該選別コンベア装置の移送方向両側において選別作業が行えるように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平5-168319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の収穫機では、選別作業を行う作業者は、両手を使って、サツマイモ等の農作物の不要部分(例えばしっぽ、つる等)をむしり取らなければならず、作業者への負担が大きい。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業者の負担軽減を図ることができる切断具及び収穫機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る切断具は、圃場から掘り取られた農作物が有する不要部分を切断する切断具であって、前記農作物の不要部分を切断する刃部を有する切断具本体と、この切断具本体を被取付部に取り付けるための取付手段とを備えるものであり。また、本発明に係る収穫機はその切断具を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業者の負担軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る切断具の正面図である。
図2】同上切断具の側面図である。
図3】同上切断具の切断具本体の斜視図である。
図4】(a)は同上切断具の第1状態を示す図であり、(b)は同上切断具の第2状態を示す図である。
図5】同上切断具を備えた収穫機の全体側面図である。
図6】同上切断具を備えた収穫機の部分平面図である。
図7】同上切断具の作用説明図である。
図8】本発明の第2の実施の形態に係る切断具の正面図である。
図9】同上切断具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図7を参照して説明する。
【0011】
まず、図5及び図6において、1は収穫機で、この収穫機1は、走行手段であるクローラ2の駆動によって圃場を前方(進行方向)に移動しながら、圃場の農作物Wを収納容器であるコンテナK内に収穫する自走式収穫機である。
【0012】
収穫物である農作物Wは、圃場の畝に生育した根菜類、すなわち例えばサツマイモである。そして、圃場の畝の土中から掘り取られた後の農作物(サツマイモ)Wは、長手状の不要部分(例えばしっぽ、つる等)Waを有するため、作業者(選別作業者)は、不要部分Waを切断してから、農作物WをコンテナK内に投入する。
【0013】
収穫機1は、圃場の農作物Wを土中から掘り取って斜め後上方に搬送する掘取搬送手段3を備え、この掘取搬送手段3には、左右1対のゲージ輪4がゲージ輪支持体5を介して取り付けられている。掘取搬送手段3は、圃場の農作物Wを掘り取る掘取刃6と、この掘取刃6で掘り取られた農作物Wを搬送しながら土を圃場に落下させて除去する無端状の搬送体7とを有している。
【0014】
また、収穫機1は、掘取搬送手段3からの農作物Wを受け取って後方に搬送する選別搬送手段11と、選別作業(農作物Wの不要部分Waの切断作業を含む)を行う作業者(選別作業者)が乗る左右のステップ12と、不要部分Waが切断された農作物Wが投入収納されるコンテナKを支持するコンテナ支持体13とを備えている。
【0015】
ステップ12は、機体10の下部の左右両側にそれぞれ設けられており、この各ステップ12に乗った作業者が選別搬送手段11上の農作物Wに対して選別作業を行う。また、機体10には、クローラ2等を駆動するためのエンジン(図示せず)や、作業者が操作する操作レバー14等が設けられている。
【0016】
選別搬送手段11は、前後のローラ16,17に掛け渡された無端状の搬送ベルト18と、この搬送ベルト18の搬送終端部から搬出される不要部分Waを斜め後下方に搬送して圃場に落下させるシュート19とを有している。なお、前側のローラ16の軸方向端部には駆動用スプロケット20が固着され、この駆動用スプロケット20にはチェーン(図示せず)が掛け渡されている。
【0017】
また、選別搬送手段11は、搬送ベルト18の側方を覆う左右1対の側板21と、この側板21に取り付けられた左右1対の手摺部材22とを有している。各手摺部材22は、前後方向に長手方向を有する丸棒状のもので、これら左右の手摺部材22は互いに離間対向した状態に配置されている。
【0018】
そして、選別搬送手段11の各手摺部材(被取付部)22には、圃場から掘り取られた農作物Wが有する不要部分Waを切断する切断具23が脱着可能に設けられている。つまり、ステップ12に乗った作業者(選別作業者)が農作物Wの不要部分Waを切断除去するために使用する切断具23(23a,23b)が、選別搬送手段11の搬送方向両側にそれぞれ設けられている。
【0019】
ここで、切断具23は、図1ないし図3に示すように、農作物Wの不要部分Waを切断する切断具本体31と、この切断具本体31を選別搬送手段11の手摺部材22に取り付けるための取付手段32とを備えている。
【0020】
切断具本体31は、農作物Wの不要部分Waを切断する刃部36と、この刃部36に向けて農作物Wの不要部分Waを当該不要部分Waが刃部36に接触する位置(案内終端位置)まで案内する案内部37と、この案内部37が固設された本体部38と、案内部37に固着された刃受け部39とを有している。
【0021】
本体部38は、側方に向かって開口する左右方向長手状の切欠部分40が形成されたコ字枠41と、このコ字枠41の上部に固着された第1プレート42と、コ字枠41の下部に固着された第2プレート43とを有している。コ字枠41の上部及び第1プレート42には第1取付孔44が前後面に貫通して形成され、かつ、コ字枠41の下部及び第2プレート43には第2取付孔45が前後面に貫通して形成されている。コ字枠41の略中央部には、取付ボルト(固定ボルト)50が螺合可能なねじ孔46が形成されている。なお、第1プレート42と第2プレート43との間には、刃部36を収納する傾斜状の刃収納空間47が形成されている。
【0022】
刃部36は、固定部材である固定ボルト50によって矩形板状の刃受け部39に解除可能に固定された切断刃51によって構成されている。つまり、刃部36は、本体部38の刃収納空間47に出し入れ可能でかつ位置調整可能に収納された1枚の切断刃51からなるもので、この脱着可能な切断刃51は、取付ボルト50がコ字枠41のねじ孔46に螺合されることによって刃受け部39に押し付けられて所望位置に固定されている。
【0023】
切断刃51は、例えば細長い板状をなす周知のカッター刃(市販品)であり、その幅方向一端部に鋭利な刃部分52が全長にわたって形成されている。そして、切断刃51は、正面視で、左右方向に対して傾斜状となって、コ字枠41の切欠部分40の一部と重なって位置する(図1参照)。
【0024】
案内部37は、本体部38の前面側に固着された断面円形の上下1対の案内部材である案内棒(中間の1箇所で屈曲した丸棒)56,57によって構成されている。つまり、案内部37は、農作物Wの不要部分Waが側方から挿入される略三角形状の挿入隙間55を間に有する上下1対の案内棒56,57からなるもので、この各案内棒56,57はそれぞれプレート42,43に溶接等で固着されている。なお、両案内棒56,57間に刃受け部39が溶接等で固着されている。
【0025】
上側の案内棒56は、左右方向長手状の第1部分61と、この第1部分61の右端部に一体に連設された左低右高の傾斜状の第2部分62とを有している。下側の案内棒57は、上側の案内棒56の第1部分61と平行に位置する左右方向長手状の第1部分63と、この第1部分63の右端部に一体に連設され上側の案内棒56の第2部分62とともにハ字状をなす左高右低の傾斜状の第2部分64とを有している。
【0026】
そして、上側の案内棒56の第1部分61のうち挿入空間55に臨んだ所定部分61aと、斜め上向きの第2部分62とによって、上側の案内部分66が構成されている。また、下側の案内棒57の第1部分63のうち挿入空間55に臨んだ所定部分(案内棒56の所定部分61aよりも短い部分)63aと、斜め下向きの第2部分64とによって、下側の案内部分67が構成されている。
【0027】
つまり、案内部37は、農作物Wの不要部分Waが側方から挿入される挿入隙間55を介して互いに離間対向する上下1対の案内部分66,67を有している。そして、この案内部37の側方開口状の挿入隙間55は、ハ字状をなす両第2部分62,64間に位置して不要部分Waの挿入方向に向かって幅寸法が減少する台形状の開口側隙間部55aと、この開口側隙間部55aに連通した幅一定の刃側隙間部55bとによって構成されている。
【0028】
この刃側隙間部55bはコ字枠41の切欠部分40の前方に隣接して位置しており、農作物Wの不要部分Waは、開口側隙間部55aを通過した後に刃側隙間部55b及び切欠部分40に挿入されて切断刃51の刃部分52で切断される。なお、刃側隙間部55bの幅寸法Aは、作業者の指が入らない程度の大きさであって、例えば3~8mmである。例えば図示しないが、刃側隙間部55bの幅寸法Aを調整可能な構成としてもよい。
【0029】
取付手段32は、上下方向長手状で平板状の第1取付板71と、この第1取付板71との間で手摺部材22を挟持する断面略U字状の第2取付板72とを有している。第1取付板71には、複数、例えば上下方向に並ぶ4つの第1取付孔76、第2取付孔77、第3取付孔78及び第4取付孔79が形成されている。第2取付板72には、上側の第1取付孔81及び下側の第2取付孔82が形成されている。
【0030】
そして、第1取付板71を切断具本体31の本体部38の後面に取り付ける際には、第1取付板71の下部の取付孔78,79と切断具本体31の本体部38の取付孔44,45とを互いに一致させ、それにボルト83を挿入してナット84をそのボルト83のねじ部に螺合する。また、第2取付板72を第1取付板71の後面に取り付ける際には、両取付板71,72で手摺部材22を挟むようにして第2取付板72の取付孔81,82と第1取付板71の上部の取付孔76,77とを互いに一致させ、それにボルト86を挿入してナット87をそのボルト86のねじ部に螺合する。
【0031】
ここで、図4に示すように、切断具23は、取付手段32が切断具本体31を第1向き(案内部37の挿入隙間55が一側方である正面視右側方に開口する向き)に支持する第1状態(すなわち図4(a)に示す第1状態)と、取付手段32が切断具本体31を第1向きとは180度反対の第2向き(案内部37の挿入隙間55が他側方である正面視左側方に開口する向き)に支持する第2状態(すなわち図4(b)に示す状態)とに選択的に切換可能となっている。
【0032】
換言すると、切断具本体31は、案内部37の先端側が本体部38から一側方に突出するようにボルト83及びナット84で取付手段32に取り付けられた状態と、案内部37の先端側が本体部38から他側方に突出するようにボルト83及びナット84で取付手段32に取り付けられた状態とに選択的に切換可能となっている。
【0033】
このため、図6に示すように、収穫機1の進行方向左側に位置する左の手摺部材22には、図4(a)に示す第1状態の切断具23(23a)を取り付け、かつ、収穫機1の進行方向右側に位置する右の手摺部材22には、図4(b)に示す第2状態の切断具23(23b)を取り付ける。
【0034】
つまり、左右2つの切断具23の切断具本体31は、いずれも案内部37の挿入隙間55が収穫機1の進行方向(選別搬送手段11の搬送方向とは反対の方向)に向かって開口するように、取付手段32によって選別搬送手段11の手摺部材22に取り付けられる。
【0035】
そして、当該取付手段32を介して手摺部材22に取り付けられた切断具本体31は、手摺部材22よりも内方の位置でかつ搬送ベルト18の上方の位置に配置されている(図6参照)。それゆえ、切断具本体31による切断後の不要部分Waは、搬送ベルト18上に落下してこの搬送ベルト18にて搬送方向へ搬送される。
【0036】
次に、上記収穫機1の作用等を説明する。
【0037】
収穫機1が進行方向に向かって走行移動すると、圃場の農作物Wは、掘取搬送手段3によって圃場から掘り取られて搬送されて、選別搬送手段11の搬送ベルト18上に供給される。
【0038】
すると、ステップ12に乗った作業者(選別作業者)は、不要部分Waを有する農作物Wを取り上げて、その不要部分Waの切断作業を行う。
【0039】
つまり、図7に示すように、作業者が、片手で農作物Wを切断具23と同じ所定高さ位置まで持ち上げて搬送方向へ移動させると、農作物Wの不要部分Waは、切断具本体31の案内部37によって案内され、その案内終端位置にある刃部36で切断される。
【0040】
そして、刃部36で切断されて農作物Wから分離した不要部分Waは、図6に示すように、選別搬送手段11の搬送ベルト18上に落下して、この搬送ベルト18で搬送された後、シュート19によって圃場へ排出される。
【0041】
一方、不要部分Waが切断された農作物Wは、作業者によってコンテナK内へ投入される。このとき、作業者は、不要部分Waの切断動作と農作物Wの投入動作とを一連の動作としてワンアクションで行うことが可能である。
【0042】
そして、このような収穫機1によれば、選別搬送手段11の手摺部材22に切断具23が設けられていることから、作業者は、切断具23を使用して片手で農作物Wの不要部分Waを切断できるため、従来の如く両手で不要部分Waをむしり取る必要がなく、作業者の負担軽減及び作業効率の向上を図ることができる。
【0043】
また、切断具23は、農作物Wの不要部分Waを切断する刃部36を有する切断具本体31と、この切断具本体31を手摺部材22に取り付けるための取付手段32とを備えるため、取付手段32を用いて簡単に取り付けることができる。
【0044】
さらに、切断具本体31は、農作物Wの不要部分Waを刃部36に向けて挿入隙間55を通して摺動案内する案内部37を有するため、不要部分Waを適切に切断でき、しかも、その案内部37の挿入隙間55の刃側隙間部55bには作業者の指が入らないため、作業者にとって安全である。
【0045】
また、切断具本体31の刃部36は、固定ボルト50によって刃受け部39に解除可能に固定された切断刃(カッター刃)51で構成されているため、固定ボルト50の操作のみで切断刃51の固定及び固定解除ができ、よって切断刃51の交換作業が容易であり、しかも、切断刃51は市販品のカッター刃であるから安価に入手できる。
【0046】
本発明の第2の実施の形態について図8及び図9を参照して説明する。
【0047】
この第2の実施の形態に係る切断具23では、切断具本体31の案内部37は、上下1対の案内棒56,57とは異なり、挿入隙間55を間に有する上下1対の案内板88,89によって構成され、これら両案内板88,89の基端部に刃受け部39が一体に設けられている。
【0048】
上側の案内板88は、左右方向長手状の第1部分91と、この第1部分91の右端部に一体に連設された直角三角形状の第2部分92とを有している。下側の案内板89は、上側の案内板88の第1部分91と平行に位置する左右方向長手状の第1部分93と、この第1部分93の右端部に一体に連設され上側の案内板88の第2部分92とは上下逆の直角三角形状をなす第2部分94とを有している。
【0049】
そして、上側の案内板88の第1部分91のうち挿入空間55に臨んだ所定部分91aと、斜辺が下側に位置する直角三角形状の第2部分92とによって、上側の案内部分66が構成されている。また、下側の案内板89の第1部分93のうち挿入空間55に臨んだ所定部分(案内板88の所定部分91aよりも短い部分)93aと、斜辺が上側に位置する直角三角形状の第2部分94とによって、下側の案内部分67が構成されている。
【0050】
つまり、この案内部37も、上述した第1の実施の形態のものと同様、農作物Wの不要部分Waが側方から挿入される挿入隙間55を介して互いに離間対向する上下1対の案内部分66,67を有している。そして、この案内部37の挿入隙間55も、先端側の開口側隙間部55aと基端側の刃側隙間部55bとで構成されており、この刃側隙間部55bの幅寸法Aは作業者の指が入らない程度の大きさであって例えば3~8mmである。
【0051】
また、この切断具23では、取付手段32は、弾性変形可能な板状のバネ鋼材からなる取付板96を有し、この取付板96の下部が、上述した第1の実施の形態の第1取付板71と同様、ボルト83及びナット84で切断具本体31の本体部38に取り付けられている。また、この取付板96は、断面略C字状の嵌合部97を上部に有し、この嵌合部97が手摺部材22の外周側に嵌脱可能に嵌合されている。さらに、この嵌合部97の先端部には、当該嵌合部97を手摺部材22に嵌合する際に手摺部材22を嵌合部97内へ案内する案内突部98が一体に設けられている。
【0052】
そして、この第2の実施の形態に係る切断具23でも、上記第1の実施の形態と同様の作用効果することができる。
【0053】
なお、上記各実施の形態では、切断具(つる切り装置)23は、圃場から掘り取られた農作物を搬送する選別搬送手段11の手摺部材22に取り付けるものとして説明したが、例えば圃場から掘り取られた農作物(収穫後の農作物)を搬送する搬送手段であるコンベヤが工場内に設置され、その工場内のコンベヤのコンベヤフレーム(被取付部)に切断具本体を取付手段で取り付けるようにしてもよい。
【0054】
また、取付手段は、2つの板で挟持するものや1つの弾性板等からなるものには限定されず、切断具本体を被取付部に脱着可能に取り付ける手段であれば任意である。
【0055】
さらに、農作物は、サツマイモには限定されず、人参等でもよい。
【0056】
また、上記実施の形態では、左側の手摺部材22には第1状態にした切断具23を取り付けかつ右側の手摺部材22には第2状態にした切断具23を取り付けて使用する場合について説明したが(図6参照)、例えば左右2つの切断具23をいずれも同じ第1状態(又は第2状態)にして左右の手摺部材22に取り付けて使用することも可能であり、この場合には、作業者は左右のステップ12のどちらに立っても作業者から見て同じ方向に農作物を移動させる作業をすればよい。
【0057】
なお、本発明のいくつかの実施の形態およびその変形例について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、前記各実施の形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 収穫機
11 選別搬送手段
22 被取付部である手摺部材
23 切断具
31 切断具本体
32 取付手段
36 刃部
37 案内部
39 刃受け部
51 切断刃
55 挿入隙間
66,67 案内部分
W 農作物
Wa 不要部分
K 収納容器であるコンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9