(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】動力代替構造
(51)【国際特許分類】
B62J 45/411 20200101AFI20230406BHJP
B62M 6/50 20100101ALI20230406BHJP
【FI】
B62J45/411
B62M6/50
(21)【出願番号】P 2021175894
(22)【出願日】2021-10-27
【審査請求日】2021-10-27
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】596009559
【氏名又は名称】姚 立和
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】連 哲文
(72)【発明者】
【氏名】田 騏禎
(72)【発明者】
【氏名】謝 培升
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】台湾実用新案登録第M531429(TW,U)
【文献】特開2018-158695(JP,A)
【文献】特開2019-161870(JP,A)
【文献】特開2019-031263(JP,A)
【文献】特開2018-135022(JP,A)
【文献】特表2015-508039(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0185419(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 45/411
B62M 6/55
B62M 6/50
B62M 6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被駆動体を駆動するための動力代替構造であって、
入力軸と、検出軸スリーブ部材と、出力ユニットと、補助動力ユニットと、を含み、
前記入力軸が、少なくとも1つの初期動力を受けて駆動され、
前記検出軸スリーブ部材が、前記入力軸上に設置され、前記入力軸のトルク値の大きさを直接検出し、対応する歪み信号を発することができ、
前記出力ユニットが、第1伝動軸スリーブと、第2伝動軸スリーブと、出力部材
と、を備え、
該第1伝動軸スリーブが前記入力軸上に被せて設置され、
前記第2伝動軸スリーブが前記入力軸と前記第1伝動軸スリーブの外側に被せて設置され、かつ前記第2伝動軸スリーブと前記第1伝動軸スリーブ間に少なくとも1つのワンウェイベアリングが設置され、前記第1伝動軸スリーブが前記入力軸の初期動力入力方向に沿って一方向に前記第2伝動軸スリーブを動かすことができ、
また前記出力部材を前記第2伝動軸スリーブ上に設置して、前記被駆動体を駆動することができ、
前記補助動力ユニットが、前記第2伝動軸スリーブ上に被せて設置され、動力部材を有し、かつ前記動力部材と前記第2伝動軸スリーブ間に少なくとも1つのワンウェイベアリングが設置され、
前記動力部材が前記出力部材により前記被駆動体を駆動する方向に沿って一方向に前記第2伝動軸スリーブを動かし、前記歪み信号に基づき前記第2伝動軸スリーブを補助して駆動する補助動力を発生することができ
前記出力ユニットの第1伝動軸スリーブが一端に接合部を備え、前記検出軸スリーブ部材の対応する端部に対応して連接される接合部が形成され、前記入力軸が前記検出軸スリーブ部材を介して前記第1伝動軸スリーブを動かすことができる
ことを特徴とする動力代替構造。
【請求項2】
請求項1に記載の動力代替構造
において、
前記検出軸スリーブ部材の接合部が、外縁噛合歯を有し、前記第1伝動軸スリーブの接合部が、対応して噛み合わせることができる内縁噛合歯を有す
る
ことを特徴とする動力代替構造。
【請求項3】
請求項1に記載の動力代替構造
において、
前記出力ユニットの第2伝動軸スリーブと前記入力軸の間に少なくとも1つの軸受が設置され
る
ことを特徴とする動力代替構造。
【請求項4】
被駆動体を駆動するための動力代替構造であって、
入力軸と、検出軸スリーブ部材と、出力ユニットと、補助動力ユニットと、を含み、
前記入力軸が、少なくとも1つの初期動力を受けて駆動され、
前記検出軸スリーブ部材が、前記入力軸上に設置され、前記入力軸のトルク値の大きさを直接検出し、対応する歪み信号を発することができ、
前記出力ユニットが、第1伝動軸スリーブと、第2伝動軸スリーブと、出力部材と、を備え、
該第1伝動軸スリーブが前記入力軸上に被せて設置され、
前記第2伝動軸スリーブが前記入力軸と前記第1伝動軸スリーブの外側に被せて設置され、かつ前記第2伝動軸スリーブと前記第1伝動軸スリーブ間に少なくとも1つのワンウェイベアリングが設置され、前記第1伝動軸スリーブが前記入力軸の初期動力入力方向に沿って一方向に前記第2伝動軸スリーブを動かすことができ、
また前記出力部材を前記第2伝動軸スリーブ上に設置して、前記被駆動体を駆動することができ、
前記補助動力ユニットが、前記第2伝動軸スリーブ上に被せて設置され、動力部材を有し、かつ前記動力部材と前記第2伝動軸スリーブ間に少なくとも1つのワンウェイベアリングが設置され、
前記動力部材が前記出力部材により前記被駆動体を駆動する方向に沿って一方向に前記第2伝動軸スリーブを動かし、前記歪み信号に基づき前記第2伝動軸スリーブを補助して駆動する補助動力を発生することができ
、
前記出力ユニットの第1伝動軸スリーブと前記入力軸の間に少なくとも1つの軸受が設置される
ことを特徴とする動力代替構造。
【請求項5】
被駆動体を駆動するための動力代替構造であって、
入力軸と、検出軸スリーブ部材と、出力ユニットと、補助動力ユニットと、を含み、
前記入力軸が、少なくとも1つの初期動力を受けて駆動され、
前記検出軸スリーブ部材が、前記入力軸上に設置され、前記入力軸のトルク値の大きさを直接検出し、対応する歪み信号を発することができ、
前記出力ユニットが、第1伝動軸スリーブと、第2伝動軸スリーブと、出力部材と、を備え、
該第1伝動軸スリーブが前記入力軸上に被せて設置され、
前記第2伝動軸スリーブが前記入力軸と前記第1伝動軸スリーブの外側に被せて設置され、かつ前記第2伝動軸スリーブと前記第1伝動軸スリーブ間に少なくとも1つのワンウェイベアリングが設置され、前記第1伝動軸スリーブが前記入力軸の初期動力入力方向に沿って一方向に前記第2伝動軸スリーブを動かすことができ、
また前記出力部材を前記第2伝動軸スリーブ上に設置して、前記被駆動体を駆動することができ、
前記補助動力ユニットが、前記第2伝動軸スリーブ上に被せて設置され、動力部材を有し、かつ前記動力部材と前記第2伝動軸スリーブ間に少なくとも1つのワンウェイベアリングが設置され、
前記動力部材が前記出力部材により前記被駆動体を駆動する方向に沿って一方向に前記第2伝動軸スリーブを動かし、前記歪み信号に基づき前記第2伝動軸スリーブを補助して駆動する補助動力を発生することができ
、
前記出力ユニットの第2伝動軸スリーブが、前記ワンウェイベアリングの両側にそれぞれ径方向位置決め部材を有する
ことを
特徴とす
る動力代替構造。
【請求項6】
請求項5に記載の動力代替構造
において、
前記出力ユニットの径方向位置決め部材の開口側に軸方向位置決め部材が設置される、
ことを特徴とする動力代替構造。
【請求項7】
請求項1
、請求項4および請求項5のうちのいずれかに記載の動力代替構造
において、
前記補助動力ユニットの動力部材が前記ワンウェイベアリングの一側に径方向位置決め部材を備える、
ことを特徴とする動力代替構造。
【請求項8】
被駆動体を駆動するための動力代替構造であって、
入力軸と、検出軸スリーブ部材と、出力ユニットと、補助動力ユニットと、を含み、
前記入力軸が、少なくとも1つの初期動力を受けて駆動され、
前記検出軸スリーブ部材が、前記入力軸上に設置され、前記入力軸のトルク値の大きさを直接検出し、対応する歪み信号を発することができ、
前記出力ユニットが、第1伝動軸スリーブと、第2伝動軸スリーブと、出力部材と、を備え、
該第1伝動軸スリーブが前記入力軸上に被せて設置され、
前記第2伝動軸スリーブが前記入力軸と前記第1伝動軸スリーブの外側に被せて設置され、かつ前記第2伝動軸スリーブと前記第1伝動軸スリーブ間に少なくとも1つのワンウェイベアリングが設置され、前記第1伝動軸スリーブが前記入力軸の初期動力入力方向に沿って一方向に前記第2伝動軸スリーブを動かすことができ、
また前記出力部材を前記第2伝動軸スリーブ上に設置して、前記被駆動体を駆動することができ、
前記補助動力ユニットが、前記第2伝動軸スリーブ上に被せて設置され、動力部材を有し、かつ前記動力部材と前記第2伝動軸スリーブ間に少なくとも1つのワンウェイベアリングが設置され、
前記動力部材が前記出力部材により前記被駆動体を駆動する方向に沿って一方向に前記第2伝動軸スリーブを動かし、前記歪み信号に基づき前記第2伝動軸スリーブを補助して駆動する補助動力を発生することがで
き、
前記補助動力ユニットの動力部材が前記ワンウェイベアリングの一側に径方向位置決め部材を備え、
前記補助動力ユニットの径方向位置決め部材の開口側に軸方向位置決め部材が設置される
ことを特徴とする動力代替構造。
【請求項9】
請求項1
、請求項4、請求項5および請求項8のうちのいずれかに記載の動力代替構造
において、
前記被駆動体が自転車であり、前記入力軸が前記自転車のクランク軸であり、かつ前記クランク軸が両端のクランクを踏み込むことで駆動の初期動力を発生する、
ことを特徴とする動力代替構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、必要に応じて初期動力、助力動力または外部動力の提供を選択して駆動し、異なる駆動ニーズに対応することができる、動力代替構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現有の自転車のトルク検出機構は、主に、クランク軸表面に歪みゲージが設置され、左右両側のクランクが踏み込まれたとき、クランク軸にねじれ力によって変形が発生するが、このとき該歪みゲージが該クランク軸の歪み量を検出して、コントローラが補助モーターの出力する補助動力を制御するか、または直接駆動するというものである。しかしながら、前述の構造において、チェーンスプロケットが設置されたクランクを踏み込んだとき、力の一部がスプロケット上に伝達されるため、クランク軸に導入されるトルクには極めて大きな誤差があり、測定の正確性が低下して、モーターが出力する補助動力の大きさにも連動的に影響する。
【0003】
つまり、現有のトルク検出機構は、クランク軸のトルク測定時に誤差が存在し、その補助動力の提供に悪影響を引き起こしており、また直接外力を使用して駆動する必要があるときも、初期動力と補助動力が相互に干渉し、部品の破損を引き起こす可能性があり、使用者の実際のニーズに応じて切り替えを行うことができないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、必要に応じて初期動力、助力動力または外部動力の提供を選択して駆動し、異なる駆動ニーズに対応することができる、動力代替構造を提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、簡単な構造を利用することで、入力軸の作用力が伝達される際の損耗を減少し、入力軸のトルク値をすぐに、正確に測定でき、入力軸のトルク値の測定誤差を大幅に減少して、補助動力の出力をより円滑かつ安定させ、歪みを生じたり、突然暴走したりする現象を防止することで、補助動力による駆動の信頼性を高めることができる、動力代替構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下この考案について説明する。請求項1に記載する動力代替構造は、被駆動体を駆動するための動力代替構造であって、入力軸と、検出軸スリーブ部材と、出力ユニットと、補助動力ユニットと、を含み、
前記入力軸が、少なくとも1つの初期動力を受けて駆動され、
前記検出軸スリーブ部材が、前記入力軸上に設置され、前記入力軸のトルク値の大きさを直接検出し、対応する歪み信号を発することができ、
前記出力ユニットが、第1伝動軸スリーブと、第2伝動軸スリーブと、出力部材を備え、該第1伝動軸スリーブが前記入力軸上に被せて設置され、前記第2伝動軸スリーブが前記入力軸と前記第1伝動軸スリーブの外側に被せて設置され、かつ前記第2伝動軸スリーブと前記第1伝動軸スリーブ間に少なくとも1つのワンウェイベアリングが設置され、前記第1伝動軸スリーブが前記入力軸の初期動力入力方向に沿って一方向に前記第2伝動軸スリーブを動かすことができ、また前記出力部材を前記第2伝動軸スリーブ上に設置して、前記被駆動体を駆動することができ、
前記補助動力ユニットが、前記第2伝動軸スリーブ上に被せて設置され、動力部材を有し、かつ前記動力部材と前記第2伝動軸スリーブ間に少なくとも1つのワンウェイベアリングが設置され、前記動力部材が前記出力部材により前記被駆動体を駆動する方向に沿って一方向に前記第2伝動軸スリーブを動かし、前記歪み信号に基づき前記第2伝動軸スリーブを補助して駆動する補助動力を発生することができる。
【0007】
請求項2に記載する動力代替構造は、請求項1における出力ユニットの第1伝動軸スリーブが一端に接合部を備え、前記検出軸スリーブ部材の対応する端部に対応して連接される接合部が形成され、前記入力軸が前記検出軸スリーブ部材を介して前記第1伝動軸スリーブを動かすことができる。
【0008】
請求項3に記載する動力代替構造は、請求項2における検出軸スリーブ部材の接合部が、外縁噛合歯を有し、前記第1伝動軸スリーブの接合部が、対応して噛み合わせることができる内縁噛合歯を有する、ことを特徴とする、請求項2に記載の動力代替構造。
【0009】
請求項4に記載する動力代替構造は、請求項1における出力ユニットの第2伝動軸スリーブと前記入力軸の間に少なくとも1つの軸受が設置される。
【0010】
請求項5に記載する動力代替構造は、請求項1または2または4における出力ユニットの第1伝動軸スリーブと前記入力軸の間に少なくとも1つの軸受が設置される。
【0011】
請求項6に記載する動力代替構造は、請求項1における出力ユニットの第2伝動軸スリーブが、前記ワンウェイベアリングの両側にそれぞれ径方向位置決め部材を有する。
【0012】
請求項7に記載する動力代替構造は、請求項6における出力ユニットの径方向位置決め部材の開口側に軸方向位置決め部材が設置される。
【0013】
請求項8に記載する動力代替構造は、請求項1における補助動力ユニットの動力部材が前記ワンウェイベアリングの一側に径方向位置決め部材を備える。
【0014】
請求項9に記載する動力代替構造は、請求項8における補助動力ユニットの径方向位置決め部材の開口側に軸方向位置決め部材が設置される。
【0015】
請求項10に記載する動力代替構造は、請求項1における被駆動体が自転車であり、前記入力軸が前記自転車のクランク軸であり、かつ前記クランク軸が両端のクランクを踏み込むことで駆動の初期動力を発生する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の動力代替構造は、該入力軸上の検出軸スリーブ部材を利用して該出力ユニットの第1伝動軸スリーブ、第2伝動軸スリーブを間接的に動かし、且つ該第1伝動軸スリーブ、第2伝動軸スリーブと該入力軸間に微動静止摩擦力の現象を形成し、該検出軸スリーブ部により直接かつ正確に該入力軸のトルク値の大きさを測定させることができるため、小さい力を効果的に検出できない、または大きな力になるまで累積させることで補助動力の暴走を発生する現象を回避し、補助動力を円滑かつ安定的に出力させることができ、同時に該第2伝動軸スリーブと該第1伝動軸スリーブ及び動力部材間にそれぞれワンウェイベアリングを設置する設計を通じ、第2伝動軸スリーブ上の出力部材に実際の必要に応じて駆動力の出所を選択させることができ、その作動の柔軟性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図4】本発明の初期動力を利用した駆動の側面断面図である。
【
図5】本発明の外部電力を利用した駆動の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の構成は、
図1、
図2に示すように、入力軸10と、一検出軸スリーブ部材20と、出力ユニット30と、補助動力ユニット40から構成され、そのうち、該入力軸10と補助動力ユニット40が個別にまたは共同で、該出力ユニット30に対してそれぞれ出力し、自転車などの被駆動体を駆動することができる。
【0019】
詳細な構成は、
図2、
図3に示すように、該入力軸10の両端のうち少なくとも1端が、初期動力の入力を通じて作動し、その軸心で旋回させることができ、該入力軸10は自転車のクランク軸とすることができ、両端に設置されたクランクを踏み込んで該クランク軸を作動させ、クランク軸上のスプロケットを通じてチェーンを動かし、自転車の駆動に用いることができる。かつ該検出軸スリーブ部材20が該入力軸10の中段部に被着され、該検出軸スリーブ部材20を該入力軸10と連動して旋回させることができ、かつ該検出軸スリーブ部材20が、該入力軸10のトルク値の大きさを測定し、トルク値の大きさに対応する歪み信号を生成し、該検出軸スリーブ部材20がコントローラ(図示しない)に電気的に接続され、該コントローラが該歪み信号または作動信号(例えば外力駆動モードへの切り替え)に基づいて駆動部材(例えばモーター)を操作し、該補助動力ユニット40を作動させて補助動力を出力させることができる。また、該検出軸スリーブ部材20の一端に接合部25が形成され、該出力ユニット30と固定されて連動を発生し、そのうち、該接合部25は外縁噛合歯または内縁噛合歯とすることができ、本発明の検出軸スリーブ部材20の接合部25は、外縁噛合歯を主要な実施例とする。
【0020】
前述の出力ユニット30は、第1伝動軸スリーブ31と、第2伝動軸スリーブ35と、出力部材38から構成され、そのうち、該第1伝動軸スリーブ31が該入力軸10上に被せて設置され、かつ該第1伝動軸スリーブ31が中心に段付軸孔310を備え、該段付軸孔310の一端に該検出軸スリーブ部材20の接合部25に対応して接合可能な接合部32が設けられ、そのうち、該第1伝動軸スリーブ31の接合部32は内縁噛合歯または外縁噛合歯とすることができ、本発明の第1伝動軸スリーブ31の接合部32は、該検出軸スリーブ部材20の接合部25の外縁噛合歯に対応して噛合させることができる内縁噛合歯を主要な実施例とする。かつ、該第1伝動軸スリーブ31の段付軸孔310の他端と該入力軸10の間に少なくとも1つの軸受33が設置され、該第1伝動軸スリーブ31と該入力軸10の両者間に微動静止磨擦力を存在させ、該入力軸10の入力する作用力が該第1伝動軸スリーブ31に直接伝達されないようにする。該第2伝動軸スリーブ35が該入力軸10と該第1伝動軸スリーブ31の外側に被せて設置され、該第2伝動軸スリーブ35が中心に段付軸孔350を備え、かつ該第2伝動軸スリーブ35の段付軸孔350の一端と該入力軸10間に少なくとも1つの軸受36が設置され、該第2伝動軸スリーブ35と該入力軸10の両者間に微動静止磨擦力を存在させ、該入力軸10の入力する作用力が該第2伝動軸スリーブ35上に直接伝達されないようにする。また、該第2伝動軸スリーブ35の段付軸孔350の他端と該第1伝動軸スリーブ31間に少なくとも1つのワンウェイベアリング37が設置され、該第1伝動軸スリーブ31が入力軸10の初期動力入力方向に沿って一方向に該第2伝動軸スリーブ35を動かすことができ、逆方向は空転するようにさせることができる。また、該ワンウェイベアリング37の両側のうち少なくとも一側に径方向位置決め部材371が設置され、かつそのうち1つの径方向位置決め部材371の一側に軸方向位置決め部材372が設置され、該第2伝動軸スリーブ35を安定的に該第1伝動軸スリーブ31上で運転させることができる。さらに、該出力部材38が該第2伝動軸スリーブ35の一端に設置され、該出力部材38が該第2伝動軸スリーブ35により動かされるようにする。該出力部材38は自転車のスプロケットとすることができ、チェーンにより自転車の前輪または後輪を駆動する。
【0021】
また、該補助動力ユニット40は、該歪み信号に基づいてコントローラ駆動部材(図示しない)の作動により対応する大きさの補助動力を出力し、該出力ユニット30の第2伝動軸スリーブ35出力部材38を駆動し、該補助動力ユニット40が出力ユニット30の第2伝動軸スリーブ35上に被せて設置された動力部材41を備え、かつ該動力部材41の内縁と該第2伝動軸スリーブ35間に少なくとも1つのワンウェイベアリング42が設置され、該動力部材41が出力部材38により該被駆動体を駆動する方向に沿って一方向に該第2伝動軸スリーブ35を動かすことができ、逆方向は空転するようにさせることができる。また、該ワンウェイベアリング42の一側に径方向位置決め部材43が設置され、かつ該径方向位置決め部材43の一側に軸方向位置決め部材44が設置され、該動力部材41を安定的に該第2伝動軸スリーブ35上で運転させることができる。
【0022】
これにより、該入力軸10を回転させる初期動力で該出力ユニット30の出力部材38を駆動し、該検出軸スリーブ部材20が入力軸10の初期動力の歪み信号を測定するか、オンオフ動作を切り替え、コントローラの駆動部材を利用して該補助動力ユニット40の動力部材41を動かし、該出力ユニット30の出力部材38に対して対応する大きさの駆動動力を提供することで、動力代替構造を構成する。
【0023】
本発明の構造を実際に動作させるときは、
図1、
図4に示すように、該入力軸10が両端のうち少なくとも一端の初期動力を得たとき、例えば入力軸10が自転車のクランク軸であるとき、両端のクランクを踏み込んで初期動力が入力され、該入力軸10が該検出軸スリーブ部材20を介して該出力ユニット30の第1伝動軸スリーブ31を動かし、かつワンウェイベアリング37を介して該第2伝動軸スリーブ35を作動させ、該第2伝動軸スリーブ35上の出力部材38を初期動力で駆動させることができ、かつ該第2伝動軸スリーブ35はその外縁のワンウェイベアリング42により該動力部材41に対して空転を形成し、コントローラの駆動部材を動かして破損することがないようにする。同時に、該検出軸スリーブ部材20は該入力軸10のトルク値の大きさを測定することができ、かつコントローラに対して対応する歪み信号を発し、該コントローラにより所定値を超過していないか判断するために用いられる。例えば、該入力軸10のトルク値が補助動力ユニット40を作動させる設定値に達していない場合、該補助動力ユニット40の動力部材41は静止した状態となり、該出力ユニット30の第2伝動軸スリーブ35と補助動力ユニット40の動力部材41間にワンウェイベアリング42の設置により空転を形成し、該補助動力ユニット40の動力部材41に噛み合わされたコントローラ駆動部材(例えばモーター)を作動させるに至らず、該駆動部材の破損を回避することができる。
【0024】
該入力軸10が初期動力により駆動されトルク値が大きくなり(例えば、自転車に乗っていて坂道を上がるとき)該コントローラの所定値に達した、または駆動部材を直接作動させたいときは、
図1、
図5に示すように、該コントローラが補助動力ユニット40の動力部材41と噛み合わされた駆動部材を作動させ、該補助動力ユニット40により対応する補助動力を出力し、該動力部材41に該ワンウェイベアリング42を介して出力ユニット30の第2伝動軸スリーブ35を駆動させ、その出力部材38を回動させることができる。かつ該出力ユニット30の第2伝動軸スリーブ35と第1伝動軸スリーブ31間にワンウェイベアリング37が設置されているため、両者間に空転が形成され、入力軸10から伝達される初期動力と該補助動力ユニット40の動力部材41から伝達される補助動力または駆動動力が互いに干渉するに至らない。
【0025】
前述の設計と説明から、本発明は該入力軸10上の検出軸スリーブ部材20を利用して該出力ユニット30の第1伝動軸スリーブ31、第2伝動軸スリーブ35を間接的に動かし、かつ該第1伝動軸スリーブ31、第2伝動軸スリーブ35と該入力軸10間に軸受33、36が設置されることで、微動静止摩擦力の現象を形成し、該入力軸10が入力する初期動力が該検出軸スリーブ部材20による測定を経ないとき、その作用力が該出力ユニット30の第1伝動軸スリーブ31、第2伝動軸スリーブ35上に分散されることがなく、入力軸10のトルク量に影響せず、該検出軸スリーブ部材20により直接かつ正確に該入力軸10のトルク値の大きさを測定させることができ、同時に遅滞現象がなく、測定値も歪みを生じることがない。このため、測定誤差が小さく、感度が高いことで、小さい力を効果的に検出できない、または大きな力になるまで累積させることで補助動力の暴走を発生する現象を回避し、補助動力を円滑かつ安定的に出力させることができる。同時に、該第2伝動軸スリーブ35と第1伝動軸スリーブ31及び動力部材41間にそれぞれワンウェイベアリング37、42を設置する設計を通じ、第2伝動軸スリーブ35上の出力部材38に実際の必要に応じて駆動力の出所を選択させることができ、その作動の柔軟性を高めることができる。
【符号の説明】
【0026】
10 入力軸
20 検出軸スリーブ部材
25 接合部
30 出力ユニット
31 第1伝動軸スリーブ
310 段付軸孔
32 接合部
33 軸受
35 第2伝動軸スリーブ
350 段付軸孔
36 軸受
37 ワンウェイベアリング
371 径方向位置決め部材
372 軸方向位置決め部材
38 出力部材
40 補助動力ユニット
41 動力部材
42 ワンウェイベアリング
43 径方向位置決め部材
44 軸方向位置決め部材