IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-風呂システム 図1
  • 特許-風呂システム 図2
  • 特許-風呂システム 図3
  • 特許-風呂システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】風呂システム
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20230406BHJP
【FI】
A47K3/00 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019083249
(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公開番号】P2020178846
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸下 洋平
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-164233(JP,A)
【文献】実開平03-101287(JP,U)
【文献】特開2002-106956(JP,A)
【文献】特開2008-284109(JP,A)
【文献】特開平04-017851(JP,A)
【文献】特開2016-008763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
F24H 1/00
F24H 15/196
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽と、
加熱装置と、
気体が溶解した水を前記浴槽に吐出する第1吐出口と、
前記加熱装置によって加熱された水を前記浴槽に吐出する第2吐出口であって、前記第2吐出口から吐出される水が入浴者に直撃しない位置に設けられる前記第2吐出口と、
前記浴槽内の水を吸い込む吸込口と、
前記吸込口から流入する水を、前記第1吐出口または前記第2吐出口から流出させる循環水路と、
前記循環水路上に設けられるポンプと、
前記循環水路上に設けられ、水に気体を溶解させる気液混合装置と、
前記循環水路上に設けられる微細気泡吐出ノズルと、
前記循環水路上に設けられ、前記循環水路内の水の温度である循環水路水温を検出する温度センサと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記ポンプを駆動させ、前記吸込口から、前記浴槽内の水を前記気液混合装置に導入し、前記気液混合装置を通過した水を、前記微細気泡吐出ノズルを介して、前記第1吐出口から前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、
前記微細気泡供給運転を実行するための指示が取得される場合に、前記微細気泡供給運転を実行する前に、前記循環水路内の水を前記第2吐出口から排水する排水運転と、
を実行可能に構成されており、
前記排水運転の運転時間は、前記循環水路水温に基づいて、前記循環水路内の水を前記浴槽内の水に置換させるのに必要な時間が設定される、
風呂システム。
【請求項2】
浴槽と、
加熱装置と、
気体が溶解した水を前記浴槽に吐出する第1吐出口と、
前記加熱装置によって加熱された水を前記浴槽に吐出する第2吐出口であって、前記第2吐出口から吐出される水が入浴者に直撃しない位置に設けられる前記第2吐出口と、
前記浴槽内の水を吸い込む吸込口と、
前記吸込口から流入する水を、前記第1吐出口または前記第2吐出口から流出させる循環水路と、
前記循環水路上に設けられるポンプと、
前記循環水路上に設けられ、水に気体を溶解させる気液混合装置と、
前記循環水路上に設けられる微細気泡吐出ノズルと、
前記循環水路上に設けられ、前記循環水路内の水の温度である循環水路水温を検出する温度センサと、
制御装置と、を備え、
前記加熱装置は、前記循環水路上の前記温度センサよりも下流に設けられており、
前記制御装置は、
前記ポンプを駆動させ、前記吸込口から、前記浴槽内の水を前記気液混合装置に導入し、前記気液混合装置を通過した水を、前記微細気泡吐出ノズルを介して、前記第1吐出口から前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、
前記微細気泡供給運転を実行するための指示が取得される場合に、前記微細気泡供給運転を実行する前に、前記循環水路内の水を前記第2吐出口から排水する排水運転であって、前記加熱装置が駆動される、前記排水運転と、
を実行可能に構成されており、
前記排水運転の運転時間は、前記循環水路水温に基づいて、前記循環水路内の水を、前記浴槽内の水及び前記加熱装置によって加熱された水に置換させるのに必要な時間が設定される、
風呂システム。
【請求項3】
浴槽と、
前記浴槽の壁部に設置される第1吐出口であって、前記第1吐出口から吐出される水の量は、前記第1吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量が、前記第1吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量よりも多い、前記第1吐出口と、
前記浴槽の壁部に設置される第2吐出口であって、前記第2吐出口から吐出される水の量は、前記第2吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量が、前記第2吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量よりも多い、前記第2吐出口と、
前記浴槽内の水を吸い込む吸込口と、
前記吸込口から流入する水を、前記第1吐出口または前記第2吐出口から流出させる循環水路と、
前記循環水路上に設けられるポンプと、
前記循環水路上に設けられ、水に気体を溶解させる気液混合装置と、
前記循環水路上に設けられる微細気泡吐出ノズルと、
前記循環水路上に設けられ、前記循環水路内の水の温度である循環水路水温を検出する温度センサと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記ポンプを駆動させ、前記吸込口から、前記浴槽内の水を前記気液混合装置に導入し、前記気液混合装置を通過した水を、前記微細気泡吐出ノズルを介して、前記第1吐出口から前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、
前記微細気泡供給運転を実行するための指示が取得される場合に、前記微細気泡供給運転を実行する前に、前記循環水路内の水を前記第2吐出口から排水する排水運転と、
を実行可能に構成されており、
前記排水運転の運転時間は、前記循環水路水温に基づいて、前記循環水路内の水を前記浴槽内の水に置換させるのに必要な時間が設定される、
風呂システム。
【請求項4】
浴槽と、
前記浴槽の壁部に設置される第1吐出口であって、前記第1吐出口から吐出される水の量は、前記第1吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量が、前記第1吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量よりも多い、前記第1吐出口と、
前記浴槽の壁部に設置される第2吐出口であって、前記第2吐出口から吐出される水の量は、前記第2吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量が、前記第2吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量よりも多い、前記第2吐出口と、
前記浴槽内の水を吸い込む吸込口と、
前記吸込口から流入する水を、前記第1吐出口または前記第2吐出口から流出させる循環水路と、
前記循環水路上に設けられるポンプと、
前記循環水路上に設けられ、水に気体を溶解させる気液混合装置と、
前記循環水路上に設けられる微細気泡吐出ノズルと、
前記循環水路上に設けられ、前記循環水路内の水の温度である循環水路水温を検出する温度センサと、
前記循環水路上の前記温度センサよりも下流に設けられる加熱装置と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記ポンプを駆動させ、前記吸込口から、前記浴槽内の水を前記気液混合装置に導入し、前記気液混合装置を通過した水を、前記微細気泡吐出ノズルを介して、前記第1吐出口から前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、
前記微細気泡供給運転を実行するための指示が取得される場合に、前記微細気泡供給運転を実行する前に、前記循環水路内の水を前記第2吐出口から排水する排水運転であって、前記加熱装置が駆動される、前記排水運転と、
を実行可能に構成されており、
前記排水運転の運転時間は、前記循環水路水温に基づいて、前記循環水路内の水を、前記浴槽内の水及び前記加熱装置によって加熱された水に置換させるのに必要な時間が設定される、
風呂システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、風呂システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浴槽と、第1吐出口と、第2吐出口と、浴槽内の水を吸い込む吸込口と、吸込口から流入する水を、第1吐出口または第2吐出口から流出させる循環水路と、循環水路上に設けられるポンプと、循環水路上に設けられ、水に気体を溶解させる気液混合装置と、循環水路上に設けられる微細気泡吐出ノズルと、制御装置と、を備える風呂システムが開示されている。制御装置は、ポンプを駆動させ、浴槽内の水を、吸込口から気液混合装置に導入し、気液混合装置を通過した水を、微細気泡吐出ノズルを介して、第1吐出口から浴槽に吐出させる微細気泡供給運転を実行可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-164233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1吐出口または第2吐出口から浴槽内に水が吐出された後に、長時間が経過すると、循環水路内の水の温度が、浴槽内の水の温度よりも低い温度になることがある。このような状況では、微細気泡供給運転の開始直後に、微細気泡供給運転が開始する前に循環水路内に滞留していた比較的に温度の低い水が第1吐出口から浴槽内に吐出される。この比較的に温度の低い水が入浴者に直撃すると、入浴者に不快感を与え得る。
【0005】
本発明は、微細気泡供給運転時が実行される場合において、入浴者の快適性を向上させることが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される一実施形態の風呂システムは、浴槽と、加熱装置と、気体が溶解した水を前記浴槽に吐出する第1吐出口と、前記加熱装置によって加熱された水を前記浴槽に吐出する第2吐出口であって、前記第2吐出口から吐出される水が入浴者に直撃しない位置に設けられる前記第2吐出口と、前記浴槽内の水を吸い込む吸込口と、前記吸込口から流入する水を、前記第1吐出口または前記第2吐出口から流出させる循環水路と、前記循環水路上に設けられるポンプと、前記循環水路上に設けられ、水に気体を溶解させる気液混合装置と、前記循環水路上に設けられる微細気泡吐出ノズルと、前記循環水路上に設けられ、前記循環水路内の水の温度である循環水路水温を検出する温度センサと、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ポンプを駆動させ、前記吸込口から、前記浴槽内の水を前記気液混合装置に導入し、前記気液混合装置を通過した水を、前記微細気泡吐出ノズルを介して、前記第1吐出口から前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、前記微細気泡供給運転を実行するための指示が取得される場合に、前記微細気泡供給運転を実行する前に、前記循環水路内の水を前記第2吐出口から排水する排水運転と、を実行可能に構成されており、前記排水運転の運転時間は、前記循環水路水温に基づいて、前記循環水路内の水を前記浴槽内の水に置換させるのに必要な時間が設定される。
【0007】
上記の構成によると、制御装置は、微細気泡供給運転を実行する前に、循環水路内の比較的に温度の低い水(以下では、「低温水」と呼ぶ)を第2吐出口から浴槽内に排水する排水運転を実行する。第2吐出口は、加熱された水を浴槽に吐出するための吐出口である。加熱された水が入浴者に直撃すると、入浴者に不快感を与える。このため、一般的に、第2吐出口は、第2吐出口から吐出される水が入浴者に直撃しないように設計される。従って、排水運転において、低温水が第2吐出口から浴槽内に排水されても、低温水は入浴者に直撃しない。そして、排水運転において、循環水路内の低温水が比較的に温度の高い浴槽内の水(以下では、「浴槽水」と呼ぶ)に置換される。このため、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口を介して、浴槽内に吐出されることを抑制することができる。
また、排水運転の運転時間は、循環水路水温に基づいて設定される。この場合、循環水路内の多くの低温水を比較的に温度の高い水に置換させるのに必要な時間が排水運転の運転時間として設定される。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口を介して、浴槽内に吐出されることをより抑制することができる。従って、風呂システムを利用するユーザの快適性を向上させることができる。
【0008】
本明細書によって開示される別の実施形態の風呂システムは、浴槽と、加熱装置と、気体が溶解した水を前記浴槽に吐出する第1吐出口と、前記加熱装置によって加熱された水を前記浴槽に吐出する第2吐出口であって、前記第2吐出口から吐出される水が入浴者に直撃しない位置に設けられる前記第2吐出口と、前記浴槽内の水を吸い込む吸込口と、前記吸込口から流入する水を、前記第1吐出口または前記第2吐出口から流出させる循環水路と、前記循環水路上に設けられるポンプと、前記循環水路上に設けられ、水に気体を溶解させる気液混合装置と、前記循環水路上に設けられる微細気泡吐出ノズルと、前記循環水路上に設けられ、前記循環水路内の水の温度である循環水路水温を検出する温度センサと、制御装置と、を備え、前記加熱装置は、前記循環水路上の前記温度センサよりも下流に設けられており、前記制御装置は、前記ポンプを駆動させ、前記吸込口から、前記浴槽内の水を前記気液混合装置に導入し、前記気液混合装置を通過した水を、前記微細気泡吐出ノズルを介して、前記第1吐出口から前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、前記微細気泡供給運転を実行するための指示が取得される場合に、前記微細気泡供給運転を実行する前に、前記循環水路内の水を前記第2吐出口から排水する排水運転であって、前記加熱装置が駆動される、前記排水運転と、を実行可能に構成されており、前記排水運転の運転時間は、前記循環水路水温に基づいて、前記循環水路内の水を、前記浴槽内の水及び前記加熱装置によって加熱された水に置換させるのに必要な時間が設定される。
上記の構成によると、制御装置は、微細気泡供給運転を実行する前に、循環水路内の低温水を第2吐出口から浴槽内に排水する排水運転を実行する。第2吐出口は、加熱された水を浴槽に吐出するための吐出口である。加熱された水が入浴者に直撃すると、入浴者に不快感を与える。このため、一般的に、第2吐出口は、第2吐出口から吐出される水が入浴者に直撃しないように設計される。従って、排水運転において、低温水が第2吐出口から浴槽内に排水されても、低温水は入浴者に直撃しない。そして、排水運転において、循環水路内の低温水が比較的に温度の高い浴槽水に置換される。このため、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口を介して、浴槽内に吐出されることを抑制することができる。
また、排水運転の運転時間は、循環水路水温に基づいて設定される。この場合、循環水路内の多くの低温水を比較的に温度の高い水に置換させるのに必要な時間が排水運転の運転時間として設定される。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口を介して、浴槽内に吐出されることをより抑制することができる。従って、風呂システムを利用するユーザの快適性を向上させることができる。
また、上記の構成によると、排水運転において、循環水路内の低温水を、浴槽水及び加熱装置によって加熱された水に置換することができる。このため、循環水路内の全ての低温水を浴槽水に置換する構成と比較して、排水運転に要する時間を短くすることができる。従って、制御装置が微細気泡供給運転を実行するための指示を取得してから、微細気泡供給運転が実行されるまでの時間が短くなる。この結果、入浴者の快適性を向上させることができる。
【0009】
本明細書によって開示される別の実施形態の風呂システムは、浴槽と、前記浴槽の壁部に設置される第1吐出口であって、前記第1吐出口から吐出される水の量は、前記第1吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量が、前記第1吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量よりも多い、前記第1吐出口と、前記浴槽の壁部に設置される第2吐出口であって、前記第2吐出口から吐出される水の量は、前記第2吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量が、前記第2吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量よりも多い、前記第2吐出口と、前記浴槽内の水を吸い込む吸込口と、前記吸込口から流入する水を、前記第1吐出口または前記第2吐出口から流出させる循環水路と、前記循環水路上に設けられるポンプと、前記循環水路上に設けられ、水に気体を溶解させる気液混合装置と、前記循環水路上に設けられる微細気泡吐出ノズルと、前記循環水路上に設けられ、前記循環水路内の水の温度である循環水路水温を検出する温度センサと、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ポンプを駆動させ、前記吸込口から、前記浴槽内の水を前記気液混合装置に導入し、前記気液混合装置を通過した水を、前記微細気泡吐出ノズルを介して、前記第1吐出口から前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、前記微細気泡供給運転を実行するための指示が取得される場合に、前記微細気泡供給運転を実行する前に、前記循環水路内の水を前記第2吐出口から排水する排水運転と、を実行可能に構成されており、前記排水運転の運転時間は、前記循環水路水温に基づいて、前記循環水路内の水を前記浴槽内の水に置換させるのに必要な時間が設定される。
【0010】
上記の構成によると、制御装置は、微細気泡供給運転を実行する前に、循環水路内の低温水を、第2吐出口から浴槽内に排水する排水運転を実行する。排水運転において、第2吐出口が設置されている壁部に対して平行な方向に多くの低温水が排水されるため、低温水は入浴者に直撃し難い。そして、排水運転において、循環水路内の低温水が比較的に温度の高い浴槽水に置換される。このため、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口を介して、浴槽内に吐出されることを抑制することができる。従って、風呂システムを利用するユーザの快適性を向上させることができる。
【0011】
また、排水運転の運転時間は、循環水路水温に基づいて設定される。この場合、循環水路内の多くの低温水を比較的に温度の高い水に置換させるのに必要な時間が排水運転の運転時間として設定される。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口を介して、浴槽内に吐出されることをより抑制することができる。従って、風呂システムを利用するユーザの快適性を向上させることができる。
【0012】
本明細書によって開示される別の実施形態の風呂システムは、浴槽と、前記浴槽の壁部に設置される第1吐出口であって、前記第1吐出口から吐出される水の量は、前記第1吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量が、前記第1吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量よりも多い、前記第1吐出口と、前記浴槽の壁部に設置される第2吐出口であって、前記第2吐出口から吐出される水の量は、前記第2吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量が、前記第2吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量よりも多い、前記第2吐出口と、前記浴槽内の水を吸い込む吸込口と、前記吸込口から流入する水を、前記第1吐出口または前記第2吐出口から流出させる循環水路と、前記循環水路上に設けられるポンプと、前記循環水路上に設けられ、水に気体を溶解させる気液混合装置と、前記循環水路上に設けられる微細気泡吐出ノズルと、前記循環水路上に設けられ、前記循環水路内の水の温度である循環水路水温を検出する温度センサと、前記循環水路上の前記温度センサよりも下流に設けられる加熱装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ポンプを駆動させ、前記吸込口から、前記浴槽内の水を前記気液混合装置に導入し、前記気液混合装置を通過した水を、前記微細気泡吐出ノズルを介して、前記第1吐出口から前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、前記微細気泡供給運転を実行するための指示が取得される場合に、前記微細気泡供給運転を実行する前に、前記循環水路内の水を前記第2吐出口から排水する排水運転であって、前記加熱装置が駆動される、前記排水運転と、を実行可能に構成されており、前記排水運転の運転時間は、前記循環水路水温に基づいて、前記循環水路内の水を、前記浴槽内の水及び前記加熱装置によって加熱された水に置換させるのに必要な時間が設定される。
【0013】
上記の構成によると、制御装置は、微細気泡供給運転を実行する前に、循環水路内の低温水を、第2吐出口から浴槽内に排水する排水運転を実行する。排水運転において、第2吐出口が設置されている壁部に対して平行な方向に多くの低温水が排水されるため、低温水は入浴者に直撃し難い。そして、排水運転において、循環水路内の低温水が比較的に温度の高い浴槽水に置換される。このため、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口を介して、浴槽内に吐出されることを抑制することができる。従って、風呂システムを利用するユーザの快適性を向上させることができる。
また、排水運転の運転時間は、循環水路水温に基づいて設定される。この場合、循環水路内の多くの低温水を比較的に温度の高い水に置換させるのに必要な時間が排水運転の運転時間として設定される。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口を介して、浴槽内に吐出されることをより抑制することができる。従って、風呂システムを利用するユーザの快適性を向上させることができる。
また、上記の構成によると、排水運転において、循環水路内の低温水を、浴槽水及び加熱装置によって加熱された水に置換することができる。このため、循環水路内の全ての低温水を浴槽水に置換する構成と比較して、排水運転に要する時間を短くすることができる。従って、制御装置が微細気泡供給運転を実行するための指示を取得してから、微細気泡供給運転が実行されるまでの時間が短くなる。この結果、入浴者の快適性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例に係る風呂システム(微細気泡供給状態)の構成を示す図である。
図2】実施例に係る風呂システム(追い焚き循環状態)の構成を示す図である。
図3】実施例に係る循環接続具を模式的に示す図である。
図4】実施例に係る排水運転処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例)
(風呂システム2の構成)
図1図2を参照して、風呂システム2について説明する。風呂システム2は、熱源ユニット10と、微細気泡発生ユニット50と、浴槽130と、制御装置150と、を備える。熱源ユニット10は、給水源200、及び、微細気泡発生ユニット50に接続されている。微細気泡発生ユニット50は、熱源ユニット10及び浴槽130に接続されている。なお、以下では、図1に示す矢印の方向に水が流れる場合を例に説明する。
【0016】
(熱源ユニット10の構成)
熱源ユニット10は、給水源200から供給される水を加熱して、浴槽130に加熱された水を供給するためのユニットである。熱源ユニット10は、熱源機12と、給水路20と、第1戻り水路22と、第1往き水路24と、を備える。
【0017】
給水路20の上流端は、市水道などの給水源200に接続されており、給水路20の下流端は、第1戻り水路22に接続されている。給水路20には、湯張り弁26が設けられている。湯張り弁26は、給水路20から第1戻り水路22への水の流れを制御する弁である。
【0018】
第1戻り水路22の上流端は、微細気泡発生ユニット50(詳細には第2戻り水路60)に接続されており、下流端は熱源機12に接続されている。第1戻り水路22において、第1戻り水路22と給水路20の接続部よりも上流側には、第1戻り水路22内の水の温度である循環水路水温CTを検出する温度センサ28が設けられている。第1戻り水路22において、第1戻り水路22と給水路20の接続部と、熱源機12と、の間には、第1ポンプ30及び水流スイッチ32が設けられている。第1ポンプ30は、水流スイッチ32よりも上流側に設けられており、第1戻り水路22内の水を下流側に送り出す。水流スイッチ32は、第1戻り水路22内を水が通過していることを検出する。熱源機12は、熱源機12を通過する水を加熱するガス熱源機である。
【0019】
第1往き水路24の上流端は、熱源機12に接続されており、下流端は、微細気泡発生ユニット50(詳細には第2往き水路68)に接続されている。
【0020】
(微細気泡発生ユニット50の構成)
微細気泡発生ユニット50は、タンク52と、第2戻り水路60と、第2往き水路68と、水供給水路74と、連通水路66と、噴出水路64と、空気導入路100と、を備える。
【0021】
タンク52は、内部に水を貯留することができる。タンク52の内部には、タンク52内に貯留されている水の水位を検出するための低水位電極52a及び高水位電極52bが設置されている。低水位電極52aによって検出される第1水位は、高水位電極52bによって検出される第2水位よりも低い。水位電極52a、52bは、タンク52内に貯留されている水の水面に接触すると、制御装置150にON信号を出力する。タンク52は、水に空気が溶解している空気溶解加圧水を生成するために利用される。
【0022】
第2戻り水路60の上流端は、連通水路66に接続されており、下流端は、第1戻り水路22を介して、熱源ユニット10に接続されている。連通水路66は、第1切替弁80と第2切替弁82とを接続する。第3戻り水路62の一端は第1切替弁80に接続されており、他端は、浴槽130(詳細には循環接続具132)に接続されている。噴出水路64の上流端は、タンク52の下部に接続されており、下流端は、第1切替弁80に接続されている。噴出水路64には、逆止弁84が設けられている。上述のように、第1切替弁80には、連通水路66、第3戻り水路62、及び、噴出水路64が接続されている。第1切替弁80は、噴出水路64から第3戻り水路62に水が流れる微細気泡供給状態(図1の状態)と、第3戻り水路62から連通水路66に水が流れる追い焚き循環状態(図2の状態)と、を切替えることができる。
【0023】
第2往き水路68の上流端は、第1往き水路24を介して、熱源ユニット10に接続されており、下流端は第2切替弁82に接続されている。第3往き水路70の一端は浴槽130(詳細には循環接続具132)に接続されており、他端は第2切替弁82に接続されている。即ち、第2切替弁82には、連通水路66と、第2往き水路68と、第3往き水路70と、が接続されている。第2切替弁82は、第3往き水路70から連通水路66に水が流れる微細気泡供給状態(図1の状態)と、第2往き水路68から第3往き水路70に水が流れる追い焚き循環状態(図2の状態)と、を切替えることができる。
【0024】
第2往き水路68とタンク52は、水供給水路74で接続されている。水供給水路74には、給水制御弁86と第2ポンプ88とが設けられている。給水制御弁86は、第2ポンプ88よりも上流側に設けられている。第2ポンプ88は、水供給水路74内の水を下流側へ送り出す。以下では、浴槽130内の水(以下では、「浴槽水」と呼ぶ)を循環させる各水路22、24、60、62、64、66、68、70、74を総称して、「循環水路」と呼ぶことがある。
【0025】
空気導入路100の上流端側は、大気に開放されており、下流端がタンク52に接続されている。空気導入路100は、タンク52に空気を導入する。空気導入路100には、エアポンプ102と、逆止弁104と、が設けられている。エアポンプ102が駆動されると、タンク52に空気が導入される。
【0026】
(制御装置150の構成)
制御装置150は、熱源ユニット10、微細気泡発生ユニット50の各構成要素の動作を制御する。制御装置150は、ユーザによって操作可能なリモコン(図示省略)と通信可能に構成されている。制御装置150は、メモリ152を備える。メモリ152には、後述する排水運転処理(図4参照)で利用される各情報が記憶されている。制御装置150は、ユーザによるリモコンへの操作に応じて、追い焚き運転、排水運転、微細気泡供給運転等を実行することができる。
【0027】
(循環接続具132の構成)
続いて、図3(a)、(b)を参照して、浴槽130の壁部130aに接続される循環接続具132について説明する。循環接続具132は、浴槽130内の水の追い焚きと、浴槽130内に微細気泡を発生させることの両方を実現させるために利用される接続具である。図3(a)、(b)は、循環接続具132の断面を模式的に表した図である。図3(a)、(b)の矢印は、水の流れを示している。図3(a)は、第1切替弁80及び第2切替弁82が微細気泡供給状態である場合の水の流れを示し、図3(b)は、第1切替弁80及び第2切替弁82が追い焚き循環状態である場合の水の流れを示す。なお、以下では、図3の上下方向を上下方向と呼び、図3の左右方向を前後方向と呼ぶ。
【0028】
循環接続具132は、上部水路136と、下部水路138と、を備える。上部水路136は、第3戻り水路62と連通しており、下部水路138は、第3往き水路70と連通している。上部水路136は、第1吐出路136aと、第1吸込路136bと、に分岐される。第1吐出路136aは、循環接続具132の前面132aに設けられる第1吐出口134aと連通している。第1吐出口134aから吐出される水は、浴槽130の壁部130aの前方、即ち、壁部130aに垂直な方向に吐出される。なお、第1吐出口134aから吐出される水の多くは、壁部130aに垂直な方向に吐出されるが、一部の水は、壁部130aに傾斜している方向、及び、壁部130aに平行な方向に吐出される(図3(a)参照)。即ち、第1吐出口134aから吐出される水の量は、壁部130aに対する垂直成分の水の量が、壁部130aに対する平行成分の水の量よりも多い。なお、変形例では、第1吐出口134aから吐出される水の量のうち、壁部130aに対する垂直成分の水の量が壁部130aに対する平行成分の水の量よりも多ければ、壁部130aに垂直な方向に対して傾斜している方向に吐出される水の量が、壁部130aに垂直な方向に吐出される水の量よりも多くてもよい。第1吐出路136aには、前方側から後方側への水の流れを防止する逆止部140aと、微細気泡吐出ノズル142と、が設けられている。逆止部140aは、微細気泡吐出ノズル142よりも前方に設けられている。微細気泡吐出ノズル142は、微細気泡吐出ノズル142を通過する水を減圧させる。第1吸込路136bは、循環接続具132の前面132aに設けられる第1吸込口134bと連通している。第1吸込路136bには、後方側から前方側への水の流れを防止する逆止部140bが設けられている。
【0029】
下部水路138は、第2吐出路138aと、第2吸込路138bと、に分岐される。第2吸込路138bは、循環接続具132の前面132aに設けられる第2吸込口134cと連通している。第2吸込路138bには、後方側から前方側への水の流れを防止する逆止部140cが設けられている。第2吐出路138aは、循環接続具132の下面132bに設けられる第2吐出口134dと連通している。第2吐出口134dから吐出される水は、下方、即ち、壁部130aに平行な方向に吐出される。なお、第2吐出口134dから吐出される水の多くは、壁部130aに平行な方向に吐出されるが、一部の水は、壁部130aに傾斜している方向、及び、壁部130aに垂直な方向に吐出される(図3(b)参照)。即ち、第2吐出口134dから吐出される水の量は、壁部130aに対する平行成分の水の量が、壁部130aに対する垂直成分の水の量よりも多い。なお、変形例では、第2吐出口134dから吐出される水の量のうち、壁部130aに対する平行成分の水の量が壁部130aに対する垂直成分の水の量よりも多ければ、壁部130aに平行な方向に対して傾斜している方向に吐出される水の量が、壁部130aに平行な方向に吐出される水の量よりも多くてもよい。第2吐出路138aには、下方側から上方側への水の流れを防止する逆止部140dが設けられている。なお、変形例では、第2吐出口134dは、循環接続具132の前面132a以外の側面(例えば、左側面、右側面等)に設けられていてもよい。一般的に言うと、第2吐出口134dは、第2吐出口134dが吐出される多くの水が、壁部130aに平行な方向に吐出されるように設けられていればよい。
【0030】
(風呂システム2の動作)
続いて、風呂システム2の動作について説明する。以下では、風呂システム2が実施する追い焚き運転、排水運転、及び、微細気泡供給運転について順に説明する。なお、各運転が開始される時点において、第1切替弁80、第2切替弁82は、図2に示す追い焚き循環状態である。また、第1ポンプ30、第2ポンプ88の駆動は停止されており、湯張り弁26、給水制御弁86は閉状態である。
【0031】
(追い焚き運転)
追い焚き運転は、風呂システム2の各切替弁80、82が追い焚き循環状態(図2参照)において、浴槽水を、熱源機12によって加熱する運転である。ユーザによって追い焚き運転の実行を指示するための操作がリモコンに実行されると、追い焚き運転が開始される。まず、制御装置150は、第1ポンプ30及び熱源機12を駆動させる。これにより、図2図3(b)に示すように、浴槽水が、循環接続具132(詳細には、第1吸込口134b、第1吸込路136b、及び、上部水路136)、第3戻り水路62、連通水路66、第2戻り水路60、第1戻り水路22を通って熱源機12に供給される。そして、熱源機12によって加熱された水は、第1往き水路24、第2往き水路68、第3往き水路70、循環接続具132(詳細には、下部水路138、第2吐出路138a、及び、第2吐出口134d)を通って、浴槽130に供給される。制御装置150は、浴槽130内の温度が設定温度に達するか、又は、追い焚き運転時間が経過すると、熱源機12及び第1ポンプ30の駆動を停止させる。これによって、追い焚き運転は終了する。
【0032】
(排水運転)
排水運転は、微細気泡供給運転を実行する前に、循環水路内の低温水を温度の高い水に置換するための運転である。排水運転は、微細気泡供給運転を実行する前の準備運転でもある。制御装置150は、ユーザによって微細気泡供給運転の実行を指示するための操作がリモコンに実行されると、リモコンから微細気泡供給運転の実行をするための指示を取得し、図4の排水運転処理を開始する。
【0033】
ステップS10において、制御装置150は、温度センサ28によって検出される循環水路水温CTが所定水温(例えば、「35[度]」)以上であるのか否かを判断する。所定水温は、例えば、浴槽水の温度として設定された温度から所定値を減算した温度が設定される。制御装置150は、循環水路水温CTが所定水温以上である場合に、ステップS10でYESと判断し、図4の処理が終了する。一方、制御装置150は、循環水路水温CTが所定水温未満である場合に、ステップS10でNOと判断し、処理はステップS12に進む。なお、変形例では、制御装置150は、ステップS10でYESと判断する場合に、比較的に短い時間(例えば、「10[秒]」)の間、第1ポンプ30を駆動させてもよい。また、別の変形例では、制御装置150は、比較的に短い時間の間、第1ポンプ30を駆動させ、その後に、ステップS10の処理を実行してもよい。
【0034】
ステップS12において、制御装置150は、第1ポンプ30及び熱源機12を駆動させる。これにより、循環接続具132の第1吸込口134bから浴槽水が吸込まれる(図3(b)参照)。そして、排水運転処理が開始される前に、熱源機12よりも上流側に滞留していた水は、熱源機12を通過する。また、熱源機12よりも下流側の水は、循環接続具132の第2吐出口134dから浴槽130内に排水される(図3(b)参照)。
【0035】
ステップS14において、制御装置150は、タイマのカウントを開始する。そして、ステップS16において、制御装置150は、循環水路水温CTが所定水温以上となることを監視する。制御装置150は、循環水路水温CTが所定水温以上となる場合に、ステップS16でYESと判断し、処理はステップS18に進む。
【0036】
ステップS18において、制御装置150は、タイマの現在の値を第1基準時間ST1として特定する。そして、ステップS20において、制御装置150は、排水運転時間DTを特定する。排水運転時間DTは、循環水路内の低温水を温度の高い水に置換するために必要な時間である。制御装置150は、ステップS18で特定した第1基準時間ST1、メモリ152に記憶されている運転係数C、及び、メモリ152に記憶されている追加運転時間ATを利用して、排水運転時間DTを特定する。運転係数Cは、各切替弁80、82が追い焚き循環状態(図2の状態)において、熱源機12よりも上流側の水路(即ち、第3戻り水路62、連通水路66、第2戻り水路60、及び、第1戻り水路22)、及び、熱源機12よりも下流側の水路(即ち、第1往き水路24、第2往き水路68、及び、第3往き水路70)内の低温水を、比較的に温度の高い水(浴槽水又は熱源機12で加熱された水)に置換するのに必要な時間を特定するために利用される係数である。運転係数Cは、各切替弁80、82が追い焚き循環状態において、温度センサ28よりも上流側の水路の長さと、温度センサ28よりも下流側の水路の長さと、の比率に応じて設定される。運転係数Cは、例えば、風呂システム2を家屋に設置する施工者によって設定される。本実施例において、熱源ユニット10よりも上流側の水路の長さ及び熱源ユニット10よりも下流側の水路の長さは、熱源ユニット10内の水路の長さよりも比較的に長い。そして、本実施例では、各切替弁80、82が追い焚き循環状態における熱源ユニット10よりも上流側の水路の長さと熱源ユニット10よりも下流側の水路の長さは略同じである。即ち、熱源ユニット10内に設けられている温度センサ28の上流側の水路の長さと温度センサ28の下流側の水路の長さも略同じである。このため、温度センサ28よりも上流側の水路が浴槽水で置換されれば、温度センサ28よりも下流側の水路は、熱源機12で加熱された水に置換される。従って、本実施例では、運転係数Cとして「1」が設定されている。制御装置150は、第1基準時間ST1に運転係数Cを乗算することで第2基準時間ST2を算出する。追加運転時間ATは、第2基準時間ST2に加算される時間である。本実施例では、追加運転時間ATとして「10[秒]」が設定されている。制御装置150は、第2基準時間ST2に追加運転時間ATを加算することで、排水運転時間DTを特定する。例えば、第1基準時間ST1、運転係数C、追加運転時間ATが、それぞれ、「30[秒]」、「1」、「10[秒]」である場合、制御装置150は、「40[秒]」を排水運転時間DTとして特定する。
【0037】
ステップS22において、制御装置150は、タイマがステップS20で特定した排水運転時間DTを経過すること監視する。制御装置150は、タイマが排水運転時間DTを経過する場合に、ステップS22でYESと判断し、処理はステップS24に進む。
【0038】
ステップS24において、制御装置150は、第1ポンプ30及び熱源機12の駆動を停止させる。ステップS24が終了すると、図4の処理が終了する。これにより、第3戻り水路62、連通水路66、第2戻り水路60、及び、第1戻り水路22内の水が浴槽水で置換され、第1往き水路24、第2往き水路68、及び、第3往き水路70内の水が熱源機12で加熱された水に置換される。
【0039】
(微細気泡供給運転)
微細気泡供給運転は、風呂システム2の各切替弁80、82が微細気泡供給状態(図1参照)において、タンク52内で空気溶解加圧水を生成し、生成された空気溶解加圧水を浴槽130に供給する運転である。制御装置150は、図4の排水運転処理が終了すると、微細気泡供給運転を開始する。微細気泡供給運転は、空気導入運転と、給水運転と、で構成される。なお、制御装置150は、微細気泡供給運転を開始する際に、第1切替弁80及び第2切替弁82を、追い焚き循環状態から微細気泡供給状態に切替える。
【0040】
(空気導入運転)
空気導入運転は、タンク52内の水の水位が、高水位電極52bがONである第1水位以上である場合に開始される運転である。制御装置150は、給水制御弁86を、閉状態から開状態に切替える。制御装置150は、ユーザによって微細気泡供給運転の停止を指示するための操作がリモコンに実行されるまでの間、給水制御弁86を開状態に維持する。
【0041】
制御装置150は、空気導入運転において、第1ポンプ30、第2ポンプ88の駆動を停止状態にさせ、エアポンプ102を駆動させる。これにより、タンク52内に空気が導入されるとともに、タンク52内の水が流出していき、タンク52内の水の水位が低下する。制御装置150は、タンク52内の水の水位が第1水位以上であると判定してから、タンク52内の水の水位が、低水位電極52aがOFFである第2水位未満であると判定するまでの間、空気導入運転を実行する。なお、空気導入運転では、空気溶解加圧水は生成されない。
【0042】
(給水運転)
給水運転は、タンク52内の水の水位が、低水位電極52aがOFFである第2水位未満である場合に開始される運転である。給水運転において、制御装置150は、第1ポンプ30、第2ポンプ88を駆動させている状態で、エアポンプ102の駆動を停止させる。給水運転では、浴槽130内の水が、循環接続具132(詳細には、第2吸込口134c、第2吸込路138b、及び、下部水路138)、第3往き水路70、連通水路66、第2戻り水路60、第1戻り水路22、第1往き水路24、第2往き水路68、及び、水供給水路74を通って、タンク52に供給される(図1図3(a)参照)。そして、タンク52内において、空気溶解加圧水が生成される。そして、生成された空気溶解加圧水は、噴出水路64、第3戻り水路62、循環接続具132(詳細には、上部水路136、第1吐出路136a、及び、第1吐出口134a)を通って、浴槽130内に噴出される(図1図3(a)参照)。空気溶解加圧水は、循環接続具132の第1吐出路136aの微細気泡吐出ノズル142を通過する際に、大気圧以下まで減圧される。そして、空気溶解加圧水が浴槽130内に噴出されると、空気溶解加圧水は大気圧まで増圧され、浴槽130内に微細気泡が発生する。制御装置150は、タンク52内の水の水位が第2水位未満であると判定してから、タンク52内の水の水位が第1水位以上であると判定するまでの間、給水運転を実行する。
【0043】
制御装置150は、タンク52内の水の水位に応じて、空気導入運転と給水運転を繰り返し実行する。
【0044】
制御装置150は、ユーザによって微細気泡供給運転の停止を指示するための操作がリモコンに実行されると、第1ポンプ30及び第2ポンプ88の駆動を停止させ、給水制御弁86を開状態から閉状態に切替え、エアポンプ102の駆動を停止させる。さらに、制御装置150は、第1切替弁80及び第2切替弁82を、微細気泡供給状態から追い焚き循環状態に切替える。これにより、微細気泡供給運転が終了する。
【0045】
上述のように、制御装置150は、微細気泡供給運転を実行する前に、循環水路内の低温水を循環接続具132の第2吐出口134dから浴槽130内に排水する排水運転を実行する。第2吐出口134dは、加熱された水を浴槽130に吐出するための吐出口である。加熱された水が入浴者に直撃すると、入浴者に不快感を与える。このため、第2吐出口134dは、第2吐出口134dから吐出される水が入浴者に直撃しないように設計されている。従って、排水運転において、低温水が第2吐出口134dから浴槽130内に排水されても、低温水は入浴者に直撃しない。そして、排水運転において、循環水路内の低温水が浴槽水に置換され得る。このため、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が浴槽130内に吐出されることを抑制することができる。また、排水運転時間DTは、温度センサ28によって検出される循環水路水温CTに基づいて設定される。この場合、循環水路内の多くの低温水を比較的に温度の高い水に置換させるのに最適な時間が排水運転時間DTとして設定される。このため、排水運転時間DTが短いことに起因して、循環水路内に比較的に多くの低温水が残留している状態で、排水運転が終了することを抑制することができる。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口134aを介して、浴槽130内に吐出されることをより抑制することができる。また、循環水路内の多くの低温水が比較的に温度の高い水に置換された後に、排水運転が継続されることを抑制することができる。従って、制御装置150が微細気泡供給運転を実行するための指示を取得してから、微細気泡供給運転が実行されるまでの時間が必要以上に長くなることを抑制することができる。この結果、風呂システム2を利用するユーザの快適性を向上させることができる。
【0046】
また、制御装置150は、微細気泡供給運転を実行する前に、循環水路内の低温水を、循環接続具132の第2吐出口134dから浴槽130内に排水する排水運転を実行する。排水運転において、第2吐出口134dが設置されている壁部130aに対して平行な方向に多くの低温水が排水されるため、低温水は入浴者に直撃し難い。そして、排水運転において、循環水路内の低温水が浴槽水に置換され得る。このため、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が浴槽130内に吐出されることを抑制することができる。また、排水運転時間DTは、温度センサ28によって検出される循環水路水温CTに基づいて設定される。この場合、循環水路内の多くの低温水を比較的に温度の高い水に置換させるのに最適な時間が排水運転時間DTとして設定される。このため、排水運転時間DTが短いことに起因して、循環水路内に比較的に多くの低温水が残留している状態で、排水運転が終了することを抑制することができる。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口134aを介して、浴槽130内に吐出されることをより抑制することができる。また、循環水路内の多くの低温水が比較的に温度の高い水に置換された後に、排水運転が継続されることを抑制することができる。従って、制御装置150が微細気泡供給運転を実行するための指示を取得してから、微細気泡供給運転が実行されるまでの時間が必要以上に長くなることを抑制することができる。この結果、風呂システム2を利用するユーザの快適性を向上させることができる。
【0047】
また、制御装置150は、排水運転において、温度センサ28よりも下流側に設けられる熱源機12を駆動させる。このような構成によると、排水運転において、循環水路内の低温水を、浴槽水又は熱源機12によって加熱された水に置換することができる。このため、循環水路内の低温水を浴槽水のみに置換する構成と比較して、排水運転に要する時間を短くすることができる。従って、制御装置150が微細気泡供給運転を実行するための指示を取得してから、微細気泡供給運転が実行されるまでの時間が短くなる。この結果、入浴者の快適性を向上させることができる。
【0048】
(対応関係)
第1吸込口134b及び第2吸込口134cが、「吸込口」の一例である。第1ポンプ30が、「ポンプ」の一例である。タンク52、空気導入路100、及び、エアポンプ102が、「気液混合装置」の一例である。熱源機12が、「加熱装置」の一例である。排水運転時間DTが、「排水運転の時間」の一例である。
【0049】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0050】
(第1変形例)上記の実施例では、1個の循環接続具132が、第1吐出口134a、第2吐出口134d、第1吸込口134b、第2吸込口134cを備えている。変形例では、風呂システム2が、複数の循環接続具を備えてもよい。例えば、第1の循環接続具が、第1吐出口、第1吸込口を備え、第2の循環接続具が、第2吐出口、第2吸込口を備えてもよい。また、別の変形例では、第1の循環接続具が、第1吸込口、第2吸込口を備え、第2の循環接続具が、第1吐出口、第2吐出口を備えてもよい。また、風呂システム2が第1及び第2の循環接続具を備えている場合に、第1の循環接続具及び第2の循環接続具が浴槽130の異なる壁部に設けられていてもよい。例えば、第1の循環接続具が、浴槽130の壁部130aに設けられており、第2の循環接続具が壁部130aに対向する壁部に設けられていてもよい。
【0051】
(第2変形例)図4の排水運転処理のS12において、熱源機12を駆動させなくてもよい。本変形例では、メモリ152に記憶されている運転係数Cには、循環水路内の多くの低温水を、浴槽水に置換するのに必要な時間が設定されるとよい。例えば、各切替弁80、82が追い焚き循環状態における温度センサ28の上流側の水路の長さと温度センサ28の下流側の水路の長さとがほぼ同じである場合、運転係数Cとして「2」が設定される。
【0052】
(第3変形例)上記の実施例では、タンク52に空気が導入されている。変形例では、空気に代えて、炭酸ガス、水素、酸素等の気体がタンク52に導入されてもよい。この場合、気体が充填されているタンクを空気導入路100の上流端に配設するとよい。
【0053】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0054】
2 :風呂システム
10 :熱源ユニット
12 :熱源機
20 :給水路
22 :第1戻り水路
24 :第1往き水路
26 :湯張り弁
28 :温度センサ
30 :第1ポンプ
32 :水流スイッチ
50 :微細気泡発生ユニット
52 :タンク
52a :低水位電極
52b :高水位電極
60 :第2戻り水路
62 :第3戻り水路
64 :噴出水路
66 :連通水路
68 :第2往き水路
70 :第3往き水路
74 :水供給水路
80 :第1切替弁
82 :第2切替弁
84 :逆止弁
86 :給水制御弁
88 :第2ポンプ
100 :空気導入路
102 :エアポンプ
104 :逆止弁
130 :浴槽
130a :壁部
132 :循環接続具
132a :前面
132b :下面
134a :第1吐出口
134b :第1吸込口
134c :第2吸込口
134d :第2吐出口
136 :上部水路
136a :第1吐出路
136b :第1吸込路
138 :下部水路
138a :第2吐出路
138b :第2吸込路
140a~140d:逆止部
142 :微細気泡吐出ノズル
150 :制御装置
152 :メモリ
200 :給水源
図1
図2
図3
図4