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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】補助電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20230406BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20230406BHJP
   B62D 6/00 20060101ALI20230406BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20230406BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230406BHJP
   H02J 1/10 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
H02J1/00 306K
B62D5/04
B62D6/00
G01R31/00
H02J7/00 P
H02J1/10
H02J1/00 309C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019100525
(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2020195238
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 文彦
(72)【発明者】
【氏名】奥田 正貴
(72)【発明者】
【氏名】幹田 利幸
(72)【発明者】
【氏名】半澤 弘明
【審査官】山本 香奈絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-125113(JP,A)
【文献】特開2017-175691(JP,A)
【文献】特開2006-238609(JP,A)
【文献】特開平11-275777(JP,A)
【文献】特開平04-150738(JP,A)
【文献】特開昭54-162150(JP,A)
【文献】特開2002-372505(JP,A)
【文献】特表2019-511187(JP,A)
【文献】特開2016-053789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
B62D 5/04
B62D 6/00
G01R 31/00
H02J 7/00
H02J 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源から電力の給電対象への給電経路としての主電源側給電経路と、前記主電源側給電経路に接続されて補助電源から前記給電対象への給電経路としての補助電源側給電経路とが設けられている補助電源装置において、
前記補助電源側給電経路を通じて前記給電対象と接続されている補助電源と、
前記主電源側給電経路上の導通状態及び遮断状態の切り替えを制御するとともに、前記補助電源側給電経路上の導通状態及び遮断状態の切り替えを制御する電源制御部と、
前記電源制御部とは別に設けられて、前記主電源の出力状態を示すアナログ信号で前記主電源の異常を判定するとともに、前記主電源の異常を判定するときに前記主電源の異常を示すアナログ信号である切替信号を生成するアナログ判定回路と、
前記アナログ判定回路によって生成された前記切替信号に基づいて、前記給電対象に対して給電する電源を前記主電源から前記補助電源に切り替える電源切替回路とを備え
前記アナログ判定回路は、前記主電源の出力状態を示すアナログ信号として前記主電源の電源電圧を示す電源電圧信号と、前記主電源に異常が生じていることを示す異常判定電圧に応じた異常判定電圧信号とが入力される比較回路を有し、
前記比較回路は、
前記電源電圧信号の電圧が前記異常判定電圧信号の電圧を超えている場合、前記主電源は異常ではないとして、前記給電対象に対して給電する電源を前記主電源とする前記切替信号を生成し、
前記電源電圧信号の電圧が前記異常判定電圧信号の電圧を超えていない場合、前記主電源は異常であるとして、前記給電対象に対して給電する電源を前記補助電源とする前記切替信号を生成し、
前記電源制御部は、前記主電源に異常が生じていることを示す異常判定電圧閾値をデジタル値で記憶しており、
前記電源制御部は、前記電源電圧信号を取得し、当該取得した電源電圧信号をデジタル値である電源電圧値に変換し、
前記電源制御部は、前記電源電圧値が前記異常判定電圧閾値を超えている場合、前記給電対象に対して給電する電源を前記主電源とするアナログ信号を前記電源切替回路に対して出力し、
前記電源電圧値が前記異常判定電圧閾値を超えていない場合、前記給電対象に対して給電する電源を前記補助電源とするアナログ信号を前記電源切替回路に対して出力する補助電源装置。
【請求項2】
前記電源切替回路は、
前記主電源側給電経路に設けられ、導通状態と遮断状態とを切り替えるMOSFETを有する主電源側切替部と、
前記補助電源側給電経路に設けられ、導通状態と遮断状態とを切り替えるMOSFETを有する補助電源側切替部と、
前記主電源側切替部のゲート端子に対して、導通状態と遮断状態とを切り替えるためのゲート電圧を印加する主電源側電圧印加部と、
前記補助電源側切替部のゲート端子に対して、導通状態と遮断状態とを切り替えるためのゲート電圧を印加する補助電源側電圧印加部とを有し、
前記電源制御部及び前記比較回路は、前記主電源側電圧印加部に対する制御電圧信号の出力を通じて前記主電源側切替部の導通状態及び遮断状態の切り替えを制御するとともに、前記補助電源側電圧印加部に対する制御電圧信号の出力を通じて前記補助電源側切替部の導通状態及び遮断状態の切り替えを制御し、
前記比較回路は、
前記電源電圧信号の電圧が前記異常判定電圧信号の電圧を超えている場合、前記主電源側電圧印加部に対して前記切替信号として前記主電源側切替部を導通状態とする制御電圧信号を出力するとともに、前記補助電源側電圧印加部に対して前記切替信号として前記補助電源側切替部を遮断状態とする制御電圧信号を出力し、
前記電源電圧信号の電圧が前記異常判定電圧信号の電圧を超えていない場合、前記主電源側電圧印加部に対して前記切替信号として前記主電源側切替部を遮断状態とする制御電圧信号を出力するとともに、前記補助電源側電圧印加部に対して前記切替信号として前記補助電源側切替部を導通状態とする制御電圧信号を出力する請求項に記載の補助電源装置。
【請求項3】
前記アナログ判定回路は、前記電源制御部からの擬似異常信号の入力に基づいて、前記比較回路に入力される前記電源電圧信号を擬似的に異常ありとする擬似動作回路を備え、
前記電源制御部は、前記アナログ判定回路の動作確認を行う場合、前記比較回路に入力される前記電源電圧信号を擬似的に異常ありとさせるべく、前記擬似動作回路に対して前記擬似異常信号を出力し、
前記電源制御部は、
前記擬似動作回路に対して前記擬似異常信号を出力した結果として、前記比較回路が前記切替信号を生成した場合、前記アナログ判定回路に異常なしと判定し、
前記擬似動作回路に対して前記擬似異常信号を出力したにもかかわらず、前記比較回路が前記切替信号を生成しない場合、前記アナログ判定回路に異常ありと判定する請求項または請求項に記載の補助電源装置。
【請求項4】
前記異常判定電圧閾値は、前記異常判定電圧信号をデジタル値に変換した電圧値よりも高電位に設定されている請求項1~3のいずれか一項に記載の補助電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、負荷に対する電力の出力を制御する半導体集積回路が開示されている。半導体集積回路は、アナログ信号である温度測定結果を取り込んでデジタル信号に変換する。半導体集積回路は、当該デジタル信号に基づいて、負荷に対する電力の出力を非安定化電源と安定化電源との間で切り替えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-136229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記半導体集積回路では、温度測定結果をアナログ信号として取り込み、当該アナログ信号をデジタル信号に変換し、当該変換されたデジタル信号に基づいて非安定化電源と安定化電源との間の切り替え判定を行い、判定結果を示すデジタル信号をアナログ信号に変換して、当該アナログ信号によって電源の切り替えを行っている。この結果、電源の切り替えに要する工程が複雑になっている。例えば電源がショート故障した場合には電源から出力される電力の電圧が急激に低下するため、電源の切り替えが完了する前に電源から負荷に対する電力の出力が失われるおそれがある。特許文献1に開示の半導体集積回路では、迅速に電源を切り替えるという観点において改良の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する補助電源装置は、主電源から電力の給電対象への給電経路としての主電源側給電経路と、前記主電源側給電経路に接続されて補助電源から前記給電対象への給電経路としての補助電源側給電経路とが設けられている補助電源装置において、前記補助電源側給電経路を通じて前記給電対象と接続されている補助電源と、前記主電源側給電経路上の導通状態及び遮断状態の切り替えを制御するとともに、前記補助電源側給電経路上の導通状態及び遮断状態の切り替えを制御する電源制御部と、前記電源制御部とは別に設けられて、前記主電源の出力状態を示すアナログ信号で前記主電源の異常を判定するとともに、前記主電源の異常を判定するときに前記主電源の異常を示すアナログ信号である切替信号を生成するアナログ判定回路と、前記アナログ判定回路によって生成された前記切替信号に基づいて、前記給電対象に対して給電する電源を前記主電源から前記補助電源に切り替える電源切替回路とを備える。
【0006】
上記構成によれば、電源の切り替えに際しては、アナログ判定回路において主電源の出力状態を示すアナログ信号で主電源の異常を判定するとともに、当該判定結果を示すアナログ信号である切替信号を生成し、電源切替回路において切替信号によって電源を切り替えるという工程を経ればよい。すなわち、アナログ信号としての切替信号を、主電源の出力状態を示すアナログ信号からデジタル値に変換する過程を経ることなく生成できるため、デジタル信号に変換して電源の切り替え判定を行う場合よりも、電源の切り替えに要する工程を簡素にすることができる。このため、主電源から出力される電力の電圧が急激に低下する状況であっても、給電対象に対して給電する電源を主電源から補助電源へより迅速に切り替えることができる。
【0007】
上記の補助電源装置において、前記アナログ判定回路は、前記主電源の出力状態を示すアナログ信号として前記主電源の電源電圧を示す電源電圧信号と、前記主電源に異常が生じていることを示す異常判定電圧に応じた異常判定電圧信号とが入力される比較回路を有し、前記比較回路は、前記電源電圧信号の電圧が前記異常判定電圧信号の電圧を超えている場合、前記主電源は異常ではないとして、前記給電対象に対して給電する電源を前記主電源とする前記切替信号を生成し、前記電源電圧信号の電圧が前記異常判定電圧信号の電圧を超えていない場合、前記主電源は異常であるとして、前記給電対象に対して給電する電源を前記補助電源とする前記切替信号を生成することが好ましい。
【0008】
上記構成によれば、主電源の出力状態を示すアナログ信号である電源電圧信号をデジタル値に変換する過程を経ることなく、当該電源電圧信号で切替信号を生成するアナログ判定回路の具体的構成を提供できる。
【0009】
上記の補助電源装置において、前記電源切替回路は、前記主電源側給電経路に設けられ、導通状態と遮断状態とを切り替えるMOSFETを有する主電源側切替部と、前記補助電源側給電経路に設けられ、導通状態と遮断状態とを切り替えるMOSFETを有する補助電源側切替部と、前記主電源側切替部のゲート端子に対して、導通状態と遮断状態とを切り替えるためのゲート電圧を印加する主電源側電圧印加部と、前記補助電源側切替部のゲート端子に対して、導通状態と遮断状態とを切り替えるためのゲート電圧を印加する補助電源側電圧印加部とを有し、前記電源制御部及び前記比較回路は、前記主電源側電圧印加部に対する制御電圧信号の出力を通じて前記主電源側切替部の導通状態及び遮断状態の切り替えを制御するとともに、前記補助電源側電圧印加部に対する制御電圧信号の出力を通じて前記補助電源側切替部の導通状態及び遮断状態の切り替えを制御し、前記比較回路は、前記電源電圧信号の電圧が前記異常判定電圧信号の電圧を超えている場合、前記主電源側電圧印加部に対して前記切替信号として前記主電源側切替部を導通状態とする制御電圧信号を出力するとともに、前記補助電源側電圧印加部に対して前記切替信号として前記補助電源側切替部を遮断状態とする制御電圧信号を出力し、前記電源電圧信号の電圧が前記異常判定電圧信号の電圧を超えていない場合、前記主電源側電圧印加部に対して前記切替信号として前記主電源側切替部を遮断状態とする制御電圧信号を出力するとともに、前記補助電源側電圧印加部に対して前記切替信号として前記補助電源側切替部を導通状態とする制御電圧信号を出力することが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、比較回路から出力されるアナログ信号である制御電圧信号が電源切替回路に入力されることによって、給電対象に対して給電する電源を主電源から補助電源へ切り替える電源切替回路の具体的構成を提供できる。
【0011】
上記の補助電源装置において、前記アナログ判定回路は、前記電源制御部からの擬似異常信号の入力に基づいて、前記比較回路に入力される前記電源電圧信号を擬似的に異常ありとする擬似動作回路を備え、前記電源制御部は、前記アナログ判定回路の動作確認を行う場合、前記比較回路に入力される前記電源電圧信号を擬似的に異常ありとさせるべく、前記擬似動作回路に対して前記擬似異常信号を出力し、前記電源制御部は、前記擬似動作回路に対して前記擬似異常信号を出力した結果として、前記比較回路が前記切替信号を生成した場合、前記アナログ判定回路に異常なしと判定し、前記擬似動作回路に対して前記擬似異常信号を出力したにもかかわらず、前記比較回路が前記切替信号を生成しない場合、前記アナログ判定回路に異常ありと判定することが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、電源制御部は、擬似異常信号を擬似動作回路に対して出力したことに起因して比較回路で切替信号が生成されたかどうかに基づいて、アナログ判定回路の異常を検出することができる。仮に、アナログ判定回路に異常が生じている場合には、電源制御部が擬似動作回路に対して擬似異常信号を出力したとしても、切替信号が生成されないことになるからである。これにより、アナログ判定回路の異常の有無に関する情報を把握することができるため、アナログ判定回路の異常に対して処置を施すことが可能となる。そして、アナログ判定回路に異常がないことが確認された状態でアナログ判定回路による電源の切り替えが行われるため、補助電源装置の信頼性を向上させることができる。
【0013】
上記の補助電源装置において、前記電源制御部は、前記主電源に異常が生じていることを示す異常判定電圧閾値をデジタル値で記憶しており、前記電源制御部は、前記電源電圧信号を取得し、当該取得した電源電圧信号をデジタル値である電源電圧値に変換し、前記電源制御部は、前記電源電圧値が前記異常判定電圧閾値を超えている場合、前記給電対象に対して給電する電源を前記主電源とするアナログ信号を前記電源切替回路に対して出力し、前記電源電圧値が前記異常判定電圧閾値を超えていない場合、前記給電対象に対して給電する電源を前記補助電源とするアナログ信号を前記電源切替回路に対して出力することが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、主電源の異常の判定を、アナログ判定回路だけでなく、電源制御部においても実行できるため、いずれか一方だけの判定を行う場合よりも、形態の異なる異常に対応して電源を切り替えることができるようになる。
【0015】
上記の補助電源装置において、前記異常判定電圧閾値は、前記異常判定電圧信号をデジタル値に変換した電圧値よりも高電位に設定されていることが好ましい。
主電源の異常には、主電源の電源電圧値が急激に低下する主電源のショート故障もあれば、主電源の電源電圧値が緩やかに低下する主電源のオープン故障や主電源の経年劣化に起因する異常等、様々な形態のものがある。主電源の電源電圧値が緩やかに低下する状況においては、主電源の電源電圧値が異常判定電圧信号の電圧を下回る前に、主電源の電源電圧値が異常判定電圧信号の電圧を超えるものの、異常判定電圧閾値を超えないような状況となることが想定される。一方、主電源の電源電圧値が急激に低下する状況においては、瞬間的に主電源の電源電圧値が異常判定電圧信号の電圧を下回るような状況となることが想定される。このため、電源制御部における主電源の異常の判定で用いる異常判定電圧閾値を、迅速に判定することのできるアナログ判定回路における主電源の異常の判定で用いる異常判定電圧信号の電圧よりも高電位に設定している。これにより、主電源の電源電圧値が異常判定電圧信号の電圧を超えないことから主電源の異常が判定された場合と、主電源の電源電圧値が異常判定電圧信号の電圧を超えるものの異常判定電圧閾値を超えないことから主電源の異常が判定された場合とに場合分けできることから、主電源の異常の形態を把握できるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の補助電源装置によれば、迅速に電源を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】補助電源装置を適用したステアリング装置の概略構成を示す図。
図2】補助電源装置についてその電気的構成を示す図。
図3】主電源がオープン故障した場合の電源電圧値の遷移について示すグラフ。
図4】主電源がショート故障した場合の電源電圧値の遷移について示すグラフ。
図5】他の実施形態の補助電源装置についてその電気的構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
補助電源装置をステアリング装置に適用した一実施形態について説明する。
図1に示すように、ステアリング装置1は、運転者のステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪16を転舵させる操舵機構2、運転者のステアリング操作を補助するモータ20を有するアシスト機構3、操舵制御装置30、及び補助電源装置40を備えている。ステアリング装置1は、操舵機構2にモータ20のモータトルクを操舵補助力として付与することにより、運転者のステアリング操作を補助する、いわゆる、電動パワーステアリング装置である。
【0019】
操舵機構2は、一端にステアリングホイール10が固定されて他端にピニオンギア11が形成されているステアリング軸12と、ピニオンギア11と噛み合うラックギア13が形成されているラック軸14とを備えている。これらピニオンギア11及びラックギア13によりラックアンドピニオン機構が構成されている。ステアリング軸12の回転運動は、ラックアンドピニオン機構を介してラック軸14の軸方向の往復直線運動に変換される。ステアリング装置1は、ラック軸14の軸方向が車幅方向となるように車両に組み付けられている。ラック軸14の往復直線運動は、ラック軸14の両端にそれぞれ連結されたタイロッド15を介して左右の転舵輪16にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪16の転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
【0020】
ステアリング軸12には、ステアリングホイール10の操作によりステアリング軸12に加えられた操舵トルクTRを計測するためのトルクセンサ17が装着されている。本実施形態のトルクセンサ17は、ステアリング軸12の一部を構成するトーションバーの捩り量を検出して、その捩り量に基づいて操舵トルクTRを計測している。
【0021】
アシスト機構3は、操舵補助用のモータ20と、減速機21とを備えている。モータ20は減速機21と連結されており、減速機21はステアリング軸12と連結されている。減速機21は、モータ20の回転を減速し、当該減速した回転力をステアリング軸12に伝達する。本実施形態のモータ20としては、3相ブラシレスモータが採用されている。また、本実施形態の減速機21としては、ウォームギア機構が採用されている。
【0022】
操舵制御装置30には、モータ20の各相(U相、V相、W相)にそれぞれ2つのスイッチング素子を備えた公知の回路であるインバータが構成されている。ステアリング装置1が車両に組み付けられた際、補助電源装置40は車載された主電源50と接続され、操舵制御装置30は補助電源装置40と接続されている。補助電源装置40は、主電源50と、電力の給電対象である操舵制御装置30との間に設けられている。操舵制御装置30は、主電源50の給電を通じてモータ20の動作を制御することで、運転者のステアリング操作を補助する。操舵制御装置30は、モータ20の動作を制御するための制御量等の演算をする各種演算処理を実行する操舵制御部31と、当該各種演算処理のためのプログラムやデータを格納するメモリ32とを備えている。操舵制御部31には、上述のトルクセンサ17及び車速センサ18が接続されている。車速センサ18は、車両の走行速度SPを検出する。操舵制御部31は、操舵補助力の制御に際して、操舵トルクTR及び走行速度SPに基づいて操舵補助力の目標値である目標操舵補助力分の操舵補助力を決定する。操舵制御部31は、目標操舵補助力分の操舵補助力を発生するべく、インバータの制御を通じてモータ20の動作を制御する。
【0023】
補助電源装置40の構成について説明する。
図2に示すように、補助電源装置40は、補助電源60と、電源制御部70と、電圧検出回路80と、アナログ判定回路100と、電源切替回路110とを備えている。
【0024】
補助電源装置40には、主電源50から電力の給電対象である操舵制御装置30への給電経路としての主電源側給電経路L1と、主電源側給電経路L1に接続されて補助電源60から操舵制御装置30への給電経路としての補助電源側給電経路L2とが設けられている。補助電源側給電経路L2は、主電源側給電経路L1上における接続点P1に接続されている。
【0025】
補助電源60は、補助電源側給電経路L2を通じて操舵制御装置30と接続されている。補助電源60は、電荷を充放電可能である。補助電源60としては、例えばリチウムイオンキャパシタが採用されている。
【0026】
電源切替回路110は、主電源側切替部150と、補助電源側切替部160と、主電源側電圧印加部170と、補助電源側電圧印加部180とを有している。
主電源側切替部150は、主電源側給電経路L1における主電源50と接続点P1との間に設けられている。主電源側切替部150は、第1MOSFET151(metal-oxide-semiconductor field-effect-transistor)及び第2MOSFET152を有している。第1MOSFET151及び第2MOSFET152は、P型半導体層が対応付けられたソース端子と、P型半導体層が対応付けられたドレイン端子と、N型半導体層が対応付けられたゲート端子とをそれぞれ有するPチャネルMOSFETである。図2中では、ソース端子については「S」、ドレイン端子については「D」、ゲート端子については「G」と示す。
【0027】
第1MOSFET151は、ソース端子が主電源50の高電位側と接続されているとともに、ドレイン端子が第2MOSFET152のドレイン端子と接続されている。第2MOSFET152は、ドレイン端子が第1MOSFET151のドレイン端子と接続されているとともに、ソース端子が主電源側給電経路L1を介して操舵制御装置30と接続されている。第1MOSFET151のゲート端子及び第2MOSFET152のゲート端子は、主電源側電圧印加部170に接続されている。主電源側切替部150では、これら第1MOSFET151及び第2MOSFET152によって、主電源50と操舵制御装置30との間の主電源側給電経路L1を介した給電が導通される導通状態と、当該給電を遮断する遮断状態とを切り替えている。
【0028】
補助電源側切替部160は、補助電源側給電経路L2上に設けられている。補助電源側切替部160は、第3MOSFET161及び第4MOSFET162を有している。第3MOSFET161及び第4MOSFET162は、N型半導体層が対応付けられたソース端子と、N型半導体層が対応付けられたドレイン端子と、P型半導体層が対応付けられたゲート端子とをそれぞれ有するNチャネルMOSFETである。
【0029】
第3MOSFET161は、ドレイン端子が補助電源60の高電位側と接続されているとともに、ソース端子が第4MOSFET162のソース端子と接続されている。第4MOSFET162は、ドレイン端子が補助電源側給電経路L2を介して主電源側給電経路L1上の接続点P1と接続されている。第3MOSFET161のゲート端子及び第4MOSFET162のゲート端子は、補助電源側電圧印加部180に接続されている。補助電源側切替部160では、これら第3MOSFET161及び第2MOSFET162によって、補助電源60と操舵制御装置30との間の補助電源側給電経路L2を介した給電が導通される導通状態と、当該給電を遮断する遮断状態とを切り替えている。
【0030】
電圧検出回路80は、主電源側給電経路L1上の接続点P1と操舵制御装置30との間の接続点P2に接続されている。電源制御部70は、電圧検出回路80に接続されているとともに、アナログ判定回路100に接続されている。また、電源制御部70は、主電源側電圧印加部170及び補助電源側電圧印加部180に接続されている。
【0031】
電源制御部70は、主電源側給電経路L1上の導通状態及び遮断状態の切り替えを制御する機能を有するとともに、補助電源側給電経路L2上の導通状態及び遮断状態の切り替えを制御する機能を有する。図示は省略するが、電源制御部70は、主電源50の入力電圧に基づき補助電源装置40の各部の制御を実行する。電源制御部70は、主電源側給電経路L1上の導通状態及び遮断状態を切り替えるべく第1制御電圧信号SC1を主電源側電圧印加部170に出力するとともに、補助電源側給電経路L2上の導通状態及び遮断状態を切り替えるべく第1制御電圧信号SC1を補助電源側電圧印加部180に出力する。第1制御電圧信号SC1は、ハイレベルの電圧信号及びローレベルの電圧信号からなるアナログ信号である。
【0032】
電源制御部70は、主電源50の異常が判定されていない場合、主電源50からの給電に基づいて操舵補助力の付与に関わる制御を操舵制御装置30に実行させるべく、主電源側給電経路L1上の第1MOSFET151及び第2MOSFET152を導通状態とする第1制御電圧信号SC1を主電源側電圧印加部170に出力する。一方、電源制御部70は、主電源50の異常が判定されていない場合、補助電源側給電経路L2上の第3MOSFET161及び第4MOSFET162を遮断状態とする第1制御電圧信号SC1を補助電源側電圧印加部180に出力する。また、電源制御部70は、主電源50の異常が判定されている場合、補助電源60からの給電に基づいて操舵補助力の付与に関わる制御を操舵制御装置30に実行させるべく、補助電源側給電経路L2上の第3MOSFET161及び第4MOSFET162を導通状態とする第1制御電圧信号SC1を補助電源側電圧印加部180に出力する。一方、電源制御部70は、主電源50の異常が判定されている場合、主電源側給電経路L1上の第1MOSFET151及び第2MOSFET152を遮断状態とする第1制御電圧信号SC1を主電源側電圧印加部170に出力する。なお、主電源50の異常が判定されていない場合に電源制御部70から出力される第1制御電圧信号SC1は、主電源50の異常が判定されている場合に電源制御部70から出力される第1制御電圧信号SC1と比べて高電位なハイレベル信号である。
【0033】
主電源側電圧印加部170は、電源制御部70から主電源側給電経路L1上の第1MOSFET151及び第2MOSFET152を導通状態とする第1制御電圧信号SC1が入力された場合、第1MOSFET151のゲート端子及び第2MOSFET152のゲート端子に、ソース端子の電位よりも低電位のゲート電圧Vg1を印加する。この場合のゲート電圧Vg1は、ゲート端子に対応付けられたP型半導体層に反転層が形成される程度の電圧値に設定されている。主電源側電圧印加部170は、電源制御部70から主電源側給電経路L1上の第1MOSFET151及び第2MOSFET152を遮断状態とする第1制御電圧信号SC1が入力された場合、第1MOSFET151のゲート端子及び第2MOSFET152のゲート端子に、ソース端子の電位とゲート端子の電位とが同電位となるように、ゲート電圧Vg1を印加する。この場合のゲート電圧Vg1は、ゲート端子に対応付けられたP型半導体層に反転層が形成されない程度の電圧値に設定されている。
【0034】
補助電源側電圧印加部180は、電源制御部70から補助電源側給電経路L2上の第3MOSFET161及び第4MOSFET162を導通状態とする第1制御電圧信号SC1が入力された場合、第3MOSFET161のゲート端子及び第4MOSFET162のゲート端子に、ソース端子の電位よりも高電位のゲート電圧Vg2を印加する。この場合のゲート電圧Vg2は、ゲート端子に対応付けられたN型半導体層に反転層が形成される程度の電圧値に設定されている。補助電源側電圧印加部180は、電源制御部70から補助電源側給電経路L2上の第3MOSFET161及び第4MOSFET162を遮断状態とする第1制御電圧信号SC1が入力された場合、第3MOSFET161のゲート端子及び第4MOSFET162のゲート端子に、ソース端子の電位とゲート端子の電位とが同電位となるように、ゲート電圧Vg2を印加する。この場合のゲート電圧Vg2は、ゲート端子に対応付けられたN型半導体層に反転層が形成されない程度の電圧値に設定されている。
【0035】
電源制御部70は、電圧検出回路80を通じて、接続点P2における電圧を示す電源電圧信号Svを検出する。電圧検出回路80は、例えば接続点P2の電源電圧信号Svが示す電圧を分圧抵抗を通じて分圧し、その分圧した分圧電圧を電源制御部70に対して出力する。電源制御部70は、入力された分圧電圧をデジタル値に変換して、当該デジタル値から電源電圧信号Svが示す主電源50の電源電圧値Vvを把握する。電源制御部70は、主電源50に異常が生じていることを示す異常判定電圧閾値Vthをデジタル値で記憶している。この異常判定電圧閾値Vthは、主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを下回ると主電源50に異常が生じているといえる程度の値に設定されている。電源制御部70は、主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えていない状況が所定時間継続していない場合、給電対象である操舵制御装置30に対して給電する電源を主電源50とするべく、ハイレベルの第1制御電圧信号SC1を生成する。一方、電源制御部70は、主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えていない状況が所定時間継続している場合、操舵制御装置30に対して給電する電源を補助電源60とするべく、ローレベルの第1制御電圧信号SC1を生成する。この所定時間は、ノイズ等によって一時的に主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えていない状況になったのではないと考えられる程度の時間に設定されている。
【0036】
アナログ判定回路100は、電源制御部70とは別に設けられており、主電源50の異常の判定を電源制御部70とは別に実行するものである。アナログ判定回路100は、主電源50の電源電圧値Vvを示す電源電圧信号Svをデジタル値に変換することなく、電源電圧信号Svで主電源50の異常を判定するとともに、主電源50の異常を判定するときに主電源50の異常を示すアナログ信号を生成する回路である。
【0037】
アナログ判定回路100は、比較回路120と、分圧回路130と、擬似動作回路140とを有している。
擬似動作回路140は、主電源側給電経路L1上の接続点P1と接続点P2との間の接続点P3に接続されている。接続点P3における電圧を示す電源電圧信号Svは、接続点P2における電圧を示す電源電圧信号Svと同じである。擬似動作回路140は、後述の比較回路120に対して出力する電源電圧信号Svを擬似的に異常ありとする回路である。擬似動作回路140は、分圧抵抗141と、分圧抵抗142と、第5MOSFET143と、デジタルトランジスタ144とを備えている。
【0038】
分圧抵抗141は、一端が主電源側給電経路L1上の接続点P3に接続されているとともに、他端が分圧抵抗142に接続されている。分圧抵抗142は、一端が分圧抵抗141に接続されているとともに、他端がデジタルトランジスタ144のコレクタ端子に接続されている。
【0039】
第5MOSFET143は、P型半導体層が対応付けられたソース端子と、P型半導体層が対応付けられたドレイン端子と、N型半導体層が対応付けられたゲート端子とを有するPチャネルMOSFETである。第5MOSFET143は、ソース端子が接続点P3と分圧抵抗141との間の接続点P4に接続されているとともに、ドレイン端子が分圧回路130に接続されている。第5MOSFET143のゲート端子は、分圧抵抗141と分圧抵抗142との間の接続点P5に接続されている。第5MOSFET143は、接続点P3と分圧回路130との間で、電源電圧信号Svに応じた給電が導通される導通状態と、当該給電を遮断する遮断状態とを切り替えている。
【0040】
デジタルトランジスタ144は、内蔵のバイアス抵抗を有している。デジタルトランジスタ144のベース端子は内蔵のバイアス抵抗に接続されていて、当該バイアス抵抗は電源制御部70と接続されている。デジタルトランジスタ144のエミッタ端子がグランドと接続されているとともに、コレクタ端子が分圧抵抗142に接続されている。電源制御部70は、車両の始動時のイニシャルチェック中において、アナログ判定回路100の動作確認を行う場合、比較回路120に入力される電源電圧信号Svを擬似的に異常ありとさせるべく、擬似異常信号Saをデジタルトランジスタ144に対して出力する。
【0041】
デジタルトランジスタ144は、電源制御部70から擬似異常信号Saが入力された場合、コレクタ端子及びエミッタ端子間で電流が導通できないようにするオフ状態になる。これにより、第5MOSFET143のソース端子とゲート端子とが同電位となり、第5MOSFET143は遮断状態となる。この場合のゲート電圧は、ゲート端子に対応付けられたP型半導体層に反転層が形成されない程度の電圧値に設定されている。一方、デジタルトランジスタ144は、電源制御部70から擬似異常信号Saが入力されない場合、コレクタ端子及びエミッタ端子間で電流が導通できるようにするオン状態になる。これにより、第5MOSFET143のゲート端子に、ソース端子の電位よりも低電位のゲート電圧が印加されて、ソース端子及びドレイン端子間で電流が導通できるようにする導通状態になる。この場合のゲート電圧は、ゲート端子に対応付けられたP型半導体層に反転層が形成される程度の電圧値に設定されている。
【0042】
分圧回路130は、分圧抵抗131と、分圧抵抗132とを有している。分圧抵抗131は、一端が第5MOSFET143のドレイン端子に接続されているとともに、他端が分圧抵抗132に接続されている。分圧抵抗132は、一端が分圧抵抗131に接続されているとともに、他端がグランドに接続されている。分圧抵抗131と分圧抵抗132との間の接続点P6は、比較回路120と接続されている。
【0043】
比較回路120は、コンパレータ121と、プルアップ抵抗122とを有している。
コンパレータ121の正側入力端子は、分圧回路130における分圧抵抗131と分圧抵抗132との間の接続点P6に接続されている。これにより、コンパレータ121の正側入力端子には、分圧回路130によって分圧された電源電圧信号Svが入力されている。コンパレータ121の負側入力端子は、異常判定電圧信号生成部に接続されている。異常判定電圧信号生成部は、主電源50に異常が生じていることを示す電圧である異常判定電圧信号Srefを生成していて、当該異常判定電圧信号Srefをコンパレータ121の負側入力端子に出力している。分圧回路130を構成する分圧抵抗131の抵抗値及び分圧抵抗132の抵抗値は、分圧された電源電圧信号Svが異常判定電圧信号Srefと比較することができるように調整されている。異常判定電圧信号Srefは、分圧された電源電圧信号Svの電圧が異常判定電圧信号Srefの電圧を下回ると主電源50に異常が生じているといえる程度の値に設定されている。コンパレータ121の正側電源端子は、異常判定電圧信号Srefを生成する異常判定電圧信号生成部に接続されている。異常判定電圧信号生成部は、定電圧を生成する回路である。コンパレータ121の負側電源端子は、グランドに接続されている。コンパレータ121の出力端子は、電源制御部70に接続されているとともに、主電源側電圧印加部170及び補助電源側電圧印加部180に接続されている。異常判定電圧信号Srefの電圧値は、分圧回路130による分圧を考慮してデジタル値に変換した場合、異常判定電圧閾値Vthよりも低電位に設定されている。
【0044】
プルアップ抵抗122は、異常判定電圧信号生成部とコンパレータ121の出力端子との間に設けられている。プルアップ抵抗122は、コンパレータ121の出力端子から出力される第2制御電圧信号SC2を安定させるために設けられている。第2制御電圧信号SC2は、特許請求の範囲で記載した切替信号に対応している。
【0045】
コンパレータ121は、正側入力端子から入力された分圧された電源電圧信号Svの電圧と、負側入力端子から入力された異常判定電圧信号Srefの電圧とを比較する。コンパレータ121は、分圧された電源電圧信号Svの電圧が異常判定電圧信号Srefの電圧を超えている場合、主電源50に異常なしとして、操舵制御装置30に対して給電する電源を主電源50とするべく、ハイレベルの第2制御電圧信号SC2を出力端子から出力する。コンパレータ121は、分圧された電源電圧信号Svの電圧が異常判定電圧信号Srefの電圧を超えていない場合、主電源50に異常ありとして、操舵制御装置30に対して給電する電源を補助電源60とするべく、ローレベルの第2制御電圧信号SC2を出力端子から出力する。
【0046】
主電源側電圧印加部170は、主電源側給電経路L1上の第1MOSFET151及び第2MOSFET152を導通状態とする第2制御電圧信号SC2が比較回路120から入力された場合、第1MOSFET151のゲート端子及び第2MOSFET152のゲート端子に、ソース端子の電位よりも低電位のゲート電圧Vg1を印加する。この場合のゲート電圧Vg1は、ゲート端子に対応付けられたP型半導体層に反転層が形成される程度の電圧値に設定されている。主電源側電圧印加部170は、主電源側給電経路L1上の第1MOSFET151及び第2MOSFET152を遮断状態とする第2制御電圧信号SC2が比較回路120から入力された場合、第1MOSFET151のゲート端子及び第2MOSFET152のゲート端子に、ソース端子の電位とゲート端子の電位とが同電位となるように、ゲート電圧Vg1を印加する。この場合のゲート電圧Vg1は、ゲート端子に対応付けられたP型半導体層に反転層が形成されない程度の電圧値に設定されている。
【0047】
補助電源側電圧印加部180は、補助電源側給電経路L2上の第3MOSFET161及び第4MOSFET162を導通状態とする第2制御電圧信号SC2が比較回路120から入力された場合、第3MOSFET161のゲート端子及び第4MOSFET162のゲート端子に、ソース端子の電位よりも高電位のゲート電圧Vg2を印加する。この場合のゲート電圧Vg2は、ゲート端子に対応付けられたN型半導体層に反転層が形成される程度の電圧値に設定されている。補助電源側電圧印加部180は、補助電源側給電経路L2上の第3MOSFET161及び第4MOSFET162を遮断状態とする第2制御電圧信号SC2が比較回路120から入力された場合、第3MOSFET161のゲート端子及び第4MOSFET162のゲート端子に、ソース端子の電位とゲート端子の電位とが同電位となるように、ゲート電圧Vg2を印加する。この場合のゲート電圧Vg2は、ゲート端子に対応付けられたN型半導体層に反転層が形成されない程度の電圧値に設定されている。
【0048】
本実施形態の作用を説明する。
主電源50に異常が発生していない場合、主電源50の電源電圧信号Svが示す電源電圧値Vvは異常判定電圧閾値Vthを超えており、かつ電源電圧信号Svの分圧電圧が異常判定電圧信号Srefの電圧を超えている状況にある。電源制御部70は、電圧検出回路80を用いて把握された主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えていない状況が所定時間継続していないとして、ハイレベルの第1制御電圧信号SC1を出力する。一方、擬似動作回路140は、電源制御部70から擬似異常信号Saが入力されていないことから、接続点P3から入力された電源電圧信号Svを第5MOSFET143のソース端子及びドレイン端子を通じて分圧回路130に出力する。分圧回路130は、分圧抵抗131及び分圧抵抗132によって分圧した電源電圧信号Svを比較回路120に出力する。比較回路120は、分圧回路130によって分圧した電源電圧信号Svの電圧が異常判定電圧信号Srefの電圧を超えていることから、主電源50に異常なしとして、ハイレベルの第2制御電圧信号SC2を出力端子から出力する。主電源側電圧印加部170には、ハイレベルの第1制御電圧信号SC1及びハイレベルの第2制御電圧信号SC2が入力されて、第1MOSFET151のゲート端子及び第2MOSFET152のゲート端子に、ソース端子の電位よりも低電位のゲート電圧Vg1を印加する。補助電源側電圧印加部180には、ハイレベルの第1制御電圧信号SC1及びハイレベルの第2制御電圧信号SC2が入力されて、第3MOSFET161のゲート端子及び第4MOSFET162のゲート端子に、ソース端子の電位とゲート端子の電位とが同電位となるように、ゲート電圧Vg2を印加する。これにより、操舵制御装置30に対して給電する電源を主電源50に維持している。また、電源制御部70は、入力されたハイレベルの第2制御電圧信号SC2及び自らが生成したハイレベルの第1制御電圧信号SC1に基づいて、主電源50に異常なしと把握している。
【0049】
図2及び図3に示すように、主電源50の電源電圧値Vvが緩やかに低下する場合、電源電圧信号Svの分圧電圧が異常判定電圧信号Srefの電圧を超えている状況にあるものの、主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えていない状況が生じることがある。擬似動作回路140は、電源制御部70から擬似異常信号Saが入力されていないことから、接続点P3から入力された電源電圧信号Svを第5MOSFET143のソース端子及びドレイン端子を通じて分圧回路130に出力する。分圧回路130は、分圧抵抗131及び分圧抵抗132によって分圧した電源電圧信号Svを比較回路120に出力する。比較回路120は、分圧回路130によって分圧した電源電圧信号Svの電圧が異常判定電圧信号Srefの電圧を超えていることから、主電源50に異常なしとして、ハイレベルの第2制御電圧信号SC2を出力端子から出力する。一方、電源制御部70は、電圧検出回路80を用いて把握された主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えていない状況が所定時間継続した場合、主電源50に異常ありとして、ローレベルの第1制御電圧信号SC1を生成する。主電源側電圧印加部170及び補助電源側電圧印加部180には、ローレベルの第1制御電圧信号SC1及びハイレベルの第2制御電圧信号SC2が入力されている。主電源側電圧印加部170は、ローレベルの第1制御電圧信号SC1が入力された場合、第1MOSFET151のゲート端子及び第2MOSFET152のゲート端子に、ソース端子の電位とゲート端子の電位とが同電位となるように、ゲート電圧Vg1を印加する。補助電源側電圧印加部180は、ローレベルの第1制御電圧信号SC1が入力された場合、第3MOSFET161のゲート端子及び第4MOSFET162のゲート端子に、ソース端子の電位よりも高電位のゲート電圧Vg2を印加する。これにより、操舵制御装置30に対して給電する電源を補助電源60に切り替えている。また、電源制御部70は、入力されたハイレベルの第2制御電圧信号SC2及び自らが生成したローレベルの第1制御電圧信号SC1に基づいて、主電源50に異常ありと把握している。電源制御部70は、主電源50の異常の中でも、主電源50の電源電圧値Vvが緩やかに低下する主電源50のオープン故障や主電源50の経年劣化に起因する異常等が生じていると把握することができる。
【0050】
図2及び図4に示すように、主電源50の電源電圧値Vvが急激に低下する場合、電源電圧信号Svの分圧電圧が異常判定電圧信号Srefの電圧を超えておらず、かつ主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えていない状況が生じることがある。電源制御部70は、電圧検出回路80を通じて検出したアナログ信号である電源電圧信号Svを、デジタル値である電源電圧値Vvに変換してから、当該電源電圧値Vvで主電源50の異常を判定している。そして、電源制御部70は、主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えていない状況が所定時間継続するまでは、主電源50に異常なしとして、ハイレベルの第1制御電圧信号SC1を生成する。一方、擬似動作回路140は、電源制御部70から擬似異常信号Saが入力されていないことから、接続点P3から入力された電源電圧信号Svを第5MOSFET143のソース端子及びドレイン端子を通じて分圧回路130に出力する。分圧回路130は、分圧抵抗131及び分圧抵抗132によって分圧した電源電圧信号Svを比較回路120に出力する。比較回路120は、分圧回路130によって分圧した電源電圧信号Svの電圧が異常判定電圧信号Srefの電圧を超えていないことから、主電源50に異常ありとして、ローレベルの第2制御電圧信号SC2を生成する。
【0051】
仮に、アナログ判定回路100による主電源50の異常の判定と、電源制御部70による主電源50の異常の判定とが同じタイミングで開始されたとする。電源制御部70による主電源50の異常の判定はアナログ信号からデジタル値に変換する過程を経てから行われることになるのに対し、アナログ判定回路100による主電源50の異常の判定はアナログ信号からデジタル値に変換する過程を経ることなく行われる。このため、アナログ判定回路100による主電源50の異常の判定は、アナログ信号からデジタル値に変換する過程を経ない分、電源制御部70による主電源50の異常の判定よりも迅速に行うことができる。これにより、主電源50の電源電圧値Vvが急激に低下する異常が発生した直後において、アナログ判定回路100によりローレベルの第2制御電圧信号SC2が生成される一方、電源制御部70によりハイレベルの第1制御電圧信号SC1が生成される状況が生じる。
【0052】
主電源側電圧印加部170及び補助電源側電圧印加部180には、電源制御部70からハイレベルの第1制御電圧信号SC1及びアナログ判定回路100からローレベルの第2制御電圧信号SC2が入力される。主電源側電圧印加部170は、ローレベルの第2制御電圧信号SC2が入力された場合、第1MOSFET151のゲート端子及び第2MOSFET152のゲート端子に、ソース端子の電位とゲート端子の電位とが同電位となるように、ゲート電圧Vg1を印加する。これにより、第1MOSFET151及び第2MOSFET152を遮断状態とする。また、補助電源側電圧印加部180は、ローレベルの第2制御電圧信号SC2が入力された場合、第3MOSFET161のゲート端子及び第4MOSFET162のゲート端子に、ソース端子の電位よりも高電位のゲート電圧Vg2を印加する。これにより、第3MOSFET161及び第4MOSFET162を導通状態とする。このように、アナログ判定回路100は、主電源50の電源電圧値Vvが急激に低下する異常が発生した場合、操舵制御装置30に給電する電源を補助電源60に切り替えるためのローレベルの制御電圧信号を迅速に生成することができる。これにより、迅速に電源を切り替えることができる。また、電源制御部70は、入力されたローレベルの第2制御電圧信号SC2及び自らが生成したハイレベルの第1制御電圧信号SC1に基づいて、主電源50に異常ありと把握している。電源制御部70は、主電源50の異常の中でも、主電源50の電源電圧値Vvが急激に低下する主電源50のショート故障が生じていると把握することができる。
【0053】
図2に示すように、電源制御部70は、車両の始動時のイニシャルチェック中において、アナログ判定回路100の動作確認を行う場合、比較回路120に入力される電源電圧信号Svを擬似的に異常ありとさせるべく、擬似動作回路140に対して擬似異常信号Saを出力する。これにより、デジタルトランジスタ144がオフ状態となり、第5MOSFET143は遮断状態となる。第5MOSFET143が遮断状態となることから、比較回路120には分圧された電源電圧信号Svが入力されず、ショート故障が発生したときのような電源電圧値Vvが急激に低下する状況が擬似的に作り出される。比較回路120は、正側入力端子に入力される電圧が異常判定電圧信号Srefの電圧を超えていないことから、主電源50に異常ありとして、ローレベルの第2制御電圧信号SC2を生成する。電源制御部70は、擬似異常信号Saを擬似動作回路140に対して出力した結果として、比較回路120がローレベルの第2制御電圧信号SC2を生成した場合、アナログ判定回路100に異常なしと判定する。一方、電源制御部70は、擬似異常信号Saを擬似動作回路140に対して出力したにもかかわらず、比較回路120がローレベルの第2制御電圧信号SC2を生成しない場合、アナログ判定回路100に異常ありと判定する。また、アナログ判定回路100に異常なしの場合、主電源側電圧印加部170及び補助電源側電圧印加部180には、ローレベルの第2制御電圧信号SC2が入力される。主電源側電圧印加部170及び補助電源側電圧印加部180は、ローレベルの第2制御電圧信号SC2に基づいて、操舵制御装置30に対して給電する電源を補助電源60に切り替えるべく動作を開始する。ただし、電源制御部70は、アナログ判定回路100に異常なしと判定した場合、補助電源装置40をリセットするリセット信号を出力することにより、電源制御部70がアナログ判定回路100の動作確認を行う前の状態に戻される。すなわち、操舵制御装置30に対して給電する電源は、主電源50に戻される。一方、アナログ判定回路100に異常ありの場合、主電源側電圧印加部170及び補助電源側電圧印加部180には、ハイレベルの第2制御電圧信号SC2が入力される。電源制御部70は、アナログ判定回路100に異常ありと判定した場合、例えばランプを点灯させること等により当該異常を報知する。
【0054】
本実施形態の効果を説明する。
(1)電源の切り替えに際しては、アナログ判定回路100において主電源50の出力状態を示すアナログ信号である電源電圧信号Svで主電源50の異常を判定するとともに、当該判定結果を示すアナログ信号である第2制御電圧信号SC2を生成し、電源切替回路110において第2制御電圧信号SC2によって電源を切り替えるという工程を経ればよい。すなわち、アナログ信号としての第2制御電圧信号SC2を、電源電圧信号Svからデジタル値に変換する過程を経ることなく生成できるため、デジタル信号に変換して電源の切り替え判定を行う場合よりも、電源の切り替えに要する工程を簡素にすることができる。このため、主電源50から出力される電力の電圧が急激に低下する状況であっても、操舵制御装置30に対して給電する電源を主電源50から補助電源60へより迅速に切り替えることができる。
【0055】
(2)本実施形態では、上記のようにアナログ判定回路100の具体的構成を提供している。比較回路120を用いることにより、電源電圧信号Svをデジタル値に変換する過程を経ることなく、当該電源電圧信号Svで第2制御電圧信号SC2を生成することができる。
【0056】
(3)本実施形態では、上記のように電源切替回路110の具体的構成を提供している。比較回路120から第2制御電圧信号SC2が主電源側電圧印加部170及び補助電源側電圧印加部180に入力されることによって、操舵制御装置30に対して給電する電源を主電源50から補助電源60へ切り替えることができる。
【0057】
(4)電源制御部70は、イニシャルチェック中において、擬似異常信号Saを擬似動作回路140に対して出力したことに起因して比較回路120でローレベルの第2制御電圧信号SC2が生成されたかどうかに基づいて、アナログ判定回路100の異常を検出することができる。これにより、アナログ判定回路100の異常の有無に関する情報を把握できるため、アナログ判定回路100の異常に対してフェイルセーフ等の処置を施すことが可能となる。イニシャルチェック中においてアナログ判定回路100に異常がないことが確認された状態で、その後のアナログ判定回路100による電源の切り替えが行われるため、補助電源装置40の信頼性を向上させることができる。
【0058】
(5)主電源50の異常の判定を、アナログ判定回路100だけでなく、電源制御部70においても実行できるため、いずれか一方だけの判定を行う場合よりも、形態の異なる異常に対応して電源を切り替えることができるようになる。
【0059】
(6)主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧信号Srefの電圧を超えないことから主電源50の異常が判定された場合と、主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧信号Srefの電圧を超えるものの異常判定電圧閾値Vthを超えないことから主電源50の異常が判定された場合とに場合分けできることから、主電源50の異常の形態を把握できるようになる。
【0060】
上記実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・第1MOSFET151、第2MOSFET152、及び第5MOSFET143は、NチャネルMOSFETであってもよい。第3MOSFET161及び第4MOSFET162は、PチャネルMOSFETであってもよい。
【0061】
・擬似動作回路140を用いたアナログ判定回路100の異常の検出は、イニシャルチェック中に限らず、始動スイッチがオンされている期間中に間欠的に実行してもよい。
・異常判定電圧閾値Vthは、異常判定電圧信号Srefをデジタル値に変換した電圧値と同電位に設定されていてもよいし、低電位に設定されていてもよい。
【0062】
・電源制御部70は、主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えていない状況が所定時間継続するか否かに基づいて主電源50の異常を判定したが、所定時間という条件をなくしてもよい。すなわち、電源制御部70は、主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えていない場合、主電源50の異常ありと判定し、主電源50の電源電圧値Vvが異常判定電圧閾値Vthを超えている場合、主電源50の異常なしと判定するようにしてもよい。
【0063】
・電源制御部70は、アナログ判定回路100により生成される第2制御電圧信号SC2に基づいて、主電源50の異常の形態を把握しなくてもよい。電源制御部70には、アナログ判定回路100により生成される第2制御電圧信号SC2が入力されればよい。
【0064】
・電源制御部70は、主電源50の異常の判定を行う機能を有しなくてよい。すなわち、主電源50の異常の判定は、アナログ判定回路100のみで行うようにしてもよい。
・比較回路120の具体的構成、分圧回路130の具体的構成、及び擬似動作回路140の具体的構成は、上記実施形態のものに限られない。例えば、比較回路120のプルアップ抵抗122のように出力を安定化させるための構成を省略してもよい。また、例えば、正側電源端子及び負側電源端子の間を接続線で繋ぐとともに、当該接続線に比較回路120の出力を安定させるためのコンデンサ等の構成を追加してもよい。すなわち、比較回路120の具体的構成、分圧回路130の具体的構成、及び擬似動作回路140の具体的構成は、適宜変更可能である。
【0065】
・擬似動作回路140には、接続点P2における電圧を示す電源電圧信号Svが入力されてもよい。
図5に示すように、アナログ判定回路100に擬似動作回路140を設けなくてもよい。この場合、分圧回路130の分圧抵抗131は一端が接続点P3に接続されているとともに、他端が分圧抵抗132に接続されている。また、電源制御部70は、擬似異常信号Saを出力する機能を有しなくてよい。
【0066】
・アナログ判定回路100に分圧回路130を設けなくてもよい。この場合、比較回路120のコンパレータ121には、分圧しない電源電圧信号Svの電圧に耐えられる程度の耐圧性能が求められる。また、異常判定電圧信号Srefは、分圧しない電源電圧信号Svと比較できるような電圧に設定される。
【0067】
・比較回路120は、電源電圧信号Svの電圧に基づいて主電源50の異常を判定したが、接続点P3における電流を示す信号に基づいて主電源50の異常を判定してもよい。すなわち、比較回路120は、主電源50の出力状態を示すアナログ信号に基づいて主電源50の異常を判定すればよい。
【0068】
・電源切替回路110は、接続点P1に接続する電源を主電源50と補助電源60とで切り替える機械的なスイッチであってもよい。
・上記実施形態では、補助電源装置40を適用したステアリング装置1は、ステアリング軸12に減速機21を介してモータ20が連結された電動パワーステアリング装置として構成したが、モータ20が減速機21を介してラック軸14に連結された電動パワーステアリング装置として構成してもよい。また、補助電源装置40を適用した電動パワーステアリング装置に限らず、補助電源装置40は、例えばステアバイワイヤ式のステアリング装置に適用してもよい。
【0069】
・補助電源装置40の給電対象は、エアバッグ装置やブレーキ装置等であってもよい。また、無人搬送車や電気自動車等の制御装置であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…ステアリング装置、2…操舵機構、10…ステアリングホイール、20…モータ、30…操舵制御装置、31…操舵制御部、32…メモリ、40…補助電源装置、50…主電源、60…補助電源、70…電源制御部、80…電圧検出回路、100…アナログ判定回路、110…電源切替回路、120…比較回路、121…コンパレータ、122…プルアップ抵抗、130…分圧回路、131,132…分圧抵抗、140…擬似動作回路、141,142…分圧抵抗、143…第5MOSFET、144…デジタルトランジスタ、150…主電源側切替部、151…第1MOSFET、152…第2MOSFET、160…補助電源側切替部、161…第3MOSFET、162…第4MOSFET、170…主電源側電圧印加部、180…補助電源側電圧印加部、L1…主電源側給電経路、L2…補助電源側給電経路、P1~P6…接続点、Sa…擬似異常信号、SC1…第1制御電圧信号、SC2…第2制御電圧信号、Sref…異常判定電圧信号、Sv…電源電圧信号、Vth…異常判定電圧閾値、Vv…電源電圧値。
図1
図2
図3
図4
図5