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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】インサート成形用メッシュ
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/14 20060101AFI20230406BHJP
   B01D 39/12 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
B29C45/14
B01D39/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020029338
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2021133534
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 徳雄
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-177639(JP,A)
【文献】特開2011-148312(JP,A)
【文献】特開2001-179770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/84
B29C 33/00-33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のメッシュシートから形成されるインサート成形用メッシュであって、
側壁部の外形が長手方向に沿って延びる帯状を有し、前記長手方向の両端部に接合代を含む前記側壁部と、
前記側壁部の幅方向に位置する底部と、
前記底部を前記側壁部に連結する連結部と、を備え、
前記インサート成形用メッシュは、筒状に成形された状態で金型に配置される
インサート成形用メッシュ。
【請求項2】
前記長手方向において、前記連結部の幅は、前記底部の幅よりも小さい
請求項1に記載のインサート成形用メッシュ。
【請求項3】
前記底部の縁は、仮想円上の2点を結ぶ優弧部と、前記2点を結ぶ直線部とを有し、
前記連結部は、前記直線部に接続されている
請求項2に記載のインサート成形用メッシュ。
【請求項4】
前記側壁部の外縁のうち、前記長手方向に沿って延びる辺が窪みを有し、
前記連結部は、前記底部を前記側壁部の前記窪みに連結させる
請求項1または2に記載のインサート成形用メッシュ。
【請求項5】
前記連結部は、前記長手方向における各接合代から離れた位置において前記底部を前記側壁部に連結する
請求項1から4のいずれか一項に記載のインサート成形用メッシュ。
【請求項6】
1枚のメッシュシートから形成されたインサート成形用メッシュであって、
側壁部の外形が接合代において接合された筒状を有した前記側壁部と、
前記接合代において、前記側壁部によって形成された筒体が延びる方向に沿って間隔を空けて並ぶ複数の溶接部と、
前記側壁部における一方の筒端によって区画された領域を覆う底部と、
前記底部を前記側壁部に連結する連結部と、を備える
インサート成形用メッシュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサート成形用メッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
流体を濾過するフィルターを製造する方法として、インサート成形が用いられている。インサート成形の一例では、円柱状の突起を備える下型と、突起が嵌合する凹部を備える上型とから構成される金型が用いられる。上型は、凹部を区画する面から凹部の径方向に沿って延びる溝を有している。こうした金型を用いたインサート成形では、十字状を有したメッシュが準備される。そして、メッシュの中央部が突起の頂面に重ねられた状態で、メッシュが配置された突起が上型の凹部に嵌め込まれる。この際に、メッシュの中央部と中央部から離れる方向に向けて延びる延在部との境界が、凹部の開口を区画する面によって折り曲げられる。これによって、メッシュが、突起の外周面に沿う状態で金型内に収容される。次いで、上型が有する溝に溶融した合成樹脂が流し込まれた後、合成樹脂が硬化されることによってフィルターが形成される(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-179770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、下型の突起が上型の凹部に嵌め込まれる際に、突起の外周面に沿ってメッシュが折り曲げられる。そのため、凹部を区画する面に対するメッシュの位置の精度を高めるためには、突起の頂面に対してメッシュの中央部を精度よく配置することが必要とされ、また、上型の溝に対するメッシュの位置の精度を高めるためには、突起の周方向におけるメッシュの位置の精度を高めることが必要とされる。このように、金型に対するメッシュの位置の精度を高めることが容易ではないことから、メッシュの配置がより容易であることが求められている。
【0005】
本発明は、メッシュの配置を容易とすることを可能としたインサート成形用メッシュを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのインサート成形用メッシュは、1枚のメッシュシートから形成されるインサート成形用メッシュである。長手方向に沿って延びる帯状を有し、前記長手方向の両端部に接合代を含む側壁部と、前記側壁部の幅方向に位置する底部と、前記底部を前記側壁部に連結する連結部と、を備える。前記インサート成形用メッシュは、筒状に成形された状態で金型に配置される。
【0007】
上記構成によれば、側壁部が有する接合代を互いに接合し、これによって筒状を有した側壁部の開口が区画する領域を底部が覆うように連結部を折り曲げることによって、底部を有した筒状に成形した状態で、インサート成形用メッシュを金型に配置することが可能である。そのため、金型に対するインサート成形用メッシュの位置の精度を高めることが可能である。したがって、金型に対するメッシュの配置が容易である。
【0008】
上記インサート成形用メッシュにおいて、前記長手方向において、前記連結部の幅は、前記底部の幅よりも小さくてもよい。この構成によれば、側壁部の幅方向において、連結部が有する幅と底部の幅との差の分だけ側壁部と底部との間に隙間が形成されるから、インサート成形用メッシュを筒状に成形した際に、連結部の折り曲げに起因して側壁部と底部との境界においてしわが生じることが抑えられる。
【0009】
上記インサート成形用メッシュにおいて、前記底部の縁は、仮想円上の2点を結ぶ優弧部と、前記2点を結ぶ直線部とを有し、前記連結部は、前記直線部に接続されていてもよい。
【0010】
上記構成によれば、側壁部と連結部との境界において連結部を折り曲げ、かつ、底部の縁に沿うような筒端を有するように側壁部を筒状に成形した場合に、側壁部の筒端、直線部、および、連結部によって区画される隙間が形成される。これにより、成形後のインサート成形用メッシュがしわを有することが抑えられる。
【0011】
上記インサート成形用メッシュにおいて、前記側壁部の外縁のうち、前記長手方向に沿って延びる辺が窪みを有し、前記連結部は、前記底部を前記側壁部の前記窪みに連結させてもよい。
【0012】
上記構成によれば、側壁部が有する窪みによって、インサート成形用メッシュが筒状に成形された際に、連結部13の周りに隙間が形成されるから、側壁部と底部との境界においてしわが生じることが抑えられる。
【0013】
上記インサート成形用メッシュにおいて、前記連結部は、前記長手方向における各接合代から離れた位置において前記底部を前記側壁部に連結してもよい。この構成によれば、2つの接合代を互いに接合する作業が行いやすい。
【0014】
上記課題を解決するためのインサート成形用メッシュは、1枚のメッシュシートから形成されたインサート成形用メッシュであって、接合代において接合された筒状を有した側壁部と、前記接合代において、前記側壁部によって形成された筒体が延びる方向に沿って間隔を空けて並ぶ複数の溶接部と、側壁部における一方の筒端によって区画された領域を覆う底部と、底部を側壁部に連結する連結部と、を備える。この構成によれば、筒体が延びる方向に沿って並ぶ複数の溶接部によって、側壁部の両端部に位置する2つの接合代が、互いに確実に接合される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、金型に対するインサート成形用メッシュの配置を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態におけるインサート成型用メッシュが展開された状態を示す平面図。
図2図1が示すインサート成形用メッシュの一部を拡大して示す部分拡大平面図。
図3図1が示すインサート成形用メッシュが筒状に成型された状態を示す斜視図。
図4図1が示すインサート成形用メッシュを用いて製造されたインサート成形フィルターの構造を示す斜視図。
図5】第2実施形態におけるインサート成形用メッシュが展開された状態を示す平面図。
図6図5が示すインサート成形用メッシュが筒状に成形された状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
図1から図4を参照して、インサート成形用メッシュの第1実施形態を説明する。図1は、インサート成形用メッシュが展開された状態を示している。
図1が示すように、インサート成形用メッシュ10は、1枚のメッシュシートから形成されている。メッシュシートは、金属製の細線によって形成された織物である。インサート成形用メッシュ10は、筒状に成形された状態で、インサート成形用メッシュ10を備えたフィルターを形成するための金型に配置される。
【0018】
インサート成形用メッシュ10は、側壁部11、底部12、および、連結部13を備えている。側壁部11は、長手方向DLに沿って延びる帯状を有し、長手方向DLの両端部に接合代11aを含んでいる。底部12は、側壁部11の幅方向DWに位置している。幅方向DWは、長手方向DLに直交する方向である。連結部13は、底部12を側壁部11に連結している。
【0019】
側壁部11が有する接合代11aを互いに接合し、これによって筒状を有した側壁部11の開口が区画する領域を底部12が覆うように連結部13を折り曲げることによって、底部12を有した筒状に成形された状態で、インサート成形用メッシュ10を金型に配置することが可能である。そのため、金型に対するインサート成形用メッシュ10の位置の精度を高めることが可能である。したがって、金型に対するインサート成形用メッシュ10の配置が容易である。
【0020】
連結部13は、側壁部11から底部12に向けて延びる形状を有し、側壁部11の幅方向DWにおいて、側壁部11と底部12との間に位置している。図1が示す例では、連結部13は、幅方向DWに沿って延びる矩形状を有している。
【0021】
長手方向DLにおいて、連結部13の幅は、底部12の幅よりも小さい。これにより、側壁部11の幅方向DWにおいて、連結部13が有する幅と底部12の幅との差の分だけ側壁部11と底部12との間に隙間が形成される。そのため、インサート成形用メッシュ10を筒状に成形する際に、連結部13の折り曲げに起因して側壁部11と底部12との境界においてしわが生じることが抑えられる。
【0022】
連結部13は、長手方向DLにおける各接合代11aから離れた位置において底部12を側壁部11に連結している。すなわち、連結部13は、長手方向DLにおける側壁部11の端部以外の部分において、側壁部11に接続されている。そのため、2つの接合代11aを互いに接合する作業が行いやすい。より詳しくは、2つの接合代11aを接合する作業において、連結部13が、接合作業の対象である接合代11aの近傍に位置することが抑えられ、結果として、連結部13によって接合作業が妨げられることが抑えられる。
【0023】
底部12は、幅方向DWにおいて、側壁部11の接合代11aと隣り合っていない。すなわち、底部12は、長手方向DLにおいて、一方の接合代11aよりも他方の接合代11a寄りに位置している。これにより、2つの接合代11aを接合する作業において、底部12が、接合作業の対象である接合代11aの近傍に位置することが抑えられ、結果として、底部12によって接合作業が妨げられることが抑えられる。
【0024】
側壁部11は、長手方向DLに沿って延びる弧状を有している。側壁部11は、側壁部11に対する底部12側に曲率中心が位置するような曲率を有している。これにより、側壁部11に生じるしわを抑えながら、底部12を頂面とする円錘台状に側壁部11を成形することが可能である。
【0025】
図2が示すように、底部12は略円形状を有している。底部12の縁12Eを含む仮想円VCを設定することが可能である。仮想円VCは、第1点P1と第2点P2とを含んでいる。底部12の縁12Eは、仮想円VC上の第1点P1と第2点P2とを結ぶ優弧部12E1と、第1点P1と第2点P2とを結ぶ直線部12E2とを有している。連結部13は、直線部12E2に接続されている。
【0026】
そのため、側壁部11と連結部13との境界において連結部13を折り曲げ、かつ、底部12の縁12Eに沿うような筒端を有するように側壁部11を筒状に成形した場合に、側壁部11の筒端、直線部12E2、および、連結部13によって区画される隙間が形成される。これにより、成形後のインサート成形用メッシュ10がしわを有することが抑えられる。
【0027】
連結部13は、直線部12E2のうち、長手方向DLにおける中央を含む部分に接続されている。これにより、インサート成形用メッシュ10が成形された場合に、連結部13の両側に形成される隙間の大きさに偏りが生じることが抑えられる。そのため、連結部13の両側に形成される隙間を樹脂で覆うようにインサート成形した場合に、連結部13の両側において機械的強度に差が生じることが抑えられる。
【0028】
図3は、インサート成形用メッシュ10が筒状に成形された状態を示している。
図3が示すように、成形後のインサート成形用メッシュ10は、底部12を頂面とする円錘台状を有している。側壁部11は、接合代11aにおいて接合されることによって、筒状を有している。接合代11aにおいて、複数の溶接部14が、側壁部11によって形成された筒体が延びる方向に沿って間隔を空けて並んでいる。底部12は、側壁部11における一方の筒端によって区画された領域を覆っている。連結部13は、底部12を側壁部11に連結している。筒体が延びる方向に沿って並ぶ複数の溶接部14によって、側壁部11の両端部に位置する2つの接合代11aが、互いに確実に接合される。
【0029】
インサート成形フィルターの製造時には、側壁部11が接合代11aにおいて接合されることによって筒状に成形され、かつ、連結部13が側壁部11との境界において折り曲げられた状態で、インサート成形用メッシュ10が、金型が有する凹部に配置される。そのため、金型において凹部を区画する面にインサート成形用メッシュ10を沿わせるように、インサート成形用メッシュ10を金型の凹部に配置することが可能である。それゆえに、金型に対するインサート成形用メッシュ10の位置の精度を高めることが可能である。
【0030】
図4は、インサート成形用メッシュ10を用いて製造されたインサート成形フィルターの構造を示している。
図4が示すように、インサート成形フィルター20は、インサート成形用メッシュ10と、樹脂製の本体21とを備えている。本体21は、第1環状部21A、第2環状部21B、および、複数の柱状部21Cを備えている。各柱状部21Cは、第1環状部21Aと第2環状部21Bとの間に位置し、第1環状部21Aおよび第2環状部21Bに接続されている。図4が示す例では、本体21は4つの柱状部21Cを備え、4つの柱状部21Cは、第1環状部21Aの周方向において等しい間隔を空けて並んでいる。
【0031】
インサート成形フィルター20において、インサート成形用メッシュ10は、第1環状部21Aが区画する開口、および、複数の柱状部21Cが第1環状部21Aおよび第2環状部21Bの間において区切る複数の開口を覆うように、本体21と一体成形されている。インサート成形用メッシュ10の底部12が、第1環状部21Aが区画する開口を覆い、側壁部11が、複数の柱状部21Cが区切る複数の開口を覆っている。
【0032】
第1環状部21Aは、第1環状部21Aにおける他の部分よりも広い線幅を有した幅広部21AWを備えている。インサート成形フィルター20において、幅広部21AWが、インサート成形用メッシュ10において、側壁部11の筒端、底部12、および、連結部13によって形成される隙間を覆っている。
【0033】
以上説明したように、インサート成形用メッシュの第1実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)底部12を有した筒状に成形されたインサート成形用メッシュ10を金型に配置することが可能であるため、金型に対するインサート成形用メッシュ10の位置の精度を高めることが可能である。
【0034】
(2)連結部13の折り曲げに起因して側壁部11と底部12との境界においてしわが生じることが抑えられる。
【0035】
(3)側壁部11の筒端、直線部12E2、および、連結部13によって区画される隙間が形成されるから、成形後のインサート成形用メッシュ10がしわを有することが抑えられる。
【0036】
(4)2つの接合代11aを互いに接合する作業が行いやすい。
(5)複数の溶接部14によって、側壁部11の両端部に位置する2つの接合代11aが、互いに確実に接合される。
【0037】
[第2実施形態]
図5および図6を参照して、インサート成形用メッシュの第2実施形態を説明する。第2実施形態のインサート成形用メッシュは、第1実施形態のインサート成形用メッシュと比べて、連結部の周辺構造が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第2実施形態のインサート成形用メッシュにおいて第1実施形態のインサート成形用メッシュと共通する構成には、第1実施形態と同一の符号を付すことによって、当該構成の詳しい説明を省略する。
【0038】
図5は、インサート成形用メッシュが展開された状態を示している。
図5が示すように、インサート成形用メッシュ30の側壁部11は、窪み11bを有している。窪み11bは、側壁部11の外縁のうち、長手方向DLに沿って延びる一方の辺に位置している。本実施形態では、窪み11bは、曲率中心が側壁部11外に位置するような曲率を有する弧状を有している。なお、窪み11bは、弧状に限らず、例えば矩形状を有してもよい。
【0039】
連結部13は、側壁部11の幅方向DWにおいて、側壁部11と底部32との間に位置している。連結部13は、底部32を側壁部11が有する窪み11bに連結させる。連結部13は、窪み11bのうちで、窪み11bが位置する辺から、長手方向DLに沿って延びる他方の辺に向けて最も窪んだ部分に接続されている。なお、連結部13は、窪み11bのうちで、最も窪んだ部分以外の部分に接続されてもよい。
【0040】
底部32は、円形状を有している。底部32の円周上における一部が、連結部13によって側壁部11の窪み11bに接続されている。
【0041】
図6は、インサート成形用メッシュ30が筒状に成形された状態を示している。
図6が示すように、側壁部11が筒状に成形され、かつ、連結部13と底部32との接続部位が折り曲げられることによって、側壁部11が有する一方の開口が、底部32によって覆われる。この際に、側壁部11が窪み11bを有することによって、側壁部11と底部12とを連結する連結部13の両側に隙間が形成されるから、側壁部11と底部12との境界においてしわが生じることが抑えられる。
【0042】
なお、本実施形態のインサート成形用メッシュ30は、インサート成形フィルター20に適用される。この場合には、側壁部11によって形成された筒体が延びる方向において、第1環状部21Aの厚さが、側壁部11が有する窪み11b窪み量よりも大きい。これにより、側壁部11と底部12との間に形成された隙間が、第1環状部21Aによって覆われる。
【0043】
以上説明したように、インサート成形用メッシュの第2実施形態によれば、上述した(1)、(4)、および、(5)に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
【0044】
(6)側壁部11が有する窪み11bによって、インサート成形用メッシュ30が筒状に成形された際に、連結部13の周りに隙間が形成されるから、側壁部11と底部12との境界においてしわが生じることが抑えられる。
【0045】
なお、上述した第1実施形態および第2実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[溶接部]
・2つの接合代11aは、側壁部11の幅方向DWに沿って延びる線状を有した1つの溶接部によって互いに接合されてもよい。この場合であっても、2つの接合代11aが、互いに確実に接合される。
【0046】
[連結部]
・連結部13は、側壁部11が有する接合代11aに底部12を連結してもよい。この場合であっても、インサート成形用メッシュ10は、連結部13によって底部12が側壁部11に連結された構造を有することから、上述した(1)に準じた効果を得ることは可能である。
【0047】
・連結部13は、直線部12E2における一方の端部寄りにおいて直線部12E2に接続されてもよい。この場合であっても、インサート成形用メッシュ10が筒状に成形された際に、側壁部11の筒端、直線部12E2、および、連結部13によって区画される隙間を形成することは可能であるから、上述した(3)に準じた効果を得ることは可能である。
【0048】
・長手方向DLにおいて、連結部13の幅は、底部12における連結部13との接続部位での幅と等しくてもよい。例えば、長手方向DLにおいて、連結部13の幅が、直線部12E2の幅と等しくてもよい。この場合であっても、インサート成形用メッシュ10は、連結部13によって底部12が側壁部11に連結された構造を有することから、上述した(1)に準じた効果を得ることは可能である。
【0049】
[底部]
・幅方向DWにおいて、底部12は側壁部11の接合代11aと隣り合っていてもよい。この場合であっても、インサート成形用メッシュ10は、連結部13によって底部12が側壁部11に連結された構造を有することから、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
【0050】
[インサート成形用メッシュ]
・インサート成形用メッシュ10は、筒状に成形された状態において、円筒状を有してもよい。この場合には、側壁部11が、長手方向DLに沿って延びる長方形状を有することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
10,30…インサート成形用メッシュ
11…側壁部
11a…接合代
11b…窪み
12,32…底部
12E…縁
12E1…優弧部
12E2…直線部
13…連結部
14…溶接部
20…インサート成形フィルター
21…本体
21A…第1環状部
21AW…幅広部
21B…第2環状部
21C…柱状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6