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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】導電装置およびローラコンベア装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230406BHJP
   B65G 13/11 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G13/11
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020156267
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022049952
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】廣田 雅治
(72)【発明者】
【氏名】羽方 満之
(72)【発明者】
【氏名】中村 隼士
(72)【発明者】
【氏名】山本 ひかり
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1970274(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0131838(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1401025(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0053220(KR,A)
【文献】特開2004-107019(JP,A)
【文献】実開平5-70589(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラコンベア装置のローラシャフトを接地線に電気的に接続するための導電装置であって、
前記ローラシャフトの端部に係合する係合部位を有するハウジングと、
導電性材料により形成され、前記ハウジングに設けられた開口を介して前記ハウジングの内部から外部へ突出するシャフト部材と、
前記ハウジング内で、前記シャフト部材を前記ハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、
前記シャフト部材と弾性的に当接し、前記シャフト部材と前記ハウジングとの間を電気的に接続して導電経路を形成する導電部と
を備え、
前記ハウジングは、
導電性を有する材料により形成され、前記軸受および前記導電部を収容可能な内部空間を有する本体部と、
前記開口となる貫通孔が設けられるとともに、前記本体部と係合して前記内部空間を塞ぐことで前記軸受および前記導電部を前記内部空間に封止する蓋部と
を有し、
前記本体部と前記蓋部とのうち一方側に、前記内部空間の周囲を取り巻く連続した環状の突起部位が設けられ、前記本体部と前記蓋部とのうち前記一方側とは異なる他方側に設けられ前記突起部位の外周形状に対応する形状の嵌合部位に前記突起部位が嵌合することで、前記本体部と前記蓋部とが一体化されて前記ハウジングをなし、
前記本体部の外周面には、前記内部空間を挟んで互いに平行な1対の本体側平坦面が設けられ、前記蓋部の外周面には、前記本体部と係合した状態で前記本体側平坦面の各々と同一平面をなす1対の蓋側平坦面が設けられる、導電装置。
【請求項2】
前記突起部位が前記嵌合部位に圧入されて前記本体部と前記蓋部とが一体化される請求項1に記載の導電装置。
【請求項3】
前記導電部は、
導電性を有する材料により形成され、前記シャフト部材に当接するとともに前記ハウジングと電気的に接続された当接部材と、
前記シャフト部材と前記当接部材との間を接近方向に付勢し押圧力を付与する付勢部材と
を有する請求項1または2に記載の導電装置。
【請求項4】
前記付勢部材は、導電性を有する材料により形成され、前記当接部材と前記ハウジングとの間に介挿された弾性体である請求項3に記載の導電装置。
【請求項5】
前記軸受は、内輪と外輪とが相対的に一の回転軸回りに回転自在のラジアル軸受であり、前記外輪が前記ハウジングに当接し、
前記シャフト部材は、前記内輪の内径以下の直径を有する棒状部材の一端部を前記内輪の内径よりも拡径した形状を有し、前記一端部を前記ハウジング内に、前記一端部と反対の他端部を前記ハウジング外に位置させた状態で前記内輪に挿通されている請求項1ないし4のいずれかに記載の導電装置。
【請求項6】
前記シャフト部材のうち前記ハウジング外に露出する部分に、前記接地線を接続するための接続部位を有する請求項1ないしのいずれかに記載の導電装置。
【請求項7】
中心軸回りに回転するローラシャフトと、
前記ローラシャフトに取り付けられて前記ローラシャフトと一体的に回転して被搬送物を所定の搬送方向に搬送するローラと、
前記ローラシャフトの端部に装着された請求項1ないしのいずれかの記載の導電装置と、
前記導電装置に接続された接地線と
を備えるローラコンベア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ローラコンベア装置のローラシャフトを電気的に接地するための導電装置およびそれを備えたローラコンベア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばディスプレイ装置用のガラス基板や電子回路基板等の各種基板を処理してデバイス製造を行う処理プロセスにおいては、基板をローラコンベア装置で搬送することが一般に行われる。ローラコンベア装置のローラシャフトの回転や、ローラと基板との摩擦に起因して静電気が発生し、これにより基板や基板上に形成されたデバイスを劣化または破壊させるおそれがある。この問題への対応策としては、基板の搬送経路に除電のためのイオナイザを設ける、または、ローラシャフトを例えば電気的に接地しておくことが考えられる。
【0003】
例えば特許文献1に記載の技術は、ローラシャフトの端部に装着されて、接地線を介してローラシャフトを接地するための接地装置に関するものである。この装置においては、ローラシャフトの端部に装着可能なハウジングに対して導電シャフトが回転自在に設けられており、導電シャフトに接地線が接続される。このような構造により、ローラシャフトの回転に伴ってハウジングは回転するが、接地線のねじれの原因となる導電シャフトの回転は抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国特許第10-1401025号公報(例えば、図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の接地装置は、部品点数が多く構造が複雑であり、組み立てに大きな手間を要するという問題を有している。特に、付勢用のばねを含む各部品をハウジング内に組み付けてねじにより固定する際、ばねの復元力によって飛び出そうとする部品を押さえつつ工具を用いてねじ止めするという作業が大変に困難であり、かつ長い時間を要する。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、電気的な接地を目的としてローラシャフトに取り付けられる装置において、組み立て容易な構造を提案することを第1の目的とする。また、ローラシャフトを接地することによって静電気による基板へのダメージを防止することのできるローラコンベア装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の態様は、ローラコンベア装置のローラシャフトを接地線に電気的に接続するための導電装置であって、上記第1の目的を達成するため、前記ローラシャフトの端部に係合する係合部位を有するハウジングと、導電性材料により形成され、前記ハウジングに設けられた開口を介して前記ハウジングの内部から外部へ突出するシャフト部材と、前記ハウジング内で、前記シャフト部材を前記ハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、前記シャフト部材と弾性的に当接し、前記シャフト部材と前記ハウジングとの間を電気的に接続して導電経路を形成する導電部とを備えている。
【0008】
そして、前記ハウジングは、導電性を有する材料により形成され、前記軸受および前記導電部を収容可能な内部空間を有する本体部と、前記開口となる貫通孔が設けられるとともに、前記本体部と係合して前記内部空間を塞ぐことで前記軸受および前記導電部を前記内部空間に封止する蓋部とを有し、前記本体部と前記蓋部とのうち一方側に、前記内部空間の周囲を取り巻く連続した環状の突起部位が設けられ、前記本体部と前記蓋部とのうち前記一方側とは異なる他方側に設けられ前記突起部位の外周形状に対応する形状の嵌合部位に前記突起部位が嵌合することで、前記本体部と前記蓋部とが一体化されて前記ハウジングを構成する。さらに、前記本体部の外周面には、前記内部空間を挟んで互いに平行な1対の本体側平坦面が設けられ、前記蓋部の外周面には、前記本体部と係合した状態で前記本体側平坦面の各々と同一平面をなす1対の蓋側平坦面が設けられる。
【0009】
このように構成された発明では、ハウジングを構成する本体部の内部空間にシャフト部材を支持する軸受および導電部を収容した状態で、本体部に蓋部をかぶせ突起部位と嵌合部位とを嵌合させて留め付けることにより、部品の組み付けが完了する。このため、上記従来技術よりも格段に組立が容易である。また、シャフト部材はハウジングに対し回転自在であるため、シャフト部材に接地線を接続することにより、ハウジングがローラシャフトと一体回転する際にも接地線のねじれを抑制することができる。
【0010】
また、この発明の他の一の態様は、ローラコンベア装置であって、上記第2の目的を達成するため、中心軸回りに回転するローラシャフトと、前記ローラシャフトに取り付けられて前記ローラシャフトと一体的に回転して被搬送物を所定の搬送方向に搬送するローラと、前記ローラシャフトの端部に装着された上記構造の導電装置と、前記導電装置に接続された接地線とを備えている。
【0011】
このように構成された発明では、ローラシャフトが電気的に接地された状態で基板を搬送することができるので、静電気による基板へのダメージを未然に防止することが可能である。
【発明の効果】
【0012】
上記のように、本発明によれば、簡単に組み立てが可能でローラシャフトを確実に接地することのできる導電装置を構成することができる。また、このような導電装置をローラコンベア装置に装着することで、搬送される基板へのダメージを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態を示す図である。
図2】導電装置を構成する各部品の内部構造を示す分解断面図である。
図3】導電装置の組み立て断面図である。
図4】ハウジングの分解斜視図である
図5】導電装置の組み立て工程を示すフローチャートである。
図6】ハウジング外周面の形状が奏する効果を説明する図である。
図7】本発明に係る導電装置の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明の一実施形態を示す図である。より具体的には、図1(a)は本発明に係る導電装置の第1実施形態の外観を示す図である。また、図1(b)はこの導電装置を装備したローラコンベア装置の一部の外観を示す図である。図1(a)に示すように、導電装置1は、略円柱状のハウジング100の中心軸上に突出してシャフト部材40が設けられた構造を有している。
【0015】
シャフト部材40はハウジング100に対し、ハウジング100の中心軸と略一致する回転軸回りに回転自在となっている。ハウジング100から外部へ突出したシャフト部材40の先端には、端子金具71を介してアース線70が接続される。シャフト部材40が設けられた側とは反対側のハウジング100の端部には、ハウジング100の中心軸と同軸に雄ねじ11が形成されている。
【0016】
以下の各図において方向を統一的に示すために、図1(a)に示すようにXYZ直交座標系を設定する。ここで、Z軸はハウジング100の中心軸と平行な方向であり、XY平面はこれに垂直な座標平面である。
【0017】
図1(b)に示すように、導電装置1はローラコンベア装置9に装着される。より具体的には、ローラコンベア装置9は、平行に配置された1対のフレーム910,910と、これらのフレーム910,910により両端を回転自在に軸支された複数のローラシャフト920と、各ローラシャフト920にそれぞれ複数設けられた搬送ローラ930とを備えている。ローラシャフト920が回転することにより、搬送ローラ930により下面を支持された図示しない基板が所定の搬送方向に搬送される。ローラシャフト910は導電性を有する例えば金属製であり、搬送ローラ930は導電性を有する例えば樹脂製である。
【0018】
導電装置1は、各ローラシャフト920の一方端部921に、ハウジング100の中心軸がローラ回転軸と一致するようにしてそれぞれ取り付けられる。すなわち、各ローラシャフト920の一方端部921には図示しない雌ねじが形成されており、この雌ねじに導電装置1の雄ねじ11が螺合されることにより、導電装置1がローラシャフト920の端部に装着されるとともにローラシャフト920と電気的に接続される。複数のローラシャフト920のそれぞれに取り付けられた導電装置1はアース線70を介して互いに電気的に接続され、最終的には所定の接地電極に接続されて接地される。
【0019】
これにより、基板搬送の過程でローラシャフト920に静電気が発生し基板にダメージを与えることが防止される。搬送ローラ930で例えばガラス基板を搬送するとき、ガラス基板と搬送ローラ930との摩擦により、ガラス基板、ローラシャフト920および搬送ローラ930に静電気が帯電する。本実施形態のような導電装置がないと、搬送ローラ930やローラシャフト920から帯電した静電気が基板に向けて放電する、いわゆるスパークが生じることがある。導電装置1によりローラシャフト920の電位を管理する、例えば電気的に接地することにより、このようなスパークを防止することができる。
【0020】
ローラシャフト920が回転することにより、導電装置1のハウジング100はローラシャフト920と一体的に回転する。一方、アース線70はシャフト部材40に取り付けられており、シャフト部材40はハウジング100に対し、ハウジング100の中心軸と同軸の回転軸回りに回転自在である。このため、アース線70が取り付けられた状態ではシャフト部材40は回転せず、ローラシャフト920の回転に伴ってアース線70にねじれが発生することは回避される。
【0021】
以下、図2ないし図5を参照して、導電装置1のより詳細な構造について説明する。図2は導電装置を構成する各部品の内部構造を示す分解断面図であり、図3はその組み立て断面図である。また、図4はハウジングの分解斜視図であるまた、図5は導電装置の組み立て工程を示すフローチャートである。
【0022】
図2に示すように、導電装置1は、ハウジング本体10と、ばね20と、導電ブロック30と、シャフト部材40と、ベアリング50と、蓋部60と、アース線70と、固定ねじ80と、ワッシャ90とを備えている。アース線70以外の各部材の形状は概ね軸対称性を有しており、図1および図2に示すように、これらが同軸状に組み立てられることで導電装置1が構成される。
【0023】
ハウジング本体10は、導電性を有する材料、例えばステンレス鋼、しんちゅう、アルミニウム等の金属材料により一体的に構成された部品であり、略円柱状の部材の上端中央部から所定の深さまでがくり抜かれて、上端が開口し下端が閉じた筒型形状を有している。これにより、ハウジング本体10内には、後述の各部品を収容するための内部空間SPが形成されている。図2および図4(a)に示すように、ハウジング本体10の上端には、内部空間SPの周囲を取り巻く環状(円柱状)に形成され、ハウジング本体10から上向きに突出した突起部位12が設けられている。
【0024】
ばね20は、導電性および弾性を有する材料、例えば金属線により形成されたコイルばねである。ばね20の外径は、ハウジング本体10の内部空間SPに収まるサイズとなっている。
【0025】
導電ブロック30は、導電性を有する材料、例えば金属、カーボン(黒鉛)により形成された部品であり、ばね20の内径より大きな直径を有する円板状部位31の下部に、ばね20の内径より小さな直径を有する円柱状部位32が接続された構造を有している。また、円板状部位31の上面中央部には窪み33が設けられている。導電ブロック30は、円柱状部位32を下向きにして、ハウジング本体10内に収容されたばね20の上に置かれる。そうすると、円柱状部位32がばね20の内部に挿通される形で導電ブロック30がばね20により弾性的に支持される。
【0026】
シャフト部材40は、導電性を有する材料、例えばステンレス鋼、しんちゅう、アルミニウム等の金属材料により構成された棒状の部品であり、その下部41が部分的に拡径されるとともに、下端面42が逆円錐形状に形成されている。また、上端部43には雌ねじ44が形成されている。
【0027】
ベアリング50はラジアル転がり軸受であり、例えば市販されているボールベアリングを用いることができる。シャフト部材40の外径は、ベアリング50の内径に対して適宜のはめあい公差を適用して両者の間がすきまばめの状態となるように設定されている。これにより、例えばベアリング50の内輪に対し、シャフト部材40を軽い力で挿通することを可能とすることができる。
【0028】
蓋部60は、内面62が円筒面となった概ね筒状の部品である。蓋部60の内面62は、ハウジング本体10の突起部位12の外周形状に対応したものとなっている。より具体的には、円筒面である内面62の内径は、同じく円筒面である突起部位12の外周部の外径とほぼ等しい。突起部位12が内面62に嵌合しハウジング本体10と蓋部60とが一体化されることでハウジング100が構成される。突起部位12の外径は、内面62の内径以上であることが望ましい。特に、突起部位12の外径が内面62の内径よりも僅かに大きければ、突起部位12が内面62に圧入されることでハウジング本体10と蓋部60とが強固に固結されることになる。
【0029】
蓋部60の材料は特に限定されないが、例えばハウジング本体10と同一の材料を用いることが可能である。また、蓋部60の内面62の内径は、ベアリング50の外径に対して適宜のはめあい公差を適用して両者の間がすきまばめの状態となるように設定されている。これにより、例えば蓋部60に対し、ベアリング50を軽い力で挿通することを可能とすることができる。
【0030】
一方、蓋部60の上端63における開口径は、ベアリング50の外径よりも少し小さくなっている。つまり、内面62はその上端において内側(中心軸側)にせり出した構造となっている。これにより、蓋部60の内部に収容されたベアリング50が蓋部60よりも上方に飛び出すことが防止されている。つまり、蓋部60は、ばね20、導電ブロック30、シャフト部材40およびベアリング50をハウジング100内に封止する機能を有する。そして、その上端63に設けられた開口から、ハウジング10に対し回転自在のシャフト部材40の上端が突出している。
【0031】
このシャフト部材40上端にアース線70が接続される。具体的には、シャフト部材40の上端43に形成された雌ねじ44に対して固定ねじ80が螺合する。アース線70の一端に取り付けられた端子金具71およびワッシャ90を挟んで固定ねじ80が雌ねじ44に螺合されることで、端子金具71が機械的にシャフト部材40に結合され、これによりアース線70がシャフト部材40に電気的に接続されることとなる。なお、ワッシャ90は予め固定ねじ80に取り付けられていてもよい。すなわち、固定ねじ80がワッシャ付きのものであってもよい。このようにすることで、組み立て時の作業性を向上させることができる。
【0032】
これらの部材を組み付けて導電装置1を製造する際の工程の一例は図5に示すとおりである。最初に、好ましくはハウジング本体10の開口部を上向きにした状態で、ばね20および導電ブロック30が、この順番でハウジング本体10の内部空間SPに収容される(ステップS101、S102)。なお、ばね20と導電ブロック30とが組み合わされた状態でハウジング本体10に収容されてもよい。
【0033】
次に、ベアリング50にシャフト部材40が挿通された状態で、これらが一体的にハウジング本体10に収容される(ステップS103)。そして、ベアリング50に蓋部60をかぶせ、ばね20による付勢力に抗しつつ蓋部60を押し込むことで、蓋部60をハウジング本体10に嵌合させる(ステップS104)。
【0034】
ベアリング50に蓋部60をかぶせた時点で、ハウジング本体10内に収容された各部品が外部へ飛び出すことは抑制されている。特に、シャフト部材40の下端がとがっており、これを受ける導電ブロック30の上部に窪み33が設けられていることから、シャフト部材40が導電ブロック30上で横方向に滑って位置がずれることも回避されている。したがって、蓋部60とハウジング本体10とを螺合する作業自体が、各部品を正規の位置に据え付ける作業を兼ねていることになる。また、ここまでの組み立て作業には特に治工具を必要としない。このように、この導電装置1では、各部品を一体化するための組み立て作業が極めて簡単である。
【0035】
こうして組み立てられた導電装置1にアース線が接続されるが(ステップS106)、それに先立って、導電装置1がローラシャフト920に係合されてもよい(ステップS105)。すなわち、導電装置1本体をローラシャフト920に係合してからアース線90を接続する方法と、アース線70まで取り付けが完了した状態の導電装置1にアース線90を接続する方法(この場合、ステップS105がステップS106の後に実行される)とがあり得る。これらは現場での作業性の良否に応じて適宜選択可能である。
【0036】
アース線70の接続(ステップS106)は次のようにして行うことができる。固定ねじ80にワッシャ90を挿通しまたはワッシャ90付きの固定ねじ80を用意し、アース線70の端部に取り付けられた端子金具71の取り付け穴に固定ねじ80を通してシャフト部材40の雌ねじ44に止め付けることで、アース線70が導電装置1に接続される。このとき、固定ねじ80の締結に例えばドライバのような工具が使用されることになるが、取り付け対象物であるシャフト部材40はより大きな導電装置1またはローラシャフト920に固定された状態であるため、その支持は比較的容易である。
【0037】
図3(a)はこのときの状態を示している。この状態では、ハウジング100の内部空間SPにおいて、導電ブロック30は、ばね20を介してハウジング本体10と電気的に接続されるとともに、押し込まれたばね20の復元力によって上向きに付勢されている。導電ブロック30の上面にはシャフト部材40が押し当てられており、したがってシャフト部材40も上向きに付勢されている。
【0038】
シャフト部材40はベアリング50に挿通されている。シャフト部材40の拡径部位41はベアリング50の下面に突き当てられており、これにより、ベアリング50に対するシャフト部材40の上方向への移動が規制される。言い換えれば、シャフト部材40が上向きに変位しようとするとき、ベアリング50も一体的に変位する。
【0039】
結果として、ばね20は、導電ブロック30、シャフト部材40およびベアリング50に対して上向きの付勢力を与える。ベアリング50の上端は蓋部材60の上端63により変位が規制されているため、ベアリング50が蓋部材60に押し付けられた状態となる。これにより、各部品の上下方向における位置が固定され、ハウジング100内で各部品が大きくガタつくことは防止される。
【0040】
図3(b)はシャフト部材40、ベアリング50および蓋部60の当接状態をより詳細に示す部分断面図である。ベアリング50は例えばボールベアリングであり、外輪51、内輪52および転動体53をその主要構成として備えている。外輪51と内輪52との間で転動体53が転動することで、外輪51と内輪52との間で相対的な回転運動が実現される。
【0041】
ここで、シャフト部材40の拡径部位41はベアリング50の内輪52に当接し、外輪51には当接していない。言い換えれば、拡径部位41の外径が、上記関係を満たすように設定されている。一方、蓋部60の上端63はベアリング50の外輪51に当接し、内輪52には当接していない。言い換えれば、蓋部60の上端63における開口径が、上記関係を満たすように設定されている。
【0042】
そのため、白抜き矢印で示すばね20の上向きの付勢力Fは、シャフト部材40をベアリング50の内輪52に押し付けることでシャフト部材40と内輪52との間では変位を生じさせず、蓋部60をベアリング50の外輪51に押し付けることで蓋部60と外輪51との間では変位を生じさせないという作用を有する。その一方で、外輪51と内輪52との間はスムーズに回転する。その結果、ハウジング100に対するシャフト部材40の自由な回転が実現される。
【0043】
ハウジング100に対してシャフト部材40が回転することで、シャフト部材40の先端が導電ブロック30に突き当てられた状態で滑り運動することになる。このため、導電ブロック30には、電気伝導性が良好で摩擦係数が低く、かつ耐熱性が高いという性質が求められる。本実施形態では、このような目的に好適なものとしてカーボン(黒鉛)ブロックが使用されている。
【0044】
蓋部60の内面62にハウジング本体10の突起部位12が嵌め込まれていることで、ベアリング50の下方への変位は規制されている。しかしながら、上記のようにばね20の付勢力によって実質的にベアリング50の変位が規制されているため、ハウジング本体10による規制作用は必須のものではない。
【0045】
次に、ハウジング100の側部外周面の形状について説明する。ハウジング100の外周面は、単純な円筒面であっても機能面で特に問題ないが、図1(a)に示すように、この実施形態ではその一部が平坦面となっている。より具体的には、図4(a)の斜視図および図4(b)の三面図に示すように、ハウジング本体10の(-Y)側側面と(+Y)側側面には、それぞれXZ平面と平行な、したがって互いに平行な平坦面(本体側平坦面)15,16が設けられている。同様に、蓋部60の下端部の(-Y)側側面と(+Y)側側面には、それぞれXZ平面と平行な平坦面(蓋側平坦面)65,66が設けられている。
【0046】
ハウジング本体10と蓋部60とが嵌合されたとき、ハウジング本体10の平坦面15と蓋部60の平坦面65とが同一平面をなす一方、ハウジング本体10の平坦面16と蓋部60の平坦面66とが同一平面をなすように、これらの平坦面は形成されている。言い換えれば、組み立て時には互いの平坦面が一致するようにハウジング本体10と蓋部60とが組み合わされる。以下では、平坦面15,65が一体となった平面に符号105を、また平坦面16,66が一体となった平面に符号106を付すこととする。
【0047】
図6はハウジング外周面の形状が奏する効果を説明する図である。導電装置1がコンベア装置のローラシャフトに取り付けられる際、例えばスパナのような工具Tが使用されると想定される。このとき、ハウジング100の側面に互いに平行な平面105,106が設けられていれば、図5(a)に破線で示すように、両平面105,106の距離に応じた開口サイズを有する工具Tを用いて、空回りを防止しつつ効率よく取り付け作業を行うことが可能である。
【0048】
また、平面105が本体側平坦面15と蓋側平坦面65とで構成される一方、平面106が本体側平坦面16と蓋側平坦面66とで構成されることで、次のような効果が得られる。
【0049】
まず、ハウジング100を小型にする、特にZ方向における長さを小さく抑える効果がある。その理由は以下のとおりである。平面105,106のZ方向長さLzは、同方向における工具Tの厚さTtよりも大きくなければならない。ここで、平面105,106をハウジング本体10および蓋部60の一方のみに設けるとすると、本体側平坦面15(16)または蓋側平坦面65(66)のZ方向長さが単独で工具の厚さTtよりも大きくなければならず、結果としてハウジング100全体の長さが大きくなってしまう。平面105,106の配置をハウジング本体10と蓋部60とに振り分けることで、ハウジング100を小型に構成することができる。
【0050】
また、工具Tによってハウジング100を回転させる際に、ハウジング本体10と蓋部60とが一体的に回転し、両者の間にねじり方向の力がかかることが回避される。このような力はハウジング本体10と蓋部60との結合を弱めるように作用するが、本実施形態ではこのような力が作用しないので、ハウジング本体10と蓋部60との間で緩みが生じることを回避することができる。
【0051】
この効果を確実なものとするためには、本体側平坦面15(16)のZ方向長さLa、蓋側平坦面65(66)のZ方向長さLbのそれぞれが工具厚さTtよりも小さく、かつ長さLa,Lbの合計が工具厚さTt以上(より好ましくはこれより大きい)であることが好ましい。こうすることで、平面105,106に工具Tを確実に係合させることができ、しかもハウジング本体10と蓋部60との一方のみに回転力が加わってねじれが生じることが回避される。
【0052】
なお、このような平坦面の振り分けにより得られる効果は、本実施形態のようにハウジング本体10と蓋部60とが嵌合により結合される場合に限定されるものではない。例えば、ハウジング本体と蓋部とがそれぞれに設けられたねじ部により螺合される場合においても有効である。このような構造では、ハウジング本体と蓋部との間にねじり方向の力が加わることは、両者の間の緩みや離脱などの重大な問題を引き起こす。上記のようにハウジング本体と蓋部とのそれぞれに平坦面を設けそれらが揃うように組み立てることにより、この問題を解消することが可能である。
【0053】
以上のように、この実施形態に係る導電装置1は、ローラコンベア装置9のローラシャフト920を電気的に接地する機能を有する。具体的には、それぞれ導電性材料で構成されたハウジング本体10、ばね20、導電ブロック30、シャフト部材40およびアース線70を経由して図示しない接地電極に至る導電経路が形成され、ローラシャフト920に発生する静電気を除去する。これにより、搬送される基板やその表面に形成されたデバイスを静電気により破壊したり特性を劣化させたりするという問題が回避される。
【0054】
導電装置1は、主要部品をハウジング本体10に収容した後、蓋部60を嵌め込むまたは圧入するという簡単な作業で組み立てることができる。このため、特別な治工具を使わず、また少ない工数で組み立てを行うことが可能である。
【0055】
また、ハウジング100は、ハウジング本体10と蓋部60とが、ハウジング本体10から内部空間SPを囲むように環状に突出した突起部12を介して嵌合している。このため、使用に伴って内部空間SPで発生する粉塵が外部へ漏れ出すのを抑える効果もある。導電装置1では、導電ブロック30に対し摺動しつつシャフト部材40が回転する。このため、特にカーボン製の導電ブロック30が削られて生じる微粉が内部空間SPに徐々に蓄積することになる。本実施形態ではハウジング本体10と蓋部60との間に隙間が生じるのを防止することができ、この隙間から粉塵が漏出するのを防止することが可能である。
【0056】
また、ハウジング本体10と蓋部60とが圧入により組み立てられている場合、両者を容易に分離することができない。このことも粉塵防止の観点からは有効である。本実施形態の導電装置は、クリーンルーム環境下で使用される場合がある。ハウジングが分解可能に構成されている場合、クリーンルーム内で偶発的にハウジングが分解され内部の粉塵が漏れ出してしまうと大きな問題となる。容易に分解できない構造としておくことで、このような問題を未然に回避することが可能となる。
【0057】
以下、本発明に係る導電装置の他の実施形態を説明する。これらの実施形態では、上記した第1実施形態と比較して一部の構造が異なっているが、多くの構成は同じである。このため、第1実施形態と同じ構造、機能を有する部材については同一符号を付して詳しい説明を省略することがある。また、上記実施形態との差異は主としてハウジング構造にあるので、ハウジングのみを図示することとする。
【0058】
図7は本発明に係る導電装置の他の実施形態を示す図である。図7(a)に示す第2実施形態のハウジング100aでは、ハウジング本体10aに設けられた突起部12aの内面が、蓋部60aの内面62aと滑らかに連続する円筒面となっている。すなわち、突起部12aの内径と、蓋部60aの内径とが等しい。このような構造であっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。このような構成では上記実施形態のようにハウジング本体と蓋部とでベアリングを挟み込んで支持する機能はないが、前記したとおりベアリングはばねにより付勢されることで変位が規制されているため問題はない。
【0059】
図7(b)に示す第3実施形態のハウジング100bは、上記実施形態とは逆に、蓋部60bに(-Z)方向に延びる環状の突起部位67bが設けられ、これがハウジング本体10bに圧入された構造を有している。このように、「突起部位」はハウジング本体および蓋部のいずれに形成されていてもよい。なお、図7(b)に示す構造では、組み立ての際、上下を逆方向に入れ替えることで作業性が向上する場合がある。すなわち、上下を逆にした蓋部60b内にベアリング50等の各部品を収容してからハウジング本体10bを蓋部60bにかぶせる、という手順である。
【0060】
また、図7(c)に示す第4実施形態のハウジング100cでは、ハウジング本体10cの上端に環状の突起部位12cが形成される一方、蓋部60cの下端に突起部位12cに対応する凹部68cが形成されている。突起部位12cが凹部68cに嵌合されることで、ハウジング本体10cと蓋部60cとが一体化される。このような構造によっても上記実施形態と同様の効果が得られる。なお、これとは逆に、蓋部の下端に突起部位が設けられ、ハウジング本体の上端に突起部位に対応する凹部が形成された構造であってもよい。
【0061】
以上説明したように、上記した第1実施形態においては、ハウジング本体10および蓋部60がそれぞれ本発明の「本体部」および「蓋部」として機能しており、これらが一体として本発明の「ハウジング」として機能する。
【0062】
また、シャフト部材40およびベアリング50がそれぞれ本発明の「シャフト部材」および「軸受」としてそれぞれ機能している。また、ばね20が本発明の「付勢部材」として機能する一方、導電ブロック30が本発明の「当接部材」として機能し、これらが一体として本発明の「導電部」として機能している。また、ハウジング本体10に設けられた突起部位12が本発明の「突起部位」として機能し、これに対応する蓋部60の内面62が本発明の「嵌合部位」として機能している。また、シャフト部材40に設けられた雌ねじ44が本発明の「接続部位」に相当し、アース線70が本発明の「接地線」に相当している。
【0063】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、ハウジング本体10に設けられた雄ねじ11を介して導電装置1がローラシャフト920に接続される。しかしながら、導電装置をローラシャフトに係合するための構造はこれに限定されず、他のものを適宜用いることが可能である。
【0064】
また例えば、上記実施形態では付勢力の発生源としてコイルばねを用いているが、これに代えて、例えば板ばねや、導電性樹脂材料を用いて付勢力を発生させてもよい。板ばねの材料としては導電性を有するものが好ましく、例えばリン青銅板を好適に適用可能である。
【0065】
また例えば、上記第1実施形態では、付勢力を発生させるばね20によって導電ブロック30とハウジング本体10との導通が確保されているが、付勢力を発生させるための構成と、導通を確保するための構成が同一のものである必要はなく、これらが異なる部材によって実現されるものでもよい。
【0066】
また例えば、上記第1実施形態では、部品間の着脱を容易にするため、シャフト部材40とベアリング50の内輪52との間、および蓋部材60とベアリング50の外輪51との間がいずれもすきまばめの状態とされている。これに代え、いずれか一方が中間ばめあるいはしまりばめの状態とされてもよい。例えばシャフト部材とベアリングとの間がしまりばめとされるとき、シャフト部材と内輪との間が組み立て時に固定されるため、シャフト部材に拡径部位を設けることは必須でない。
【0067】
また、上記実施形態のハウジング本体10等はその全体が導電性材料(例えば金属)により形成されているが、これに限定されない。すなわち、ローラシャフトと導電部(ばねおよび導電ブロック)とを接続する導電経路が確保されていれば足り、これに関与しない部分については導電性を有していなくてもよい。
【0068】
また、上記実施形態ではアース線70、固定ねじ80およびワッシャ90までを導電装置の構成の一部に含めているが、この導電装置を製品として流通させる場合、これら(特にアース線)については導電装置には含まれない外部部品として扱われてもよい。
【0069】
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、本発明に係る導電装置においては、突起部位が嵌合部位に圧入されて本体部と蓋部とが一体化されてもよい。このような構成によれば、本体部と蓋部とが容易に離脱することがないため、導電装置が設置される現場でこれを分解することにより生じ得る粉塵の発生を未然に回避することができる。
【0070】
また例えば、導電部は、導電性を有する材料により形成され、シャフト部材に当接するとともにハウジングと電気的に接続された当接部材と、シャフト部材と当接部材との間を接近方向に付勢し押圧力を付与する付勢部材とを有する構成であってよい。このような構成によれば、シャフト部材の回転に伴って当接部材との間で生じる摺動においても安定的に電気的導通を確保することができる。
【0071】
この場合、例えば、付勢部材は、導電性を有する材料により形成され、当接部材とハウジングとの間に介挿された弾性体であってよい。このような構成によれば、付勢部材は当接部材に付勢力を付与する機能と導通を確保する機能とを兼備することになり、部品点数を低減することが可能である。
【0072】
また例えば、導電部は、導電性を有する材料により形成され、シャフト部材とハウジングとの間に介挿された弾性体であってよい。このような構成によれば、シャフト部材とハウジングとの間が導電部により電気的に、かつ弾性的に接続されることとなり、上記と同様、導電部に付勢力を付与する機能と導通を確保する機能とを兼備させることが可能である。
【0073】
また例えば、軸受は、内輪と外輪とが相対的に一の回転軸回りに回転自在のラジアル軸受であり、外輪がハウジングに当接し、シャフト部材は、内輪の内径以下の直径を有する棒状部材の一端部を内輪の内径よりも拡径した形状を有し、一端部をハウジング内に、一端部と反対の他端部をハウジング外に位置させた状態で内輪に挿通されていてよい。このような構成によれば、ハウジングおよびシャフト部材が軸受に当接することで各部品の位置関係が規定され、しかもハウジングに対してシャフト部材をスムーズに回転させることが可能である。
【0074】
また例えば、本体部の外周面には内部空間を挟んで互いに平行な1対の本体側平坦面が設けられ、蓋部の外周面には本体部と係合した状態で本体側平坦面の各々と同一平面をなす1対の蓋側平坦面が設けられてもよい。このような構成によれば、導電装置をローラシャフトに取り付ける際にスパナ等の工具により付与される回転力が、ハウジング本体と蓋部との両方に加えられる。このため、ハウジング本体と蓋部との間にねじり方向の力が加わり両者の結合が緩むことが防止される。
【0075】
また例えば、シャフト部材のうちハウジング外に露出する部分に、接地線を接続するための接続部位が設けられていてよい。このような構成によれば、ローラシャフトの回転に伴ってハウジングが回転しても、接地線が接続されたシャフト部材の回転は回避することができるので、接地線がねじれたり、接地線の接続によってローラシャフトの回転が阻害されたりすることはない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
この発明は、ガラス基板、電子回路基板等、各種の基板を搬送するローラコンベア装置を構成する用途に好適に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 導電装置
9 ローラコンベア装置
10,10a,10b,10c ハウジング本体(本体部、ハウジング)
12 突起部位
20 ばね(付勢部材)
30 導電ブロック(当接部材)
40 シャフト部材
44 雌ねじ(接続部位)
50 ベアリング(軸受)
60,60a,60b,60c 蓋部(ハウジング)
62 (蓋部の)内面(嵌合部位)
70 アース線(接地線)
100,100a,100b,100c ハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7