(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】物理的な売り場で購買を支援するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20230406BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/00 311D
G07G1/00 301Z
(21)【出願番号】P 2020535597
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(86)【国際出願番号】 FR2019050213
(87)【国際公開番号】W WO2019150047
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-01-25
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520220386
【氏名又は名称】アフレイト-セウグネット,メヘディ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アフレイト-セウグネット,メヘディ
【審査官】西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0082279(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0284132(US,A1)
【文献】特開2016-57813(JP,A)
【文献】特開2008-59334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルフサービス店の売り場(10)で顧客(3)による購買を支援するための装置(41)を含むシステムであって、前記装置は:
- 中心部分(411)、
- 前記中心部分に接続され且つ前記中心部分(411)の両側に延在するサスペンションアーム(412)であって、前記サスペンションアーム(412)は、前記装置(41)によって携帯用入れ物(41)が運ばれることができるようにするために、前記携帯用入れ物(4)に接続されることが意図されており、この携帯用入れ物は、前記売り場(10)で売りに出されているアイテム(1)をこの携帯用入れ物に入れることができるようにする開口部を備え、前記中心部分(411)は、前記装置(41)が前記携帯用入れ物(4)を運ぶために使用されているときに、前記開口部に対面する、サスペンションアーム、
- 前記装置(41)が前記携帯用入れ物(4)を運ぶために使用されているときに、前記携帯用入れ物(4)の前記開口部を通る動きを検出するように構成されている少なくとも1つの動きセンサー(418)、
- 前記装置(41)が前記携帯用入れ物(4)を運ぶために使用され、且つ前記動きセンサー(418)が前記開口部を通る動きを検出したとき、前記開口部の少なくとも一部が入っているシーンの少なくとも1つの画像を検出するように構成されている少なくとも1つの画像センサー(420)、
- 前記売り場(10)での前記装置(41)の現在の位置を決定するように構成されている位置センサー(421)
を含み、
前記システムはまた:
前記売り場(10)で売りに出されているアイテム(1)のリストに関する情報が提供され、且つ予め決められた信頼性レベルで、前記少なくとも1つの画像中に現れているアイテムを認識するように構成されている処理手段であって、このアイテムは、アイテム(1)の前記リストに含まれる、絞り込まれたアイテムのリストから認識され、この絞り込まれたアイテム(1)のリストは、前記位置センサー(421)によって決定された前記装置(41)の位置に応じて、決定される、処理手段
を含む、システム。
【請求項2】
前記絞り込まれたアイテム(1)のリストは、前記購買支援装置(41)の前記現在の位置及び/又は以前の位置に応じて決定されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記購買支援装置(41)の前記中心部分(411)は、画像センサー(420)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記購買支援装置(41)はまた、前記装置(41)が前記携帯用入れ物(4)を運ぶために使用されているとき、前記携帯用入れ物(4)の重量の変動を測定するように構成されている重量センサー(419)を含み、前記処理手段はまた、この変動を使用して、前記少なくとも1つの画像中に現れている前記アイテム(1)を認識することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記購買支援装置(41)はまた、少なくとも1つの距離センサー(424)を含み、この距離センサーは、前記装置(41)が前記携帯用入れ物(4)を運ぶために使用されているときに、前記距離センサー(424)と、少なくとも一部が前記距離センサー(424)の測定領域内にあるアイテム(1)との間の距離を、非接触で測定するように構成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記サスペンションアームは、前記装置(41)が前記携帯用入れ物(4)を運ぶために使用されているとき、この携帯用入れ物(4)を開いたままにするように設計されている保持手段(414)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記保持手段(414)は、携帯用入れ物(4)を運ぶための前記装置(41)の前記使用を検出するように構成されている接触センサー(421)を含むことを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記購買支援装置(41)はまた、前記中心部分(411)に連結されているハンドル(413)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記装置(41)はまた、物理的又は仮想的なカードから顧客識別子を読み取るように構成されているカードリーダを含み、前記処理手段は、前記装置(41)を前記顧客識別子と関連付けるように構成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
携帯用入れ物(4)と、請求項1~9のいずれか1項に記載の購買支援装置(41)とを含むアセンブリ。
【請求項11】
前記携帯用入れ物(4)は、変形可能な材料製であることを特徴とする、請求項10に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店での購買経験を向上させるための方法及びシステムの技術分野に、より具体的にはセルフサービス店の売り場での購買を支援するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この場合、「セルフサービス店の売り場」は、顧客が複数のセクションを自由に動き、且つ顧客自身が売りに出されているアイテムを手に取ることができる、いずれの物理的な販売所も意味する。
【0003】
そのような売り場では、売り場に備えられているか又は顧客が所有するバスケットやトートバッグなどの携帯用入れ物を用いる顧客は、前記顧客が売り場を歩き回るときにアイテムを選択し、それらのアイテムを入れ物に入れる。
【0004】
買い物が終わると、顧客は、通常売り場の出口に位置する精算カウンターへ行って、アイテムの決済をする。
【0005】
ひとたび決済が行われると、アイテムの所有権は顧客へ移り、それにより購買取引は完了する。
【0006】
時間を節約する手段として、電子商取引の発展が見られる。その結果、依然として実店舗に行く顧客は、実店舗で多くの時間を費やすことに、ますます寛容でなくなってきている。
【0007】
その結果として、アマゾン(Amazon)社は最近、清算カウンター又は決済端末がなく、カメラ及びセンサーを用いて顧客によって複数のセクションから取られたり又は複数のセクションへ戻されたりした製品を検出して、勘定を仮想バスケットに入れる食料品店を提案した。店舗に入ると、顧客は顧客のモバイル端末にアプリケーションをスキャンして顧客を識別し、且つ顧客が去るときに、アマゾンのアカウントからお金を引き落とす。使用されている技術によって、買い物客の習慣及びふるまいを観察できるようにし、且つ精算カウンターで列に並んで待つことがないようにする。しかし、この技術は、店舗の天井に位置する数千のセンサー及びカメラ、並びにその実施を必要とするため、コストがかかり、且つ複雑であり、単一の売り場に向けてのみ提案されている。
【0008】
既存の従来の売り場では、精算カウンター又は決済端末で列に並んで待つ必要があることに加えて、顧客は、全てのアイテムを顧客のバスケットから取り出した後、ひとたび前記アイテムが精算カウンター又は端末で清算されたら、前記アイテムを戻す(又は前記アイテムを袋に入れる)必要がある。
【0009】
換言すると、セルフサービスの売り場で購入するとき、顧客は買い物しながら、購入するアイテムを顧客のバスケットに入れ、及び、精算カウンターでは:
- 忙しい場合には、顧客の順番になるまで待ち、
- バスケットに入れて運んだアイテムを全て取り出し、
- レジ係又は決済端末がこれらのアイテムを1つずつスキャンするのを待って決済を確認し、及び
- 購入したアイテムを同じ又は別のバスケットに戻して入れる
必要がある。
【0010】
これらのステップは、顧客にとって望ましくない時間の無駄を含み、これはしばしば、ゆがんだ時間感覚を伴う。実際、客観的には短い時間の場合でも、費やした時間は実際に経過した時間よりもかなり長いと顧客によって感じられることが多く、これは売り場の業績に影響を及ぼす。
【0011】
セルフサービスの売り場の業績を改善するために、特に精算カウンターで費やす時間を短縮することにより、顧客の購買経験を向上させることを意図した解決法が提案されている。
【0012】
「セルフスキャニング」として公知の第1の解決法によれば、顧客は、売り場の入口に備えられたバーコードリーダを使用して顧客自身の購入品をスキャンするように求められる。顧客はこのリーダを使用して、顧客が売り場の複数のセクションに沿って動くときに、バスケットに入れたアイテムをスキャンする。精算カウンターでは、レジ係は、リーダから情報をダウンロードして、決済を監督する必要があるだけである。これは、顧客にとって清算を比較的簡単にする。
【0013】
「セルフチェックアウト」又は「自動チェックアウト」として公知の別の解決法は、顧客がレジ係の仕事を行うことを含む。精算装置に到着したら、顧客は、顧客のバスケットを空にして、顧客自身でアイテムを1つずつスキャンし、顧客向けの指示に注意深く従う。その後、顧客は、購入品の支払いを行って、顧客のアイテムを収集する。
【0014】
別の解決法では、売りに出されているアイテムに無線認証(RFID)タグが組み込まれて、顧客のバスケットに入れられた全てのアイテムの同時認証を可能にする。顧客が精算カウンターに行って購入品の決済を行うとき、RFIDリーダが、前記アイテムを顧客のバスケットから取り出すことなく、異なるアイテムに組み込まれたRFIDタグを読み取り、それにより精算プロセスをスピードアップする。
【0015】
しかしながら、公知の解決法には、顧客及び売り場の双方に欠点がある。
【0016】
顧客によるガイド付きの貢献/協力に基づく「セルフスキャニング」方法及び「セルフチェックアウト」方法は、提供されるツールの技術的及び社会的な受容を必要とする。
【0017】
これらのツールへのなじみやすさの欠如又はそれに適応するための追加的な努力を行うことへの拒絶が、顧客による採用を阻む。
【0018】
さらに、首尾よい連携を確実にするために、顧客は、顧客に期待されていることが何であるかを明白に理解し、関連のふるまいを取るように動機づけされ、且つ割り当てられたタスクを行うために必要な技能を有する必要がある。
【0019】
一部の顧客では、提供されるツールの使用は追加的な知的努力を必要とし、前記顧客は必ずしもその努力をする準備ができていない。
【0020】
セルフスキャニングでは、顧客は、バスケットに入れる各アイテムをスキャンすることを覚えている必要がある。
【0021】
しかしながら、顧客が今バスケットに入れたアイテムをスキャンしたかどうか又は前記アイテムを2度スキャンしたのではないかと思うことは一般的であり、一瞬疑って時間を無駄にすることにつながり、それらは双方とも望ましくない。
【0022】
さらに、顧客の関与に基づくこれらの方法は、顧客を効果的に「実行顧客」にし、これは顧客にとって価値観を破壊するものであるかもしれない。
【0023】
実際、セルフスキャニング又はセルフチェックアウトのいずれかによって顧客自身がアイテムをスキャンすることによって、顧客は、売り場の店員の代わりにタスクを行っている(それにより、何の見返りも得ることなく売り場のために働いている)と感じ得る。これは顧客に悪く感じられ、その結果として顧客の購買経験を悪く感じられ得る。
【0024】
顧客の購買経験はまた、顧客のアイテムを1つずつスキャンする本質的な機械的側面による悪影響を受ける。
【0025】
無線認証(RFID)タグの使用に基づく解決法は、売りに出されているアイテム全てへのRFIDタグの構成及び組み込みを必要とするため、コストがかかる。
【0026】
一部の製品では、RFIDタグを組み込むコストは、顧客の期待の点で、簡単にその価格を法外に高くし得る。
【0027】
さらに、このオプションは、実際には、売りに出されているアイテムの生産チェーンに関係する売り場にのみ利用可能であるにすぎない。
【0028】
それゆえ、そのような解決法は、異なるカテゴリーの及び/又は異なる製造業者からの販売アイテムを提供するどの売り場でも利用可能なわけではない。
【0029】
この最後の解決法はまた、バスケットの全ての内容物の正確なカウントを得るという問題、すなわち前記バスケットに入れられたアイテムの全てを正確に識別する能力の問題を提示する。
【0030】
特に、バスケットの中心に入れられたアイテムのRFIDタグは、1つ以上の他のアイテムによって覆われ(これは、無線波絶縁の機能を果たす)、それにより、RFIDスキャナー/リーダとの通信を妨害し、且つ当該アイテムが正確に識別されないか又は全く検出されない可能性がある。
【0031】
バスケットの部分的なスキャニングは、売り場の損失を生じる。
【0032】
文献国際公開第2016/135142号(Heinrich)には、顧客がショッピングカートに入れたアイテムを自動的に識別するように使用される、データを収集するセンサーを含む、ショッピングカートが説明されている。
【0033】
しかしながら、この解決法は欠点を有する。
【0034】
売り場では、ショッピングカートは、その容量を考慮して、通常、入れ子状に重ねることが可能であり、且つ売り場の外に(駐車場、売り場の入口の近くや売り場の出口に)保管される。それゆえ、カートに設置されたセンサーは、ショッピングカートを入れ子状に重ねるとき、簡単に損傷され得る。さらに、センサーは、売り場によって監視されず、売り場の外で使用者がアクセス可能であるため、前記センサーは、改ざんの試み又は損傷を受けやすくなる。さらに、ショッピングカートは、センサーの正しい動作に悪影響を及ぼし得る衝撃を受けやすくしがちである。
【0035】
さらに、顧客の要求(例えば、9個以下のアイテム)及び/又は売り場の範囲若しくは空間(小さいアイテム、ラグジュアリーなアイテム、ショッピングカートで動き回るのには不十分な空間、ショッピングカートの使用を妨害する障害物若しくは階段の存在)しだいで、ショッピングカートは、そのような売り場では、買い物に好適ではない場合がある。
【0036】
さらに、文献国際公開第2016/135142号に説明されているシステムの利点から恩恵を得るために、顧客は、前記ショッピングカートを使用することを求められる。この解決法は、この解決法用に設計されていないトートバッグを用いる顧客には利用可能ではない。
【0037】
さらに、ショッピングカートは、通常、売り場によって提供されており、顧客は、ひとたび買い物が完了したら、顧客のアイテムを回収して、使用したショッピングカートを売り場に戻すことが求められる。この解決法は、顧客の精算処理手順をスピードアップできるが、ショッピングカートからアイテムを回収するのに必要な時間は節約できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
本発明の1つの目的は、上述の欠点を克服することにある。
【0039】
本発明の別の目的は、あまり顧客努力を必要としない、購買支援解決法を提案することにある。
【0040】
本発明の別の目的は、顧客によって感じられる経過時間を最小限にすることによって、セルフサービス店の売り場での購買経験を向上させることにある。
【0041】
本発明の別の目的は、精算カウンターでアイテムをスキャンするために必要な時間を短縮することによって、セルフサービスの物理的な売り場での購買経験を向上させることにある。
【0042】
本発明の別の目的は、買い物活動を促すことにある。
【0043】
本発明の1つの目的は、顧客がセルフサービスの売り場で購入すると、顧客のバスケット内のアイテムの更新リストを提供するシステムを提案することにある。
【0044】
本発明の別の目的は、精算処理手順を合理化し且つスピードアップする方法及びシステムを提案することにある。
【0045】
本発明の別の目的は、顧客自身のバスケット/トートバッグ、又は売り場によって提供される携帯用入れ物を有する顧客のための、セルフサービスの売り場内の購買支援装置を提案することにある。
【0046】
本発明の別の目的は、任意のタイプの携帯用入れ物、特に、顧客が所有し且つ現実的にどんな形状ともし得る携帯用入れ物を有する顧客に対する購買支援システムを提案することにある。
【0047】
本発明の別の目的は、大商店での接続デジタル技術の使用(スマートショッピング)を促進して、物理的な売り場での購買経験を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0048】
このために、セルフサービス店の売り場での顧客購買支援装置を含むシステムは、まず:
- 中心部分、
- 中心部分に接続され且つ中心部分の両側に延在するサスペンションアームであって、前記サスペンションアームは、前記装置によって携帯用入れ物が運ばれることができるようにするために、前記携帯用入れ物に接続されることが意図されており、この携帯用入れ物は、売り場で売りに出されているアイテムをこの携帯用入れ物に入れることができるようにする開口部を備え、中心部分は、前記装置が携帯用入れ物を運ぶために使用されているとき、前記開口部に対面する、サスペンションアーム、
- 前記装置が携帯用入れ物を運ぶために使用されているとき、携帯用入れ物の開口部を通る動きを検出するように構成されている少なくとも1つの動きセンサー、
- 前記装置が携帯用入れ物を運ぶために使用されており、且つ動きセンサーが前記開口部を通る動きを検出したとき、開口部の少なくとも一部が入っているシーンの少なくとも1つの画像を検出するように構成されている少なくとも1つの画像センサー、
- 売り場での前記装置の現在の位置を決定するように構成されている位置センサー
を含み、
システムはまた:
売り場で売りに出されているアイテムのリストに関する情報が提供され、且つ予め決められた信頼性レベルで、前記少なくとも1つの画像中に現れているアイテムを認識するように構成されている処理手段であって、このアイテムは、前記アイテムのリストに含まれる絞り込まれたアイテムのリストから認識され、この絞り込まれたアイテムのリストは、位置センサーによって決定される前記装置の位置に応じて決定される、処理手段
を含むことが提案されている。
【0049】
様々な追加的な特徴が、個別に又は組み合わせて、実施され得る:
- 絞り込まれたアイテムのリストは、購買支援装置の現在の位置及び/又は以前の位置に応じて、決定される、
- 購買支援装置の中心部分は、画像センサーを含む、
- 購買支援装置はまた、装置が携帯用入れ物を運ぶために使用されているときに、携帯用入れ物の重量の変動を測定するように構成されている重量センサーを含み、処理手段はまた、この変動を使用して、前記少なくとも1つの画像中に現れている前記アイテムを認識する、
- 購買支援装置はまた、少なくとも1つの距離センサーを含み、この距離センサーは、装置が携帯用入れ物を運ぶために使用されているときに、前記距離センサーと、少なくとも一部が前記距離センサーの測定領域内にあるアイテムとの間の距離を、非接触で測定するように構成されている、
- サスペンションアームは、前記装置が携帯用入れ物を運ぶために使用されているとき、この携帯用入れ物を開いたままにするように設計される保持手段を含む、
- 保持手段は、携帯用入れ物を運ぶための前記装置の使用を検出するように構成されている接触センサーを含む、
- 購買支援装置は、中心部分に連結されているハンドルを含む、
- 装置は、物理的又は仮想的なカードから顧客識別子を読み取るように構成されているカードリーダを含み、処理手段は、前記装置を前記顧客識別子と関連付けるように構成されている。
【0050】
第2に、携帯用入れ物と、購買支援装置とを含むアセンブリが提案される。いくつかの実施形態では、携帯用入れ物は、変形可能な材料製である。
【0051】
本発明の他の特徴及び利点が、添付図面を参照して下記で提供される実施形態の説明でより明白に及び具体的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】異なる実施形態の実施を可能にする売り場の概略図である。
【
図2】異なる実施形態による購買支援装置の非限定的な機能的概略図である。
【
図3】異なる実施形態による購買支援装置の非限定的な機能的概略図である。
【
図4】異なる実施形態による購買支援装置の非限定的な機能的概略図である。
【
図5】異なる実施形態による購買支援装置の非限定的な機能的概略図である。
【
図6】異なる実施形態による購買支援装置に含まれる構成要素の概略図である。
【
図7】売り場にいる顧客に対する購買支援方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
この場合、「セルフサービス店の売り場」とは、所与のカテゴリーの製品を専門にし得るか、又はそうでなければ、顧客が自由に動き回って、売りに出されているアイテムを自由に手に取ることができる、いずれの物理的な売り場も意味する。
【0054】
売り場は、例えばブティック、バザー、専門店(specialist store)、大規模小売店、スーパーマーケット、又はハイパーマーケットである。
【0055】
非限定的な例として、セルフサービス店の売り場は、美容製品を専門とする店、パラファーマシー(parapharmacies)、免税店、食料品店、書店、食品大規模小売店、小型スーパーマーケット、大型DIY店、スーパーマーケット、又は大規模な食品小売店に属するハイパーマーケットを含み得る。
【0056】
そのような売り場では、
図1に示すように、アイテム1は、複数のセクション2で売りに出されており、携帯用入れ物4を用いる顧客3が、それらセクションを通って自由に動き、且つ前記動いている間に、売り場10の店員の関与なくして、バスケットに詰めることができる。
【0057】
売り場10のセクション2は、最も一般的には店舗ゴンドラであり、又はより一般的には、売りに出されているアイテム1を支持するか若しくは入れる(冷蔵用店舗ゴンドラの場合)ように設計された支持体5(陳列台、トレイ、スタンド、棚、パレットなど)である。
【0058】
これらの店舗ゴンドラは、島ゴンドラ51及び/又は壁ゴンドラ52及び/又は中心ゴンドラ53及び/又はラックゴンドラ54などの、ある範囲の形態で提供され得る。
【0059】
ゴンドラヘッド55がまた、中心ゴンドラ53の通路の端部に配置され得る。
【0060】
アイテム1は、通常、店舗ゴンドラ棚に配置されるか、又は店舗ゴンドラ若しくは任意の他の支持体5に装着されたフック、バー若しくはアームに取り付けられる。
【0061】
図2~5を参照して説明すると、携帯用入れ物4は、顧客3が売り場10で購入するのに役立つように設計された購買支援装置41を使用して、顧客3によって運ばれている。
【0062】
いくつかの実施形態では、購買支援装置41は、携帯用入れ物4の一体部分である。
【0063】
他の実施形態では、購買支援装置41は、携帯用入れ物4に取り外し自在に結合される。換言すると、購買支援装置41は、携帯用入れ物4から分離されることができて、そこに装着されたり、又はそこから取り外されたりすることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、購買支援装置41及び携帯用入れ物4は、別々に又は組み立てられて、顧客3に、例えば売り場10の入口で又は売り場10の任意の他の箇所で提供される。
【0065】
携帯用入れ物4は、例えばハンドルのあるバスケットであり、ハンドルは、購買支援装置41があっても又はなくても、バスケットを快適に保持して運ぶことができるようにする。
【0066】
より一般的には、携帯用入れ物4は、購買支援装置41を受け入れ且つこの購買支援装置41を使用する顧客3によって快適に運ばれるように設計された、締結点(取付点、孔、スロット、固着要素、ハンドルなど)を有する任意の容器/入れ物/バスケット/袋である。
【0067】
携帯用入れ物4は、1種以上の硬質、半硬質又は変形可能な材料で作製され得る。
【0068】
例えば、携帯用入れ物4は、ポリマー材料又は金属ワイヤ製の、ハンドルのあるバスケット、ファブリック(例えばナイロン若しくは綿)製のトートバッグ、又はクラフト紙袋である。
【0069】
携帯用入れ物4は、売り場10によって顧客3に提供され得るか、売り場10で売りに出され得るか、又は顧客3によって持ってこられ得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、売り場10の空間を占有しないように、携帯用入れ物4は、購買支援装置41から分離されると、折り畳まれ得る及び/又は入れ子にされ得る/積み重ねられ得る。
【0071】
携帯用入れ物は、この携帯用入れ物4の内部へアクセスするための開口部を有する。この開口部によって、顧客3がアイテム1を入れたり又は取り出したりできるようにする。開口部は、通常、携帯用入れ物4の底部に対向する主開口部である。
【0072】
顧客3が、購買支援装置41を使用して携帯用入れ物4を運ぶとき、この購買支援装置41は、携帯用入れ物4の上側にある。
【0073】
換言すると、購買支援装置41は、携帯用入れ物4の開口部上にオーバーハングしている。
【0074】
それゆえ、購買支援装置41は、携帯用入れ物4の開口部に対面する。
【0075】
携帯用入れ物4の内部へは、購買支援装置41の両側の空間から顧客3に簡単にアクセス可能である。
【0076】
いくつかの実施形態では、購買支援装置41は、ハンドルなどの形態にある。
【0077】
いくつかの実施形態では、購買支援装置41は、垂直ロッキングシステムを用いて又はそれを用いず、携帯用入れ物4に旋回式に装着される。
【0078】
或いは、購買支援装置41が携帯用入れ物4の一体部分である場合(すなわち、前記装置と携帯用入れ物4が一緒に単一部分を形成するとき)、又は前記装置がそれに装着される場合、購買支援装置41は、携帯用入れ物4の開口部に対して垂直方向に対向して保持されて、前記携帯用入れ物4の内部にアクセスする空間を実質的に同一の部分空間に分割するなどする。
【0079】
図2及び
図4の例では、購買支援装置41は、携帯用入れ物4の内部にアクセスする開口部を、2つの実質的に同一の部分空間に分離する。
【0080】
購買支援装置41は、中心部分411と、中心部分411に連結され且つ前記中心部分411の両側から延在するサスペンションアーム412と、中心部分411に連結されたハンドル413とを有する。
【0081】
図2~5の例では、購買支援装置41は、中心部分411の2つの対向する側面から延在する2つのサスペンションアーム412を有する。
【0082】
別の実施形態では(図示せず)、購買支援装置41は、3つ、4つ又は5つ以上のサスペンションアーム412を有する。
【0083】
いくつかの実施形態では、サスペンションアーム412は、実質的に同一であり、且つ中心部分411の周囲に均一に分布している。
【0084】
特に前記携帯用入れ物が簡単に変形可能である場合(例えばプラスチック、ファブリック又はクラフト紙で作製された袋)、サスペンションアーム412は、携帯用入れ物4を、内部又はその内容物が見えるように、開いたままにするように設計されている。
【0085】
いくつかの実施形態では、サスペンションアーム412は、携帯用入れ物の内部を見ることができるように、伸縮自在である及び/又は携帯用入れ物が購買支援装置41によって運ばれているときに携帯用入れ物4を開いたままにするのに十分に硬質である。
【0086】
サスペンションアーム412は、購買支援装置41が、携帯用入れ物4のハンドルを離して保持できるようにする。そのようにするために、各サスペンションアーム412は、その遠位部分に保持手段414を有する。
【0087】
保持手段414は、携帯用入れ物4のハンドルを離して保持できるようにし、それにより、この携帯用入れ物4を開いたままにするため、その内部を見ることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、保持手段414は、再閉鎖可能リングを含む。再閉鎖可能リングは、前記リングを携帯用入れ物4のハンドルの周りで閉鎖できるようにし且つ購買支援装置41の引き出しを容易にする磁気端部を有する。
【0089】
購買支援装置41のハンドル413は、携帯用入れ物4が片手で快適に運ばれることができるように設計される。いくつかの実施形態では(図示せず)、ハンドル413は、中心部分411に旋回式に装着される。このために、中心部分411から延在するネック部が、ハンドル413をこの中心部分411に連結する。いくつかの実施形態では、ネック部は、伸縮自在に又はノッチ付きステムの形態で、延在し得る。
【0090】
購買支援装置41によって運ばれる携帯用入れ物4の内部に対面する中心部分411は、購買支援装置41に組み込まれた複数のセンサー及び少なくとも1つの無線通信インターフェースにリンクされた処理装置415を含む。
【0091】
これらの手段は、顧客3によって運ばれる携帯用入れ物4内のアイテム1を識別するために使用される。
【0092】
この場合、処理装置415は、データをキャプチャしてデータ処理法を実施するのに必要な機能を提供することができる任意の物理的な装置(プロセッサー、メモリ、バス、及びコンピュータプログラムを実行するために使用される他の電子部品を含む)を意味する。
【0093】
いくつかの実施形態では、購買支援装置41は、処理装置415と、処理サーバ、及び/又は決済サーバ、及び/又は顧客アカウントサーバ、及び/又はプッシュ通知サーバ、及び/又はメッセージングサーバなどのローカル又はリモートサーバとの間の直接又は間接的な通信を可能にする第1の無線通信インターフェース416を含む。この第1の無線通信インターフェース416は、例えばWi-Fi(登録商標)インターフェース、WiMax(登録商標)インターフェース、又はE-UTRAN(evolved universal terrestrial radio access network)インターフェース(3G、4G又は5Gなど)を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、この第1の無線通信インターフェース416は、処理装置415と、売り場10の至る所に分布された複数のアクセスポイントとの間のローカルネットワークでの通信を可能にする。アクセスポイントは、予め決められたメッシュ(ステージ、半径又はゾーンによるなど)で売り場10の至る所に配置される。これらの各アクセスポイントは、通信内容、売り場10における購買支援装置41の位置、又は接続先サーバの可用性に応じて、1つ以上のリモートサーバにリンクされており、且つ処理装置415から適切なリモート/ローカルサーバへ通信を伝達する。
【0095】
変形例では又は組み合せて、購買支援装置41は、処理装置415と、ユーザ端末(スマートフォン、タブレット又はファブレットなど)、接続された物体又は売り場10において予め決められたメッシュに従って配置されたビーコンとの間の通信を可能にする第2の無線通信インターフェース417を有する。この第2の無線通信インターフェース417は、例えばBluetooth(登録商標)インターフェース、HomeRF(登録商標)インターフェース、ZigBeeインターフェース、又は赤外線インターフェース(IR)である。
【0096】
購買支援装置41は、動きセンサー418を含む。この動きセンサー418は、携帯用入れ物4に対してアイテム1を入れたり又は取り出したりする行為に伴うどんな動きも(携帯用入れ物4の内部へ入るものは全てなど)検出するように構成されている。
【0097】
いくつかの実施形態では、複数の動きセンサー418は、購買支援装置41の内部に配置されて、携帯用入れ物4の開口部全体を網羅する。
【0098】
例として、複数の赤外線動きセンサー418は、購買支援装置41の中心部分411の下面(
図2に示す場合)及び/又は内面(
図4に示す場合)に配置される。これらの動きセンサー418は、それらの視野が一緒に、少なくとも部分的に開口部及び/又は携帯用入れ物4の内部が入っているような向きにされている。
【0099】
動きセンサー418は、処理装置415に、検出される携帯用入れ物4の開口部を通るいずれの動きも通知する。
【0100】
購買支援装置41は、好都合なことに、顧客3によって運ばれる携帯用入れ物4の重量のどんな変化/変動も検出するために処理装置415によって使用される重量センサー419を含む。これにより、処理装置415がこの変動を決定できるようにする。重量の変動は、携帯用入れ物4に入れられるか又はそこから取り出されるアイテム1によって引き起こされ得る。そのため、処理装置415は、携帯用入れ物4に今入れられた又はそこから取り出されたアイテム1の重量の値を有する。重量センサー419の感度は、売りに出されているアイテム1の最低重量に応じて及び/又は売りに出されている異なるアイテム1の重量の差に応じて、設定され得る。いくつかの実施形態では、重量センサー419は、予め決められた頻度で又は処理装置415によって要求されるときに、携帯用入れ物4の現在の重量を連続的にサンプリングする。
【0101】
重量センサー419によって検出される携帯用入れ物4の重量の変動は、常に処理装置415によって知られており、いくつかの実施形態では、処理装置は、予め決められたサイズのバッファーメモリに前記変動を保存する。
【0102】
いくつかの実施形態では、重量センサー419は、ハンドル413に又は購買支援装置41のサスペンションアーム412に組み込まれている。
【0103】
処理装置415は、動きセンサー418による動きの検出に相関がある、予め決められた時点で、重量センサー419からの連続的な又は離散的な重量の読み取りを要求し得る。
【0104】
変形例では、重量センサー419は、予め決められた頻度で得られた測定値を通信する。これらの測定値は、処理装置415によってバッファーメモリに保存され、且つタイムスタンプされる。従って、動きセンサー418が、検出された動きを通知するとき、処理装置415は、重量センサー419によって提供される重量測定値の変動を監視し得る。
【0105】
購買支援装置41は、好都合なことに、1つ以上の画像センサー420(又は視覚センサー)を含む。
【0106】
各画像センサー420は、携帯用入れ物4の開口部の少なくとも一部を含む静止画像又はビデオをキャプチャするように設計されている。携帯用入れ物4が購買支援装置41を使用して運ばれているとき、画像センサーは、開口部内にある及び/又は携帯用入れ物4の内部にあるアイテム1の画像をキャプチャするために使用される。
【0107】
そのようにするために、購買支援装置41の中心部分411は、好都合なことに、
図2~5に示すような中心画像センサー420を含む。この中心画像センサー420は、中心部分411の内面の中心に配置されて、中心画像センサー420の視野が、携帯用入れ物4の内部を含むようにする。それゆえ、中心画像センサー420は、携帯用入れ物4の内部の画像を撮影できるようにする。
【0108】
購買支援装置41はまた、好都合なことに、中心画像センサー420の両側に設置された横方向画像センサー420を含む。各横方向画像センサー420は、携帯用入れ物4の開口部の空間の少なくとも対応する半分の画像を撮影できるようにする。
【0109】
いくつかの実施形態では、携帯用入れ物4が購買支援装置41によって運ばれているとき、中心画像センサー420は、携帯用入れ物4の内部の方に向けられ(又は方向付けられ)、及び横方向画像センサーは、携帯用入れ物4の開口部の輪郭の少なくとも一部分の方に向けられる。
【0110】
いくつかの実施形態では、購買支援装置41は、好ましくは中心部分411の内面に均一に分布された、及び/又はサスペンションアーム412の、携帯用入れ物4の内部に対向する面に配置された、複数の横方向画像センサー420を含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、携帯用入れ物4の開口部の輪郭は、複数の画像センサー420の視野の組み合わせによって網羅される。
【0112】
画像センサー420による画像の取得は、撮影された画像中に現れ得る1つ又は複数のアイテム1の視覚認識を可能にする。いくつかの画像センサー420からの画像の取得は、アイテム1の2つ以上の側又はビューの画像(いくつかの視野角から撮影された画像)を提供し、それにより、アイテム1の認識を容易にする。
【0113】
より一般的には、画像センサー420は、好都合なことに、処理装置415、例えばカメラ又はデジタルカメラ、2D/3Dカメラ、3D深度検知カメラ、又はステレオ画像センサーによって使用可能な画像データをキャプチャすることができる任意のセンサーである。画像センサー420は、全方位レンズ、広角レンズ、魚眼レンズなどを含み得る。さらに、レンズは、平面鏡、放物面鏡又は円錐鏡などの反射面を有し得、これは、携帯用入れ物4の内部の適用範囲及びその内部へのアクセスをもたらす空間を最適にするなどのために、比較的大きな視野又は複数の視点を提供するために使用され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、画像センサー420は、ボリュームデータ、特に深さ測定基準を提供するように配置され、キャプチャ画像中に現れているアイテム1の1つ以上の寸法を評価できるようにする。
【0115】
いくつかの実施形態では、画像センサー420は、必要ならば、画像センサー420が向けられるシーン(特に携帯用入れ物4の内部)を照明するための照明装置に結合される。
【0116】
画像のキャプチャは、処理装置415によって、選択的に、すなわち画像センサー420の全てではなく、特定の画像センサー420のみに命令され得る。例えば、動きを検出する動きセンサー418の視野と視野が重なり合う画像センサー420のみが、処理装置415の要求で、又は前記動きセンサー418との結合の結果として、1つ以上の画像を撮る。
【0117】
いくつかの実施形態では、動きセンサー418は、1つ以上の画像センサー420に結合されるため、携帯用入れ物4の開口部の一部分を通る動きの検出は、開口部の前記部分が入っている、1つ又は複数の画像センサーによる1つ以上の画像のキャプチャを自動的にトリガする。
【0118】
例えば、携帯用入れ物4の内部及び/又はその開口部の縁の方に向けられた2つの赤外線動きセンサー418は、動きが検出されると、それに隣接する横方向画像センサーをトリガする。追加的な画像が要求される場合、中心画像センサー420は、予め決められた時間後に(例えば1秒又は2秒、アイテムが入れられる及び/又は携帯用入れ物4の重量の正の変動が検出される瞬間)トリガされ得る。
【0119】
購買支援装置41はまた、好都合なことに、位置センサー421を含む。この位置センサー421は、売り場10での購買支援装置41の位置を決定するために使用されるデータをキャプチャできる任意の手段である。例として、位置センサー421は、RFIDタグ、音センサー(すなわちマイクロフォン)、Bluetooth(登録商標)チップ、アンテナネットワーク、又はGPS受信機(GPS信号が売り場10内での装置41の十分に正確な位置決定を可能にする場合)である。
【0120】
売り場10内での購買支援装置41の位置は:
- 売り場10に関連付けられる二次元のXY座標系(又は売り場10がいくつかの階にわたって配置されている場合には、XYZ)、
- 顧客3が顧客ルートを辿るように求められる、曲線座標系、
- 売り場10の空間を、いくつかの部分、例えば店舗ゴンドラによって形成されたセクション2(例えば「菓子類セクション」、「カルチャーセクション」)、ゾーン(例えば、店の入口、中心通路、ディスカウントエリア、プロモーションエリア、オーガニック製品エリア、ある種の製品のカテゴリー若しくはブランド、レジゾーン)、又は階(例えば、地上階、1階若しくは2階)に分割するシステム、又は
- これらのシステムの組み合わせ
で表され得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、位置センサー421は、以下のものによって発せられた信号を受信し、売り場10内での購買支援装置41の絶対又は相対位置を決定するように構成されている:
- 売り場10を網羅するメッシュに従って展開されている、ビーコン(例えばBluetooth(登録商標)Low energy、RFIDビーコン、Bluetoothビーコン、Wi-Fiビーコン、音響ビーコン)又はアンテナ。いくつかの実施形態では、これらのビーコンは、ゾーン又はセクション2に起因する信号/周波数を送信し、且つ売り場10内での購買支援装置41の正確な位置決定を可能にする、
- 店舗ゴンドラの棚に締結された電子プライスタグ。実際、価格情報又はプロモーションの実施のようなことに、ロケーションデータ(セクション2の識別子、売り場10の座標、又は売り場10のロケーションと関連付けられた識別子など)が、このタイプの電子タグに保存され得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、購買支援装置41の位置は、連続的に、周期的に又は処理装置415によって要求されたときに、売り場10内で送信される無線信号を受信することによって決定される。
【0123】
いくつかの実施形態では、購買支援装置41の位置は、日付を付けられ(タイムスタンプされる)、且つ予め決められたサイズのバッファーメモリに保存される。そのため、売り場10内での購買支援装置41の以前の位置は、処理装置415に利用できる。
【0124】
購買支援装置41はまた、距離センサー424を含む。この距離センサー424は、前記距離センサー424と、少なくとも一部が前記距離センサー424の測定領域内にあるアイテム1、又はより一般的には物体との間の距離を、非接触で測定するように構成されている。
【0125】
距離センサー424は、超音波距離測定センサー又は光学的距離測定センサー、例えばレーザ距離測定センサー若しくは赤外線距離測定センサーとし得る。
【0126】
非接触距離測定は、例えば、三角法の原理、光や音の移動時間(超音波センサーの場合)に基づき得る。
【0127】
前記携帯用バスケット4が購買支援装置41を使用して運ばれているときに、携帯用バスケット4の開口部に対面するように購買支援装置41内に配置された距離センサー424は、携帯用入れ物4の内容物の高さを監視できるようにする。そのため、携帯用入れ物4に対してアイテム1を追加したり又は取り出したりすることに起因する携帯用入れ物4の内容物の高さの変動は、この距離センサー424によって検出され得る。一実施形態では、処理装置415は、そのような変動が検出された後、予め決められた画像センサー420を使用して1つ以上の画像のキャプチャを命令する。これらの画像は、その後、キャプチャ画像を処理するときに、考慮されるべき新しい背景を示し得る。別の実施形態では、携帯用入れ物4の内容物の高さが変化する場合、処理装置415は、携帯用入れ物4の重量も変化したかどうかをチェックする。
【0128】
一実施形態では、第1の距離センサー424及び第2の距離センサー424は、購買支援装置41の2つの対向する面にそれぞれ配置されて、これら2つの距離センサー424によって得られた距離測定値を使用して、携帯用入れ物4の開口部を通り越しているか又はそれらセンサーのそれぞれの測定領域に少なくとも一部が位置しているアイテム1の所与の方向(長手方向、横断方向、垂直方向又は任意の他の方向)の寸法を決定できるようにする。
【0129】
一実施形態では、購買支援装置41の対向する面に複数の対になって配置された複数のセンサーは、2つ以上の方向におけるアイテム1の寸法の評価を提供する。
【0130】
距離センサー424によって取られた測定値は、画像センサー424によってキャプチャされた画像を使用して決定された寸法と組み合わされて又はその寸法に加えられて使用されて、アイテム1の1つ以上の寸法(幅、長さ、高さ)を決定し得る。
【0131】
一実施形態では、携帯用入れ物4の開口部を通る動きの、動きセンサー418による検出は、1つ又は複数の距離センサー424による非接触距離測定をトリガする。
【0132】
別の実施形態では、処理装置415は、距離センサー424によって得られた1つ以上の距離測定値に応じて画像センサー420を制御する。例として、処理装置415は、距離センサー424によって測定された距離に応じて、画像センサー420に、ズームアウトする、ズームインする、又は所与の方向に向けるように指令する。
【0133】
いくつかの実施形態では、1つ以上の保持手段414は、好都合にも、接触センサー422を含む。この接触センサー422は、購買支援装置41が携帯用入れ物4に装着されているかどうか、購買支援装置41を使用して運ばれている携帯用入れ物4は、運ばれている最中であるか又は下に置かれたかを検出し、且つ処理装置415に通知するために使用される。
【0134】
いくつかの実施形態では、接触センサー422は、保持手段414の内面に配置される。他の実施形態では、第1の接触センサー422及び第2の接触センサー422は、それぞれ、リング形状の保持手段414の下部の内面及び上部の内面に配置される。この場合、第1のセンサーは、購買支援装置41を使用する携帯用入れ物4の宙づり状態を検出するために使用される(携帯用入れ物4は保持手段414の下部の内面と接触している)一方、第2のセンサー422は、支持体又は地面へのこの携帯用入れ物4の配置を検出するために使用される(ここでは、携帯用入れ物4は、保持手段414の上部の内面と接触する)。
【0135】
いくつかの実施形態では、処理装置415は、好都合なことに、記憶用メモリ423を備える。この記憶用メモリ423は、前もってセットアップされる、売り場10で売りに出されているアイテム1のリストに関する情報を含むデータベースを含む。
【0136】
アイテム1に関する情報は、各アイテム1に関する1つ以上の視覚モデル(視覚シグニチャー(visual signatures))を含む。アイテム1の視覚モデルは、記述子及び/又は視覚的特質に基づき、売り場10で売りに出されているアイテムのリスト内でこのアイテム1を見分ける、任意の描写を意味する。
【0137】
より一般的には、視覚モデルは、キャプチャ画像との相関を確立し且つアイテム1を認識するために使用され得る任意の画像データ(色、テクスチャー、コントラスト、領域、輪郭、幾何学形状、寸法、3Dモデル、ピクセル及び構造など)を含む。例として、アイテム1の視覚モデルは、前記アイテム1の複数の異なる画像を含む。いくつかの実施形態では、これらの画像は、アイテム1の異なるビュー(側)である。
【0138】
いくつかの実施形態では、視覚モデルは、好都合なことに、機械学習方法に基づく、ディープラーニングモデル又は任意の他のモデルを含み、1つ以上の画像中に現れているアイテム1を認識できるようにする。
【0139】
いくつかの実施形態では、2つ以上の視覚モデルは、所与のアイテム1と関連付けられ、これらのモデルは、例えばプロモーションを実施する場合の、アイテム1の外観の変化を網羅する。
【0140】
記憶用メモリ423に記憶されたアイテム1に関する情報はまた、各アイテム1に関するメタデータ、例えば重量、売り場10内での位置、ユニバーサル・プロダクト・コード(UPC)(バーコード若しくはQRコード)、価格、売り場10での内部基準、ブランド名、名称、テキスト若しくはアイテム1の任意の他の描写及び/又は英数字シンボルを含む。
【0141】
この情報は、新しいアイテム1及び/又は既に売りに出されているアイテム1の視覚シグニチャーの変更(例えば新しいパッケージング)を考慮して、定期的に更新される。さらに、売り場10でのアイテム1に関する保存したロケーション/位置データは、売り場10のセクション2の在庫補充をする度に、自動的に又は手動で更新される。
【0142】
いくつかの実施形態では、処理装置415はまた、画像認識アプリケーションを有する。データベースに保存した情報を使用して、画像認識アプリケーションは、関連した信頼性レベルで、1つ又は複数の画像センサー420によってキャプチャされた画像中に現れているアイテム1を認識することを可能にする。一実施形態では、距離センサー424によって取られた距離測定値を使用して決定されたアイテム1の寸法は、アイテム1を認識するために使用される追加的な基準として、画像認識アプリケーションによって使用される。
【0143】
そのようにするために、画像認識アプリケーションは、デジタル解析を行い、且つ1つ又は複数の画像センサー420によって撮られた1つ又は複数の画像から適切なパラメータを抽出して、これらのパラメータを、売り場10で売りに出されているアイテム1のリスト(又は組)からの、絞り込まれたアイテム1のリストに関する、以前保存された情報と比較するように構成されている(公知の画像認識アルゴリズムのうちの1つを使用して)。この比較に続いて、画像認識アプリケーションは、この絞り込まれたアイテム1のリストの中のアイテム1が、キャプチャ画像中に現れているかどうかを、関連した信頼性レベルで決定する。
【0144】
実際、画像認識アプリケーションは、属性、キャプチャ画像(色、テクスチャー、コントラスト、輪郭、幾何学形状、寸法、ピクセル、領域及び構造など)の視覚的特質の形態で、抽出することを可能にし、これにより、以前保存された情報と比較することによって、キャプチャ画像中に現れているアイテム1を認識できるようにする(内容物による画像認識)。
【0145】
一実施形態では、画像認識アプリケーションは、ディープラーニングを使用して、キャプチャ画像データから適切な特徴をどのように抽出して、キャプチャ画像中に現れているアイテム1を認識するかについて、それら自体で学習できる1つ以上の畳み込みニューラルネットワークを使用する。一実施形態では、ニューラルネットワークは、セクション、セクションの組、又は売り場10のゾーンに割り当てられる。これにより、売り場10内での購買支援装置41の位置を、キャプチャ画像中に現れているアイテム1を認識するために使用できるようにする。ニューラルネットワークは、以前確立された画像データベースを使用できる。
【0146】
変形例として又は組み合わせて、画像認識アプリケーションは、売りに出されているアイテム1のリストから選択されたいくつかのアイテム1の視覚的特質に関して、キャプチャ画像を検索する(絞り込みリストを形成する)。1回以上の修正及び/又は変換、例えば背景を区別するためのセグメント化、又は画像の向きを変えるための回転が、キャプチャ画像に前もって適用され得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、アイテムのボリュームデータ(サイズ及び形状又は三次元構造)が、3Dカメラ又は複数の2Dカメラなどの1つ以上の画像センサー420でキャプチャされた画像から決定される。
【0148】
いくつかの実施形態では、画像認識は、キャプチャ画像から入手した基準と、売りに出されているアイテム1からの絞り込まれたアイテム1のリストに関する保存されたメタデーとを比較することを含む。抽出データは、ユニバーサル・プロダクト・コード、テキスト(通常、光学式文字認識(OCR)法を使用して得られる)、英数字内容又はグラフィカルシンボルを含み得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、絞り込まれたアイテム1のリストに関する情報(視覚モデル及びメタデータ)を使用して、画像認識アプリケーションは、ある信頼性レベルで、候補アイテムのリストをそれぞれリターンする。候補アイテムのこのリストは、予め決められた数(例えば最も高い信頼性レベルで3つのアイテム)に、又は予め決められた値(90%又は95%など)を上回る信頼性レベルで候補アイテムの全てに限定され得る。変形例では、画像認識アプリケーションは、最も可能性が高い候補アイテム、すなわち最高の信頼性レベルのアイテムのみをリターンする。画像認識アプリケーションが、キャプチャ画像は、予め決められた値を上回る信頼性レベルでの比較に使用される絞り込まれたアイテム1のリストからのアイテム1を全く含んでいないと決定する場合、空リストがリターンされる。換言すると、検索されたアイテムが、画像認識アプリケーションによって、1つ又は複数のキャプチャ画像において見つけられなかった。
【0150】
他の物体(顧客3の手、別のアイテム1)によって遮られている結果、又はアイテム1の一部が画像センサー420の視野外にあるために、アイテム1の一部のみが、キャプチャ画像中に現れている場合、画像認識アプリケーションは、見える部分から得られた情報、及びもしかすると距離センサー424によって得られた距離測定値を使用し、且つディープラーニングモデルを使用して、このアイテム1を認識する。
【0151】
アイテム1の保存された視覚モデルは、オペレータの確認によって又はそれなしで、機械学習法によって改善され得る(監督又は他の方法)。異なる条件下(例えば、照明、視野角、変形、埃の存在、遮蔽)で画像センサー420によって撮影された画像は、画像認識アプリケーションのパフォーマンスを高めるために使用され得る。この場合、視覚モデルは、自動的に及びリアルタイムで、又は後で、オペレータによって確認されたら、更新され得る。これにより、異なる照明条件において、及び異なる視野角から撮影されたアイテム1の部分画像又はフル画像で、アイテム1を認識及び識別する能力を改善するのに役立つ。
【0152】
画像認識を使用して、好ましくはその測定された重量とメタデータに保存された対応する重量との対応を照合することによって、関連のUPCを検索する必要なく、アイテム1が識別され得る。しかしながら、1つ以上のキャプチャ画像におけるアイテム1のUPCの認識は、好都合なことに、前記アイテム1を認識するときの信頼性レベルを高める。
【0153】
いくつかの実施形態では、アイテムが識別される信頼性レベルは、画像を使用するアイテムの認識に結び付けられる第1の信頼性レベルと、その重量を使用するアイテムの認識に結び付けられる第2の信頼性レベルとの組み合わせである。最低限許容可能な信頼性レベルは、アイテム1又はアイテム1のカテゴリーで、又は認識されたアイテム1の価格に応じて、異なり得る。換言すると、認識されたアイテム1の価格が:
- 予め決められた額(例えば?10)を下回る場合、90%を上回る信頼性レベルが得られる場合に、この認識は承認される、
- 第1の額と第2の額との間(例えば、?10~?50)である場合、95%を上回る信頼性レベルが得られる場合に、この認識は承認される、
- 予め決められた額(例えば?50)を上回る場合、99%を上回る信頼性レベルが得られる場合に、この認識は承認される。
【0154】
いくつかの実施形態では、処理装置415は、動きセンサー418による任意の動きの検出に続いて携帯用入れ物4の重量の変動を測定するように構成されている。そのようにするために、いくつかの実施形態では、処理装置415は、動きセンサー418によって通知された動きを捕らえる直前と捕らえた直後との間の、重量センサー419によって得られる重量値の差を計算する。処理装置415は、画像認識アプリケーションによって識別された候補アイテム間でこの重量の差を比較して、携帯用入れ物4に今入れられた又はそこから取り出されたアイテム1を認識する。
【0155】
重量センサー419によって検出された重量変動が正である場合、アイテム1は、携帯用入れ物4に今入れられたと仮定される。反対の場合、アイテム1は、携帯用入れ物4から今取り出されたと仮定される。それゆえ、携帯用入れ物4のアイテム1の更新リストは、顧客3が売り場10で買い物するときに、最新の状況を把握している。
【0156】
いくつかの実施形態では、重量センサー419によって検出される重量変動が負である場合(すなわち、携帯用入れ物4からアイテム1を取り出す場合)、キャプチャ画像中に現れているアイテム1を認識するために画像認識アプリケーションによって使用される、絞り込まれたアイテム1のリストは、前記アイテムが取り出される前に携帯用入れ物4内にある、認識済みのアイテム1のリストを含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、キャプチャ画像中に現れているアイテム1を認識するために使用される絞り込まれたアイテム1のリストは、売り場10内でのロケーションが購買支援装置41の位置に近いアイテムを含む。
【0158】
いくつかの実施形態では、アイテム1のロケーションと購買支援装置41の位置との間の距離が、予め決められた値を下回る場合、アイテム1は、購買支援装置41の位置に近いとみなされる。
【0159】
別の実施形態では、アイテム1のロケーション及び購買支援装置41の位置が、同じ予め定義されたゾーン(売り場10のセクション2又は任意の他のゾーン)内にある場合、前記アイテム1は、購買支援装置41の位置に近いとみなされる。このゾーンは、任意の形状、例えば円形、正方形、長方形、L字形状又は任意の他の幾何学形状とし得る。処理装置415は、ジオフェンシング法を使用して、購買支援装置41を含むゾーンを検出するように設計されている。
【0160】
別の実施形態では、アイテム1は、前記アイテム1のロケーションと、購買支援装置41の以前の位置との間の距離が、予め決められた値を下回る場合、又は前記アイテム1のロケーション及び購買支援装置41の以前の位置が、売り場10の同じ予め定義されたゾーンにある場合(特に顧客がアイテムを手に取るが、前記アイテムを数メートル離れて携帯用入れ物4に入れる場合)、購買支援装置41の位置に近いとみなされる。この場合、アイテム1の認識は、顧客3が既に通過した/訪れた売り場10の複数のセクション/ゾーンに配置されるアイテムに関わり、顧客3の移動ログを次第に遡る。
【0161】
いくつかの実施形態では、購買支援装置41の以前の位置は、前記装置が少なくとも予め決められた持続期間(すなわち、顧客3が佇んでアイテム1を手に取る時間)、留まっていた位置である。これにより、考慮に入れるべき購買支援装置41の、以前の位置のリストを絞り込むのを助ける。
【0162】
いくつかの実施形態では、売りに出されているアイテム1を含む、絞り込まれたアイテム1のリストは、購買支援装置41の位置に近いとみなされる店舗ゴンドラに関連付けられるアイテム1を含む。店舗ゴンドラを購買支援装置から離している距離が、予め決められた距離を下回る場合、又は店舗ゴンドラ及び購買支援装置41の位置が売り場10の同じ予め定義されたゾーン内にある場合、店舗ゴンドラは、購買支援装置41に近いとみなされる。
【0163】
他の実施形態では、店舗ゴンドラを購買支援装置41の以前の位置から離している距離が、予め決められた距離を下回る場合、又は店舗ゴンドラ及び購買支援装置41の以前の位置が売り場10の同じ予め定義されたゾーン内にある場合、店舗ゴンドラは、購買支援装置41に近いとみなされる。
【0164】
好都合なことに、キャプチャ画像中に少なくとも一部が現れているアイテム1を検索するために(売りに出されているアイテム1の全リストを検索する代わりに)、絞り込まれたアイテム1のリストを使用することは、前記アイテム1の認識をスピードアップし且つ容易にするのを助ける。
【0165】
売り場10内での購買支援装置41のロケーションは、この場合、検索フィールドを絞り込むために使用されて、キャプチャ画像中に現れているアイテム1の認識を合理化し且つスピードアップする。
【0166】
他の実施形態では、キャプチャ画像中に現れているアイテム1を認識するために使用される、絞り込まれたアイテム1のリストは、以前の購買(売り場10における顧客3の購買履歴)で顧客3が購入したアイテムのリストを含む。
【0167】
他の実施形態では、キャプチャ画像中に現れているアイテム1を認識するために使用される、絞り込まれたアイテム1のリストは、重量センサー419によって測定された重量変動と重量が実質的に等しい、売りに出されているアイテム1を含む。
【0168】
他の実施形態では、重量センサー419によって検出された重量の変動、又は距離センサー424によって測定された携帯用入れ物4の内容物の高さの変動が、検出される場合、処理装置415は、少なくとも1つの画像センサー420、特に中心画像センサー420を使用して、携帯用入れ物内の1つ以上の画像のキャプチャをトリガする。いくつかの実施形態では、これらの画像は、携帯用入れ物4に入れられた/そこから取り出されたアイテム1を識別するための、追加的な照合手段として、又は後続の画像認識ステップの間にアイテム1の識別を可能にする基準(特に背景を表す)として、使用される。
【0169】
携帯用入れ物4に入れられた/そこから取り出されたアイテムの識別は、そこに入っているとみなされるアイテム1のリストの最新の状況を把握するために使用される。アイテム1のこの更新リストは、各アイテムの同一性(例えば、UPC、売り場10内の内部基準、ブランド名、重量、説明写真)、対応する価格、携帯用入れ物4内にある(認識された)最新の全アイテム1を含む。
【0170】
携帯用入れ物4内にあるアイテム1のこの更新リストは、顧客3が売り場10においてバスケットに詰めると、更新される。換言すると、新しいアイテム1が携帯用入れ物4に入れられたり又はそこから取り出されたりする度に、前記アイテムは識別され、それに従ってリストは更新される。
【0171】
いくつかの実施形態では、処理負荷又はバッテリー時間が原因で、アイテムは、無線通信インターフェース417(例えばWi-Fiリンク)で処理装置415に接続されたリモート処理サーバ(図示せず)によって識別される。この処理サーバは、画像認識アプリケーション及び売りに出されているアイテム1の情報のデータベース(上述のデータベースと同一であるか又はそれよりも大きい)を含む。各アイテム1に関し、この情報は、視覚モデル及びメタデータ(例えば、重量、価格、売り場10内のロケーション、描写、UPC、内部基準)を含む。
【0172】
処理サーバは、センサーから処理装置415によって収集されたデータを使用することを可能にし、予め決められた信頼性レベルを上回る信頼性レベルで、携帯用入れ物4に今入れられた又はそこから取り出されたアイテムを識別し、それにより、処理装置415及び/又は処理サーバを介して、顧客3の携帯用入れ物4内にある(又はより正確には、そこにあるとみなされる)アイテム1の更新リストを提供する。
【0173】
この場合、処理装置415は、センサーから集められたデータを処理サーバへ転送する。いくつかの実施形態では、これらのデータは、動きセンサー418による動きの検出に続いて、処理サーバへ送信される。処理装置415及びデータベースによって供給されるデータに基づいて、処理サーバは、予め決められた値を上回る信頼性レベルで、キャプチャ画像の1つ以上に現れるアイテム1を識別し、それを、処理サーバは、もしかするとアイテム1に関する他の情報と一緒に、処理装置415へ送信する。
【0174】
いくつかの実施形態では、処理は、処理装置415と処理サーバとの間で共有される。例えば、処理サーバは、当該アイテムの画像認識を行い、このタスクは、アイテム1の識別に関わる他のタスクよりも比較的多くのリソースを必要とする。変形例では、処理サーバは、絞り込まれたアイテム1のリストが予め決められた数を上回るアイテム1を含む場合又は処理装置415が絞り込まれたデータベース(その場合、サーバは、より大きなデータベースを備える)を使用するアイテム1の識別に失敗する場合にのみ使用されるに過ぎない。
【0175】
いくつかの実施形態では、1つ以上の処理サーバは、単一ブランドに属する又は他の方法で売り場10の至る所に分布したいくつかの無線アクセスポイント間で共有される。例として、いくつかの処理サーバは、ショッピングセンター又は免税ゾーンに位置するいくつかの売り場10で共有される。
【0176】
他の実施形態では、購買支援装置41のバッテリーレベルが所与の閾値を下回るとき、処理サーバは使用される。
【0177】
次に、処理サーバは、より迅速な応答をもたらすことを目的として、処理装置415から1つ以上の他のサーバへの要求のうちのいくつか又は全てをデリゲートできる。
【0178】
より一般的には、携帯用入れ物に今入れられた又はそこから取り出されたアイテム1は、処理装置415を使用してローカルで及び/又は処理サーバを使用してリモートで、認識され得る。
【0179】
いくつかの実施形態では、処理手段(すなわち処理装置415又は処理サーバ)は、レジ、決済システム、顧客アカウントサーバ、プッシュ通知サーバ及び/又はメッセージングサーバなどの、売り場10のITインフラの他のサーバ(図示せず)と無線通信(又は処理サーバに関してはケーブル通信)する。
【0180】
他の実施形態では、処理装置415は、購買支援装置41を一意に識別するために使用される識別子を含む。
【0181】
他の実施形態では、購買支援装置41は、処理装置415に接続された1つ以上のカードリーダ(非接触又は他の方法)(図示せず)を有する。カードリーダが、購買支援装置41を、ポイントカード、サブスクリプションカード、ペイメントカード又はメンバーズカードなどのカード(物理的な、又はユーザ端末にインストールされたモバイルアプリケーションの形態で仮想的な)から読み取られる顧客識別子に関連付けることができるようにする。顧客識別子は、カード番号、電話番号、会員番号、Eメールアドレス、氏名、誕生日を含む。
【0182】
処理装置415は、携帯用入れ物4内の認識されたアイテム1の更新リストを、顧客識別子と、処理装置の識別子と、又はこれらの2つの識別子の組み合わせと関連付けるように構成されている。
【0183】
いくつかの実施形態では、処理装置415は、決済及び/又はロイヤルティ・ポイント管理機能を有する。実際、携帯用入れ物4内のアイテム1の更新リストは、顧客が、この機能と通信する専用のモバイルアプリケーションを使用してこれらのアイテム1の決済をできるようにする。決済に続いて、ロイヤルティ・ポイント管理機能は、顧客アカウントサーバによって保持される顧客アカウントを自動的に更新する。
【0184】
購買支援装置41内で電子部品を動作させるために、購買支援装置41は、充電式電源(特に充電式バッテリー)、及び再充電を可能にする接続部(図示せず)を有する。
【0185】
購買支援装置41は、好都合なことに、表示灯(多色LED)を含み、顧客3に、購買支援装置41の動作状態を知らせる(動作中、顧客識別子の読み取り成功、低バッテリー、アイテム識別失敗、携帯用入れ物4に今入れられた/そこから取り出されたアイテムの識別成功、決済確認)。変形例として又は組み合わせて、購買支援装置41は表示画面を含み、この表示画面は、処理装置415に接続され、且つ顧客3に、自動的に、又は物理的若しくは仮想的なボタン(タッチスクリーン)を使用して顧客によって要求されるとき、購買支援セッションに関する情報を提供するように構成されている。この情報は、例えば、顧客識別子及び/又は購買支援装置41の識別子、携帯用入れ物4内のアイテム1の更新リスト(好ましくはこれらのアイテム1の詳細な合計と共に)、携帯用入れ物4に入れられた/そこから取り出されたアイテム1のログ、購買支援装置41の動作状態に関する全情報(識別された最後のアイテム1の写真及び/又は名称、エラーメッセージ、決済処理に関する情報)を含む。一実施形態では、処理装置415は、表示画面に、売り場10内での購買支援装置41の現在の位置及び/又は以前の位置を表示するように設計されている。一実施形態では、処理装置415は、前記表示画面に、リモートサーバから検索されたプロモーション若しくは広告内容を表示するように設計されている。好ましくは、このプロモーション若しくは広告内容は、購買支援装置41の位置、及び/又は携帯用入れ物4内のアイテム1の更新リスト、及び/又は顧客3の識別子を使用して得られた情報(この売り場10での前記顧客3の購買履歴、顧客3の年齢又は性別)に応じて選択される。
【0186】
変形例では又は組み合わせて、購買支援装置41は、無線通信インターフェース417を使用して、顧客3のモバイル端末にインストールされたモバイルアプリケーションに情報/通知を提供する(例えば、アイテムの更新リスト、電子領収書、所与のアイテムに関する追加的な情報、識別されていないアイテムの警告、最新の識別されていないアイテムを再び入れることに対する顧客3への要求、予め決められた値を下回る信頼性レベルを有する所与のアイテムを確認することに対する顧客への要求)
【0187】
上述の購買支援装置41の1つの使用法では、前記装置は、売り場10の入口に配置されるハンドルホルダ6で、売り場10によって顧客3に提供される。好ましくは、ハンドルホルダ6は、それにより保持される購買支援装置41の充電式電源を再充電する。それゆえ、このハンドルホルダ6はまた、電力再充電ステーションである。
【0188】
顧客3の購買支援方法の例示的な実施例が、
図7の図に示されている。
【0189】
顧客3は、購買支援装置41を手に取り、且つその購買支援装置を、前記顧客が所有するか又は売り場10によって提供される携帯用入れ物4に装着する。
【0190】
いくつかの実施形態では、接触センサー422による、携帯用入れ物4が購買支援装置41(例えばハンドルの形態の)によって運ばれていることの検出によって、購買支援セッションの開始30をトリガする。或いは、購買支援セッションの開始30は、購買支援装置41のカードリーダによる顧客3の識別によって、トリガされる。顧客カードは、カードリーダと通信でき且つ顧客3を一意に識別できる、物理的なカード(例えば、ポイントカード、サブスクリプションカード、銀行カード、非接触若しくは他の方法)、又はモバイル端末にインストールされたモバイルアプリケーションの形態の仮想的なカードとし得る。顧客識別子は、1種以上のデータ、例えばカード番号、会員番号、電話番号、Eメールアドレス、誕生日、カードの発行日、顧客の姓又は名を含み得る。いくつかの実施形態では、顧客3の識別によって、他の情報、例えば前記売り場10での前記顧客3の購買履歴、並びに顧客3の年齢及び性別へのアクセスを可能にする。
【0191】
いくつかの実施形態では、複数のセンサーによって以前にキャプチャされ且つ処理装置415によってバッファーメモリに保存されたデータのいずれかにおいて、予め決められた値を上回る変更が検出される場合、購買支援セッションは処理装置415によって開始される。
【0192】
例えば、セッションは、購買支援装置41のロケーション及び/又は携帯用入れ物4の重量の変化を検出すると、及び/又は動きセンサー418によって動きを検出すると、開始される。
【0193】
他の実施形態では、購買支援セッションは、このために購買支援装置41に設けられたボタンを押すことによって、手動で開始される。
【0194】
購買支援セッション識別子は、開始されたセッションに帰する。いくつかの実施形態では、このセッション識別子は、顧客識別子を他のデータ、例えば無作為に生成されたコード、識別の日付若しくは時刻、又は処理装置415によって永久的に保存される購買支援装置41を識別するコードを組み合わせることによって、得られる。
【0195】
購買支援装置が処理サーバに接続される場合、購買支援セッションは、前記サーバによって開始される。そうでなければ、セッションは、ローカルで開始され、且つ処理装置415によって行われる。
【0196】
顧客3が識別されない場合、セッション識別子は、購買支援装置41を識別するコードを、単独で、又は任意の他のコードと組み合わせて、含む。
【0197】
売り場10における購買支援セッションは、予め決められた寿命を有する。この寿命は、売り場10のサイズ、又は売り場10によって売りに出されているアイテムの数に依存し得る。購買支援セッションは、ひとたびこの寿命が経過したら、又は予め決められた時間、購買支援装置41に配置されたセンサーによって活動が検出されない場合、終了される。
【0198】
他の実施形態では、購買支援セッションは、1種以上のデータが購買支援装置41のセンサーによってキャプチャされ(例えば位置センサー421及び/又は動きセンサー418)、且つ処理装置415によってバッファーメモリに保存され、且つ予め決められた遊休時間の満了前に変更される限り、開始されたままである。換言すると、購買支援セッションは、処理装置415に利用できるデータが、予め決められた期間、変更されない場合、終了され得る。この場合、購買支援セッションの寿命は、動的に決定される。
【0199】
購買支援セッションはまた、リモートサーバ(例えば決済の確認に続いて、処理サーバ又は決済システム)によって終了するように指示され得る。
【0200】
いくつかの実施形態では、顧客が、購買支援装置41と通信するモバイルアプリケーションを使用して購買支援セッションを開始する場合、ひとたび購買支援セッションが開始されたら、処理装置415は、顧客のモバイル端末(例えばスマートフォン、タブレット又はファブレット)にインストールされたこのモバイルアプリケーションと、自動的に、又は顧客によって要求されるときに、データ交換して、このモバイル端末を購買支援装置41に(一時的に)リンクさせる若しくは関連付けるか、又は同様に、顧客3を携帯用入れ物4と関連付ける(売り場10内の他の携帯用入れ物4の全てとは反対に)などする。顧客3は、顧客のモバイル端末でいつでも、携帯用入れ物4内のアイテムの更新リスト、アイテム価格及びアイテムの総額を調べることができる。
【0201】
購買支援セッションが開始されると、顧客3によってアイテム1がまだ携帯用入れ物4に入れられていないと仮定する。それゆえ、重量センサー419及び距離センサー424によって取られた測定値は、携帯用入れ物4の内容物の空の重量及び空の高さであるとそれぞれ仮定される。これらの測定値は、バッファーメモリに保存される。
【0202】
いくつかの実施形態では、携帯用入れ物4の内部(底部を含む)の1つ以上の画像は、購買支援セッションの開始30時に画像センサー420によってキャプチャされる。それ以降、これらの初期画像データは、携帯用入れ物4に入れられた/そこから取り出されたアイテム1の認識を容易にする。これらの初期画像データに含まれる情報は、購買支援セッションの間、それ以降のキャプチャ画像の背景の識別を可能にする。
【0203】
購買支援セッションの開始30に続いて、及び購買支援ステップ31の間、購買支援装置41は、顧客3がアイテムを顧客のバスケットに追加するときに、携帯用入れ物4に入れられた又はそこから取り出されたアイテム1を識別して、携帯用入れ物4のアイテムの更新リストを提供する。
【0204】
購買支援ステップ31の間、処理装置415は、以下の情報:
- 位置センサー421によって提供される、売り場10内での購買支援装置41の現在の位置(及び可能性として以前の位置)、
- 重量センサー419によって測定された、携帯用入れ物4内のアイテム1の重量、
- ひとたび動きセンサー418によって動きが検出されたら、1つ以上の画像
を有する。
【0205】
上述の通り、この情報は、所与の信頼性レベルで、携帯用入れ物4に今入れられた又はそこから取り出されたアイテム1を識別するために、処理装置415によってローカルで又は処理サーバによってリモートで使用される。
【0206】
実際、ひとたび動きセンサー418のうちの1つによって動きが検出されたら、1つ又は複数の画像センサー420によって画像がキャプチャされ、且つ距離センサー424によって距離測定値が得られ、及びそれらが一緒に、処理装置415へ提供される。
【0207】
重量センサー419によって取られた測定値を使用して、携帯用入れ物4の重量の変動を見積もる。この変動が実質的にゼロである場合、アイテムは携帯用入れ物4に今入れられていない/そこから取り出されていないと仮定される。この場合、何のアクションも取られない。
【0208】
携帯用入れ物4の重量の正の変動(すなわちアイテム1の追加)が、予め決められた値を上回る場合、購買支援装置41の位置を(及びもしかすると、その以前の位置も)使用して、売り場10によって売りに出されているアイテム1のリストから、絞り込まれたアイテム1のリストを決定する。その後、このアイテムの重量(重量変動に等しいとみなされる)及びキャプチャ画像が処理装置415又は処理サーバによって使用されて、当該のアイテムを、ある信頼性レベルで識別する。
【0209】
携帯用入れ物4の重量に負の変動がある場合、アイテムの絞り込みリストは、この重量変更の直前に処理装置415(又は処理サーバ)によって保存されている携帯用入れ物4内のアイテムの更新リストである。
【0210】
他の実施形態では、キャプチャ画像中に現れているアイテム1を認識するために、処理手段(すなわち処理装置及び/又は処理サーバ)によって使用される、絞り込まれたアイテム1のリストは、購買支援装置41の現在の位置及び/又は以前の位置(例えば、購買支援セッションの開始30時からの)に応じて、決定される。
【0211】
いくつかの実施形態では、絞り込まれたアイテム1のリストは、顧客3によって売り場10でなされた購買履歴、又は購買履歴に共通のアイテム1、及び購買支援装置41の位置(又は以前の位置)に応じて決定されたアイテム1を含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、携帯用入れ物4が、支持体に又は地面に置かれる場合(この情報は、接触センサー422によって返されるデータを使用して獲得可能である)、処理装置415は、予め決められた時間、携帯用入れ物4内で認識されたアイテムの更新リストを維持し、且つこの携帯用入れ物4に入れられた/そこから取り出された全てのアイテムを識別し、重量センサー419によって取られた測定値を一時的に無視する。
【0213】
いくつかの実施形態では、処理手段(すなわち処理装置415又は処理サーバ)が、予め決められた閾値を上回る信頼性レベルで、アイテム1を全く認識しない場合、前記処理手段は、その識別を容易にするために、顧客のモバイル端末上に表示される通知によって、顧客3に、入れたり又は取り出したりした最後のアイテム1を、例えば、中心画像センサー420へもっとはっきりと示すように要請する。
【0214】
アイテム1が、追加的な画像によって、予め決められた信頼性レベルで、それでも識別できない場合、キャプチャ画像が処理サーバによって保存されて、オペレータによって後で処理される。
【0215】
決済ステップ32の間、顧客3は、レジに、購買支援装置41を識別するコード(レジのリーダに前記コードを入力するか又は装置のバーコード若しくはQRコードを示すことによって)及び/又は処理装置415が購買支援装置41をこの顧客3にリンクさせるために使用される顧客識別子(例えばEメールアドレス、苗字、名前、電話番号)を提供する。この情報を使用して、レジは、処理装置415又は処理サーバと直接通信して、携帯用入れ物4内のアイテム1の更新リストを検索し、且つ決済処理を行う。
【0216】
いくつかの実施形態では、購買支援装置41は、モバイル決済機能を組み込み、顧客3が顧客のモバイル端末を使用して決済できるようにする。購入証明書が顧客に電子的に送信される。
【0217】
ひとたび購買取引が完了したら、購買支援セッションは終了し、及び購買支援装置41は、ハンドルホルダ6へ戻され得る。
【0218】
上述の異なる実施形態では、顧客について述べている。しかしながら、この購買支援装置41はまた、顧客の代わりに買い物用バスケットに詰めるのを委託された売り場10の従業員などの、任意の他の人によって使用されることができることに留意されたい。
【0219】
好都合なことに、上述の購買を支援する方法及びシステムは:
- 決済処理を容易にするなどのために、顧客3によって購入するために選択されたアイテム1のリアルタイムでの識別及びカウント、
- 顧客3が買い物するときの携帯用入れ物4の内容物の連続的なスキャニング、
- 顧客の関与が明白ではない、買い物プロセスの間の顧客3の利便性の向上、
- 時間を節約し、且つ顧客にとって効率を高める、携帯用入れ物4の内容物の信頼性の高いスキャニング、並びに
- 顧客にとって有益と思われる時間まで、売り場で費やす時間を短縮し、それにより、特に感じられる経過時間に関して顧客満足度を保証する、顧客にとっての購買経験の向上
を可能にする。
【0220】
実施形態及び変形例を参照して購買支援システムについて説明したが、当業者は、これらの実施形態及び変形例は限定されないこと、並びに互いに及び/又は任意の他の等価の実施形態と組み合わせられ得ることを理解する。