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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】展示品陳列台
(51)【国際特許分類】
   A47F 7/02 20060101AFI20230406BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
A47F7/02 C
A47F5/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021112972
(22)【出願日】2021-07-07
(65)【公開番号】P2023009571
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2022-04-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日 令和3年4月20日 公開した場所 JINSシエスタハコダテ店(北海道函館市本町24-1 シエスタハコダテ 1F)
(73)【特許権者】
【識別番号】506159699
【氏名又は名称】株式会社ジンズホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】長坂 常
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-022177(JP,A)
【文献】実開昭54-064491(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 7/02
A47F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
展示品が陳列される陳列部と、
前記陳列部の裏側に位置していると共に前記陳列部が下方を向いているときに前記展示品が収納される収納部と、
前記陳列部及び前記収納部を有する底部と、
前記収納部から前記底部と交差する方向に延在している側部と、
を備え、
前記側部は、
前記底部とは反対側に開口を形成しており、
前記開口に近づくにつれて前記開口が広がる向きに傾斜している、
展示品陳列台
【請求項2】
前記陳列部は、凹部及び凸部の少なくとも一方を有する、
請求項1に記載の展示品陳列台。
【請求項3】
前記陳列部は、凹部を有する、
請求項に記載の展示品陳列台。
【請求項4】
前記展示品は、一対のレンズを有するアイウエアであり、
前記陳列部は、一方向に沿って並ぶ少なくとも4つ以上のレンズ配置部を有する、
請求項1~の何れか一項に記載の展示品陳列台。
【請求項5】
前記陳列部から前記収納部に向かって窪んでいる溝を有し、
前記溝は、前記陳列部が下方を向くときに指が引っ掛けられる、
請求項1~の何れか一項に記載の展示品陳列台
【請求項6】
記側部は、前記開口から前記開口の外側に突出しているフランジを有する、
請求項1~の何れか一項に記載の展示品陳列台。
【請求項7】
記側部は、凹部及び凸部の少なくとも一方を有する、
請求項1~の何れか一項に記載の展示品陳列台。
【請求項8】
再生パルプから構成されている、
請求項1~の何れか一項に記載の展示品陳列台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、展示品陳列台に関する。
【背景技術】
【0002】
商品又はサンプル等を展示する台として、特開2014-171536号公報に記載されている展示販売台兼用の眼鏡ケースが挙げられる。眼鏡ケースは、眼鏡を収容するケース本体と、ケース本体の開口部からのばされて眼鏡を展示するための立設体とを備える。眼鏡ケースは、眼鏡を立設体に固定することで展示販売台として利用され、且つ眼鏡を収納する眼鏡ケースとして利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-171536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した展示販売台兼用の眼鏡ケースでは、眼鏡を展示するときには立設体に眼鏡を固定して眼鏡が展示され、眼鏡を収納するときにはケース本体に眼鏡が入れられる。しかしながら、この眼鏡ケースを用いて眼鏡を陳列する場合には、この眼鏡ケースの他に別途眼鏡を陳列するための陳列台が必要となりうる。また、眼鏡等の展示品を展示するときには、展示品を展示すると共に、展示していない展示品を収納しておく必要が生じうる。このとき、展示品を在庫として収納するための備品が必要となることがある。従って、展示品を陳列するための備品、及び展示品を収納するための備品の双方が必要となりうる。よって、展示品の陳列及び収納に関する備品の種類が多いという現状がある。さらに、展示品の陳列及び収納に複数の種類の備品が用いられる場合、複数の備品の間で見た目の統一感を図ることが難しい場合がある。
【0005】
本開示は、展示品の陳列及び収納に関する備品の種類を減らすことができると共に見た目の統一感が得られる展示品陳列台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る展示品陳列台は、展示品が陳列される陳列部と、陳列部の裏側に位置していると共に陳列部が下方を向いているときに展示品が収納される収納部と、陳列部及び収納部を有する底部と、収納部から底部と交差する方向に延在している側部と、を備え、側部は、底部とは反対側に開口を形成しており、開口に近づくにつれて開口が広がる向きに傾斜している
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る展示品陳列台によれば、展示品の陳列及び収納に関する備品の種類を減らすことができると共に見た目の統一感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る展示品及び展示品陳列台を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る展示品陳列台を示す斜視図である。
図3】実施形態に係る展示品陳列台を示す側面図である。
図4】実施形態に係る展示品陳列台を示す平面図である。
図5】実施形態に係る展示品陳列台を示す底面図である。
図6】(A)及び(B)は、実施形態に係る展示品陳列台を示す側面図である。
図7】(A)は、図4のA-A線断面図である。(B)は、図4のB-B線断面図である。
図8】(A)及び(B)は、実施形態に係る展示品及び展示品陳列台を示す斜視図である。
図9】実施形態に係る展示品陳列台を示す斜視図である。
図10】実施形態に係る展示品陳列台の図3とは異なる支持構造を示す側面図である。
図11】(A)及び(B)は、変形例に係る展示品陳列台を示す斜視図である。
図12】(A)及び(B)は、変形例に係る展示品陳列台を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る展示品陳列台の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0010】
本開示において、「展示品」は、人に見せられる物を示している。「展示品陳列台」は、展示品を並べて展示する台を示している。「展示品」は、例えば、販売される商品の現物又は見本として陳列される。「展示品」は、商品であってもよいし、商品でなくてもよい(ショーウインドウ等に展示されるだけのものであってもよい)。「展示品」は、腕時計、身飾品、宝石、革製品、文房具、小物、化粧品、及び、お菓子等の飲食料品などを含んでいる。「身飾品」は、例えば、イヤリング、ネックレス、ブレスレット、ネクタイピン、バッジ、及びブローチなどのアクセサリーを含む。陳列される展示品の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。本実施形態では、「展示品」が「アイウエア」である例について説明する。本開示において、「アイウエア」は、装着者の目を覆うように装着される器具を示している。「アイウエア」は、近視、遠視又は乱視等の目の屈折異常を補正する眼鏡、目の周辺を装飾するサングラス、並びに目を保護するゴーグル等を含んでいる。
【0011】
図1は、実施形態に係る展示品E及び展示品陳列台1を示す斜視図である。図1では、展示品陳列台1は棚Sに支持されている。図2は、図1から展示品E等の図示を省略した展示品陳列台1を示す斜視図である。図3は、棚Sに支持されている展示品陳列台1を示す側面図である。展示品陳列台1は、一例として、直方体状を呈する。例えば、展示品陳列台1は、展示品陳列台1の長手方向である第一方向D1、展示品陳列台1の幅方向である第二方向D2、及び展示品陳列台1の高さ方向である第三方向D3に沿って延在している。第一方向D1、第二方向D2及び第三方向D3は、互いに交差している。
【0012】
一例として、第一方向D1が棚Sの左右方向、第二方向D2が棚Sの奥行方向、第三方向D3が棚Sの高さ方向に合わせられた状態で展示品陳列台1は棚Sに出し入れ可能とされている。本実施形態では、第二方向D2に沿って展示品陳列台1を出し入れ可能とされている。以下では、第二方向D2に沿った方向として、棚Sから展示品陳列台1が引き出される側を「手前」、「手前側」、棚Sに展示品陳列台1を押して展示品陳列台1を収納する側を「奥」、「奥側」と称することがある。しかしながら、これらの方向は、説明の便宜のためのものであって、展示品陳列台1が配置される方向等を限定するものではない。
【0013】
展示品陳列台1は、展示品Eが陳列される陳列部2を備える。陳列部2は、一例として、第一方向D1及び第二方向D2に沿って延在している。例えば、陳列部2が上方を向くように棚Sに支持されている展示品陳列台1には、複数の展示品Eが陳列部2に陳列されている。陳列部2の詳細については後述する。
【0014】
展示品陳列台1は、収納部3を備える。収納部3は、陳列部2の裏側に位置している。収納部3には展示品Eが収納される。例えば、陳列部2には、見本(サンプル)となる展示品Eが陳列される。収納部3には、例えば、見本となる展示品Eと同種の展示品Eであって、かつ展示用ではない(例えば販売用の)展示品Eが収納される。一例として、陳列部2が下方を向くように棚Sに支持されている展示品陳列台1には、展示品Eが収納部3に収納されている。すなわち、展示品Eは上方を向いている収納部3に収納される。
【0015】
収納部3には、例えば、展示品Eを格納するケースCが配置される。ケースCは、一例として、直方体状を呈する紙箱である。例えば、複数の展示品Eは、ケースCに格納された状態で収納部3に収納されている。一例として、収納部3には、複数(例えば4つ)のケースCが収納される。ケースCは、収納部3において、第一方向D1に沿って並べられていてもよい。ケースCに格納可能な展示品Eの最大の個数は、本実施形態においては、例えば、1個以上かつ20個以下である。収納部3には、例えば、最大80個の展示品Eが収納される。一例として、展示品Eの重さは、約35gである。収納部3には、例えば、最大で約3kgの荷重が加えられる。収納部3の詳細については後述する。
【0016】
展示品陳列台1は、例えば、第三方向D3を向く開口Aが形成された箱状を呈する。展示品陳列台1は、陳列部2及び収納部3を有する底部4と、収納部3から底部4に交差する方向に延びる側部5とを備える。底部4は、例えば、第一方向D1及び第二方向D2に沿って延在している。例えば、底部4は矩形状を呈する。陳列部2は、底部4の一方側の面に位置している。収納部3は、底部4の他方側の面に位置している。陳列部2及び収納部3は、例えば、底部4に沿って延在している矩形状を呈する。
【0017】
側部5は、底部4とは反対側に開口Aを形成している。側部5は、収納部3の端から、底部4と交差する方向(すなわち第一方向D1及び第二方向D2と交差する方向)に沿って延在している。第三方向D3から見て、側部5は、枠状を呈する。側部5の詳細については後述する。
【0018】
図4は、展示品陳列台1を示す平面図である。図5は、展示品陳列台1を示す底面図である。図6の(A)は、陳列部2が上方を向く展示品陳列台1を手前から見た側面図である。図6の(B)は、陳列部2が上方を向く展示品陳列台1を奥から見た側面図である。図7の(A)は、図4のA-A線断面図である。図7の(B)は、図4のB-B線断面図である。以下では、図4図7を参照して、陳列部2、収納部3及び側部5の詳細について説明する。
【0019】
陳列部2は、凹部及び凸部の少なくとも一方を有する。本実施形態では、陳列部2は、凹部20を有する。一例として、陳列部2は、複数の凹部20を有する。凹部20は、例えば、展示品Eであるアイウエアのレンズが配置されるレンズ配置部である。陳列部2は、一方向に沿って並ぶ4つ以上の凹部20を有する。一例として、陳列部2は、第一方向D1に沿って並ぶ8つの凹部20を有する。第一方向D1に沿って並ぶ8つの凹部20を一つの組とすると、陳列部2は、第二方向D2に沿って並ぶ複数(一例として4つ)の組を有する。一例として、陳列部2は、第三方向D3から見て、四行八列に配置されている32個の凹部20を有する。
【0020】
凹部20は、陳列部2において、相対的に窪んでいる部分である。一例として、凹部20は、陳列部2の上面2A(凹部20が形成されていない面)から約10mm窪んでいる。凹部20は、一例として、第二方向D2を長手方向とする矩形状を呈する。例えば、凹部20は、矩形状を呈する底面21と、底面21及び上面2Aを互いに連結する内側面2Bとを含む。内側面2Bは、上面2Aに沿った開口を形成する。例えば、内側面2Bは、底面21から上面2Aに近づくにつれて、内側面2Bの開口が大きくなるように傾斜している。
【0021】
第一方向D1に沿って互いに隣り合う凹部20の間には連結部22が位置している。連結部22は、一対の凹部20を互いに連結する部分である。連結部22は、例えば、第二方向D2に突出する突出部2C,2Dと、突出部2C,2Dの間に位置する底面とを有する。連結部22の底面の深さは、例えば、底面21の深さと同一である。連結部22の底面と凹部20とは、第一方向D1に沿って交互に並んでいる。また、連結部22と凹部20とは第一方向D1に沿って連続して並んでいる。
【0022】
突出部2C,2Dは、第二方向D2に沿って互いに対向している。突出部2Dは、突出部2Cの奥側に位置する。突出部2Dは、手前に突出するように湾曲している。突出部2Cは奥側に突出するように湾曲している。例えば、突出部2Cの突出量は突出部2Dの突出量よりも大きい。本実施形態では、突出部2Cと突出部2Dとの間に展示品E(手前側を向くアイウエア)のブリッジが配置される(図1等参照)。また、突出部2Cにアイウエアの鼻パッドが載せられてもよい。
【0023】
例えば、底部4の厚さ(第三方向D3の長さ)は一定である。よって、陳列部2に形成された凹部は、収納部3に形成された凸部となる。陳列部2に形成された凸部は、収納部3に形成された凹部となる。収納部3は、陳列部2の凹部20の裏側に位置する凸部30を有する。
【0024】
展示品陳列台1は、陳列部2から収納部3に向かって窪んでいる溝6を有する。溝6は、収納部3において第三方向D3に突出している(図7の(A)参照)。溝6は、例えば、第一方向D1に沿って延在している。溝6は、一例として、複数の凹部20の奥側に位置する。溝6は、陳列部2の奥側の端に沿っている。
【0025】
展示品陳列台1は、一対の凹部61を有する。例えば、各凹部61は、溝6の第一方向D1の両側のそれぞれに位置している。凹部61及び溝6は、第一方向D1に沿って一列に並んでいる。例えば、凹部61の深さは、凹部20の深さと同一である。凹部61は、陳列部2において窪むと共に収納部3において突出している。
【0026】
溝6には、陳列部2が下方を向くときに指が引っ掛けられる(図3参照)。展示品陳列台1を棚Sの引き出しとして用いるとき、溝6は、引き出しの指を掛ける部分となる。陳列部2が下方を向くときに、一対の凹部61のいずれかに指が引っ掛けられてもよい。
【0027】
図1に示されるように、例えば、溝6には、陳列部2が上方を向くときに販促物P1が差し込まれる。販促物P1は、溝6に差し込まれることによって自立する。販促物P1は、例えば、POP(Point of purchase)スタンドである。販促物P1は、例えば、透明樹脂の板が重ねられた構造を有する。販促物P1の重さは、例えば、約1kgである。
【0028】
販促物P1の重ねられた2枚の板の間には、例えば、販促チラシが挿入されている。販促物P1は、例えば、当該板が延在する方向と交差する方向に突出する鍔部を有してもよい。例えば、溝6に販促物P1が差し込まれるとき、当該鍔部は陳列部2に対向する。溝6には、鏡など、販促物以外のものが差し込まれてもよい。このように、溝6は、板状の部材を自立させる部分であってもよい。
【0029】
凹部61は、一例として、陳列部2が上方を向くときに販促物P2が載置される。販促物P2は、凹部61の底面に自立する。販促物P2は、例えば、小型のPOPスタンドである。販促物P2は、例えば、販促物P1よりも小さい。販促物P1及び販促物P2は、第一方向D1に沿って一列に並んでいる。一例として、溝6の深さは、側部5の第三方向D3の長さの半分以上である。溝6は凹部61より深くてもよい。この場合、溝6には、凹部61に載置される販促物P2と比較して大型且つ高重量の販促物P1等を差し込むことが可能である。
【0030】
図2及び図7に示されるように、側部5は、開口Aを形成している。側部5は、開口Aから開口Aの外側に突出しているフランジ7を有する。フランジ7は、例えば、平坦状とされている。本実施形態では、フランジ7は第三方向D3における側部5の端から開口Aの外側に突出している部分である。フランジ7は、側部5の端以外の位置(例えば、側部5の第三方向D3の中央部分)から開口Aの外側に突出していてもよい。展示品陳列台1が棚Sに挿入されるとき、フランジ7は、棚SのレールRに載せられてもよい。棚Sは、フランジ7を介して展示品陳列台1を支持する。
【0031】
側部5は、凹部及び凸部の少なくとも一方を有してもよい。この場合、第三方向D3から展示品陳列台1を見た場合において、側部5は、展示品陳列台1の内側に窪む凹部、及び展示品陳列台1の外側に突出する凸部の少なくともいずれかを有する。本実施形態では、側部5は、展示品陳列台1の内側に窪む凹部50を有する。一例として、側部5の厚さは一定である。この場合、凹部50は、側部5の内側に突出する凸部となる。一例として、凹部50は、第二方向D2の一方側に位置する第一側部51と、第二方向D2の他方側に位置する第二側部52とに形成されている。第一側部51及び第二側部52は、側部5の外面の一部を示している。第一側部51及び第二側部52のそれぞれは第一方向D1に沿って延在している。
【0032】
第一側部51は、例えば、複数の凹部50を有する。一例として、第一側部51は7つの凹部50を有する。当該7つの凹部50は、例えば、連結部22と同じ間隔で配置されている。この場合、凹部50は連結部22と第二方向D2に沿って並んでいる。第一側部51の凹部50は、陳列部2が上方を向くときにおける連結部22の手前側に設けられる。第二側部52は、例えば、複数の凹部50を有する。一例として、第二側部52は2つの凹部50を有する。第二側部52の凹部50は、第三方向D3から陳列部2を見たときにおける溝6と凹部61との間の位置の奥側に設けられる。
【0033】
図6に示されるように、凹部50の底面53は、例えば、三角形状(一例としてV字状)を呈する。側部5は凹部50の上端である一対の辺5Aと、一対の辺5Aから底面53に向かって傾斜する傾斜面とを含む。一対の辺5Aの間隔は、陳列部2から離れるにしたがって狭くなっている。凹部50は、例えば、陳列部2から第三方向D3における側部5の端まで延在している。
【0034】
側部5は、開口Aに近づくにつれて開口Aが広がる向きに傾斜している。一例として、第一方向D1の一方側の側部5と、第一方向D1の他方側の側部5との間隔は、開口Aに近づくにつれて広がっている。一例として、第二方向D2の一方側の側部5と、第二方向D2の他方側の側部5との間隔は、開口Aに近づくにつれて広がっている。例えば、第一方向D1及び第二方向D2に延在する開口Aの面積は、第一方向D1及び第二方向D2に延在する底部4の面積よりも広い。
【0035】
図8の(A)は、図1とは異なる態様で陳列部2に陳列されている複数の展示品Eを示している。図8の(B)は、図1及び図8の(A)とは異なる態様で陳列部2に陳列されている複数の展示品Eを示している。図1図8の(A)及び図8の(B)は、互いに異なる陳列パターンで陳列されている複数の展示品Eを示している。図1の陳列パターンでは、第二方向D2に沿って4個、第一方向D1に沿って4個の展示品E(4×4個の配列の展示品E)が陳列される。一方、図8の(A)及び図8の(B)の陳列パターンでは、第二方向D2に沿って4個、第一方向D1に沿って3個の展示品E(4×3個の配列の展示品E)が陳列される。
【0036】
以下では、複数の展示品Eを区別するため、展示品Eを展示品E1,E2,E3,E4として、展示品Eの陳列パターンについてより詳細に説明する。展示品E1,E2,E3,E4は、互いに同種のアイウエアであってもよいし、互いに異なる種類のアイウエアであってもよい。また、展示品E1,E2,E3,E4は、互いに同種であるが色彩が互いに異なる(色違いの)アイウエアであってもよい。
【0037】
図1の陳列パターンでは、第一方向D1に沿って並ぶ8つの凹部20の一方側(例えば右側)の凹部20から他方側(例えば左側)の凹部20まで、展示品E1,E2,E3,E4が陳列される。図8の(A)の陳列パターンでは、8つの凹部20の一方側の2つの凹部20には展示品E1が陳列され、他方側の2つの凹部20には展示品E3が陳列され、中央側の2つの凹部20には展示品E2が陳列される。図8の(A)の陳列パターンでは、レンズが配置されない凹部20が形成される。図8の(B)の陳列パターンでは、8つの凹部20のうち第一方向D1の中央側の6つの凹部20に、展示品E1,E2,E3が陳列される。図8の(B)の陳列パターンでは、8つの凹部20のうち、一方側の端部の1つの凹部20と、他方側の端部の1つの凹部20には、レンズが配置されない。
【0038】
例えば、複数の展示品陳列台1は第三方向D3に沿って積み重ねることが可能である。図9は、第三方向D3に沿って積み重ねられている複数の展示品陳列台1を示している。例えば、当該複数の展示品陳列台1では、展示品陳列台1の開口Aの内側に、他の展示品陳列台1の底部4が入り込んでいる。展示品陳列台1の側部5に他の展示品陳列台1の側部5が沿うように複数の展示品陳列台1が積み重ねられる。例えば、展示品陳列台1の凹部50に、他の展示品陳列台1の凹部50の裏側に形成された凸部が嵌合する。一例として、展示品陳列台1の陳列部2において窪んでいる溝6に、他の展示品陳列台1の収納部3において突出している溝6の凸部が入り込む。例えば、当該複数の展示品陳列台1において、互いに隣り合う展示品陳列台1の間の隙間は、一方の展示品陳列台1の陳列部2に、他方の展示品陳列台1の収納部3が接触する程度に小さくてもよい。すなわち、一方の展示品陳列台1の底部4と、他方の展示品陳列台1の底部4とは互いに接触してもよい。
【0039】
次に、展示品陳列台1の製造方法について説明する。本実施形態において、展示品陳列台1は、再生パルプから構成されている。再生パルプとは、古紙を原料とするパルプである。展示品陳列台1は、例えば、凹状の成型金型から製造される。展示品陳列台1は、パルプモールドによって構成されている。展示品陳列台1の成型金型は、金属(例えばアルミニウム)からなる。成型金型には、複数の穴が形成されている。例えば、成型金型には、直径3mmの穴が10mm間隔で形成されている。
【0040】
まず、成型金型に金属(例えばステンレス鋼)からなる網が被せられる。次に、成型金型を、原料(水に溶融した再生パルプ)の中に投入する。成型金型を原料の中に投入した後に、前述した穴から原料の水分を吸引する。このとき、成型金型の金網に、原料に含まれる紙の繊維が付着する。成型金型の金網に紙の繊維が付着した状態で、成型金型は原料の中から引き上げられる。成型金型の金網に付着した繊維は、自然乾燥により脱水される。
【0041】
次に、成型金型から展示品陳列台1を取り外す。一例として、陳列部2が成型金型に面しており、収納部3が成型金型の反対側を向いている。この場合、陳列部2が型面となり、収納部3がザラザラ面となる。ザラザラ面は、型面と比べて粗い面である。ザラザラ面は、複数の微小な凹凸を含む。最後に、展示品陳列台1から不要な部分を切り落とす抜き加工を行う。一例として、開口Aから開口Aの外側に向かって延在している部分の一部が切り落とされる。以上、展示品陳列台1の製造方法の例について説明した。しかしながら、展示品陳列台1の製造方法の工程、及び成型金型については、上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0042】
次に、本実施形態に係る展示品陳列台1から得られる作用効果について詳細に説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る展示品陳列台1は、展示品Eが陳列される陳列部2と、陳列部2の裏側に位置していると共に陳列部2が下方を向いているときに展示品Eが収納される収納部3と、を備える。
【0043】
前述したように、展示品陳列台1は、陳列部2が下方を向いているときに展示品Eが収納部3に収納される。展示品陳列台1は、展示品陳列台1の上下を反転させることで、展示品Eを陳列する陳列部2と展示品Eを収納する収納部3とを兼用することができる。陳列部2を上方に向けた状態で陳列部2に展示品Eを陳列することができると共に、陳列部2を下方に向けた状態で収納部3に展示品Eを収納することができる。従って、上下のそれぞれに陳列部2及び収納部3のそれぞれが設けられることにより、1つの展示品陳列台1で展示品Eの陳列と、展示品Eの収納との双方を行うことができる。よって、展示品Eの陳列及び収納に関する備品の種類を減らすことができる。
【0044】
また、展示品Eの陳列及び収納に関する備品の種類を1つにすることができるため、統一感が得られる。本実施形態では、陳列部2を上に向けた展示品陳列台1の下に、陳列部2を下(収納部3を上)に向けた展示品陳列台1が配置されるので、展示品Eの陳列及び収納に関し、同一の展示品陳列台1で高い統一感を発揮できる。
【0045】
前述したように、展示品陳列台1は、陳列部2及び収納部3を有する底部4と、収納部3から底部4と交差する方向に延在している側部5と、を備えてもよい。収納部3を有する底部4と、収納部3から底部4と交差する方向に延在している側部5とを備えることで、箱状とされた展示品陳列台1の底部4を収納部3及び陳列部2として兼用できる。
【0046】
前述したように、陳列部2は、凹部及び凸部の少なくとも一方を有してもよい。陳列部2は、凹部20を有してもよい。陳列部2が凹部及び凸部の少なくとも一方を有する場合、凹部及び凸部の少なくとも一方を成す凹凸構造が陳列部2に形成される。ところで、陳列部2が凹部及び凸部を有しない平坦部である場合、多くの展示品Eを陳列部2に陳列したときに、陳列部2に歪み等が生じることが懸念される。これに対し、陳列部2が凹部及び凸部の少なくともいずれかを有する場合、陳列部2に陳列された展示品Eの荷重を分散することができるので、陳列部2の強度を高めて歪み等をより生じにくくすることができる。また、陳列部2が凹部及び凸部の少なくとも一方を有することにより、当該凹部又は凸部を見て陳列部2の位置(例えば凹部20の位置)を把握できるので、陳列部2の位置を分かりやすくすることができる。そのため、例えば、来店者が店頭で試着した展示品Eを陳列部2に戻す際に、戻す位置が分かりやすい。従って、整理された展示状態を維持することができるため、店舗のオペレーション効率が向上する。また、陳列部2は凹部20を有するため、陳列された展示品Eが陳列部2の上で位置ずれすることを防止できる。
【0047】
前述したように、展示品Eは、一対のレンズを有するアイウエアであってもよい。陳列部2は、一方向に沿って並ぶ少なくとも4つ以上のレンズ配置部を有してもよい。このように一方向に沿って並ぶ4つ以上のレンズ配置部を有することにより、図1図8の(A)及び図8の(B)に示されるように、陳列するアイウエアの数、及びアイウエアの陳列パターンを変更できる。
【0048】
一例として、4つのレンズ配置部を有する場合、4つのレンズ配置部の一方側(例えば右側)及び他方側(例えば左側)のそれぞれに合計2つのアイウエアを陳列したり、4つ並ぶレンズ配置部のうち中央側2つのレンズ配置部に1つのアイウエアを陳列したりすることができる。このように、一方向に沿って並ぶ4つ以上のレンズ配置部を有する場合、陳列するアイウエアの数、及びアイウエアの陳列パターンを変更できるので、アイウエアの陳列状態のデザイン性を高めることができる。具体例として、アイウエアの陳列パターンを変更することによって特定のアイウエアが売れ残った状態をわかりにくくすることができる。また、例えば、4種類×4色の商品展開(すなわち16種類)の場合であっても、3種類×4色の商品展開(すなわち12種類)の場合であっても、アイウエアの商品展開にあわせて無理なく陳列パターンを調整できるので、画一的な陳列パターンに拘束されることなく柔軟に商品を企画することができる。
【0049】
陳列部2に陳列されている複数の種類の展示品Eの在庫は、当該展示品Eが陳列された展示品陳列台1の下方において陳列部2が下方を向くように配置された複数の展示品陳列台1のそれぞれに種類ごとに収納されていてもよい。
【0050】
前述したように、複数の展示品Eは、ケースCに格納された状態で収納部3に収納されてもよい。例えば、複数の種類の展示品Eが陳列部2に陳列されている場合、当該展示品Eの在庫は、種類ごとにケースCに格納されてもよい。一例として、陳列部2の手前側から一番目に陳列された展示品Eの在庫は、複数の展示品陳列台1のうち、上から一番目の展示品陳列台1に収納されてもよい。このように、陳列部2の手前側からn番目(nは自然数)に陳列された展示品Eの在庫は、上からn番目の展示品陳列台1に収納されてもよい。また、陳列部2の手前側からn番目に陳列された展示品Eの在庫は、上からm番目(mはnとは異なる自然数)の展示品陳列台1に収納されていてもよい。
【0051】
一例として、陳列部2の第一方向D1における一方側(例えば左側)から一番目に陳列された展示品Eの在庫を格納するケースCは、収納部3において、左側から一番目に配置されていてもよい。このように、陳列部2の左側からn番目に陳列された展示品Eは、収納部3において、左側からn番目のケースCに格納されてもよい。また、陳列部2の左側からn番目に陳列された展示品Eは、収納部3において、左側からm番目のケースCに格納されてもよい。
【0052】
更なる具体例として、第二方向D2に沿って4種類の展示品Eが陳列されている場合、第一方向D1の左端に位置する展示品Eのうち手前から一番目の在庫は、下方に配置されている4つの展示品陳列台1のうち上から一番目の展示品陳列台1において、左端に配置されているケースCに格納されてもよい。また、当該展示品Eの在庫は、下方に配置されている4つの展示品陳列台1のうち下から一番目の展示品陳列台1において、ケースCに格納されてもよい。上記で例示したようにケースCに展示品Eが格納される場合、ケースC内の展示品Eの種類を単一化でき、各種類の在庫が混在することなく、在庫状況を一目で確認できる。
【0053】
図1及び図3に示されるように、展示品陳列台1は、陳列部2から収納部3に向かって窪んでいる溝6を有し、溝6は、陳列部2が下方を向くときに指が引っ掛けられてもよい。陳列部2に展示品Eが陳列されるときには、この溝6に販促物等を差し込んで販促物等を立たせることができる。また、収納部3に展示品Eが収納されるときには、溝6に指を引っ掛けて収納部3を引き出すことができる。
【0054】
側部5は、底部4とは反対側に開口Aを形成しており、開口Aに近づくにつれて開口Aが広がる向きに傾斜していてもよい。この場合、図9に示されるように、展示品陳列台1の開口Aの内側に他の展示品陳列台1の底部4が入り込むように当該他の展示品陳列台1を重ねることにより、複数の展示品陳列台1をコンパクトに積み重ねることができる。また、側部5が開口Aに近づくにつれて開口Aが広がる向きに傾斜していることにより、展示品陳列台1の上下(陳列部2が上を向いているか、陳列部2が下を向いているか)を分かりやすくすることができる。
【0055】
側部5は、開口Aから開口Aの外側に突出しているフランジ7を有してもよい。この場合、図3に示されるように、開口Aから開口Aの外側に突出しているフランジ7を棚SのレールR等に載せることにより、棚Sに展示品陳列台1を支持させることができる。従って、棚S等に展示品陳列台1を支持させるための部材を別途用意する必要がない。さらに、側部5にフランジ7が形成されていることにより、側部5の強度を高めることができる。
【0056】
側部5は、凹部及び凸部の少なくとも一方(例えば凹部50)を有してもよい。側部5に凹部及び凸部の少なくとも一方が形成されていることにより、外力に対する側部5の耐久性を高めることができ、側部5の強度を高めることができる。また、本実施形態では、展示品陳列台1の手前側及び奥側のそれぞれに凹凸(例えば凹部50)が形成されていることにより、アイウエア(展示品E)の位置等をわかりやすくすることができ、デザイン性の向上にも寄与する。
【0057】
展示品陳列台1は、再生パルプから構成されていてもよい。再生パルプから構成される展示品陳列台1では、樹脂製等の展示品陳列台と比較して、環境にやさしい素材とすることができる。展示品陳列台1の材料が再生パルプであることによって、展示品陳列台1をリサイクルすることも可能である。さらに、再生パルプから構成される展示品陳列台1は、木製又は金属製の展示品陳列台と比較して、軽量化を実現でき、搬送しやすい展示品陳列台1とすることができる。
【0058】
以上、本開示に係る展示品陳列台の実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、前述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、展示品陳列台の各部の構成、機能、形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、上記の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0059】
図10は、展示品陳列台1を支持する構造の変形例に係る展示品陳列台1及び棚Sの側面図である。図10は、籠Bに載せられた状態で棚Sに支持される展示品陳列台1を示している。籠Bは、一例として、金属(例えば鉄)からなる。籠Bは、棚Sに支持されている。籠Bは、陳列部2が下方を向いているとき、陳列部2を下方から支持する。図10では、展示品陳列台1がフランジ7を有する例を示している。しかしながら、籠Bが展示品陳列台1を支持する場合、籠Bに展示品陳列台1を載せればよいのでフランジ7を省略できる。
【0060】
図11の(A)及び図11の(B)は、変形例に係る展示品陳列台1Aを示す斜視図である。以下では、展示品陳列台の種々の変形例について説明する。後述する各変形例に係る展示品陳列台の一部の構成は、前述した展示品陳列台1の一部の構成と同一である。以下では、展示品陳列台1の構成と重複する説明を適宜省略する。変形例に係る展示品陳列台1Aは、陳列部12及び収納部13を含む底部14と、側部15とを備える。
【0061】
陳列部12は凹部120を有する。凹部120は、例えば、展示品Eであるアイウエアのレンズが配置されるレンズ配置部である。一例として、陳列部12は、第三方向D3から見て、四行八列に配置されている32個の凹部120を有する。凹部120は、陳列部12の上面12A(凹部120が形成されていない面)から窪んでいる。凹部120は長方形状(一例として正方形状)を呈する。例えば、凹部120は、底面121と、底面121及び上面12Aを互いに連結する内側面12Bとを含む。底面121は、例えば、長方形状を呈する。一例として、内側面12Bは、底面121及び上面12Aに対して直交する方向に沿って延在している。
【0062】
一例として、底部14の厚さ(第三方向D3の長さ)は一定である。よって、陳列部12に形成された凹部120は、収納部13に形成された凸部となる。収納部13は、陳列部2の凹部120の裏側に位置する凸部を有する。第一方向D1に沿って互いに隣り合う凹部120の間には連結部122が位置している。連結部122は、例えば、第二方向D2に突出する突出部12C,12Dと、突出部12C,12Dの間に位置する底面とを有する。連結部122の底面の深さは、凹部120の深さと同一であってもよいし、凹部120の深さとは異なっていてもよい。
【0063】
陳列部12は、第二方向D2に沿って並ぶ一対の凹部120の間に形成された凸部において窪む凹部25を有する。一例として、陳列部12は、複数の凹部25を有する。凹部25は、凹部120より浅い窪みである。凹部25は、陳列部12において窪んでおり、収納部13において突出している。例えば、複数の凹部25が第二方向D2に沿って一直線上に並んでいる。
【0064】
展示品陳列台1Aは溝6を有しない。展示品陳列台1Aは、奥側の端において、第一方向D1の両端側のそれぞれに2個ずつ配置された凹部62を有する。凹部62は、陳列部12において窪んでいる。凹部62は、複数の凹部120の奥側に位置する。例えば、凹部62及び凹部120は、第二方向D2に沿って並んでいる。
【0065】
側部15は、一例として、収納部13から底部14と垂直な方向(第三方向D3)に沿って延在している。側部15は、第三方向D3から見たときに展示品陳列台1Aの内側に窪む凹部54が形成された枠状を呈する。凹部54は、一例として、底部14と垂直な方向に延在している。
【0066】
一例として、第二方向D2の手前側及び奥側に位置する側部15に複数(一例として6個又は7個)の凹部54が形成されている。複数の凹部54は、第一方向D1において互いに隣り合う凹部120の間に位置している。凹部54と連結部122とは第二方向D2に沿って並んでいる。第一方向D1の一方側及び他方側(左側及び右側)に位置する側部15に複数(一例として4個)の凹部54が形成されている。各凹部54は、第二方向D2において互いに隣り合う凹部120の間と、凹部120及び凹部62の間とに位置している。
【0067】
図12の(A)は、展示品陳列台1Aとは別の変形例に係る展示品陳列台1Bの平面図を示している。変形例に係る展示品陳列台1Bは、陳列部202を備える。陳列部202は、凹部220を有する。凹部220は、アイウエアのレンズが配置されるレンズ配置部である。凹部220は、一例として、第一方向D1を長軸方向とする楕円状を呈する。第一方向D1に沿って互いに隣り合う凹部220の間には連結部222が位置する。
【0068】
連結部222は、第二方向D2に沿って互いに対向している一対の突出部2Eと、一対の突出部2Eの間に位置する底面とを含む。一対の突出部2Eは、互いに近接する方向に突出している。一対の突出部2Eの突出量は、例えば、互いに同一である。連結部222と凹部220とは、第一方向D1に沿って交互に並んでいてもよい。第一方向D1に沿って並んでいる連結部222及び凹部220は、例えば、第二方向D2への幅が一定周期で増減する1つの凹部を形成している。この場合、当該1つの凹部の第二方向D2への幅は、連結部222において最小となり、凹部220において最大となる。当該幅の最大値は、一例として、凹部220の短軸の長さである。
【0069】
図12の(B)は、展示品陳列台1A,1Bとは別の変形例に係る展示品陳列台1Cの平面図を示している。変形例に係る展示品陳列台1Cは、陳列部302を備える。陳列部302は、凹部320を有する。一例として、陳列部302は、四行四列に配置されている16個の凹部320を有する。凹部320は、第一方向D1の一方側に位置するレンズ配置部321と、第一方向D1の他方側に位置するレンズ配置部322と、レンズ配置部321,322の間に位置する連結部323とを含む。レンズ配置部321及びレンズ配置部322のそれぞれは片側が円弧状とされた外形を有し、レンズ配置部321及びレンズ配置部322は連結部323を介して互いに連結されている。連結部323は、第二方向D2(奥側)に突出する突出部324と、突出部324の奥側に位置する底面とを有する。突出部324は、例えば、湾曲している。
【0070】
以上、展示品陳列台の種々の変形例について説明した。しかしながら、本開示に係る展示品陳列台は、前述した種々の変形例に限られず更に変形させることが可能である。例えば、図10では、籠Bを介して展示品陳列台1が棚Sに支持される例について説明した。しかしながら、籠Bとは異なる支持部材を介して展示品陳列台1が棚Sに支持されてもよい。例えば、棚Sに載せられる板状の支持部材を介して展示品陳列台1が棚Sに支持されてもよい。このように、展示品陳列台を支持する支持構造については特に限定されない。
【0071】
前述の実施形態では、再生パルプから構成されている展示品陳列台1について説明した。しかしながら、展示品陳列台を構成する材料は、再生パルプに限られず適宜変更可能である。展示品陳列台は、金属、樹脂又は段ボール等から構成されていてもよい。展示品陳列台は、複数の材料から構成されていてもよい。
【0072】
例えば、展示品陳列台は、再生パルプの剛性を向上させる樹脂を含んでいてもよい。具体例として、底部4の中央を含む部分に硬化する塗料が含有されていてもよく、この場合、陳列部2及び収納部3の強度を一層高めることができる。また、展示品陳列台は、金属又は樹脂からなる補強部材によって補強されていてもよい。
【0073】
前述の実施形態では、底部4の厚さが一定である展示品陳列台1について説明した。しかしながら、底部4は、他の部分よりも厚さが増している厚肉部を有してもよい。例えば、当該厚肉部は第一方向D1における一方の端から他方の端まで設けられていてもよい。また、当該厚肉部は、第三方向D3から見た場合における底部4の中央を含む部分に設けられてもよい。
【0074】
前述の実施形態では、側部5の厚さが一定である展示品陳列台1について説明した。しかしながら、側部5は、他の部分よりも厚さが増している厚肉部を有してもよい。例えば、当該厚肉部は、側部5とフランジ7との境界部分に設けられていてもよい。また、当該厚肉部は、側部5と底部4との境界部分(第三方向D3から見た場合における底部4の外縁部分)に設けられてもよい。
【0075】
前述した実施形態では、平坦状とされているフランジ7について説明した。しかしながら、展示品陳列台のフランジは、平坦状でなくてもよく、例えば、凹凸面を有していてもよい。フランジが凹凸面を有する場合、フランジの強度をより高めることが可能となる。例えば、レールRに載せられるときに、凹凸面を有するフランジの場合、平坦状のフランジと比較して歪みをより生じにくくすることができる。また、フランジは、金属又は樹脂からなる補強部材によって補強されていてもよい。例えば、フランジ7と、フランジ7から折れ曲がる側部5の一部が補強部材によって補強されてもよい。この場合、フランジ7及び側部5の強度を更に高めることができる。
【符号の説明】
【0076】
1,1A,1B,1C…展示品陳列台、2…陳列部、2A…上面、2B…内側面、2C,2D,2E…突出部、3…収納部、4…底部、5…側部、5A…辺、6…溝、7…フランジ、12…陳列部、12A…上面、12B…内側面、12C,12D…突出部、13…収納部、14…底部、15…側部、20…凹部、21…底面、22…連結部、25…凹部、30…凸部、50…凹部、51…第一側部、52…第二側部、53…底面、54…凹部、61,62…凹部、120…凹部、121…底面、122…連結部、202…陳列部、220…凹部、222…連結部、302…陳列部、320…凹部、321,322…レンズ配置部、323…連結部、324…突出部、A…開口、B…籠、C…ケース、D1…第一方向、D2…第二方向、D3…第三方向、E,E1,E2,E3,E4…展示品、P1…販促物、P2…販促物、R…レール、S…棚。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12