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特許7257471レーザシステムのためのビームステアリングおよび関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】レーザシステムのためのビームステアリングおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/06 20060101AFI20230406BHJP
   G02B 21/24 20060101ALI20230406BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20230406BHJP
   G02B 6/32 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
G02B21/06
G02B21/24
G02B6/42
G02B6/32
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021144417
(22)【出願日】2021-09-06
(62)【分割の表示】P 2018555106の分割
【原出願日】2017-04-19
(65)【公開番号】P2022002706
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】62/325,085
(32)【優先日】2016-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510236656
【氏名又は名称】クーパーサージカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CooperSurgical, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】サール デンジル
(72)【発明者】
【氏名】ランズダウン デビッド チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】フォラー ハンス
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-511309(JP,A)
【文献】特開2008-304850(JP,A)
【文献】国際公開第2012/018136(WO,A1)
【文献】特開2003-302579(JP,A)
【文献】特開2007-181634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 19/00-21/00
G02B 21/06-21/36
G02B 6/42
G02B 6/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コリメートされたレーザビームを出力するように構成されたコリメータと、
前記コリメータが取り付けられた第1の支持部材と、
前記第1の支持部材が取り付けられた第2の支持部材と、
第1の直線レールであって、前記第1の支持部材に取り付けられた前記コリメータ、および前記コリメータから出力された前記コリメートされたレーザビームが第1の次元で移動できるように、前記第1の支持部材が前記第1の直線レールに沿って前記第1の次元で移動できる、第1の直線レールと、
前記第1の支持部材を前記第1の直線レールに移動自在に連結するために前記第1の直線レールに沿っておよび前記第1の支持部材に沿って同時に摺動するように構成された軸受と、
第2の直線レールであって、前記第1の支持部材、その上に支持された前記コリメータ、および前記コリメータから出力された前記コリメートされたレーザビームが前記第1の次元に直交する第2の次元で移動できるように、前記第2の支持部材が前記第2の直線レールに沿って前記第2の次元で移動できる、第2の直線レールと、
前記コリメータの下流に位置付けられ、前記コリメートされたレーザビームを検体上の目標位置に導くように構成されたレンズと
を含むレーザシステム。
【請求項2】
約700nm~約1mmの範囲の波長を有する赤外光波を含む赤外レーザビームを発生させるように構成された赤外レーザをさらに含む、請求項1記載のレーザシステム。
【請求項3】
約620nm~約700nmの範囲の波長を有する赤色光波を含む赤色レーザビームを発生させるように構成された赤色レーザをさらに含む、請求項2記載のレーザシステム。
【請求項4】
前記赤外レーザビームと前記赤色レーザビームを結合して1つのレーザビームにするように構成された1組の光学部品をさらに含む、請求項3記載のレーザシステム。
【請求項5】
前記コリメータが、前記1つのレーザビームを発散レーザビームとして受け取るように、および前記発散レーザビームを前記コリメートされたレーザビームとして出力するように構成されている、請求項4記載のレーザシステム。
【請求項6】
前記赤外光波を伴う前記コリメートされたレーザビームが前記目標位置で前記検体の構造体に穴を生成することができるように前記赤外レーザを作動させるように構成された制御モジュールをさらに含む、請求項5記載のレーザシステム。
【請求項7】
前記検体が胚であり、前記検体の前記構造体が前記胚の透明帯である、請求項6記載のレーザシステム。
【請求項8】
システムソフトウェアをさらに含み、前記システムソフトウェアによって、ユーザが前記目標位置を選択し、前記制御モジュールに前記赤外レーザを作動させるよう命令することができる、請求項6記載のレーザシステム。
【請求項9】
前記1つのレーザビームを前記コリメータまで伝えるように構成された光ファイバケーブルをさらに含む、請求項4記載のレーザシステム。
【請求項10】
前記赤色光波が前記検体と相互作用した時に前記検体の画像を生成するように構成された、請求項3記載のレーザシステム。
【請求項11】
前記第1の直線レールが矩形の凹部を画定する、請求項1記載のレーザシステム。
【請求項12】
前記第1の支持部材が対応する矩形の凹部を画定する、請求項11記載のレーザシステム。
【請求項13】
前記軸受が玉軸受を含み、かつ前記玉軸受が前記第1の支持部材を前記第1の直線レールに移動自在に連結するために前記第1の直線レールの前記矩形凹部内および前記第1の支持部材の前記対応する矩形凹部内で同時に摺動するように構成された、請求項12記載のレーザシステム。
【請求項14】
前記第1の支持部材を前記第1の直線レールに沿って移動させるように構成されたモータをさらに含む、請求項1記載のレーザシステム。
【請求項15】
前記レンズが、前記コリメートされたレーザビームが前記レンズの中心軸から間隔を置いた位置で前記コリメータから出力されたときに、前記コリメートされたレーザビームを前記レンズの前記中心軸に向けて屈折させるように構成されている、請求項1記載のレーザシステム。
【請求項16】
前記レンズの下流に位置付けられ、前記コリメートされたレーザビームを取り込むようにならびに前記コリメートされたレーザビーム内の赤外光波および可視光波を前記検体内の同じ平面で合焦させるように構成された顕微鏡対物レンズをさらに含む、請求項1記載のレーザシステム。
【請求項17】
前記コリメートされたレーザビーム内の赤外光波を反射するように、前記コリメートされたレーザビーム内の可視光波の第1の部分を反射するように、および前記コリメートされたレーザビーム内の前記可視光波の第2の部分を透過させるように構成されたダイクロイックミラーをさらに含む、請求項1記載のレーザシステム。
【請求項18】
前記ダイクロイックミラーが、前記レンズに対して固定された向きで位置付けられている、請求項17記載のレーザシステム。
【請求項19】
前記コリメートされたレーザビーム内の赤外光波の透過を遮断するように構成されたフィルタをさらに含む、請求項1記載のレーザシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全内容が本明細書に組み入れられる、2016年4月20日に出願された米国仮特許出願第62/325085号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、レーザシステムおよび関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
レーザシステム(例えばレーザアブレーションシステム)は、体外での精細胞による卵母細胞の受精を含む体外受精(IVF)の過程を容易にするために、生殖補助医療技術(ART)の分野で使用される。受精が起こるためには、精細胞は、卵母細胞を取り囲む外側の糖タンパク質層(すなわち、透明帯)を通過しなければならない。IVFの過程の間に、精細胞を動けなくするために、または卵母細胞の透明帯に穴を形成して卵母細胞への精細胞の注入を容易にするために、レーザシステムが使用されうる。精細胞により卵母細胞が受精すると、連続した細胞分裂を行う胚が得られる。多細胞胚は、子宮壁に着床するために、孵化として知られている過程で透明帯から脱出しなければならない。いくつかの例では、透明帯の一部分に穴を形成するかまたはその部分を薄くして孵化を容易にするためにレーザシステムが使用されうる。加えて、様々な着床前診断もしくは外科手術法のために胚から1つもしくは複数の細胞もしくは細胞成分を取り出すために、または胚の凍結保存前に胚から液体を除去するために、レーザシステムを使用して透明帯に穴が形成されうる。
【発明の概要】
【0004】
概要
一般に、本開示は、生殖補助医療技術(ART)の分野で使用されるレーザアブレーションシステムに関する。そのようなレーザアブレーションシステムは、細胞試料の構造体(例えば、卵母細胞もしくは胚を取り囲む透明帯)のユーザ定義部分に穴を形成するかもしくはその部分を薄くするために、または体外受精(IVF)もしくは他のART法の様々な段階において配偶子(例えば精細胞)を動けなくするために使用することができる。
【0005】
一局面において、レーザシステムは、コリメートされたレーザビームを出力するように構成されたコリメータと、コリメータが取り付けられた支持部材と、直線レールであって、支持部材に取り付けられたコリメータ、およびコリメータから出力されたコリメートされたレーザビームが第1の次元で移動できるように、支持部材が直線レールに沿って第1の次元で移動できる、直線レールとを含む。本レーザシステムは、コリメータの下流に位置付けられ、コリメートされたレーザビームを検体上の目標位置に導くように構成されたレンズをさらに含む。
【0006】
いくつかの態様では、本レーザシステムは、約700nm~約1mmの範囲の波長を有する赤外光波を含む赤外レーザビームを発生させるように構成された赤外レーザをさらに含む。
【0007】
ある特定のでは、赤外レーザは、約700nm~約2000nmの範囲の波長を有する赤外光波を含む赤外レーザビームを発生させるように構成される。
【0008】
いくつかの態様では、赤外光波は、約1480nmの波長を有する。
【0009】
特定の態様では、本レーザシステムは、約620nm~約700nmの範囲の波長を有する赤色光波を含む赤色レーザビームを発生させるように構成された赤色レーザをさらに含む。
【0010】
特定の態様では、赤色光波は約650nmの波長を有する。
【0011】
いくつかの態様では、本レーザシステムは、赤外レーザビームと赤色レーザビームを結合して1つのレーザビームにするように構成された1組の光学部品をさらに含む。
【0012】
特定の態様では、コリメータは、1つのレーザビームを発散レーザビームとして受け取るように、およびその発散レーザビームをコリメートされたレーザビームとして出力するように構成される。
【0013】
いくつかの態様では、本レーザシステムは、赤外光波を伴うコリメートされたレーザビームが目標位置で検体の構造体に穴を生成することができるように赤外レーザを作動させるように構成された制御モジュールをさらに含む。
【0014】
特定の態様では、検体は胚であり、検体の構造体は胚の透明帯である。
【0015】
いくつかの態様では、本レーザシステムはシステムソフトウェアをさらに含み、システムソフトウェアによって、ユーザが目標位置を選択し、制御モジュールに赤外レーザを作動させるよう命令することができる。
【0016】
特定の態様では、本レーザシステムは、1つのレーザビームをコリメータまで伝えるように構成された光ファイバケーブルをさらに含む。
【0017】
いくつかの態様では、本レーザシステムは、赤色光波が検体と相互作用した時に検体の画像を生成するように構成される。
【0018】
特定の態様では、直線レールは矩形の凹部を画定する。
【0019】
いくつかの態様では、支持部材は、対応する矩形の凹部を画定する。
【0020】
特定の態様では、本レーザシステムは、支持部材を直線レールに移動自在に連結するために直線レールの矩形凹部内および支持部材の対応する矩形凹部内で同時に摺動するように構成された玉軸受をさらに含む。
【0021】
いくつかの態様では、支持部材は第1の支持部材であり、直線レールは第1の直線レールであり、レーザシステムは、第1の支持部材が取り付けられた第2の支持部材と、第2の直線レールであって、第1の支持部材、その上に支持されたコリメータ、およびコリメータから出力されたコリメートされたレーザビームが第1の次元と直交する第2の次元で移動できるように、第2の支持部材が第2の直線レールに沿って第2の次元で移動できる、第2の直線レールとをさらに含む。
【0022】
特定の態様では、本レーザシステムは、直線レールに沿って支持部材を移動させるように構成されたモータをさらに含む。
【0023】
いくつかの態様では、レンズは、コリメートされたレーザビームがレンズの中心軸から間隔を置いた位置でコリメータから出力されたときに、コリメートされたレーザビームをレンズの中心軸に向けて屈折させるように構成される。
【0024】
特定の態様では、本レーザシステムは、レンズの下流に位置付けられた、コリメートされたレーザビームを取り込むようにならびにコリメートされたレーザビーム内の赤外光波および可視光波を検体内の同じ平面で合焦させるように構成された顕微鏡対物レンズをさらに含む。
【0025】
いくつかの態様では、本レーザシステムは、コリメートされたレーザビーム内の赤外光波を反射するように、コリメートされたレーザビーム内の可視光波の第1の部分を反射するように、およびコリメートされたレーザビーム内の可視光波の第2の部分を透過させるように構成されたダイクロイックミラーをさらに含む。
【0026】
特定の態様では、ダイクロイックミラーは、レンズに対して固定された向きで位置付けられる。
【0027】
いくつかの態様では、本レーザシステムは、コリメートされたレーザビーム内の赤外光波の透過を遮断するように構成されたフィルタをさらに含む。
【0028】
別の局面において、検体上の構造体を切除する方法は、コリメートされたレーザビームを出力するコリメータを担持する支持部材を、直線レールに沿って第1の次元で移動させる工程、およびコリメータの下流に位置付けられたレンズを使用して、コリメートされたレーザビームを検体上の目標位置に導く工程を含む。
【0029】
いくつかの態様では、本方法は、約700nm~約1mmの範囲の波長を有する赤外光波を含む赤外レーザビームを発生させる工程をさらに含む。
【0030】
特定の態様では、本方法は、約700nm~約2000nmの範囲の波長を有する赤外光波を含む赤外レーザビームを発生させる工程をさらに含む。
【0031】
いくつかの態様では、赤外光波は、約1480nmの波長を有する。
【0032】
特定の態様では、本方法は、約620nm~約700nmの範囲の波長を有する赤色光波を含む赤色レーザビームを発生させる工程をさらに含む。
【0033】
特定の態様では、赤色光波は約650nmの波長を有する。
【0034】
いくつかの態様では、本方法は、赤外レーザビームと赤色レーザビームを結合して1つのレーザビームにする工程をさらに含む。
【0035】
特定の態様では、コリメータは、1つのレーザビームを発散ビームとして受け取るように、および発散レーザビームをコリメートされたレーザビームとして出力するように構成される。
【0036】
いくつかの態様では、本方法は、赤外光波を伴うコリメートされたレーザビームが目標位置で検体の構造体に穴を生成するように赤外レーザを作動させる工程をさらに含む。
【0037】
特定の態様では、検体は胚であり、検体の構造体は胚の透明帯である。
【0038】
いくつかの態様では、本方法は、システムソフトウェアを介して目標位置の選択を受け取る工程、および制御モジュールに赤外レーザを作動させるよう命令する工程をさらに含む。
【0039】
特定の態様では、本方法は、1つのレーザビームをコリメータまで伝える工程をさらに含む。
【0040】
いくつかの態様では、本方法は、赤色光波が検体と相互作用した時に検体の画像を生成する工程をさらに含む。
【0041】
特定の態様では、直線レールは矩形の凹部を画定する。
【0042】
いくつかの態様では、支持部材は、対応する矩形の凹部を画定する。
【0043】
特定の態様では、本方法は、支持部材を直線レールに移動自在に連結するために直線レールの矩形凹部内および支持部材の対応する矩形凹部内で同時に玉軸受を動かす工程をさらに含む。
【0044】
いくつかの態様では、支持部材は第1の支持部材であり、直線レールは第1の直線レールであり、本方法は、第2の支持部材を第2の直線レールに沿って第2の次元で移動させる工程であって、第2の次元が第1の次元に直交しており、第2の支持部材が第1の支持部材を担持しており、そのためそこに取り付けられたコリメータとコリメータから出力されたコリメートされたレーザビームとが第2の方向に移動できる、工程をさらに含む。
【0045】
特定の態様では、支持部材は、モータによって直線レールに沿って移動される。
【0046】
いくつかの態様では、レンズは、コリメートされたレーザビームがレンズの中心軸から間隔を置いた位置でコリメータから出力されたときに、コリメートされたレーザビームをレンズの中心軸に向けて屈折させるように構成される。
【0047】
ある態様では、本方法は、コリメートされたレーザビームをレンズの下流に位置付けられた顕微鏡対物レンズ内に取り込む工程、ならびにコリメートされたレーザビーム内の赤外光波および可視光波を検体内の同じ平面で合焦させる工程をさらに含む。
【0048】
いくつかの態様では、本方法は、コリメートされたレーザビーム内の赤外光波をダイクロイックミラーで反射させる工程、コリメートされたレーザビーム内の可視光波の第1の部分をダイクロイックミラーで反射させる工程、およびコリメートされたレーザビーム内の可視光波の第2の部分をダイクロイックミラーで透過させる工程とをさらに含む。
【0049】
特定の態様では、ダイクロイックミラーは、レンズに対して固定された向きで位置付けられる。
【0050】
いくつかの態様では、本方法は、赤外線フィルタを使用してコリメートされたレーザビーム内の赤外光波の透過を遮断する工程をさらに含む。
【0051】
各態様は、以下の利点のうちの1つまたは複数を提供しうる。
【0052】
レーザシステムのモータモジュールのコンパクトなサイズと構成により、レーザシステムを、顕微鏡、ならびにIVFおよび他のART法で典型的に使用される他の標準的な装置との併用に適したものにすることができる。
【0053】
加えて、湾曲した形体を有する移動スライドを含む他のレーザシステムにおけるモータモジュール構成要素を製造するために成し遂げなければならないより困難な製造要件と比較して、モータモジュールの支持ブロック内ならびに関連付けられた垂直および水平直線レール内の矩形形状の凹部により、支持ブロックならびに垂直および水平直線レールの製造(例えば、これらの構成要素を必要な精度で製造すること)を容易にする真っ直ぐな(例えば直線の)スライド形体を得ることができる。
【0054】
レーザシステムの走査レンズの屈折性能により、走査レンズは、いくつかの態様では、移動するコリメートビームを、ダイクロイックミラーを移動させずに、レーザシステムの光路に沿った所望の位置に導くことができる(すなわち、ダイクロイックミラーは、光路に沿って走査レンズに対して固定された位置および固定された向きで位置付けられている)。ダイクロイックミラーのこのような移動を回避することにより、レーザビームの所望の目標設定のためにダイクロイックミラーの振動またはその他の移動を必要とする他のレーザシステム(例えば、共焦点走査顕微鏡)と比較して、レーザシステムの動作を簡略化することができる。
【0055】
[本発明1001]
コリメートされたレーザビームを出力するように構成されたコリメータと、
前記コリメータが取り付けられた支持部材と、
直線レールであって、前記支持部材に取り付けられた前記コリメータ、および前記コリメータから出力された前記コリメートされたレーザビームが第1の次元で移動できるように、前記支持部材が前記直線レールに沿って前記第1の次元で移動できる、直線レールと、
前記コリメータの下流に位置付けられ、前記コリメートされたレーザビームを検体上の目標位置に導くように構成されたレンズと
を含むレーザシステム。
[本発明1002]
約700nm~約1mmの範囲の波長を有する赤外光波を含む赤外レーザビームを発生させるように構成された赤外レーザをさらに含む、本発明1001のレーザシステム。
[本発明1003]
約620nm~約700nmの範囲の波長を有する赤色光波を含む赤色レーザビームを発生させるように構成された赤色レーザをさらに含む、本発明1002のレーザシステム。
[本発明1004]
前記赤外レーザビームと前記赤色レーザビームを結合して1つのレーザビームにするように構成された1組の光学部品をさらに含む、本発明1003のレーザシステム。
[本発明1005]
前記コリメータが、前記1つのレーザビームを発散レーザビームとして受け取るように、および前記発散レーザビームを前記コリメートされたレーザビームとして出力するように構成されている、本発明1004のレーザシステム。
[本発明1006]
前記赤外光波を伴う前記コリメートされたレーザビームが前記目標位置で前記検体の構造体に穴を生成することができるように前記赤外レーザを作動させるように構成された制御モジュールをさらに含む、本発明1005のレーザシステム。
[本発明1007]
前記検体が胚であり、前記検体の前記構造体が前記胚の透明帯である、本発明1006のレーザシステム。
[本発明1008]
システムソフトウェアをさらに含み、前記システムソフトウェアによって、ユーザが前記目標位置を選択し、前記制御モジュールに前記赤外レーザを作動させるよう命令することができる、本発明1006のレーザシステム。
[本発明1009]
前記1つのレーザビームを前記コリメータまで伝えるように構成された光ファイバケーブルをさらに含む、本発明1004のレーザシステム。
[本発明1010]
前記赤色光波が前記検体と相互作用した時に前記検体の画像を生成するように構成された、本発明1003のレーザシステム。
[本発明1011]
前記直線レールが矩形の凹部を画定する、本発明1001のレーザシステム。
[本発明1012]
前記支持部材が対応する矩形の凹部を画定する、本発明1011のレーザシステム。
[本発明1013]
前記支持部材を前記直線レールに移動自在に連結するために前記直線レールの前記矩形凹部内および前記支持部材の前記対応する矩形凹部内で同時に摺動するように構成された玉軸受をさらに含む、本発明1012のレーザシステム。
[本発明1014]
前記支持部材が第1の支持部材であり、前記直線レールが第1の直線レールであり、前記レーザシステムが、
前記第1の支持部材が取り付けられた第2の支持部材と、
第2の直線レールであって、前記第1の支持部材、その上に支持された前記コリメータ、および前記コリメータから出力された前記コリメートされたレーザビームが前記第1の次元に直交する第2の次元で移動できるように、前記第2の支持部材が前記第2の直線レールに沿って前記第2の次元で移動できる、第2の直線レールと
をさらに含む、本発明1001のレーザシステム。
[本発明1015]
前記支持部材を前記直線レールに沿って移動させるように構成されたモータをさらに含む、本発明1001のレーザシステム。
[本発明1016]
前記レンズが、前記コリメートされたレーザビームが前記レンズの中心軸から間隔を置いた位置で前記コリメータから出力されたときに、前記コリメートされたレーザビームを前記レンズの前記中心軸に向けて屈折させるように構成されている、本発明1001のレーザシステム。
[本発明1017]
前記レンズの下流に位置付けられ、前記コリメートされたレーザビームを取り込むようにならびに前記コリメートされたレーザビーム内の赤外光波および可視光波を前記検体内の同じ平面で合焦させるように構成された顕微鏡対物レンズをさらに含む、本発明1001のレーザシステム。
[本発明1018]
前記コリメートされたレーザビーム内の赤外光波を反射するように、前記コリメートされたレーザビーム内の可視光波の第1の部分を反射するように、および前記コリメートされたレーザビーム内の前記可視光波の第2の部分を透過させるように構成されたダイクロイックミラーをさらに含む、本発明1001のレーザシステム。
[本発明1019]
前記ダイクロイックミラーが、前記レンズに対して固定された向きで位置付けられている、本発明1018のレーザシステム。
[本発明1020]
前記コリメートされたレーザビーム内の赤外光波の透過を遮断するように構成されたフィルタをさらに含む、本発明1001のレーザシステム。
[本発明1021]
コリメートされたレーザビームを出力するコリメータを担持する支持部材を、直線レールに沿って第1の次元で移動させる工程、および
前記コリメータの下流に位置付けられたレンズを使用して、前記コリメートされたレーザビームを検体上の目標位置に導く工程
を含む、検体上の構造体を切除する方法。
[本発明1022]
約700nm~約1mmの範囲の波長を有する赤外光波を含む赤外レーザビームを発生させる工程をさらに含む、本発明1021の方法。
[本発明1023]
約620nm~約700nmの範囲の波長を有する赤色光波を含む赤色レーザビームを発生させる工程をさらに含む、本発明1022の方法。
[本発明1024]
前記赤外レーザビームと前記赤色レーザビームを結合して1つのレーザビームにする工程をさらに含む、本発明1023の方法。
[本発明1025]
前記コリメータが、前記1つのレーザビームを発散レーザビームとして受け取るように、および前記発散レーザビームを前記コリメートされたレーザビームとして出力するように構成されている、本発明1024の方法。
[本発明1026]
前記赤外光波を伴う前記コリメートされたレーザビームが前記目標位置で前記検体の構造体に穴を生成するように赤外レーザを作動させる工程をさらに含む、本発明1025の方法。
[本発明1027]
前記検体が胚であり、前記検体の前記構造体が前記胚の透明帯である、本発明1026の方法。
[本発明1028]
システムソフトウェアを介して前記目標位置の選択を受け取る工程、および制御モジュールに前記赤外レーザを作動させるよう命令する工程をさらに含む、本発明1026の方法。
[本発明1029]
前記1つのレーザビームを前記コリメータまで伝える工程をさらに含む、本発明1024の方法。
[本発明1030]
前記赤色光波が前記検体と相互作用した時に前記検体の画像を生成する工程をさらに含む、本発明1023の方法。
[本発明1031]
前記直線レールが矩形の凹部を画定する、本発明1021の方法。
[本発明1032]
前記支持部材が対応する矩形の凹部を画定する、本発明1031の方法。
[本発明1033]
前記支持部材を前記直線レールに移動自在に連結するために前記直線レールの前記矩形凹部内および前記支持部材の前記対応する矩形凹部内で同時に玉軸受を動かす工程をさらに含む、本発明1032の方法。
[本発明1034]
前記支持部材が第1の支持部材であり、前記直線レールが第1の直線レールであり、前記方法が、
第2の支持部材を第2の直線レールに沿って第2の次元で移動させる工程であって、前記第2の次元が前記第1の次元に直交しており、前記第2の支持部材が前記第1の支持部材を担持し、そのためそこに取り付けられた前記コリメータと前記コリメータから出力された前記コリメートされたレーザビームとが第2の方向に移動できる、工程
をさらに含む、本発明1021の方法。
[本発明1035]
前記支持部材が、モータによって前記直線レールに沿って移動される、本発明1021の方法。
[本発明1036]
前記レンズが、前記コリメートされたレーザビームが前記レンズの中心軸から間隔を置いた位置で前記コリメータから出力されたときに、前記コリメートされたレーザビームを前記レンズの前記中心軸に向けて屈折させるように構成されている、本発明1021の方法。
[本発明1037]
前記コリメートされたレーザビームを前記レンズの下流に位置付けられた顕微鏡対物レンズ内に取り込む工程、ならびに前記コリメートされたレーザビーム内の赤外光波および可視光波を前記検体内の同じ平面で合焦させる工程をさらに含む、本発明1021の方法。
[本発明1038]
前記コリメートされたレーザビーム内の赤外光波をダイクロイックミラーで反射させる工程、
前記コリメートされたレーザビーム内の可視光波の第1の部分を前記ダイクロイックミラーで反射させる工程、および
前記コリメートされたレーザビーム内の前記可視光波の第2の部分を前記ダイクロイックミラーで透過させる工程
をさらに含む、本発明1021の方法。
[本発明1039]
前記ダイクロイックミラーが、前記レンズに対して固定された向きで位置付けられている、本発明1038の方法。
[本発明1040]
赤外線フィルタを使用して前記コリメートされたレーザビーム内の赤外光波の透過を遮断する工程をさらに含む、本発明1021の方法。
他の局面、特徴、および利点は、以下の説明および添付の図面ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】顕微鏡と共に組み立てられたレーザシステムの図である。
図2図1のレーザシステムのモータモジュールの背面斜視図である。
図3図2のモータモジュールの正面斜視図である。
図4】特定の内部構成要素を視覚化するために様々な構成要素が省略されている図2のモータモジュールの背面斜視図である。
図5】特定の内部構成要素を視覚化するために様々な構成要素が省略されている図2のモータモジュールの正面斜視図である。
図6】特定の内部構成要素を視覚化するために様々な構成要素が省略されている図2のモータモジュールの背面斜視図である。
図7図1のレーザシステム内の様々なレンズの図である。
図8図1のレーザシステムによって生成されたレーザビームの移動を示す図である。
図9図1の顕微鏡の試料容器によって支持された検体の側断面図である。
図10】レーザアブレーションのために選択された位置を有する視野内の図9の検体の上面断面図である。
図11図10で選択された位置でレーザアブレーションによって形成された穴を含む、図10の視野内の図9の検体の上面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
詳細な説明
図1に、生殖補助医療技術(ART)の分野で使用するために適合されたレーザシステム100の図を示す。精細胞による卵母細胞の受精を容易にするために、または体外受精(IVF)の過程の様々な段階における胚の孵化、生検、もしくは崩壊を容易にするために、配偶子または胚のユーザ定義部分(例えば、卵母細胞もしくは胚の透明帯または精細胞の尾部の一部分)を切除するかまたは薄くするためのレーザシステム100は、顕微鏡201、ビデオカメラ203、およびコンピュータ205と共に組み立てられている。いくつかの例では、顕微鏡201、ビデオカメラ203、およびコンピュータ205と共に組み立てられたレーザシステム100を使用して、胚に対する他の顕微手術法を実行することができる。図1に示す顕微鏡201は、標準的な顕微鏡構成要素の中でも特に、ユーザが検体211を見ることができる接眼レンズ207と、検体211を可視化するために検体211を通って透過した光を接眼レンズ207とビデオカメラ203とに導くプリズム209とを含む、倒立顕微鏡である。
【0058】
レーザシステム100は、協働して検体211上の目標位置にレーザビームを送る、制御モジュール102と、モータモジュール104と、光ファイバケーブル106(例えば、光ファイバパッチリード)と、ダイクロイックミラー108と、赤外線(IR)フィルタ110と、対物レンズ112とを含む。レーザシステム100はまた、コンピュータ205にインストールされた、ユーザがレーザシステム100の動作についての命令を提供することができる様々なユーザインターフェースを提供するシステムソフトウェア114(例えば、ビューアソフトウェア)も含む。
【0059】
制御モジュール102は、赤外レーザ(例えば、アブレーションレーザ)および赤色レーザ(例えば、目標設定レーザ)を含む。赤外レーザは、約700nm~約1mmの範囲(例えば、1480nm)の波長を有するレーザビームを発し、赤色レーザは、約620nm~約700nmの可視光範囲(例えば、650nm)の波長を有するレーザビームを発する。制御モジュール102はまた、レーザのパワー出力および作動を制御する電子回路、ならびに2つのレーザビームを結合して赤外エネルギーと赤色エネルギーの両方を運ぶ1つのファイバビーム(例えば、平行な光ファイバ構成要素に沿って互いに平行に進む光線を含むビーム)にする光ファイバ構成要素も含む。光ファイバ構成要素は、制御モジュール102から出るファイバビームを、光ファイバケーブル106内に伝送するために導く。ファイバビームが制御モジュール102の光ファイバ構成要素を出るとき、ファイバビームは発散ビーム(例えば、ビーム源から様々な方向に進む光線を含むビーム)の形態をとる。制御モジュール102は、典型的には、(例えば、作業台上に)顕微鏡201に近接して(例えば、顕微鏡201から約1.0m~約2.0m)配置される。
【0060】
光ファイバケーブル106は、制御モジュール102から発散ビームを受け取り、発散ビームは光ファイバケーブル106内でファイバビームの形態をとる。光ファイバケーブル106は、ファイバビームを保護する可撓性金属(例えば、ステンレス鋼)ジャケットを含む。光ファイバケーブル106は、典型的には、約1.0m~約2.0m(例えば、1.5m)の長さを有し、制御モジュール102からモータモジュール104にファイバビームを最適に伝送するように構成される。ファイバビームは、ファイバビームが光ファイバケーブル106を出るとき、再び発散ビームになる。モータモジュール104は、図2図6に関連して以下でより詳細に論じるように、光ファイバケーブル106を出た発散ビームを受け取り、発散ビームをコリメートしてコリメートビーム116(例えば、互いに平行に向けられた光線を含むビーム)を形成し、コリメートビーム116をダイクロイックミラー108に導くように構成される。
【0061】
ダイクロイックミラー108は、コリメートビーム116内の赤外エネルギー(例えば、約700nm~約2mmの範囲の波長を有する光線)の約100%を対物レンズ112に向けて反射する(例えば、モータモジュール104に面した)前面118を含む。前面118は、典型的には、コリメートビーム116内の赤色エネルギー(例えば、約620nm~約700nmの範囲の波長を有する光線)の約50%を対物レンズ112に向けて反射し、コリメートビーム116内の残りの赤色エネルギー(例えば、約620nm~約700nmの範囲の波長を有する光線)を透過させる(例えば通過させる)。ダイクロイックミラー108の前面118はまた、検体211から反射された可視光(例えば、約400nm~約700nmの波長を有する光線)をダイクロイックミラー108の背面120へ透過させる。場合によっては、前面118は、前面118の光透過性および光反射性に寄与しうる1つまたは複数の薄膜光学コーティングで被覆されている。場合によっては、背面120は、反射された可視光の顕微鏡201のプリズム209への透過に寄与しうる1つまたは複数の薄膜反射防止コーティングで被覆されている。ダイクロイックミラー108は、図1図7および図8では任意の角度に向けて示されているが、いくつかの態様では、ダイクロイックミラー108は、走査レンズ130の中心軸から約30°~約60°(例えば、約45°)の角度で向けられる。したがって、ダイクロイックミラー108は、対物レンズ112の中心軸から約30°~約60°(例えば、約45°)の角度で向けられる。
【0062】
IRフィルタ110は、赤外光が接眼レンズ207内に入り、したがってユーザの目に届くのを防ぐように、ダイクロイックミラー108の前面118および背面120を通過しようとする(例えば、検体211から反射されるか、検体211を支持する試料容器から反射されるか、またはモータモジュール104から伝送される)任意の少量の赤外光を遮断するためにダイクロイックミラー108とプリズム209との間に位置付けられる。プリズム209に入射する光は、屈折され、検体211を可視化するための接眼レンズ207と、検体211の画像および/またはビデオを取り込むためのビデオカメラ203の両方に導かれる。ビデオカメラ203によって取り込まれた画像およびビデオは、ユーザインターフェース上に表示される視野117および十字線119に関連して以下で詳細に論じるように、コンピュータ205のモニタ上でシステムソフトウェア114によって提供されるユーザインターフェース上に表示される。
【0063】
対物レンズ112は、対物レンズ112の入射瞳122でコリメートビーム116を受け取り、コリメートビーム116内の赤外光および可視光を検体211内の同一平面で合焦させるように構成されたカスタム対物レンズである。したがって、ユーザは、可視光を検体211内の所望の平面で合焦させさえすればよく、そのような合焦により、赤外光も同じ平面で合焦することになる。さらに、対物レンズ112は、コリメートビーム116内の赤外光の検体211への伝播を増加(例えば、最大化)させるように構成される。対物レンズ112は、例えば、可能な限り高い赤外エネルギー部分を伝播させることができる。対照的に、標準的な顕微鏡対物レンズは、典型的には、可視光または可視光のすぐ外側の光を合焦させることができるにすぎない。これに関して、対物レンズ112は、赤外光と可視光を同じ平面で合焦させることができない多くの標準的な顕微鏡対物レンズでは達成できない光学的特徴を提供する。このような合焦を標準的な顕微鏡対物レンズで行おうとすると、一般に、後方反射と吸収とにより赤外エネルギーの大部分を損失する結果となる。
【0064】
図2図6に、モータモジュール104の様々な斜視図を示す。内部構成要素を露出させるために図4図6ではモータモジュール104の特定の構成要素が省略されている。モータモジュール104は、光ファイバケーブル106を出た発散ビームを受け取り、発散ビームをコリメートしてコリメートビーム116を形成し、検体211上の目標位置に従ってコリメートビーム116を所望の位置に移動させ、コリメートビーム116をダイクロイックミラー108に導くように適合される。特に図4図6を参照すると、モータモジュール104は、モータモジュール104が電源アダプタによって電力供給されることを可能にする電源ソケット124と、光ファイバケーブル106を出た発散ビームを受け取る可撓性内部光ファイバケーブル126(例えば、光ファイバパッチリード)とを含む。発散ビームは、光ファイバケーブル126内でファイバビームの形態をとり、光ファイバケーブル126を出ると再び発散ビームになる。モータモジュール104はまた、光ファイバケーブル126を出た発散ビームをコリメートしてコリメートビーム116を形成するコリメータ128と、コリメートビーム116をダイクロイックミラー108に向ける走査レンズ130と、コリメータ128を走査レンズ130に対して移動させるビーム位置決めシステム132とを含む。
【0065】
図2および図3を参照すると、モータモジュール104の内部構成要素は、上側ハウジング部分134と、下側ハウジング部分136と、コリメートビーム116がモータモジュール104を出るために通るレンズ支持体140を画定する前面パネル138と、背面パネル142とに取り囲まれている。背面パネル142は、光ファイバケーブル106、126が取り付けられるコネクタ144を支持する開口部を画定し、電源ケーブルを通すことができる開口部146を画定し、コンピュータ205からモータモジュール104にコマンドを送信するためにUSBケーブルを挿入することができる開口部148を画定する。
【0066】
図4および図5を参照すると、ビーム位置決めシステム132は、コリメータ128が取り付けられた後部支持ブロック150と、コリメータ128が貫通して延びる前部支持ブロック152と、後部支持ブロック150が垂直方向に移動するための垂直スライド機構154と、前部支持ブロック152が水平方向に移動するための2つの水平スライド機構156とを含む。前部支持ブロック152は、垂直スライド機構154と協働して後部支持ブロック150が垂直方向に移動するための一体型垂直スライド機構158を含む。ビーム位置決めシステム132は、後部支持ブロック150が垂直スライド機構154、158に沿って移動するための後部モータアセンブリ160と、前部支持ブロック152が水平スライド機構156に沿って移動するための前部モータアセンブリ162とをさらに含む。
【0067】
図4図6を参照すると、後部支持ブロック150は、2つのボールトラック166が中に設けられた、対向する側面に沿った矩形凹部164を画定する。垂直スライド機構154、156は、2つのボールトラック166が中に設けられた矩形凹部172、174を同様に画定する、垂直バー168、170を含む。各垂直スライド機構154、156は、ボールケージ176と、後部支持ブロック150が後部モータアセンブリ160によって垂直方向に並進されたときに矩形凹部164、172、174内でボールトラック166に沿って転動可能である関連付けられた玉軸受178とをさらに含む。上下の面に沿って、前部支持ブロック152は、2つのボールトラック166が中に設けられた矩形凹部180を画定する。各水平スライド機構156は、前面パネル138に取り付けられており、2つのボールトラック166が中に設けられた矩形凹部184を同様に画定する水平バー182を含む。各水平スライド機構156は、ボールケージ176と、前部支持ブロック152が前部モータアセンブリ162によって水平方向に並進されたときに矩形凹部184内でボールトラック166に沿って転動可能である関連付けられた玉軸受178とをさらに含む。
【0068】
いくつかの態様では、後部支持ブロック150は、約0.6cm~約1.0cm(例えば約0.8cm)の高さ、約3.0cm~約5.0cm(例えば約4.0cm)の長さ、および約3.0cm~約4.0cm(例えば、約3.2cm)の幅を有する。凹部164は、約4.0mm~約6.0mm(例えば、約5.0mm)の幅および約1.0mm~約2.0mm(例えば、約1.5mm)の深さを有する。いくつかの態様では、前部支持ブロック152は、約1.0cm~約2.0cm(例えば、約1.7cm)の高さ、約4.0cm~約6.0cm(例えば、約5.0cm)の長さ、および約3.0cm~約4.0cm(例えば、約3.5cm)の幅を有する。凹部180は、凹部164とほぼ同じ幅およびほぼ同じ深さを有する。いくつかの態様では、垂直バーおよび水平バー168、170、182は、約3.0cm~約5.0cm(例えば、約4.0cm)の長さを有し、凹部172、174、184は、凹部164、180とほぼ同じ幅およびほぼ同じ深さを有する。いくつかの態様では、ボールケージ176は、約3.0cm~約5.0cm(例えば、約4.0cm)の長さ、約0.4cm~約0.8cm(例えば、約0.6cm)の幅、および約0.1cm~約0.3cm(例えば、約0.2cm)の厚さを有する。いくつかの態様では、内部光ファイバケーブル126の長さは、約10.0cm~約20.0cm(例えば、約16.0cm)である。いくつかの態様では、上側ハウジング部分および下側ハウジング部分134、136は、約6.0cm~約10.0cm(例えば、約8.0cm)の長さおよび約7.0cm~約10.0cm(例えば、約8.0cm)の幅を有する。いくつかの態様では、モータモジュール104は、約5.0cm~約8.0cm(例えば、約6.0cm)の最大高さを有する。モータモジュール104のコンパクトなサイズおよび構成により、レーザシステム100は、顕微鏡(例えば、顕微鏡201)、ならびにIVFおよび他のART法で典型的に使用される他の標準的な装置との併用に適したものになる。
【0069】
いくつかの態様では、支持ブロック150、152、垂直バーおよび水平バー168、170、ボールケージ176、ハウジング部分134、136、背面パネル142、ならびに前面パネル138は、アルミニウム(例えば、Al 6082T6もしくはAl 5251-H22)などの金属、ポリカーボネート、または他のポリマーを含む1つまたは複数の材料で作られており、陽極酸化アルミニウムを含む1つもしくは複数の材料、または塗料で被覆されうる。いくつかの態様では、支持ブロック150、152、垂直バーおよび水平バー、ハウジング部分134、136、背面パネル142、および前面パネル138は、フライス加工、鋳造、または金属レーザ焼結によって製造される。支持ブロック150、152内ならびに垂直バーおよび水平バー168、170、182内の矩形凹部164、172、174、180、184を選択することにより、湾曲した形体を有する移動スライドを含む他のレーザシステムにおけるモータモジュール構成要素を製造するために成し遂げなければならないより困難な製造要件と比較して、支持ブロック150、152ならびに垂直バーおよび水平バー168、170、182の製造(例えば、これらの構成要素を必要な精度で製造すること)を容易にする真っ直ぐな(例えば直線の)スライド形体が得られる。
【0070】
さらに図4図6を参照すると、後部モータアセンブリ160は、一体型垂直スライド機構158に取り付けられた後部モータ186(例えば、圧電リニアモータ)と、後部モータ186によって垂直方向に並進可能な垂直駆動バー188と、後部支持ブロック150に取り付けられた上側移動ブロックおよび下側移動ブロック190、192と、上側移動ブロックおよび下側移動ブロック190、192を、垂直駆動バー188と、下側移動ブロック192に連結されたコネクタプレート196とに連結する移動止めボール194とを含む。いくつかの態様では、垂直駆動バー188は、約2.0cm~約4.0cm(例えば、約3.0cm)の高さを有し、垂直方向に約1.0cm~約2.0cmだけ移動可能である(例えば、それによって後部支持ブロック150を移動させる)。前部モータアセンブリ162は、前部支持ブロック152に取り付けられた前部モータ198(例えば、圧電リニアモータ)と、前部モータ198によって水平方向に並進可能な水平駆動バー101と、前部支持ブロック152に取り付けられた移動ブロック103とを含む。いくつかの態様では、水平駆動バー101は、約2.0cm~約4.0cm(例えば、約3.0cm)の長さを有し、水平方向に約1.0cm~約2.0cmだけ移動可能である(例えば、それによって前部支持ブロック152を移動させる)。
【0071】
いくつかの態様では、駆動バー101、188および移動ブロック103、190、192は、アルミニウム(例えば、Al 6082T6もしくはAl 5251-H22)などの金属、ポリカーボネート、またはセラミックを含む1つまたは複数の材料で作られており、陽極酸化アルミニウムを含む1つもしくは複数の材料、または塗料で被覆されうる。いくつかの態様では、駆動バー101、188および移動ブロック103、190、192は、フライス加工、鋳造、または金属レーザ焼結によって製造される。
【0072】
レーザシステム100は、レーザシステム100の機能に関与する他の標準的な電気的および機械的構成要素(例えば、回路構成要素、電源構成要素、機械的ファスナ、機械的支持部材)を含むことを理解されたい。
【0073】
図7に、レーザシステム100内の様々なレンズの図を示す。コリメータ128は、制御モジュール102から受け取った発散ビームをコリメートするように協働する第1のレンズ105(例えば、シングレット)および第2のレンズ107(例えば、ダブレット)を含む。上述したように、コリメータ128は、2つの異なる次元で移動することができる。レンズ105、107は、例示のためにコリメータ128の2つの異なる位置に示されている。走査レンズ130は、走査レンズ130の一方の側を走査レンズ130の他方の側から区別することを容易にする第1の(左側の)ベベル109と第2の(右側の)ベベル111とを有するダブレットである。走査レンズ130は、コリメートビーム116が対物レンズ112の入射瞳122へ導かれるようにコリメートビーム116を屈折させる。対物レンズ112は、コリメートビーム116を検体211上に合焦させる2つのレンズ113、115(例えば、ダブレット)を含む。
【0074】
いくつかの態様では、コリメータ128の第1のレンズおよび第2のレンズ105、107は、それぞれ、約5.0mm~約6.0mm(例えば、約5.5mm)および約5.0mm~約7.0mm(例えば約6.0mm)の直径を有する。いくつかの態様では、内部ファイバとコリメータ128の第1のレンズ105との間の距離が、約10.0mm~約15.0mm(例えば、約13.9mm)である。いくつかの態様では、コリメータ128の第1のレンズ105と第2のレンズ107との間の距離が、約0.5mm~約3.0mm(例えば、約0.6mm)である。いくつかの態様では、走査レンズ130は、約20.0mm~約30.0mm(例えば、約25.0mm)の直径を有する。いくつかの態様では、走査レンズ130の第1のベベル109は約0.5mm~約1.5mm(例えば、約1.1mm)の長さを有し、走査レンズ130の第2のベベル111は約0mm~約0.5mm(例えば、約0.3mm)の長さを有する。いくつかの態様では、コリメータ128の第2のレンズ107と走査レンズ130との間の距離が、約8.0mm~約14.0mm(例えば、約11.0mm)である。いくつかの態様では、走査レンズ130と対物レンズ112の入射瞳122との間の総距離(例えば、ダイクロイックミラー108を含む光路に沿った総距離)が、約160.0mm~約200.0mm(例えば、171.9mm)である。コリメータレンズ105、107、走査レンズ130、および対物レンズ113、115は、1つまたは複数の材料(例えば、光学ガラスまたは別のタイプのガラス)で作られていてよい。
【0075】
図8に、コリメートビーム116の動きを一次元におけるコリメータ128の移動の関数として示す図を示す。位置1で、コリメータ128は走査レンズ130と中心でアライメントされており、そのためコリメートビーム116(破線で示されている)は、走査レンズ130によるコリメートビーム116の屈折なしに、走査レンズ130の中心軸に沿って、ダイクロイックミラー108上の関連付けられた点へ、および対物レンズの中心軸に沿って、検体211上の焦点面213へと伝送される。位置2で、コリメータ128は、走査レンズ130の中心軸から間隔を置いて配置されており、そのためコリメートビーム116(一点鎖線で示されている)は、ダイクロイックミラー108上の関連付けられた点(明確にするため省略されている)へ導かれ、対物レンズ112の入射瞳122に入り、入射瞳122から焦点面213へと伝送されるために、走査レンズ130によって屈折される。
【0076】
図示されているように、コリメータ128を走査レンズ130の中心軸から離すと、走査レンズ130によってコリメートビーム116が屈折することになり、このため、コリメートビーム116が検体211上に合焦するように対物レンズ112の入射瞳122に取り込まれることが保証される。走査レンズ130の屈折性能により、走査レンズ130は、移動するコリメートビーム116を、ダイクロイックミラー108を移動させずにレーザシステム100の光路に沿った所望の位置に導くことができる(すなわち、ダイクロイックミラー108は、光路に沿って走査レンズ130に対して固定された位置および固定された向きで位置付けられている)。ダイクロイックミラー108のこのような移動を回避することにより、レーザビームの所望の目標設定のためにダイクロイックミラーの振動またはその他の移動を必要とする他のレーザシステム(例えば、共焦点走査顕微鏡)と比較して、レーザシステム100の動作が簡略化される。図8ではコリメータ128の移動が一次元のみで示されているが、第2の直交する次元でのコリメータ128の移動が、図8に示されているものと同じ原理によって特徴付けられることを理解されたい。
【0077】
動作に際して、ユーザは、レーザシステム100の制御モジュール102の電源を入れ、モータモジュール104に初期設定プロセスを行わせ、その間、モータアセンブリ160、162の機能状態が2色(例えば、赤色/緑色)のLEDで表示される。LEDがモータアセンブリ160、162の不適切な機能を示す場合には、制御モジュール102は、診断および修理のためにモータ制御を使用不可にする。LEDがモータアセンブリ160、162の適切な機能を示す場合には、ユーザは、システムソフトウェア114が制御モジュール102およびモータアセンブリ160、162と通信して、ユーザインターフェースにレーザ制御機能を表示するように、コンピュータ205およびシステムソフトウェア114を起動することができる。次いで、ユーザは、対物レンズ112を空の試料容器に合焦させ、モータ較正手順を実行する。モータ較正手順は、モータ座標をユーザインターフェース上の画面画素にマップするための、モータ186、198のソフトウェア命令による様々な位置への移動および(例えば、クリックによる)ユーザインターフェース上の関連付けられる点の識別を伴う。
【0078】
図9図11を参照すると、次いでユーザは、対物レンズ112の真上に位置する顕微鏡201のステージ上に検体211を支持する試料容器215(例えば、ペトリ皿)を配置する。ユーザは、ビデオカメラ203によって取り込まれてユーザインターフェースに表示される視野117(図1参照)内に容器215を位置付け、対物レンズ112を使用して検体211を通る平面213(すなわち、検体211の中央平面)に合焦する。場合によっては、ユーザは次いで、ピペットを使用して試料容器215の底部の所定位置に検体211を保持してもよい。ユーザは、ユーザインターフェースに表示された視野117に重ね合わされた画面上の十字線119を動かすことによって、レーザアブレーションのために検体211上(例えば、胚の透明帯上)の目標位置を選択する。次いでユーザは、画面上の選択ツール(例えば、調節可能なバー、+/-ボタン、入力フィールド)を使用して、目標位置で切除するための穴のサイズを提供する。システムソフトウェア114は、選択されたサイズの穴を形成するのに必要なレーザパルス長(例えば、典型的には約15μs~約1000μsの範囲内)を計算する。システムソフトウェア114は、必要に応じてユーザが選択された穴のサイズをしかるべく変更できるように、穴のサイズのプレビューをユーザインターフェース上に表示する。システムソフトウェア114は、事前に決定された座標マッピングを使用してモータ座標を計算し、モータ186、198に、垂直スライド機構および水平スライド機構154、156、158を介して選択された位置まで移動するよう命令する。
【0079】
モータが目標位置に到達すると、システムソフトウェア114は、ユーザインターフェース上に作動(例えば、「クリックして発射」)ボタンを表示する。次いでユーザは、作動ボタンをクリックし、システムソフトウェア114は制御モジュール102に、計算されたパルス持続時間で赤外レーザを発射して検体211に穴121を形成するよう命令する。いくつかの例では、穴121は、検体211の構造体(例えば、胚の透明帯)に開口部を形成する。いくつかの例では、穴121は、検体211の構造体(例えば、胚の透明帯)の断面全体を貫通する開口部を形成せずに検体211の構造体を薄くするポケットとして形成される。場合によっては、ユーザは、構造体に形成された穴121を拡大するためまたは構造体をさらに薄くするために、システムに同じ目標位置で、または近くの位置で追加のレーザパルスを発射するよう命令する。処置の間の任意の時点で、ユーザはソフトウェアに、検体211のビデオおよび/または静止画像を取り込みかつ/またはコンピュータ205のデータストアに格納するよう命令することができる。ユーザが処置を完了すると、ユーザはシステムソフトウェア114を閉じ、コンピュータ205の電源を切ってから、レーザシステム100の制御モジュール102の電源を切る。続いて検体211を、標準的なプロトコルに従って、1つまたは複数の所望のIVFまたは他のART法で使用することができる。
【0080】
以上では特定の態様について説明したが、他の態様も可能である。
【0081】
例えば、いくつかの態様では、レーザシステムは、上述したものとは異なる構成要素寸法および構成要素材料を有する。
【0082】
レーザシステム100は、倒立顕微鏡(例えば、顕微鏡201)と併用可能であるとして説明されているが、いくつかの態様では、レーザシステム100は正立顕微鏡と併用可能でありうる。
【0083】
レーザシステム100は、約700nm~約1mmの範囲の波長を有するレーザビームを発する赤外レーザを含むとして説明されているが、いくつかの態様では、レーザシステムは、約700nm~約2000nmの範囲の波長を有するレーザビームを発する赤外レーザを含む。
【0084】
走査レンズ130は、光学ガラスで作られたダブレットとして説明されているが、いくつかの態様では、レーザシステムは、レーザシステム100に関連して上述したものと同様の光学的効果を達成するための異なるタイプの走査レンズまたは異なるタイプのガラスで作られた走査レンズを含む。
【0085】
レーザシステム100は、支持ブロック150、152を直線バー168、170、182に連結するためのボールケージ176および玉軸受178を含むとして説明されているが、いくつかの態様では、レーザシステムは、支持ブロックをモータモジュールの直線バーに連結する屈曲ヒンジなどの異なるタイプの移動機構を使用する。
【0086】
モータ186、198は圧電リニアモータとして説明されているが、いくつかの態様では、レーザシステムは、ステッピングモータまたはDCモータなどの他のタイプのモータを有するモータモジュールを含む。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11