IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図1
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図2
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図3
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図4
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図5
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図6
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230406BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021212302
(22)【出願日】2021-12-27
【審査請求日】2022-02-25
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】高山 伸也
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/168651(WO,A1)
【文献】特開2021-051541(JP,A)
【文献】国際公開第2012/108539(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末がそれぞれに位置した位置と時間を示す情報を含むユーザ端末位置データを取得するユーザ端末位置データ取得部と、
前記ユーザ端末位置データに基づいて、所定の個別エリアの属性に基づいて設定された第1の期間帯において前記個別エリアに位置したユーザ端末の数である第1の数値を特定するユーザ端末特定部と、
前記第1の期間帯における前記個別エリアに滞在する滞在人口である第2の数値を記憶する記憶部と、
前記第2の数値と前記第1の数値との関係を示す第3の数値を算出する第1の算出部と、
複数の前記個別エリアを含む対象エリアと、前記対象エリアに含まれる前記複数の個別エリアの前記第1の期間帯のうち少なくとも一部を含む対象期間帯との指定を受付ける受付部と、
前記対象期間帯において前記対象エリアに滞在した滞在人口の推定値を算出する第2の算出部と、
を備え、
前記ユーザ端末特定部は、前記対象エリアに含まれる前記複数の個別エリアのうち前記第1の期間帯が前記対象期間帯に含まれる個別エリアである対象個別エリア毎に、前記ユーザ端末位置データに基づいて、前記対象期間帯に含まれる対象個別エリアの前記第1の期間帯において対象個別エリアに位置したユーザ端末の数である第4の数値を特定し、
前記第2の算出部は、前記第4の数値が特定された対象個別エリア毎に、対象個別エリアの前記第4の数値と対象個別エリアに設定された前記第3の数値とに基づいて、前記対象期間帯に含まれる対象個別エリアの前記第1の期間帯において対象個別エリアに滞在した滞在人口の推定値を算出し、
前記第2の算出部は、算出した全ての対象個別エリアの滞在人口の推定値を合計し、当該合計値を、前記対象期間帯において前記対象エリアに滞在した滞在人口の推定値に
前記個別エリアは施設のエリアであり、
前記第2の数値は前記施設に滞在する滞在人口であり、
前記第1の算出部は、個別エリア毎に、個別エリアの施設の種類に基づいて設定された算出方法により前記第3の数値を算出し、
前記第3の数値の算出方法は、施設の種類毎に予め設定され、
前記第3の数値の算出方法は、前記第1の数値を重み付ける第1の重み係数と前記第2の数値を重み付ける第2の重み係数とを用いて前記第3の数値を算出し、
前記第1の重み係数は、施設の種類による前記第1の数値の精度に基づいて予め決定された値であり、
前記第2の重み係数は、施設の種類による前記第2の数値の精度に基づいて予め決定された値である、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の数値は、前記施設が公開した情報に基づいた数値である、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の期間帯は、施設の活動期間帯である、
請求項又はのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の期間帯は、施設の属性に基づいて設定された活動期間帯である、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第3の数値は、前記第1の数値と前記第2の数値との比を示す数値である、
請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ端末特定部は、前記第1の数値を特定する際に、前記第1の期間帯において複数の個別エリアに位置したユーザ端末については、最長期間位置した個別エリアを特定し、特定された個別エリアに限定して前記第1の数値に算入する、
請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザ端末特定部は、前記ユーザ端末位置データに基づいて、前記対象期間帯において前記対象エリア内の各施設に位置したユーザ端末の数を特定し、
前記第2の算出部は、特定された各施設に位置したユーザ端末の数と前記第3の数値とに基づいて、前記対象期間帯において前記各施設に滞在した滞在人口の推定値を算出する、
請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ユーザ端末位置データは、ユーザ端末のユーザの属性を示すユーザ属性情報を含み、
前記ユーザ端末特定部は、前記ユーザ端末位置データに基づいて、前記対象期間帯において前記対象エリア内の各施設に位置したユーザ端末の数を、前記属性毎に特定し、
前記第2の算出部は、前記属性毎に、特定された各施設に位置したユーザ端末の数と前記第3の数値とに基づいて、前記対象期間帯において前記各施設に滞在した滞在人口の推定値を算出する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ユーザ端末特定部は、前記対象エリア内の各施設に位置したユーザ端末の数を特定する際に、前記対象期間帯において複数の施設に位置したユーザ端末については、最長期間位置した施設を特定し、特定された施設に限定してユーザ端末の数に算入する、
請求項又はのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
複数のユーザ端末がそれぞれに位置した位置と時間を示す情報を含むユーザ端末位置データを取得するユーザ端末位置データ取得ステップと、
前記ユーザ端末位置データに基づいて、所定の個別エリアの属性に基づいて設定された第1の期間帯において前記個別エリアに位置したユーザ端末の数である第1の数値を特定するユーザ端末特定ステップと、
前記第1の期間帯における前記個別エリアに滞在する滞在人口である第2の数値を記憶する記憶ステップと、
前記第2の数値と前記第1の数値との関係を示す第3の数値を算出する第1の算出ステップと、
複数の前記個別エリアを含む対象エリアと、前記対象エリアに含まれる前記複数の個別エリアの前記第1の期間帯のうち少なくとも一部を含む対象期間帯との指定を受付ける受付ステップと、
前記対象期間帯において前記対象エリアに滞在した滞在人口の推定値を算出する第2の算出ステップと、を含み、
前記ユーザ端末特定ステップは、前記対象エリアに含まれる前記複数の個別エリアのうち前記第1の期間帯が前記対象期間帯に含まれる個別エリアである対象個別エリア毎に、前記ユーザ端末位置データに基づいて、前記対象期間帯に含まれる対象個別エリアの前記第1の期間帯において対象個別エリアに位置したユーザ端末の数である第4の数値を特定し、
前記第2の算出ステップは、前記第4の数値が特定された対象個別エリア毎に、対象個別エリアの前記第4の数値と対象個別エリアに設定された前記第3の数値とに基づいて、前記対象期間帯に含まれる対象個別エリアの前記第1の期間帯において対象個別エリアに滞在した滞在人口の推定値を算出し、
前記第2の算出ステップは、算出した全ての対象個別エリアの滞在人口の推定値を合計し、当該合計値を、前記対象期間帯において前記対象エリアに滞在した滞在人口の推定値に
前記個別エリアは施設のエリアであり、
前記第2の数値は前記施設に滞在する滞在人口であり、
前記第1の算出ステップは、個別エリア毎に、個別エリアの施設の種類に基づいて設定された算出方法により前記第3の数値を算出し、
前記第3の数値の算出方法は、施設の種類毎に予め設定され、
前記第3の数値の算出方法は、前記第1の数値を重み付ける第1の重み係数と前記第2の数値を重み付ける第2の重み係数とを用いて前記第3の数値を算出し、
前記第1の重み係数は、施設の種類による前記第1の数値の精度に基づいて予め決定された値であり、
前記第2の重み係数は、施設の種類による前記第2の数値の精度に基づいて予め決定された値である、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エリア内に滞在する複数のユーザの端末の位置情報と、ユーザの属性とを対応付けた情報を分析依頼者に提供するための技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術は、分析依頼者が指定したエリア内に滞在する複数のユーザの属性の分析結果を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6918161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に記載された技術では、分析依頼者が指定したエリア内において、例えばビルやショッピングセンター等の施設毎に、施設に応じた滞在人口の分析を行うことが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、施設毎に施設に応じた滞在人口の分析を行うことを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数のユーザ端末がそれぞれに位置した位置と時間を示す情報を含むユーザ端末位置データを取得するユーザ端末位置データ取得部と、前記ユーザ端末位置データに基づいて、所定の個別エリアの属性に基づいて設定された第1の期間帯において前記個別エリアに位置したユーザ端末の数である第1の数値を特定するユーザ端末特定部と、前記第1の期間帯における前記個別エリアに滞在する滞在人口である第2の数値を記憶する記憶部と、前記第2の数値と前記第1の数値との関係を示す第3の数値を算出する第1の算出部と、複数の前記個別エリアを含む対象エリアと、前記対象エリアに含まれる前記複数の個別エリアの前記第1の期間帯のうち少なくとも一部を含む対象期間帯との指定を受付ける受付部と、前記対象期間帯において前記対象エリアに滞在した滞在人口の推定値を算出する第2の算出部と、を備え、前記ユーザ端末特定部は、前記対象エリアに含まれる前記複数の個別エリアのうち前記第1の期間帯が前記対象期間帯に含まれる個別エリアである対象個別エリア毎に、前記ユーザ端末位置データに基づいて、前記対象期間帯に含まれる対象個別エリアの前記第1の期間帯において対象個別エリアに位置したユーザ端末の数である第4の数値を特定し、前記第2の算出部は、前記第4の数値が特定された対象個別エリア毎に、対象個別エリアの前記第4の数値と対象個別エリアに設定された前記第3の数値とに基づいて、前記対象期間帯に含まれる対象個別エリアの前記第1の期間帯において対象個別エリアに滞在した滞在人口の推定値を算出し、前記第2の算出部は、算出した全ての対象個別エリアの滞在人口の推定値を合計し、当該合計値を、前記対象期間帯において前記対象エリアに滞在した滞在人口の推定値に前記個別エリアは施設のエリアであり、前記第2の数値は前記施設に滞在する滞在人口であり、前記第1の算出部は、個別エリア毎に、個別エリアの施設の種類に基づいて設定された算出方法により前記第3の数値を算出し、前記第3の数値の算出方法は、施設の種類毎に予め設定され、前記第3の数値の算出方法は、前記第1の数値を重み付ける第1の重み係数と前記第2の数値を重み付ける第2の重み係数とを用いて前記第3の数値を算出し、前記第1の重み係数は、施設の種類による前記第1の数値の精度に基づいて予め決定された値であり、前記第2の重み係数は、施設の種類による前記第2の数値の精度に基づいて予め決定された値である、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第2の数値は、前記施設が公開した情報に基づいた数値である、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第1の期間帯は、施設の活動期間帯である、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第1の期間帯は、施設の属性に基づいて設定された活動期間帯である、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第3の数値は、前記第1の数値と前記第2の数値との比を示す数値である、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ユーザ端末特定部は、前記第1の数値を特定する際に、前記第1の期間帯において複数の個別エリアに位置したユーザ端末については、最長期間位置した個別エリアを特定し、特定された個別エリアに限定して前記第1の数値に算入する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ユーザ端末特定部は、前記ユーザ端末位置データに基づいて、前記対象期間帯において前記対象エリア内の各施設に位置したユーザ端末の数を特定し、前記第2の算出部は、特定された各施設に位置したユーザ端末の数と前記第3の数値とに基づいて、前記対象期間帯において前記各施設に滞在した滞在人口の推定値を算出する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ユーザ端末位置データは、ユーザ端末のユーザの属性を示すユーザ属性情報を含み、前記ユーザ端末特定部は、前記ユーザ端末位置データに基づいて、前記対象期間帯において前記対象エリア内の各施設に位置したユーザ端末の数を、前記属性毎に特定し、前記第2の算出部は、前記属性毎に、特定された各施設に位置したユーザ端末の数と前記第3の数値とに基づいて、前記対象期間帯において前記各施設に滞在した滞在人口の推定値を算出する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ユーザ端末特定部は、前記対象エリア内の各施設に位置したユーザ端末の数を特定する際に、前記対象期間帯において複数の施設に位置したユーザ端末については、最長期間位置した施設を特定し、特定された施設に限定してユーザ端末の数に算入する、情報処理装置である。
【0007】
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、複数のユーザ端末がそれぞれに位置した位置と時間を示す情報を含むユーザ端末位置データを取得するユーザ端末位置データ取得ステップと、前記ユーザ端末位置データに基づいて、所定の個別エリアの属性に基づいて設定された第1の期間帯において前記個別エリアに位置したユーザ端末の数である第1の数値を特定するユーザ端末特定ステップと、前記第1の期間帯における前記個別エリアに滞在する滞在人口である第2の数値を記憶する記憶ステップと、前記第2の数値と前記第1の数値との関係を示す第3の数値を算出する第1の算出ステップと、複数の前記個別エリアを含む対象エリアと、前記対象エリアに含まれる前記複数の個別エリアの前記第1の期間帯のうち少なくとも一部を含む対象期間帯との指定を受付ける受付ステップと、前記対象期間帯において前記対象エリアに滞在した滞在人口の推定値を算出する第2の算出ステップと、を含み、前記ユーザ端末特定ステップは、前記対象エリアに含まれる前記複数の個別エリアのうち前記第1の期間帯が前記対象期間帯に含まれる個別エリアである対象個別エリア毎に、前記ユーザ端末位置データに基づいて、前記対象期間帯に含まれる対象個別エリアの前記第1の期間帯において対象個別エリアに位置したユーザ端末の数である第4の数値を特定し、前記第2の算出ステップは、前記第4の数値が特定された対象個別エリア毎に、対象個別エリアの前記第4の数値と対象個別エリアに設定された前記第3の数値とに基づいて、前記対象期間帯に含まれる対象個別エリアの前記第1の期間帯において対象個別エリアに滞在した滞在人口の推定値を算出し、前記第2の算出ステップは、算出した全ての対象個別エリアの滞在人口の推定値を合計し、当該合計値を、前記対象期間帯において前記対象エリアに滞在した滞在人口の推定値に前記個別エリアは施設のエリアであり、前記第2の数値は前記施設に滞在する滞在人口であり、前記第1の算出ステップは、個別エリア毎に、個別エリアの施設の種類に基づいて設定された算出方法により前記第3の数値を算出し、前記第3の数値の算出方法は、施設の種類毎に予め設定され、前記第3の数値の算出方法は、前記第1の数値を重み付ける第1の重み係数と前記第2の数値を重み付ける第2の重み係数とを用いて前記第3の数値を算出し、前記第1の重み係数は、施設の種類による前記第1の数値の精度に基づいて予め決定された値であり、前記第2の重み係数は、施設の種類による前記第2の数値の精度に基づいて予め決定された値である、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、施設毎に施設に応じた滞在人口の分析を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係るユーザ端末位置データの構成例を示す図である。
図4】一実施形態に係る施設特定データの構成例を示す図である。
図5】一実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すフローチャートである。
図6】一実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すフローチャートである。
図7】一実施形態に係る情報処理方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報提供システムの構成例を示すブロック図である。図1において、情報処理装置1は、通信回線を介して分析依頼者端末2とデータを送受する。分析依頼者端末2は、分析依頼者が使用する端末である。分析依頼者は、分析依頼者端末2により、情報処理装置1に対して、分析対象となるエリア(対象エリア)及び期間帯(対象期間帯)等の指定を行う。情報処理装置1は、分析依頼者端末2から受付けた対象エリア及び対象期間帯等の指定に基づいた分析結果を分析依頼者端末2へ提供する。
【0011】
情報処理装置1は、通信回線を介してデータベース3とデータを送受する。データベース3は、移動通信ネットワークNWに接続するユーザ端末4の位置の履歴を示す端末位置履歴情報や、ユーザ端末4を使用するユーザの属性を示すユーザ属性情報や、地図データや、地図データに含まれる地域に存在する施設を示す施設情報等の情報を格納する。ユーザ端末4は、例えばスマートフォンやタブレット型のコンピュータ(タブレットPC)等の携帯端末である。移動通信ネットワークNWは、一の事業者が提供する移通信ネットワークであってもよく、又は複数の事業者がそれぞれに提供する複数の移動通信ネットワークであってもよい。
【0012】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。図1において、情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0013】
通信部11は、情報処理装置1の外部の装置と通信を行う。通信部11は、通信回線を介して分析依頼者端末2とデータを送受する。通信部11は、通信回線を介してデータベース3とデータを送受する。
【0014】
記憶部12は、制御部13が実行するプログラムや制御部13が使用するデータ等の各種のデータを記憶する。なお、記憶部12は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD-ROM等の読み出しのみが可能な記録媒体、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。
【0015】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)を備え、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。本実施形態に係る制御部13は、その機能部として、受付部21と、ユーザ端末位置データ取得部22と、施設特定データ取得部23と、ユーザ端末特定部24と、算出部25と、出力部26とを有する。
【0016】
なお、情報処理装置1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、情報処理装置1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、情報処理装置1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、情報処理装置1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は情報処理装置1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、情報処理装置1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0017】
受付部21は、通信部11により、分析依頼者端末2から分析依頼情報を受信する。分析依頼情報は、分析対象となる対象エリア及び対象期間帯等の指定を行う情報である。受付部21は、分析依頼者端末2から分析依頼情報を受信することによって、対象エリア及び対象期間帯等の指定を受付ける。
【0018】
ユーザ端末位置データ取得部22は、通信部11によりデータベース3へアクセスし、データベース3からユーザ端末位置データを取得する。記憶部12は、ユーザ端末位置データ取得部22が取得したユーザ端末位置データを記憶する。ユーザ端末位置データは、複数のユーザ端末がそれぞれに位置した位置と時間を示す情報を含むデータである。さらに、ユーザ端末位置データとして、データベース3から、ユーザ端末4を使用するユーザの属性を示すユーザ属性情報が取得されてもよい。
【0019】
図3は、本実施形態に係るユーザ端末位置データの構成例を示す図である。図3の例では、各ユーザ端末4について、ユーザ識別情報(ユーザID)、端末位置取得日時情報、端末位置情報(緯度、経度)及びユーザ属性情報(ユーザの年代や性別等)がユーザ端末位置データとして取得される。端末位置情報は、ユーザ端末4の位置を示す情報である。端末位置取得日時情報は、端末位置情報がユーザ端末4から取得された日時を示す情報である。
【0020】
施設特定データ取得部23は、通信部11によりデータベース3へアクセスし、データベース3から施設特定データを取得する。記憶部12は、施設特定データ取得部23が取得した施設特定データを記憶する。施設特定データは、各施設の位置及び施設を特定する情報を含むデータである。
【0021】
施設特定データとして、データベース3内の施設情報に含まれる施設名、施設位置情報、施設種類情報、活動期間帯及び滞在人口(公表値)等の情報が取得される。施設名は、施設を特定する情報の一例であって、施設の名称である。施設位置情報は、施設の位置を示す情報である。本実施形態では、施設位置情報は、施設が位置する範囲を示す情報である。施設位置情報によって、施設の位置(例えば、代表の位置)及び施設に対応する地理的範囲(例えば、施設の敷地の範囲やビル等の建物の範囲など)が示される。本実施形態において、施設が位置する範囲(施設エリア)は、個別エリアに対応する。
【0022】
施設種類情報は、施設の種類を示す情報である。施設の種類として、例えば、オフィス、工場、商業、学校、テーマパーク、駅、スタジアム等の種類がある。
【0023】
活動期間帯は、施設内で人が活動する期間帯である。活動期間帯は、施設から公表されている。例えばオフィスや工場における活動期間帯として、所定の就業時間帯が挙げられる。例えば学校における活動期間帯として、所定の就学時間帯が挙げられる。例えば商業施設やテーマパークにおける活動期間帯として、所定の営業時間帯が挙げられる。例えば駅における活動期間帯として、所定の運行時間帯が挙げられる。例えばスタジアムにおける活動期間帯として、イベント毎の所定の開催時間帯が挙げられる。例えば工場における活動期間帯として、所定の稼働時間帯が挙げられる。これらの活動期間帯は、施設の運用属性に基づいて施設によって設定された期間帯である。施設の運用属性は、施設が運用される期間帯の属性であって、例えば、日中に運用される施設、夜間に運用される施設、終日運用される施設、イベント開催期間等の特定の期間にのみ運用される施設等が挙げられる。
また、特定の曜日や日付や週や月等の時間帯が限定されない期間が活動期間帯であってもよい。例えば、毎週〇曜日が全員出社する会社(オフィス)の場合、毎週〇曜日が活動期間帯であってもよい。例えば、毎月〇日のみ来場者をカウントする施設の場合、毎月〇日が活動期間帯であってもよい。例えば、海の家やスキー場等の季節で運用が変わるリゾート等の施設の場合、季節等の特定の期間毎に変わる活動期間帯であってもよい。
なお、施設特定データ取得部23は、施設の種類(例えば、オフィス、商業、学校、駅等)に基づいて、所定の推測方法により施設の活動期間帯を推測してもよい。
本実施形態において、活動期間帯は、第1の期間帯に対応する。
【0024】
滞在人口(公表値)は、施設が公表している情報であって、活動期間帯において施設内に滞在している人口である。滞在人口(公表値)は、施設が公表している情報から取得される。本実施形態において、滞在人口(公表値)は、第2の数値に対応する。
【0025】
図4は、本実施形態に係る施設特定データの構成例を示す図である。図4の例では、各施設について、施設名、施設位置情報、施設種類情報、活動期間帯及び滞在人口(公表値)が施設特定データとして取得される。
【0026】
ユーザ端末特定部24は、ユーザ端末位置データ取得部22が取得したユーザ端末位置データに基づいて、所定期間帯において所定エリアに位置したユーザ端末の数を特定する。
【0027】
算出部25は、所定の算出方法により、施設の滞在人口の分析に関する数値を算出する。
【0028】
出力部26は、施設の滞在人口の分析データを出力する。
【0029】
次に図5図6を参照して本実施形態に係る情報処理方法を説明する。図5図6は、本実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すフローチャートである。
【0030】
本実施形態では、施設の滞在人口の分析に関する数値の例として、人口推計倍率と、滞在人口推定値とを算出する。以下、人口推計倍率算出段階と、滞在人口推定段階とに分けてそれぞれに説明する。
【0031】
[人口推計倍率算出段階]
図5を参照して本実施形態に係る人口推計倍率算出段階を説明する。
【0032】
(ステップS11) ユーザ端末位置データ取得部22は、通信部11によりデータベース3へアクセスし、データベース3からユーザ端末位置データを取得する。記憶部12は、ユーザ端末位置データ取得部22が取得したユーザ端末位置データを記憶する。
【0033】
(ステップS12) ユーザ端末特定部24は、ステップS11で取得されたユーザ端末位置データに基づいて、施設(個別エリア)毎に、活動期間帯において施設エリアに位置したユーザ端末の数(ユーザ端末数)を特定する。各施設の活動期間帯及び施設エリアは、施設特定データから取得される。施設特定データは、施設特定データ取得部23によって事前にデータベース3から取得されて記憶部12に格納されている。本実施形態において、ステップS12で特定されるユーザ端末数は、第1の数値に対応する。
【0034】
ユーザ端末特定部24は、ユーザ端末数の特定において、ユーザ端末位置データに基づいて、施設毎に、活動期間帯に取得された端末位置情報に示される位置が施設エリアに含まれるユーザ端末4を特定する。施設エリアは、施設位置情報に示される地理的範囲である。次いで、ユーザ端末特定部24は、施設毎に、特定されたユーザ端末4の数の合計値(ユーザ端末数)を算出する。
【0035】
なお、ユーザ端末特定部24は、ユーザ端末数を特定する際に、複数の施設それぞれの活動期間帯において複数の施設それぞれに位置したユーザ端末4については、最長期間位置した施設を特定し、特定された施設に限定してもよい。この場合、ユーザ端末特定部24は、ユーザ端末数の特定において、ユーザ端末位置データに基づいて、施設毎に、活動期間帯に取得された端末位置情報に示される位置が施設エリアに含まれるユーザ端末4を特定すると共に当該特定されたユーザ端末4が施設エリアに位置した期間を特定する。ユーザ端末4が施設エリアに位置した期間は、ユーザ端末4が施設エリアに継続して位置した期間であってもよく、又は断続的に位置した期間を積算した期間であってもよい。次いで、ユーザ端末特定部24は、当該特定されたユーザ端末4毎に、当該特定された施設エリアに位置した期間のうち最長期間である施設エリア(施設)を特定する。ここで、一の施設エリアのみに位置したユーザ端末4は当該一の施設エリア(施設)が特定される。一方、複数の施設エリアに位置したユーザ端末4は、最長期間位置した一の施設エリア(施設)が特定される。次いで、ユーザ端末特定部24は、施設毎に、最長期間位置したことが特定されたユーザ端末4の数の合計値(ユーザ端末数)を算出する。
【0036】
(ステップS13) 算出部25は、施設毎に、滞在人口(公表値)を取得する。各施設の滞在人口(公表値)は、施設特定データから取得される。以下、滞在人口(公表値)を公表滞在人口と称する場合がある。
【0037】
(ステップS14) 算出部25は、施設毎に、人口推計倍率を算出する。ある施設の人口推計倍率は、ステップS12で特定された当該施設のユーザ端末数とステップS13で取得された当該施設の公表滞在人口とを用いて、次の(1)式により算出される。
「人口推計倍率」=「公表滞在人口」÷「ユーザ端末数」 ・・・(1)
【0038】
記憶部12は、算出部25によって算出された各施設の人口推計倍率を記憶する。本実施形態において、人口推計倍率は、第3の数値に対応する。
【0039】
なお、算出部25は、施設エリア毎に、施設エリアの属性に基づいて設定された算出方法により人口推計倍率を算出してもよい。本実施形態において、施設エリアの属性は、施設種類情報に示される施設の種類に対応する。したがって、施設の種類毎に、予め、人口推計倍率の算出方法が設定される。人口推計倍率の算出方法は、例えば、次の(2)式に示されるように重み係数α,βを有する。重み係数α,βは、施設の種類毎に設けられる。重み係数α,βは、例えば、施設の種類による公表滞在人口の精度やユーザ端末数の精度に基づいて決定される。
「人口推計倍率」=(α×「公表滞在人口」)÷(β×「ユーザ端末数」) ・・・(2)
【0040】
[滞在人口推定段階]
図6を参照して本実施形態に係る滞在人口推定段階を説明する。
【0041】
(ステップS21) 受付部21は、分析依頼者端末2から分析依頼情報を受信することによって、分析対象となる対象エリア及び対象期間帯等の指定を受付ける。以下、ステップS21で受付部21が受付けた指定の対象エリア、対象期間帯をそれぞれ単に対象エリア、対象期間帯と称する。
【0042】
なお、対象エリアは、少なくとも一つの施設エリアを含むエリアである。また、対象期間帯は、対象エリアに含まれる施設エリア(施設)の活動期間帯のうち少なくとも一部を含む期間帯である。
【0043】
(ステップS22) ユーザ端末位置データ取得部22は、通信部11によりデータベース3へアクセスし、データベース3からユーザ端末位置データを取得する。この取得されるユーザ端末位置データは、対象エリアを含むエリア及び対象期間帯を含む期間帯において各ユーザ端末4の位置を示す端末位置情報と各端末位置情報が取得された日時を示す端末位置取得日時情報とを含むデータである。記憶部12は、ユーザ端末位置データ取得部22が取得したユーザ端末位置データを記憶する。
【0044】
(ステップS23) ユーザ端末特定部24は、ステップS22で取得されたユーザ端末位置データに基づいて、対象期間帯において対象エリアに位置したユーザ端末の数である対象ユーザ端末数を特定する。本実施形態において、ステップS23で特定される対象ユーザ端末数は、第4の数値に対応する。
【0045】
ユーザ端末特定部24は、対象ユーザ端末数の特定において、ユーザ端末位置データに基づいて、対象期間帯に取得された端末位置情報に示される位置が対象エリアに含まれるユーザ端末4を特定する。次いで、ユーザ端末特定部24は、特定されたユーザ端末4の数の合計値(対象ユーザ端末数)を算出する。
【0046】
(ステップS24) 算出部25は、ステップS23で算出された対象ユーザ端末数と記憶部12に記憶された人口推計倍率とに基づいて、対象期間帯において対象エリアに滞在した滞在人口の推定値を算出する。
【0047】
算出部25は、滞在人口の推定値の算出において、対象エリア内の各施設についての人口推計倍率を記憶部12から取得する。対象エリア内の施設は、施設エリアのうち少なくとも一部が対象エリアに含まれる施設である。施設エリアは、施設位置情報に示される地理的範囲である。次いで、算出部25は、対象エリア内の各施設の人口推計倍率と対象ユーザ端末数とに基づいて、対象期間帯において対象エリアに滞在した滞在人口の推定値を算出する。このとき、対象エリア内の施設が一つである場合には、算出部25は、当該施設の人口推計倍率と対象ユーザ端末数とを乗算し、当該乗算結果の積を対象エリアの滞在人口の推定値とする。
【0048】
一方、対象エリア内の施設が複数である場合には、以下の2通りの滞在人口推定値算出方法(第1の方法と、第2の方法)が挙げられる。
【0049】
(第1の方法)算出部25は、対象エリア内の全施設の人口推計倍率を平均し、当該人口推計倍率の平均値と対象ユーザ端末数とを乗算し、当該乗算結果の積を対象エリアの滞在人口の推定値とする。
【0050】
(第2の方法)第2の方法では、対象エリア内の施設毎に対象期間帯において施設に滞在した滞在人口の推定値を算出し、当該算出値を合計して対象エリアの滞在人口の推定値を求める。まず、ユーザ端末特定部24は、ステップS22で取得されたユーザ端末位置データに基づいて、対象エリア内の施設毎に、対象期間帯において対象エリア内の施設に位置したユーザ端末の数(対象ユーザ端末数)を特定する。ユーザ端末特定部24は、対象ユーザ端末数の特定において、ユーザ端末位置データに基づいて、対象エリア内の施設毎に、対象期間帯に取得された端末位置情報に示される位置が施設エリアに含まれるユーザ端末4を特定する。次いで、ユーザ端末特定部24は、対象エリア内の施設毎に、特定されたユーザ端末4の数の合計値(対象ユーザ端末数)を算出する。
【0051】
次いで、算出部25は、当該特定された対象エリア内の各施設の対象ユーザ端末数と記憶部12に記憶された各施設の人口推計倍率とに基づいて、対象期間帯において対象エリア内の各施設に滞在した滞在人口の推定値を算出する。算出部25は、滞在人口の推定値の算出において、対象エリア内の各施設の人口推計倍率を記憶部12から取得する。次いで、算出部25は、対象エリア内の施設毎に、人口推計倍率と対象ユーザ端末数とを乗算する。これにより、対象エリア内の施設毎に、滞在人口の推定値が算出される。次いで、算出部25は、対象エリア内の全ての施設についての滞在人口の推定値を合計し、当該合計値を対象エリアの滞在人口の推定値とする。
【0052】
なお、ユーザ端末特定部24は、対象エリア内の各施設の対象ユーザ端末数を特定する際に、対象期間帯において複数の施設に位置したユーザ端末4については、最長期間位置した施設を特定し、特定された施設に限定してもよい。この場合、ユーザ端末特定部24は、対象ユーザ端末数の特定において、ユーザ端末位置データに基づいて、対象エリア内の施設毎に、対象期間帯に取得された端末位置情報に示される位置が施設エリアに含まれるユーザ端末4を特定すると共に当該特定されたユーザ端末4が施設エリアに位置した期間を特定する。次いで、ユーザ端末特定部24は、当該特定されたユーザ端末4毎に、当該特定された施設エリアに位置した期間のうち最長期間である施設エリア(施設)を特定する。ここで、一の施設エリアのみに位置したユーザ端末4は当該一の施設エリア(施設)が特定される。一方、複数の施設エリアに位置したユーザ端末4は、最長期間位置した一の施設エリア(施設)が特定される。次いで、ユーザ端末特定部24は、対象エリア内の施設毎に、最長期間位置したことが特定されたユーザ端末4の数の合計値(対象ユーザ端末数)を算出する。
【0053】
(滞在人口推定値算出方法の変形例)
滞在人口推定値算出方法の一変形例として、ユーザ端末4のユーザの属性毎に、対象エリアや各施設の滞在人口の推定値を算出する。この滞在人口推定値算出方法を以下に説明する。
【0054】
ステップS22で取得されたユーザ端末位置データは、図3に例示されるように、ユーザ端末4のユーザの属性(ユーザ属性)を示すユーザ属性情報を含む。ユーザ端末特定部24は、当該ユーザ端末位置データに基づいて、ユーザ属性毎に、対象期間帯において対象エリア内の各施設に位置したユーザ端末の数(対象ユーザ端末数)を特定する。ユーザ端末特定部24は、対象ユーザ端末数の特定において、ユーザ端末位置データに基づいて、対象エリア内の施設毎に、対象期間帯に取得された端末位置情報に示される位置が施設エリアに含まれるユーザ端末4のうち同じユーザ属性のユーザ端末4を特定する。これにより、対象エリア内の施設毎に、例えば、ユーザ属性が同年代であるユーザ端末4が特定される。また、対象エリア内の施設毎に、例えば、ユーザ属性が同性であるユーザ端末4が特定される。また、対象エリア内の施設毎に、例えば、ユーザ属性が同性かつ同年代であるユーザ端末4が特定される。
【0055】
次いで、ユーザ端末特定部24は、対象エリア内の施設毎に、特定された同じユーザ属性のユーザ端末4の数の合計値(対象ユーザ端末数)を算出する。これにより、対象エリア内の施設毎に、例えば、ユーザ属性が同年代である対象ユーザ端末数が特定される。また、対象エリア内の施設毎に、例えば、ユーザ属性が同性である対象ユーザ端末数が特定される。また、対象エリア内の施設毎に、例えば、ユーザ属性が同性かつ同年代である対象ユーザ端末数が特定される。
【0056】
次いで、算出部25は、ユーザ属性毎に、当該特定された対象エリア内の各施設の対象ユーザ端末数と記憶部12に記憶された人口推計倍率とに基づいて、対象期間帯において対象エリア内の各施設に滞在した滞在人口の推定値を算出する。算出部25は、滞在人口の推定値の算出において、対象エリア内の各施設の人口推計倍率を記憶部12から取得する。次いで、算出部25は、ユーザ属性毎に且つ対象エリア内の施設毎に、人口推計倍率と対象ユーザ端末数とを乗算する。これにより、対象エリア内の施設毎に、ユーザ属性毎に滞在人口の推定値が算出される。対象エリア内の施設毎に、例えば、ユーザ属性が同年代である滞在人口の推定値が算出される。また、対象エリア内の施設毎に、例えば、ユーザ属性が同性である滞在人口の推定値が算出される。また、対象エリア内の施設毎に、例えば、ユーザ属性が同性かつ同年代である滞在人口の推定値が算出される。
【0057】
次いで、算出部25は、ユーザ属性毎に、対象エリア内の全ての施設についての滞在人口の推定値を合計し、当該合計値を対象エリアの滞在人口の推定値とする。これにより、ユーザ属性毎に、対象エリアの滞在人口の推定値が算出される。例えば、ユーザ属性が同年代である対象エリアの滞在人口の推定値が算出される。また、例えば、ユーザ属性が同性である対象エリアの滞在人口の推定値が算出される。また、例えば、ユーザ属性が同性かつ同年代である対象エリアの滞在人口の推定値が算出される。
【0058】
なお、滞在人口の推定値を算出する対象のユーザ属性(対象ユーザ属性)は、受付部21が分析依頼者端末2から対象ユーザ属性を含む分析依頼情報を受信することによって、対象ユーザ属性の指定を受付けてもよい。これにより、分析依頼者は、対象ユーザ属性として例えば男性を指定することができる。この場合、情報処理装置1によって、ユーザ属性が男性である滞在人口の推定値が算出される。また、分析依頼者は、対象ユーザ属性として例えば30代を指定することができる。この場合、情報処理装置1によって、ユーザ属性が30代である滞在人口の推定値が算出される。また、分析依頼者は、対象ユーザ属性として例えば30代男性を指定することができる。この場合、情報処理装置1によって、ユーザ属性が30代男性である滞在人口の推定値が算出される。
【0059】
図7は、本実施形態に係る情報処理方法の説明図である。図7には、情報処理方法の具体的な実施例が示される。
【0060】
図7において、まず、人口推計倍率算出段階では、A1ビルとA2ビルの各人口推計倍率が算出される。A1ビルについては、ユーザ数(ユーザ端末数)が1000であり、公表滞在人口が10000であり、したがって人口推計倍率が(1)式により「10000÷1000=10」として算出される。A2ビルについては、ユーザ数(ユーザ端末数)が100であり、公表滞在人口が2000であり、したがって人口推計倍率が(1)式により「2000÷100=20」として算出される。
【0061】
次いで、滞在人口推定段階では、上記人口推計倍率算出段階で算出されたA1ビルとA2ビルの各人口推計倍率を用いてA1ビルとA2ビルの各滞在人口推定値が算出される。A1ビルについては、ユーザ数(ユーザ端末数(対象ユーザ端末数))が500であり、人口推計倍率が10であり、したがって滞在人口推定値が「500×10=5000」として算出される。A2ビルについては、ユーザ数(ユーザ端末数(対象ユーザ端末数))が20であり、人口推計倍率が20であり、したがって滞在人口推定値が「20×20=400」として算出される。
【0062】
また、図7の例では、ユーザ属性毎に滞在人口推定値が算出される。A1ビルについては、例えば、男性20代の滞在人口推定値「100×10=1000」や、女性40代の滞在人口推定値「50×10=500」などが算出される。A2ビルについては、例えば、男性30代の滞在人口推定値「5×20=100」や、男性20代の滞在人口推定値「5×20=100」や、女性20代の滞在人口推定値「10×20=200」などが算出される。
【0063】
図7の例では、出力部26は、A1ビル及びA2ビルの各滞在人口推定値(トータル値やユーザ属性毎の値)を含む滞在人口推定データを出力する。滞在人口推定データは、施設の滞在人口の分析データの例である。
【0064】
本実施形態によれば、人口推計倍率算出段階において、施設毎に、施設の属性に基づいて設定された活動期間帯における人口推計倍率が算出される。これにより、施設毎に施設に応じた滞在人口の分析を行うことができるという効果が得られる。
【0065】
また、滞在人口推定段階において、対象エリア内の施設の人口推計倍率を用いて、対象期間帯において対象エリアに滞在した滞在人口の推定値が算出される。これにより、対象エリア内の施設の活動期間帯に即した滞在人口を推定することができるという効果が得られる。
【0066】
なお、上述した実施形態では、第3の数値の一例として第1の数値(例えばユーザ端末数など)と第2の数値(例えば公表滞在人口など)との比を示す数値(例えば人口推計倍率など)を挙げたが、第3の数値は、第1の数値(例えばユーザ端末数など)と第2の数値(例えば公表滞在人口など)との関係を示す数値であればよい。
【0067】
また、本実施形態に係る第3の数値(例えば人口推計倍率など)は、人口の推計に利用したり、企業の資産情報と組み合わせて企業力や株価の予想に利用したりすることができる。
【0068】
なお、これにより、例えば移動通信ネットワークに接続するユーザ端末の位置データを活用した施設利用者分析サービスにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0070】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0071】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…情報処理装置、2…分析依頼者端末、3…データベース、4…ユーザ端末、11…通信部、12…記憶部、13…制御部、21…受付部、22…ユーザ端末位置データ取得部、23…施設特定データ取得部、24…ユーザ端末特定部、25…算出部、26…出力部、NW…移動通信ネットワーク
【要約】
【課題】施設毎に施設に応じた滞在人口の分析を行うことを図る。
【解決手段】複数のユーザ端末がそれぞれに位置した位置と時間を示す情報を含むユーザ端末位置データを取得するユーザ端末位置データ取得部と、ユーザ端末位置データに基づいて、所定の個別エリアの属性に基づいて設定された第1の期間帯において個別エリアに位置したユーザ端末の数である第1の数値を特定するユーザ端末特定部と、第1の期間帯における個別エリアに滞在する滞在人口である第2の数値を記憶する記憶部と、第2の数値と第1の数値との関係を示す第3の数値を算出する算出部と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7