(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】家具又は家庭用器具のための貯蔵棚ベース
(51)【国際特許分類】
A47B 49/00 20060101AFI20230406BHJP
A47B 77/10 20060101ALI20230406BHJP
F25D 25/02 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
A47B49/00 503B
A47B49/00 503D
A47B49/00 502K
A47B49/00 502B
A47B77/10
F25D25/02 G
(21)【出願番号】P 2021500043
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2019062724
(87)【国際公開番号】W WO2020007525
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】102018116210.3
(32)【優先日】2018-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504467554
【氏名又は名称】ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レハーゲ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マッテス, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】レーマン, ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンクラー, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァージン, ノルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ジーゲルト, ウルリヒ
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第9528753(US,B1)
【文献】米国特許第4392628(US,A)
【文献】米国特許第2647812(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0176074(US,A1)
【文献】特開2001-261134(JP,A)
【文献】特開平10-318669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 49/00
A47B 77/10
F25D 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具(11)又は家庭用器具(12)のための貯蔵棚ベース(1)であって、
家具(11)又は家庭用器具(12)の本体(13、14)の所定箇所に固定されて配置される支持プレート(2、120、220)と、
支持プレート(2、120、220)に確実に案内され、同時に回転移動と並進移動が可能な貯蔵棚(3、130、230)とを備え、
支持プレート(2、120、220)と貯蔵棚(3、130、230)の互いに向かい合うベアリング面(21、33、121、133、221、233)は、ローラ本体(10)が案内される、少なくとも大部分が閉じた円周方向の走行溝(22、34、122、134、222、234)を夫々有し、
支持プレート(2、120、220)は、家具(11)又は家庭用器具(12)の本体(13、14)に取り外し可能に固定される貯蔵棚ベース(1)において、
家具(1)又は家庭用器具(12)の本体(13、14)上に支持プレート(2、120、220)を取り外し可能に固定するための少なくとも1つの締結領域(25)が、支持プレート(2、120、220)上に形成され、
貯蔵棚(3、130、230)は、工具なしで支持プレート(2、120、220)上に固定可能である、貯蔵棚ベース(1)。
【請求項2】
走行溝(22、34)が支持プレート(2)及び貯蔵棚(3)のベアリング面(21、33)に一体化されている、請求項1に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項3】
走行溝(122、134、222、234)が、支持プレート(120、220)及び貯蔵棚(130、230)のベアリング面(121、133、221、233)に締結され、特に材料的に接着又はねじ止めされている、請求項1に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項4】
前記支持プレート(2)のガイドチャネル(5)内に突出するスタッド(6)が、前記貯蔵棚(3)のベアリング面(33)上に配置されている、請求項1又は2に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項5】
前記ガイドチャネル(5)は、少なくとも部分的にアンダーカット(55)を有し、該アンダーカット(55)の裏側で、前記支持プレート(2)上に前記貯蔵棚(3)が設置された状態において、前記スタッド(6)のカム(62)が、前記支持プレート(2)に対する前記貯蔵棚(3)の水平移動中に少なくとも係合する、請求項4に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項6】
前記ガイドチャネル(5)は少なくとも1つのキャッチ要素(54)を有する設置領域(53)を有し、該キャッチ要素(54)内にスタッド(6)が挿入可能である、請求項4又は5に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項7】
前記ガイドチャネル(5)の一端部にテーパ(58)が設けられ、該テーパを用いて該スタッド(6)が、貯蔵棚(3)の支持プレート(2)に対する開始位置に保持される、請求項4乃至6の何れかに記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項8】
前記テーパ(58)は、互いに対向して配置されたキャッチ要素(54)の自由端によって形成される、請求項7に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項9】
前記
ガイドチャネル(5)は、前記
ガイドチャネル(5)の外側輪郭に適合した前記支持プレート(2)の凹部(23)内に設置される別個の構成要素として構成されている、請求項4乃至8の何れかに記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項10】
前記
ガイドチャネル(5)は外周に少なくとも1つのキャッチラグ(56)を有し、該キャッチラグ(56)は支持プレート(2)の凹部(23)のキャッチ凹部(29)にロック可能である、請求項9に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項11】
前記ガイド
チャネル(5)の外周(52)は、位置決め片(57)を有して非対称に形成されて、前記支持プレート(2)の前記凹部(23)内に所定の設置位置を確保している、請求項9又は10に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項12】
前記締結領域(25)は、締結要素を保持するための少なくとも1つの受け部を有する、請求項1乃至11の何れかに記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項13】
前記受け部は吸引カップ(7)として構成された締結要素を保持するための吸引カップ受け部(26)として構成される、請求項12に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項14】
少なくとも1つの受け部は、ねじ付きボルト(9)として構成された締結要素を通過させて案内するためのボルト受け部(24)として構成されている、請求項12に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項15】
前記締結領域(25)は、少なくとも1つの接着面を有し、その上に接着要素(8)を取り付けて、支持プレート(2、120、220)を家具(11)又は家庭用器具(12)の底部パネル15に固定する、請求項1に記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項16】
前記貯蔵棚ベース(1)は、前記ローラ本体(10)が配置されたローラ本体ケージ(4)を有し、前記支持プレート(2)は、前記ローラ本体ケージ(4)のための少なくとも1つの位置決め要素(20)を有する、請求項1乃至15の何れかに記載の貯蔵棚ベース(1)。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れかに記載の貯蔵棚ベース(1)を少なくとも1つ有する本体(13)を備えた家具(11)。
【請求項18】
請求項1乃至16の何れかに記載の貯蔵棚ベース(1)を少なくとも1つ有する本体(14)を備えた家庭用器具(12)、特に冷蔵庫又は冷凍庫。
【請求項19】
請求項1乃至16の何れかに記載の貯蔵棚ベース(1)を本体(13、14)に設置する方法であって、
a. 請求項11、12又は13に記載の着脱自在な締結要素の1つにより、支持プレート(2)を家具(11)又は家庭用器具(12)の本体(13、14)に取り付けるステップと;
b. ローラ本体(10)が取り付けられたローラ本体ケージ(4)を支持プレート(2)上に配置するステップと;
c. ベアリング面(33)を有する貯蔵棚(3)をローラ本体ケージ(4)上に載置するステップであって、貯蔵棚(3)のベアリング面(33)から突出したスタッド(6)がガイドチャネル(5)に挿入されるステップとを有する、方法。
【請求項20】
更に、
d. 走行溝本体(101、202)を支持プレート(120、220)へ取り付けるステップと;
e. 走行溝本体(101、201)を貯蔵棚(130、230)に取り付けるステップとを有する、請求項3又は19に記載の方法。
【請求項21】
走行溝本体(101、102、201、202)の支持プレート(120、220)及び貯蔵棚(130、230)への取り付けは、接着又はねじ止めによって行われる、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の家具又は家庭用器具のための貯蔵棚ベースに関する。本発明は、さらに、そのような貯蔵棚ベースを有する家具又は家庭用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
問題のタイプの貯蔵棚ベースは、大凡支持プレートと、該支持プレートの上を案内されて同時に回転移動及び並進移動可能な貯蔵棚とからなり、同時に回転移動及び並進移動できることは、家具又は家庭用器具、例えば、オフィス、キッチン、冷蔵庫又は冷凍庫キャビネットの貯蔵スペースに到達することが困難な領域へのアクセスを可能にする。
このように、ターンテーブルを備えた貯蔵棚ベースは、ドイツ公開公報42 16 765号から公知であり、ターンテーブルは、貯蔵棚ベースのベースプレートに直接取り付けられる。
【0003】
支持プレートに対して確実に案内される、同時に回転移動及び並進移動が可能な貯蔵棚は、ドイツ公開公報10 2017 106 170号から公知である。
先行技術から知られているこれらの貯蔵棚ベースは、一方では、このような貯蔵棚ベースを設置するのに比較的複雑であるという欠点を有する。
さらに、設置するのが比較的複雑であるために、貯蔵棚ベースの清掃は、設置された状態でのみ可能であり、その結果、貯蔵棚ベースの一部分は、貯蔵棚ベース全体を事前に除去した後にのみ清掃され得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、家具又は家庭用器具の本体に、より簡単な方法で取り付け、取り外し、及び清掃することができる貯蔵棚ベースを提供することである。
この目的は、請求項1の特徴を有する家具又は家庭用器具のための貯蔵棚ベースによって達成される。
上述の目的は、更に、請求項17の特徴を有する家具と、請求項18の特徴を有する家庭用器具とによって達成される。また、貯蔵棚ベースの設置方法は、請求項19に記載されている。
【0005】
本発明による貯蔵棚ベースは、家具又は家庭用器具の本体上に静止状態で配置された支持プレートと、支持プレートに対して確実に案内され、、同時に回転移動と並進移動が可能な貯蔵棚とを有する。
互いに向かい合う支持プレートと貯蔵棚のベアリング面は、ローラ本体が案内される少なくとも大部分が閉じた円周方向の走行溝を有する。支持プレートは、家具又は家庭用器具の本体に取り外し可能に固定され得る。
【0006】
家具又は家庭用器具の本体上に支持プレートを取り外し可能に固定するための少なくとも1つの締結領域が、支持プレート上に形成される。貯蔵棚は、この場合、工具なしで支持プレート上に固定可能である。
このように構成された貯蔵棚は、容易に組み立てることができ、家具又は家庭用器具の本体に取り付けられ得る。
このように工具を使用せずに貯蔵棚を支持プレート上に固定することにより、貯蔵棚ベースの容易な清掃及び取り外しも可能になる。
更に、貯蔵棚ベースは、工場での従来の設置を省略することによって、先行技術から知られている貯蔵棚に対して費用効果的に製造され、輸送されることができる。
本発明の有利な実施形態の変形例は、従属請求項の主題である。
【0007】
本発明の有利な実施形態の変形例によれば、走行溝は、支持プレート及び貯蔵棚のベアリング面に一体化されている。従って、貯蔵棚ベースの低い構造的高さが可能になる。
本発明の別の有利な実施形態によれば、走行溝は、支持プレート及び貯蔵棚のベアリング面に固定され、特に、材料結合されるか、又はねじ留めされる。
従って、支持プレート及び貯蔵棚には走行溝が形成されておらず、ガイドチャネル及びスタッドのための開口部が、夫々支持プレート又は貯蔵棚に導入される必要がないので、支持プレート及び貯蔵棚は、製造が著しく簡単である。
【0008】
本発明の有利な実施形態の変形例によれば、支持プレートのガイドチャネル内に突出するスタッドが、貯蔵棚のベアリング面上に配置される。スタッドは、有利には、この場合、マッシュルーム形状の頭部を有することができる。
これにより、並進運動のための支持プレートに関連して、貯蔵棚の簡単で信頼性のあるガイドが可能になる。
更なる有利な実施形態によると、ガイドチャネルは、アンダーカットを有し、貯蔵棚の設置状態にて、このアンダーカットの裏側に、スタッドのカムが、支持プレート上に係合する。この場合、アンダーカットは、ガイドチャネルの全領域にわたって形成することができる。
【0009】
アンダーカットは、貯蔵棚の移動中にスタッドと係合するガイドチャネルの領域にのみ形成されるのが有利である。
従って、開始位置では、貯蔵棚は、大きな力を加えることなく支持プレートから取り外すことができ、貯蔵棚は、移動中に支持プレート上に固定される。
このように、貯蔵棚を支持プレート上に垂直方向に固定することは、簡単な方法で確保される。
1つの好ましい実施形態の変形例によれば、貯蔵棚への支持プレートの工具を使用しない取り付けを容易にするために、ガイドチャネルは、スタッドが挿入可能な少なくとも1つのキャッチ要素を有する取り付け領域を有する。
【0010】
貯蔵棚が、開始位置から支持プレートに対して不用意にスライド又は旋回することを防止するために、テーパがガイドチャネルの一端に設けられ、これを使用して、スタッドは、貯蔵棚が支持プレートに対して開始位置に保持され得る。
このテーパは、互いに対向して配置されたキャッチ要素の自由端によって形成されるのが好ましい。
従って、キャッチ要素は、2つの異なるタスク、即ち、第1に、スタッドをガイドチャネル内に垂直方向に取り外し可能に固定すること、第2に、貯蔵棚をその開始位置に保持する位置にスタッドを上述のように先立って固定することとを果たす。
【0011】
更なる有利な実施形態の変形例によれば、ガイドチャネルは、ガイドチャネルの外側輪郭に適合した支持プレートの凹部内に設置可能な別個の構成要素として形成される。
ガイドチャネルはその外周上に、支持プレートの凹部のキャッチ凹部内にロック可能である少なくとも1つのキャッチラグを有することが好ましく、これにより、ガイドチャネルは、支持プレートの凹部内に簡単な方法で挿入可能且つロック可能である。
更に好ましい実施形態の変形例によれば、ガイドチャネルの外周は非対称に形成され、位置決め片が設けられているので、設置の間、ガイドチャネルのテーパは、支持プレートへの所定位置に専ら挿入可能である。
【0012】
実施形態の変形例によれば、貯蔵棚ベースは、更にローラ本体を保持するためのローラ本体ケージを有し、支持プレートは、ローラ本体ケージを正確に位置決めするための少なくとも1つの位置決め要素を有する。
更なる実施形態の変形例によれば、支持プレートの締結領域は、締結要素を保持するための少なくとも1つの受け部を有する。
1つの好ましい実施形態の変形例によれば、締結要素は、ここでは吸引カップとして設計され、受け部は吸引カップを保持するための吸引カップ受け部として構成される。
この実施形態の変形例は、特に、そのような吸引カップが良好な保持を保証するガラス底部パネルを有する冷蔵庫での使用に適している。
【0013】
代替の実施形態の変形例によれば、、少なくとも1つの受け部は、ねじを切ったボルトとして構成された締結要素を通して案内するためのボルト受け部として構成される。
この実施形態の変形例は、特に、木製又はプラスチック製の底部パネルを有する家具に使用するのに適している。
更に別の実施形態の変形例によれば、締結領域は、少なくとも1つの接着面を有し、その上に、支持プレートを家具又は家庭用器具の底部パネルに固定するための接着要素が取り付け可能である。
ここでは、接着要素として、例えば両面粘着テープが考えられる。
本発明による家具は、上述したような貯蔵棚ベースによって区別される。
本発明による家庭用器具は、上述したような貯蔵棚ベースによっても区別される。
【0014】
本発明による貯蔵棚ベースを取り付けるための方法は、以下のステップを有する:
a. 上述の着脱自在な締結要素の1つを用いて家具や家電用器具の本体に支持プレートを取り付けるステップ;
b. 内部に取り付けられたローラ本体を有するローラ本体ケージを支持プレート上に配置するステップ;
c. ベアリング面を有する貯蔵棚をローラ本体ケージ上に配置し、貯蔵棚のベアリング面から突出したスタッドを前記ガイドチャネル内に挿入するステップ。
任意選択的に、支持プレートの凹部内へのガイドチャネルの挿入は、ガイドチャネルが別個の構成要素として具現化される場合、ステップaの後にステップa1としても行われる。
この場合、ステップa1は、工場で既に実行することができるので、このステップは、最終顧客の場所に貯蔵棚を設置する際には省略される。
ガイドチャネルは、支持プレート上に一体的に形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下の図面に基づいて、本発明の好ましい例示的な実施形態が以下により詳細に説明される。
【
図1】本発明による貯蔵棚ベースの実施形態の変形例の斜視図である。
【
図2】本発明による貯蔵棚ベースの実施形態の変形例の分解斜視図である。
【
図3】
図2に示す貯蔵棚ベースの側面図を示し、部分的に取り付けられた構成要素を有する。
【
図4】貯蔵棚ベースの支持プレートの別の斜視図である。
【
図5】貯蔵棚ベースの支持プレートの別の斜視図である。
【
図6】貯蔵棚の下側の斜視図を示し、該下側に形成された走行溝と下側から突出するスタッドとを有する。
【
図7】別個の要素として具体化されたガイドチャネルの別の斜視図である。
【
図8】別個の要素として具体化されたガイドチャネルの別の斜視図である。
【
図9】本発明による貯蔵棚ベースの別の実施形態の変形例の斜視図である。
【
図10】
図9に従った実施形態の変形例の分解斜視図である。
【
図11】別個の要素として形成された走行溝の異なる斜視図であり、
図9の実施形態の変形例の走行溝間に取り付けられたローラ本体とローラ本体ケージを有する。
【
図12】別個の要素として形成された走行溝の異なる斜視図であり、
図9の実施形態の変形例の走行溝間に取り付けられたローラ本体とローラ本体ケージを有する。
【
図13】本発明による貯蔵棚ベースの別の実施形態の変形例の斜視図である。
【
図15】別個の要素として形成された走行溝の異なる斜視図であり、
図13の実施形態の変形例の走行溝間に取り付けられたローラ本体とローラ本体ケージを有する。
【
図16】別個の要素として形成された走行溝の異なる斜視図であり、
図13の実施形態の変形例の走行溝間に取り付けられたローラ本体とローラ本体ケージを有する。
【
図17】本発明による貯蔵棚ベースを有する家庭用器具を示す。
【
図18】本発明による貯蔵棚ベースを有する家庭用器具を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の図面の記載において、上、下、左、右、前、後などの用語は、専ら貯蔵棚ベース、支持プレート、貯蔵棚、ガイドチャネル、スタッドなどの夫々の図で選択された例示的な記載及び位置に関連する。これらの用語は、限定的であると理解されるべきではなく、即ち、これらの言及は異なる動作位置又は鏡面対称設計などのために変化し得る。
本発明による貯蔵棚ベースの実施形態の変形例は、全体として
図1の符号1によって識別される。
【0017】
図2に示すように、貯蔵棚ベース1は、支持プレート2と、支持プレート2に対して積極的に案内される、同時に回転及び並進移動可能な貯蔵棚3とを有する。
図17及び
図18の例によって概略的に示される支持プレート2は、例えばオフィス、キッチン、冷蔵庫又は冷凍庫キャビネットである家具11又は家庭用器具12の本体13、14に固定されている。
【0018】
更に
図2に示すように、支持プレート2と貯蔵棚3の互いに向かい合うベアリング面21、33は夫々、ローラ本体10が案内される、少なくとも大部分が閉じた円周方向の走行溝22、34を有する。
ローラ本体10はここではローラ本体ケージ4に収容される。ローラ本体ケージ4は、ここに示された好ましい実施形態では、大凡円形の本体41を備えており、該本体41からウェブ42が半径方向の内側と外側に延び、ウェブ42の両端にローラ本体受け部43が形成され、ローラ本体受け部43にローラ本体10が保持されることにより、貯蔵棚3と支持プレート2との間に簡易に配置されると同時に、稼働中に落下に対して担保される。
【0019】
ローラ本体受け部43は、ローラ本体10が拘束されて保持される形状になっている。また、ローラ本体ケージ4は、ローラ本体受け部43の異なる形状及び異なる配置を有することができる。
支持プレート2は、家具11又は家庭用器具12の本体13、14に取り外し可能に固定することができる。
【0020】
この目的のために、
図2に示すように、2つの締結領域25が、支持プレート2上に形成され、支持プレート2を本体13、14上に、又は家具11又は家庭用器具12の固定部分、例えば底部パネル上に取り外し可能に固定する。
また、支持プレート2上にこのような締結領域25を1つだけ形成することも考えられる。
貯蔵棚3は、工具なしで支持プレート2に固定可能である。このためには、
図2、
図3、
図6に示すように、支持プレート2のガイドチャネル5内に突出するスタッド6が、貯蔵棚3のベアリング面33上に配置されることが好ましい。スタッド6は、この目的のために、貯蔵棚3のベアリング面33上又はベアリング面33内に捕捉的に固定されるか、又は貯蔵棚3上に一体的に形成されるのが好ましい。
【0021】
スタッド6をガイドチャネル5内に垂直に固定するために、ガイドチャネル5がアンダーカット55を有し、アンダーカット55の裏側に、スタッド6のカム62が、支持プレート2上に貯蔵棚3が設置された状態にて係合するのが好ましい。
ガイドチャネル5は、
図2、
図7及び
図8によく見られるように、ガイドチャネル5の外側輪郭に適合した支持プレート2の凹部23内に設置可能な別個の構成要素として形成されるのが好ましい。
ガイドチャネル5を凹部23内に固定するために、ガイドチャネル5は、
図7、
図8、及び
図5に示すように、支持プレート2の凹部23の対応するキャッチ凹部29内にロック可能な、少なくとも1つのキャッチラグ56を備えることが好ましい。
【0022】
図7及び
図8に更に示すように、ガイドチャネル5は、少なくとも1つのキャッチ要素54を有する設置領域53を有し、該設置領域53内にスタッド6が容易に挿入可能である。
設置領域は、この場合、カム62の外側輪郭とスタッド6の喉領域61とに対応して形成され、その結果、貯蔵棚ベース1の組立中に、ガイドチャネル5を支持プレート2に挿入した後、貯蔵棚3が支持プレート2上に配置され、スタッド6のカム62は、ガイドチャネル5の設置領域53に突き刺さる。
【0023】
貯蔵棚3の完全な設置は、「クリック」ノイズによってユーザに視覚的又は音響的に示される。この例示的な実施形態では、設置領域53にはアンダーカットが設けられておらず、その結果、貯蔵棚3の設置及び取り外しの両方が、大きな力を加えることなく行われ得る。
設置が完了した後、貯蔵棚3は、設置領域53から離れるようにガイドチャネル5に沿って並進移動することができる。この場合、
図8に示すように、スタッド6のカム62は、アンダーカット55の下方の領域に垂直に移動し、これにより、貯蔵棚3が、その移動中に、支持プレート2上にしっかりと保持されることが保証される。
【0024】
図8に示すように、ガイドチャネル5の一端にテーパ58が設けられ、該テーパ58を用いて、貯蔵棚3を支持プレート2に対して開始位置に位置決めする位置にスタッド6を保持することができる。
従って、貯蔵棚3が、力を加えることなく、最初の開始位置から不注意に単独で移動しないことが保証される。
ここに示す実施形態の変形例では、テーパ58は、互いに対向して配置されたキャッチ要素54の自由端によって形成され、その距離d
2(テーパの幅)は、互いに対向して位置するアンダーカット55の領域間の距離d
1(ガイドの幅)よりもわずかに小さい。
【0025】
凹部23におけるガイドチャネル5の正しい位置決めを確実にするために、ガイドチャネル5の外周52は、位置決め片57を形成することによって非対称に形成される。位置決め片57は、ここに示す実施形態の変形例では、ガイドチャネルの一端に形成されている。
また、ガイドチャネル5の外周52に位置決め片57を別の箇所に設けることも考えられる。
ガイドチャネル5の設置は、スタッド6の固定、ひいては貯蔵棚3を開始位置に確実にするために、所定の位置合わせにおいてのみ行うことができることが重要である。
【0026】
ガイドチャネル5の支持プレート2への挿入時には、挿入深さは、設置状態で支持プレート2のベアリング面21に載る円周方向のアンダーカット51によって制限される。
貯蔵棚3の上記開始位置において、スタッド6はガイドチャネル5の設置領域53に保持される。
貯蔵棚3をローディング位置からアンローディング位置に移動させるためには、それに応じて貯蔵棚3に力を加える必要がある。
【0027】
走行溝22、34は、ここでは以下に示すように形成される。貯蔵棚3に水平方向に力を与えると、貯蔵棚3は、
図1に示す支持プレート2に対応する貯蔵棚3の向きに対応する開始点から、180度回転したローディング位置又はアンローディング位置に移動可能であり、ローディング位置又はアンローディング位置では貯蔵棚3は180度回転されるだけでなく、むしろガイドチャネル5の長さによって定義された距離によって並進するように変位して、ローディング及びアンローディングを容易にする。
貯蔵棚3の取り外しのために、
図1に示す開始位置にて僅かに力を加えて貯蔵棚3を上方に持ち上げ、スタッド6のカム62が設置領域53から離れ、したがってガイドチャネル5から外れるようにする。
【0028】
図2、
図3及び
図6に示すように、貯蔵棚3はその下側33に複数のスタッド35を有し、該スタッドを用いて、片側に積載されたときに、貯蔵棚3の傾斜位置を防止することができる。
図2乃至
図5に示すように、支持プレート2の締結領域25は、締結要素を保持するための少なくとも1つの受け部を有する。
この場合、複数の受け部が
図2乃至
図5に示されており、これらの受け部により、家具11又は家庭用器具12の底部パネル15上での支持プレート2の異なる固定用のオプションが可能になる。
【0029】
このようにして、締結領域25は少なくとも1つの受け部を有し、該受け部は吸引カップ7として構成された締結要素を保持するための吸引カップ受け部26として構成される。
更に、締結領域25は、少なくとも1つの受け部を有し、該受け部は、ねじ付きボルト9として構成された締結要素を通過させて案内するためのボルト受け部24として構成されている。
特に
図4に示すように、締結領域25は、少なくとも1つの接着面27を有し、その上に接着要素8を取り付けて、支持プレート2を家具11又は家庭用器具12の底部パネル15に固定することができる。接着要素8は、ここでは特に両面接着要素として構成されている。
【0030】
図9乃至
図16に示される2つの実施形態の変形例では、
図1乃至
図8に示される実施形態の変形例とは対照的に、走行溝122、134、222、234は、支持プレート2及び貯蔵棚3のベアリング面21、33に一体化されず、むしろ別個の走行溝本体101、102、201、202として形成され、支持プレート120、220及び貯蔵棚130、230の夫々のベアリング面121、133、221、233に締結される。
従って、
図9乃至
図12には、貯蔵棚ベース1の実施形態の変形例が示されており、この実施形態では、走行溝122、134は、支持プレート120及び貯蔵棚130上に、材料結合、特に接着剤結合によって固定されている。
図13乃至
図16に示す貯蔵棚ベース1の変形例では、走行溝222、234は、支持プレート220及び貯蔵棚230にねじ止めされている。
【0031】
図11及び
図12又は
図15及び
図16に示すように、走行溝本体101、102、201、202は、この目的のために、支持プレート120、220及び貯蔵棚130、230の夫々のベアリング面121、133、221、233に面する側で平坦に形成され、支持プレート120、220及び貯蔵棚130、230のベアリング面121、133、221、233と十分に大きな接着剤又は接触面を提供する。
実際の走行溝122、134、222、234は、支持プレート120、220の夫々のベアリング面121、133、221、233と貯蔵棚130、230とは反対を向いている走行溝本体101、102、201、202の側に形成されている。
【0032】
変形例である貯蔵棚ベース1にねじ止めされた場合、
図13乃至
図16に示すように、走行溝本体201、202内に更なるねじ受け部206が設けられ、これを通してねじ205を案内することができる。ねじ205は、ねじ受け部206を通して、支持プレート220及び貯蔵棚230内にこの目的のために設けられたねじ孔207にねじ込まれ、走行溝本体201、202を設置する。
図10及び
図14に示すように、これらの実施形態の変形例では、ガイドチャネル150、250及びスタッド160、260を収容し、位置決めするための夫々の凹部103、104、203、204は、走行溝本体101、102、201、202の中央に形成されるのが好ましい。
ガイドチャネル150、250及びスタッド160、260はまた、支持プレート120、220及び貯蔵棚130、230のベアリング面121、133、221、233上の夫々の凹部103、104、203、204への挿入又はクリップ留め後の最終固定のために、材料結合又はねじ留めによって固定される。
【0033】
走行溝122、134、222、234、ガイドチャネル150、250及びスタッド160、260の形状及び機能は、ここでは、
図1乃至
図8に基づいて上述した実施形態の変形例に本質的に対応する。
図1乃至
図8に記載された実施形態の変形例とは対照的に、
図9乃至
図16に示された実施形態の変形例では、支持プレート120、220及び貯蔵棚130、230は、ここでは走行溝が形成されておらず、ガイドチャネル150、250及びスタッド160、260のための開口部が、夫々支持プレート120、220又は貯蔵棚130、230に導入されなければならないので、製造が著しく簡単である。
上述の改良により、貯蔵棚ベース1の簡単な取り付け及び取り外し、並びに同時に省スペースの輸送が実施される。従って、ユーザによる取り付け及び取り外しが可能になり、これは、特に、既存の家具又は家庭用器具12への貯蔵棚ベース1の後の取り付けの場合に非常に有利である。
【0034】
貯蔵棚ベースを設置するには、以下のステップを実行する。
a. 上述の着脱自在な締結要素の1つを用いて家具や家電製品の本体に支持プレートを取り付けるステップ;
b. その中にローラ本体が取り付けられたローラ本体ケージを支持プレート上に配置するステップ
c. ベアリング面を有する貯蔵棚をローラ本体ケージ上に配置し、前記貯蔵棚のベアリング面から突出したスタッドを前記ガイドチャネル内に挿入するステップ。
【0035】
ガイドチャネル5が別個の構成要素として具現化される場合、支持プレートの凹部へのガイドチャネルの挿入は、ステップaの後の更なるステップa1としても行われる。
この場合、ステップa1は、最終顧客の場所に貯蔵棚を設置する間、及び既に工場で行われることができ、その結果、このステップは、最終顧客の場所に貯蔵棚を設置する間には省略される。
貯蔵棚ベース1が常に正しく取り付けられるためには、上述の取付けステップに加えて、ローラ本体ケージ4が支持プレート2上に正確に位置決めされることも必要である。この目的のために、支持プレート2は、この例示的な実施形態では、貯蔵棚3に面するベアリング面21上に2つの位置決め要素20を有する。
【0036】
しかし、1つ又は3つ以上の位置決め要素のみを設けることもできる。ローラ本体ケージ4は、後部外側のローラ本体受け部43が位置決め要素20に押し付けられるように、支持プレート2上に置かれている。
こうして、ローラ本体10が走行溝22、34内を正しく動くことが確実になる。スタッド6とガイドチャネル5との相互作用によって、ローラ本体ケージ4上の貯蔵棚3の正しい位置決めが確保される。
【0037】
図9乃至
図16に示すように、走行溝122、134、222、234を別々に形成する場合、走行溝本体102、202を支持プレート120、220に取り付けるステップd.及び走行溝本体101、201を貯蔵棚130、230に取り付けるステップe.はまた、ステップa.の前、又はステップa.とb.との間でも行われる。
走行溝本体101、102、201、202は、支持プレート120、220及び貯蔵棚130、230上に接着又はねじ止めされて、走行溝本体101、102、201、202を支持プレート120、220及び貯蔵棚130、230に取り付けるのが好ましい。
【符号の説明】
【0038】
1 貯蔵棚ベース
2 支持プレート
20 位置決め要素
21 ベアリング面
22 走行溝
23 ガイドチャネル
24 ボルト受け部
25 締結領域
26 吸引カップ受け部
27 接着面
28 凹部
29 キャッチ凹部
3 貯蔵棚
33 ベアリング面
34 走行溝
35 スタッド
4 ローラ本体ケージ
41 本体
42 ウェブ
43 ローラ本体受け部
5 ガイドチャネル
51 アンダカット
52 外周
53 設置地域
54 キャッチ要素
55 アンダカット
56 キャッチラグ
57 位置決め片
58 テーパ
6 スタッド
61 喉領域
62 カム
7 吸引カップ
8 接着要素
9 ねじボルト
10 ローラ本体
11 家具
12 家庭用器具
13 本体
14 本体
15 底部パネル
101 走行溝本体
102 走行溝本体
103 凹部
104 凹部
120 支持プレート
121 ベアリング面
122 走行溝
130 貯蔵棚
133 ベアリング面
134 走行溝
150 ガイドチャネル
160 スタッド
201 走行溝本体
202 走行溝本体
203 凹部
204 凹部
205 ねじ
206 ねじ受け部
207 ねじ孔
220 支持プレート
221 ベアリング面
222 走行溝
230 貯蔵棚
233 ベアリング面
234 走行溝
250 ガイドチャネル
260 スタッド
d1 ガイドの幅
d2 テーパの幅