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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】サイドリンク無線通信のための技法
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20230406BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20230406BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20230406BHJP
【FI】
H04L27/26 400
H04L27/26 114
H04L27/26 113
H04W92/18
H04W72/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021516787
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019072017
(87)【国際公開番号】W WO2020064214
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】62/736,855
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】ドー, ヒェウ
(72)【発明者】
【氏名】ブラスコ セラーノ, リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ホー, ニン
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/026511(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0145857(US,A1)
【文献】Ericsson,Physical layer design of NR sidelink[online],3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1809302,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94/Docs/R1-1809302.zip>,2018年08月
【文献】Ericsson,L1 Format for V2V Transmissions using Sidelink[online], 3GPP TSG-RAN WG1#84b R1-162825,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84b/Docs/R1-162825.zip>,2016年04月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 92/18
H04W 72/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを受信する方法(400)であって、前記方法が、
前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第1のシンボル(302)に基づいて、前記SLのための自動利得制御(AGC)を実施するステップ(402)と、
前記AGCに基づいて、前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第2のシンボル(304)において符号化されたSL制御情報(SCI)を受信するステップ(404)と、
前記SCIに基づいて、前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第3のシンボル(306)において符号化されたデータを受信するステップ(406)と
を含むかまたは始動し、
データが前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化され、前記SCIは、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化された前記データが、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのか、前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのか、前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのかを指示する
ことを特徴とする、方法(400)。
【請求項2】
前記SLの前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)が、前記TTIにおける前記SLの前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)の受信より前に受信され、および/または、前記SLの前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)が、前記TTIにおける前記SLの前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)の受信より前に受信される、ならびに、
前記SLの前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)と前記SLの前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)とが前記TTIにおいて連続し、および/または、前記SLの前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)と前記SLの前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)とが前記TTIにおいて連続する、
のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)が少なくとも1つの参照信号を含み、
さらに、
前記少なくとも1つの参照信号が少なくとも1つの復調用参照信号(DMRS)を含む、
前記SCIを受信することが、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)における前記少なくとも1つの参照信号を使用して前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)を復調することを含むかまたは始動する、
前記データと前記少なくとも1つの参照信号とが、周波数領域内の前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において多重化される、ならびに、
前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化された前記データを受信することが、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)中に含まれる前記少なくとも1つの参照信号に基づいて、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)を復調することを含むかまたは始動する、
のうちの少なくとも1つである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
さらに、
前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化された前記データを受信することが、前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)中に含まれる参照信号に基づいて、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)を復調することを含むかまたは始動する、
前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)中に含まれる前記参照信号が少なくとも1つの復調用参照信号(DMRS)を含む、
前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化された前記データを受信することは、前記SLを受信するモバイルデバイスの速度が絶対速度しきい値よりも小さい、受信モバイルデバイスと前記SLを送信するモバイルデバイスとの間の相対速度が相対速度しきい値よりも小さい、チャネル状態の変化レートがレートしきい値よりも小さい、のうちの少なくとも1つである場合、前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)中に含まれる参照信号に基づいて、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)を復調することを含むかまたは始動する、
前記TTIにおける前記SLの前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)が、前記TTIにおける前記SLの前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)において符号化された前記データに対して冗長なデータで符号化される、
前記SCIは、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)がデータを含むか否かを指示する、
前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)、前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)および/または前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)中に含まれる前記参照信号が、少なくとも1つの復調用参照信号(DMRS)を含む、ならびに、
前記SCIが、変調方式とコーディング方式とのうちの少なくとも1つを指示し、前記方法が、前記変調方式と前記コーディング方式とのうちの少なくとも1つに従って、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化された前記データと前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)において符号化された前記データとのうちの少なくとも1つを復号することをさらに含み、前記復号することが、前記SCIを受信した後に、および/または前記TTIの終了の前に開始する、
のうちの少なくとも1つである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記SLが、送信モバイルデバイス(200)から受信モバイルデバイスへの無線チャネルを含み
前記方法が、前記受信モバイルデバイス(100)によってまたは前記受信モバイルデバイス(100)において実施される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)が物理SL制御チャネル(PSCCH)に割り当てられる、
前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)が物理SL共有チャネル(PSSCH)に割り当てられる、および、
前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)が物理SLブロードキャストチャネル(PSBCH)に割り当てられる、
のうちの少なくとも1つである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
1つの送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボル(302、304、306)のシーケンスを送信する方法(500)であって、前記方法が、
前記SLのための自動利得制御(AGC)を実施するための基礎としての、前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第1のシンボル(302)を送信するステップ(502)と、
前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)の前記送信の後に、前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第2のシンボル(304)において符号化されたSL制御情報(SCI)を送信するステップ(504)と、
前記SCIに従って、前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第3のシンボル(306)において符号化されたデータを送信するステップ(506)と
を含むかまたは始動し、
データが前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化され、前記SCIは、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化された前記データが、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのか、前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのか、前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのかを指示する
ことを特徴とする、方法(500)。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の1つまたは複数のステップさらに含むかまたは始動する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータプログラであって、前記コンピュータプログラムが1つまたは複数のコンピューティングデバイス(1104、1204)上で実行されたとき、請求項1から6、または7から8のいずれか一項に記載のステップを実施するためのプログラムコードを含む、コンピュータプログラ
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータプログラムを記憶している、コンピュータ可読記録媒体(1106;1206)。
【請求項11】
1つの送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボル(302、304、306)のシーケンスを受信するためのデバイス(100)であって、前記デバイス(100)が、
前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第1のシンボル(302)に基づいて、前記SLのための自動利得制御(AGC)を実施するように設定されたAGCユニット(102)と、
前記AGCに基づいて、前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第2のシンボル(304)において符号化されたSL制御情報(SCI)を受信するように設定された制御情報受信ユニット(104)と、
前記SCIに基づいて、前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第3のシンボル(306)において符号化されたデータを受信するように設定されたデータ受信ユニット(106)と
を備え、
データが前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化され、前記SCIは、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化された前記データが、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのか、前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのか、前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのかを指示する
ことを特徴とする、デバイス(100)。
【請求項12】
請求項2から6のいずれか一項に記載のステップを実施するようにさらに設定された、請求項11に記載のデバイス(100)。
【請求項13】
1つの送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボル(302、304、306)のシーケンスを送信するためのデバイス(200)であって、前記デバイス(200)が、
前記SLのための自動利得制御(AGC)を実施するための基礎としての、前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第1のシンボル(302)を送信するように設定されたAGC送信ユニット(202)と、
前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)の前記送信の後に、前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第2のシンボル(304)において符号化されたSL制御情報(SCI)を送信するように設定された制御情報送信ユニット(204)と、
前記SCIに従って、前記TTIにおける前記SLの少なくとも1つの第3のシンボル(306)において符号化されたデータを送信するように設定されたデータ送信ユニット(206)と
を備え、
データが前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化され、前記SCIは、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)において符号化された前記データが、前記少なくとも1つの第1のシンボル(302)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのか、前記少なくとも1つの第2のシンボル(304)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのか、前記少なくとも1つの第3のシンボル(306)中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのかを指示する
ことを特徴とする、デバイス(200)。
【請求項14】
請求項8に記載のステップを実施するようにさらに設定された、請求項13に記載のバイス(200)。
【請求項15】
基地局(602、1312、1420)またはゲートウェイとして機能するバイス(200、100)と通信するように設定された、ユーザ機器(UE)(100、200、1100、1200、1391、1392、1430)であって、前記UE(100、200、1100、1200、1391、1392、1430)が、無線インターフェース(1102、1202、1437)と、請求項1から6、または7から8のいずれか一項に記載のステップを実行するように設定された処理回路(1104、1204、1438)とを備える、ユーザ機器(UE)(100、200、1100、1200、1391、1392、1430)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、サイドリンク上での無線通信のための技法に関する。より詳細には、送信時間間隔におけるサイドリンク上のシンボルのシーケンスを送信および受信するための方法およびデバイス、ならびに対応する信号構造が提供される。
【背景技術】
【0002】
V2X(Vehicle-to-Everything)通信とも呼ばれる、少なくとも1つの車両を伴う無線通信が、非安全情報と安全情報の両方を搬送する。V2X通信を使用する対応するアプリケーションおよびサービスが、たとえば、共通認識メッセージ(CAM:Common Awareness Message)および分散型通知メッセージ(DENM)または基本安全メッセージ(BSM)として知られるメッセージを送信することについてのレイテンシ、信頼性、容量などに関する要件の特定のセットに関連付けられる。これらのメッセージのデータボリュームは、モバイルブロードバンド(MBB)通信と比較して極めて低い。むしろ、安全関係V2X通信は、通常、高信頼性、低レイテンシおよび瞬時通信を必要とする。
【0003】
少なくともいくつかの状況では、これらの要件は、送信が、自己完結型である、すなわち、1つの送信時間間隔(TTI)中に制御情報とデータとを含めることによるものである場合のみ、満たされ得る。識別子でスクランブルされた制御情報をブラインド復号することによって、識別された無線デバイスが、瞬時データ受信のための制御情報、たとえば、スケジューリング割り振りを受信することができる。
【0004】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、Long Term Evolution(LTE)のコンテキストにおけるV2X通信を指定した。図17は、LTE V2Xにおける物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)および物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)についての、(水平軸上の)時間および(垂直軸上の)周波数におけるリソースのマッピングを概略的に示す。2つのチャネル、すなわち、PSCCHとPSSCHとは、別個に符号化され、変調される。
【0005】
2つの無線デバイスが、互いに対して移動し、ならびに/または、無線伝搬を散乱および阻止する環境内で移動するにつれて、受信無線デバイスにおいて送信無線デバイスから受信される信号電力が不規則に変動する。したがって、最後の送信時間間隔(TTI)におけるデータ受信のために正常に適用された受信機利得が、現在のTTIに好適であるのか、現在のTTIにおいてデータ受信を不可能にするのかが予測不可能であり得る。したがって、各受信無線デバイスは、その受信機利得を制御するための機構を実施しなければならず、これは、自動利得制御(AGC:automatic gain control)として知られる。たとえば、3GPPによって指定されている、LTEおよび新無線(New Radio:NR)によるV2X通信は、主に、電力制御なしのブロードキャスト送信を含む。
【0006】
従来のLTE V2X通信では、PSCCHとその関連するPSSCHとが周波数において多重化される。より詳細には、チャネルの各々が、周波数領域において隣接するリソースブロック(RB)の異なるグループを割り当てられ、これは図17に示されている。そのような信号構造は自己完結型TTIを提供する。ただし、多重化のこのやり方では、両方のチャネルは、それらの第1のシンボルをAGC整定(AGC settling)シンボルとして有する。残りのシンボルは、PSCCHの場合に復調用参照信号(DMRS)とサイドリンク制御情報(SCI)とを含むか、またはPSSCHの場合にDMRSとデータとを含むかのいずれかである。2つのチャネルの復調は、それらのチャネルのそれぞれのDMRSを使用して別個に実施される。各チャネルでは、第1のシンボルが、AGCを実施する間に失われない、すなわち、第1のシンボルがAGC整定により失われない場合、第1のシンボル中に含まれるDMRSは、対応するチャネルの復調のために使用され得る。
【0007】
最新のAGCセッティングが現在のTTIにとって好適でない場合、そのTTIにおけるSCIの少なくともいくつかのシンボルが失われ、したがって、制御情報と、結果として、データとが、復号不可能にされる。ある状況において、レイテンシを増加させることと、自己完結型TTIの原理に違反することという犠牲を払って、別のTTIにおいてあらかじめSCIを送信することによって、この問題を解決することができる。
【発明の概要】
【0008】
したがって、モバイルデバイス間のサイドリンクを可能にする無線通信技法が必要である。代替またはさらなる目的は、モバイルデバイス間のサイドリンク上でのリソース効率的なおよび/または低レイテンシ無線通信のための技法である。代替またはより具体的な目的は、モバイルデバイス間のサイドリンク上での自己完結型TTIを可能にする無線通信技法である。
【0009】
第1の方法態様に関して、送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを受信する方法が提供される。本方法は、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルに基づいて、SLのための自動利得制御(AGC)を実施するステップを含むかまたは始動し得る。本方法は、AGCに基づいて、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたSL制御情報(SCI)を受信するステップをさらに含むかまたは始動し得る。本方法は、SCIに基づいて、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータを受信するステップをさらに含むかまたは始動し得る。
【0010】
少なくとも1つの第1のシンボルにおいて参照信号および/またはデータを送信することによって、サイドリンクの無線リソースが、少なくともいくつかの実施形態によってより効率的に使用され得る。たとえば、受信モバイルデバイスが、少なくとも1つの第1のシンボルにおける参照信号を使用して、コヒーレント復調を適時的に改善することができる。代替的にまたは追加として、受信モバイルデバイスは、少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化されたデータ(たとえば、さらなるデータまたは冗長データ)に基づいて、適時的に、さらなるデータを復号するかまたはデータ受信の信頼性を改善することができる。
【0011】
同じまたはさらなる実施形態では、TTIにおけるAGCシンボルが自己完結型送信を可能にすることができ、したがって、受信モバイルデバイスは、その受信利得を、送信モバイルデバイスからの特定のTTIおよび特定のSLのために調節することが可能である。
【0012】
同じまたはさらなる実施形態は、少なくとも1つの第1のシンボルを、たとえば、受信機におけるAGCプロセスによりAGC整定シンボルが完全には失われない場合、SLの制御チャネルおよび/またはデータチャネルについての有用な情報を適時的に搬送するAGC整定シンボルとして使用することを可能にし得る。
【0013】
TTIにおけるSLのシンボルの各々は直交周波数分割多重(OFDM)シンボルであり得る。
【0014】
本方法は、受信モバイルデバイスによって実施され得る。SLは、送信モバイルデバイスと受信モバイルデバイスとの間の直接無線リンクであり得る。送信モバイルデバイスおよび/または受信モバイルデバイスのいずれも、たとえば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によるユーザ機器(UE)であり得る。
【0015】
TTIは、たとえば、SLの無線フレーム構造におけるスロットまたはサブフレームであり得る。
【0016】
シンボルのシーケンスは、TTI内で送信モバイルデバイスから受信モバイルデバイスにSL上で送信され得る。
【0017】
AGCから生じる利得が、制御チャネルと共有チャネルの両方に適用され得る。
【0018】
AGCは、SL上の少なくとも1つの第1のシンボルの受信電力に基づき得る。受信電力は参照信号受信電力(RSRP)であり得る。
【0019】
SLの少なくとも1つの第1のシンボルは、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルの受信より前に受信され得る。代替的にまたは追加として、SLの少なくとも1つの第2のシンボルは、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルの受信より前に受信され得る。
【0020】
少なくとも1つの第1のシンボルはTTIの始まりを規定し得る。代替的にまたは追加として、少なくとも1つの第3のシンボルはTTIの終了を規定し得る。
【0021】
SLの少なくとも1つの第1のシンボルとSLの少なくとも1つの第2のシンボルとはTTIにおいて連続し得る。代替的にまたは追加として、SLの少なくとも1つの第2のシンボルとSLの少なくとも1つの第3のシンボルとはTTIにおいて連続する。
【0022】
少なくとも1つの第1のシンボルは、少なくとも1つの参照信号を含み得る。これは、特に、本明細書で第2または第4の実施形態と呼ばれる任意の実施形態において実装され得る。参照信号、または2つ以上の参照信号の各々は、たとえば、それぞれ、1つまたは複数の空間ストリームをコヒーレントに復調するための復調用参照信号(DMRS)であり得る。
【0023】
SCIを受信することは、少なくとも1つの第1のシンボルにおける少なくとも1つの参照信号を使用して少なくとも1つの第2のシンボルを復調するステップを含むかまたは始動し得る。これは、特に、本明細書で第4の実施形態と呼ばれる実施形態において実装され得る。
【0024】
少なくとも1つの第1のシンボルにおける少なくとも1つの参照信号は、少なくとも1つの第2のシンボルを復調するための少なくとも1つの第2のシンボル中に含まれるさらなる参照信号に加えて、使用され得る。少なくとも1つの第1のシンボルにおける少なくとも1つの参照信号は適時的に使用され得る。たとえば、少なくとも1つの第1のシンボルは、(AGCセッティングが変更されなければならない場合に)AGCセッティングのために使用されるか、または追加の参照信号のために使用されるかのいずれかであり得る。
【0025】
少なくとも1つの第1のシンボルにおける少なくとも1つの参照信号は、少なくとも1つの第2のシンボルを復調することをサポートし得る。少なくとも1つの第2のシンボルは、少なくとも1つの第1のシンボルにおける少なくとも1つの参照信号と、TTIにおけるさらなる参照信号とに基づいて、コヒーレントに復調され得る。
【0026】
AGCを実施するステップは、SLを受信するモバイルデバイスにおいて少なくとも1つの第1のシンボルの受信電力を測定することを含み得、および/または少なくとも1つの第1のシンボルの受信電力を測定することに基づき得る。これは、特に、本明細書で第4の実施形態と呼ばれる実施形態において実装され得る。受信電力はRSRPであり得る。
【0027】
データは、少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化され得る。これは、特に、本明細書で第1、第2または第3の実施形態と呼ばれる任意の実施形態において実装され得る。本方法は、少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化されたデータを復調および/または復号するステップをさらに含むかまたは始動し得る。
【0028】
少なくとも1つの第1のシンボルにおける、データと少なくとも1つの参照信号とは、少なくとも1つの第1のシンボルにおいて周波数多重化され得る。好ましくは、データと参照信号との各々が、少なくとも1つの第1のシンボルにおけるサブキャリアのコム状割り当てに従って構成され得る。
【0029】
少なくとも1つの第1のシンボルにおけるサブキャリアのコム状割り当ては1つおきのサブキャリアを空のままにし得る。代替的にまたは追加として、少なくとも1つの参照信号、たとえばDMRSが、n個のアクティブサブキャリアごとに供給され得、nは、2よりも大きいかまたはそれに等しい正の整数である。たとえば、DMRSは、少なくとも1つの第1のシンボルの1つおきのまたは2つおきのアクティブサブキャリアに供給され得る。
【0030】
少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化されたデータを受信することは、少なくとも1つの第1のシンボル中に含まれる少なくとも1つの参照信号に基づいて、少なくとも1つの第1のシンボルを復調することを含むかまたは始動し得る。これは、特に、本明細書で第2の実施形態と呼ばれる任意の実施形態において実装され得る。
【0031】
随意に、少なくとも1つの第1のシンボルは、少なくとも1つの第2のシンボルおよび/または少なくとも1つの第3のシンボルと同じアンテナポート上で送信され得る。たとえば、少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化されたデータ、ならびに少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたSCIおよび/または少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータが、少なくとも1つの第1のシンボル、ならびに第2および/または第3のシンボル中に含まれる参照信号に基づいて、コヒーレントに復調され得る。
【0032】
少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化されたデータを受信することは、少なくとも1つの第2のシンボル中に含まれる参照信号に基づいて、少なくとも1つの第1のシンボルを復調するステップを含むかまたは始動し得る。これは、特に、本明細書で第1の実施形態と呼ばれる任意の実施形態において実装され得る。少なくとも1つの第1のシンボルと少なくとも1つの第2のシンボルとは、同じアンテナポート上で送信され得る。
【0033】
少なくとも1つの第2のシンボル中に含まれる参照信号は、1つまたは複数のDMRSを含み得る。
【0034】
少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化されたデータを受信することは、TTIについてのコヒーレンス条件が満たされる場合、少なくとも1つの第3のシンボル中に含まれる参照信号に基づいて、少なくとも1つの第1のシンボルを復調するステップを含むかまたは始動し得る。これは、特に、本明細書で第3の実施形態と呼ばれる任意の実施形態において実装され得る。コヒーレンス条件は、SLを受信するモバイルデバイスの速度が絶対速度しきい値よりも小さい場合、受信モバイルデバイスとSLを送信するモバイルデバイスとの間の相対速度が相対速度しきい値よりも小さい場合、および/あるいは、チャネル状態の変化レートまたはチャネル推定値がレートしきい値よりも小さい場合、満たされ得る。
【0035】
少なくとも1つの第1のシンボルと少なくとも1つの第3のシンボルとは、同じアンテナポート上で送信され得る。少なくとも1つの第1のシンボルの復調は、コヒーレンス条件が満たされる場合、少なくとも1つの第3のシンボル中に含まれる参照信号に選択的に基づき得る。
【0036】
チャネル状態は、受信モバイルデバイスにおいて測定され、および/または送信モバイルデバイスに報告され得る。たとえば、受信モバイル端末が、少なくとも1つの第3のシンボル中に含まれる参照信号に基づいて、チャネル状態を推定し得る。代替的にまたは追加として、送信モバイルデバイスは、(たとえば、チャネル相互関係に基づいて)チャネル状態を測定し得る。たとえば、送信モバイルデバイスは、SLの下にあるチャネルが相互的である場合、受信モバイルから送信された参照信号に基づいて、チャネル状態を推定し得る。
【0037】
少なくとも1つの参照信号のいずれかに基づいて復調するステップのいずれも、それぞれの少なくとも1つの参照信号に基づいてチャネル推定を実施することと、チャネル推定を使用して復調することとを含み得る。
【0038】
TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルは、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータに対して冗長的に符号化され得る。これは、特に、本明細書で第1、第2または第3の実施形態と呼ばれる任意の実施形態において実装され得る。
【0039】
少なくとも1つの第1のシンボルは、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータに対して冗長であるデータで符号化され得る。少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化されたデータは前方誤り訂正(FEC)を提供し得る。少なくとも1つの第1のシンボルおよび少なくとも1つの第3のシンボルは、冗長コード、たとえば、誤り訂正コード(ECC)から生じるコードワードに従って符号化され得る。
【0040】
SCIに基づいて、受信モバイルデバイスは、TTIにおけるSL上のデータ(または対応するデータパケット)が受信モバイルデバイスに宛てられるか否かを(たとえば、物理レイヤ上で)決定し得る。代替的にまたは追加として、受信モバイルデバイスは、データを復調するために必要な情報を推論し得る。
【0041】
SCIは、少なくとも1つの第1のシンボルがデータを含むか否かを指示し得る。受信モバイルデバイスは、SCIが、少なくとも1つの第1のシンボルがデータを含むことを指示したことに応答して、第1、第2および第3の実施形態のうちのいずれか1つを選択的に実施するように設定され得る。
【0042】
代替的にまたは追加として、SCIは、少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化されたデータが、第1のシンボル中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのか、第2のシンボル中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのか、第3のシンボル中に含まれる参照信号に対応するアンテナポート上で送信されるのかを指示し得る。受信モバイルデバイスは、その指示に従って、第1、第2または第3の実施形態を選択的に実施するように設定され得る。
【0043】
第1、第2または第3のシンボル中に含まれる参照信号は、1つまたは複数のDMRSを含み得る。
【0044】
代替的にまたは追加として、SCIは、変調方式および/またはコーディング方式を指示し得る。本方法は、変調方式および/またはコーディング方式に従って、少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化されたデータと少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータとのうちの少なくとも1つを復号するステップをさらに含むかまたは始動し得る。復号するステップは、SCIを受信した後に、および/またはTTIの終了の前に開始し得る。
【0045】
SCIは、以下の情報のうちの少なくとも1つを提供し得る。SCIは周波数ホッピングフラグを含み得る。SCIは、周波数ホッピングが少なくとも1つの第1のシンボルおよび/または第3のシンボルのために適用されるかどうかを指示し得る。SCIはリソースブロック割り振りを指示し得る。SCIは、割り当てられたリソースブロック(RB)の数および/または(たとえば、時間および/または周波数における)それらのRBのロケーションに関する情報を提供し得る。SCIは、少なくとも1つの第1のシンボルの数および/または少なくとも1つの第3のシンボルの数を指示し得る。SCIは変調符号化方式(MCS)を指示し得る。SCIは、タイミングアドバンス、すなわち、受信モバイルデバイスについてのタイミング調節値を指示し得る。
【0046】
SLは、送信モバイルデバイスから受信モバイルデバイスへの無線チャネルを含み得る。第1の方法態様は、受信モバイルデバイスによってまたは受信モバイルデバイスにおいて実施され得る。
【0047】
少なくとも1つの第2のシンボルは物理SL制御チャネル(PSCCH)に割り当てられ得る。少なくとも1つの第3のシンボルは物理SL共有チャネル(PSSCH)に割り当てられ得る。
【0048】
少なくとも1つの第1のシンボルは物理SLブロードキャストチャネル(PSBCH)に割り当てられ得る。
【0049】
第2の方法態様に関して、送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを送信する方法が提供される。本方法は、SLのための自動利得制御(AGC)を実施するための基礎としての、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルを送信するステップを含むかまたは始動する。本方法は、少なくとも1つの第1のシンボルの送信の後に、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたSL制御情報(SCI)を送信するステップをさらに含むかまたは始動する。本方法は、SCIに従って、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータを送信するステップをさらに含むかまたは始動する。
【0050】
第2の方法態様は、第1の方法態様のコンテキストにおいて開示されるステップのいずれかおよび/または特徴のいずれか、あるいはそれに対応するステップおよび/または特徴をさらに含むかまたは始動し得る。
【0051】
信号態様に関して、送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを含む信号構造が提供される。本信号構造は、SLのための自動利得制御(AGC)を実施するための基礎としての、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルを含む。本信号構造は、TTIにおける、少なくとも1つの第1のシンボルの後の、サイドリンク制御情報(SCI)で符号化された少なくとも1つの第2のシンボルをさらに含む。本信号構造は、TTIにおける、少なくとも1つの第2のシンボルの後の、SCIに従ってデータで符号化された少なくとも1つの第3のシンボルをさらに含む。
【0052】
本信号構造は、TTI内で送信モバイルデバイスから受信モバイルデバイスにSL上で送信され得る。少なくとも1つの第1のシンボルは、SLの受信モバイルデバイスにおいてAGCを実施することを可能にし得る。AGCに基づいて、受信モバイルデバイスは、SCIと、さらに、SCIに従うデータとを受信し得る。
【0053】
シンボルの各々は、それぞれリソースエレメント(RE)またはサブキャリアに対応するフーリエ成分のセットによって規定され得る。本信号構造は、周波数と時間とのうちの少なくとも1つにおける、シンボルを搬送するREの構成として実装され得る。代替的にまたは追加として、本信号構造は、空間と時間とのうちの少なくとも1つにおける(たとえば、コヒーレント)光子の構成として実装され得る。
【0054】
さらなるデータおよび/または冗長データが、少なくとも1つの第1のシンボルにおいて符号化され得る。これは、特に、本明細書で第1、第2または第3の実施形態と呼ばれる任意の実施形態において実装され得る。さらなるデータは、少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータに加えて、符号化され得る。代替的にまたは追加として、少なくとも1つにおいて符号化されたデータは、少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータに対して冗長であり得る。
【0055】
少なくとも1つの第1のシンボルは、少なくとも1つの参照信号を含み得る。これは、特に、本明細書で第2または第4の実施形態と呼ばれる任意の実施形態において実装され得る。
【0056】
シーケンスにおけるシンボルは、時間において連続するおよび重複しないのうちの少なくとも1つであり得る。シーケンスにおけるシンボルはTTIにおいて隣接し得る。
【0057】
本信号構造は、第1または第2の方法態様のコンテキストにおいて開示される任意の特徴、あるいはそれに対応する特徴をさらに含み得る。
【0058】
TTIは、無線フレーム構造のサブフレームまたはスロットであり得る。SLは、たとえば、3GPPによれば、V2V(Vehicle-to-Vehicle)通信、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)通信、V2P(Vehicle-to-Pedestrian)通信、(V2V、V2IおよびV2P通信のうちの少なくとも1つを含み得る)V2X(Vehicle-to-Everything)通信、およびD2D(device-to-device)通信のうちの少なくとも1つを含むかまたはサーブし得る。
【0059】
異なる参照信号が、たとえば、多入力またはビームフォーミングSLのために、送信モバイルデバイスの異なるアンテナポートから受信され得る。代替的にまたは追加として、各参照信号が、たとえば、多入力多出力(MIMO)SLのために、受信モバイルデバイスの複数のアンテナポートにおいて受信され得る。
【0060】
本技法は、たとえば、1つまたは複数のモバイルデバイスをサーブするように設定された無線アクセスネットワーク(RAN)に接続可能な1つまたは複数のモバイルデバイスにおいて実装され得る。
【0061】
モバイルデバイスのいずれも、SL上での)ピアツーピア通信のために、および/または(たとえばアップリンクおよび/またはダウンリンク上で)RANにアクセスするために設定され得る。無線デバイスは、ユーザ機器(UE、たとえば、3GPP UE)、モバイルまたはポータブル局(STA、たとえばWi-Fi STA)、マシン型通信(MTC)のためのデバイス、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)のためのデバイス、あるいはそれらの組合せであり得る。UEおよびモバイル局のための例は、モバイルフォンとタブレットコンピュータとを含む。ポータブル局のための例は、ラップトップコンピュータとテレビ受像機とを含む。MTCデバイスまたはNB-IoTデバイスのための例は、たとえば、製造、自動車通信およびホームオートメーションにおける、ロボット、センサーおよび/またはアクチュエータを含む。MTCデバイスまたはNB-IoTデバイスは、家庭用器具およびコンシューマエレクトロニクスにおいて実装され得る。組合せのための例は、自動運転車両と、ドア相互通信システムと、現金自動預け払い機とを含む。
【0062】
基地局のための例は、3G基地局またはノードBと、4G基地局またはeノードBと、5G基地局またはgノードBと、アクセスポイント(たとえば、Wi-Fiアクセスポイント)と、(たとえば、Bluetooth、ZigBeeまたはZ-Waveによる)ネットワークコントローラとを含み得る。
【0063】
RANは、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、Long Term Evolution(LTE)、および/または新無線(NR)に従って実装され得る。
【0064】
本技法は、無線通信のためのプロトコルスタックの物理レイヤ(PHY)、媒体アクセス制御(MAC)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、および/または無線リソース制御(RRC)レイヤ上で実装され得る。
【0065】
別の態様に関して、コンピュータプログラム製品が提供される。本コンピュータプログラム製品は、本コンピュータプログラム製品が1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって実行されたとき、本明細書で開示される第1の方法態様および/または第2の方法態様のステップのうちのいずれか1つを実施するためのプログラムコード部分または命令を含む。本コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記録媒体に記憶され得る。本コンピュータプログラム製品はまた、データネットワークを介した、たとえば、アドホックネットワーク、RAN、インターネットを介したおよび/または基地局による、ダウンロードのために提供され得る。代替的にまたは追加として、本方法は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)および/または特定用途向け集積回路(ASIC)において符号化され得るか、あるいは、機能が、ハードウェア記述言語によってダウンロードのために提供され得る。
【0066】
第1のデバイス態様に関して、送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを受信するためのデバイスが提供される。本デバイスは、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルに基づいて、SLのための自動利得制御(AGC)を実施するように設定されたAGCユニットを備える。本デバイスは、AGCに基づいて、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたSL制御情報(SCI)を受信するように設定された制御情報受信ユニットをさらに備える。本デバイスは、SCIに基づいて、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータを受信するように設定されたデータ受信ユニットをさらに備える。
【0067】
本デバイス、たとえば、ユニットのうちのいずれか1つ、または専用ユニットは、別の態様、特に第1の方法態様のコンテキストにおいて開示されるステップのいずれかを実施するようにさらに設定され得るか、または別の態様、特に第1の方法態様のコンテキストにおいて開示される任意の特徴を備え得る。
【0068】
第2のデバイス態様に関して、送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを送信するためのデバイスが提供される。本デバイスは、SLのための自動利得制御(AGC)を実施するための基礎としての、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルを送信するように設定されたAGC送信ユニットを備える。本デバイスは、少なくとも1つの第1のシンボルの送信の後に、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたSL制御情報(SCI)を送信するように設定された制御情報送信ユニットをさらに備える。本デバイスは、SCIに従って、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータを送信するように設定されたデータ送信ユニットをさらに備える。
【0069】
本デバイス、たとえば、ユニットのうちのいずれか1つ、または専用ユニットは、別の態様、特に第2の方法態様のコンテキストにおいて開示されるステップのいずれかを実施するようにさらに設定され得るか、または別の態様、特に第2の方法態様のコンテキストにおいて開示される任意の特徴を備え得る。
【0070】
さらなる第1のデバイス態様に関して、送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを受信するためのデバイスが提供される。本デバイスは、少なくとも1つのプロセッサとメモリとを備える。前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を備え、それにより、本デバイスは、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルに基づいて、SLのための自動利得制御(AGC)を実施するように動作可能である。命令の実行は、さらに、本デバイスが、AGCに基づいて、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたSL制御情報(SCI)を受信するように動作可能であることを引き起こす。命令の実行は、さらに、本デバイスが、SCIに基づいて、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータを受信するように動作可能であることを引き起こす。
【0071】
さらなる第2のデバイス態様に関して、送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを送信するためのデバイスが提供される。本デバイスは、少なくとも1つのプロセッサとメモリとを備える。前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を備え、それにより、本デバイスは、SLのための自動利得制御(AGC)を実施するための基礎としての、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルを送信するように動作可能である。命令の実行は、さらに、本デバイスが、少なくとも1つの第1のシンボルの送信の後に、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたSL制御情報(SCI)を送信するように動作可能であることを引き起こす。命令の実行は、さらに、本デバイスが、SCIに従って、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータを送信するように動作可能であることを引き起こす。
【0072】
またさらなる態様に関して、基地局と通信するように設定されたユーザ機器(UE)が提供される。本UEは、無線インターフェースと処理回路とを備え、処理回路は、本方法態様のステップのうちのいずれか1つを実行するように設定される。
【0073】
またさらなる態様に関して、ホストコンピュータを含む通信システムが提供される。ホストコンピュータは、ユーザデータを提供するように設定された処理回路を備え得る。ホストコンピュータは、ユーザ機器(UE)への送信のためにセルラネットワークにユーザデータをフォワーディングするように設定された通信インターフェースをさらに備え得、UEは、無線インターフェースと処理回路とを備え、UEの処理回路は、第1および/または第2の方法態様のステップのうちのいずれか1つを実行するように設定される。
【0074】
本通信システムは、UEをさらに含み得る。代替的にまたは追加として、セルラネットワークは、UEと通信するように設定された基地局をさらに含み得る。
【0075】
ホストコンピュータの処理回路は、ホストアプリケーションを実行し、それによりユーザデータを提供するように設定され得る。代替的にまたは追加として、UEの処理回路は、ホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行するように設定され得る。
【0076】
またさらなる態様に関して、ユーザ機器(UE)において実装される方法が提供される。本方法は、第1および/または第2の方法態様のステップのいずれかを含み得る。
【0077】
本技法を具現するための、デバイス、UE、システム、あるいは任意のノードまたは局は、第1の方法態様および/または第2の方法態様のコンテキストにおいて開示される任意の特徴をさらに含み得、その逆も同様である。特に、ユニットおよびモジュールのうちのいずれか1つ、あるいは専用ユニットまたはモジュールが、第1の方法態様および/または第2の方法態様のうちのいずれか1つのステップのうちの1つまたは複数を実施またはトリガするように設定され得る。
【0078】
本技法の実施形態のさらなる詳細が、同封の図面を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1】送信時間間隔におけるサイドリンク上のシンボルのシーケンスを受信するためのデバイス実施形態の概略ブロック図である。
図2】送信時間間隔におけるサイドリンク上のシンボルのシーケンスを送信するためのデバイス実施形態の概略ブロック図である。
図3】送信時間間隔におけるサイドリンク上のシンボルのシーケンスを含む信号構造実施形態を概略的に示す図である。
図4図1のデバイスによって実装可能である、送信時間間隔におけるサイドリンク上のシンボルのシーケンスを受信するための方法の一実施形態のフローチャートである。
図5図2のデバイスによって実装可能である、送信時間間隔におけるサイドリンク上のシンボルのシーケンスを送信するための方法の一実施形態のフローチャートである。
図6図1および図2のデバイスのいずれかならびに図3の信号構造を実装するための例示的なネットワーク環境を概略的に示す図である。
図7図3の信号構造実施形態の一実装形態のための概略時間周波数グリッドを示す図である。
図8図3の信号構造の第1の実施形態のための概略時間周波数グリッドを示す図である。
図9A】特に第2の実施形態において実装可能である、AGC整定シンボルのためのサブキャリア割り当ての第1の例を概略的に示す図である。
図9B】特に第2の実施形態において実装可能である、データシンボルのためのサブキャリア割り当ての第2の例を概略的に示す図である。
図10図3の信号構造の第3の実施形態のための概略時間周波数グリッドを示す図である。
図11図1のデバイスのさらなる実施形態の一実装例の概略ブロック図である。
図12図2のデバイスのさらなる実施形態の一実装例の概略ブロック図である。
図13】中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された通信ネットワークを概略的に示す図である。
図14】部分的無線接続上でホストコンピュータが基地局を介してユーザ機器と通信することの一般化されたブロック図である。
図15】ホストコンピュータと基地局とユーザ機器とを含む通信システムにおいて実装される方法のためのフローチャートである。
図16】ホストコンピュータと基地局とユーザ機器とを含む通信システムにおいて実装される方法のためのフローチャートである。
図17】従来の信号構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
以下の説明では、限定ではなく説明の目的で、本明細書で開示される技法の完全な理解を提供するために、特定のネットワーク環境など、特定の詳細が記載される。本技法が、これらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態において実施され得ることが、当業者には明らかであろう。その上、以下の実施形態は、主に、新無線(NR)または5G実装形態のために説明されるが、本明細書で説明される技法はまた、3GPP LTEまたはそれの後継、規格ファミリーIEEE802.11による無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、Bluetooth Special Interest Group(SIG)、特に、Bluetooth低エネルギーおよびBluetoothブロードキャスティングによるBluetooth、ならびに/あるいはIEEE802.15.4に基づくZigBeeを含む、任意の他の無線ネットワークにおいて実装され得ることが容易に明らかである。
【0081】
その上、本明細書で説明される機能、ステップ、ユニットおよびモジュールは、プログラムされたマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または、たとえば、高度RISCマシン(ARM)を含む汎用コンピュータとともに機能するソフトウェアを使用して実装され得ることを、当業者は諒解されよう。以下の実施形態は、主に、方法およびデバイスを伴うコンテキストにおいて説明されるが、本発明はまた、コンピュータプログラム製品において具現され、ならびに少なくとも1つのコンピュータプロセッサと少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを備えるシステムにおいて具現され得、メモリは、機能およびステップを実施するか、または本明細書で開示されるユニットおよびモジュールを実装し得る、1つまたは複数のプログラムで符号化されることも諒解されよう。
【0082】
図1は、送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを受信するためのデバイスのブロック図を概略的に示す。参照符号100は、総称的に、そのようなデバイスを指す。
【0083】
デバイス100は、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルに基づいて、SLのための自動利得制御(AGC)を実施するかまたは始動するAGCモジュール102を備える。デバイス100は、AGCに基づいて、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたサイドリンク制御情報(SCI)を受信するSCI受信モジュール104をさらに備える。デバイス100は、SCIに基づいて、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータを受信するデータ受信モジュール106をさらに備える。
【0084】
デバイス100のモジュールのいずれも、対応する機能を提供するように設定されたユニットによって実装され得る。
【0085】
図2は、送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを送信するためのデバイスのブロック図を概略的に示す。参照符号200は、総称的に、そのようなデバイスを指す。
【0086】
デバイス200は、SLのための自動利得制御(AGC)を実施するための基礎としての、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルを送信する自動利得制御シンボル送信モジュール202を備える。デバイス200は、少なくとも1つの第1のシンボルの送信の後に、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたサイドリンク制御情報(SCI)を送信するサイドリンク制御情報送信モジュール204をさらに備える。デバイス200は、SCIに従って、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータを送信するデータ送信モジュール206をさらに備える。
【0087】
デバイス200のモジュールのいずれも、対応する機能を提供するように設定されたユニットによって実装され得る。
【0088】
デバイス100は、受信モバイルデバイス、たとえば、SLの受信端末によって実装され得る。代替的にまたは追加として、デバイス200は、送信モバイルデバイス、たとえば、SLの送信端末によって実装され得る。
【0089】
任意の態様では、デバイス100は、たとえば、V2V(Vehicle-to-Vehicle)通信またはあらゆる車両(V2X)通信のために、デバイス200に無線で接続されるかまたは接続可能であり、および/あるいはその逆も同様であり得る。V2X通信はVehicle-to-Everything通信とも呼ばれる。デバイス100および200のいずれも、SLを介する無線アドホック接続のために設定された無線デバイスによってまたはその無線デバイスにおいて具現され得る。
【0090】
随意に、デバイス100および200のいずれも、無線アクセスネットワーク(RAN)に、たとえば、RANの基地局に無線で接続されるかまたは接続可能であり得る。デバイス100および200のいずれも、たとえば無線接続された運転のために設定された車両において、RANにアクセスするために設定された無線デバイスによってまたはその無線デバイスにおいて具現され得る。基地局は、RANのネットワークコントローラ(たとえば、Wi-Fiアクセスポイント)または無線アクセスノード(たとえば3GノードB、4G eノードBまたは5G gノードB)を包含し得る。基地局は、無線アクセスを提供するように設定され得る。
【0091】
代替的にまたは追加として、デバイス100および200のいずれも、RANに接続可能な、モバイルまたはポータブル局、あるいは無線デバイスを含み得る。デバイス100および200のいずれも、ユーザ機器(UE)、特に、マシン型通信(MTC)のためのデバイス、および/または(たとえば、狭帯域)モノのインターネット(IoT)のためのデバイスであり得る。
【0092】
図3は、1つの送信時間間隔(TTI)におけるサイドリンク(SL)上のシンボルのシーケンスを含む信号構造の一実施形態を概略的に示す。信号構造は、総称的に、参照符号300によって参照される。
【0093】
信号構造300は、SLのための自動利得制御(AGC)を実施するための基礎としての、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボル302を含む。少なくとも1つの第1のシンボル302は、AGCシンボル302またはAGC整定シンボル302と呼ばれることもある。
【0094】
信号構造300は、TTIにおける、少なくとも1つの第1のシンボル302の後の、サイドリンク制御情報(SCI)で符号化された少なくとも1つの第2のシンボル304をさらに含む。少なくとも1つの第2のシンボル304はSCIシンボル304と呼ばれることもある。
【0095】
TTIにおいて、少なくとも1つの第2のシンボル304の後に、信号構造300は、SCIに従ってデータで符号化された少なくとも1つの第3のシンボル306を含む。少なくとも1つの第3のシンボル306はデータシンボル306と呼ばれることもある。
【0096】
少なくとも1つの第2の(またはSCI)シンボルは、SLの物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)に割り当てられ得る。少なくとも1つの第2のシンボルは、PSCCHシンボル304または、手短に、PSCCH304と呼ばれることもある。
【0097】
少なくとも1つの第3の(またはデータ)シンボルは、SLの物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)に割り当てられ得る。少なくとも1つの第3のシンボルは、PSSCHシンボル306または、手短に、PSSCH306と呼ばれることもある。
【0098】
随意に、少なくとも1つの第1の(またはAGC)シンボル302は、SLのPSSCHに割り当てられるさらなるシンボルである。この場合、少なくとも1つの第1のシンボルは適時的PSSCHシンボル302と呼ばれることもある。
【0099】
SL上のデータパケットの完全な送信が、2つの物理チャネル、すなわち、PSCCHおよびPSSCHの送信を含み得る。PSCCHは、実際のデータを搬送するPSSCHの復号を可能にするためのSCIを搬送する。詳細には、PSCCHにおけるSCIは、PSSCH306が送信される無線リソースに関する(たとえば、時間またはシンボル、周波数またはサブキャリア、および/あるいは空間ストリームまたはフィルタ処理に関する)情報、および/または、PSSCH306がどのように符号化されるかの情報(たとえば、変調符号化方式(MCS))を含む。
【0100】
受信デバイス100は、最初に、あらかじめ規定されたフォーマットを使用して符号化され得るPSCCH304を復号し得る。PSCCH304において受信された制御情報に基づいて、受信デバイス100は、次いで、関連するPSSCH306を復号する。
【0101】
信号構造300は、デバイス200、たとえば、SLの送信モバイルデバイスから送信され得る。代替的にまたは追加として、信号構造300は、デバイス100、たとえば、SLの受信モバイルデバイスにおいて受信され得る。
【0102】
図4は、TTIにおけるSL上のシンボルのシーケンスを受信する方法400のためのフローチャートを示す。方法400は、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルに基づいて、SLのためのAGCを実施するステップ402を含むかまたは始動する。AGCに基づいて、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたSCIが、方法400のステップ404において受信される。SCIに基づいて、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータが、方法400のステップ406において受信される。
【0103】
方法400は、デバイス100によって、たとえば、別の無線デバイス、たとえば、デバイス200にアクセスするための受信モバイルデバイスにおいてまたはその受信モバイルデバイスを使用して、実施され得る。特に、モジュール102、104および106は、それぞれ、ステップ402、404および406を実施し得る。
【0104】
図5は、TTIにおけるSL上のシンボルのシーケンスを送信する方法500のためのフローチャートを示す。方法500は、SLのためのAGCを実施するための基礎としての、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第1のシンボルを送信するステップ502を含むかまたは始動する。少なくとも1つの第1のシンボルの送信の後に、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第2のシンボルにおいて符号化されたSCIが、ステップ504において送信される。ステップ506において、TTIにおけるSLの少なくとも1つの第3のシンボルにおいて符号化されたデータがSCIに従って送信される。
【0105】
ステップ502は、ステップ504および/または506におけるSL(たとえば、D2DまたはV2X)送信のためのAGC整定を可能にし、および/またはトリガし得る。
【0106】
方法500は、デバイス200によって、たとえば、別の無線デバイス、たとえば、デバイス100にアクセスするための送信モバイルデバイスにおいてまたはその送信モバイルデバイスを使用して、実施され得る。特に、モジュール202、204および206は、それぞれ、ステップ502、504および506を実施し得る。
【0107】
さらに、方法500から生じる信号および/または方法400によって処理される信号は、信号構造300に従って構造化され得る。特に、モジュール202、204および206は、それぞれ、シンボル302、304および306を生成および/または送信し得る。モジュール102、104および106は、それぞれ、シンボル302、304および306を受信および/または処理し得る。
【0108】
デバイス100および/またはデバイス200の実施形態は、特に第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の技術規格文書によれば、スタンドアロン無線通信、アドホック無線ネットワークおよび/または車両無線通信(V2X通信)のために設定され得る。リリース12では、Long Term Evolution(LTE)のための3GPP規格は、(「サイドリンク」通信とも呼ばれる)D2D(device-to-device)通信のサポートを伴って拡張された。(近傍サービス(ProSe)とも呼ばれる)D2D特徴は、商用アプリケーションと公共安全アプリケーションの両方をターゲットにしている。3GPP LTEリリース12以来可能にされたProSe特徴は、デバイス発見を含み、すなわち、ある無線デバイスが、デバイス識別情報とアプリケーション識別情報とを搬送する発見メッセージをブロードキャストおよび検出することによって、別の無線デバイスおよび関連するアプリケーションの近傍を検知することが可能である。さらなるProSe特徴は、デバイス100とデバイス200との間の直接終端する物理チャネルに基づく直接通信を可能にする特徴のための一例である。そのような特徴は、とりわけ、文書3GPP TS23.303、バージョン15.0.0、および3GPP TS24.334、バージョン15.1.0において規定されている。
【0109】
3GPP LTEリリース14では、D2D通信は、車両と歩行者とインフラストラクチャとの間の直接通信の任意の組合せを含む、V2X通信のサポートにさらに拡張された。V2X通信は、利用可能な場合、ネットワークインフラストラクチャ(たとえば、RAN)を利用し得るが、少なくとも基本的なV2Xコネクティビティが、RANカバレッジを欠く場合でも可能である。(たとえば、LTEおよび/またはNRによる)3GPP無線インターフェースに基づいてV2X通信を実装することは、規模の経済により、経済的に有利であり得る。さらに、3GPP無線インターフェースを使用または拡張することは、専用通信技術を使用することと比較して、ネットワークインフラストラクチャとの通信(V2I通信)と(V2P(Vehicle-to-Pedestrian)通信およびV2V(Vehicle-to-Vehicle)通信などの)車両D2D通信との間のより緊密な統合を可能にし得る。
【0110】
少なくとも1つの第1のシンボル302は、少なくとも1つのAGC整定シンボル302と呼ばれることもある。少なくとも1つの第1のシンボルは、TTIにおける1つのシンボル、特にTTIにおける第1のシンボルであり得る。第1、第2および第3のシンボルのいずれかまたは各々は、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルであり得る。
【0111】
本技法は、少なくとも1つの第1のシンボル302の効率的な使用のために、すなわち、少なくとも1つのAGC整定シンボル302(たとえば、TTIにおける第1のOFDMシンボル)の効率的な使用のために実装され得る。効率的な使用は、以下の4つの実施形態のうちの1つまたは複数に従って実装され得る。
【0112】
第1の実施形態では、AGC整定シンボル302は、PSSCHのためのデータ、たとえば、さらなるデータ、または、データシンボル306において符号化されたデータに対して冗長的に符号化されるデータを搬送する。AGC整定シンボル302は、PSCCHと同じアンテナポート、すなわち、デバイス200からSCIシンボル304を送信するために使用されるアンテナポートを使用して送信される。したがって、SCIシンボル304のDMRS(すなわち、PSCCHにおけるDMRS)が、AGC整定シンボル302の復調のために使用される。SCIシンボル304は、データシンボル306と比較して、時間領域においてAGC整定シンボル302により近いので、PSCCHのDMRSは、PSSCHのDMRSに基づく復調と比較して、復調を改善する。
【0113】
第2の実施形態では、AGC整定シンボル302は、PSSCHのためのデータを搬送し、AGC整定シンボル302自体の1つまたは複数のDMRSを有する。たとえば、AGC整定シンボル302は、データシンボル306においても符号化されるデータを符号化するコードワードまたはコードワードの一部分を含み得る。AGC整定シンボル302では、データ(すなわち、符号化されたデータ)と1つまたは複数のDMRSとが、異なるサブキャリアにおける同じシンボルにおけるものである。
【0114】
第3の実施形態では、AGC整定シンボル302は、PSSCHのためのデータを搬送し、送信機(たとえば、デバイス200)がSLのためのチャネル条件の遅い変化を測定または予想した場合あるいはその変化を測定または予想したとき、PSSCHと同じアンテナポートを使用して送信される。本明細書では、「遅い」は、受信機(たとえば、デバイス100)が1つまたは複数のTTI上で同じAGCセッティングを使用することを可能にする変化に関係し得る。PSSCHのDMRS(すなわち、データシンボル306におけるDMRS)は、AGC整定シンボル302の復調のために使用される。好ましくは、データシンボル306におけるDMRSは、同じアンテナポートが使用される場合、PSCCHの、すなわち、SCIシンボル304の復調のためにも使用される。
【0115】
第4の実施形態では、AGC整定シンボル302は、1つまたは複数のDMRSのみを搬送する。AGC整定シンボル302における1つまたは複数のDMRSは、PSCCHの復調のために、すなわち、SCIシンボル304を復調するために、適時的に使用される。随意に、AGC整定シンボル302における1つまたは複数のDMRSはまた、PSSCHの復調のために、すなわち、データシンボル306を復調するために、適時的に使用される。
【0116】
実施形態のいずれも、受信デバイス100、送信デバイス200、信号構造300、受信方法400および/または送信方法500によって実現され得る。さらに、本技法は、SL通信のためにAGC整定シンボルにおいてシグナリングする方法として実装され得る。
【0117】
図6は、本技法を実装するための例示的な無線環境600を概略的に示す。随意に、無線環境600は、セル604内で無線アクセスを提供する少なくとも1つの基地局602を含むネットワークインフラストラクチャ、たとえば、RANを含む。したがって、無線環境600は、随意に、ネットワークインフラストラクチャとの、および/またはネットワークインフラストラクチャによってスケジュールされた、V2X(Vehicle-to-Everything)通信606を含む。
【0118】
代替的にまたは組み合わせて、無線環境600は、たとえば、ネットワークインフラストラクチャの必要なしのまたはネットワークインフラストラクチャの関与なしの直接V2X通信610、特に直接V2V通信および/または直接V2P通信を含む。これらの直接通信機能は、LTEのリリース12において最初に指定されたように、ProSe(近傍サービス)としても知られるLTE D2D(device-to-device)に組み込まれ、車両通信の特定の特性をターゲットにする多くの重要な向上を含む。たとえば、スタンドアロン(すなわち、ネットワークがない)動作のサポートを含む、ネットワークカバレッジありのおよびネットワークカバレッジなしの、ならびにUEとRANとの間の対話の異なる程度を伴う、LTE V2X動作が可能である。
【0119】
いずれの無線通信も、たとえば、V2X通信606または610のいずれも、たとえば、レイテンシ、信頼性、容量および/またはサービス品質に関して、要件の特定のセットに関連付けられ得る。例として、欧州通信規格協会(ETSI)は、協調認識メッセージ(CAM:Co-operative Awareness Message)と分散環境通知メッセージ(DENM:Decentralized Environmental Notification Message)とを含む、道路安全のための2つのタイプのメッセージを規定した。
【0120】
CAMメッセージは、緊急車両を含む車両が、ブロードキャスト様式でそれらの車両の存在および他の関連するパラメータを通知することを可能にする。そのようなメッセージは、他の車両、歩行者およびインフラストラクチャをターゲットにし、それらのアプリケーションによってハンドリングされる。CAMメッセージはまた、通常トラフィックのための安全運転に対するアクティブ支援として働く。従来、CAMメッセージの利用可能性は、100msごとに指示的に検査され、たいていのメッセージについて100ms(たとえば、100msの最大レイテンシ)のオーダーの最大検出レイテンシ要件をもたらす。
【0121】
衝突前(pre-crash)検知によってまたは衝突前検知のためにトリガされる警告メッセージについてのレイテンシ要件は、50msであり得、これは、本技法の実施形態によって、たとえば、自己完結型送信によって満たされ得る。自己完結型送信は、TTI中に、(随意に参照信号を含む)AGC整定シンボル302および(参照信号を含む)SCIシンボル304のワイドビーム受信と、その後に続く、SCIシンボル304において受信されたSCIに従う、データシンボル306において符号化されたデータの送信および/または受信とを含み得る。
【0122】
DENMメッセージは、イベントによって、たとえば、デバイス100および/または200の一実施形態をホストする車両を制動することによって、トリガされ得る。デバイス100の一実施形態は、100ms以下ごとにDENMメッセージの利用可能性を検査し得る。
【0123】
CAMメッセージおよびDENMメッセージは、近傍にあるすべての車両によって検出されると考えられ、これは、たとえば、ステップ502、504および/または506におけるブロードキャスト送信および/またはワイドビーム送信のために、車両においてデバイス200の一実施形態を実装することによって達成され得る。
【0124】
代替的にまたは追加として、デバイス100およびデバイス200の実施形態は、それぞれ、マルチアンテナ無線受信およびマルチアンテナ無線送信のために設定され、多入力多出力(MIMO)無線チャネルを使用し、ならびに/あるいは、それぞれ、無線受信および無線送信においてビームフォーミングまたは空間フィルタ処理を実施し得る。
【0125】
V2X通信は、3GPP LTEリリース14以来、1つの送信(Tx)アンテナと2つの受信(Rx)アンテナとをサポートする。アンテナの数は、たとえば、3GPP LTE V2Xリリース15によれば、信頼性およびデータレートを向上させるために増加され得る。
【0126】
本技法は、デバイス100および200ごとに、任意の数のアンテナポートのために適用可能である。
【0127】
(D2DまたはProSeおよびV2Xを含む)LTEサイドリンクにおける送信の大部分が、少なくとも、物理レイヤ(PHY)の観点から、ブロードキャスト送信であり得る。これは、送信デバイス200の一実施形態の近傍にある受信デバイス100のすべての実施形態が、信号構造300をピックアップすることを意味する。送信デバイス200の近傍にある受信デバイス100の実施形態の各々は、個々のAGCを実施し得る。
【0128】
信号構造300とは対照的に、このブロードキャスト性質により、従来のLTE SLにおいて電力制御機構がなかった。結果として、受信機における信号強度は、TTIごとに著しく変動することがある。その理由は、デバイスが、信号条件および干渉条件の急速な変化をもたらしながら移動していることである。したがって、送信を受信する前に、受信機のダイナミックレンジを調節する必要がある。3GPPリリース12および/または13によるD2Dならびにリリース14および/または15によるV2Xは、受信機が、その受信機のAGCを調節するために、14シンボルサブフレームにおける第1のシンボルを使用することになると仮定する。このシンボルは、一般に、AGC整定シンボルと呼ばれる。従来のLTE SLでは、このシンボルは情報ビットを含んでいる(すなわち、このシンボルは、たとえば、図17に示されているように、場合に応じて、PSCCHまたはPSSCHの一部である)。ただし、復号要件は、AGC整定シンボルが復号目的のために利用可能でないことがあるという仮定の下で規定される。
【0129】
受信信号強度がTTIごとにあまり変動しない場合、受信デバイス100は、受信デバイス100のAGCセッティングを効果的に再調節する必要がなく、したがって、TTIにおける少なくとも1つの第1のシンボル302を復号することを開始することができる。結果として、少なくともいくつかの実施形態は、ステップ402においてAGCを実施したことによりAGC整定シンボル302が失われないときはいつでも、(データおよび/または参照信号を搬送し得る)AGC整定シンボル302を適時的に使用することができる。たとえば、受信デバイス100は、TTIにおいて後で任意の他のデータシンボル306として使用され得るAGC整定シンボル302を復調および/または復号する。AGC整定シンボル302を復調することから生じるソフトビットとデータシンボル306を復調することから生じるソフトビットとが、単一のコードブロックとして復号されて、たとえば、前方誤り訂正を改善し、したがって、ブロック誤り率を低減し得る。
【0130】
図7は、信号構造300の一実施形態のための概略時間周波数グリッドを示す。信号構造300の第1のシンボル302は、AGC整定のために使用される。
【0131】
AGC整定シンボル302は、適時的情報、たとえば、参照信号および/またはデータを含む。適時的情報の受信は、受信デバイス100にとって条件的(facultative)および/または有利である。たとえば、AGC整定シンボル302において符号化されたデータは、データシンボル306において符号化されたデータに対して冗長であり得る。
【0132】
AGC整定シンボル302の数は、SCIシンボル304の数よりも小さくなり得る。SCIシンボル304の数は、データシンボル306の数よりも小さくなり得る。
【0133】
随意に、DMRSシンボル702が、信号構造300において、シンボル302とシンボル304との間におよび/またはシンボル304とシンボル306との間に構成される。代替的にまたは追加として、DMRSシンボル702は、信号構造300において、SCIシンボル304のうちの少なくともいくつかの間におよび/またはデータシンボル306のうちの少なくともいくつかの間に構成される。
【0134】
変形態では、SCIシンボル304および/またはデータシンボル306は、時間と周波数の両方において(たとえば、DMRSに専用のシンボルなしに)分散されたDMRSを含む。言い換えれば、DMRS702は、それぞれ、SCIおよびデータを搬送する、シンボル304および/または306中に(たとえば、もっぱら)含まれ得る。
【0135】
随意に、信号構造300は、TTIの終了において、たとえば、データシンボル306の後に隣接するガード期間シンボル704を含む。
【0136】
図7による信号構造300の実施形態は、(たとえば、3GPPリリース14またはリリース15による)LTE V2XのPSCCHおよび/またはPSSCHの物理フォーマットの拡張であり得、各チャネルにおける第1のシンボルが、受信機におけるAGC整定のために使用されると仮定される。協定信号構造とは対照的に、PSCCHのSCIシンボル304は、TTI(または各TTI)において、PSSCHのデータシンボル306の前に構成される。
【0137】
図8は、信号構造300の一実施形態のための概略時間周波数グリッドを示す。信号構造300は、たとえば、V2X通信のために、3GPP NRに従ってSL上のPSCCHおよびPSSCHのリソースマッピングに対応し得る。
【0138】
AGC整定シンボル302は、TTIの始まりを規定する。PSCCHのためのSCIシンボル304は、AGC整定シンボル302に(たとえば、隣接して)続く。SCIシンボル304は、随意に、DMRS802を含む。PSSCHのためのデータシンボル306は、SCI整定シンボル304に(たとえば、隣接して)続く。PSSCHのためのシンボル306は、随意に、DMRSを含む。
【0139】
信号構造300のいずれの実施形態も、V2X通信のために(すなわち、SL上で)3GPP NRに従って実装され得る。PSCCHとそのPSSCHとの多重化は、セルラ通信のための(すなわち、アップリンクまたはダウンリンク上での)3GPP NRの多重化と同等であるかまたは同様であり得る。3GPP LTEによる従来のV2X通信とは対照的に、PSCCHは、信号構造300における同じTTI(たとえば、サブフレーム)における関連するPSSCHに先行し得、その例が、図3図7および図8の各々に示されている。
【0140】
SCIシンボル304(すなわち、PSCCH)およびデータシンボル306(すなわち、PSSCH)の時間多重化は、図17に示されている従来の周波数多重化と比較して、いくつかの利点を有する。たとえば、信号構造300は、受信デバイス100が、(たとえば、LTE V2Xにおいて起こることとは対照的に)PSSCHを復号することを開始するためにTTIの終了まで待つ必要がないので、PSSCHの高速復号を可能にする。
【0141】
したがって、AGC整定シンボル302の後に、SCI(すなわち、制御チャネル、PSCCH)のためのいくつかのシンボル304が続き、次いで、データチャネル(たとえば、PSSCH)のシンボル306が続く。PSCCHおよびPSSCHは、独自のDMRSを含み得、したがって、チャネルの各々は、異なる(たとえば、空間)送信方式を使用することができる。
【0142】
AGC整定シンボル302は、以下の例のうちの少なくとも1つ、好ましくは適時的情報を含み得る。第1の例示的な例として、AGC整定シンボル302は、AGCをセットすることを可能にするトレーニングシーケンスを含む。復調性能に関して、この手法は、チャネルのうちの1つまたは複数を復号するためのAGC整定シンボル302の適時的使用を妨げるので、この手法は望ましくない。第2の例示的な例として、AGC整定シンボル302は、SCIを搬送する、すなわち、PSCCHに割り当てられる。ロバストネスの観点から、この手法は、PSCCHを失う影響が大きいので、望ましくない。好ましい例として、少なくとも1つのAGC整定シンボル302は、PSSCHを搬送するかまたはPSSCHに割り当てられた少なくとも1つのデータシンボルを含み得る。チャネル推定の観点から、単純な実装形態は、たとえば、ACGシンボルとPSSCHとが時間において隣り合っていないので、望ましくないことがあり、したがって、データチャネルのDMRSは、特に、高い車両速度におけるV2X通信にとって一般的である、チャネルが極めて高速に変化するとき、AGCシンボルの復調のためにもはや有用でないことがある。
【0143】
本技法は、デバイス間の任意の直接通信のコンテキストにおいて実装され得、これはSL(たとえば、3GPPの専門用語ではPC5通信)と呼ばれる。本技法は、D2DおよびV2X通信について説明されるが、本技法は、任意の他の同様のタイプの通信にも適用可能である。限定ではなく簡潔のために、実施形態の説明は、SLについての3GPP専門用語を利用する。特に、PSCCHは、制御情報を搬送する任意の物理チャネルを示すための一例として使用される。PSSCHは、データを搬送する任意の物理チャネルを示すための一例として使用される。PSCCHは、一般に、PSSCHの時間周波数リソースなどの関連するPSSCHを復号するために必要とされる情報と、PSSCHのための変調符号化方式(MCS)とを含んでいる。通常、PSCCHおよびPSSCHは、送信デバイス200と受信デバイス200との間のSLの伝搬チャネルまたはチャネル状態を推定するために受信デバイス100によって必要とされる、PSCCHおよびPSSCH自体のDMRSを有する。それにより、受信デバイス100は、それぞれ、制御情報およびデータを復号することが可能である。
【0144】
その上、「シンボル」という用語はOFDMシンボルを示し得る。
【0145】
受信デバイス100、送信デバイス200、信号構造300、受信方法400、および送信方法500のいずれの実施形態も、少なくとも、以下の3つの特徴を含み得る。第1の特徴として、第1のシンボル302の一部または第1のシンボル302全体が、受信デバイス100によって、受信デバイス100のAGC回路を整定するために使用され、その後に、第2の特徴として、PSCCHのための1つまたは複数のSCIシンボル304が続き、その後に、第3の特徴として、関連するPSSCHのための1つまたは複数のデータシンボル306が続く。
【0146】
そのような送信500は、一般に、1つのTTI(たとえば、1つのスロットまたは1つのサブフレーム)内で行われ、いくつかのシンボルを含む。図3図7、および図8の各々は、(随意に、TTIの終了においてガード期間をさらに含む)上記の3つの特徴を示す。
【0147】
本明細書で説明されるいずれの実施形態でも、少なくとも1つの第1のシンボル302(すなわち、AGC整定シンボル302)は、そのシンボルの効率的な(たとえば、適時的)使用を可能にするように構築され得る。すなわち、AGC整定シンボル302は、必要なときはいつでもAGCを実施することを可能にするように構築され得る。同時に、AGC整定シンボル302は、AGCがすでに設定された場合には、チャネルを復号するためにAGC整定シンボル302のコンテンツを活用することを可能にするように、構築され得る。
【0148】
第1の実施形態では、AGC整定シンボル302は、PSSCHを搬送し得るかまたはPSSCHに割り当てられ得るが、AGC整定シンボル302は、PSCCHのアンテナポートを使用してPSSCHを送信し得る。言い換えれば、AGC整定シンボル302は、(たとえば、PSSCHのDMRSを使用する、PSSCHシンボル304の残りとは対照的に)PSCCHのDMRSに関連付けられるか、またはPSCCHのDMRSを使用して復号される、PSSCHシンボルであり得る。第1の実施形態の技術的利点は、AGC整定シンボル302におけるデータのために、特定の参照信号が必要とされないことであり得る。たとえば、AGC整定シンボル302におけるすべてのリソースエレメント(RE)が、データのために使用され得る。第1の実施形態は、AGC整定シンボル302とPSCCHとが互いの隣にあるので、実際的である。したがって、チャネルは、あまり変化していない可能性がある。
【0149】
第2の実施形態では、AGC整定シンボル302は、データを搬送し、AGC整定シンボル302自体の1つまたは複数のDMRSを有し得、そのDMRSは、受信デバイス100におけるAGC整定シンボル302の復調のために使用される。第2の実施形態の技術的利点は、第2の実施形態が、AGC整定シンボル302におけるデータリソースエレメントについての良好なチャネル推定を与え、それにより復調品質を改善することができることであり得る。
【0150】
第3の実施形態では、AGC整定シンボル302は、たとえば、PSSCHと同じアンテナポートを使用してデータを搬送し得る。受信デバイス100は、AGC整定シンボル302の復調のために、たとえば、SCIシンボル304中に含まれるPSSCHの1つまたは複数のDMRSを使用し得る。これは、たとえば、TXデバイス200とRXデバイス100との間の相対速度がとても低いので、チャネルの(すなわち、SLの)コヒーレンス時間が、AGC整定シンボル302と、1つまたは複数のDMRSを搬送する第1のPSSCHシンボル304との間の時間間隔よりも大きいとき、適用可能である。したがって、PSSCHシンボル304のDMRSは、AGC整定シンボル302の復調のために使用可能である。送信デバイス200は、チャネルの変化レートについての送信デバイス200の推定に基づいて、第3の実施形態をいつ実施すべきかを決定し得る。第3の実施形態の利点は、AGC整定シンボル302全体が、データを搬送するために使用され得ることである。
【0151】
第4の実施形態では、AGC整定シンボル302は、1つまたは複数のDMRSのみを搬送し得る。AGC整定シンボル302中に含まれるDMRSは、PSCCHシンボル304の復調のために使用され得る。第4の実施形態の技術的利点は、AGC整定シンボル302が、PSCCHシンボル304についてのチャネル推定を改善することに寄与することができることであり、PSCCHシンボル304は、PSSCHシンボル306を復号するために必要とされる詳細を含むので、PSCCHシンボル304は、パケットまたは自己完結型TTIの送信における最も重要な部分である。第4の実施形態も、AGC整定シンボル302が時間においてPSCCHシンボル304の隣にあるので、実際的である。好ましい実装形態では、AGC整定シンボル302における1つまたは複数のDMRSは、PSCCHシンボル304の復調の必須の部分でない。AGC整定シンボル302は、むしろ、復調の品質を改善することができる適時的部分であり得る。
【0152】
4つの実施形態の例示的な実装形態が本明細書において以下で説明される。
【0153】
第1の実施形態によれば、AGC整定シンボル302は、データを搬送し、PSCCH304と同じアンテナポートを使用して送信される。結果として、受信機は、PSCCH304のDMRSを使用して、AGC整定シンボル302におけるデータを復調および/または復号するためにチャネルを推定する。
【0154】
第1の実施形態のいくつかの実装形態では、送信デバイス200は、図8に概略的に示されているように、PSCCH304とAGC整定シンボル302の両方について良好なチャネル推定を取得するために、PSCCH304の1つまたは複数のDMRS802をAGC整定シンボル302のできるだけ近くに配置する。たとえば、PSCCH304が2つの連続するOFDMシンボル304からなる場合、1つまたは複数のDMRS802はPSCCH304の第1のシンボル中に配置され、したがって、DMRS802は、(たとえば、PSCCH304の第2のシンボルにおいてDMRSを構成することと比較して)AGC整定シンボル302のチャネルのより良好な推定を生じることがある。図8に示されているDMRSの密度は例示的なものにすぎない。
【0155】
第2の実施形態によれば、AGC整定シンボル302は、たとえば、PSSCHシンボル306に加えて、PSSCHに割り当てられることによって、データを搬送する。AGC整定シンボル302は、AGC整定シンボル302自体の1つまたは複数のDMRSを含む。受信デバイス100は、AGC整定シンボル302における1つまたは複数のDMRSを使用して、AGC整定シンボル302におけるデータの復調のためにチャネルを推定する。
【0156】
第2の実施形態のいくつかの実装形態では、AGC整定シンボル302は、ステップ502において、PSCCH304と同じアンテナポートを使用して送信される。第2の実施形態の同じまたはさらなる実装形態では、AGC整定シンボル302は、PSSCH306と同じアンテナポートを使用して送信される。
【0157】
いくつかの実装形態では、AGC整定シンボル302は、PSCCH304のアンテナポートおよび/またはPSSCH306のアンテナポート以外の異なるアンテナポートを使用して送信される。
【0158】
いくつかの実装形態では、AGC整定シンボル302はコム状様式で構築される。たとえば、AGC整定シンボル302における1つおきのサブキャリアが空のままにされる(たとえば、値ゼロを供給されるか、アンロードされるか、または非アクティブのままにされる)。残りのサブキャリア(すなわち、アクティブサブキャリア)は、データまたはDMRSのいずれかを搬送し得る。
【0159】
たとえば、1つまたは複数のDMRS902が、n個のアクティブサブキャリアごとに供給され得、nは、2よりも大きいかまたはそれに等しい正の整数である。図9Aおよび図9Bは、図9Aにおいてn=2のための例を示し、図9Bにおいてn=3のための例を示す。
【0160】
第3の実施形態によれば、ACG整定シンボル302はPSSCHデータを含む。AGC整定シンボル302は、PSSCH306と同じアンテナポートを使用して送信される。
【0161】
AGC整定シンボル302の復調は、たとえば、図10に概略的に示されているように、PSSCH306における1つまたは複数のDMRS1002に基づいて実施される。PSSCH306におけるDMRS1002は、AGC整定シンボル302の復調のために使用される。明快のために、PSSCH306の第1のDMRSシンボルにおけるDMRSリソース1002のみが図10に示されている。
【0162】
第3の実施形態のいくつかの実装形態では、送信デバイス200は、たとえば、チャネル状態情報参照信号の測定に基づいて、または送信デバイス200と受信デバイス100とのうちの少なくとも1つの絶対速度に基づいて、または、送信デバイス200が、送信デバイス200と受信デバイス100との間の相対速度を推定したことに基づいて、受信デバイス100へのチャネル(すなわち、SL)がどれくらい高速に変化することになるかを推定する。チャネル変化は、PSSCH306におけるDMRSが、AGC整定シンボル302についてチャネルを推定するために使用され得るほどに、十分に遅いと決定された場合、送信デバイス200は、AGC整定シンボル302におけるPSSCHのデータシンボルを送信することを決定する。たとえば、チャネル変化は、TXデバイス200とRXデバイス100との間の相対速度がとても低いので、チャネル(すなわち、SL)のコヒーレンス時間が、AGC整定シンボル302と、DMRSを搬送する第1のPSSCHシンボル304との間の時間間隔よりも大きいとき、十分に遅いと決定され得る。
【0163】
第3の実施形態のいくつかの実装形態では、PSCCH304は、AGC整定シンボル302がPSSCHのためのデータを搬送していることと、AGC整定シンボル302が、PSSCHシンボル306と同じアンテナポートを使用して送信されることとを指示する、情報を搬送する。
【0164】
第4の実施形態によれば、AGC整定シンボル302は、PSCCH304のチャネル推定をサポートするために使用され得る1つまたは複数のDMRSのみを含んでいる。これは、AGC整定シンボル302が、PSCCHシンボル304と同じアンテナポートを使用して送信されることを暗示する。
【0165】
PSCCH304は、PSCCH304自体のDMRSを有し、AGC整定シンボル302におけるDMRSは、ステップ502におけるAGC整定によりAGC整定シンボル302が失われない場合、PSCCH304についてのチャネル推定品質を改善するために使用され得る。
【0166】
第4の実施形態のいくつかの実装形態では、ACG整定シンボル302におけるDMRSは、(たとえば、同じサブキャリアを使用する)PSCCH304におけるDMRSと同じ周波数マッピング(たとえば、サブキャリア割り当て)を有する。これは、時間方向におけるチャネル推定の補間を容易にし得る。
【0167】
第4の実施形態のいくつかの実装形態では、受信デバイス100は、AGC整定シンボル302がPSCCH304のチャネル推定において使用され得るかどうかを決定するために、受信されたAGC整定シンボル302をDMRSについての記憶された信号シーケンスのリストと相関させた後に、しきい値を適用する。たとえば、相関器の出力がしきい値を超える場合、受信デバイス100は、AGC整定シンボル302が、DMRSシーケンスを含んでおり、AGC整定プロセス402により失われなかったと決定し得る。
【0168】
図11は、デバイス100の一実施形態のための概略ブロック図を示す。デバイス100は、方法400を実施するための1つまたは複数のプロセッサ1104と、プロセッサ1104に結合されたメモリ1006とを備える。たとえば、メモリ1106は、モジュール102および104のうちの少なくとも1つを実装する命令で符号化され得る。
【0169】
1つまたは複数のプロセッサ1104は、単体で、またはメモリ1106などのデバイス100の他の構成要素と併せてのいずれかで、データ受信機機能を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の好適なコンピューティングデバイス、リソースのうちの1つまたは複数の組合せ、あるいはハードウェア、マイクロコードおよび/または符号化された論理の組合せであり得る。たとえば、1つまたは複数のプロセッサ1104は、メモリ1106に記憶された命令を実行し得る。そのような機能は、本明細書で開示される利益のいずれかを含む、本明細書で説明される様々な特徴およびステップを提供することを含み得る。「デバイスはアクションを実施するように動作可能である」という表現は、デバイス100がアクションを実施するように設定されることを示し得る。
【0170】
図11に概略的に示されているように、デバイス100は、たとえば、データ受信機として機能する、無線デバイス1100によって具現され得る。無線デバイス1100は、1つまたは複数の他の無線デバイスおよび/または1つまたは複数の基地局との無線通信のために、デバイス100に結合された無線インターフェース1102を備える。
【0171】
図12は、デバイス200の一実施形態のための概略ブロック図を示す。デバイス200は、方法500を実施するための1つまたは複数のプロセッサ1204と、プロセッサ1204に結合されたメモリ1206とを備える。たとえば、メモリ1206は、モジュール202、204および206のうちの少なくとも1つを実装する命令で符号化され得る。
【0172】
1つまたは複数のプロセッサ1204は、単体で、またはメモリ1206などのデバイス200の他の構成要素と併せてのいずれかで、データ送信機機能を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の好適なコンピューティングデバイス、リソースのうちの1つまたは複数の組合せ、あるいはハードウェア、マイクロコードおよび/または符号化された論理の組合せであり得る。たとえば、1つまたは複数のプロセッサ1204は、メモリ1206に記憶された命令を実行し得る。そのような機能は、本明細書で開示される利益のいずれかを含む、本明細書で説明される様々な特徴およびステップを提供することを含み得る。「デバイスはアクションを実施するように動作可能である」という表現は、デバイス200がアクションを実施するように設定されることを示し得る。
【0173】
図12に概略的に示されているように、デバイス200は、たとえば、データ送信機として機能する、無線デバイス1200によって具現され得る。無線デバイス1200は、1つまたは複数の他の無線デバイスおよび/または1つまたは複数の基地局との無線通信のために、デバイス200に結合された無線インターフェース1202を備える。
【0174】
図13を参照すると、一実施形態によれば、通信システム1300が、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク1311とコアネットワーク1314とを備える、3GPPタイプセルラネットワークなどの通信ネットワーク1310を含む。アクセスネットワーク1311は、NB、eNB、gNBまたは他のタイプの無線アクセスポイントなど、複数の基地局1312a、1312b、1312cを備え、各々が、対応するカバレッジエリア1313a、1313b、1313cを規定する。各基地局1312a、1312b、1312cは、有線接続または無線接続1315を介してコアネットワーク1314に接続可能である。カバレッジエリア1313c中に位置する第1のユーザ機器(UE)1391が、対応する基地局1312cに無線で接続するか、または対応する基地局1312cによってページングされるように設定される。カバレッジエリア1313a中の第2のUE1392が、対応する基地局1312aに無線で接続可能である。この例では複数のUE1391、1392が示されているが、開示される実施形態は、唯一のUEがカバレッジエリア中にある状況、または唯一のUEが、対応する基地局1312に接続している状況に等しく適用可能である。
【0175】
通信ネットワーク1310は、それ自体、ホストコンピュータ1330に接続され、ホストコンピュータ1330は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバのハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて、あるいはサーバファーム中の処理リソースとして具現され得る。ホストコンピュータ1330は、サービスプロバイダの所有または制御下にあり得るか、あるいはサービスプロバイダによってまたはサービスプロバイダの代わりに動作され得る。通信ネットワーク1310とホストコンピュータ1330との間の接続1321、1322が、コアネットワーク1314からホストコンピュータ1330まで直接延び得るか、または随意の中間ネットワーク1320を介して進み得る。中間ネットワーク1320は、公衆ネットワーク、プライベートネットワークまたはホストされたネットワークのうちの1つ、あるいはそれらのうちの2つ以上の組合せであり得、中間ネットワーク1320は、もしあれば、バックボーンネットワークまたはインターネットであり得、特に、中間ネットワーク1320は、2つまたはそれ以上のサブネットワーク(図示せず)を備え得る。
【0176】
図13の通信システム1300は、全体として、接続されたUE1391、1392のうちの1つとホストコンピュータ1330との間のコネクティビティを可能にする。コネクティビティは、オーバーザトップ(OTT)接続1350として説明され得る。ホストコンピュータ1330および接続されたUE1391、1392は、アクセスネットワーク1311、コアネットワーク1314、任意の中間ネットワーク1320および可能なさらなるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介として使用して、OTT接続1350を介して、データおよび/またはシグナリングを通信するように設定される。OTT接続1350は、OTT接続1350が通過する関与する通信デバイスが、アップリンク通信およびダウンリンク通信のルーティングに気づいていないという意味で、透過的であり得る。たとえば、基地局1312は、接続されたUE1391にフォワーディング(たとえば、ハンドオーバ)されるべき、ホストコンピュータ1330から発生したデータを伴う着信ダウンリンク通信の過去のルーティングについて、通知されないことがあるかまたは通知される必要がない。同様に、基地局1312は、UE1391から発生してホストコンピュータ1330に向かう発信アップリンク通信の将来ルーティングに気づいている必要がない。
【0177】
次に、一実施形態による、前の段落において説明されたUE、基地局およびホストコンピュータの例示的な実装形態が、図14を参照しながら説明される。通信システム1400では、ホストコンピュータ1410は、通信システム1400の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するように設定された通信インターフェース1416を含む、ハードウェア1415を備える。ホストコンピュータ1410は、記憶能力および/または処理能力を有し得る、処理回路1418をさらに備える。特に、処理回路1418は、命令を実行するように適応された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。ホストコンピュータ1410は、ホストコンピュータ1410に記憶されるかまたはホストコンピュータ1410によってアクセス可能であり、処理回路1418によって実行可能である、ソフトウェア1411をさらに備える。ソフトウェア1411はホストアプリケーション1412を含む。ホストアプリケーション1412は、UE1430およびホストコンピュータ1410において終端するOTT接続1450を介して接続するUE1430など、リモートユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。リモートユーザにサービスを提供する際に、ホストアプリケーション1412は、OTT接続1450を使用して送信されるユーザデータを提供し得る。
【0178】
通信システム1400は、通信システム中に提供される基地局1420をさらに含み、基地局1420は、基地局1420がホストコンピュータ1410およびUE1430と通信することを可能にするハードウェア1425を備える。ハードウェア1425は、通信システム1400の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するための通信インターフェース1426、ならびに基地局1420によってサーブされるカバレッジエリア(図14に図示せず)中に位置するUE1430との少なくとも無線接続1470をセットアップおよび維持するための無線インターフェース1427を含み得る。通信インターフェース1426は、ホストコンピュータ1410への接続1460を容易にするように設定され得る。接続1460は直接であり得るか、あるいは接続1460は、通信システムのコアネットワーク(図14に図示せず)を、および/または通信システムの外部の1つまたは複数の中間ネットワークを通過し得る。図示の実施形態では、基地局1420のハードウェア1425は、処理回路1428をさらに含み、処理回路1428は、命令を実行するように適応された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。基地局1420は、内部的に記憶されるかまたは外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア1421をさらに有する。
【0179】
通信システム1400は、すでに言及されたUE1430をさらに含む。UE1430のハードウェア1435は、UE1430が現在位置するカバレッジエリアをサーブする基地局との無線接続1470をセットアップおよび維持するように設定された、無線インターフェース1437を含み得る。UE1430のハードウェア1435は、処理回路1438をさらに含み、処理回路1438は、命令を実行するように適応された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。UE1430は、UE1430に記憶されるかまたはUE1430によってアクセス可能であり、処理回路1438によって実行可能である、ソフトウェア1431をさらに備える。ソフトウェア1431はクライアントアプリケーション1432を含む。クライアントアプリケーション1432は、ホストコンピュータ1410のサポートを伴って、UE1430を介して人間のまたは人間でないユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。ホストコンピュータ1410では、実行しているホストアプリケーション1412は、UE1430およびホストコンピュータ1410において終端するOTT接続1450を介して、実行しているクライアントアプリケーション1432と通信し得る。ユーザにサービスを提供する際に、クライアントアプリケーション1432は、ホストアプリケーション1412から要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを提供し得る。OTT接続1450は、要求データとユーザデータの両方を転送し得る。クライアントアプリケーション1432は、クライアントアプリケーション1432が提供するユーザデータを生成するためにユーザと対話し得る。
【0180】
図14に示されているホストコンピュータ1410、基地局1420およびUE1430は、それぞれ、図13のホストコンピュータ1330、基地局1312a、1312b、1312cのうちの1つ、およびUE1391、1392のうちの1つと同等であり得ることに留意されたい。つまり、これらのエンティティの内部の働きは、図14に示されているようなものであり得、別個に、周囲のネットワークトポロジーは、図13のものであり得る。
【0181】
図14では、OTT接続1450は、仲介デバイスとこれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングとへの明示的言及なしに、基地局1420を介したホストコンピュータ1410とユーザ機器1430との間の通信を示すために抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャが、ルーティングを決定し得、ネットワークインフラストラクチャは、UE1430からまたはホストコンピュータ1410を動作させるサービスプロバイダから、またはその両方からルーティングを隠すように設定され得る。OTT接続1450がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャは、さらに、ネットワークインフラストラクチャが、(たとえば、ネットワークの負荷分散考慮または再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する判断を行い得る。
【0182】
UE1430と基地局1420との間の無線接続1470は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つまたは複数は、無線接続1470が最後のセグメントを形成するOTT接続1450を使用して、UE1430に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示は、レイテンシを低減し、データレートを改善し、それにより、より良好な応答性などの利益を提供し得る。
【0183】
1つまたは複数の実施形態が改善する、データレート、レイテンシおよび他のファクタを監視する目的での、測定プロシージャが提供され得る。測定結果の変動に応答して、ホストコンピュータ1410とUE1430との間のOTT接続1450を再設定するための随意のネットワーク機能がさらにあり得る。測定プロシージャおよび/またはOTT接続1450を再設定するためのネットワーク機能は、ホストコンピュータ1410のソフトウェア1411においてまたはUE1430のソフトウェア1431において、またはその両方において実装され得る。実施形態では、OTT接続1450が通過する通信デバイスにおいて、またはその通信デバイスに関連して、センサー(図示せず)が展開され得、センサーは、上記で例示された監視された量の値を与えること、またはソフトウェア1411、1431が監視された量を算出または推定し得る他の物理量の値を与えることによって、測定プロシージャに参加し得る。OTT接続1450の再設定は、メッセージフォーマット、再送信セッティング、好ましいルーティングなどを含み得、再設定は、基地局1420に影響を及ぼす必要がなく、再設定は、基地局1420に知られていないかまたは知覚不可能であり得る。そのようなプロシージャおよび機能は、当技術分野において知られ、実施され得る。いくつかの実施形態では、測定は、スループット、伝搬時間、レイテンシなどのホストコンピュータ1410の測定を容易にするプロプライエタリUEシグナリングを伴い得る。測定は、ソフトウェア1411、1431が、ソフトウェア1411、1431が伝搬時間、誤りなどを監視する間にOTT接続1450を使用して、メッセージ、特に空のまたは「ダミー」メッセージが送信されることを引き起こすことにおいて、実装され得る。
【0184】
図15は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図13および図14を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、図15への図面参照のみがこのセクションに含まれる。方法の第1のステップ1510において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。第1のステップ1510の随意のサブステップ1511において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。第2のステップ1520において、ホストコンピュータは、UEにユーザデータを搬送する送信を始動する。随意の第3のステップ1530において、基地局は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが始動した送信において搬送されたユーザデータをUEに送信する。随意の第4のステップ1540において、UEは、ホストコンピュータによって実行されたホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行する。
【0185】
図16は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図13および図14を参照しながら説明されたものであり得る、ホストコンピュータと基地局とUEとを含む。本開示の簡単のために、図15への図面参照のみがこのセクションに含まれる。方法の第1のステップ1610において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。随意のサブステップ(図示せず)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供する。第2のステップ1620において、ホストコンピュータは、UEにユーザデータを搬送する送信を始動する。送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局を介して進み得る。随意の第3のステップ1630において、UEは、送信において搬送されたユーザデータを受信する。
【0186】
上記の説明から明らかになったように、本技法の実施形態は、以下の2つの目的のうちの少なくとも1つを、随意に同時に達成する。第1の目的は、受信機が、受信された信号の強度に従って、その受信機の動的受信を動的に調節することを可能にする。第2の目的は、無線リソースの効率的なおよび/または自己完結型使用である。実施形態は、AGC整定リソースが、データ送信を搬送するために、あるいは制御情報またはデータ送信の復調のために使用可能であるとき、それらのAGC整定リソースを利用する。
【0187】
本発明の多くの利点は上記の説明から十分に理解され、本発明の範囲から逸脱することなく、および/または本発明の利点のすべてを犠牲にすることなしに、ユニットおよびデバイスの形式、構築および構成において様々な変更が行われ得ることは明らかであろう。本発明が多くのやり方で変化され得るので、本発明は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであることを認識されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17