(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】複数の軸及び片持ち圧縮段階を有する圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/058 20060101AFI20230406BHJP
F04D 29/051 20060101ALI20230406BHJP
F04D 29/58 20060101ALI20230406BHJP
F04D 25/16 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
F04D29/058
F04D29/051
F04D29/58 Q
F04D25/16
(21)【出願番号】P 2021527160
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(86)【国際出願番号】 EP2019025407
(87)【国際公開番号】W WO2020104062
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-05-18
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515121243
【氏名又は名称】サーモダイン・エスエイエス
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィダレンス、ヨアン
(72)【発明者】
【氏名】デフォイ、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】アルバン、トーマス
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/013218(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/166438(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2012/0107143(US,A1)
【文献】国際公開第2012/057885(WO,A1)
【文献】仏国特許発明第00644751(FR,A)
【文献】特開昭64-029693(JP,A)
【文献】特開昭64-080799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0179961(US,A1)
【文献】実開昭58-168861(JP,U)
【文献】特開平06-335202(JP,A)
【文献】特開2017-192176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/058
F04D 29/051
F04D 29/58
F04D 25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス田からのガス、又は石油田からの関連ガスを圧縮する複数の圧縮セクションを有するモータ駆動圧縮機であって、前記モータ駆動圧縮機が、
少なくとも1つのハウジング(2)と、
少なくとも2つの軸受によって前記少なくとも1つのハウジング(2)内に回転可能に支持されている、少なくとも2つの駆動軸(5、6)と、
前記少なくとも2つの駆動軸(5、6)を接続する第1の可撓性連結装置(7)と、
前記少なくとも2つの駆動軸(5、6)の第1の圧縮軸(5)に当該第1の圧縮軸(5)を支持する前記少なくとも2つの軸受のうちの2つの軸受(8、9)の間に装着されている電気モータ(12)と、
少なくとも2つの圧縮セクション(13、14、17、20)と、
を備えており、
前記少なくとも2つの圧縮セクションの第1の圧縮セクション(13)が、前記第1の圧縮軸(5)の第1の自由端に片持ちされており、第2の圧縮セクション(14)が、前記少なくとも2つの駆動軸(5、6)の第2の圧縮軸(6)に、当該第2の圧縮軸(6)を支持する前記少なくとも2つの軸受のうちの2つの軸受(10、11)の間に装着され、
前記第1の圧縮セクション(13)が、2つ以上の圧縮ホイール(13d、13e)を備え
、当該圧縮ホイール(13d、13e)の腐食及び浸食を促進する湿性ガスを受け取って圧縮するように構成されていることを特徴とする、モータ駆動圧縮機。
【請求項2】
前記第1の圧縮軸(5)において前記電気モータ(12)と前記第1の可撓性連結装置(7)の間に配置される第1の軸方向スラスト受部(15)と、前記第2の圧縮軸(6)において前記第2の圧縮セクション(14)と前記第1の可撓性連結装置(7)の間に配置される第2の軸方向スラスト受部(16)と、を更に備える、請求項1記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項3】
前記第2の圧縮軸(6)の第2の自由端に片持ちされる第3の圧縮セクション(17)をさらに備え
、
前記第1の圧縮セクション(13)と前記第3の圧縮セクション(17)のそれぞれが2つの圧縮ホイールを備える、請求項1又は2記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項4】
前記第2の圧縮軸(6)に装着された追加の圧縮セクション(20)を更に備え、前記追加の圧縮セクション(20)が前記第2の圧縮セクション(14)から前記第2の圧縮軸(6)を支持する前記少なくとも2つの軸受のうちの1つの軸受(11)によって分離される、請求項1又は2に記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項5】
前記第2の圧縮軸(6)の第2の自由端に片持ちされる第3の圧縮セクション(17)をさらに備え、前記追加の圧縮セクション(20)が前記第2の圧縮セクション(14)と前記第3の圧縮セクション(17)との間に配置され、前記追加の圧縮セクション(20)が前記第3の圧縮セクション(17)から前記第2の圧縮軸(6)を支持する前記少なくとも2つの軸受のうちの1つの軸受(21)によって分離される、請求項4記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項6】
少なくとも2つの軸受(21、24)によって、前記少なくとも1つのハウジング(2)内に回転可能に支持されている第3の圧縮軸(22)と、
前記第3の圧縮軸(22)を前記第2の圧縮軸(6)の第2の自由端に接続する第2の可撓性連結装置(
23)と、
前記第3の圧縮軸(22)を支持する前記少なくとも2つの軸受(21、24)の間で前記第3の圧縮軸(22)に装着された少なくとも1つの追加の圧縮セクション(20)と、
を更に備える、請求項1又は2に記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項7】
前記第3の圧縮軸(22)の第3の自由端に片持ちされる第3の圧縮セクション(17)をさらに備える、請求項6記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項8】
前記第3の圧縮軸(22)において前記少なくとも1つの追加の圧縮セクション(20)と前記第3の圧縮セクション(17)の間に配置された第3の軸方向スラスト受部(25)を更に備える、請求項7に記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項9】
前記第3の圧縮セクション(17)が、2つの圧縮ホイールを備える、請求項
5又は7に記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項10】
前記第1の圧縮セクション(13)が、2つの圧縮ホイール(13d、13e)を備える、請求項1
、請求項2及び請求項4から9のいずれか一項に記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項11】
各前記少なくとも2つの圧縮セクション(13、14、17、20)が、
吸入口フランジ(13a、14a)と、
吐出口フランジ(13b、14b)と、を備えており、
前記吸入口フランジ(13a、14a)と前記吐出口フランジ(13b、14b)とが、前記少なくとも2つの駆動軸(5、6)に対して垂直に配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項12】
前記少なくとも2つの軸受のうち2つの軸受(11、16)の間に装着された少なくとも1つの圧縮セクション(14)が、2つの圧縮半セクション(18、19)を備えており、それにより、前記少なくとも2つの駆動軸(5、6)の回転中に、一方の前記圧縮半セクション(18)によって生成されるスラストが、他方の前記圧縮半セクション(19)によって生成されるスラストを補償する、請求項1から11のいずれか一項に記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項13】
各前記圧縮半セクション(18、19)が、
吸入口フランジと、
吐出口フランジと、を備えており、
前記吸入口フランジと前記吐出口フランジとが、前記少なくとも2つの駆動軸(5、6)に対して垂直に配置されている、請求項12記載のモータ駆動圧縮機。
【請求項14】
前記少なくとも2つの軸受が、能動型磁気軸受を備え
、前記少なくとも2つの圧縮セクションのうち前記第1の圧縮セクション(13)が前記第1の圧縮軸(5)に装着され、前記少なくとも2つの圧縮セクションのうち前記第1の圧縮セクション(13)以外の各圧縮セクションが前記少なくとも2つの駆動軸の前記第1の圧縮軸(5)以外のいずれかの軸に装着される、請求項1から13のいずれか一項に記載のモータ駆動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の圧縮セクションを装備するモータ駆動圧縮機に関し、より具体的には圧縮セクションの配置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の圧縮セクションを装備するモータ駆動圧縮機は、駆動軸に装着されており、かつ、圧縮ラインを形成する少なくとも1つの圧縮セクションを駆動することが意図される電気モータ、を含むハウジングを含む。圧縮セクションは、ガスを圧縮するための、駆動軸上に装着された1つ以上の圧縮ホイールを含む。
【0003】
駆動軸は、軸受によってハウジング内に保持される。
【0004】
回転速度が高い場合、例えば毎分30000回転のオーダであるとき、圧縮セクション及びモータは、軸が浮遊されるように、2つの能動型磁気軸受の間に概ね位置する。
【0005】
圧縮軸の公称回転速度は、概して、その第1の曲げモードの回転速度よりも大きいため、電気モータの立ち上がりと立ち下げ時に、圧縮セクションと電気モータのロータがその上にある駆動軸が第1の曲げモードを通過して、軸の変形の原因となる。
【0006】
軸の動的応答を減衰させるように、能動型磁気軸受をサイズ決定することが必要である。
【0007】
しかしながら、これらの大磁気容量の軸受は、軸が過渡状態に対してサイズ決定される。これらは高価であり、高価な電子装置によって駆動される。
【0008】
軸の各端部に電気モータ及び圧縮セクションが装着された圧縮軸を含む高回転速度のモータ駆動圧縮機が、当該技術の状態から知られている。能動型磁気軸受は、圧縮セクションと電気モータとの間に配置される。
【0009】
圧縮セクションが片持ちされているのは、圧縮軸の臨界速度の値を増加させるためであり、これは、電気モータの公称速度の値よりも大きい。
【0010】
能動型磁気軸受及び電子制御装置は、軸受の磁気容量、ひいては軸受のコストを低減するために、モータ駆動圧縮機の公称動作に関してサイズ決定される。
【0011】
しかしながら、ガス吸入口及び吐出口の接続フランジは、プロペラ軸の軸方向に配置されている。
【0012】
圧縮ホイール又は電気モータ上のいかなる介入も、フランジに接続されたパイプを解体することを伴う。
【0013】
加えて、各セクションは、ホイール選択を制限する単一の圧縮ホイールを含む。
【0014】
モータ駆動圧縮機の圧縮率及び速度の変動範囲は低い。
【0015】
低圧用途では、例えば、モータ駆動圧縮機が、大気圧から圧力10バールまで、1時間当たり2000立方メートル程度の低流量でガスを圧縮する場合、圧縮ライン全体は、5つの圧縮ホイールを含み得る。
【0016】
拡張ホイールが片持ちされているモータ駆動圧縮機について説明する国際公開第2017/153387号を参照することができる。
【0017】
ガスは、単一の片持ちホイールに通過するときに膨張する。
【0018】
2つの受軸の間にある圧縮軸に装着された圧縮セクションと、圧縮機側の片持ち軸の自由端に装着され、閉じ込められた軸受を含む圧縮ホイールと、を含む、遠心圧縮機について説明する、国際公開第2015/032756号もまた参照され得る。
【0019】
電気モータは、軸に接続されることが意図される。
【0020】
全ての要素が駆動軸上に装着されたとき、軸受は、軸に装着された全ての要素によって半田付けされており、第1の曲げモードの臨界速度の値を低減する。
【0021】
加えて、閉じ込められた軸受により、圧縮機の保守が複雑になる。
【0022】
したがって、第1の曲げモードの臨界速度未満の公称臨界速度での動作を可能にしながら、モータ駆動圧縮機の動作範囲を拡大することによって、ホイールの制限された選択に関連する不利な点を克服し、モータ駆動圧縮機の保守を容易にすることが提案される。
【発明の概要】
【0023】
以上を考慮して、複数の圧縮セクションを有するモータ駆動圧縮機が提案され、当該モータ駆動圧縮機は、
-少なくとも1つのハウジングと、
-少なくとも2つの伝達軸であって、少なくとも2つの軸受によってハウジング内で回転して支持される、少なくとも2つの伝達軸と、
-駆動軸を接続する可撓性連結装置と、
-少なくとも2つの駆動軸の第1の圧縮軸上に装着された電気モータと、
-少なくとも2つの圧縮セクションと、を含む。
【0024】
少なくとも2つの圧縮セクションの第1の圧縮セクションは、少なくとも2つの駆動軸の第1の圧縮軸の自由端に片持ちされており、第2の圧縮セクションは、少なくとも2つの駆動軸の第2の圧縮軸上の2つの軸受の間に装着される。
【0025】
好ましくは、第1の圧縮軸は第1の自由端を有し、第1の軸受対によって回転可能に支持される。
【0026】
有利には、第2の圧縮軸は第2の自由端を有し、第2の軸受対によって回転可能に支持される。
【0027】
1つの特徴によれば、可撓性連結装置は、第1の圧縮軸及び第2の駆動軸に接続される。
【0028】
好ましくは、第1の圧縮セクションは、第1の駆動軸の自由端に片持ちされている。
【0029】
有利には、第2の圧縮セクションは、第2の駆動軸の第2の軸受対の間に装着される。
【0030】
別の特徴によれば、モータ駆動圧縮機は、
-第2の圧縮軸に装着された1つ以上の追加の圧縮セクションと、
-追加の圧縮セクションを隣接する圧縮セクションから分離する軸受と、を更に含む。
【0031】
好ましくは、モータ駆動圧縮機は、
-少なくとも2つの軸受によってハウジング内に回転可能に支持される第3の圧縮軸と、
-第3の軸を第2の圧縮軸の第2の自由端に接続する第2の可撓性連結装置と、
-2つの軸受の間で第3の軸に装着された、少なくとも1つの追加の圧縮セクションと、を更に含む。
【0032】
有利には、第2の可撓性連結装置は、第2の圧縮軸及び第3の駆動軸に接続される。
【0033】
別の特徴によれば、第3の圧縮軸は第3の自由端を含み、第3の軸受対によって回転可能に支持される。
【0034】
好ましくは、各圧縮セクションは、少なくとも1つの圧縮ホイールを含む。
【0035】
有利には、片持ちされる圧縮セクションは、2つの圧縮ホイールを含む。
【0036】
好ましくは、各圧縮セクションは、
-吸入口フランジと、
-吐出口フランジと、を含み
フランジは、駆動軸に対して垂直に配置されている。
【0037】
別の特徴によれば、2つの軸受間に装着された、少なくとも1つの圧縮セクションは、2つの圧縮半セクションを含んでおり、それにより、駆動軸の回転中に、半セクションによって生成されるスラストが、駆動軸によって生成されるスラストを補償する。他の半セクション。
【0038】
好ましくは、各圧縮半セクションは、
-吸入口フランジと、
-出力フランジと、を含み
フランジは、駆動軸に対して垂直に配置されている。
【0039】
有利には、軸受は、能動型磁気軸受を含む。
【0040】
好ましくは、モータ駆動圧縮機は、圧縮セクション及び/又は電気モータによって加えられるスラスト力の結果として圧縮軸の軸方向の変位を制御するように、少なくとも1つの圧縮セクションを含む、各圧縮軸に装着された軸方向スラスト受部を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明の他の特徴及び利点は、単に非限定的な例としてのみ与えられる本発明の実施形態の以下の説明を読むこと、及び図面を参照することによって明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0042】
例えば、ガス田からのガス又は石油田からの関連ガスを圧縮する、モータ駆動圧縮機1の第1の実施形態を説明する
図1を参照する。
【0043】
モータ駆動圧縮機1は、ハウジングを気密性にするように、中空の細長い本体3、及びその端部の各々にカバー4を含む、ハウジング2と、可撓性連結装置7によって互いに接続された2本の駆動軸5、6と、を含む。
【0044】
可撓性連結装置7により、軸5及び6の曲げモードを分離して、各軸を動的にバランスさせ、軸の振動の挙動を独立させることができる。
【0045】
第1の軸5は、2つの軸受8及び9によってハウジング2内で回転して支持されており、第2の軸6は、2つの軸受8及び9によってハウジング2内に回転可能に支持されている。
【0046】
第1、第2、第3及び第4の軸受8、9、10及び11は同一であり、例えば、制御装置(図示せず)によって制御される能動型磁気軸受を含む。
【0047】
モータ駆動圧縮機1は、第1の軸5及び第2の軸6を回転駆動する電気モータ12を更に含み、ロータ12aは、第1及び第2の軸受8及び9の間で、第1の軸5に装着されている。
【0048】
第1の圧縮セクション13は、第1の軸5の自由端で片持ちされており、第2の圧縮セクション14は、第2の軸6上の第3及び第4の軸受10及び11の間に装着されている。
【0049】
各圧縮セクション13及び14は、ガス吸入口フランジ13a及び14aと、ガス圧縮セクション13及び14によって圧縮されるガスの吐出口フランジ13b及び14bと、吸入口及び吐出口フランジの第1の端部に接続されたカートリッジ13c及び14cと、を含む。
【0050】
吸入口及び吐出口フランジは、ガス処理装置、例えばガス冷却器、圧縮ガス貯蔵装置、大気圧におけるガス供給装置へ接続されることが意図されている。
【0051】
各カートリッジ13c及び14cは、吸入口フランジ13a及び14aで受容されたガスを圧縮するように、ダイヤフラム(図示せず)と協働する圧縮ホイール13d、13e、14d、14e、14f及び14gを含む。
【0052】
第1の軸方向スラスト受部15は、第1の軸受8と可撓性連結装置7との間で第1の軸5に装着されており、第2の軸方向スラスト受部16は、第3の軸受10と第2の圧縮セクション14.との間で第2の軸6に装着されている。
【0053】
第1及び第2の軸方向スラスト受部15及び16は、ガスの圧縮中に、電気モータ及び軸上の圧縮セクションによってそれぞれ加えられる力を吸収する。それらは、モータ又は圧縮セクションによって加えられるスラスト力の結果として、軸5及び6の軸方向の変位を制御することを可能にする。
【0054】
各軸に装着された軸方向スラスト受部の数及び場所は、少なくとも1つの圧縮セクションを含む各軸の軸方向の変位を制限するように決定される。
【0055】
第1の圧縮セクション13は、1つ以上の圧縮ホイール、好ましくは2つのホイール13d及び13eを含んでもよい。
【0056】
第2の圧縮セクション14は、1つ以上の圧縮ホイール、好ましくは5つ以下のホイールを含んでもよい。
【0057】
モータ駆動圧縮機1が動作する流量及び圧力の範囲内でモータ駆動圧縮機の効率を最適化するために、かつ軸受にかけられる応力を最小化するために、各圧縮セクションのホイール数及び各ホイール特徴が決定される。
【0058】
好ましくは、この実施形態では、選択は、一般に最大7つのホイールを含む。
【0059】
可撓性連結装置7により第1及び第2の軸の曲げモードを分離することが可能になるので、第1及び第2の軸受8及び9は、主に第1の圧縮セクション13及び電気モータ12のロータ12aによって生成される動的応力に従ってサイズ決定され、軸に装着された他の要素によって発生する応力は無視できる。第3及び第4の軸受10及び11は、主に第2の圧縮セクション14によって生成される動的応力に応じてサイズ決定され、軸上に装着された他の要素は無視できるものである。
【0060】
吸入口フランジ13a及び吐出口フランジ13bは、圧縮軸5に対して垂直に配置されているため、第1の圧縮セクション13の圧縮ホイールは、カバー4を分解することによって容易にアクセス可能であり、かつ、劣化した場合、又は、モータ駆動圧縮機1の圧縮比を変更しなければならない場合、例えば、受容されるガスの圧力が、ガス田の運用フェーズに従って変動する場合に、容易に交換することができる。
【0061】
本体3を分解すること、及び、モータ駆動圧縮機1の吸入口及び吐出口フランジに接続されたガス処理装置を分解することは必要ない。
【0062】
好ましくは、第1の圧縮セクション13は、その吸入口フランジ13aにおいて、モータ駆動圧縮機1に初めて入る、圧縮ホイールの腐食及び浸食を概して湿気促進するガスを受容する。
【0063】
他の実施形態によれば、ハウジング2は、互いに接続されたいくつかのハウジング、例えば、モータ12及び第1の圧縮セクション13を含むモータハウジングと、第2の圧縮セクション14を含む圧縮機ハウジングと、を含んでもよい。
【0064】
更に他の実施形態によれば、ハウジング2は、モータ12を含むモータハウジングと、第2の圧縮セクション14を含む第1の圧縮機ハウジングと、第1の圧縮セクション13を含む第2の圧縮機ハウジングと、を含んでもよい。
【0065】
以下では、前述した要素と同一の要素は、同じ参照符号によって識別される。
【0066】
モータ駆動圧縮機1の第2の実施形態を説明する
図2を参照する。
【0067】
この実施形態は、第3の圧縮セクション17が第2の軸6の自由端に片持ちされている点で、第1の実施形態とは異なる。
【0068】
第3の圧縮セクション17は、第1の圧縮セクション13と構成が同一であり、好ましくは2つの圧縮ホイールを含む。
【0069】
第1の圧縮セクション13の場合と同様に、第3の圧縮セクション17のホイールは、カバー4を分解することによって容易にアクセス可能である。
【0070】
追加の圧縮セクションにより、ホイールの選択を増加させることができる。したがって、モータ駆動圧縮機1によって生成される圧力比は、
図1で説明される実施形態よりも大きい。
【0071】
モータ駆動圧縮機1の圧力及び動作流量の範囲は、第1の実施形態と比較して拡張される。
【0072】
この実施形態では、第3及び第4の軸受10及び11は、主に第2及び第3の圧縮セクション14及び17によって生成される動的応力に応じてサイズ決定されており、軸上に装着された他の要素による動的応力は無視できるものである。
【0073】
図3は、第2の圧縮セクション14が2つの圧縮半セクション18及び19を含んでおり、各圧縮半セクションの構成が圧縮セクション13及び17と同一の構成である点で、第2の実施形態とは異なるモータ駆動圧縮機1の第3の実施形態を示す。
【0074】
2つの半セクション18及び19は、第2の軸6に装着されており、それにより、軸の回転中に、第1の半セクション18によって生成されたスラストが第2の半セクション19によって生成されたスラストを補償し、したがって、第2の圧縮セクション14によって生成されて第2の軸方向スラスト受部16に伝達されるスラストを低減する。
【0075】
このような構成は、「Back to Back型」として知られている。
【0076】
当然のことながら、片持ちでない任意の圧縮セクションは、2つの圧縮半セクションを含んでもよい。
【0077】
図4は、第1、第2、及び第3の圧縮セクションと同一の構成の第4の圧縮セクションを更に含んでおり、好ましくは5つの圧縮ホイールを含む、モータ駆動圧縮機1の第4の実施形態を説明する。
【0078】
この実施形態は、第2及び第3の圧縮セクション14及び17の間に、第2の軸6に第4の圧縮セクション20が装着されている点で、第2の実施形態とは異なる。
【0079】
第4の圧縮セクション20は、第4の軸受11によって第2の圧縮セクション14及び17から分離されており、第5の軸受21によって第3の圧縮セクション17から分離されている。
【0080】
圧縮セクションのホイールの数及び特徴は、軸受に加えられる応力を制限するために、かつ所望の圧縮比に到達するために選択される。
【0081】
少なくとも第4の圧縮セクションを追加することにより、モータ駆動圧縮機を、高い圧縮比での軽いガスの圧縮用途、例えば、10超の圧力比で圧縮された純粋なメタンに適合させることができる。
【0082】
更に、圧縮セクション又は圧縮半セクションの追加は、各圧縮工程後のガスの冷却を最適化する。
【0083】
実際、圧縮セクションの吐出口フランジと、隣接する圧縮セクションの吸入口フランジとの間にガス冷却器を追加することは容易である。
【0084】
モータ駆動圧縮機1の第5の第3の[sic]実施形態を示す
図5を参照する。この実施形態は、第3及び第4の圧縮セクション17及び20の一方及び第5の軸受21が、第2の軸6の自由端へ接続された第3の軸22に、第2の可撓性連結装置23によって装着される点で、第4の実施形態とは異なる。
【0085】
第3の圧縮セクション17は、第3の軸22の自由端に片手持ちされており、第4の圧縮セクション20は、第5の軸受21と、第2の可撓性連結装置23と第4の圧縮セクション20との間に配置された第6の軸受24との間に装着される。
【0086】
第3の軸22は、第3の圧縮セクション17と第5の軸受21との間に装着される第3の軸方向スラスト受部25を更に備える。
【0087】
第4の実施形態と比較して、同じ数の圧縮セクションに関して、第2の可撓性連結装置23により、第2及び第3の軸の曲げモードを分離することができ、したがって、第2、第3、及び第4の圧縮セクション14、17、及び20が装着されている駆動軸の第1の曲げモードの臨界速度の値が増加する。
【0088】
この実施形態では、第3及び第4の軸受10及び11は、主に第2の圧縮セクション14によって生成される動的応力に従ってサイズ決定されており、第5及び第6の軸受21及び24は、主に第3及び第4の圧縮セクション17及び20によって生成される動的応力に応じてサイズ決定されており、第2及び第3の軸6及び22に装着された他の要素による動的応力は、無視できるものである。
【0089】
有利には、少なくとも1つの圧縮セクションの片持ち配置及び可撓性連結装置の使用により、駆動軸の第1の曲げモードの臨界速度の値を、モータ駆動圧縮機の公称動作速度の値よりも大きい値に増加させることができる。
【0090】
その結果として、軸を支持する軸受は、軸が第1の曲げモードを通ることを考慮することなくサイズ決定することができ、それによって軸受の磁気容量を低減することができる。
【0091】
加えて、少なくとも1つの片持ちされる圧縮セクションを装着することによって、当該セクションに装着されたホイールの交換が容易になる。