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特許7257534電力効率の高いページング拡大のための無線通信デバイス、無線アクセスネットワークノード、方法、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-05
(45)【発行日】2023-04-13
(54)【発明の名称】電力効率の高いページング拡大のための無線通信デバイス、無線アクセスネットワークノード、方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20230406BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20230406BHJP
   H04W 68/02 20090101ALI20230406BHJP
   H04W 72/232 20230101ALI20230406BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W4/70
H04W68/02
H04W72/232
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2021546696
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2020053832
(87)【国際公開番号】W WO2020165384
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】62/805,619
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】オストレーム, マグナス
(72)【発明者】
【氏名】ヘーグルンド, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】リーバリ, オロフ
【審査官】長谷川 篤男
(56)【参考文献】
【文献】Ericsson,Wake-up signal functions for NB-IoT,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #92bis R1-1805854,2018年05月11日
【文献】MediaTek Inc.,Wake Up Signal Functions for NB-IoT,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #93 R1-1805995,2018年05月10日
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Analysis of Group WUS Options,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #104 R2-1817048,2018年11月02日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラー通信システム内で動作するように構成された無線通信デバイスであって、
前記セルラー通信システムの無線アクセスネットワークノードから無線信号を受信するように構成された受信部と、
前記セルラー通信システムの前記無線アクセスネットワークノードから受信された前記信号のうち、第1の信号および第2の信号を検出するように構成された信号検出部であって、
前記第1の信号が、同期と、前記無線アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含むネットワーク同期信号を含み、
前記第2の信号がグループ通知を含む、信号検出部と、
制御部であって、前記信号検出部に、
前記セルの前記受信された識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの最終の相互作用における、セルの識別の以前の受信に等しい場合、第1のタイプのグループ通知を検出すること、および、
前記セルの前記受信された識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの前記最終の相互作用における、前記セルの前記識別の前記以前の受信と異なる場合、第2のタイプのグループ通知を検出すること
させるように構成された制御部と、を備える
無線通信デバイス。
【請求項2】
前記グループ通知がそこから受信された前記セルの前記識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの前記最終の相互作用における、前記セルの前記識別と等しい場合、第1の無線ネットワーク一時識別子(RNTI:radio network temporary identifier)が通知受信に使用され、前記グループ通知がそこから受信された前記セルの前記識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの前記最終の相互作用における、前記セルの前記識別と異なる場合、第2のRNTIが前記通知受信に使用される、
請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項3】
前記グループ通知が、ページング信号が前記受信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号を含む、
請求項1または2に記載の無線通信デバイス。
【請求項4】
前記グループ通知が、ページング信号を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信デバイス。
【請求項5】
前記信号検出部が、前記第2の信号を検出するための相関器を備え、前記第1のタイプの前記グループ通知は、前記第2のタイプの前記グループ通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の無線通信デバイス。
【請求項6】
前記第1タイプのグループ通知と前記第2のタイプのグループ通知とが、ページング無線ネットワーク一時識別子の異なるコードワードによって区別される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の無線通信デバイス。
【請求項7】
前記グループ通知は、前記グループ通知がそこから受信された前記セルの前記識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの前記最終の相互作用における、前記セルの前記識別と等しい場合、第1の周波数で受信され、前記グループ通知がそこから受信された前記セルの前記識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの前記最終の相互作用における、前記セルの前記識別と異なる場合、第2の周波数で受信され、前記第2の周波数が、EUTRA(エボルブドUMTS(ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System)地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access))の絶対無線周波数チャネル番号(Absolute Radio Frequency Channel Number)(EARFCN)によって決定される、
請求項1から6のいずれか一項に記載の無線通信デバイス。
【請求項8】
セルラー通信システム内で動作するように構成された、無線通信デバイスの方法であって、
前記セルラー通信システムの無線アクセスネットワークノードから無線信号を受信することと、
前記セルラー通信システムの前記無線アクセスネットワークノードから受信された前記信号のうち、第1の信号および第2の信号を検出することであって、
前記第1の信号が、同期と、前記無線アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含むネットワーク同期信号を含み、
第2の信号がグループ通知を含む、第1の信号および第2の信号を検出することと、を含み、
前記グループ通知の前記検出することが、
前記セルの前記受信された識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの最終の相互作用における、セルの識別の以前の受信に等しい場合、第1のタイプのグループ通知を検出すること、および、
前記セルの前記受信された識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの前記最終の相互作用における、前記セルの前記識別の前記以前の受信と異なる場合、第2のタイプのグループ通知を検出すること、を含む、
方法。
【請求項9】
前記グループ通知がそこから受信された前記セルの前記識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの前記最終の相互作用における、前記セルの前記識別と等しい場合、第1の無線ネットワーク一時識別子(RNTI:radio network temporary identifier)が、通知受信に使用され、前記グループ通知がそこから受信された前記セルの前記識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの前記最終の相互作用における、前記セルの前記識別と異なる場合、第2のRNTIが、前記通知受信に使用される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記グループ通知が、ページング信号が前記受信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号を含む、
請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記グループ通知が、ページング信号を含む、
請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記検出することが、前記第2の信号を、適用可能なタイプのグループ通知のシーケンスと相関させることを含み、前記第1のタイプの前記グループ通知が、前記第2のタイプの前記グループ通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有する、
請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1タイプのグループ通知と前記第2のタイプのグループ通知とが、ページング無線ネットワーク一時識別子の異なるコードワードによって区別される、
請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記グループ通知は、前記グループ通知がそこから受信された前記セルの前記識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの前記最終の相互作用における、前記セルの前記識別と等しい場合、第1の周波数で受信され、前記グループ通知がそこから受信された前記セルの前記識別が、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの前記最終の相互作用における、前記セルの前記識別と異なる場合、第2の周波数で受信され、前記方法が、前記第2の周波数を、EUTRA(エボルブドUMTS(ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System))地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access))の絶対無線周波数チャネル番号(Absolute Radio Frequency Channel Number)(EARFCN)によって決定することを含む、
請求項8から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
セルラー通信システム内で動作するように構成された、無線アクセスネットワークノードであって、
前記セルラー通信システムへのインターフェースと、
1つまたは複数の無線通信デバイスを用いて送信される第1の信号および第2の信号を含む、無線信号によって相互作用するように構成された送受信部であって、前記第1の信号が、同期と、前記無線アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含むネットワーク同期信号を含み、前記第2の信号が、グループ通知を含む、送受信部と、
制御部であって、
前記インターフェースを介して受信された無線通信デバイスのためのページングメッセージから、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの最終の相互作用を行った前記無線通信デバイスに対するセルの最終の識別を決定し、
前記グループ通知を
前記セルの前記決定された識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と等しい場合、第1のタイプのものに、
前記セルの前記決定された識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作される前記セルの前記識別と異なる場合、第2のタイプのものに形成する、ように構成された制御部と、を備える
無線アクセスネットワークノード。
【請求項16】
前記セルの前記識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作される前記セルの前記識別と等しい場合、第1の無線ネットワーク一時識別子(RNTI:radio network temporary identifier)が、通知送信に使用され、前記セルの前記識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作される前記セルの前記識別と異なる場合、第2のRNTIが、前記通知送信に使用される、
請求項15に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項17】
前記グループ通知が、ページング信号が前記送信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号を含む、
請求項15または16に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項18】
前記グループ通知が、ページング信号を含む、
請求項15から17のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項19】
前記第1のタイプの前記グループ通知が、前記第2のタイプの前記グループ通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有する、
請求項15から18のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項20】
前記第1タイプのグループ通知と前記第2のタイプのグループ通知とが、ページング無線ネットワーク一時識別子の異なるコードワードによって区別される、
請求項15から19のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項21】
前記グループ通知は、前記セルの前記識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作される前記セルの前記識別と等しい場合、第1の周波数で送信され、前記セルの前記識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作される前記セルの前記識別と異なる場合、第2の周波数で送信され、前記第2の周波数が、EUTRA(エボルブドUMTS(ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System))地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access))の絶対無線周波数チャネル番号(Absolute Radio Frequency Channel Number)(EARFCN)によって決定される、
請求項15から20のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項22】
セルラー通信システム内で動作するように構成された、無線アクセスネットワークノードの方法であって、
前記セルラー通信システムの別のノードから無線通信デバイスのためのページングメッセージを受信することと、
前記ページングメッセージから、前記無線通信デバイスと前記セルラー通信システムとの最終の相互作用を行った前記無線通信デバイスに対するセルの最終の識別を決定することと、
第1の信号および第2の信号を送信することであって、前記第1の信号が、同期と、前記無線アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含むネットワーク同期信号を含み、前記第2の信号がグループ通知を含む、第1の信号および第2の信号を送信することと、を含み
前記グループ通知は、
前記セルの前記決定された識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と等しい場合、第1のタイプのものであり、
前記セルの前記決定された識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作される前記セルの前記識別と異なる場合、第2のタイプのものである、
方法。
【請求項23】
前記セルの前記識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作される前記セルの前記識別と等しい場合、第1の無線ネットワーク一時識別子(RNTI:radio network temporary identifier)が、通知受信に使用され、前記セルの前記識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作される前記セルの前記識別と異なる場合、第2のRNTIが、前記通知受信に使用される、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記グループ通知が、ページング信号が前記送信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号を含む、
請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記グループ通知が、ページング信号を含む、
請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のタイプの前記グループ通知が、前記第2のタイプの前記グループ通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有する、
請求項22から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1タイプのグループ通知と前記第2のタイプのグループ通知とが、ページング無線ネットワーク一時識別子の異なるコードワードによって区別される、
請求項22から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記グループ通知は、前記セルの前記識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作される前記セルの前記識別と等しい場合、第1の周波数で送信され、前記セルの前記識別が、前記無線アクセスネットワークノードによって操作される前記セルの前記識別と異なる場合、第2の周波数で送信され、前記第2の周波数が、EUTRA(エボルブドUMTS(ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System))地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access))の絶対無線周波数チャネル番号(Absolute Radio Frequency Channel Number)(EARFCN)によって決定される、
請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
無線通信デバイスのプロセッサ上で実行されるとき、前記無線通信デバイスに、請求項8から14のいずれか一項に記載の方法を遂行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項30】
無線アクセスネットワークノードのプロセッサ上で実行されるとき、前記無線アクセスネットワークノードに、請求項22から28のいずれか一項に記載の方法を遂行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線通信デバイス、無線アクセスネットワークノード、それらのための方法、および当該方法を実施するためのコンピュータプログラムに関する。詳細には、本開示は、ページング拡大時に固定デバイスとモバイルデバイスの通知を区別することによって、無線デバイス用のエネルギーを節約することに関する。
【背景技術】
【0002】
マシン対マシン(M2M)および/またはモノのインターネット(IoT)関連の使用事例をカバーする技術の規定に関して、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)において最近多くの作業が行われてきた。3GPPの直近の作業であるリリース13および14は、6物理リソースブロック(PRB)の、Cat-M2では最大で24PRBの、削減された帯域幅をサポートする、新しいユーザ機器(UE)でのマシン型通信(MTC)のカテゴリ(Cat-M1、Cat-M2)、ならびに狭帯域IoT(NB-IoT)のUEを提供する新たな無線インターフェースおよびUEのカテゴリ(Cat-NB1、Cat-NB2)をサポートする拡張を含む。
【0003】
それは、MTCのための3GPPのリリース13、14、および15で導入されたLong-Term Evolution(LTE)の拡張に対して、「eMTC」と呼ばれることになり、それだけに限らないが、Cat-M1などの帯域幅が限定されたUEのサポート、およびカバレッジ拡張のサポートを含む。このことは、サポートされる特徴が一般レベルでは類似しているものの、本明細書中で任意のリリースに適用される表現である、NB-IoTとは議論を分けることになる。
【0004】
「旧式の」LTEと、eMTC用およびNB-IoT用に規定された手続およびチャネルとの間には複数の違いがある。いくつかの重要な違いは、eMTCのMTC物理ダウンリンク制御チャネル(MPDCCH)およびNB-IoTのNB-IoT物理ダウンリンク制御チャネル(NPDCCH)、ならびにNB-IoT用NB-IoT物理ランダムアクセスチャネル(NPRACH)などの新たな物理チャネルを含む。別の重要な違いは、これらの技術がサポートし得る、カバレッジ拡張レベルとしても知られているカバレッジレベルである。送信される信号およびチャネルに反復を適用することによって、eMTCおよびNB-IoTの両方が、UEの動作を、LTEと比較してずっと低い信号対ノイズ比(SNR)レベル、すなわち「旧式」LTE用の-6dBのEs/IoTと比較し得る、eMTCおよびNB-IoT用の最低動作点であるEs/Iot≧-15dB、へ低減させることが可能になる。
【0005】
図1は、消費電力低減のための一連の選択肢を示している。ここで、拡張間欠受信(eDRX)モードおよび省電力モード(PSM)の選択肢は、UEを無線リソース制御(RRC)アイドルモードにさせることを参照しており、そのモードではUEがRRC接続モードに比べて著しく少ないエネルギーを消費する。
【0006】
定期的に、アイドルモードのUEは、在圏するセルに同期するために、受信部を始動し、ネットワークノードと通信可能であるためにアイドルモードをやめるべきか否か通知をチェックする。そのような通知のために、短い信号の送信に基づく、「ウェイクアップ信号」(WUS)が用いられ得て、ダウンリンク(DL)制御チャネルたとえばeMTC用の完全なMPDCCHを、デコードし続けるべきかをUEに知らせる。そのような信号が存在しない場合(たとえば、間欠送信(DTX)がネットワークノードによって適用される、すなわち、UEはいずれの信号も検出しない)、UEは、アイドルモードに留まり、DL制御チャネルをデコードすることを控える。WUSのデコード時間は、本質的に1ビットの情報を含むことだけを必要とするので、完全なMPDCCHのデコード時間に比べて著しく短く、一方MPDCCHは、最大で35ビットの情報を含み得る。このことが、結果として、UEの消費電力を削減し、より長いUEの電池寿命をもたらす。「ウェイクアップ信号」(WUS)は、UEへのページングがあるときのみ送信され得る。しかし、UEへのページングがない場合、WUSは、送信されないことになり、すなわち、DTXを意味し、UEは、WUSの代わりに、たとえばDTXを「検出する」アイドルに戻ることになり得る。このことは、図2に示されており、白いブロックは、起こり得るWUSおよびページング機会(PO)の位置を示しており、一方黒いボックスは、実際のWUSおよびPOの位置を示している。ここで、3GPPのTS36.211、v15.4.0、section6.11Bによれば、WUSのシーケンスは、関連付けられるPOの時刻およびeNBのセルIDにのみ依存する。このことは、同一のPOに属するUEのうち、どのUEがページングされたのか、さらに区別することが不可能であることを意味する。多くの事例では、1度に単一のUEのみがページングされ、その事例では、残りのUEは、後続のMPDCCHを不必要に監視することになる。
【0007】
以下の3GPPの寄与は、本開示を理解するための背景知識を、さらに提供し得る。
【0008】
RP-182891、「Additional MTC enhancements for LTE」、Ericsson、RAN#82、イタリア、ソレント、2018年12月。
【0009】
R1-1813795、「RAN1 agreements for Rel-16 Additional MTC Enhancements for LTE」、Ericsson、RAN1#95、アメリカ、スポケーン、2018年11月。
【0010】
R2-1901194、「Paging multiplexing and UE mobility of group WUS」、Ericsson、RAN2#105、ギリシア、アテネ、2019年2月。
【0011】
R2-1901195、「UE_ID based WUS grouping」、Ericsson、RAN2#105、ギリシア、アテネ、2019年2月。
【0012】
R1-1812119、「UE-group wake-up signal in LTE-MTC」、Ericsson、RAN1#95、アメリカ、スポケーン、2018年11月。
【0013】
3GPP TS 36.331、「E-UTRA; Radio Resource Control (RRC) protocol specification」、V15.4.0、2018年12月。
【0014】
R1-1812454、「UE-group wake-up signal for eMTC」、Intel、RAN1#95、アメリカ、スポケーン、2018年11月。
【0015】
R1-1812133、「UE-group wake up signal」、Huawei、RAN1#95、アメリカ、スポケーン、2018年11月。
【0016】
本背景の項で開示された上記の情報は、本開示の背景の理解の改善のためだけのものであり、したがって当業者に既に知られている先行技術を形成しない情報を含み得る。
【発明の概要】
【0017】
本開示は、固定デバイスとモバイルデバイスとを区別することによって、ページングの拡大における固定デバイスの電力を節約し得るという、発明者らの理解に基づいている。
【0018】
第1の態様によれば、セルラー通信システム内で動作するように構成された無線通信デバイスが提供される。無線通信デバイスは、セルラー通信システムの無線アクセスネットワークノードから無線信号を受信するように構成された受信部と、セルラー通信システムのアクセスネットワークノードから受信された信号のうち、第1の信号および第2の信号を検出するように構成された信号検出部とを備える。第1の信号は、同期と、アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含むネットワーク同期信号を含む。第2の信号は、通知を含む。無線通信デバイスは、信号検出部に、受信されたセルの識別が、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用における、セルの識別の以前の受信に等しい場合、第1のタイプの通知を検出すること、または、受信されたセルの識別が、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用における、セルの識別の以前の受信と異なる場合、第2のタイプの通知を検出すること、のいずれかをさせるように構成された制御部をさらに備える。
【0019】
通知は、ページング信号が受信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号、またはページング信号を含み得る。
【0020】
信号検出部は、第2の信号を検出するための相関器を備え得て、第1のタイプの通知は、第2のタイプの通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有する。
【0021】
第2の態様によれば、セルラー通信システム内で動作するように構成された、無線通信デバイスの方法が提供される。方法は、セルラー通信システムの無線アクセスネットワークノードから無線信号を受け取ることと、セルラー通信システムのアクセスネットワークノードから受信された信号のうち、第1の信号および第2の信号を検出することを含む。第1の信号は、同期と、アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含むネットワーク同期信号を含み、第2の信号は、通知を含む。通知を検出することは、受信されたセルの識別が、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用における、セルの識別の以前の受信に等しい場合、第1のタイプの通知を検出すること、または、受信されたセルの識別が、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用における、セルの識別の以前の受信と異なる場合、第2のタイプの通知を検出すること、のいずれかを含む。
【0022】
通知は、ページング信号が受信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号またはページング信号を含み得る。
【0023】
検出することは、第2の信号を、適用可能なタイプの通知のシーケンスと相関させることを含み、第1のタイプの通知は、第2のタイプの通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有する。
【0024】
第3の態様によれば、セルラー通信システム内で動作するように構成された無線アクセスネットワークノードが提供される。無線アクセスネットワークノードは、セルラー通信システムへのインターフェースと、1つまたは複数の無線通信デバイスを用いて送信される第1の信号および第2の信号を含む、無線信号によって相互作用するように構成された送受信部であって、第1の信号が、同期と、無線アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含むネットワーク同期信号を含み、第2の信号が、通知を含む、送受信部と、インターフェースを介して受信された無線デバイスのためのページングメッセージから、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用を行った無線デバイスに対するセルの最終の識別を決定し、セルの決定された識別が、無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と等しい場合は、第1のタイプ、またはセルの決定された識別が、無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と異なる場合は、第2のタイプのいずれかとなる通知を形成するように構成された制御部と、を備える。
【0025】
通知は、ページング信号、またはページング信号が送信された信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号であり得る。
【0026】
第1のタイプの通知は、第2のタイプの通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有し得る。
【0027】
第4の態様によれば、セルラー通信システム内で動作するように構成された、無線アクセスネットワークノードの方法が提供される。方法は、セルラー通信システムの別のノードから無線デバイスのためのページングメッセージを受信することと、ページングメッセージから、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用を行った無線デバイスに対するセルの最終の識別を決定することと、第1の信号と第2の信号を送信することと、を含む。第1の信号が、同期と、無線アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含むネットワーク同期信号を含み、第2の信号が、通知を含む。通知は、セルの決定された識別が、無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と等しい場合は、第1のタイプ、またはセルの決定された識別が、無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と異なる場合は、第2のタイプのいずれかのものである。
【0028】
通知は、ページング信号が送信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号またはページング信号を含み得る。
【0029】
第1のタイプの通知は、第2のタイプの通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有し得る。
【0030】
第5の態様によれば、無線通信デバイスのプロセッサ上で実行されるとき、無線通信デバイスに第2の態様による方法を遂行させる、命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0031】
第6の態様によれば、無線アクセスネットワークノードのプロセッサ上で実行されるとき、無線アクセスネットワークノードに第4の態様による方法を遂行させる、命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0032】
本開示の上記の特徴および利点および追加の対象は、添付の図面を用いた、本開示の好ましい実施形態の以下の例示の、非限定的な詳細な記述により、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】消費電力低減のための一連の選択肢を示す図である。
図2】ウェイクアップ信号およびページングのための手法を模式的に示す図である。
図3】ページング拡大の過程を示す図である。
図4】無線アクセスネットワーク(RAN)ノードのための方法を模式的に示すフローチャートである。
図5】RANノードの関連する構成要素を模式的に示すブロック図である。
図6】RANノード用のコンピュータ可読媒体および処理デバイスを模式的に示す図である。
図7】無線通信デバイスのための方法を模式的に示すフローチャートである。
図8】無線通信デバイスを模式的に示すブロック図である。
図9】無線通信デバイス用のコンピュータ可読媒体および処理デバイスを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
リリース16では、WUSが、UEのグループ化も含み、その結果、WUSに影響されるUEの数が、特定のPOに関連付けられたUEの部分集合にさらに絞られるように、さらに開発されるべきであることが期待されている。
【0035】
発明者らがWUSを設計する際に考慮される必要があると実感した、1つの考えがUEのモビリティである。モビリティは、再送信を含めた、アイドルモードのUE(ユーザ機器)ページングおよび追跡手順を担当する制御ノードである、モビリティ管理エンティティ(MME)によって管理される。UEが1つのノードのサービス内で識別されない場合、MMEは、他ノードによってサービスされる他のエリアを決定し、UEをページングしようとする、すなわち、ページング拡大である。たとえばMMEは、ページングされているUEがまず、当該UEが直近で知られたセル内、すなわち、ネットワークによって最後に知られた位置に相当するセル内で検索されるべきかを、決定し得る。UEが、その最終検知セル内で見つからない場合、MMEは、ページングを他のセル内へと、最終的にたとえば、追跡エリア(TA)全体に、拡大し得る。図3は、ページング拡大の過程を示している。(A)では、MMEは、ページングメッセージをUEが直近で検知されたセルに送り、次に結果として、(B)では、ページング無線ネットワーク一時識別子(P-RNTI)によって暗号化された、巡回冗長検査(CRC)のためのPDSCH送信を計画する、PDCCHの送信によって定められる、ウェイクアップ信号またはページング信号を送信することによって、UEをページングしようと試みる。最終検知セルのためのeNBが、UEに到達しない場合、MMEは、(C)でページングを、UEの現在のセルを含むより多くのeNBに、ページングメッセージを送ることによって、たとえば、他のeNBがUEをページングすることを試みる追跡エリア全体に、拡大する。
【0036】
WUSが可能であるUEの観点から、WUSのための、さらにモバイルUEのための標準化された振舞いが存在することが不可欠である。たとえば、UEは、別のセル内でウェイクアップするときは毎度、WUSを使用すべきか否かを知り、そうすべき場合は、どのWUSを使用すべきかを知る必要がある。リリース15によれば、UEは、完全にWUSが設定されたセル内で、WUSを使用する。リリース15のWUSは、セルIDおよびタイミングによって独自に定められるので、UEは、どのWUSを探すべきか前もって知る。しかしながら、追跡エリア全体中の全てのWUSが可能なUEは、MMEがその最終検知セル内で単一のUEさえ見つけることができずに、ページングを拡大する必要がある場合、誤ってウェイクアップされ得る。グループWUSのための現在の基準は、モビリティの特徴を考慮しない。代わりに、焦点は、UE識別情報(ID)、サービス、DRXまたはeDRXの周期、UEカバレッジレベルなどによって、ランダム化されている。しかしながら、UEがその最終検知セル内で見つからない場合、ページング拡大は、複数のセル内で、たとえば数十または数百のeNBが含まれ得る、追跡エリア全体またはそれより多くのエリア内で、ページングすることが必要になるので、モビリティは、消費電力削減のために重要な側面である。したがって、単一のモバイルUEは、固定UEと比較すると、他のUEの数段大きく消費電力を増大させ得る。このことは、全てのUEが同一のUEグループに属することになるので、複数のeNBまたはセルの中のモバイルUEがページングされたとき誤ってウェイクアップされることになるからである。
【0037】
ページングメッセージを無線デバイス(UE)に送信するための無線ネットワーク(eNB)が、別のネットワークノード、たとえばモビリティメッセージ通信エンティティ(MME)からページングメッセージを受信するとき、eNBが、ページングメッセージから、ページングしているセルが最終検知セルであるか否かを決定することを、本発明者らは、実感してきた。判定に基づいて、eNBは、信号をページングメッセージと関連付けるために決定する、すなわち、eNBが固定UEをページングすべきか、セルラーネットワークとの最後の相互作用、すなわち無線通信デバイスと、セルラー通信システムとの最後の相互作用、たとえば、おおよそ非アクセス階層(NAS)信号を送ることが発生したときなどの、追跡エリア更新(TAU)または接続セットアップ以来、別のセルから移動したUEである、モバイルUEをページングすべきか、決定することになる。この「最終検知セル」すなわち、セルのセルIDは、MME内に、および容易にUE内に記憶される。UEおよびセルラー無線ネットワークの両方が、これがいつどこで発生したのかについての共通理解を有することになる。
【0038】
したがって、別のWUS信号を送る手順は、ページングが最終検知セル内で送信されるか、別のセル内で送信されるかによって、適用されることになる。信号は次に、所定のリソースで送信される。ページングのために用いられる時間および周波数のリソースは、ページングが最終検知セル内で送信されるか、別のセル内で送信されるかによって、異なり得る。同様に、UEに向けたページングメッセージを無線ネットワークから受信するための無線デバイスに、方法が提供される。最初に、UEがネットワークに同期し、それにより時間および周波数の同期ならびにセル識別を達成する。このことに基づいてUEは、最終検知セルに、ネットワークによって、在圏しているか否かを決定し得る。そのことを決定したことで、UEは、ページングメッセージに関連付けられた信号をさらに決定し得る。決定に基づいて、UEは、UEへのページングメッセージに関連付けられた信号をさらに決定し得る。UEは、「最終検知セル」内に配置された自身を、見つけられたか否かによって、別のWUS信号監視手順を適用することになる。UEは次に、定義済みの時間および周波数のリソース内の信号を検出することを試み、結果的に、モビリティUEに向けられた通知を、UEがまだ「最終検知セル」内にいると決定されている場合は、考慮しなくてもよい。固定UEは、このようにエネルギーを節約できる。
【0039】
要するに、本開示は、モバイルUEのための個別のWUSのUEグループを導入し、ネットワークが、誤って固定UEをウェイクアップすることなしに、モバイルUEをページングできるようにし、それにより固定UEの有効期間が減少する。利点は、UEがページング拡大時に最終検知セルの外でページングされることにより、別のUEにアドレスされたページングによって、影響を及ぼされるUEの数が減少することである。その結果、固定UEの大部分が、アイドルモードまたは高速再開アイドルモードに留まり、それにより固定UEの省電力および有効期間が増大され得る。
【0040】
図4は、一実施形態による、eNBなどの無線アクセスネットワーク(RAN)ノードのための方法を模式的に示すフローチャートである。RANノードは、400で、ページングメッセージを、セルラーネットワークから、たとえば、MMEノードから受信する。ページングメッセージ内には、多様な情報、たとえば、どのUEがページングされることになるか、およびさらにUEが最後に接続されたセルの最終のセルIDに関する情報が含まれる。したがって、RANノードは、402で、受信した最終のセルIDを決定し、404でそれをRANノードが運転しているセルのセルIDと比較する。最終セルIDとRANノードのセルIDが一致する場合、RANノードは、第1のタイプの通知、すなわち上述したような固定UEのためのグループ通知が送られるように手配する。最終のセルIDが異なる、すなわち通知されることになるUEが、最終の接続以来、セルを変更している場合、たとえばページング拡大がアクティブ化されている場合、RANノードは、第2のタイプの通知、すなわち上述したようなモバイルUEのためのグループ通知が送られるように手配する。
【0041】
通知は、ウェイクアップ信号またはページング信号、あるいは省電力モード状態のUEのために用いられる他の任意の種類の通知を含むことができる。たとえば、任意の種類の通知は、MTCのためのタイプ1のMPDCCHの共通検索空間(CSS)およびNB-IoTのためのタイプ1のNPDCCHのCSSであり得る。いくつかの実施形態では、第1のタイプの通知は、一般的なウェイクアップ信号であり、第2のタイプの通知は、自身がセルを変更していることを検知しているデバイスのみにアドレスされるウェイクアップ信号である。いくつかの実施形態では、第1のタイプの通知は、ウェイクアップ信号であり、第2のタイプの通知は、自身がセルを変更していることを検知しているデバイスがページング信号を探している場面でのページング信号である。したがって、セットアップは概して、セルを変更していないことを検知しているデバイスが、非常に簡潔なチェックを実施するような実施形態のためのものであり、その結果、デバイスは、アドレスされていない場合、迅速にアイドルに戻ることができ、一方、セルを変更したことを検知しているデバイスは、より多くのエネルギーを消費するチェックを実施し得る。UEが正しい通知タイプを容易に読み出すことができるように、第1のタイプおよび第2のタイプの通知は、それぞれ低い相関を有するシーケンスであり得る。別の事例では、信号は、P-RNTIによって区別される。この事例には、ページングが送信されるセルのセルIDが、UEの最終検知セルと等しい場合、第1のP-RNTIが、ページング送信に使用され、一方、第2のP-RNTIは、ページングが送信されるセルのセルIDが、UEの最終検知セルIDと異なる場合に、使用される。従来、P-RNTIは、固定された16ビットコードワードであるが、P-RNTIコードワードのセットは、上記の目的のために拡張され得る。また、さらに別の事例では、ページング信号は、ページングが送信されるセルのセルIDが、最終検知セルIDと異なる場合には、ページングが送信されるセルのセルIDが、最終検知セルIDと同じである場合と比較して、異なる周波数で送信され得る。すなわち、周波数は、EUTRA(エボルブドUMTS(ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System))地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access))の絶対無線周波数チャネル番号(Absolute Radio Frequency Channel Number(EARFCN)によって決定され得る。現在、NB-IoTおよびeMTCの両方が、NB-IoTの場合のページング搬送波およびeMTC用のページング狭帯域として知られている、異なる周波数チャネルでのページングをサポートしている。利用可能なページング搬送波のサブセット、およびページング狭帯域は、最終検知セル以外のセルにページングを拡大する場合に、ページング用に留保され得る。異なるタイミングが、別法としてまたは追加として用いられ得る。たとえば、WUSのタイミングリソースは、ページングの機会が変更されないのだが、すなわちページングの機会のわずかに前に適用され得る。
【0042】
RANノードはしたがって、適切なタイプの通知の手配を終え、次に410で、たとえば図2を用いて上述したような、計画された時間に、通知を送信する。
【0043】
この外見上単純な手法を用いて、RANノードは、固定のUEがエネルギーを著しく節約できる方法で実際に動作し、たとえばRANノードは、ページング拡大について多くを知る必要がなく、この動作を非常に少ない信号を送ることに基づいて行うことができる。
【0044】
図5は、RANノード500の関連する構成要素を模式的に示すブロック図である。RANノードに通常含まれる他の構成要素は、本明細書で開示された寄与を不明瞭化しないように、示されていない。RANノードは、複数のノードと、そのうちの、RANノード500にページングメッセージを提供するノード512とを含む、セルラーネットワーク510と作用する。相互作用は、RANノード500のインターフェース502によって取り扱われる。RANノード500は、アンテナ構成505を通して、無線信号によって、1つまたは複数の無線通信デバイスと相互作用するように構成されている、送受信部504を備える。RANノードは、インターフェースを介して受信されたページングメッセージから、無線デバイスが無線相互作用をもった、無線デバイスのセルの最終の識別を決定するように構成された、制御部506を備える。送受信部504は、アンテナ505を介して、第1の信号および第2の信号を提供し、第1の信号が、同期と、無線アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含む、ネットワーク同期信号を含み、第2の信号が、上述したような、通知を含む。制御部506はしたがって、セルの決定された識別が、無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と等しい場合は第1のタイプ、またはセルの決定された識別が、無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と異なる場合は第2のタイプ、のいずれかとなる通知を形成するように構成されている。
【0045】
本開示による方法は、上述された制御部506がUEの通知を取り扱うプロセッサを備える場合には特に、コンピュータおよび/またはプロセッサのような、処理手段の支援を用いる実施に適している。したがって、処理手段、プロセッサ、またはコンピュータに、図4を用いて説明した実施形態のうち任意のものによる、方法のうちの任意のもののステップを、遂行させるように構成された命令を含む、コンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、好ましくは、処理手段、プロセッサ、またはコンピュータ602によってロードされ、実行され得る、図6に示したようなコンピュータ可読媒体600上に記憶されたプログラムコードを含み、それにより、好ましくは、図4を用いて説明した実施形態のうちの任意のものなどの、本開示の実施形態にそれぞれ従って、方法を遂行させる。コンピュータ602およびコンピュータプログラム製品600は、プログラムコードを、方法のうちの任意のものの動作がステップで遂行されるように順次、実行するように構成され、またはリアルタイムベースで遂行されてもよい。処理手段、プロセッサ、またはコンピュータ602は、組込みシステムと通常呼ばれるものであることが好ましい。したがって、図6で示されたコンピュータ可読媒体600およびコンピュータ602は、原理の理解を提供するためだけの例示の目的用であると解釈されるべきであり、構成要素のいずれかの直接的な図解として解釈されるべきでない。
【0046】
図7は、UEなどの、無線通信デバイスのための方法を模式的に示すフローチャートである。無線通信デバイスは700で、たとえば、1次および2次の同期信号を受信することによって、同期を遂行する。これは、周期は長期であってもよいが、定期的に、アイドルモードでも遂行される。これにより、信号は、セルのセル識別情報についての情報を含み、すなわち、ネットワークノードは、同期信号を提供する。したがって、700でのタイミングおよび周波数に関する同期に加えて、無線通信デバイスは、702でセル識別情報、セルIDを検出する。無線通信デバイスは、セルラーネットワークと通信した最終回以来のセル識別情報を、たとえば記憶されている情報から、検知する。そのため、無線通信デバイスは704で、同期から決定されたセルIDと、記憶された通信した最終セルのセルIDと、を比較する。それらが同一である場合、無線通信デバイスは、固定であると見なされ、706で、第1のタイプおよび第2のタイプの通知のうち、第1のタイプの通知、すなわち固定デバイスに送られるタイプに限った、通知の傾聴が遂行され、第2のタイプの通知、すなわちモバイルデバイスに送られるタイプは、無視する。ここで、「固定」および「モバイル」は、セルラーネットワークとの最終の通信以来のデバイスの移動を参照し、デバイスの構造的特徴を必ずしも反映しない。同期から決定されたセルIDと、記憶された通信した最終セルのセルIDとが異なる場合、無線通信デバイスは、移動しており、よってモバイルと見なされ、無線通信デバイスは708で、第2のタイプの通知に傾聴する。ここで、無線通信デバイスはまた、無線通信デバイスにとって、目下のネットワークノードが固定デバイスとモバイルデバイスとを区別する特徴を提供するか、明白でない可能性があるので、同期から決定されたセルIDと、記憶された通信した最終セルのセルIDとが異なる場合でも、第1のタイプの通知に傾聴し得る。したがって、第1のタイプの通知にも傾聴することが、バックワードコンパチビリティを提供し得る。
【0047】
710で適切な通知が見つかったか決定される。適切な通知が見つかった場合、無線通信デバイスは712で、たとえば、ページングメッセージに傾聴すること、ランダムアクセス制御メッセージを送信すること、または通信開始のために他の信号を送ることを含み得る、通信を開始する。適切な通知が見つからなかった場合、無線通信は714で、アイドルに直接戻り得る。この、無線通信デバイスがアイドルに戻り得る、迅速な決定が、アクティブ化されていないデバイスに、低いエネルギー消費を提供する。
【0048】
図8は、UEのような、無線通信デバイス800を模式的に示すブロック図である。本開示による寄与に関連する構成要素のみが示されており、無線通信デバイスに通常含まれる他の構成要素は、本明細書で開示された寄与を不明瞭化しないように、示されていない。無線通信デバイスは、アンテナ構成803を通して無線信号を受信するように構成された受信部802を備える。受信部802によって受信された信号のうち、本明細書は、上述したような、同期信号および通知を含む信号について言及し得る。受信部は、受信信号を、たとえば、ベースバンド信号の提供後に、信号検出部804に提供する。信号検出部804は、たとえば、上述したような、通知信号を見つけるように構成される。第1のタイプおよび第2のタイプの通知のための簡明な解決策は、それらが各々シーケンスを有することであり、シーケンスは、相互の低い相関を有する。第1のタイプおよび第2のタイプの通知は、別個のリソースエレメント内で、または共通のリソースエレメントの代替としてのいくつかのセットアップのために、送信され得る。信号検出部804は、同時にたとえば、受信信号を、求められる種類の通知と相関させる、相関器805を備える。したがって、求められない通知は、ノイズと見なされることになり、いずれの通信開始もトリガーしないことになる。ここで、信号検出部は、その結果を、無線通信デバイス800の運転を決定する、制御部806に提供する。信号検出部804および制御部806は、信号検出および無線通信デバイス800の振舞いの制御を遂行する、共通のプロセッサとして実装され得る。
【0049】
本開示による方法は、上述された制御部806および信号検出部804が通知の検出を取り扱うプロセッサを備える場合には特に、コンピュータおよび/またはプロセッサのような、処理手段の支援を用いる実施に適している。したがって、処理手段、プロセッサ、またはコンピュータに、図7を用いて説明した実施形態のうち任意のものによる、方法のうちの任意のもののステップを、遂行させるように構成された命令を含む、コンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、好ましくは、処理手段、プロセッサ、またはコンピュータ902によってロードされ、実行され得る、図9に示したようなコンピュータ可読媒体900上に記憶されたプログラムコードを含み、それにより、好ましくは、図7を用いて説明した実施形態のうちの任意のものなどの、本開示の実施形態にそれぞれ従って、方法を遂行させる。コンピュータ902およびコンピュータプログラム製品900は、プログラムコードを、方法のうちの任意のものの動作がステップで遂行されるように順次、またはリアルタイムベースで実行するように構成され得る。処理手段、プロセッサ、またはコンピュータ902は、組込みシステムと通常呼ばれるものであることが好ましい。したがって、図9で示されたコンピュータ可読媒体900およびコンピュータ902は、原理の理解を提供するためだけの例示の目的用であると解釈されるべきであり、構成要素のいずれかの直接的な図解として解釈されるべきでない。
【0050】
本開示は、以下の項によって要約され得る。
【0051】
1.
セルラー通信システム内で動作するように構成された無線通信デバイスであって、
セルラー通信システムの無線アクセスネットワークノードから無線信号を受信するように構成された受信部と、
セルラー通信システムのアクセスネットワークノードから受信された信号のうち、第1の信号および第2の信号を検出するように構成された信号検出部であって、
第1の信号が、同期と、アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含む、ネットワーク同期信号を含み、
第2の信号が、通知を含む、信号検出部と、
信号検出部に、
受信されたセルの識別が、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用における、セルの識別の以前の受信に等しい場合、第1のタイプの通知を検出すること、
または、セルの受信された識別が、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用における、セルの識別の以前の受信と異なる場合、第2のタイプの通知を検出すること、のいずれかをさせるように構成された制御部と、を備える
無線通信デバイス。
【0052】
2.
通知が、ページング信号が受信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号を含む、1項に記載の無線通信デバイス。
【0053】
3.
通知が、ページング信号を含む、1または2項に記載の無線通信デバイス。
【0054】
4.
信号検出部が、第2の信号を検出するための相関器を備え、第1のタイプの通知は、第2のタイプの通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有する、1から3項のいずれか一項に記載の無線通信デバイス。
【0055】
5.
第1および第2のタイプの通知が、ページング無線ネットワーク一時識別子の異なるコードワードによって区別される、1から4項のいずれか一項に記載の無線通信デバイス。
【0056】
6.
セルラー通信システム内で動作するように構成された、無線通信デバイスの方法であって、
セルラー通信システムの無線アクセスネットワークノードから無線信号を受信することと、
セルラー通信システムのアクセスネットワークノードから受信された信号のうち、第1の信号および第2の信号を検出することであって、
第1の信号が、同期と、アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含む、ネットワーク同期信号を含み、
第2の信号が、通知を含む、第1の信号および第2の信号を検出することと、を含み、
通知の検出することが、
受信されたセルの識別が、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用における、セルの識別の以前の受信に等しい場合、第1のタイプの通知を検出すること、
または、セルの受信された識別が、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用における、セルの識別の以前の受信と異なる場合、第2のタイプの通知を検出すること、のいずれかを含む
方法。
【0057】
7.
通知が、ページング信号が受信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号を含む、6項に記載の方法。
【0058】
8.
通知が、ページング信号を含む、6または7項に記載の方法。
【0059】
9.
検出することが、第2の信号を、適用可能なタイプの通知のシーケンスと相関させることを含み、第1のタイプの通知が、第2のタイプの通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有する、6から8項のいずれか一項に記載の方法。
【0060】
10.
第1および第2のタイプの通知が、ページング無線ネットワーク一時識別子の異なるコードワードによって区別される、6から9項のいずれか一項に記載の方法。
【0061】
11.
セルラー通信システム内で運転される無線アクセスネットワークノードであって、
セルラー通信システムへのインターフェースと、
1つまたは複数の無線通信デバイスを用いて送信される第1の信号および第2の信号を含む、無線信号によって相互作用するように構成された送受信部であって、第1の信号が、同期と、無線アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含む、ネットワーク同期信号を含み、第2の信号が、通知を含む、送受信部と、
制御部であって、
インターフェースを介して受信された無線デバイスのためのページングメッセージから、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用を行った無線デバイスに対するセルの最終の識別を決定し、
通知を、
セルの決定された識別が、無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と等しい場合、第1のタイプ、
またはセルの決定された識別が、無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と異なる場合、第2のタイプ、のいずれかのものに形成する、ように構成された制御部と、を備える
無線アクセスネットワークノード。
【0062】
12.
通知が、ページング信号が送信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号を含む、11項に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0063】
13.
通知が、ページング信号を含む、11または12項に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0064】
14.
第1のタイプの通知が、第2のタイプの通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有する、11から13項のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0065】
15.
第1および第2のタイプの通知が、ページング無線ネットワーク一時識別子の異なるコードワードによって区別される、11から14項のいずれか一項に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0066】
16.
セルラー通信システム内で動作するように構成された、無線アクセスネットワークノードの方法であって、
セルラー通信システムの別のノードから無線デバイスのためのページングメッセージを受信することと、
ページングメッセージから、無線通信デバイスとセルラー通信システムとの最終の相互作用を行った無線デバイスに対するセルの最終の識別を決定することと、
第1の信号および第2の信号を送信することであって、第1の信号が、同期と、無線アクセスネットワークノードに関連付けられたセルの識別とに関する情報を含む、ネットワーク同期信号を含み、第2の信号が通知を含む、第1の信号および第2の信号を送信することと、を含み
通知は、
セルの決定された識別が、無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と等しい場合、第1のタイプ、
またはセルの決定された識別が、無線アクセスネットワークノードによって操作されるセルの識別と異なる場合、第2のタイプ、のいずれかのものである、
方法。
【0067】
17.
通知が、ページング信号が送信信号から読み出されるべきであることを知らせるウェイクアップ信号を含む、16項に記載の方法。
【0068】
18.
通知が、ページング信号を含む、16項に記載の方法。
【0069】
19.
第1のタイプの通知が、第2のタイプの通知のシーケンスと低い相関を有するシーケンスを有する、16から18項のいずれか一項に記載の方法。
【0070】
20.
第1および第2のタイプの通知が、ページング無線ネットワーク一時識別子の異なるコードワードによって区別される、16から19項のいずれか一項に記載の方法。
【0071】
21.
無線通信デバイスのプロセッサ上で実行されるとき、無線通信デバイスに、6から10項のいずれか一項に記載の方法を遂行させる、命令を含むコンピュータプログラム。
【0072】
22.
無線アクセスネットワークノードのプロセッサ上で実行されるとき、無線アクセスネットワークノードに、16から20項のいずれか一項に記載の方法を遂行させる、命令を含むコンピュータプログラム。
【0073】
リリース16のUEグループのWUSと、リリース15のWUSとの間の多重化のために、さらに評価し、以下の選択肢の中で選択範囲を狭める。
-TDM
-FDM
-単一シーケンスCDM
-単一シーケンスCDM+TDM
-単一シーケンスCDM+FDM
-従来WUSが全ての新たなUE用の共通WUSである、または新たなUEの一部のみであるFFS
【0074】
別のリリース16のUEグループのWUS間の多重化のために、さらに評価し、以下の選択肢の中で選択範囲を狭める。
-単一シーケンスCDM
-FDM
-単一シーケンスCDM+TDM
-単一シーケンスCDM+FDM
留意事項:少なくともUEグループの最大数が、考慮されるべきである。
【0075】
UEグループ数は、適合性があり、SIB内で一斉通信される。
-FFS:UEグループ数のさらなる詳細。たとえば、UEグループ数は、PO当たりの数、またはPOのギャップ設定当たりのどちらかである。
【0076】
UEグループIDは、WUSのUEグループシーケンスを生成するために、パラメータとして使用される。1つのグループWUSが、単一シーケンスとして設計される。以下の設計のための誤検出(相互相関/自己相関)性能特性が、考慮され得る。
-従来WUS+カバーコード
-従来WUS+シフトされたスクラブリングコード
-従来WUS+位相シフト+カバーコード+スクランブリングビット
○位相シフト、カバーコード、および/またはスクランブリングビットの組合せを含む。
他の設計は排除されない。
【0077】
リリース16グループWUSは、可能性のあるTDMからの差異を除いて、リリース15の従来WUS用と同一のギャップ設定を使用する。新たなギャップのより高レイヤーの信号伝送がTDMに導入されることは、期待されない。
【0078】
一例によれば、以下の要件を満足するグループWUSの技術概念が存在する。
・グループWUSのUEをウェイクアップすることなしに、従来WUSのUEをページングすること
・理想的には従来WUSのUEをウェイクアップすることなしに、全てのグループWUSのUEをページングすること
・単一グループ内でグループWUSのUEをページングすること
【0079】
これがグループWUSのための最小限の要件であることの正当な理由が存在する。まず、従来WUSをグループWUSから分離することなしに、誤ページング率を削減し、それによりグループWUSで従来WUSと比較して良好な省電力を達成することは不可能であろう。次に、従来WUSのUEからの更新者は、低性能の従来WUSを使用しているUEより多いので、重要性が低いことがある。それでも、いずれの否定的側面もなしに、2つを分離可能である場合、従来WUSとグループWUSとを分離することが望ましい。この処理は、MTCにとって、より多くの利用可能なリソースにより、NB-IoTよりも容易であると考えられる。
【0080】
グループWUSは、以下のシナリオをサポートするための機能を提供し得る。
a.グループWUSのUEをウェイクアップすることなしに、従来WUSのUEをページングすること
b.従来UEをウェイクアップすることなしに、全てのグループWUSのUEをページングすること
c.単一グループ内でグループWUSのUEをページングすること
【0081】
上記要件を満足するために、上記要件を支援するために使用されるグループWUSの機能は、以下のように、
・従来WUSおよびグループWUSは、FDMによって区別される。
・グループWUS内の別のグループは、シーケンスベースグループ指示(単一シーケンスCDMすなわちSS-CDM)によって識別される。
・1つ以上のグループがウェイクアップされる必要がある場合、共通WUSが用いられる。
【0082】
さらに、UEの消費電力が、固定UEから分離されているモバイルUEから大きな恩恵を受け得ることが知られてきた。1つの解決策は、モバイルUE、すなわち自身の最終検知セルとは別のセル内でウェイクアップするUEに、固定UEと比較して異なるWUSシーケンスを、探させることである。モバイルUEの事例用の誤ページング率のより詳細な分析は、2.2.項で上記リストに従い、以下の使用事例が次に追加される。
・モバイルおよび固定UEは、異なるWUSシーケンスにより区別される。
【0083】
表1は、上記した異なるシナリオのために送信される、異なるWUSの代替を要約している。信号が、異なる(周波数)リソースセットで送信されることを知らせるために、パラメータであるRSLegacyおよびRSGroupが導入されている。表中で見られるように、従来WUSは、従来WUSがページングされる事例では従来のリソースセットで送信され、グループWUSは、グループWUSのUEがページングされる場合、グループWUSリソースセットで送信される。さらに、1つ以上のUEグループに属するUEが、ページングされる場合、共通WUSが、グループWUSリソースセットで送信される。また、従来UEが同時にページングされる場合、従来WUSがさらに送信される。最後に、モバイルUE、すなわち自身の最終検知セルとは別のセルに在圏しているUEは、固定UEがウェイクアップされないように、特別なモバイルグループWUSによってページングされる。この手法の結果、グループWUSのUEは、2つのシーケンスを検出することが求められることがあり、これは非常に起きやすいであろう。
【0084】
固定事例のために低い誤ページング率を達成するために、多数のグループを有するグループWUSを設計することには、利点、すなわち、その場合ページング拡大は考慮されなかったこと、がある。全ての正当なページング率のためには、UEが共通WUSおよびグループWUSの両方を検出しようとする、シーケンスベースグループ指示(SS-CDM)とすれば、多数のグループが、最小の誤ページング率を達成する。モビリティであること、すなわちモバイルUEが複数のセルを通してページングされていることも考慮すれば、誤ページングに伴う課題は、深刻にさらに有害で、たとえば100セルの追跡エリア(TA)を仮定したとき、単一のモバイルUEが、全体のTAをウェイクアップさせる原因となることを暗示している。モバイル事例の誤ページング率は、固定事例と比較して同様の場合、おおよそ2倍規模で有害である。したがって、多数のグループを有する利点は、よりいっそう大きくなる。モバイルUEをページングすることが比較的まれな事象であることが、もちろん議論されるであろう。しかしながら、単一のモバイルUEが、求められるいくつかのページング拡大のためにページングされる必要があることは十分であり、その結果が増大された数倍規模のページング率である。
【0085】
UEのモビリティによるページング拡大が、複数のセル内のUEに影響を及ぼすので、誤ページングの主要な誘因であり得ることに気付かされるかもしれない。一例によれば、UEグループの数は、グループWUS多重化の評価基準とすべきである。
【0086】
モバイルUEとその誤ページングへの影響に伴う問題を限定する単純な方法は、それらを固定UEから分離することである。この方法では、自身の最終検知セルと異なるセルに在圏しているUEは、離れたWUSグループに傾聴することがあり、一方固定UEは、おおむねそのようなUEへのページングによって影響を及ぼされないだろう。
【0087】
異なる多重化代替は、以下に関して評価され得る。
・UEの消費電力、および
・ネットワークページング能力
【0088】
上記のパラメータは、評価され得て、それらの評価に基づいて、好ましい多重化方式が決定される。ここで、異なる方式で許容されるUEグループの数が多様であることは、注目に値し、誤ページング率を多様化するという点で、さらに異なる代替方式を考慮させられるかもしれないという、2次的な効果をもたらす。
【0089】
TDMされたWUSがもたらし得る、期待に反する結果のいくつかの議論が、提言され得る。TDMされたWUSが、いかにWUSの柔軟性および設定可能性に影響を及ぼし、リリース15で導入されたいくらかの柔軟性を無効化することになるのか、さらにはページング能力がいかに時間多重化によって減退させられ得るのか、詳細な分析が提供されている。
【0090】
可能性のあるWUSをTDMすることを議論する場合(グループWUS内のグループ間または従来およびグループWUS間のいずれかで)、リリース15のWUSが既にTDM構成要素を含んでおり、eDRXのUEが異なるギャップ長、たとえば40、80、160、または240ミリ秒に割り当てられ得ることは、注目に値する。そのうえ、追加の任意選択のギャップ長の1または2秒がeDRX用に定義され得る。したがって、グループWUSを設計する場合、この機能を維持し、それがもたらす柔軟性を必要以上に制限しないことが望ましい。UEのカバレッジが減少するにつれて、WUSの利点が増大すること、すなわちUEにおけるSNRが低いほど、WUSを用いる利点がより多くなることも、注目に値する。このことに関して、表2は、実現可能なDRXとeDRXとのギャップと、所与のWUS反復回数当たりの1TDM(すなわち、TDMなし)、2TDM、および4TDMの場合の組合せを示している。
【0091】
TDMは、使用可能なDRXとeDRXとのギャップ組合せの数を、不必要に制限し得る。反復回数に伴うTDM増大の不利益、すなわちTDMのコストは、WUSの利益が最大のときに、最高になる。
【0092】
さらに、TDMは、ページング能力を制限する仕方で、より多くのリソースを占有することになる。MTCには高い領域にあり、しかしNB-IoTには中程度の領域にある、32SFのWUS継続時間を仮定し、さらには各フレームがページングフレームであると仮定すると、ブロックされるPOの数は、TDMにより増大することになる。表3は、このことの効果を示しており、ページング能力が多重化する回数の水準に比例し、急激に低下されたページング能力をもたらしている。低下されたページング能力は、代替方法が存在しない限り、避けられないであろう。都合のよいことに、FDMおよび/またはSS-CDMにそれが存在する。
【0093】
TDMは、ネットワークのページング能力を深刻に制限し得る。LTE-MTCのために、1つの狭帯域内で3つ同時にWUSをFDMし、それにより他の信号およびリソースをさらに取り合うチャネルの、さらなるブロックを回避することが可能である。この方式の言及される欠点は主に、並列のWUSを増大させることが、狭帯域外からの電力の再配分を必要とすることになることである。そのような事象のまれな発生を考慮すると、それは有効な関心事ではない。したがって、FDMは、異なるWUSを分離する点から、TDMがするような、全ての利益を、しかしながら低下するネットワーク能力という点からのその不利益を除いて、提供し得る。FDMは、TDMがするように、ネットワーク能力を低下させない。
【0094】
別の多重化代替方法の第2の評価パラメータは、UEの電力性能である。多くのUEグループを有する解決策が選択されるべきであるという、上記のからの結論を考慮することは、いくつかの方法でCDMを含むことを暗示している。純粋なTDMおよびFDMは、従来WUSとグループWUSとの多重化にのみ実現可能であり、しかしグループ内では、2つのうちいずれも十分なグループ数を与えないので、実現可能でない。消費電力に関して、異なる代替方法間の主要な差異は、以下で確認される。
【0095】
TDMは、必要とされることになるより長い浅いスリープ期間により、増大されたUEの消費電力をもたらすことになり、主に、従来およびグループWUS間の多重化に使用される場合の、eDRXの性能に影響を及ぼす。TDMが、異なるUEグループ間の多重化のために使用される場合、増大される誤ページング率は、実現可能なわずかなグループ数により、UEの消費電力を実質的に増大させることがある。
【0096】
FDMは、従来およびグループWUS間の多重化技術として用いられる場合、不変のUEの電力をもたらすことになる。UEグループ間の多重化に用いられる場合、FDMは、増大された誤ページング率をもたらすUEグループの数において、同様の制限に悪影響を受けることがある。
【0097】
SS-CDMは、実質的により多くのUEグループを可能にするので、主に低減された誤ページング率に由来する減少されたUEの消費電力をもたらすことになる。協定によるUEの電力消費モデルが説明しない、電力のわずかな増大が、2つのシーケンスを検出するためにUEが必要とすることから発生することになる。
【0098】
SS-CDM+TDMは、より少ないUEが、同一のリソースセットを共有し、誤ページング率をさらに低減するため、さらなるUEの電力減少によって、SS-CDMと同様の利益をもたらすことになる。また一方では、SS-CDM+TDMはまた、スリープパターンが変わることになり、UE消費電力を増大させるという点で、TDMと同様の欠点をもたらす。
【0099】
SS-CDM+FDMは、より少ないUEが、同一のリソースセットを共有することで、UEの電力性能をさらに増大させるだけでなく、SS-CDMと同様の利益をもたらすことになる。
【0100】
上記の評価は、表4で要約されている。表から、単一シーケンスCDMが相当な利点を他の代替方法に提供することは明白である。必要とされる場合、CDMは、従来WUSとグループWUSとを、しかし必要に応じてさらにグループWUS内で、多重化する場合、FDMと組み合わせられ得る。
【0101】
FDMは、従来WUSをLTE-MTC内のグループWUSから分離するために用いられ得る。シーケンスベースグループ指示(単一シーケンスCDM)は、UEグループ間の多重化のために用いられ得る。
【0102】
以下のグループ-WUS設計が評価された。
・循環型周波数領域直交カバーコード、ここではサイクル開始位置がグループを指示する。カバーコードは、全体で12グループをもたらし、そのうちの1つが従来WUSであり得る。以下、「TF-OCC12」と記す。
・シフトされるスクランブリングシーケンス、ここではシフトインデックスがグループを指示する。2つの代替方法が検討されている。
〇シフトインクリメント264、以下、「SCRS264」と記す。
〇シフトインクリメント1031、以下、「SCRS1031」と記す。WUSの混乱を回避するために実施される。
【0103】
この方法は、全ての実際上の理由に十分であると考えられる、36グループに限定され得る。
・2×π/132のインクリメント量を用いる位相シフトプログレッション、ここでは位相インクリメントがグループを指示する。3GPPの寄稿R1-1812133、「UE-group wake up signal」、Huawei、RAN1#95、アメリカ、スポケーン、2018年11月、における最初の提案に加えて、決定論的な強い相互相関により、2つの追加の代替方法がさらに検討される。
〇131グループまで許容する(45グループのみが検討された)、密なインクリメントのセット。以下、「DELTA132」と記す。
〇5のインクリメント、すなわち、0、5、10、・・・、27グループをもたらす。以下、「DELTA1325」と記す。
〇36グループをもたらす、7番目毎のインクリメントの2つの数列、0、7、14、・・・および2、9、16、・・・。以下、「DELTA13272」と記す。
【0104】
実施の複雑さに関して、以下の観察がなされ得る。
・起動受信部は、少数のシーケンスを検出することのためにセットアップされることが期待されている。シーケンスは、オフラインで計算されることが期待されており、このことが実施の複雑さを小さな問題にしている。どの方法も、それらの採択を止めさせ得るという、実施の複雑さを有さない。
・位相シフトプログレッション設計は、最も複雑であり、シーケンスの計算で264の追加の複雑な乗算を必要とする。
・スクランブリングシーケンスシフトが2つの長いPRBシーケンスをシフトさせることを含むのに対して、PRB生成元の状態の迅速な計算のための方法が存在する。これがPDSCHのコーディングおよびデコーディングの一部でもあるので、UEの設計は、この目的用のハードウェアのアクセラレータを含むことが期待されている。
・OCC12コードは、132の正負変換に相当する。
【0105】
全ての調査されたグループWUSシーケンス候補は、グループWUSに考慮されるために、十分に小さな複雑さを有する。
【0106】
1SFより多いWUS継続時間の間、264のインクリメントでのスクランブリングシーケンスをシフトさせることが、時間シフトされた一致をもたらす、すなわちあるグループのWUSシーケンスが、kサブフレームがより早く発生するだけで、他のグループと同じであることが観察され得る。このことを避けるために、1031(または奇数を避けるために2062)のインクリメントでスクランブリングシーケンスをシフトさせることが、提案されており、これが、最高で1024サブフレームの継続時間の間、そのような一致を除去する。
【0107】
スクランブリングシーケンスシフトが、実際上無制限のグループ数を許容することが観察され得る。しかしながら、実際上の理由のために、本明細書では、評価を35グループに限定することが選択されている。
【0108】
候補の設計が、以下の条件下でシミュレートされている。
・1.92Msps
・128-pt FET
・24副搬送波WUS
・21サンプル受信ウィンドウ
・40Hz周波数誤差
・1Hzドップラーを用いたEPAチャネルモデル
・Rx/Txグループペアリング当たり10000インスタンス
・サブフレーム内コヒーレント合成
・サブフレーム間非コヒーレント合成(すなわち、仕事率)
・少数のセルID値
【0109】
シミュレーションの結果は、検出時間ウィンドウ内の最大相関値の全体累積分布(CDF)のプロットを用いて図示される。CDFトレースは、ホワイトノイズに対する相関の99パーセンタイル値に対して規格化される(すなわち、AWGNに対して1%誤報可能性)。
【0110】
反復レベル4の性能を考慮すると、-12.5dBのSNRレベルに対応して、以下の観測がなされ得る。
・TF-OCC12は、ホワイトノイズ誤報率が1%の場合、6%~8%の範囲のグループ間誤報率をもたらす。
・SCRS264およびSCRS1031は、全体が一貫してホワイトノイズよりも高い、TF-OCC12とほぼ同様の、誤報可能性を示す、不規則にばらついたグループ組合せをもたらす。
・DELTA132は、ある誤報率を与える別個のグループ組合せに起因する、4.5%のグループ間誤報率をもたらし、DELTA132が実用的でない解決方法になる。グループ組合せは、テストされたセルID間で同様である。
・DELTA1325およびDELTA13272は、全体に、反復レベル4でのホワイトノイズに匹敵する、グループ間誤報率をもたらす。いくつかのグループ組合せは、セルIDに無関係な、より高い誤報可能性を系統的に与える。しかしながら、結果として生じる相互相関は、管理しやすい。
【0111】
反復レベル1の性能を考慮すると、方法毎のある代替方法への2.5dBのSNRレベルに対応している。その他への結果は、以下に示したものに即している。反復レベル1で、運転SNRはより高く、これがグループ間相関関係をノイズから際立たせている。以下のことに留意されたい。
・1%誤報率にホワイトノイズしきい値を用いることで、おおよそ、TF-OCC12によって26%、SCRS1032によって20%、およびDELTA13272によって2%のグループ間誤報がもたらされる。
・DELTA13272に関して、増大された誤報可能性が、著しく高い誤報可能性を有する、少数の系統的なグループ組合せによってもたらされる。いっそう低い誤報可能性が、グループをさらに限定することによって、獲得され得る。
【0112】
これらの探索に基づいて、DELTA13272は、採用を考慮され得る。それは、35グループを、加えて良好なグループ間誤報可能性を有する従来グループを許容する。しかしながら、必要とされるグループ数および誤報要件に応じて、さらに限定的な一連の位相シフトプログレッションが、考慮され得る。2×π/132のインクリメント量の位相シフトプログレッションのサブセットが、グループ化を区別するもの、たとえば7番目毎のインクリメントの2つの数列(0、7、14、・・・)(2、9、16、・・・)である「DELTA13272」、として用いられ得る。
図1
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図9