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特許7257630部品供給装置、部品供給管理システム及び部品供給作業支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】部品供給装置、部品供給管理システム及び部品供給作業支援方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20230407BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
H05K13/08 A
H05K13/02 B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2017183701
(22)【出願日】2017-09-25
(65)【公開番号】P2019062014
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-07-07
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】江口 亮司
(72)【発明者】
【氏名】田村 尚
(72)【発明者】
【氏名】金井 一憲
(72)【発明者】
【氏名】林崎 昌弘
【合議体】
【審判長】平田 信勝
【審判官】岡本 健太郎
【審判官】久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-73966(JP,A)
【文献】特開2017-103374(JP,A)
【文献】特開2015-103773(JP,A)
【文献】特開2017-84863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/08
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納した収納体を複数個同時に装着可能な収納体装着部を備え、前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体のうちのひとつから所定の部品供給位置に部品が供給されるように動作する部品供給装置であって、
前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態を検出する供給状態検出部と、
前記供給状態検出部によって検出される前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態に基づいて、前記収納体装着部が、後続の前記収納体を装着させることができない装着不可状態、後続の前記収納体を装着させることができる装着可能状態及び後続の前記収納体装着させることができ、かつ、その後続の前記収納体を装着する必要のある装着必要状態のいずれの状態にあるかを判断する判断部と、
前記判断部が判断した前記収納体装着部の前記状態を作業者に報知する報知手段とを備えた部品供給装置。
【請求項2】
前記供給状態検出部は、前記収納体装着部に装着された前記収納体の個数を検出する装着個数検出部と、前記収納体装着部に装着されている一又は複数の前記収納体のうち前記部品の供給を行っている収納体である部品供給収納体による前記部品の供給可能残量を検出する残量検出部とを備え、前記判断部は、前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数及び前記残量検出部により検出された前記部品の供給可能残量に基づいて前記収納体装着部が前記装着不可状態、前記装着可能状態及び前記装着必要状態のいずれの状態にあるかを判断する請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数が前記収納体装着部に装着させることができる個数よりも少なく、かつ、前記残量検出部により検出された前記部品の供給可能残量が所定量以上であった場合、若しくは、前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数が前記収納体装着部に装着させることができる個数よりも少なく、かつ、前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数が2個以上であった場合、前記判断部は、前記収納体装着部が前記装着可能状態にあると判断する請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数が前記収納体装着部に装着させることができる個数と同じであった場合、前記判断部は、前記収納体装着部が前記装着不可状態にあると判断する請求項2又は3に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数が1個であり、かつ、前記残量検出部により検出された前記部品の供給可能残量が所定量以下であった場合、前記判断部は、前記収納体装着部が前記装着必要状態にあると判断する請求項2~4のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記収納体は、前記収納体装着部から挿入されて装着され、スプロケットの回転動作によりピッチ送りされることで前記部品を前記部品供給位置に供給するキャリアテープであり、前記残量検出部は、前記部品の供給可能残量を、前記部品供給収納体の前記部品の残数、前記部品供給収納体における前記部品が収納されている領域と前記部品が収納されていない領域との境目の位置及び前記部品供給収納体の残り長さのいずれかひとつに基づいて検出する請求項2~5のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項7】
部品を収納した収納体を複数個同時に装着可能な収納体装着部を備え、前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体のうちのひとつから所定の部品供給位置に部品が供給されるように動作する部品供給装置の部品供給を管理する部品供給管理システムであって、
前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態を検出する供給状態検出部と、
前記供給状態検出部によって検出される前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態に基づいて、前記収納体装着部が、後続の前記収納体を装着させることができない装着不可状態、後続の前記収納体を装着させることができる装着可能状態及び後続の前記収納体装着させることができ、かつ、その後続の前記収納体を装着する必要のある装着必要状態のいずれの状態にあるかを判断する判断部と、
前記判断部が判断した前記収納体装着部の前記状態を作業者に報知する報知手段とを備えた部品供給管理システム。
【請求項8】
前記供給状態検出部は、前記収納体装着部に装着された前記収納体の個数を検出する装着個数検出部と、前記収納体装着部に装着されている一又は複数の前記収納体のうち前記部品の供給を行っている収納体である部品供給収納体による前記部品の供給可能残量を検出する残量検出部とを備え、前記判断部は、前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数及び前記残量検出部により検出された前記部品の供給可能残量に基づいて前記収納体装着部が前記装着不可状態、前記装着可能状態及び前記装着必要状態のいずれの状態にあるかを判断する請求項7に記載の部品供給管理システム。
【請求項9】
前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数が前記収納体装着部に装着させることができる個数よりも少なく、かつ、前記残量検出部により検出された前記部品の供給可能残量が所定量以上であった場合、若しくは、前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数が前記収納体装着部に装着させることができる個数よりも少なく、かつ、前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数が2個以上であった場合、前記判断部は、前記収納体装着部が前記装着可能状態にあると判断する請求項8に記載の部品供給管理システム。
【請求項10】
前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数が前記収納体装着部に装着させることができる個数と同じであった場合、前記判断部は、前記収納体装着部が前記装着不可状態にあると判断する請求項8又は9に記載の部品供給管理システム。
【請求項11】
前記装着個数検出部により検出された前記収納体の個数が1個であり、かつ、前記残量検出部により検出された前記部品の供給可能残量が所定量以下であった場合、前記判断部は、前記収納体装着部が前記装着必要状態にあると判断する請求項8~10のいずれかに記載の部品供給管理システム。
【請求項12】
前記収納体は、前記収納体装着部から挿入されて装着され、スプロケットの回転動作によりピッチ送りされることで前記部品を前記部品供給位置に供給するキャリアテープであり、前記残量検出部は、前記部品の供給可能残量を、前記部品供給収納体の前記部品の残数、前記部品供給収納体における前記部品が収納されている領域と前記部品が収納されていない領域との境目の位置及び前記部品供給収納体の残り長さのいずれかひとつに基づいて検出する請求項8~11のいずれかに記載の部品供給管理システム。
【請求項13】
部品を収納した収納体を複数個同時に装着可能な収納体装着部を備え、前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体のうちのひとつから所定の部品供給位置に部品が供給されるように動作する部品供給装置を用いた部品供給作業を支援する部品供給作業支援方法であって、
前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態を検出する供給状態検出工程と、
前記供給状態検出工程で検出した前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態に基づいて、前記収納体装着部が、後続の前記収納体を装着させることができない装着不可状態、後続の前記収納体を装着させることができる装着可能状態及び後続の前記収納体装着させることができ、かつ、その後続の前記収納体を装着する必要のある装着必要状態のいずれの状態にあるかを判断する判断工程と、
前記判断工程で判断した前記収納体装着部の前記状態を作業者に報知する報知工程とを含む部品供給作業支援方法。
【請求項14】
記供給状態検出工程は、前記収納体装着部に装着された前記収納体の個数を検出する装着個数検出工程と、前記収納体装着部に装着されている一又は複数の前記収納体のうち前記部品の供給を行っている収納体である部品供給収納体による前記部品の供給可能残量を検出する残量検出工程を含み、前記判断工程で、前記装着個数検出工程で検出した前記収納体の個数及び前記残量検出工程で検出した前記部品の供給可能残量に基づいて前記収納体装着部が前記装着不可状態、前記装着可能状態及び前記装着必要状態のいずれの状態にあるかを判断する請求項13に記載の部品供給作業支援方法。
【請求項15】
前記装着個数検出工程で検出した前記収納体の個数が前記収納体装着部に装着させることができる個数よりも少なく、かつ、前記残量検出工程で検出した前記部品の供給可能残量が所定量以上であった場合、若しくは、前記装着個数検出工程で検出した前記収納体の個数が前記収納体装着部に装着させることができる個数よりも少なく、かつ、前記装着個数検出工程で検出した前記収納体の個数が2個以上であった場合、前記判断工程で、前記収納体装着部が前記装着可能状態にあると判断する請求項14に記載の部品供給作業支援方法。
【請求項16】
前記装着個数検出工程で検出した前記収納体の個数が前記収納体装着部に装着させることができる個数と同じであった場合、前記判断工程で、前記収納体装着部が前記装着不可状態にあると判断する請求項14又は15に記載の部品供給作業支援方法。
【請求項17】
前記装着個数検出工程で検出した前記収納体の個数が1個であり、かつ、前記残量検出工程で検出した前記部品の供給可能残量が所定量以下であった場合、前記判断工程で、前記収納体装着部が前記装着必要状態にあると判断する請求項14~16のいずれかに記載の部品供給作業支援方法。
【請求項18】
前記収納体は、前記収納体装着部から挿入されて装着され、スプロケットの回転動作によりピッチ送りされることで前記部品を前記部品供給位置に供給するキャリアテープであり、前記残量検出工程で、前記部品の供給可能残量を、前記部品供給収納体の前記部品の残数、前記部品供給収納体における前記部品が収納されている領域と前記部品が収納されていない領域との境目の位置及び前記部品供給収納体の残り長さのいずれかひとつに基づいて検出する請求項14~17のいずれかに記載の部品供給作業支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を収納した収納体から部品を供給される部品供給装置、部品供給装置の部品供給を管理する部品供給管理システム及び部品供給装置を用いた部品供給作業を支援する部品供給作業支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部品を基板に実装する部品実装装置では、部品を供給する部品供給装置としてテープフィーダが多用されている。テープフィーダはテープ装着口から装着(挿入)されたキャリアテープをスプロケットの回転動作でピッチ送りすることにより、キャリアテープに収納された部品を所定の部品供給位置に供給する構成を有している。テープフィーダでは従来、先行のキャリアテープ(先行テープ)に続けて後続のキャリアテープ(後続テープ)を走行させるためには、先行テープの終端部がテープフィーダのテープ装着口を通過する前に先行テープの終端部に後続テープの先頭部を接続(スプライシング)させる必要があった。
【0003】
近年では、作業者によるキャリアテープの補給作業の負担を軽減するため、キャリアテープを自動でローディングしてピッチ送りする自動ローディング方式のテープフィーダが開発されている。この自動ローディング方式のテープフィーダでは、先行テープの終端部がテープ装着口を通過する前に後続テープをテープ装着口に装着しておけば、先行テープの終端部を追うようにして後続テープがピッチ送りされていくので、従来のようなキャリアテープのスプライシングは不要である(例えば、下記の特許文献1)。このため自動ローディング方式のテープフィーダは、スプライシングレスフィーダとも称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-103374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記スプライシングレスフィーダでは、複数のキャリアテープを同時に装着することができるため、部品供給作業中の外観からは後続のキャリアテープを装着すべき時期を把握しにくいという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、後続のキャリアテープの装着のタイミングを容易に把握でき、部品供給作業の作業効率を向上させることができる部品供給装置、部品供給管理システム及び部品供給作業支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の部品供給装置は、部品を収納した収納体を複数個同時に装着可能な収納体装着部を備え、前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体のうちのひとつから所定の部品供給位置に部品が供給されるように動作する部品供給装置であって、前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態を検出する供給状態検出部と、前記供給状態検出部によって検出される前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態に基づいて、前記収納体装着部が、後続の前記収納体を装着させることができない装着不可状態、後続の前記収納体を装着させることができる装着可能状態及び後続の前記収納体装着させることができ、かつ、その後続の前記収納体を装着する必要のある装着必要状態のいずれの状態にあるかを判断する判断部と、前記判断部が判断した前記収納体装着部の前記状態を作業者に報知する報知手段とを備えた。
【0008】
本発明の部品供給管理システムは、部品を収納した収納体を複数個同時に装着可能な収納体装着部を備え、前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体のうちのひとつから所定の部品供給位置に部品が供給されるように動作する部品供給装置の部品供給を管理する部品供給管理システムであって、前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態を検出する供給状態検出部と、前記供給状態検出部によって検出される前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態に基づいて、前記収納体装着部が、後続の前記収納体を装着させることができない装着不可状態、後続の前記収納体を装着させることができる装着可能状態及び後続の前記収納体装着させることができ、かつ、その後続の前記収納体を装着する必要のある装着必要状態のいずれの状態にあるかを判断する判断部と、前記判断部が判断した前記収納体装着部の前記状態を作業者に報知する報知手段とを備えた。
【0009】
本発明の部品供給作業支援方法は、部品を収納した収納体を複数個同時に装着可能な収納体装着部を備え、前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体のうちのひとつから所定の部品供給位置に部品が供給されるように動作する部品供給装置を用いた部品供給作業を支援する部品供給作業支援方法であって、前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態を検出する供給状態検出工程と、前記供給状態検出工程で検出した前記収納体装着部に装着された一又は複数の前記収納体の全体における前記部品の供給状態に基づいて、前記収納体装着部が、後続の前記収納体を装着させることができない装着不可状態、後続の前記収納体を装着させることができる装着可能状態及び後続の前記収納体装着させることができ、かつ、その後続の前記収納体を装着する必要のある装着必要状態のいずれの状態にあるかを判断する判断工程と、前記判断工程で判断した前記収納体装着部の前記状態を作業者に報知する報知工程とを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、後続のキャリアテープの装着のタイミングを容易に把握でき、部品供給作業の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態における部品実装装置の要部側面図
図2】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備えるテープフィーダの斜視図
図3】本発明の一実施の形態における部品供給管理システムが実行する部品供給作業支援制御の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の形態における部品実装装置1であり、上流側から搬入した基板KBに部品PTを実装して下流側に搬出するように動作する。本実施の形態では、作業者OPから見た左右方向(図1の紙面に直交する方向)をX軸方向とし、作業者OPから見た前後方向(図1の紙面の左右方向)をY軸方向とする。また、上下方向(図1の紙面の上下方向)をZ軸方向とする。
【0013】
図1において、部品実装装置1は基台11、基板搬送部12、複数のテープフィーダ13、装着ヘッド14及びヘッド移動機構15を備えている。基板搬送部12は一対のコンベア機構12aで構成され、基板KBをX軸方向に搬送して所定の作業位置に位置決めする。複数のテープフィーダ13は基台11に連結される台車16の一部であるフィーダベース17(図2も参照)にX軸方向に並んで取り付けられている。台車16には部品PTが収納されたキャリアテープ18が巻き付けられたリール19が保持されている。各テープフィーダ13はリール19から引き出されたキャリアテープ18をピッチ送りして、部品PTの供給位置である部品供給口13Kに部品PTを供給する。
【0014】
図1において、装着ヘッド14は下方に延びた複数のノズル14Nを備えている。各ノズル14Nは昇降及びZ軸回りの回転動作が可能であり、各ノズル14Nの下端には部品PTを吸着する真空吸引力を発生させることができる。ヘッド移動機構15は装着ヘッド14を水平面内方向に移動させる。装着ヘッド14は、ノズル14Nによって、テープフィーダ13が部品供給口13Kに供給する部品PTを吸着し、基板KBに装着する。
【0015】
このような構成の部品実装装置1において、テープフィーダ13は、図2に示すように、フィーダベース17に着脱自在に取り付けられる本体部31を有しており、本体部31の後部(作業者OPの側)にはキャリアテープ18を装着するためのテープ装着部32が設けられている。テープ装着部32は上下の2つのテープ装着口(下段側装着口32Aと上段側装着口32B)を有している。
【0016】
下段側装着口32Aは上段側装着口32Bに優先してキャリアテープ18が装着(挿入)される箇所であり、テープフィーダ13にキャリアテープ18が装着されていない場合、キャリアテープ18は下段側装着口32Aに装着される。上段側装着口32Bは後続の(補充用の)キャリアテープ18が装着(挿入)される箇所であり、下段側装着口32Aに既にキャリアテープ18が装着されている場合に使用される。すなわち本実施の形態において、テープ装着部32には、複数のキャリアテープ18を同時に装着できるようになっている。
【0017】
図2において、本体部31の内部には、キャリアテープ18の走行通路であるテープ通路33が本体部31の後方から前方に延びて形成されている。本体部31の前端側の部分にはテープ通路33内のキャリアテープ18を前方に向けてピッチ送りする主スプロケット34が設けられており、主スプロケット34に隣接した後方位置には副スプロケット35が設けられている。更に、本体部31の後端側の部分にはフィードスプロケット36が設けられている。主スプロケット34、副スプロケット35及びフィードスプロケット36は、本体部31内に設けられたフィーダ制御部37によって回転が制御される。
【0018】
フィードスプロケット36は、下段側装着口32Aからテープ通路33内に挿入されたキャリアテープ18に係合して回転することで、キャリアテープ18を前方に送る。副スプロケット35は、フィードスプロケット36によって前方に送られてきたキャリアテープ18に係合して回転することで、キャリアテープ18を主スプロケット34に受け渡す。主スプロケット34は副スプロケット35から受け取ったキャリアテープ18に係合してピッチ回転することで、部品供給口13Kに向けてピッチ送りする。キャリアテープ18の先頭部が主スプロケット34に到達してキャリアテープ18がキャリアテープ18のピッチ送りを開始した後は、副スプロケット35とフィードスプロケット36はキャリアテープ18の送り動作は行わず、反対にキャリアテープ18によって従動回転させられる自由回転状態となる。
【0019】
このように、本実施の形態におけるテープフィーダ13はいわゆる自動ローディング方式のテープフィーダ(スプライシングレスフィーダ)であり、先行してピッチ送りしているキャリアテープ18(先行テープ18Aと称する)に続いて後続のキャリアテープ18(後続テープ18Bと称する)を搬送させる場合には、後続テープ18Bをテープ装着部32に装着するだけでよい。従って、先行テープ18Aの終端部に後続テープ18Bの先頭部をテープ部材で接続するなどの作業は不要である。
【0020】
テープフィーダ13の本体部31内には、図示しない複数のセンサとテープ位置検出部41が設けられている。複数のセンサ(図示せず)はテープ通路33を走行するキャリアテープ18の先頭部や終端部等の通過を検出し、その検出した通過情報をフィーダ制御部37に送信する(図2)。そして、テープ位置検出部41は送信された通過情報からキャリアテープ18の有無(位置)を検出する。
【0021】
先行テープ18Aが装着されたテープフィーダ13に新たな後続テープ18Bをテープ装着部32に装着する手順について説明する。先行テープ18Aの終端部がまだ下段側装着口32Aに達していない(下段側装着口32Aが空いていない)場合には、後続テープ18Bは上段側装着口32Bに装着される。上段側装着口32Bに装着された後続テープ18Bの先頭部は先行テープ18Aの上方領域を通ってフィードスプロケット36と係合したところで待機する。そして、走行した先行テープ18Aの終端部が待機している後続テープ18Bの先頭部を通過して(追い抜いて)、テープ通路33の中間付近にあるセンサ(テープ位置検出部41)によって検出されたら、フィードスプロケット36がフィーダ制御部37によって回転駆動され、後続テープ18Bは先行テープ18Aを追うようにしてテープ通路33内を走行し、主スプロケット34に受け渡されて送られる。
【0022】
次いで、後続テープ18Bが先行テープ18Aに切り替わった後、新たに後続テープ18Bをテープ装着部32に装着する手順について説明する。後続テープ18Bから切り替わった先行テープ18Aは上段側装着口32Bに装着されている。そのため、作業者OPは先行テープ18Aを下段側装着口32Aに入れ替えて、上段側装着口32Bを空にする。そして、空にした上段側装着口32Bに作業者OPが後続テープ18Bを装着する。上段側装着口32Bに装着された後続テープ18Bはそのままテープ通路33を進むように作業者OPによって押し込まれ、先頭部がフィードスプロケット36と係合する。その後、先行した先行テープ18Aの終端部が待機している後続テープ18Bの先頭部を通過して(追い抜いて)テープ通路33の中間付近にあるセンサ(テープ位置検出部41)によって検出されたら、フィードスプロケット36は回転を開始し、これにより後続テープ18Bは先行テープ18Aを追うようにしてテープ通路33内を走行し、主スプロケット34に受け渡されて送られる。
【0023】
テープフィーダ13は、上記のようにして送られたキャリアテープ18を主スプロケット34の回転動作によってピッチ送りし、キャリアテープ18に収納された部品PTを部品供給口13Kに供給する。このように本実施の形態において、テープフィーダ13は、部品PTを収納したキャリアテープ18(収納体)を複数個同時に装着可能なテープ装着部32(収納体装着部)を備え、テープ装着部32に装着された一又は複数のキャリアテープ18のうちのひとつから所定の部品供給位置(部品供給口13K)に部品PTが供給されるように動作する部品供給装置となっている。
【0024】
なお、ここではテープ装着部32にキャリアテープ18を装着する装着口は下段側装着口32Aと上段側装着口32Bの2つとしているが、装着口を3つ以上とすることも可能である。この場合、下側の装着口ほど上側の装着口に優先してキャリアテープ18が装着(挿入)される構成とする。このような構成のテープフィーダ13であっても、テープ装着部32に装着された一又は複数のキャリアテープ18のうちのひとつから所定の部品供給位置(部品供給口13K)に部品PTが供給されるように動作する構成とすることができる。
【0025】
テープフィーダ13の本体部31内には装着個数検出部42が設けられている。装着個数検出部42はテープ装着部32に装着されたキャリアテープ18の個数(本数)を検出し、その検出した情報をフィーダ制御部37に送信する(図2)。このためフィーダ制御部37は、テープ装着部32に何本のキャリアテープ18が挿入されているか、すなわち、テープ装着部32がキャリアテープ18を装着(挿入)可能な状態にあるかどうかを把握できる。
【0026】
テープフィーダ13の本体部31内にはまた、残量検出部43が設けられている。残量検出部43は、テープ通路33内を走行しているキャリアテープ18、すなわち現に部品PTを供給しているキャリアテープ18(以下、部品供給テープと称する。後続テープ18Bとの関係では先行テープ18Aがこれに該当する)による部品PTの供給可能残量を検出し、その検出した情報をフィーダ制御部37に送信する(図2)。ここで、上記「部品供給テープによる部品PTの供給可能残量」は、部品供給テープの部品PTの残数そのものと捉えてもよいし、部品供給テープの終端部から下段側装着口32Aまでの長さと捉えてもよい。
【0027】
残量検出部43は、部品供給テープの部品PTの残数、部品供給テープにおける部品PTが収納されている領域と部品PTが収納されていない領域との境目の位置又は部品供給テープの残り長さのいずれかを検出することによって部品供給テープによる部品PTの供給可能残量を検出する。残量検出部43が部品供給テープの部品PTの残数を検出するもの(残数検出器)である場合には、残量検出部43は部品供給テープの先頭の部品PTが部品供給口13Kに到達した時点で読み込んだ部品数のデータと、部品供給テープの先頭の部品PTが部品供給口13Kに到達した後のピッチ送り回数とに基づいて、部品供給テープが収納している部品PTの残数を算出し、その算出した部品PTの残数に基づいて、部品供給テープによる部品PTの供給可能残量を求める。
【0028】
残量検出部43が部品供給テープにおける部品PTが収納されている領域と部品PTが収納されていない領域との境目の位置を検出するものである場合には、残量検出部43は下段側装着口32Aの近傍にキャリアテープ18(先行テープ18A)に収納された部品PTの有無を確認できる投光部と受光部を有する光センサで構成され、部品PTの有無の周期性が変化したことをもって上記境目の位置を把握する。そして、その把握した境目の位置と、キャリアテープ18の終端部までの長さに基づいて、部品供給テープによる部品PTの供給可能残量を求める。
【0029】
残量検出部43が部品供給テープの残り長さを検出するものである場合には、残量検出部43は、テープ位置検出部41によって検出されるテープ通路33内のキャリアテープ18(すなわち部品供給テープ)の位置と、予め記憶されているキャリアテープ18の長さとから部品供給テープの残り長さを検出する。そして、その検出した部品PT供給テープの残り長さに基づいて、部品供給テープによる部品PTの供給可能残量を求める。
【0030】
上記装着個数検出部42により得られるテープ装着部32におけるキャリアテープ18の装着状態の情報と、現に部品PTを供給しているキャリアテープ18である部品供給テープによる部品PTの供給可能残量の情報とを組み合わせることにより、テープフィーダ13のテープ装着部32に装着された一又は複数のキャリアテープ18の全体における部品PTの供給状態を検出することが可能である。従って、本実施の形態では、テープフィーダ13が備える装着個数検出部42と残量検出部43は、そのテープフィーダ13のテープ装着部32に装着された一又は複数のキャリアテープ18の全体における部品PTの供給状態を検出する供給状態検出部となっている。
【0031】
図1において、部品実装装置1が備える制御装置50は、基板搬送部12による基板KBの搬送を制御する。また制御装置50は、ヘッド移動機構15による装着ヘッド14の移動を制御する。また制御装置50は、装着ヘッド14によるノズル14Nの作動とノズル14Nによる吸着を制御する。制御装置50には、フィーダベース17に取り付けられた各テープフィーダ13のフィーダ制御部37が接続されるようになっており、各テープフィーダ13のフィーダ制御部37が入手するそのテープフィーダ13における部品供給テープの位置情報、テープ装着部32に装着されているキャリアテープ18の個数の情報及び部品供給テープによる部品PTの供給可能残量の情報等は制御装置50に転送される。
【0032】
制御装置50にはタッチパネル51が接続されており、作業者OPはタッチパネル51を通じて制御装置50に所要の入力を行うことができる。また、制御装置50はタッチパネル51を通じて作業者OPに種々の指示を与え、また情報を報知する。なお、タッチパネル51は部品実装装置1に備えられたものでなくてもよく、例えば、作業者OPが所持する携帯端末等であってもよい。
【0033】
図1において、部品実装装置1の制御装置50は判断部50aと報知制御部50bを備えている。判断部50aは、各テープフィーダ13が備える供給状態検出部(装着個数検出部42及び残量検出部43)により検出される情報に基づいて、各テープフィーダ13のテープ装着部32が「装着不可状態」、「装着可能状態」及び「装着必要状態」のいずれの状態にあるかを判断する。報知制御部50bは、判断部50aが判断した結果(テープ装着部32の状態)をタッチパネル51に表示させてその内容を作業者OPに報知する。
【0034】
ここで、上記「装着不可状態」とは,テープ装着部32に後続テープ18Bを装着させることができない状態をいい、「装着可能状態」とは、テープ装着部32に後続テープ18Bを装着させることができる状態をいう。また、「装着必要状態」とは、テープ装着部32が後続テープ18Bに装着させることができ、かつ、その後続テープ18Bを装着する必要のある状態をいう。
【0035】
本実施の形態における部品実装装置1では、供給状態検出部を含むテープフィーダ13、制御装置50が備える判断部50aと報知制御部50bの両機能部及びタッチパネル51を含むシステムは、部品供給装置であるテープフィーダ13の部品供給を管理する部品供給管理システムを構成している。この場合、報知制御部50bとタッチパネル51は、判断部50aが判断したテープ装着部32の状態を作業者OPに報知する報知手段として機能する。
【0036】
図3に示すフローチャートは、部品供給管理システムが実行する部品供給作業支援制御の手順(部品供給作業支援方法)を示している。ここで、部品供給作業支援制御とは、テープフィーダ13に対する後続テープ18Bの装着のタイミングを作業者OPが容易に把握できるようにするための支援制御をいう。ここに示すフローチャートは、フィーダベース17に取り付けられた複数のテープフィーダ13のうちの任意のひとつについての手順の流れを示すが、対象となっているテープフィーダ13は、部品供給テープを搬送して部品PTの供給を行っている状態であることを前提としている。
【0037】
部品供給管理システムが行う部品供給作業支援制御では先ず、対象としているテープフィーダ13が備える装着個数検出部42により、テープ装着部32に装着されているキャリアテープ18の個数(本数)を検出する(図3のステップST1の装着個数検出工程)。テープ装着部32に装着されているキャリアテープ18の個数の検出は、部品実装装置1若しくはテープフィーダ13に記憶されるキャリアテープ18の情報の数に基づく。キャリアテープ18の情報は、テープフィーダ13に装着した際に作業者OPが、リール19の表面に貼着されたIDコードをスキャナで認識して、認識したIDコードがキャリアテープ18の情報として、部品実装装置1若しくはテープフィーダ13に記憶される。また、キャリアテープ18の情報以外にもテープ装着部32に投光部と受光部を有する光センサ等を設けて物理的にキャリアテープ18の個数を検出してもよい。
【0038】
また、テープフィーダ13が備える残量検出部43により、部品供給テープによる部品PTの供給可能残量を検出する(ステップST2の残量検出工程)。本実施の形態における部品供給作業支援制御では、ステップST1の装着工数検出工程とステップST2の残量検出工程は、収納体装着部であるテープ装着部32に装着された一又は複数のキャリアテープ18の全体における部品PTの供給状態を検出する供給状態検出工程となっている。
【0039】
テープ装着部32に装着されているキャリアテープ18の個数と部品供給テープによる部品PTの供給可能残量が検出されたら、判断部50aは、テープ装着部32にキャリアテープ18を装着(挿入)できる空きがあるかどうかを判断する(ステップST3)。判断部50aは、この判断を、対象としているテープフィーダ13のフィーダ制御部37から送られてくる装着個数検出部42からの検出情報に基づいて行う。
【0040】
本実施の形態では、テープ装着部32にキャリアテープ18を挿入できる数は最大で2つであり、そのうちの1つ(下段側装着口32A)は部品供給テープが占めている。このため判断部50aは、テープ装着部32に装着されているキャリアテープ18の個数が1つであれば「空きがある」と判断し、テープ装着部32に装着されているキャリアテープ18の個数が2つであれば(すなわち、装着個数検出部42により検出されたキャリアテープ18の個数がテープ装着部32に装着させることができる個数と同じであれば)、「空きがない」と判断する。
【0041】
このように、本実施の形態において、判断部50aは、装着個数検出部42により検出されたキャリアテープ18の個数がテープ装着部32に装着させることができる個数と同じであった場合に、テープ装着部32が装着不可状態にあると判断するようになっている。
【0042】
上記ステップST3において、判断部50aが「空きがない」と判断した場合には、報知制御部50bは作業者OPに対し、テープ装着部32にキャリアテープ18を装着できない旨を報知する(ステップST4)。この報知は、報知制御部50bがタッチパネル51に上記内容を画面表示させることによって行う。
【0043】
判断部50aは、ステップST3で「空きがある」と判断した場合には、更に、テープ装着部32に装着されているキャリアテープ18は1つであるかどうかを判断する(ステップST5)。判断部50aは、この判断を、対象としているテープフィーダ13のフィーダ制御部37から送られてくる装着個数検出部42からの検出情報に基づいて行う。
【0044】
本実施の形態では、テープ装着部32にキャリアテープ18を挿入できる数は最大で2つであり、そのうちの1つ(下段側装着口32A)は部品供給テープが占めている。このため判断部50aは、テープ装着部32に装着されているキャリアテープ18の個数が1つであれば「装着されているキャリアテープ18は1つである」と判断し、テープ装着部32に装着されているキャリアテープ18の個数が2つであれば、「装着されているキャリアテープ18は1つでない」と判断する。
【0045】
上記ステップST5において、判断部50aが「装着されているキャリアテープ18は1つである」と判断した場合には、更に、部品供給テープによる部品PTの供給可能残量が予め定めた所定量以下であるかどうかを判断する(ステップST6)。判断部50aは、この判断を、残量検出部43からの検出情報に基づいて行う。
【0046】
ここで、上記「所定量」とは、部品供給テープによる部品PTの供給可能残量のうち、作業者OPが後続テープ18Bを上段側装着口32Bに装着する作業を行うのに必要な時間を確保できる最低限の残量のことである。この最低限の残量は、上記作業に必要時間と、テープフィーダ13による部品PTの供給速度(ここではキャリアテープ18のピッチ送りの速度)とから、算出することができる。
【0047】
上記ステップST6において、判断部50aが、部品供給テープによる部品PTの供給可能残量は上記所定量以下ではないと判断した場合には、報知制御部50bは作業者OPに対し、後続テープ18Bの装着に緊急性はないとして、テープ装着部32にキャリアテープ18を装着できる旨を報知する(ステップST7)。この報知は、報知制御部50bがタッチパネル51に上記内容を画面表示させることによって行う。
【0048】
これに対し、上記ステップST6において、判断部50aが、部品供給テープによる部品PTの供給可能残量が上記所定量以下であると判断した場合には、報知制御部50bは作業者OPに対し、後続テープ18Bの装着に緊急性があるとして、テープ装着部32にキャリアテープ18を装着する必要がある旨を報知する(ステップST8)。この報知は、報知制御部50bがタッチパネル51を制御し、タッチパネル51に上記報知内容を画面表示させることによって行う。
【0049】
このように、本実施の形態において、判断部50aは、装着個数検出部42により検出されたキャリアテープ18の個数が1個であり、かつ、残量検出部43により検出された部品供給テープによる部品PTの供給可能残量が所定量以下であった場合に、テープ装着部32が装着必要状態にあると判断するようになっている。
【0050】
本実施の形態では、テープ装着部32にキャリアテープ18を装着できる装着口は2つのであるので、ステップST3で「空きがある」と判断した後のステップST5において「装着されているキャリアテープ18は1つでない」と判断することはあり得ない。しかし、仮にテープ装着部32にキャリアテープ18を装着できる装着口が3つ以上ある場合には、ステップST5で、「装着されているキャリアテープ18は1つでない(すなわち、テープ装着部32に装着されているキャリアテープ18の数は2個以上である)」と判断することはあり得る。この場合にはテープ装着部32にキャリアテープ18を装着することができる状態であり、しかもそのキャリアテープ18の装着に緊急性はないので、報知制御部50bは作業者OPに対し、テープ装着部32にステップST7の報知(キャリアテープ18を装着できる旨の報知)を行う。
【0051】
このように、本実施の形態において、判断部50aは、装着個数検出部42により検出されたキャリアテープ18の個数がテープ装着部32に装着させることができる個数よりも少なく、かつ、残量検出部43により検出された部品供給テープによる部品PTの供給可能残量が所定量以上であった場合、若しくは、装着個数検出部42により検出されたキャリアテープ18の個数がテープ装着部32に装着させることができる個数よりも少なく、かつ、装着個数検出部42により検出されたキャリアテープ18の個数が2個以上であった場合に、テープ装着部32が装着可能状態にあると判断するようになっている。
【0052】
本実施の形態における部品供給作業支援制御では、上記ステップST3、ステップST5及びステップST6は、前述の供給状態検出工程で検出したテープ装着部32に装着された一又は複数のキャリアテープ18の全体における部品の供給状態に基づいて、テープ装着部32が、後続テープ18Bを装着させることができない装着不可状態、後続テープ18Bを装着させることができる装着可能状態及び後続テープ18Bを装着させることができ、かつ、その後続テープ18Bを装着する必要のある装着必要状態のいずれの状態にあるかを判断する判断工程となっている。また、上記ステップST4、ステップST7及びステップST8は、判断工程で判断したテープ装着部32の状態を作業者OPに報知する報知工程となっている。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態における部品供給管理システムでは、テープフィーダ13のテープ装着部32に装着された一又は複数のキャリアテープ18の全体における部品PTの供給状態を検出したうえで(ステップST1及びステップST2)、テープ装着部32が「装着不可状態」、「装着可能状態」及び「装着必要状態」のいずれの状態にあるかを判断し(ステップST3、ステップST5及びステップST6)、その結果であるテープ装着部32の状態を作業者OPに報知するようになっている(ステップST4、ステップST7及びステップST8)。このため作業者OPは、後続テープ18Bの装着のタイミングを容易に把握することができ、キャリアテープ18を装着できないのに装着しようとしたり、キャリアテープ18の装着が緊急でないのに急いで装着しようとしたり、キャリアテープ18の装着が緊急であるのにそれに気づかず部品PTの供給を停滞させてしまったりするミスを未然に防止できる。従って本実施の形態における部品供給管理システムによれば、部品供給装置としてのテープフィーダ13を用いた部品供給作業の作業効率を格段に向上させることができる。
【0054】
なお、上述の実施の形態では、判断部50a及び報知制御部50bの両機能部が制御装置50に属していたが、これら両機能部を各テープフィーダ13が備えるフィーダ制御部37に属させ、更に、タッチパネル51が行う報知動作を各テープフィーダ13に設けたランプ(少なくとも三色を選択的に表示できるランプ)等に行わせるようにすれば、上記部品供給管理システムと同等のシステムの機能を各テープフィーダ13に持たせることができる。この場合、報知制御部50bとランプが報知手段として機能する。このような構成のテープフィーダ13によれば、上述した部品供給管理システムと同様の部品供給作業方法を実行できるので、上述した部品供給管理システムと同様の効果を得ることができる。
【0055】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されない。例えば、なお、テープ装着部32のテープ装着口ごとにキャリアテープ18を装着する形態ではなく、ひとつのテープ装着口に複数のキャリアテープ18を装着できるテープフィーダ13の場合に、「空きがある」と判断した後のステップST5において「装着されているキャリアテープ18は1つでない」と判断する必要があり、そのようなテープフィーダ13にも本発明は適用できる。
【0056】
また、上述の実施の形態におけるキャリアテープ18は、部品PTを収納した収納体の一例として挙げたものである。そして、テープフィーダ13は収納体を複数個同時に装着可能な収納体装着部(テープ装着部32)を備え、収納体装着部に装着された一又は複数の収納体のうちのひとつから所定の部品供給位置(部品供給口13K)に部品PTが供給されるように動作して部品供給作業を行う部品供給装置の一例として挙げたものである。よって、テープフィーダ13と同等の構成を有する部品供給装置(例えばスティックフィーダ)をテープフィーダ13に代えて用いることもできる。
【0057】
部品供給装置がスティックフィーダである場合、複数の部品PTを一列に並べて収納したスティックケースが収納体に相当する。スティックフィーダは複数の収納体(スティックケース)を複数個同時に段積み状態に装着可能な収納体装着部としてのスティックケース装着部を備えている。そして、スティックケース装着部に段済み状態に装着された一又は複数のスティックケースのうちのひとつから所定の部品供給位置に部品が供給されるように動作する。
【0058】
スティックフィーダではスティックケース装着部に段積みされた複数のスティックケースのうち最も下段にあるスティックケースが部品供給収納体となって部品を供給する。そして、部品供給収納体である部品供給スティックケース内の部品PTが空になると、そのスティックケースは排出され、段積みされていた補充用のスティックケースの全体が重力で降りてきて、そのうちの最も下段に位置するスティックケースが次の部品供給収納体となる構成となっている。
【0059】
このようにスティックフィーダは、部品PTを収納した収納体(スティックケース)を複数個同時に装着可能な収納体装着部(スティックケース装着部)を備え、収納体装着部に装着された一又は複数の収納体のうちのひとつから所定の部品供給位置に部品が供給されるように動作する構成の部品供給装置であるので、上述の実施の形態に示したのと同様の部品供給管理システムを構成することができ、したがって上述の実施の形態に示したのと同様の効果を得ることができる。なお、部品供給装置がスティックフィーダである場合、部品供給スティックケースによる部品PTの供給可能残量は、部品供給スティックケース内の部品PTの残数そのものと捉えることができるほか、部品供給スティック内に一列に並んでいる複数の部品PTの全体の長さと捉えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
後続のキャリアテープの装着のタイミングを容易に把握でき、部品供給作業の作業効率を向上させることができる部品供給装置、部品供給管理システム及び部品供給作業支援方法を提供する。
【符号の説明】
【0061】
1 部品実装装置
13 テープフィーダ(部品供給装置)
13K 部品供給口(部品供給位置)
18 キャリアテープ(収納体)
32 テープ装着部(収納体装着部)
34 主スプロケット(スプロケット)
42 装着個数検出部(供給状態検出部)
43 残量検出部(供給状態検出部)
50a 判断部
50b 報知制御部(報知手段)
51 タッチパネル(報知手段)
PT 部品
図1
図2
図3