(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】電気ケトル
(51)【国際特許分類】
A47J 27/21 20060101AFI20230407BHJP
G01F 23/263 20220101ALI20230407BHJP
【FI】
A47J27/21 101M
A47J27/21 101V
G01F23/263
(21)【出願番号】P 2018179478
(22)【出願日】2018-09-25
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】391053984
【氏名又は名称】株式会社カリタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝沼 潤
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/139490(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0374500(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0270284(US,A1)
【文献】特開平11-244145(JP,A)
【文献】特開昭61-005822(JP,A)
【文献】特開2005-137555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/21
G01F 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源台と、前記電源台に対して着脱自在に載置されるケトル本体とを具備し、
前記ケトル本体は、
容器と、
前記容器に設けられたヒータと、
前記容器に収容された水の量を検出する水量センサと、
前記容器に収容された水の現在温度を検出する水温センサと、
前記水量センサにより検出された水の量に関する情報を表示する第1表示部と、
前記現在温度が前記設定温度に到達してからの経過時間と前記現在温度とのうち一方に基づいて前記第1表示部を制御する第1制御部と、を有し、
前記電源台は、
商用電源に接続する電源ケーブルと、
前記水の設定温度に関するユーザ操作を受け付ける操作部と、
前記商用電源から供給された電力から、前記ヒータの駆動電力を発生する電源回路と、
前記現在温度と前記設定温度とのうち少なくとも一方を表示する第2表示部と、
前記現在温度が前記設定温度に到達してからの経過時間と前記現在温度とのうち一方に基づいて前記第2表示部を制御する第2制御部と、を有する、
電気ケトル。
【請求項2】
前記第1制御部は、前記現在温度が前記設定温度に到達後、閾値まで低下した時点で前記第1表示部を非表示に設定するために前記第1表示部を制御
し、
前記第2制御部は、前記現在温度が前記設定温度に到達後、前記閾値まで低下した時点で前記第2表示部を非表示に設定するために前記第2表示部を制御す
る、請求項1記載の電気ケトル。
【請求項3】
前記第1制御部は、前記現在温度が前記設定温度に到達してから所定の第1時間が経過した時点で前記第1表示部を非表示に設定するために前記第1表示部を制御
し、
前記第2制御部は、前記現在温度が前記設定温度に到達してから前記第1時間が経過した時点で前記第2表示部を非表示に設定するために前記第2表示部を制御す
る、請求項1記載の電気ケトル。
【請求項4】
前記ケトル本体には、前記ケトル本体が前記電源台から分離されたとき、前記水量センサと前記第1表示部とを駆動するための電池が設けられ、
前記第1制御部は、前記ケトル本体が前記電源台から分離されてから所定の第2時間が経過した時点で前記第1表示部を非表示に設定するために前記第1表示部を制御し、
前記第2制御部は、前記ケトル本体が前記電源台から分離されてから前記第2時間が経過した時点で前記第2表示部を非表示に設定するために前記第2表示部を制御する、請求項2又は請求項3に記載の電気ケトル。
【請求項5】
電源台と、前記電源台に対して着脱自在に載置されるケトル本体とを具備し、
前記ケトル本体は、
容器と、
前記容器に設けられたヒータと、
前記容器に収容された水の量を検出する水量センサと、
前記容器に収容された水の現在温度を検出する水温センサと、
前記水量センサにより検出された水の量に関する情報を表示する第1表示部と、を有し、
前記電源台は、
商用電源に接続する電源ケーブルと、
前記水の設定温度に関するユーザ操作を受け付ける操作部と、
前記商用電源から供給された電力から、前記ヒータの駆動電力を発生する電源回路と、
前記現在温度と前記設定温度とのうち少なくとも一方を表示する第2表示部と、
前記ケトル本体が前記電源台から分離されたことに基づいて、前記第2表示部にタイマを表示させるために前記第2表示部を制御する
第2制御部と
、を有する、
電気ケトル。
【請求項6】
前記
第2制御部は、前記ケトル本体が前記電源台から分離してから所定の第3時間が経過した時点からの経過時間を前記第2表示部に表示させるために前記第2表示部を制御する、請求項5記載の電気ケトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電気ケトルに関する。
【背景技術】
【0002】
電気ケトルは、容器を収容するケトル本体を電源台に着脱自在に構成したものである。ケトル本体の容器にはヒータが装備され、ヒータは、ケトル本体が電源台に載置されることで、電源台から電力の供給を受けて駆動し、これにより容器に収容された水が加熱される。ユーザは、ケトル本体を電源台から分離することで、ケトル本体とともにお湯を持ち運ぶことができる。このように、電気ケトルは、水を入れたケトル本体を電源台に載置するだけで手軽に湯沸かしができることから、多くの店舗、家庭で使用されている。
【0003】
電気ケトルの利便性を向上するために、例えば、沸騰を検知してヒータによる加熱を自動的に終了させる機能を有する電気ケトルがある。また、水を100℃になるまで加熱して沸騰させるだけでなく、80℃などに温度を設定する機能を有する電気ケトルがある。このような温度設定ができる電気ケトルは、例えば、赤ちゃん用のミルクを作る家庭などで使用される。このように、使用目的に応じた機能を備える電気ケトルが登場し始めている。
【0004】
このような中で、家庭でもドリップコーヒーを淹れて楽しむようなユーザがみられるようになった。ドリップコーヒーは、お湯の温度、お湯の量、お湯をコーヒーに注ぐ時間、コーヒーを蒸す時間などで味が変化する。したがって、ユーザは、これらを管理することで、好みの味のコーヒーを淹れることができる。しかしながら、電気ケトルだけでこれらを一括して管理できるような電気ケトルはなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、特に水温、水量、時間管理が必要なユーザにとって、利便性の高い電気ケトルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る電気ケトルは、電源台と、前記電源台に対して着脱自在に載置されるケトル本体とを具備する。前記ケトル本体は、容器と、前記容器に設けられたヒータと、前記容器に収容された水の量を検出する水量センサと、前記容器に収容された水の現在温度を検出する水温センサと、前記水量センサにより検出された水の量に関する情報を表示する第1表示部とを有する。前記電源台は、商用電源60に接続する電源ケーブルと、前記水の設定温度に関するユーザ操作を受け付ける操作部と、前記商用電源60から供給された電力から、前記ヒータの駆動電力を発生する電源回路と、前記現在温度と前記設定温度とを時分割で表示する第2表示部とを有する。前記ケトル本体には、前記ケトル本体が前記電源台から分離されたとき、前記水量センサと前記第1表示部とを駆動するための電池が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電気ケトルの外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の電気ケトルの内部構造を示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1の電気ケトルのケトル本体側の表示部を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1の電気ケトルの電源台側の表示部を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るケトル本体が電源台に載置された状態の表示遷移の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るケトル本体が電源台から分離された状態の表示遷移の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る電気ケトルの機能ブロック図である。
【
図9】
図9は、
図8の電気ケトルのケトル本体側の表示部の示す図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係るケトル本体が電源台に載置された状態の表示遷移の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係るケトル本体が電源台から分離された状態の表示遷移の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る電気ケトルの機能ブロック図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態に係るケトル本体が電源台に載置された状態の表示遷移の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係るケトル本体が電源台から分離された状態の表示遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、第1、第2、第3実施形態に係る電気ケトルについて説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0009】
(第1実施形態)
図1、
図2に示すように、第1実施形態に係る電気ケトル10は、ケトル本体20と電源台40とを備える。
ケトル本体20は、円錐台形状のステンレス製の外装ケース21と、外装ケース21の内部に設けられるステンレス製の容器29と、外装ケース21の上部周面に設けられる樹脂製のL字形状のハンドル23と、外装ケース21の下部周面に設けられ、容器29に収容された水(お湯)を外部に注ぎ出すためのステンレス製のノズル24と、外装ケース21の上部開口を開閉自在に設けられる樹脂製の蓋22と、を有する。本実施形態では、外装ケース21の一部は容器29の一部を兼用する。この外装ケース21の底面の中央には、凹形状のケトル本体側接続部35が設けられる。このケトル本体側接続部35には、電源台40とケトル本体20とを電気的に接続する電極端子が設けられる。ここでは、ケトル本体側の温度検出部と電源台側の第2制御部401とを電気的に接続する第1端子35aと、ケトル本体側のヒータ31と電源台側の第2電源回路402とを電気的に接続する第2端子35bと、ケトル本体側の充電部を電源台40を介して商用電源60に接続する第3端子35cとを有する。第1端子35aを介して、温度検出部306により検出された水の温度に関するデータが第2制御部401に伝達される。
【0010】
また、ケトル本体20は、容器29に収容された水を加熱するためのヒータ31と、容器29に収容された水の量(水量)を検出するための水量センサと、容器29に収容された水の温度を検出するための水温センサと、水量センサにより検出された水量に関する情報を表示する第1表示部26とを備える。なお、後述の「設定温度」と区別するために、水温センサにより検出された温度を「現在温度」と称する。例えば、水量センサ用の電極33と水温センサ用の電極32とは容器29に設けられる。ヒータ31は容器29の底部に設けられる。水量センサ用の電極33の接続端子、水温センサ用の電極32の接続端子、ヒータ31の接続端子は、外装ケース21と容器29との間のスペースに配設される。水量センサ及び水温センサ用の電極の接続端子に接続されたケーブルは、外装ケース21と容器29との間のスペース又はケーブル配線用の配線管を通して、ハンドル23内の第1制御基板30に接続される。
【0011】
第1表示部26はハンドル23の基端部分の上面に設けられる。このハンドル23には、ケトル本体20の各種機能を実現するための第1制御基板30と、水量センサ、水温センサ、及び第1表示部26を駆動するための電池28が収容される。このように、ハンドル23内に電池28を収容することは、熱源となる容器29から電池28をできるだけ遠ざけることができ、熱による電池28の劣化を抑制する効果がある。また、電池28として乾電池を用いるような場合であれば、ハンドル23に電池28を収容する構成とすることは、ユーザによる電池28交換を容易にさせる。
【0012】
電源台40は矩形板状の台座41と、台座41の表面中央に設けられる載置台42とを有する。載置台42の外装は、ケトル本体20の外装ケース21と同一のステンレス製であって、外装ケース21に連続する円錐台形状に構成される。載置台42の上面は、外装ケース21の底部に嵌合する形状に構成される。載置台42の上面中央には、凸形状の電源台側接続部55が設けられる。この電源台側接続部55には、ケトル本体側の複数の端子35(35a,35b,35c)にそれぞれ接続される複数の端子55(55a,55b,55c)が設けられる。台座41には、電源台側の各種機能を実現するための第2制御基板47が収容される。この第2制御基板47には、商用電源60に接続するための商用プラグを備える電源ケーブル48が接続されている。台座41には、電気ケトル10の電源ボタン43、沸騰用の加熱ボタン44、温度設定に関するユーザ操作を受け付ける温度設定操作部45、及び温度に関する情報を表示する第2表示部46が設けられる。第2表示部46には、水温センサにより検出された水の現在温度と温度設定操作部45により受け付けられた設定温度が表示される。この設定温度とは、温度設定中の温度と温度設定完了後の温度とを含む。
【0013】
ケトル本体側の第1制御基板30には第1制御用ICが実装されている。第1制御用ICには、水量センサ、水温センサ、第1通電判定部304、第1タイマ308,第1電源回路302、及び第1表示部26などが接続されている。第1制御用ICは、機能上、制御用ICに接続された各部を制御する第1制御部301を備える。第1制御部301の制御により、ケトル本体20の各種機能が実現される。
【0014】
第1電源回路302は、電池28から供給される電力を用いて、第1制御用IC(第1制御部301)、水量センサ、水温センサ、タイマ用IC,及び第1表示部26を駆動するための駆動電力を発生する。電池28は、充電可能な二次電池やリチウムイオンキャパシタ、スーパーキャパシタなどの電荷蓄積手段を用いることができる。充電部303は、平滑回路、整流回路などを備え、商用電源60から供給される電力を用いて、電池28を充電する。なお、電池28は、乾電池などの一次電池を用いることができる。この場合、電池28の充電動作に必要な充電部303等は省略される。
【0015】
第1通電判定部304は、任意の通電センサを用いることができる。第1通電判定部304は、電源台40とケトル本体20との間の電流経路が導通しているかを判定する。例えば、第1通電判定部304は、ケトル本体側の電流経路上に配置された抵抗を有し、その抵抗に電流が流れたことを検知したとき、通電検知信号を第1制御部301に出力する。第1制御部301は、通電検知信号を受信したときに、ケトル本体20が電源台40に載置された状態であることを確認する。また、第1制御部301は、継続して受信していた通電検知信号が途絶えたとき、ケトル本体20が電源台40から分離されたことを確認する。
【0016】
水量センサは、任意の静電容量型のセンサを用いることができる。水量センサは、水量検出用電極33と水量検出部305とを有する。水量検出用電極33はグランド電極とセンサ電極とからなる。水量検出部305は、グランド電極とセンサ電極との間の容量に基づいて、容器29に収容された水の量を検出し、検出した水の量に関する水量データを第1制御部301に出力する。
【0017】
温度センサは、任意の防水タイプのサーミスタを用いることができる。温度センサは、温度検出用電極32と温度検出部306とを有する。温度検出用電極32は、抵抗体を有する。温度検出部306は、抵抗体の抵抗に基づいて、容器29に収容された水の温度を検出し、検出した水の温度に関する温度データを第1制御部301と、第2制御部401とに出力する。
【0018】
第1表示駆動部307は、第1制御部301の制御に従って、第1電源回路302から供給された電力を用いて第1表示部26を駆動する。第1表示部26は、第1表示駆動部307により駆動され、第1制御部301の制御に従って、その表示態様を変化させる。
【0019】
第1タイマ308は、タイマICを用いることができる。第1タイマ308は第1制御部301の制御に従って起動し、予め設定された時間、ここでは、保温時間、表示維持時間、待機時間を計数する。第1タイマ308は設定された時間の計数が完了したとき、計数完了信号を第1制御部301に出力する。保温時間、表示維持時間、及び待機時間とは、典型的にはプリセットされている。しかしながら、これらの時間は、ユーザが任意に変更することができる。例えば、温度設定操作部45が、第2制御部401の制御に従って、ユーザによる時間設定操作を受け付けるように構成してもよいし、時間設定操作を受け付けるための他の操作部がケトル本体20及び電源台40のうち一方に設けられてもよい。また、ケトル本体20又は電源台40に設けられた操作部を介して設定された時間が、第1、第2制御部301,401の間で伝達可能に構成することができる。これを実現するためには、第1実施形態では、温度検出部306と第2制御部401とが端子35a,55aを介して電気的に接続されていたが、第1制御部301と第2制御部401とが端子35a、55aを介して電気的に接続する構成とすればよい。
【0020】
第1制御部301には、水量検出部305から水量データ、温度検出部306から温度データ、第1通電判定部304から通電検知信号、第1タイマ308から計数完了信号がそれぞれ入力される。第1制御部301は、各部から入力されたデータに基づいて、第1表示部26の表示を制御する。第1制御部301による第1表示部26の表示制御の詳細は後述する。
【0021】
電源台側の第2制御基板47には第2制御用ICが実装されている。この第2制御用ICには加熱ボタン44、温度設定操作部45、第2通電判定部404、第2タイマ408,第2電源回路402、第3電源回路403及び第2表示部46などが接続されている。第2制御用ICは、機能上、第2制御用ICに接続された各部を制御する第2制御部401を備える。第2制御部401の制御により、電源台40の各種機能が実現される。
【0022】
第2電源回路402は、商用電源60に直接接続され、第2制御部401の制御に従って、商用電源60から供給される電力を用いて、ヒータ31の駆動電力を発生する。第3電源回路403には電源ボタン43が接続されている。電源ボタン43が押されたときに、第3電源回路403は商用電源60と電気的に接続され、商用電源60から供給される電力を用いて、第2制御部401、第2タイマ408,加熱ボタン44、及び第2表示部46を駆動するための駆動電力を発生する。
【0023】
温度設定操作部45は、第2制御部401の制御に従って、設定温度に関するユーザ操作を受け付ける。設定温度の設定操作の詳細については後述する。温度設定操作部45は、第2制御部401の制御に従って、設定温度の整数部分と少数部分とを個別に受け付ける。
【0024】
加熱ボタン44は、タッチセンサを用いることができる。加熱ボタン44は、設定温度を100℃に設定するための短縮ボタンである。加熱ボタン44がタッチされたとき、加熱ボタン44が操作されたことを表す信号が第2制御部401に入力される。第2制御部401は、加熱ボタン44が操作されたことを検知したとき、設定温度を100℃に設定するとともに、ヒータ31の加熱を開始させるために第2電源回路402を制御し、設定温度を第2表示部46に表示させるために第2表示駆動部407を制御する。
【0025】
第2通電判定部404は、電源台40とケトル本体20との間の電流経路が導通しているかを判定する。例えば、第2通電判定部404は、電源台側の電流経路上に配置された抵抗を有し、その抵抗に電流が流れたことを検知したとき、通電検知信号を第2制御部401に出力する。第2制御部401は、通電検知信号を受信したときに、ケトル本体20が電源台40に載置された状態であることを確認する。また、第2制御部401は、継続して受信していた通電検知信号が途絶えたとき、ケトル本体20が電源台40から分離されたことを確認する。
【0026】
第2表示駆動部407は、第2制御部401の制御に従って、第3電源回路403から供給された電力を用いて第2表示部46を駆動する。第2表示部46は、第2表示駆動部407により駆動され、第2制御部401の制御に従って、その表示態様を変化させる。
【0027】
第2タイマ408は、タイマICを用いることができる。第2タイマ408は第2制御部401の制御に従って起動し、予め設定された時間、ここでは、保温時間、表示維持時間、待機時間を計数する。第2タイマ408は設定された時間の計数が完了したとき、計数完了信号を第2制御部401に出力する。
【0028】
第2制御部401には、ケトル本体側の温度検出部306から温度データ、第2通電判定部404から通電検知信号、第2タイマ408から計数完了信号がそれぞれ入力される。第2制御部401は、各部から入力されたデータに基づいて、ヒータ31の駆動制御処理と第2表示部46の表示制御処理とを実行する。第2制御部401によるヒータ31の駆動制御処理と第2表示部46の表示制御処理との詳細は後述する。
【0029】
(第1、第2表示部26,46の説明)
本実施形態に係る電気ケトル10は、ケトル本体20と電源台40がとの両方に表示部が設けられていることを1つの特徴としている。以下、
図3、
図4を参照して、ケトル本体側の第1表示部26と、電源台側の第2表示部46とについて説明する。第2表示部46の説明では、温度設定操作部45による温度の設定操作も説明する。
【0030】
図3に示すように、第1表示部26は複数、例えば4つのLED261,262,263,264を用いることができる。4つのLED261,262,263,264はハンドル23の基端側から先端側に向かって1列に等間隔に配置されている。4つのLED261,262,263,264は、容器29に収容された水量に応じて点灯する。例えば、水量に応じて、ハンドル23の先端側のLED264から順に点灯される。例えば、水量は5つの量帯、極少量、少量、ふつう、大量、最大量に区分けされる。水量が極少量のとき、4つのLED261,262,263,264はどれも点灯されない。水量が少量のときハンドル23の先端側のLED264だけが点灯され、ふつうのときハンドル23の先端側のLED264とその隣のLED263とが点灯され、最大量のとき4つのLED261,262,263,264の全てが点灯される。第1制御部301は、水量データに基づいて、水量がどの区分けに該当するかを確認し、区分けに応じて4つのLEDを点灯制御するために、第1表示駆動部307を制御する。例えば、5つの区分けは、コーヒーを淹れられる量に応じて区分けされる。具体的には、極少量はコーヒー1杯分の量(例えば160cc)、少量はコーヒー2杯分の量、ふつうはコーヒー3杯分の量、大量はコーヒー4杯分の量、最大量はコーヒー5杯分の量に設定されている。
【0031】
図4に示すように、第2表示部46は、整数部分3桁用の3つの7セグメントディスプレイと、少数部分2桁用の2つの7セグメントディスプレイとを組み合わせてなる。第2表示部46は、現在温度と設定温度とを0℃から100℃までの範囲を0,01℃単位で表示する。
【0032】
温度設定操作部45は、ホイールボタンを用いることができる。温度設定の際には、整数部分の設定と小数部分の設定とを個別に受け付ける。これにより、0.01℃ずつしか設定温度を上げ下げできない場合に比べて、設定温度を素早く設定することができる。例えば、操作部45が長押しされることで第2制御部401の制御に従って温度設定モードが整数モードにセットされる。整数モードでは、1℃単位での温度の上げ下げが可能である。整数モードにおいて操作部45が押されることで、第2制御部401により、整数部分の温度が設定されるとともに温度設定モードが整数モードから小数モードに切り替えられる。小数モードでは、0,01℃単位での温度の上げ下げが可能である。小数モードにおいて操作部45が押されることで、第2制御部401により小数部分の温度が設定される。上記の設定操作により温度を素早く設定することができる。もちろん、上記の設定操作の例では整数部分と小数部分との2段階で温度を設定するとしたが、さらに細かく、例えば、整数部分の十の位の設定と一の位の設定とを個別に受け付けるようにしてもよいし、小数部分の小数第一位の設定と小数第二位の設定とを個別に受け付けるようにしてもよい。
【0033】
以下、
図6を参照して制御部によるヒータ31の駆動制御について説明する。
図6に示すように、第1制御部301は、温度設定操作部45からの入力に基づいて温度設定操作の完了を確認したとき、容器29に収容された水の加熱を開始させるために第2電源回路402を制御し、ヒータ31を駆動する。これにより、容器29に収容された水が加熱される。第1制御部301は、現在温度が設定温度に到達した時点で、水の加熱を停止させるために第2電源回路402を制御し、ヒータ31の駆動を停止する。第1制御部301は、現在温度が設定温度に到達してから、保温モードで第2電源回路402を制御する。保温モードにおいて、第1制御部301は、現在温度が所定の閾値(以下、保温温度という)まで低下した時点で水の加熱を再開させ、現在温度が設定温度に再度到達した時点で水の加熱を再停止させるために第2電源回路402を制御する。このように保温モードにおいて、加熱開始と加熱停止とは繰り返され、水の温度は保温温度以上で維持される。保温モードは、最初に水の温度が設定温度に到達した時点から保温時間、例えば15分が経過するまで継続される。最初に水の温度が設定温度に到達してから保温時間が経過した時点で保温モードは終了され、水の加熱は停止され、容器29に収容された水は自然に冷却される。
【0034】
以下、
図6を参照して、第1制御部301による第1表示部26の表示制御と第2制御部401による第2表示部46の表示制御とについて説明する。第1表示部26と第2表示部46とは、水温センサにより検出された現在温度に基づいて、表示状態から非表示状態に設定が切り替えられる。
【0035】
図6に示すように、第1表示部26の表示状態は、現在温度が設定温度に到達後、所定の閾値(以下、安全温度という。)まで低下するまで維持される。具体的には、第1制御部301は、電源ボタン43がオンされた時点で、水量センサにより検出された水量に応じた表示態様で第1表示部26を表示させるために、第1表示駆動部307を制御する。第1制御部301は、現在温度が設定温度に到達後、安全温度まで低下した時点で、第1表示部26を非表示状態に設定するために、第1表示駆動部307を制御する。
【0036】
同様に、第2表示部46の表示状態は、現在温度が設定温度に到達後、安全温度まで低下するまで維持される。具体的には、第2表示部46は、電源ボタン43がオンされた時点で、前回の設定温度を第2表示部46に表示させるために第2表示駆動部407を制御する。温度設定操作が開始されてから終了されるまでの間、第2制御部401は、温度設定操作部45からの入力に基づいて、第2表示部46に設定中の温度を表示させるために、第2表示駆動部407を制御する。第2制御部401は、温度設定操作が完了した時点で、第2表示部46に現在温度と設定温度とを時分割で表示させるために、第2表示駆動部407を制御する。第2制御部401は、現在温度が安全温度まで低下した時点で、第2表示部46を非表示状態に設定するために第2表示駆動部407を制御する。
【0037】
ケトル本体20が電源台40から分離されたことに基づいて、第2表示部46の表示モードが変更される。また、ケトル本体20が電源台40から分離されたことに基づいて、第1、第2表示部26、46が表示状態から非表示状態に切り替えられるタイミングが変更される。具体的には、第1表示部26と第2表示部46とは、ケトル本体20が電源台40から分離されてからの経過時間に基づいて、非表示状態に設定される。第2表示部46の表示モードは、現在温度と設定温度とを時分割で表示するモードから所定の時点からの経過時間を表示するタイマモードに切り替えられる。
【0038】
図7に示すように、第2制御部401は、ケトル本体20が電源台40から分離された時点で、第2表示部46を非表示状態に設定するために、第2表示駆動部407を制御する。第2表示部46の非表示状態は任意の待機時間(例えば、5秒)維持される。第2制御部401は、ケトル本体20が電源台40から分離されてから待機時間が経過した時点で、第2表示部46に、その時点、つまりケトル本体20が電源台40から分離され、待機時間が経過した時点からの経過時間を表示させるために、第2表示駆動部407を制御する。第2制御部401は、ケトル本体20が電源台40から分離されてから所定の表示維持時間が経過した時点で、第2表示部46を非表示状態に設定するために、第2表示駆動部407を制御する。
図7に示すように、第1表示部26の表示モードは、ケトル本体20が電源台40から分離されても変更されない。第1制御部301は、ケトル本体20が電源台40から分離されてから所定の表示維持時間が経過した時点で、第1表示部26を非表示状態に設定するために、第1表示駆動部307を制御する。なお、第1、第2制御部301,401は、現在温度が設定温度に最初に到達してから所定の表示維持時間が経過した時点で、第1、第2表示部26、46を非表示状態に設定するために、第1、第2表示駆動部307、407を制御するようにしてもよい。
【0039】
以上説明した第1実施形態に係る電気ケトル10によれば、ユーザは、ケトル本体側の第1表示部26でお湯の量、電源台側の第2表示部46でお湯の現在温度と設定温度とを確認することができる。また、ケトル本体20に電池28が内蔵されているため、ケトル本体20を電源台40から分離させる前後で、ケトル本体側の第1表示部26の表示は維持することができる。電源台40の第2表示部46には、ケトル本体20が電源台40から分離されてから待機時間が経過した時点で、その時点からの経過時間が表示される。ユーザは、ケトル本体20を電源台40から外して、上記の待機時間の間に、コーヒー粉が入れられたドリッパーにお湯を注ぎ入れる準備をし、電源台40の第2表示部46の表示態様が温度表示からタイマ表示に切り替わったタイミングで実際にドリッパーにお湯を注ぎ入れることができる。これにより、ユーザは、お湯を注ぎ入れる時間、お湯を注ぎ入れた後のコーヒー粉の蒸らし時間、さらに蒸らした後のコーヒー粉にお湯を注ぎ入れ、コーヒーを抽出する時間を管理しながら、コーヒーを淹れる一連の作業を行うことができる。また、第1表示部26と第2表示部46とは、保温モードが終了して現在温度が安全温度まで下がった時点で、又はケトル本体20が電源台40から分離されてから所定時間が経過時点で自動的にオフされる。これにより、消費電力を低減することができる。また、安全温度まで下がった時点で表示をオフにすることは、容器29に収容された水を排水するときのユーザの火傷のリスクを低減する。
【0040】
(第2実施形態)
第1実施形態に係る電気ケトル10において、電源台側の第2表示部46は、現在温度を表示する表示部と設定温度を表示する表示部とを兼用していた。しかしながら、現在温度を表示する表示部と、設定温度を表示する表示部とを個別に設けてもよい。
【0041】
以下、第2実施形態に係る電気ケトル10について
図8、
図9、
図10、
図11を参照して説明する。
図8、
図9に示すように、第2実施形態に係る電気ケトル10のケトル本体20は既存の第1表示部26に加えてさらに1つの表示部が設けられる。この追加された表示部に、第1実施形態において、電源台側の第2表示部46に表示されていた現在温度が表示される。以下、ケトル本体側の2つの表示部のうち、水量センサにより検出された水量に関する情報を表示する既存の第1表示部26を水量表示部26、水温センサにより検出された現在温度を表示する第2実施形態で新たに追加された表示部を現在温度表示部27という。また、電源台側の表示部を設定温度/経過時間表示部46という。
【0042】
図9に示すように、現在温度表示部27は、水量表示部26に並設される。現在温度表示部27は、電源台側の設定温度/経過時間表示部46と同様に、現在温度を0℃から100℃までの範囲を0,01℃単位で表示するために、整数部分3桁用の3つの7セグメントディスプレイと、少数部分2桁用の2つの7セグメントディスプレイとを組み合わせてなる。
【0043】
図8に示すように、第1実施形態に係る電気ケトル10に対する第2実施形態に係る電気ケトル10の構成上の違いは、第2実施形態に係る電気ケトル10は、ケトル本体側に現在温度表示部27と、第2制御部401の制御に従って、現在温度表示部27を駆動する現在温度表示駆動部309とを備える点にある。そのため、第2実施形態に係る電気ケトル10の各構成要素の説明は、第1実施形態に係る電気ケトル10と同様であるため省略する。
【0044】
以下、
図10を参照して、第1制御部301による水量表示部26及び現在温度表示部27の表示制御と第2制御部401による設定温度/経過時間表示部46の表示制御について説明する。ケトル本体20が電源台40に載置された状態において、水量表示部26、現在温度表示部27及び設定温度/経過時間表示部46は、現在温度が設定温度に到達した時点からの経過時間に基づいて、表示状態から非表示状態に切り替えられる。
【0045】
図10に示すように、第1制御部301は、電源ボタン43がオンされた時点で、水量センサにより検出された水量に応じた表示態様で水量表示部26を表示させるために、水量表示駆動部307を制御し、水温センサにより検出された現在温度を現在温度表示部27に表示させるために、現在温度表示駆動部309を制御する。第1制御部301は、現在温度が設定温度に到達してから所定時間、ここでは保温時間に合わせて15分が経過した時点で、水量表示部26を非表示状態に設定するために水量表示駆動部307を制御し、現在温度表示部27を非表示状態に設定するために現在温度表示駆動部309を制御する。
【0046】
同様に、第2表示部46は、電源ボタン43がオンされた時点で、前回の設定温度を設定温度/経過時間表示部46に表示させるために設定温度/経過時間表示駆動部407を制御する。温度設定操作が開始されてから終了されるまでの間、第2制御部401は、温度設定操作部45からの入力に基づいて、設定温度/経過時間表示部46に設定中の温度を表示させるために、設定温度/経過時間表示駆動部407を制御する。第2制御部401は、温度設定操作が完了した時点で、設定温度/経過時間表示部46に設定温度を表示させるために、設定温度/経過時間表示駆動部407を制御する。第2制御部401は、現在温度が設定温度に到達してから所定時間、ここでは保温モードの維持時間に合わせて15分が経過した時点で、設定温度/経過時間表示部46を非表示状態に設定するために設定温度/経過時間表示駆動部407を制御する。
【0047】
ケトル本体20が電源台40から分離されたことに基づいて、設定温度/経過時間表示部46の表示モードが変更され、水量表示部26、現在温度表示部27、及び設定温度/経過時間表示部46が表示状態から非表示状態に切り替えられるタイミングが変更される。具体的には、水量表示部26、現在温度表示部27、及び設定温度/経過時間表示部46は、ケトル本体20が電源台40から分離されてからの所定の表示維持時間が経過した時点で、非表示状態に設定される。設定温度/経過時間表示部46の表示モードは、設定温度を表示するモードから所定の時点からの経過時間を表示するモードに切り替えられる。
図11に示すように、水量表示部26の表示モードと現在温度表示部27の表示モードとは、ケトル本体20が電源台40から分離されても変更されない。
【0048】
図11に示すように、第2制御部401は、ケトル本体20が電源台40から分離された時点で、設定温度/経過時間表示部46を非表示状態に設定するために、設定温度/経過時間表示駆動部407を制御する。設定温度/経過時間表示部46の非表示状態は任意の待機時間(例えば、5秒)維持される。第2制御部401は、ケトル本体20が電源台40から分離されてから待機時間が経過した時点で、設定温度/経過時間表示部46に、その時点、つまりケトル本体20が電源台40から分離され、待機時間が経過した時点からの経過時間を表示させるために、設定温度/経過時間表示駆動部407を制御する。第2制御部401は、ケトル本体20が電源台40から分離されてから所定の表示維持時間が経過した時点で、設定温度/経過時間表示部46を非表示状態に設定するために、設定温度/経過時間表示駆動部407を制御する。
【0049】
以上説明した第2実施形態に係る電気ケトル10によれば、第1実施形態に係る電気ケトル10と同様の効果を得られる。さらに、第2実施形態では現在温度を表示するための表示部と設定温度を表示するための表示部とが個別に設けられるため、ユーザによる現在温度と設定温度の誤認を防止することができる。また、ケトル本体20を可搬した際であっても、ユーザは、現在温度を電源台40の表示部ではなく、手元のケトル本体20の表示部で確認することができる。
【0050】
(第3実施形態)
第2実施形態に係る電気ケトル10において、ケトル本体側の水量表示部26と現在温度表示部27とは、ケトル本体20が電源台40から分離されてからの経過時間、又は水の現在温度が設定温度に到達した時点からの経過時間に基づいて、非表示状態に設定されていた。しかしながら、ケトル本体側の水量表示部26と現在温度表示部27とは、水の現在温度が設定温度に到達後、安全温度まで低下した時点で非表示設定されてもよい。以下、第3実施形態に係る電気ケトル10について、
図12、
図13、
図14を参照して説明する。
図12に示すように、第2実施形態に係る電気ケトル10に対する第3実施形態に係る電気ケトル10の構成上の違いは、第3実施形態に係る電気ケトル10のケトル本体20はタイマを備えない点だけである。そのため、第2実施形態に係る電気ケトル10の各構成要素の説明は、第2実施形態に係る電気ケトル10と同様であるため省略する。
【0051】
以下、
図13を参照して、第1制御部301による水量表示部26、現在温度表示部27の表示制御と第2制御部401による設定温度/経過時間表示部46の表示制御とについて説明する。ここでは、第2実施形態との差分部分を中心に説明する。
図13に示すように、水量表示部26と現在温度表示部27とが非表示状態に設定されるタイミングは、設定温度/経過時間表示部46が非表示状態に設定されるタイミングと異なる。
【0052】
具体的には、第1制御部301は、現在温度が設定温度に到達後、安全温度まで低下した時点で、水量表示部26を非表示状態に設定するために水量表示駆動部307を制御し、現在温度表示部27を非表示状態に設定するために現在温度表示駆動部309を制御する。一方、第2表示部46は、現在温度が設定温度に到達した時点から所定の経過時間、ここでは保温モードの維持時間に合わせて15分が経過した時点で、設定温度/経過時間表示部46を非表示状態に設定するために設定温度/経過時間表示駆動部407を制御する。
【0053】
図14に示すように、ケトル本体20が電源台40から分離されたことに基づいて、第2制御部401は、設定温度/経過時間表示部46の表示モードを、設定温度を表示するモードからある時点からの経過時間を表示するモードに切り替えるために、設定温度/経過時間表示駆動部407を制御する。なお、水量表示部26の表示モードと現在温度表示部27の表示モードとは、ケトル本体20が電源台40から分離されても変更されない。第2制御部401は、ケトル本体20が電源台40から分離されてから所定の表示維持時間が経過した時点で、設定温度/経過時間表示部46を非表示状態に設定するために、設定温度/経過時間表示駆動部407を制御する。
【0054】
以上説明した第3実施形態に係る電気ケトル10によれば、第2実施形態に係る電気ケトル10と同様の効果を得られる。
【0055】
なお、第1、第2、第3実施形態に係る電気ケトル10の構成はこれに限定されない。本実施形態では、ヒータ31の駆動電力とセンサ等の駆動電力とが大きく異なるため、ヒータ31用の駆動電力を発生する第2電源回路402とセンサ用などの駆動電力を発生する第3電源回路403とを個別に設けているが、実際には単一の電源回路により構成されてもよい。また、第2電源回路402はケトル本体側に設けられてもよい。この場合、第2電源回路402は、端子35c、55cを介して商用電源60に接続され、第1制御部301の制御に従って、商用電源60から供給される電力を用いてヒータ31の駆動電力を発生する。この構成は、ヒータ31の給電用端子を不要とし、接続端子を簡易な構造にすることができる。さらに、温度検出部306と第2制御部401とが端子35a,55aを介して接続される構成ではなく、第1制御部301と第2制御部401とが端子35a,55aを介して接続される構成としてもよい。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0057】
20…ケトル本体、21…外装ケース、22…蓋、23…ハンドル、24…ノズル、26…第1表示部、28…電池、29…容器、30…第1制御基板、31…ヒータ、32…温度検出用電極、33…水量検出用電極、35…ケトル本体側接続部、40…電源台、41…台座、42…載置台、43…電源ボタン、47…第2制御基板、48…電源ケーブル、55…電源台側接続部。