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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】振れ止め装置
(51)【国際特許分類】
   F16M 13/02 20060101AFI20230407BHJP
   F24F 1/0047 20190101ALI20230407BHJP
   F24F 13/32 20060101ALI20230407BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20230407BHJP
   F16M 13/00 20060101ALI20230407BHJP
   F16M 7/00 20060101ALN20230407BHJP
【FI】
F16M13/02 B
F24F1/0047
F24F13/32
F24F13/02 H
F16M13/00 N
F16M7/00 N
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019069732
(22)【出願日】2019-04-01
(65)【公開番号】P2020169654
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】398034319
【氏名又は名称】エヌパット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】生野 真
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-275204(JP,A)
【文献】実開昭49-014346(JP,U)
【文献】実開昭60-089531(JP,U)
【文献】特開平10-082556(JP,A)
【文献】特開平07-071789(JP,A)
【文献】特開2001-330272(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0045259(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 13/02
F24F 1/0047
F24F 13/32
F24F 13/02
F16M 13/00
F16M 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形状であり、互いに平行な二つの側面のそれぞれの下部近傍においてボルト部材を連結するための一対の取付片が水平方向に所定間隔を隔てて設けられた空気調和機の振れ止め装置であって、
前記空気調和機の上面に沿うように配置される平板部と、
前記平板部から前記一対の取付片の上方に延設され、前記一対の取付片に連結される前記ボルト部材を、前記一対の取付片の上方で保持する保持部と、
前記平板部の両端に設けられる第1係合部と、
を有し、
前記第1係合部が前記空気調和機の前記二つの側面の両側にある前記空気調和機の正面及び背面の上端部に係合することによって、前記平板部が前記空気調和機の上面において相対変位しないように位置決めされた状態に設置され
前記ボルト部材に装着されたナットを締め付けることにより前記ボルト部材と前記保持部とを相互に固定し、前記保持部が前記ボルト部材を前記一対の取付片の上方位置で前記空気調和機に連結して固定することを特徴とする振れ止め装置。
【請求項2】
前記第1係合部は、第1の締着部材によって前記空気調和機の正面及び背面の上端部に係合した状態で固定されることを特徴とする請求項1に記載の振れ止め装置。
【請求項3】
前記平板部に設けられ、前記一対の取付片が設けられた前記側面の上端部に係合する第2係合部を更に有することを特徴とする請求項又はに記載の振れ止め装置。
【請求項4】
前記第2係合部は、第2の締着部材によって前記一対の取付片が設けられた前記側面の上端部に係合した状態で固定されることを特徴とする請求項に記載の振れ止め装置。
【請求項5】
前記空気調和機は、前記一対の取付片が設けられた前記側面に、前記第2の締着部材によって保持されるカバーを有しており、
前記第2係合部は、前記一対の取付片が設けられた前記側面における前記第2の締着部材の位置に対応する位置に設けられ
前記第2の締着部材は、前記カバーと共に、前記第2係合部を前記側面に固定することを特徴とする請求項に記載の振れ止め装置。
【請求項6】
前記一対の取付片と前記保持部との間において前記ボルト部材に装着され、前記一対の取付片が設けられた前記側面に対して係合する係合部材を更に有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の振れ止め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隠蔽式の空気調和機などの天井吊り下げ物を振れ止めするための振れ止め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井空間に隠蔽された状態に設置される空気調和機が知られている(例えば、特許文献1,2)。この隠蔽式の空気調和機は、平面視略矩形状であり、互いに平行な二つの側面のそれぞれの下部近傍位置に、吊りボルトなどのボルト部材を連結するための一対の取付片を備えている。そのような隠蔽式の空気調和機を天井空間に設置する場合、二つの側面のそれぞれに設けられている一対の取付片に対して、天井スラブなどの天井構造から垂下するボルト部材の下端部が連結される。すなわち、隠蔽式の空気調和機は、合計4本のボルト部材によって互いに平行な二つの側面の下部近傍が支持された状態で天井空間に設置される。
【0003】
図11は、隠蔽式の空気調和機300を天井空間に設置した状態における従来の支持構造200を示す図である。図11に示すように、従来の支持構造200は、天井スラブなどの天井構造3から吊りボルトなどのボルト部材209が垂下しており、そのボルト部材209の下端部において空気調和機300を支持する構造である。空気調和機300は、側面の下部近傍位置にボルト部材209を連結するための一対の取付片311,311を備えており、その一対の取付片311,311にボルト部材209の下端部が連結される。これにより、空気調和機300は、天井空間に吊り下げられた状態で支持される。
【0004】
空気調和機300がボルト部材209によって吊り下げられた状態に設置されると、空気調和機300を振れ止めするためのブレース213がボルト部材209に取り付けられる。ブレース213は、互いに隣り合う2本のボルト部材209どうしを連結するように斜め方向に配置され、一方のボルト部材209の上部と他方のボルト部材209の下部とを連結固定する。隣り合う2本のボルト部材209,209の間に2本のブレース213が交叉配置されることにより、ボルト部材209,209が固定され、空気調和機300を振れ止めすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平7-71789号公報
【文献】特開2001-330272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の支持構造200は、ブレース213を空気調和機300の上面よりも高い位置でボルト部材209,209に連結する構造である。そのため、ボルト部材209,209の下部(図11に示す領域Rの部分)においてブレース213による振れ止め効果を得られない。その結果、地震発生時にはボルト部材209,209の下部が振動し、それに伴って空気調和機300も振動してしまうという問題がある。
【0007】
特に、隠蔽式の空気調和機300は、装置本体に対して吸気ユニットや吹出ユニットが接続され、それら各ユニットに対してさらに送風ダクトが接続されることがあり、装置本体が振動すると、装置本体と各ユニットとの接続部や、各ユニットと送風ダクトとの接続部が破損する可能性がある。
【0008】
そこで本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、隠蔽式の空気調和機などの天井吊り下げ物を支持するボルト部材の下部を固定し、天井吊り下げ物を振れ止めする効果を従来よりも有効に発揮できることができるようにした振れ止め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、第1に、本発明は、 平面視略矩形状であり、互いに平行な二つの側面のそれぞれの下部近傍においてボルト部材(9,55)を連結するための一対の取付片(111,111)が水平方向に所定間隔を隔てて設けられた天井吊り下げ物(100)の振れ止め装置(1)であって、前記空気調和機(100)の上面に沿うように配置される平板部(10)と、前記平板部(10)から前記一対の取付片(111,111)の上方に延設され、前記一対の取付片(111,111)に連結される前記ボルト部材(9,55)を、前記一対の取付片(111,111)の上方で保持する保持部(11)と、前記平板部(10)の両端に設けられる第1係合部(12)と、を有し、前記第1係合部(12)が前記空気調和機(100)の前記二つの側面の両側にある前記空気調和機(100)の正面及び背面の上端部に係合することによって、前記平板部(10)が前記空気調和機(100)の上面において相対変位しないように位置決めされた状態に設置され、前記ボルト部材(9,55)に装着されたナット(21,22)を締め付けることにより前記ボルト部材(9,55)と前記保持部(11)とを相互に固定し、前記保持部(11)が前記ボルト部材(9,55)を前記一対の取付片(111,111)の上方位置で前記空気調和機(100)に連結して固定することを特徴とする構成である。
【0010】
第2に、本発明は、上記第1の構成を有する振れ止め装置(1)において、前記第1係合部(12)は、第1の締着部材(19)によって前記空気調和機の正面及び背面の上端部に係合した状態で固定されることを特徴とする構成である。
【0012】
に、本発明は、上記第又は第の構成を有する振れ止め装置(1)において、前記平板部(10)に設けられ、前記一対の取付片(111,111)が設けられた前記側面の上端部に係合する第2係合部(13)を更に有することを特徴とする構成である。
【0013】
に、本発明は、上記第の構成を有する振れ止め装置(1)において、前記第2係合部(13)は、第2の締着部材(113)によって前記一対の取付片(111,111)が設けられた前記側面の上端部に係合した状態で固定されることを特徴とする構成である。
【0014】
に、本発明は、上記第の構成を有する振れ止め装置(1)において、前記空気調和機(100)は、前記一対の取付片(111,111)が設けられた前記側面に、前記第2の締着部材(113)によって保持されるカバー(112)を有しており、前記第2係合部(13)は、前記一対の取付片(111,111)が設けられた前記側面における前記第2の締着部材(113)の位置に対応する位置に設けられ、前記第2の締着部材(113)は、前記カバー(112)と共に、前記第2係合部(13)を前記側面に固定することを特徴とする構成である。
【0015】
に、本発明は、上記第1乃至第のいずれかの構成を有する振れ止め装置(1)において、前記一対の取付片(111,111)と前記保持部(13)との間において前記ボルト部材(9,55)に装着され、前記一対の取付片(111,111)が設けられた前記側面に対して係合する係合部材(60)を更に有することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、隠蔽式の空気調和機などの天井吊り下げ物を支持するボルト部材の下部を固定することができるため、天井吊り下げ物を振れ止めする効果を従来よりも有効に発揮することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】振れ止め装置を含む天井吊り下げ物の支持構造を示す斜視図である。
図2】天井吊り下げ物に対して振れ止め装置が取り付けられた状態を示す図である。
図3】振れ止め装置を用いて天井吊り下げ物を天井空間に設置した状態における支持構造を示す図である。
図4】振れ止め装置の平板部が段差を有する態様を示す図である。
図5】段差を有する振れ止め装置を用いて天井吊り下げ物を天井空間に設置した状態における支持構造を示す図である。
図6】天井吊り下げ物の別の態様を例示する図である。
図7】天井吊り下げ物を支持するフレーム枠体を例示する図である。
図8】フレーム枠体を用いて天井吊り下げ物を天井空間に設置した状態における支持構造を示す図である。
図9】係合部材を備える振れ止め装置の構成例を示す図である。
図10】係合部材を備える振れ止め装置が取り付けられた状態を示す図である。
図11】従来の隠蔽式空気調和機の支持構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態である振れ止め装置1を含む天井吊り下げ物の支持構造を示す斜視図である。図1に示すXYZ三次元座標系は、XY平面を水平面とし、Z方向を鉛直方向とする座標系であり、他の図においても共通する座標系である。本実施形態の振れ止め装置1は、天井吊り下げ物を天井空間に吊り下げた状態で支持するボルト部材9の下部を固定し、天井吊り下げ物を振れ止めする装置である。本実施形態では、天井吊り下げ物として、隠蔽式の空気調和機100を例示する。この空気調和機100は、天井スラブなどの天井構造と天井パネルとの間の天井空間に隠蔽された状態で設置される。空気調和機100は、例えば、空気調和機本体110と、空気調和機本体110に装着されるフィルタユニット120とを備えている。
【0020】
空気調和機本体110は、平面視略矩形状の箱形ユニットであり、正面110cに設けられる開口部118から空気を取り込んで熱交換を行い、背面110dに設けられる開口部(図示を省略)から温度調整した空気を吹き出す機能を有している。フィルタユニット120は、空気調和機本体110の正面110cの開口部118に装着され、空気調和機本体110に取り込まれる空気を清浄化する機能を有している。フィルタユニット120は、その背面側に、空気調和機本体110の開口部118に装着される装着部122を有しており、装着部122が開口部118に装着されることで空気調和機本体110に取り付けられる。また、フィルタユニット120の正面側には空気を取り込むための開口部120aが設けられており、その開口部120aから取り込まれる空気は、フィルタユニット120の内部に設けられるフィルタ121を通過することよって埃などの微細物が取り除かれて清浄化される。
【0021】
空気調和機本体110は、正面110c及び背面110dの両端に設けられる互いに平行な二つの側面110a,110bのそれぞれの下部近傍に、吊りボルトなどのボルト部材9を連結するための一対の取付片111を備えている。これら一対の取付片111は、空気調和機本体110の側面110a,110bにおいて水平方向に所定間隔を隔てて設けられており、概ね側面110a,110bの両端近傍位置に設けられる。各取付片111は、例えばU字状に切り欠いた挿通部を有しており、その挿通部にボルト部材9を挿通することが可能である。そしてボルト部材9に2つのナット151,152を装着した状態でボルト部材9の下端部を取付片111の挿通部に挿通し、2つのナット151,152で取付片111を挟み込むことにより、ボルト部材9の下端部が取付片111に連結される。このようにして各取付片111にボルト部材9の下端部が連結されることにより、空気調和機本体110は、ボルト部材9によって支持される状態となる。
【0022】
また空気調和機本体110の側面110a,110bには、内部機構を隠蔽するためのカバー112が装着される。このカバー112は、空気調和機本体110の側面110a,110bの周縁部に沿って取り付けられるビスなどの締着部材113によって空気調和機本体110の側面110a,110bに取り付けられる。
【0023】
上記のように構成される空気調和機100は、フィルタユニット120が空気調和機本体110に装着されることにより、空気調和機本体110とフィルタユニット120とが一体化された天井吊り下げ物となる。そのため、空気調和機100は、空気調和機本体110の側面110a,110bのそれぞれの下部近傍に設けられている一対の取付片111に連結されるボルト部材9によって空気調和機本体110とフィルタユニット120とが一体的に支持される。
【0024】
本実施形態の振れ止め装置1は、上記のような空気調和機100の側面110a,110bに設けられた取付片111に連結されるボルト部材9を空気調和機100に対して固定することにより、ボルト部材9の下部の振動を抑制し、空気調和機100を振れ止めする。この振れ止め装置1は、互いに対称な形状を有る一対の振れ止め部材1a,1bによって構成される。振れ止め部材1aは空気調和機100の一方の側面110aの上端部に設置され、側面110aの取付片111に連結されるボルト部材9を、取付片111よりも高い位置で空気調和機100の側面110aに固定する。また、振れ止め部材1bは空気調和機100の他方の側面110bの上端部に設置され、側面110bの取付片111に連結されるボルト部材9を、取付片111よりも高い位置で空気調和機100の側面110bに固定する。以下においては、振れ止め部材1a,1bのそれぞれを振れ止め装置1と総称して説明する。
【0025】
振れ止め装置1は、空気調和機100の取付片111が設けられた側面110a,110bの上端近傍位置において空気調和機100に取り付けられ、取付片111が設けられた側面110a,110bに対して直角方向(水平方向)に延設された保持部11を有し、その保持部11がボルト部材9を取付片111の上方位置で空気調和機100に連結して保持することにより、ボルト部材9の振れ止め効果を発揮するように構成される。このような振れ止め装置1は、空気調和機100に対して相対変位しないように位置決めされることが好ましい。そのため、本実施形態の振れ止め装置1は、空気調和機100の上面に沿うように配置され、空気調和機100の一方の側面110a(又は110b)と係合すると共に、空気調和機100の正面側及び背面側と係合することにより、XY平面内において空気調和機100に対して相対変位しないように構成される。以下、このような振れ止め装置1について詳しく説明する。
【0026】
振れ止め装置1は、空気調和機100の上面に沿うように配置される帯状の平板部10を有している。この平板部10は、空気調和機100の上面に対して位置決めされた状態に配置される。平板部10の長手方向(Y方向)の長さは、空気調和機100の側面110a,110bの長さ(空気調和機本体110とフィルタユニット120とを合わせた空気調和機100全体の側面110a,110bの長さ)と略等しく、その平板部10の両端に空気調和機100の正面及び背面の上端部に係合する第1係合部12が設けられている。例えば、第1係合部12は、平板部10の両端部を下方に90度折り曲げることにより形成される。このような第1係合部12が空気調和機100の正面及び背面の上端部に係合することにより、平板部10は、空気調和機100の上面においてY方向に相対変位しないように位置決めされる。
【0027】
また、平板部10の短尺方向(X方向)の長さ(幅)は、概ね10~20cm程度に形成されると共に、長手方向両端部の幅が中央部の幅よりも大きくなるように形成される。言い換えると、平板部10は、長手方向両端部が空気調和機100の側面110a,110bを超えて外側に張り出すように、長手方向中央部よりも幅広に形成されている。したがって、平板部10の中央部の端が空気調和機100の上面110eの端に合致するように配置されると、平板部10の両端部に設けられた幅広の部分が空気調和機100の側面110a,110bから更に外側に張り出した棚状構造を形成する。振れ止め装置1は、その棚状構造となる部分を、ボルト部材9を保持する部分として利用する。すなわち、振れ止め装置1は、空気調和機100の上面110eから側面110a,110bを超えて更に側方に延設される棚状の保持部11を有しており、その保持部11によって、取付片111に連結されたボルト部材9を保持するようにしている。
【0028】
保持部11には、ボルト部材9を挿通可能な挿通部14が形成されている。挿通部14は、ボルト部材9を挿通可能な孔であっても良いし、U字状に開放された切欠部であっても構わない。この挿通部14は、空気調和機100の各側面110a,110bに設けられている取付片111の上方に位置し、取付片111よりも高い位置(空気調和機100の上面110eと略等しい位置)でボルト部材9を挿通することができる。
【0029】
また、平板部10の中央部には、空気調和機100の側面110a,110bの上端部に係合する第2係合部13が設けられる。この第2係合部13は、第1係合部12と同様に、例えば平板部10の中央部の端から延設させた折曲片を下方に90度折り曲げることにより形成される。このような第2係合部13は、空気調和機100の側面110a,110bに装着されるカバー112を固定するための締着部材113の位置に対応するように設けられる。そして第2係合部13には、締着部材113を挿通するための挿通部15が予め形成されている。この挿通部15も、上述した挿通部14と同様に、締着部材113を挿通可能な孔であっても良いし、U字状に開放された切欠部であっても構わない。
【0030】
上記のように構成される振れ止め装置1は、図1に示すような態様で空気調和機100に配置される。すなわち、振れ止め装置1は、平板部10の下面が空気調和機100の上面110eに沿うように配置され、平板部10の長手方向両端部に設けられる第1係合部12,12が空気調和機100の正面及び背面の上端部に係合し、且つ、平板部10の中央部に設けられる第2係合部13が空気調和機100の一方の側面110a,110bの上端部に係合する状態に配置される。そのため、振れ止め装置1は、空気調和機100に対してX方向及びY方向に相対変位しないように位置決めされた状態で設置される。
【0031】
また、空気調和機100の側面110a,110bに取り付けられている複数の締着部材113のうち、第2係合部13の位置に適合する締着部材113を予め空気調和機100から外しておき、振れ止め装置1の平板部10を、空気調和機100の上面110eに沿うように配置し、且つ、第2係合部13に設けられている挿通部15を締着部材113の取付位置に適合するように配置した後、締着部材113を側面110a,110bに設けられている孔に挿入して締め付ける。これにより、空気調和機100のカバー112を固定するための締着部材113は、カバー112と共に、振れ止め装置1の第2係合部13を空気調和機100に固定することができる。このように第2係合部13を空気調和機100の側面110a,110bに固定すると、振れ止め装置1は、空気調和機100に対して固定されることになる。
【0032】
また、振れ止め装置1は、上記のようにして平板部10が空気調和機100の上面110eに沿うように配置された状態でボルト部材9が保持部11の挿通部14に挿通され、保持部11を挟んでボルト部材9の上下に予め装着しておいた2つのナット21,22が締め付けられることにより、保持部11が取付片111よりも上方の位置でボルト部材9を保持した状態となる。そして振れ止め装置1は、空気調和機100の側面110a,110bに設けられている取付片111よりも上側の位置においてボルト部材9を空気調和機100に固定した状態となる。つまり、振れ止め装置1は、空気調和機100に予め装着されている締着部材113を利用して空気調和機100の側面110a,110bに固定することができるのである。そのため、振れ止め装置1を空気調和機100に固定するときには、空気調和機100の側面110a,110bに対して新たな孔を開ける必要がなく、作業効率に優れている。
【0033】
図2は、空気調和機100に対して振れ止め装置1が取り付けられた状態を示す図であり、図2(a)はその斜視図を、図2(b)はその正面図を示している。振れ止め装置1は、空気調和機本体110とフィルタユニット120とが一体的に組み付けられた状態の空気調和機100の上面110eに沿うように配置され、平板部10の長手方向両端部に設けられた2つの第1係合部12,12のうち、一方の第1係合部12がフィルタユニット120の正面の上端部に係合し、他方の第1係合部12が空気調和機本体110の背面の上端部に係合するように配置される。これらの第1係合部12は、ビスなどの締着部材19を用いて空気調和機本体110又はフィルタユニット120に対して固定するようにしても良い。
【0034】
また、平板部10の中央部に設けられた第2係合部13は、空気調和機100の側面110a,110bに接合するように配置され、締着部材113が締め付けられることにより、空気調和機100の側面110a,110bに固定される。これにより、振れ止め装置1は、空気調和機100に対して固定される。
【0035】
そして振れ止め装置1の平板部10から側方に張り出した保持部11の挿通部14に挿通されたボルト部材9が2つのナット21,22によって保持部11に固定されると、振れ止め装置1は、図2(a)及び(b)に示すように、取付片111の上方位置(空気調和機100の上面近傍位置)でボルト部材9を空気調和機100に固定することができる。
【0036】
図3は、振れ止め装置1を用いて空気調和機100を天井空間に設置した状態における支持構造30を示す図である。図3に示すように、この支持構造30は、天井スラブなどの天井構造3から吊りボルトなどのボルト部材9が垂下しており、そのボルト部材9の下端部が空気調和機100の取付片111に連結され、空気調和機100を吊り下げた状態で支持する構造である。
【0037】
図3に示すように、空気調和機100がボルト部材9によって吊り下げられた状態に設置されると、空気調和機100を振れ止めするためのブレース32がボルト部材9に取り付けられる。例えば、ボルト部材9の上部(天井構造3の近傍位置)及び下部(空気調和機100の上面近傍位置)にブレース連結部材31が取り付けられ、ブレース32の端部がそのブレース連結部材31に連結されることにより、ブレース32は、ボルト部材9に取り付けられる。ブレース32は、互いに隣り合う2本のボルト部材9どうしを連結するように斜め方向に配置され、一方のボルト部材9の上部と他方のボルト部材9の下部とを連結する。隣り合う2本のボルト部材9,9の間に2本のブレース32が交叉配置されることにより、2つのボルト部材9,9が相対変位しないように固定され、上下2つのブレース連結部材31の間に位置するボルト部材9の振動を抑制することができる。
【0038】
また、空気調和機100の上面110eに沿うように設置した振れ止め装置1は、取付片111と振れ止め装置1(より厳密には保持部11)との間においてボルト部材9が相対変位することを抑制する。つまり、振れ止め装置1は、ブレース連結部材31よりも下側において、ボルト部材9を取付片111とは異なる高さ位置で空気調和機100に固定しているため、空気調和機100の側方の上下2箇所でボルト部材9を位置決めすることができ、ブレース連結部材31の下方においてボルト部材9の下部(図3に示す領域Lの部分)が振動することを抑制することができるのである。その結果、地震発生時においても、ボルト部材9の下部が振動することを抑制することができ、空気調和機100の振動を有効に抑えることができるという利点がある。
【0039】
上記のような振れ止め装置1は、空気調和機100を天井構造3の高さ位置まで持ち上げる前に、予め床面上の作業で予め空気調和機100に取り付けておくことが可能である。そのため、振れ止め装置1を予め床面上で空気調和機100に取り付けておけば、高所作業の負担を軽減することができる。
【0040】
また上述した振れ止め装置1は、フィルタユニット120が空気調和機本体110に装着された状態において平板部10の両端部に設けた2つの第1係合部12,12がフィルタユニット120と空気調和機本体110との双方に係合する。そのため、振れ止め装置1は、空気調和機本体110だけでなく、空気調和機本体110とフィルタユニット120との双方を振れ止めする効果を発揮する。
【0041】
ところで、空気調和機本体110に装着されるフィルタユニット120の正面サイズ(XZ平面のサイズ)は、空気調和機本体110の正面サイズと異なることがある。そのような場合、振れ止め装置1は、平板部10の両端部に設けている2つの保持部11のうち、フィルタユニット120の正面上端部に係合する第1係合部12が設けられている保持部11をフィルタユニット120の正面サイズに応じて途中で屈曲させたものを用いれば良い。
【0042】
図4は、フィルタユニット120の正面サイズが空気調和機本体110の正面サイズと異なる空気調和機100に取り付けられる振れ止め装置1を示す図である。図4の例では、フィルタユニット120の正面サイズが空気調和機本体110の正面サイズよりも大きい場合を示している。この場合の振れ止め装置1は、空気調和機本体110に装着されているフィルタユニット120の装着部122の近傍位置に屈曲部18が設けられ、その屈曲部18よりも先端部分がフィルタユニット120の上面に沿うように配置される。この屈曲部18の高さは、フィルタユニット120のサイズに応じて適宜設計すれば良い。このように平板部10(又は保持部11)に屈曲部18を設けることにより、振れ止め装置1は、フィルタユニット120と空気調和機本体110とのサイズが互いに異なる場合であっても、平板部10をそれぞれの上面に沿うように配置することができる。そのため、振れ止め装置1が空気調和機100に固定されると、振れ止め装置1は、空気調和機100と一体的な天井吊り下げ物となる。
【0043】
図5は、振れ止め装置1を用いてフィルタユニット120と空気調和機本体110のサイズが異なる空気調和機100を天井空間に設置した状態における支持構造30を示す図である。図5に示すように、振れ止め装置1に屈曲部18を設けることにより、振れ止め装置1は、平板部10をフィルタユニット120と空気調和機本体110との双方の上面に沿うように配置することができる。そのため、振れ止め装置1は、フィルタユニット120と空気調和機本体110のサイズが異なる場合であっても、空気調和機本体110とフィルタユニット120との双方を有効に振れ止めすることが可能である。
【0044】
次に図6は、フィルタユニット120の正面側に吸気ユニット130が配置され、空気調和機本体110の背面側に吹出ユニット140が配置された空気調和機100を例示する図である。上述した振れ止め装置1は、例えば板厚が数ミリメートル程度の比較的薄い金属板を加工して形成されるため、平板部10の両端部に設けられている第1係合部12が空気調和機本体110及びフィルタユニット120の上端部に係合している場合であっても、フィルタユニット120の正面側に吸気ユニット130を適切に配置することができ、また空気調和機本体110の背面側に吹出ユニット140を適切に配置することができる。このとき、第1係合部12は、フィルタユニット120と吸気ユニット130との間、又は、空気調和機本体110と吹出ユニット140との間に挟まれた状態で固定される。そのため、第1係合部12は、上述した締着部材19を用いて空気調和機本体110又はフィルタユニット120に固定する必要がない。上述した振れ止め装置1は、フィルタユニット120の正面側に吸気ユニット130が配置される場合、又は、空気調和機本体110の背面側に吹出ユニット140が配置される場合であっても、有効に使用することができる。
【0045】
図7は、空気調和機本体110、フィルタユニット120、吸気ユニット130及び吹出ユニット140が一体的に組み付けられた空気調和機100を支持するフレーム枠体40を例示する図である。フレーム枠体40は、空気調和機本体110、フィルタユニット120、吸気ユニット130及び吹出ユニット140を一体的に組み付けた空気調和機100を支持する装置である。このフレーム枠体40は、複数の上段フレーム材41,42,43,44と、複数の下段フレーム材45,46とが井桁状に組み付けられて構成される矩形状の金属枠体である。各フレーム材41~46には、長手方向に沿って上下に貫通するスリット48が形成されており、そのスリット48の任意の位置にボルト部材を差し込むことができる。
【0046】
上段フレーム材41,42,43,44及び下段フレーム材45,46は、直交連結金具51によって互いに直交する状態に固定される。直交連結金具51は、上段フレーム材41,42,43,44のスリット48と、下段フレーム材45,46のスリット48に挿通したボルト部材にナットを装着し、そのナットで締め付けることにより、上段フレーム材41,42,43,44と下段フレーム材45,46とを直交させた状態に固定する金具である。直交連結金具51のボルト部材とナットとを緩めると、上段フレーム材41,42,43,44及び下段フレーム材45,46が交叉する位置を調整することが可能であり、フレーム枠体40の矩形サイズを調整することができる。
【0047】
例えば、下段フレーム材45,46は、空気調和機100の長手方向(Y方向)の長さと同程度の長さを有しており、互いの間隔が空気調和機100の幅方向(X方向)の長さと同程度となるように配置される。上段フレーム材41,42,43,44は、下段フレーム材45,46の上側に配置される。上段フレーム材41,42,43,44のうち、2つの上段フレーム材41,44は、空気調和機100の幅方向(X方向)の長さと同程度の長さを有しており、互いの間隔が空気調和機100の長手方向(Y方向)の長さと同程度となるように配置される。また残りの2つの上段フレーム材42,43は、空気調和機100の幅方向(X方向)の長さよりも長く形成されており、互いの間隔が吊りボルトなどのボルト部材9の設置間隔に合致する間隔に配置される。
【0048】
上記のようなフレーム枠体40は、下段フレーム材45,46のスリット48に空気調和機100を支持するボルト部材55,56が装着されると共に、上段フレーム材42,43のスリット48に吊りボルトなどのボルト部材9を連結するための連結部52が装着される。図7の例では、連結部52に防振ハンガーが用いられる場合を示している。防振ハンガーは、空気調和機100の運転中に発生する振動をボルト部材9に伝達しないようにしてフレーム枠体40とボルト部材9とを連結する金具であり、箱形枠体の下端が上段フレーム材42,43に固定されており、箱形枠体の内部に設けられたスプリングバネなどの弾性部材に対してボルト部材9の下端部が接続される。つまり、防振ハンガーは、弾性部材が振動を吸収することで、空気調和機100の振動をボルト部材9に伝達させないようにしている。
【0049】
尚、連結部52は、防振ハンガーを用いるものに限られない。すなわち、連結部52は、吊りボルトなどのボルト部材9をフレーム枠体40に連結することができればどのような構造であっても構わない。
【0050】
下段フレーム材45,46に装着されるボルト部材55は、その下端部が空気調和機100の側面110a,110bに設けられている取付片111に連結され、取付片111よりも上方の位置が振れ止め装置1によって保持され、空気調和機100の上面と略同じ高さ位置で空気調和機100に固定される。したがって、地震が発生したとしても、フレーム枠体40から垂下するボルト部材55は、振動することがない。
【0051】
また下段フレーム材45,46に装着されるボルト部材56は、吸気ユニット130及び吹出ユニット140のそれぞれの上面に連結され、吸気ユニット130及び吹出ユニット140を支持する。このボルト部材56は、ボルト部材55と比較すると長さが短いため、地震発生時において大きく振動することはない。
【0052】
したがって、空気調和機100の吸気ユニット130や吹出ユニット140に対してさらに送風ダクトが接続されるとしても、空気調和機100の振動を抑えることができるので、吸気ユニット130と送風ダクトとの接続部又は吹出ユニット140と送風ダクトとの接続部が破損することはない。
【0053】
上記のようなフレーム枠体40は、床面上の作業で空気調和機100に取り付けておくことができる。そのため、床面上の作業でフレーム枠体40を予め空気調和機100に組み付けた後、昇降機などを用いてフレーム枠体40と空気調和機100とを一体的に天井構造3の近傍位置まで持ち上げ、連結部52に対して天井構造3から垂下する吊りボルトなどのボルト部材9を連結することにより、空気調和機100を天井空間に設置することができる。このとき、連結部52の位置がボルト部材9の位置に合致しなければ、連結部52の取付位置をX方向に移動させたり、或いは、上段フレーム材42,43の取付位置をY方向に移動させたりすることにより、連結部52とボルト部材9との位置を簡単に合致させることができる。そのため、空気調和機100を天井空間に設置する際の高所作業を効率的に行うことができるという利点がある。
【0054】
図8は、フレーム枠体40を用いて空気調和機100を天井空間に設置した状態における支持構造30を示す図である。図8に示すように、振れ止め装置1を用いてボルト部材55が固定された空気調和機100を、フレーム枠体40を用いて天井空間に設置することにより、吸気ユニット130又は吹出ユニット140の上方に梁210や配管220などの障害物が存在する場合であっても、空気調和機100を適切な位置に設置することが可能であるという利点がある。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明したものに限定されるものではない。すなわち、本発明には、上記実施形態において説明したものに種々の変形例を適用したものの含まれる。
【0056】
例えば、上記実施形態においては、振れ止め装置1が、主として、空気調和機本体110とフィルタユニット120との上面に沿うように配置される場合を例示した。しかし、上述したように吸気ユニット130や吹出ユニット140が装着される場合、振れ止め装置1は、平板部10を長手方向に更に長くし、吸気ユニット130や吹出ユニット140の上面にも沿うように配置されるようにしても良い。この場合、第1係合部12は、吸気ユニット130や吹出ユニット140の上端部に係合するように配置される構成とすれば良い。また、振れ止め装置1は、空気調和機本体110の上面だけに配置される構造であっても構わない。
【0057】
また、上記実施形態では、平板部10の両端部に第1係合部12が設けられると共に、平板部10の中央部に第2係合部13が設けられる場合を例示した。これら第1係合部12及び第2係合部13は、振れ止め装置1が空気調和機100に対して相対変位しないように位置決めするためのものである。しかし、平板部10が例えばビスなどの締着部材を用いて空気調和機100の上面に固定される場合は、第1係合部12及び第2係合部13を設けることは必須ではない。
【0058】
また、上記実施形態で説明した振れ止め装置1は、取付片111と保持部11との間でボルト部材9に装着され、空気調和機100の側面110a,110bに係合する係合部材を備えるものであっても良い。図9及び図10は、そのような係合部材60を備える振れ止め装置1の例を示す図である。この振れ止め装置1は、図9に示すように保持部11の下方においてボルト部材9に装着される係合部材60を備えている。この係合部材60は、例えば、XY平面内に配置される横板部62とYZ平面内に配置される縦板部53とを備える概略L字状の係合金具61と、2つのナット54,55とによって構成される。横板部62には、ボルト部材9を挿通する挿通部64が設けられる。この挿通部64は、孔であっても良いし、U字状に開放された切欠部であっても良い。挿通部64にボルト部材9が挿通され、横板部62を挟んで上下に2つのナット65,66が締着されると、縦板部63は、空気調和機100の側面110a,110bと接合した状態となる。すなわち、係合部材60が装着されると、図10に示すように係合部材60は、縦板部63を空気調和機100の側面110a,110bに押し当てた状態となる。そのため、このような係合部材60を用いれば、ボルト部材9のX方向の振動を防止することができる。また、このような係合部材60は、上述した第2係合13の代わりに用いることもできる。そのため、図9及び図10に示すような係合部材60を使用する場合には、平板部10に対して上述した第2係合部13を設けなくても良い。
【0059】
また、上記実施形態では、天井吊り下げ物の一例として空気調和機100を例示した。しかし、上述した振れ止め装置1を適用可能な天井吊り下げ物は、空気調和機100に限られない。すなわち、天井吊り下げ物は、平面視略矩形状であり、互いに平行な側面のそれぞれの下部近傍に、ボルト部材9を連結するための取付片111が設けられているものであれば良い。
【0060】
また、上記実施形態では、空気調和機100の左右両側に設置される一対の振れ止め部材1a,1bがそれぞれ別体として構成される場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、一対の振れ止め部材1a,1bを一体化した構造として実現しても良い。
【0061】
また、上記実施形態では、空気調和機100が設置される天井構造の一例として天井スラブを例示した。しかし、空気調和機100が設置される天井構造は、必ずしも天井スラブに限られない。例えば、天井空間に鋼材などが組み付けられて構成される構造物などが存在する場合は、そのような構造物などに対して空気調和機100が設置されるものであっても構わない。
【符号の説明】
【0062】
1…振れ止め装置、9…ボルト部材、10…平板部、11…保持部、12…第1係合部、13…第2係合部、14…挿通部、15…挿通部、19…締着部材、100…空気調和機(天井吊り下げ物)、111…取付片、113…締着部材。
図1
図2
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図5
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