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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】袋体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/34 20060101AFI20230407BHJP
   B65D 33/02 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
B65D85/34
B65D33/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021091264
(22)【出願日】2021-05-31
(65)【公開番号】P2022183779
(43)【公開日】2022-12-13
【審査請求日】2021-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】593098347
【氏名又は名称】ダイワ包材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098198
【弁理士】
【氏名又は名称】旦 武尚
(72)【発明者】
【氏名】松本 隆
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-155963(JP,A)
【文献】特開2019-147605(JP,A)
【文献】特開2017-95178(JP,A)
【文献】特開平4-201860(JP,A)
【文献】特開2013-203411(JP,A)
【文献】実開昭50-057958(JP,U)
【文献】特開2010-275018(JP,A)
【文献】特開2015-000726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/30-34
B65D 85/50
B65D 33/00-02、36
B65D 30/16、20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口部と表裏面(1)、(2)と底部折り込み部(3)とを有する袋体であって、
袋体の側辺部(4)をシールすることによって袋体を構成する袋体であり、
袋体の表裏面(1)、(2)と底部折り込み部(3)とを、底辺部の端辺部から袋体内部方向に一定の間隔を有した位置に該端辺部と平行にシールしている底部シール部(6)を有し、
袋体の底部分である表裏面(1)、(2)と折り込み両端部との連接部分である山折り位置を袋体の底辺部に形成し、
この山折りに折り込んだ位置の袋体内部であって、底部シール部(6)より底部方向に形状記憶部を配して、
底部周縁部(51)にその周縁に沿って形状記憶樹脂からなる形状記憶部(7)を有することを特徴とする袋体。
【請求項2】
袋体の両側辺部(4)は、底部折り込み部(3)と袋体の表裏面(1)、(2)とがシールされていることを特徴とする請求項1記載の袋体。
【請求項3】
袋体の表裏面(1)、(2)及び底部折り込み部(3)が透明な樹脂製のシート地又はフィルム地で形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の袋体。
【請求項4】
底部折り込み部(3)を二重のシート地又はフィルム地で形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の袋体。
【請求項5】
形状記憶部(7)が線状の形状記憶部(7)であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の袋体。
【請求項6】
桃を収納するための袋体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の袋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体に底部折り込み部を有しており該底部折り込み部上に収納物を載置するが、該底部折り込み部が、袋体の内部空間に中空状に維持でき、床などに接触せず、収納物を不用意に外部と接することのない例えば桃等のデリケートな食品を傷まずに収納することのできる袋体に関する。
【背景技術】
【0002】
袋体内部に収納物を収納するに際して袋体の収納量を増やし、底部の面積を広く形成するために角底体を用いた袋体は多用されている。
更に底部の安定性を保つために袋体の底部に折り込み部を形成した袋体も多用されている。
これらは袋体内の底部に一定量の収納物を収納するために一般的に多用されているものである。
例えば袋体の底部を角底体とする構成としては特開平6-312750号(特許文献1)や特開2019-43572号(特許文献2)が存在する。
【0003】
この場合底部は折り込まれることから底部折り込み部を有する形状となっている。
更に例えば液体などの収納するための袋体として底部に安定的に液体を収納しておくために底部折り込み部を有する袋体として特開2018-052592号(特許文献3)が存在する。
更に粉状物を封入するための袋体として特開2015-093715号(特許文献4)が存在する。
この他、中空状に収納物を収納しておくための袋体として特開2010-275018号(特許文献5)が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-312750号
【文献】特開2019-43572号
【文献】特開2018-052592号
【文献】特開2015-093715号
【文献】特開2010-275018号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の様に、袋体内に収納物を収納するための袋体に底部に折り込み部を形成した袋体としては例えば特許文献1や特許文献2に示すように角底体の袋体は多用されている。
しかしこの袋体は底面は床に接することから内容物はそのまま床に接するものとなってしまう。
例えば床などに直置きなどした場合等に鮮度を大きく阻害してしまう例えば桃等の果物においては、そのままの状態では袋体内に入れることはできないものであった。
この場合に硬質の樹脂材で箱状の容器を形成すると共に該容器の外周部と桃との間に間隔を形成して緩衝材を形成した容器の入れたうえで更に袋体に封入することが必要となる。
従って従来より桃などのデリケートな果物などにおいては一旦硬質容器内に入れたうえで更に袋体内に入れるものであった。
【0006】
この場合硬質樹脂材に入れる際にも緩衝材を更に間に入れることもあり、その取扱いは極めて慎重に行うことが要求されている。
更に特許文献3や特許文献においては内部に液体や紛状態を入れることが前提で構成されていることから桃などの一定の大きさを有する果物などは封入することに適したものではない。
仮にこのように袋体内に入れた場合であっても、直接外部に触れるものとなり、傷みが出てしまうものであって使用には適さないものである。
更には袋体内に封に有した場合でもこの袋体が倒れてしまえば内容物に衝撃が掛かり傷んでしまうものであって現実の使用には対応できない。
【0007】
次に特許文献5に示す袋体は緩衝材を有する二重自立袋を提案するものであるが、その重心は丈夫に係るものであることからきわめて安定性が悪く、特に底部がその底部の両端辺によって床に接するものであり、倒れやすいものとなる。
この場合倒れてしまうと桃などの内容物は傷んでしまうことから安静性に賭ける拓炉体内には入れにくいものである。
特に二つ折りした部材を表裏フィルムと共にシールするものであり、例えば桃等をフィルムに包みこんで上部でシールすることとなり、桃などを入れてシールしてしまうとどうしても桃に圧力がかかり傷めてしまうものとなる。
従って、係る構成は桃などの極めてデリケートな内容物には使用できないものとなる。
【0008】
これに対して、このような極めてデリケートで外部に接触などすることにより極めて傷みやすい桃等に関して見栄えよくかつ新鮮で痛むことなく包装できる袋体の提供が望まれている。
特に現在は硬質な箱内等の緩衝材を用いた容器に入れたうえで例えば店頭に展示し販売しているが、係る容器を用いずに袋内に収納することによって展示販売できると共に持ち運びに際して外部と接しにくく収納物を傷みにくくする袋体の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
係るためにまず請求項1に係る発明は、上部開口部と表裏面と底部折り込み部とを有する袋体であって、袋体の側辺部をシールすることによって袋体を構成する袋体であり、袋体の表裏面と底部折り込み部とを、底辺部の端辺部から袋体内部方向に一定の間隔を有した位置に該端辺部と平行にシールしている底部シール部を有し、袋体の底部分である表裏面と折り込み両端部との連接部分である山折り位置を袋体の底辺部に形成し、この山折りに折り込んだ位置の袋体内部であって、底部シール部より底部方向に形状記憶部を配して、底部周縁部にその周縁に沿って形状記憶樹脂からなる形状記憶部を有する袋体からなり、係る発明により前記課題を解決できる。
また請求項2に係る発明は袋体の両側辺部は、底部折り込み部と袋体の表裏面とがシールされているものであって、係る発明を用いてもよい。
或いは請求項3に係る発明は袋体の表裏面及び底部折り込み部が透明な樹脂製のシート地又はフィルム地で形成されて袋体であり、係る発明でもよい。
【0010】
更に請求項4に係る発明は底部折り込み部を二重のシート地又はフィルム地で形成した袋体であり、係る発明しでもよい。
また、請求項5に係る発明は形状記憶部が線状の形状記憶部である袋体からなり、係る発明を用いてもよい。
これらの場合請求項6に係る発明のように桃を収納するための袋体として用いてもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上のように構成したことからまず請求項1に係る発明によって底部折り込み部は、底部シール部によって底辺部の端辺部から袋体内部方向に一定の間隔を有した位置にシールされることから袋体内部空間上に底部折り込み部を有すると共に、底部周縁部の形状記憶部によって袋体の底部を任意位置に維持できるものとなり、底部折り込み部を袋体内の中空位置に維持できるものとなる。
従っていわゆる収納物を袋体内にハンモック状に保持できるものとなり、袋体の底位置に接する可能性のある床などから離れた位置に収納物を維持でき、収納物が他の場所と接することを防ぐことができる。
【0012】
このことより例えば桃等の他との接触により傷みやすいものを収納した場合でも袋体の中空内に維持できるものとなって傷み等を生ずることを防止できる。
更に袋体内に収納すればよいことから、硬質の収納容器や緩衝材等を用いることなく簡単に収納できる袋体を提供できるものである。
次に請求項2に係る発明により、袋体の両側辺部で底部折り込み部と袋体の表裏面とをシールすることにより袋体の底部を開いた場合には略楕円形状として開くことを可能とし、楕円形状に開いた状態故、開いた状態をより強固に維持できるものとなる。
【0013】
従って底部折り込み部をより該底部シール部に近い位置で開いた状態で維持できるものとなり、より強固にいわゆるハンモック上に収納物を維持できるものとなる。
従って床などに収納物が接触しにくい袋体内部の中空位置に維持できるものとなる。
次に請求項3に係る発明により透明な樹脂シートまたはフィルムを用いることにより収納物の視認性を高めることができ例えば展示販売などの際に内容物の状態を一見して把握でき、購買意欲を掻き立てるものとなる。
次に請求項4に係る発明により、底部折り込み部を二重にすることにより、底部折り込み部の撓みを低減でき、より袋体の中空位置に収納物を維持できるものとなる。
更には収納状態もより強固に収納できるものとなり袋体の安全性が高まるものである。
【0014】
請求項5に係る発明により形状記憶部を線状とできることから袋体内に配設しやすくなると共に底部を開いた場合に例えば略楕円形状に開きやすい形状となる。
更に請求項6に係る発明により、特に傷みやすい桃の収納を可能とするものである。
特に収納時に傷みやすい桃の新鮮さを維持して痛みなどを防いた状態での収納ができると共に特に収納に際しても袋体内の底部折り込み部上に載置すればよいものであって簡単に収納できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る袋体の一例を示す図。
図2】本発明に係る袋体の底部の状態の断面図の一例を示す図。
図3】本発明に係る袋体の他の一例であって、シール部の位置と形状記憶部の配置位置の一例を簡易に示す図。
図4】本発明に係る袋体内に桃を収納している状態の一例を示す図。
図5図4に示す袋体を側部方向から視認した一例を示す図。
図6】本発明に係る袋体内に桃を2つ入れた状態の他の例を示す図。
図7】本発明に係る袋体の開口部から袋体の内部である折り込み部を視認した一例を示す図。
図8】本発明に係る袋体の底部周縁部を楕円形状に開いた状態の断面図であり、断面状態の部材を分かりやすくデフォルメして拡大した図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明に係る袋体の一例を示す図である。
本図に示すとおり、本袋体は透明な樹脂よりなる表裏面からなる袋体であり、上部に開口部を有すると共に底部には折り返しによる底部折り込み部2を有している。
例えば表裏面1、2及び底部折り込み部3が透明な樹脂製のシート地又はフィルム地から構成されているものであってもよい。
更に袋体の側辺部4は開口部から底部にかけて表裏面1、2をシールしていると共に底部折り込み部3においても底部5まで側辺部4はシールされている。
【0017】
従って底部折り込み部3は表裏面に亘ってその両側辺部4でシールされている。
このことより底部折り込み部3を開いて底部を広げると、本袋体の底部5が開いて略楕円形状の底部周縁部51を形成することとなる。
底部折り込み部3と底辺部5との間の任意位置に袋体の表裏面1、2と底部折り込み部3とをシールしている底部シール部6を有する。
この底部シール部6は底辺部5と平行に形成されており、底辺部5の端辺部である底部周縁部51と一定の間隔をあけた袋体内部方向の任意位置に平行に形成されている。
【0018】
更にこの底部周縁部51にはその周縁に沿って形状記憶樹脂からなる形状記憶部7を有する。
従って底部折り込み部3と袋体の表裏面1、2の間に形状記憶樹脂からなる形状記憶部7を有するものである。
本図の場合には、袋体の表面1側にあっては、袋体の表面1と底部折り込み部3の底辺部5側との間に形状記憶樹脂からなる形状記憶部7を配設してあり、このそれぞれのシート地間に形状記憶部7を有する。
【0019】
また袋体の裏面2側にあっては、袋体の裏面2と底部折り込み部3の底辺部5側との間に形状記憶樹脂からなる形状記憶部7を配設してあり、このそれぞれのシート地間に形状記憶部を有する。
従って袋体の底辺部5の周縁部にはその袋体内部方向に形状記憶樹脂からなる形状記憶部7を有するものである。
従って該形状記憶部7は、袋体の底部周縁部51であって、その周縁に沿って配設しているものである。
【0020】
図2は、本発明に係る袋体の底部の状態の断面図の一例を示す図である。
表裏面1、2からなる袋体の底部に底部折り込み部3を有しており、この部分が袋体の底部を構成する。
更にこの底部折り込み部3の袋体の底部の折り込み部分の中央部分から他端方向に向けた任意位置において表裏面とシールする底部シール部6を有する。
この底部シール部6は底辺部5の端辺部から袋体内部方向に一定の間隔を有して該端辺部に沿って平行に形成された底部シール部6である。
【0021】
それぞれ表裏面1、2と底部折り込み部3とがシールされている。
即ち袋体の表裏面1、2と底部折り込み部3とを、底辺部5の端辺部から袋体内部方向に一定の間隔を有した位置に該端辺部と平行にシールしている底部シール部6を有している。
従って該底部シール部6によって底辺部5から袋体内部方向において底部折り込み部3が袋体の内側面とシールしていることとなり、底部折り込み部3は少なくとも袋体内部方向の位置で配設されており、該位置に袋体の底部分を構成することとなる。
従って袋体に収納した収納物例えば桃等は袋体内の中空に位置されるものとなる。
【0022】
更に、底辺部5近傍には形状記憶樹脂からなる形状記憶部7を有するものであり、底部周縁部51にはその周縁に沿って形状記憶樹脂からなる形状記憶部を有することとなる。
従って底部折り込み部3と袋体の表裏面1、2の間即ち製袋時に袋体の底部分を山折りして製袋する場合には表裏面1、2と折り込み部の両端部との連接部分である山折り位置が袋体の底辺部5を形成することから、この山折りに折り込んだ位置の袋体内部に形状記憶樹脂からなる形状記憶部7を有するものである。
本図の形状記憶樹脂からなる形状記憶部7は略線状の形状記憶部からなる。
【0023】
茲で、形状記憶樹脂とは、一定の形状に成形後に変形を加えても一定以上の温度となると元の形状に回復する合成樹脂であって、一定の温度以下の場合には固化し、一定の温度以上の場合に軟化する合成樹脂である。
この場合、固化している状態で形状を変形すると変形した状態を維持する形状記憶合成樹脂であって、形状記憶ポリマーによって形成されているものである。
このポリマーとしてはポリエステル系のものポリスチレン系やポリオレフィン系、或いはポリアミド系、ポリウレタン系、アクリル系等のものでよく、一定の温度以下の場合には固化し、一定の温度以上の場合に軟化する合成樹脂であって、固化している状態で形状を変形すると変形した状態を維持する形状記憶合成樹脂であればよい。
【0024】
従ってこの形状記憶樹脂を用いた形状記憶部7を有する。
この場合この形状は任意の形状でよいが、袋体の底辺部の周縁の形状を一定形状に維持できるものであればよく、例えば本図は線状の形状記憶部7を用いているものである。
このように構成することによって、この形状記憶部7によって袋体の底部を広げて底部が開いた状態を維持できることとなる。
この場合底部折り込み部3の袋体内部方向には底部シール部6を有していることから該底部折り込み部3は底辺部5から少なくとも一定程度上部に保持されることとなる。
【0025】
このことは袋体の底部折り込み部3は袋体内の中空に浮いた状態で維持されることとなり、袋体の内容物が底部折り込み部3上に保持され、いわゆるハンモック状態で維持されることとなる。
特に側辺部4のシールと底部シール部6のシールによって、該シールの強度によって底部折り込み部3の位置を維持できるものである。
例えば底部5が開いて略楕円形状の底部周縁部51を形成すると、より強度を高く維持できるが、表裏面1、2が側辺部4で一体にシールされておらず表裏面1、2がそれぞれ個別に起立する袋体であっても底部折り込み部3の高さを維持できるものである。
【0026】
この場合であっても起立状態を維持して底部折り込み部3の高さを維持できる。
例えば形状記憶部7を屈曲して折り曲げて起立状態の維持を図るものなどであってもよい。
このほか、例えば底部シール部6から底部までの底部折り込み部3と表裏面1、2とを全体的にシールして一体として表面の強度を高め起立しやすく構成して底部折り込み部3を浮いた状態で維持しやすくしたものであってもよい。
従って、少なくとも側辺部4のシールと底部シール部6のシールによって、該シールの強度によって底部折り込み部3の位置を維持できるものであり、袋体の底部折り込み部3はこの袋体を載置した床等の場所に接することなく浮いた状態で袋体内に保持されることとなる。
【0027】
例えば極めてデリケートであり、手で触れたりしただけで、品質の劣化を招くことのある例えば桃等のくだもの等を折り込み部上に保持して袋体内に包装できることとなる。
例えば透明なこの袋体内に桃などを入れた状態で展示販売した場合にあっても、桃は底部折り込み部3上にハンモックの様な保持された状態で袋体内に収納されており、この袋体を棚などに提示販売する場合であっても棚の床には桃が接することなく保持できることとなる。
【0028】
このことは桃などを単に袋体内に入れることによってこの状態を維持できるものであり、特に底部周縁の形状記憶部7を開いた状態とすると底部折り込み部3が開いた状態を維持でき、底部折り込み部3を底部より上部位置で保持でき、収納した桃などを底から離れた上部位置でハンモック状態で吊るして保持できることとなる。
このことより例えば硬質の容器などに入れる必要や緩衝材を用いて容器内に入れる必要がないばかりでなく、外部から視認しやすく取り扱いの容易な袋に収納できることとなる。
【0029】
図3は、本発明に係る袋体の他の一例を示す図であり、底部折り込み部3を二重にして形成した際のシール部Xの位置の一例と形状記憶部7の配置位置を示す簡易図である。
本図に示すように袋体の底部を形成する底部折り込み部3を二重にした後、所定個所をそれぞれシールすることにより本発明に係る袋体を形成できる。
本図のシール部Xに関しては該位置で相隣り合うシート同士をシールすることによって形成できる。
本図に示すように底部折り込み部3を二重にすることによりこの底部折り込み部3上に内容物を載置した場合でもこの部分の強度が増すこととなり、底部折り込み部の上にしっかりと載置できる。
【0030】
更に例えばこの部分の撓み力を低減でき、床などにより触れにくくできる。
即ちハンモックとして底部折り込み部3上に載置する維持力を高くできる。
もとより袋体の底辺部の周縁の形状記憶部によって楕円形状に底部周縁部を開いた状態を維持することにより、この開きにより底部折り込み部3をより上部に引き上げて桃などを載置しても袋体の内部空間に維持できることとなる。
もとより底部においてもすべてシールして製袋する例を示すがこれに限らず例えば底辺部5を折り込んで製袋するものであってもよく、本図は一例を示すものであって他の構成を排除するものではない。
【0031】
図4は、本発明に係る袋体内に桃Pを収納している状態の一例を示す図である。
本図に示すように袋体の底辺部の周縁の形状記憶部7によって楕円形状に底部周縁部を開いた状態を維持することにより、この開きにより折り込み部をより上部に引き上げて桃Pなどを袋体の中空部分に維持できるものであり、本図においても底部折り込み部3上にいわゆるハンモック状態で該折り込み部状に保持されることとなる。
このことは収納物である桃P等が袋体の底部の床などに接することなく袋体中空内に保持され、袋体内の収納物である例えば桃等が弾力をもって底部折り込み部3上に乗った状態となることから周囲の固い部分例えば床などに接することがなく痛みなどを生じさせることなく袋体内に収納できる。
【0032】
このことは例えば他の硬質の収納容器内に緩衝材などを用いして収納する従来の収納方法を採らなくとも、単に袋体内に収納することにより傷みなく安全に収納できることとなる。
この場合透明なシートをもって構成する袋体を用いれば、外部から視認しやすい容器内に収納できるものとなり、店頭販売等に際して収納しやすくかつ見栄えの良い展示用の収納用の袋に収納して販売できることができるものとなる。
【0033】
図5図4に示す袋体内に収納している桃Pを袋体の側部方向から視認した一例を示す図である。
底部折り込み部3の側辺部4のシールによって該シール部分から折り込み部が開いて収納物である例えば桃P等を底部折り込み部3が撓んだ状態で保持するものであり、いわゆるハンモックのように桃Pを弾力をもって底部折り込み部3上に載置することができる。
尚、袋体の底辺部の周縁の形状記憶部7によって楕円形状に底部周縁部51を開いた状態で安定的に桃Pを底部折り込み部3上に載置できているものである。
【0034】
図6は、本発明に係る袋体内に桃Pを2つ入れた状態の他の例を示す図である。
このように複数個の内容物を入れても安定的に底部折り込み部3上に収納物を載置することができる。
従って桃P等に限らずその他各種様々な商品を袋体内に収納することができる。
図7は、袋体の開口部から袋体の内部である底部折り込み部3を視認した一例を示す図であり、袋体の底辺部の周縁の底部周縁部51を楕円形状に開いた状態の一例を示す図であり、形状記憶部7によって楕円形状に底部周縁部51が開いた状態を維持している一例を示す図である。
【0035】
このように底部周縁部51の形状記憶部7を開くことによって袋体の開口部が開いた状態となり、収納すべきものを安全かつか簡単に袋体内に収納できるものである。
例えば力を加えるとその部分が傷みやすい桃等を袋体内に入れる場合にも、このように袋体が開いた状態で維持できることから、桃に不要な力を加えず簡単に袋体内に収納できるものとなる。
【0036】
図8は、袋体の底辺部の周縁の底部周縁部51が楕円形状に開いた状態の一例の断面状態に関して、部材をより分かりやすく示すためにデフォルメして部材の位置状況を理解しやすくするための参考図の一例を示す図である。
本図に示すとおり、袋体の最外層は袋体の表裏面1、2を形成するシート地或いはフィルム地部ある。
本図の厚みは部材の存在を示すために観念的に示したものである。
【0037】
更にその内部には形状記憶樹脂によって形成された線状の形状記憶部7である。
形状記憶部7によって楕円形状に開いた状態を維持できる。
更に袋体の最内層は袋体の底部折り込み部3のシート地或いはフィルム地である。
この袋体の両端部である両側辺部4はシールされている。
【符号の説明】
【0038】
1 表面
2 裏面
3 底部折り込み部
4 側辺部
5 底辺部
51 底部周縁部
6 底部シール部
7 形状記憶部
X シール部
P 桃
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8