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特許7257722深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置
<図1>
  • 特許-深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置 図1
  • 特許-深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置 図2
  • 特許-深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置 図3
  • 特許-深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置 図4
  • 特許-深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 15/88 20060101AFI20230407BHJP
   G01S 15/86 20200101ALI20230407BHJP
   G01S 15/58 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
G01S15/88
G01S15/86
G01S15/58
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022503904
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 CN2021106477
(87)【国際公開番号】W WO2022052622
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】202010951681.5
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515223167
【氏名又は名称】中国海洋大学
(74)【代理人】
【識別番号】100178434
【弁理士】
【氏名又は名称】李 じゅん
(72)【発明者】
【氏名】▲賈▼ 永▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】范 智涵
(72)【発明者】
【氏名】季 春生
(72)【発明者】
【氏名】宋 ▲暁▼▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】▲単▼ 海▲龍▼
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-168952(JP,A)
【文献】特開2015-078598(JP,A)
【文献】特開平03-134583(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0211368(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0130537(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第110411923(CN,A)
【文献】後藤浩一ら,「環境影響評価の現場観測:海底資源開発に向けて」,物理探査(Web),公益社団法人物理探査学会(SEGJ),2020年03月04日,Vol.73,pp.64-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/52- 7/64
G01S 15/00-15/96
G01C 1/00- 1/14
G01C 5/00-15/14
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体を含む深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置であって、
前記装置本体は、監視システムを含み、
前記監視システムは、監視装置の上方の海流プロファイルデータを測定するために使用されるドップラー流速プロファイラーと、監視装置の下方の水中における固体浮遊粒子の濃度、海底界面の位置、堆積物の空隙率、及び酸化還元電位を測定するために使用される自然電位プローブと、自然電位プローブの測定結果を補正するためにシングルポイントの海水の濁度を測定する濁度計と、独自のライトを有し、水域における固体浮遊粒子の実際の状況を記録するために使用される水中カメラとを含み、
装置本体は、回収システムと、支持システムとをさらに含み、
前記回収システムは、回収フレームと、音響解放器とを含み、
前記支持システムは、支持フレームを含み、
回収フレームは支持フレーム上に配置され、鉄チェーンによって連結され、鉄チェーンは支持フレームの頂部のボルトを通過し、両端は音響解放器に固定されており、
前記回収システムは、フロートボールと、ぜんまいと、ビーコンとをさらに含み、
前記フロートボールとビーコンは回収フレームの頂部に固定され、ビーコンの高さはフロートボールを超えており、
前記ぜんまいは20~50kgの張力を提供する316ステンレス鋼材質であり、ぜんまいの突出した一端は自然電位プローブに連結され、張力がかかった状態になり、他端は回収フレームのクロスバーに固定されており、
前記音響解放器は、2つであり、いずれも回収フレームの中央部に固定されており、
前記プローブの上部には溝が設置され、回収フレームの下部には溝に対応してバネによって引っ張られているバックルが設置され、バックルはロープに連結され、プーリーによって音響解放器のフックに連結される、
ことを特徴とする深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置。
【請求項2】
前記自然電位プローブの底部には金属底部コーンが設置され、頂部には採集室が設置され、中央部には2cm間隔の複数の固体環状の参照電極が設置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置。
【請求項3】
前記固体環状の参照電極は、チタン合金を骨格としており、表面には厚さ0.1~1mmのグラフェンが均一にコーティングされ、コーティング後、150℃のオーブンに30分間入れて保持されることで製造される、
ことを特徴とする請求項に記載の深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置。
【請求項4】
前記ドップラー流速プロファイラーは、2つがあり、1つは高周波であり、下向きに水域の流速を測定するために使用され、もう1つは低周波であり、上向きに水域の流速を測定するために使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載の深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置。
【請求項5】
前記プローブの外部には、その直径が自然電位プローブと採集室との間の直径であるゴムスリーブが設置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深海表層の鉱物の採掘における堆積物による攪乱に対する長期の原位置監視の技術分野に関し、特に、深海の多金属団塊 (polymetallic nodule)の採掘における堆積物の環境監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
陸地資源の消費に伴い、人々は徐々に海に目を向けている。地球の70%の面積は海洋に覆われ、海洋の15%の面積には多金属団塊が覆われている。多金属団塊は海底堆積物の表面に賦存され、水深はほとんどが4,500メートルを超え、その資源の埋蔵量が豊富であり、将来的に最も商業的な採掘価値を持っている深海鉱物資源として知られている。
【0003】
商業的な採掘がまだ行われていない理由は主に2つがある。1つは採掘技術であり、もう1つは環境への影響である。多金属団塊の採掘の環境への影響の監視に関し、多金属団塊の賦存(Occurrence)状態によって、採掘による表層堆積物の攪乱に対する監視は非常に重要である。しかしながら、現在の環境監視は主に水域環境の監視に注目しており、堆積物に対する原位置での長期的な監視装置は少なく、且つ、現在の監視装置はこのような深海での長期的な原位置観測のニーズに応えるには十分ではない。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、従来の堆積物についての長期的な原位置での監視装置が少ない問題を解決するために、新しい深海の多金属団塊の採掘における堆積物の環境監視装置を提出した。
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の技術的な方案を採用して実現した。
【0006】
原位置での監視装置は、監視システムと、回収システムと、支持システムとを含む。
前記監視システムは、音響ドップラー流速プロファイラーと、自然電位プローブと、濁度計と、水中カメラとを含む。前記音響ドップラー流速プロファイラーは、2つがあり、ネジによって回収フレームの左側に固定され、1つは高周波であり、下向きに水域の流速を測定し、もう1つは低周波であり、上向きに水域の流速を測定することで、海底上部全体の50メートル範囲以内のすべての水域の流速をカバーして測定する。前記自然電位プローブの高さは1.8メートルであり、フープ(Hoop)によって回収フレームの右側に固定され、底部には高さ10cmの金属底部コーンを有し、頂部には高さ20cmの採集室があり、前記採集室の頂部にはホイストリングがあり、底部には高さ2cmの溝があり、中央は電極間隔が2cmのロッドであり、複数の電極が均等に配置されている。前記電極は固体環状参照電極である(出願番号2019108263949の固体環状参照電極の材料と同じである)。
【0007】
上記回収システムは、回収フレームと、フロートボールと、ビーコンと、音響解放器(acoustic releaser)と、ぜんまいとを含む。前記支持システムは、支持フレームと、ストップディスクとを含む。前記フロートボールはネジによって回収フレームの頂部に固定され、各フロートボールは約25キロの浮力を提供し、フロートボールの具体的な数は、搭載設備の総重量に応じて適切に調整できる。前記ビーコンはネジによって回収フレームの頂部に固定され、頂部の高さはフロートボールを超え、他の物体によって遮られないことを確保すべきである。前記音響解放器は、2つであり、ネジによって回収フレームの中央部の左右両側に1つずつ固定され、スムーズな通信を保証するために、前記音響解放器の頂部は他の物体によって遮られないようにする必要がある。前記ぜんまいは316材質であり、20~50kgの張力を提供でき、引っ張られたぜんまいの長さによって張力を調整できる。
【0008】
監視システムにおける監視装置は、すべてフープ及びネジによって回収システムの回収フレームに固定される。前記回収フレームは、支持システムの支持フレーム上に配置され、鉄チェーンによって連結され、鉄チェーンは支持フレームの頂部のボルトを通過し、両端は回収システムにおける音響解放器のフックに固定される。
【0009】
音響ドップラー流速プロファイラーは、監視装置の上方の海流プロファイルデータを測定するために使用され、前記自然電位プローブは、監視装置の下方の水中における固体浮遊粒子の濃度、海底界面の位置、堆積物の空隙率、及び酸化還元電位を測定するために使用され、前記濁度計は、自然電位プローブの測定結果を補正するためのシングルポイントの海水濁度を測定するために使用され、前記水中カメラは、独自のライトを有し、水域における固体浮遊粒子の実際の状況を記録することができる。
【0010】
さらに、前記フロートボールは、回収システムに浮力を提供するために使用され、前記ビーコンは、回収後、海面での装置の測位に使用され、前記音響解放器は、回収システムと支持システムとの間のチェーンの解放、及び自然電位プローブの回収場所でのバックルの解放に使用される。前記バックルが解放された後、自然電位プローブは他の力の制限を受けられなくなる。この時、ぜんまいによって生じられる張力のみを受け、前記ぜんまいから生じられた張力はプーリーによって方向を変更し、自然電位プローブの持ち上げのために張力を提供する。
【0011】
さらに、前記支持フレームの底部にはストップディスクが配置され、バランスウェイト効果を提供するだけでなく、設備の沈降を緩和することができる。ストップディスクの中央部には穴(貫通孔)が掘られ、設備が下がる時抵抗を減らす効果を果たす。
【0012】
深海の多金属団塊の採掘における表層堆積物攪乱の長期原位置での監視方法は、以下のステップを含むことを特徴とする。
【0013】
1)観測システムに必要な監視設備を所定の場所に設置し、以下の3つの手順を実行する。一、チェーンによって回収システムと支持システムを連結する(鉄チェーンは支持フレームの頂部のボルトを通過し、両端は音響解放器に固定される)。二、ぜんまいをバックルの位置まで引っ張って締め、ロープを使用してピンを音響解放器に連結する。三、自然電位プローブを持ち上げ、ロープによって科学調査船のクレーン吊り上げフックに連結する。
【0014】
2)科学調査船のクレーンによって装置を海底にぶら下げる。この時、プローブは引っ張られて持ち上げた状態になる。装置が分離された時、自然電位プローブを連結するロープが外れる。この時、プローブは自身の重力下で下向きに堆積物に貫入される。
【0015】
3)プローブの上部には溝があり、回収装置の底部にはバックルがある。バックルはバネによって引っ張られる。バックルと溝が重合するまでプローブが落下すると、バックルが溝の中に挿入され、プローブの落下が停止し、貫入プロセスを完成する。貫入深さは約50cmである。
【0016】
4)この時、監視システムの各設備がオンになり、監視作業を行う。監視作業が完了されたら、デッキユニットは音響解放器に解放命令を発行する。1つの解放器が故障になって解放作業が完了できないことを避けるために、2つの音響解放器を設置する。2つの音響解放器は、並列に接続されており、両方とも回収フレームの中央部に固定される。この時、回収システムと支持システムとの連結が切断され、ぜんまいを引っ張っているピンが切断され、ぜんまいによって生じられた張力がプローブを堆積物から引き出して持ち上げ、上部にバックルを有する位置まで持ち上げ、プローブを再度固定する。この時、すべての観測装置は浮力下で海面に浮き、ビーコンが測位情報を送信して装置の回収を完成する。
【0017】
従来技術と比較して、本発明の利点及び積極的な効果は以下の通りである。
本発明の深海の多金属団塊の採掘における表層堆積物攪乱の長期的な原位置での監視装置及び方法は、海底面以下50cmの堆積物の空隙率、酸化還元電位、侵食沈泥プロセスから海底面以上の水域の速度プロファイル、水域における固体浮遊粒子の濃度、濁度、水域における再懸濁粒子の移動状態等パラメーターを含む、堆積物攪乱の長期的な現場観測を実現することができる。また、大型の機械装置を使用せずにプローブタイプの設備の機械的回収を実現できるため、回収設備の全体の重量を軽減し、設備を成功に回収する確率を増加する。従来の海底の長期現場観測設備と比較して、環境に優しく、効率的で、省エネで、信頼的である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の装置の設置前の全体的な概略図である。
図2】本発明が海底に設置された時の自然電位プローブの貫入プロセスの概略図である。
図3】本発明装置の設置を完了し、海底で作業を行う時の概略図である。
図4】海底で装置を回収する時、プローブが引き出され、回収システムが分離される概略図である。
図5】監視装置が海面に浮いた時の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の上記の目的、特徴及び利点をより明確に理解できるようにするために、以下は具体的な実施形態と併せて本発明をさらに説明する。本出願の実施例及び実施例の特徴は、衝突がない場合、互いに組み合わせることができることに注意すべきである。
【0020】
本発明を十分に理解するために、以下の説明では、多くの具体的な詳細を説明したが、本発明は、本明細書に記載されている方法以外の方法でも実施することができる。従って、本発明は、以下に開示した具体的な実施例に限定されない。
【実施例1】
【0021】
1)監視装置の全体的な概略図については、図1を参照してください。監視システムに必要な監視装置である上向きの音響ドップラー流速プロファイラー101、下向きの音響ドップラー流速プロファイラー1012、濁度計102、水中カメラ103、自然電位プローブ104等を回収フレームの下部に設置する。各設備は独自の保存機能を持っており、すべての監視データを自己SDカードに保存し、装置を回収後にデータ処理を行う。また、設置前に監視要件に応じて各設備の通常パラメータを設定する必要がある。回収システムの重心を回収フレームの中心に保つために、設置プロセス中に重量を均等に分配する。監視装置を設置する際には、上下に監視効果に影響を与える物体がないことを保証する必要がある。また、各設備の位置の順序には特別な要求がない。自然電位プローブを除いて、その他の各監視設備はすべてフープとボルトによって固定して締める。プローブは、高さ5cmのゴムスリーブ10によって制限する。プローブはスリーブを通過し、プローブが脱落することなく上から下へ移動できるように、スリーブの直径はロッドの直径より大きく、採集室の直径より小さい。また、ゴム材料は一定の衝撃吸収効果を持っている。ゴムスリーブの上部はバックル7であり、バックル7は、オープン状態ではゴムスリーブの制限により移動できず、締められた状態ではゴムスリーブによる変位の制限を受けない。
2)回収システムの各設備を設置し、音響解放器203をネジによって回収フレームの中央部の左右両側に1つずつ固定し、解放フックはオープン状態になる。フロートボール202をネジによって回収フレームの上部及び側壁に固定する。固定プロセス中は、監視の通常使用に影響を与えないように注意する。また、ビーコン204を回収フレームの頂部に固定し、高さはフロートボールを超え、他の物体によって遮られないことを保証する。最後に、ぜんまい205を回収フレームの底部クロスバーに固定し、プーリー9を回収フレームの中央クロスバーに固定し、プローブに連結されたロープは、ぜんまい205からプーリー9をバイパスし、回収フレームの下部クロスバー上のバックル7に連結される。ぜんまいドローディスタンスの長さは、予想される設置エリアの海底堆積物の力学的特性とプローブの重量に基づいて推定でき、ドローディスタンスが大きいほど、張力が大きい。ぜんまいの推定張力は、下記の式で計算できる。
【0022】
(数1)
推定のぜんまい張力=水中のプローブ重量+堆積物に挿入されたプローブの摩擦抵抗力
【0023】
その中、水中のプローブ重量は計算によって得られ、堆積物に挿入されたプローブの摩擦抵抗力は事前測定によって得られる。
【0024】
3)設備の固定プロセスに関連するロープ連結には、主に3つの方面を含む。一は、チェーン5によって回収システムと支持システムを連結する。チェーン5は、支持フレームの頂部のボルト6を通過し、両端は回収フレームにおける音響解放器203に引っ掛かる。同時に、ロープを使用し、プーリーによって一端はバックル7の端部を引っ張り、他端は音響解放器203に連結し、次に音響解放器を締めて作業スタンバイ状態に調整する。図2に示すように、プローブが堆積物に貫入され、バックルがクランプ状態になった場合、ゴムスリーブはその変位を制限せず、この時、バックルはロープの張力の作用下でのみ張力がかかった状態を保つ。最後に、ロープを使用してプーリー9をバイパスし、一端をプローブ頂部のホイストリングに連結し、他端を科学調査船のクレーン吊り上げフック4に連結し、採集室が回収フレームの上部クロスバー位置に位置されるまで自発電位プローブを持ち上げて停止し、連結ロープが張力がかかった状態になるようにし、連結を完了する。
【0025】
4)科学調査船のクレーンによって設置・連結された装置を海底にぶら下げる。この時、プローブ104は引っ張られて持ち上げた状態になる。装置が分離された時、自然電位プローブを連結するロープが外れる。この時、プローブは自身の重力下で下向きに堆積物に貫入される。バックル7の双輪は、その位置を制限するとともに、下向きの勢いを低減する効果を果たす。
【0026】
5)プローブ104の上部には溝1041があり、回収装置の底部にはバックル7がある。バックルはバネによって引っ張られ、バックル7と溝1041が重合するまでプローブ104が落下すると、バックル7が溝1041の中に挿入され、プローブ104の落下が停止し、貫入プロセスを完了する。貫入深さは約50cmである。
【0027】
6)この時、監視システムの各種設備がオンになり、監視作業を行う。監視作業が完了されたら、デッキユニットは音響解放器203に解放命令を発行する。この時、回収システムと支持システムとの間の鉄チェーン5の連結が切断され、バックル7を引っ張っているロープが切断され、ぜんまい205によって生成された張力がプローブ104に直接作用され、上向きの張力を生じられる。その張力がプローブを堆積物から引き出して持ち上げ、上部にバックルを有する位置まで持ち上げ、プローブ104を再度固定する。この時、すべての観測装置は浮力下で海面に浮き、ビーコン204が測位情報を送信して装置の回収を完了する。
【0028】
上記は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明を他の形態に限定することを意図するものではない。本分野に精通している技術者は誰でも上記に開示された技術的内容を他の分野に適用される同等の変更を伴う同等の実施形態に変更または修正することができる。しかしながら、本発明の技術的解決策の内容から逸脱することなく、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施形態に対して行われた任意の単純な修正、同等の変更及び修正は、依然として本発明の技術的解決策の保護範囲内に属する。
【符号の説明】
【0029】
101…上向きの音響ドップラープロファイラー、1012…下向きの音響ドップラープロファイラー、102…シングルポイント式濁度計、103…水中カメラ、104…自然電位プローブ、1041…プローブの溝、201…回収フレーム、202…フロートボール、203…音響解放器、204…ビーコン、205…ぜんまい、3…支持フレーム、4…科学調査船のクレーン吊り上げフック、5…鉄チェーン、6…ボルト、7…バックル、8…ロープ、9…プーリー、10…ゴムスリーブ。
図1
図2
図3
図4
図5