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特許7257754コントローラ、システム、及びコントローラシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】コントローラ、システム、及びコントローラシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/24 20140101AFI20230407BHJP
   A63F 13/98 20140101ALI20230407BHJP
【FI】
A63F13/24
A63F13/98
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018148984
(22)【出願日】2018-08-08
(65)【公開番号】P2020022649
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】511304154
【氏名又は名称】株式会社モノコト
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【弁理士】
【氏名又は名称】福屋 好泰
(72)【発明者】
【氏名】佐野 高一
(72)【発明者】
【氏名】武田 智宏
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-018275(JP,A)
【文献】特開2007-021065(JP,A)
【文献】特開2002-123353(JP,A)
【文献】特開2000-218041(JP,A)
【文献】特開2007-054114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手で保持した状態で使用するコントローラであって、
操作部が設けられたコントローラ本体と、
前記コントローラ本体を他のコントローラに連結するための連結用アームと、
を備え、
前記連結用アームは、先端部が前記コントローラ本体から離れた位置で前記他のコントローラに連結され、当該他のコントローラから分離した非連結状態で当該先端部が前記コントローラ本体側に退避するよう、前記コントローラ本体に回転可能に支持されていることを特徴とする、
コントローラ。
【請求項2】
前記連結用アームは、正面視において前記コントローラ本体から突き出す位置まで回転することにより前記他のコントローラと連結可能となるように構成されている、
請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記コントローラ本体は、両手で保持したときに双方の手で各々操作可能な位置に第1操作部と第2操作部が設けられており、
前記第1操作部及び前記第2操作部のうち少なくとも一方は前記コントローラ本体を片手で保持したときに前記コントローラ本体を保持している手で操作可能な位置に設けられている、
請求項1または2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記連結用アームは前記コントローラ本体に対する回転位置が位置決めされることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記連結用アームは、正面視において前記コントローラ本体の両側方向に回転可能となるように当該コントローラ本体に支持されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載のコントローラ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のコントローラと、当該コントローラと通信する本体装置とを備えるシステムであって、
前記コントローラ本体の姿勢を判別する判別部と、
ユーザによって操作された前記操作部からの情報を前記判別された姿勢に応じた情報へと変換する変換部と、
を含むシステム。
【請求項7】
手で保持した状態で使用する第1コントローラと第2コントローラを備えるコントローラシステムであって、
前記第1コントローラは、
操作部が設けられたコントローラ本体と、
前記第2コントローラに連結するための連結用アームと、
を含み、
前記連結用アームは、先端部が前記コントローラ本体から離れた位置で前記第2コントローラに連結され、当該第2コントローラから分離した非連結状態で当該先端部が前記コントローラ本体側に退避するよう、前記コントローラ本体に回転可能に支持されていることを特徴とする、
コントローラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラ、システム、及びコントローラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ビデオゲームの操作などで使用されるコントローラの中には、コントローラ本体が左右のユニットに分割可能に構成され、遊戯者が一人の場合は左右のユニットを連結した状態で一個のコントローラとして使用でき、遊戯者が二人の場合は左右のユニットを分離することで各々独立したコントローラとして使用できるようにしたものがある。
【0003】
また、近年、インターネットを介してゲームコンテンツや各種の映像コンテンツが提供されており、これらのコンテンツを楽しむ際にもビデオゲームを楽しむ場合と同様に各々のシチュエーションに適したコントローラが求められている。
【0004】
特許文献1には、コントローラ本体が左右のユニットに分割可能に構成されており、右側のユニットの筐体の一部に設けられた雄型を左側のユニットの筐体の一部に設けられた雌型に挿し込むことにより両ユニットを連結して一個のコントローラとして使用できるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-313492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載のコントローラでは、筐体の一部に雄型または雌型からなる連結部が設けられているため、左右のユニットを分離した状態で使用する場合には連結部が外部に突き出した状態となる。このため、分離した状態で各ユニットを使用するときには連結部を避けるようにしてコントローラを保持する必要があり、コントローラが保持し難いという問題がある。
【0007】
本発明は、他のコントローラと連結可能であり、且つ、非連結状態で使用する場合においてもユーザが手で保持し易いコントローラ、システム、及びコントローラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコントローラは、手で保持した状態で使用するコントローラであって、操作部が設けられたコントローラ本体と、コントローラ本体を他のコントローラに連結するための連結用アームと、を備え、連結用アームは、先端部がコントローラ本体から離れた位置で他のコントローラに連結され、他のコントローラから分離した非連結状態で先端部がコントローラ本体側に退避するよう、コントローラ本体に回転可能に支持されていることを特徴とする。
【0009】
本発明のコントローラでは、連結用アームは、正面視においてコントローラ本体から突き出す位置まで回転することにより他のコントローラと連結可能となるように構成されるものでもよい。
【0010】
本発明のコントローラにおいて、コントローラ本体は、両手で保持したときに双方の手で各々操作可能な位置に第1操作部と第2操作部が設けられており、第1操作部および第2操作部のうち少なくとも一方はコントローラ本体を片手で保持したときにコントローラ本体を保持している方の手で操作可能な位置に設けられていてもよい。
【0011】
本発明のコントローラにおいて、連結用アームは前記コントローラ本体に対する回転位置が位置決めされてもよい。
【0012】
本発明のコントローラにおいて、連結用アームは、正面視においてコントローラ本体の両側方向に回転可能となるように当該コントローラ本体に支持されてもよい。
【0013】
本発明のシステムは、上記いずれかの発明に係るコントローラと、当該コントローラと通信する本体装置とを備え、前記コントローラ本体の姿勢を判別する判別部と、ユーザによって操作された前記操作部からの情報を前記判別された姿勢に応じた情報へと変換する変換部と、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明のコントローラシステムは、手で保持した状態で使用する第1コントローラと第2コントローラを備え、前記第1コントローラは、操作部が設けられたコントローラ本体と、前記第2コントローラに連結するための連結用アームと、を含み、前記連結用アームは、先端部が前記コントローラ本体から離れた位置で前記第2コントローラに連結され、当該第2コントローラから分離した非連結状態で当該先端部が前記コントローラ本体側に退避するよう、前記コントローラ本体に回転可能に支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のコントローラ、システム、及びコントローラシステムによれば、連結用アームはその先端部が非連結状態においてコントローラ本体側に退避するよう回転可能に支持されている。このため、非連結状態でコントローラ本体を使用する場合には、連結用アームを退避するよう回転移動させることができる。この結果、非連結状態においてもコントローラ本体を保持し易くできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1(a)はコントローラシステムの正面図である。図1(b)はコントローラシステムに含まれる第1コントローラの正面構成図である。図1(c)は、図1(b)に示す第1コントローラの背面構成図である。図1(d)は、図1(c)に含まれる連結用アームを回転させた状態を示す図である。
図2図2(a)は、第1コントローラにおけるコントローラ本体および連結用アームの構成を示す分解斜視図である。図2(b)は、第2コントローラにおける連結用アームの一部構成を示す斜視図である。
図3図3(a)は、第1コントローラにおける側面構成とともに内部の断面構成を一部示す図である。図3(b)は、第1コントローラにおけるコントローラ本体から連結用アームを取り外した状態を示す図である。図3(c)は、コントローラ本体に取り付けられる連結用アームのコントローラ本体側の構成を示す平面図である。
図4図4(a)は、図1(a)に示すコントローラシステムに含まれる第1コントローラ及び第2コントローラの位置を入れ替えた場合の使用例を示す図である。図4(b)は、図1(a)に示すコントローラシステムに含まれる第1コントローラ及び第2コントローラが各連結用アームに対してなす角度を変更した場合の使用例を示す図である。
図5図5(a)は、第1コントローラを横持ちする場合にアナログスティックを右手で操作する場合の使用方法を説明する図である。図5(b)は、第1コントローラを横持ちする場合にアナログスティックを左手で操作する場合の使用方法を説明する図である。
図6図6はシステムのブロック図である。
図7図7(a)は、図6に示すMCUの処理の流れを示すフロー図である。図7(b)は、第1コントローラのアナログスティックの入力方向を示す図である。
図8図8(a)は、スマートテレビにおいてコントローラ本体の姿勢を判別する態様を示すフロー図である。図8(b)は、コントローラ本体の姿勢を選択する画面表示の例を示す図である。
図9図9(a)は、回転支持機構の変形例における第1コントローラのコントローラ本体側の構成を説明する図である。図9(b)は、回転支持機構の変形例における第1コントローラの連結用アーム側の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態であるコントローラシステム10について、図面を参照しながら説明する。図1(a)はコントローラシステム10の正面構成図であり、同図(b)は同システム10に含まれる第1コントローラ20の正面構成図である。また、図1(c)は第1コントローラ20の背面側構成図であり、同図(d)は図1(c)に示す状態から第1コントローラ20の連結用アーム27を回転させた状態を示す図である。
【0018】
図1(a)~図1(d)に示すように、コントローラシステム10は、インターネットを介して提供される各種映像コンテンツ、例えば、スマートテレビ等の表示画面に表示される文字、図形、記号などの操作、或は、当該画面に表示されるボタン等の操作の他、ゲーム内に登場するキャラクター等の操作を行う機能を有する。このコントローラシステム10は、左右の手で各々把持する第1コントローラ20と第2コントローラ30を含む。各コントローラ20,30の構成は実質的に同一であるため以下の説明では第1コントローラ20の構成について主として説明を行い、第2コントローラ30については適宜説明を省略する。
【0019】
図1(b)に示すように、第1コントローラ20は、上下両端が丸みを帯びた略縦長箱状、換言すると、スティック状の外観形状を呈するコントローラ本体22を含む。コントローラ本体22は、正面側に、アナログスティック(第1操作部)23と、第1操作ボタン群(第2操作部)24と、第2操作ボタン群(第2操作部)25を備える。アナログスティック23は、コントローラ本体22に揺動可能に支持された操作レバーであり、正面上部に配置されている。第1操作ボタン群24は、4つの押釦24a,24b,24c,24dを略十字状をなすように互いに向かい合わせに正面中央部に配置して構成されている。第2操作ボタン群25は、第1操作ボタン群24の直下方に3つの押釦25a,25b,25cを横一列に並べて構成されている。
【0020】
コントローラ本体22の幅寸法tは、片手で把持(保持とも表現できる)可能な長さに設定されており、アナログスティック23、第1操作ボタン群24、及び、第2操作ボタン群25は、コントローラ本体22の中央部に上方から下方に向かってこの順に配置されている。このような構成であるため、片手でコントローラ本体22を把持している、いわゆる縦持ちしている場合において、把持している手でアナログスティック23、第1操作ボタン群24、及び、第2操作ボタン群25を操作することができる。本実施形態では、コントローラ本体22を片手で把持した場合に、把持している手で操作可能な位置にアナログスティック23,各操作ボタン群24,25が各々配置されているが、いずれか1つだけを把持している手で操作可能な位置に設けるようにしてもよい。
【0021】
また、コントローラ本体22には、図1(c)に示すように、上端面にも2つの操作ボタン26a,26bが設けられている。
【0022】
第1コントローラ20は、図1(c)及び図1(d)に示すように、コントローラ本体22に回転可能に支持された連結用アーム27を含む。図1(c)はコントローラ本体22の背面側に設けられた退避場所Pに連結用アーム27が位置している状態を示し、図1(d)は連結用アーム27が回転して図1(a)に示すように正面視においてコントローラ本体22から突き出した状態を示す図である。ここで、図2(a)は、コントローラ本体22および連結用アーム27の構成を示す分解斜視図であり、同図(b)は第2コントローラ30における連結用アーム37の一部の構成を示す斜視図である。
【0023】
図2(a)に示すように、連結用アーム27は、コントローラ本体22よりも全長が短く、退避場所Pに退避された状態の正面視において、コントローラ本体22に隠れることができる大きさに形成されている。また、連結用アーム27は、後述する回転支持機構28が設けられている端部27aの方が薄い板状をなし反対側端部(先端部)27bが厚肉となる曲面形状Rを有する。連結用アーム27の曲面形状Rは、退避場所Pにおいてコントローラ本体22の背面側の形状にフィットするように構成されている。そして、連結用アーム27の反対側端部27bにおける端面には、略円盤状のマグネットMG1,MG2が各々固定されている。両マグネットMG1,MG2の周囲を取り囲むように上記端面の4つの角部のうち対角をなす2つの角部に位置合わせ用突起27b-1,27b-2が各々設けられている。そして、残り2つの角部に位置合わせ用窪み27b-3,27b-4が各々設けられている。
【0024】
この位置合わせ用突起27b-1,27b-2は、両コントローラ20,30における連結用アーム27のマグネットMG1,MG2と、連結用アーム37のマグネットMG3,MG4が互いに吸着して連結されるときに、第2コントローラ30における連結用アーム37の端部37bの対応する位置に設けられた位置合わせ用窪み37b-1,37b-2に嵌まり込む。
【0025】
そして、この際、位置合わせ用窪み27b-3,27b-4は、第2コントローラ30の対応する位置に設けられた位置合わせ用突起37b-3,37b-4に嵌まり込む。これにより、上述したマグネットMG1~MG4の磁力により連結用アーム27,37を介して両コントローラ20,30が連結されているときに、両連結用アーム27,37の連結位置が予め設定されている位置からずれるのを防止できる。
【0026】
ここで、図3(a)は第1コントローラ20の側面構成図であり、同図(b)は同コントローラ20から連結用アーム27を取り外した状態を示す図であり、同図(c)はコントローラ本体22に取り付けられる連結用アーム27のコントローラ本体22側の構成を示す平面図である。なお、図3(a)では、第1コントローラ20内部の断面構成を一部示している。
【0027】
図3(a)~図3(c)に示すように、コントローラ20は、連結用アーム27の回転支持機構28を背面側に備えている。この回転支持機構28は、連結用アーム27に設けられた複数の係合爪28-1~28-8と、この係合爪28-1~28-8が着脱自在に係合するようにコントローラ本体22に設けられた支持軸22aを含む。
【0028】
複数の係合爪28-1~28-8は、連結用アーム27の端部27aの方に形成された平面視略円状をなす窪み28fにおいて、同じ円周上に等間隔で並ぶように各々立設している。一方、コントローラ本体22の背面側中央部には、図3(a)及び図3(b)に示すように支持軸22aがコントローラ本体22にボルトBT1,BT2,BT3で固定されている。
【0029】
図3(a)に示すように、この支持軸22aは、突出端に鍔状に張り出してなるフランジ22a-1が設けられており、上述した複数の係合爪28-1~28-8が当該フランジ22a-1と着脱可能に係合することにより連結用アーム27をコントローラ本体22に回転可能に支持させる機能を有する。このように支持された連結用アーム27は、各々の係合爪28-1~28-8とフランジ22a-1との間に生じる摩擦力によって回転角度が保持される。すなわち、連結用アーム27は、コントローラ本体22の両側方向に回転可能になるように、コントローラ本体22に支持されている。本実施形態では、支持軸22aに回転支持された連結用アーム27は、直上方のコントローラ本体22に設けられた段差部22bに当接するように構成されている。このため、連結用アーム27の回転可能範囲は、退避場所Pを基準として左右方向に各々約120°の範囲に規制されている。
【0030】
上記構成により、連結用アーム27のコントローラ本体22に対する回転方向を変更することにより、図4(a)に示すように、連結状態において両コントローラ20,30の左右の位置を入れ替えることが可能となる。これにより、正面視において、第1コントローラ20が右側であり、第2コントローラ30が左側となるように連結することもできるし、反対に第1コントローラ20が左側であり、第2コントローラ30が右側となるように連結することもできる。このため、遊戯者の利き腕が右手であるか、左手であるかに対応して両コントローラ20,30の左右の位置を入れ替えることができる。この結果、右利きおよび左利きの遊戯者、それぞれに操作し易い状態で両コントローラ20,30を連結することができる。
【0031】
上述した構成により、連結用アーム27は、正面視においてコントローラ本体22から突き出す位置まで左右いずれかの方向に退避場所Pから回転することで第2コントローラ30の連結用アーム37と連結可能となる。
【0032】
本実施形態のコントローラ20によれば、連結用アーム27はその端部27bが非連結状態においてコントローラ本体22の退避場所Pの方に退避するよう回転可能に支持されている。このため、非連結状態でコントローラ本体22を使用する場合には、連結用アーム27を退避場所Pに回転移動させることができる。この結果、非連結状態においてもコントローラ本体22を保持し易くできる。
【0033】
また、本実施形態のコントローラシステム10によれば、連結用アーム27,37を介して両コントローラ20,30を連結することにより各コントローラ20,30を各々左右の手で保持して使用するゲームパッドとして使用することができる。また、図4(b)に示すように、連結用アーム27,37は、各コントローラ20,30に対して回転可能であるため、連結用アーム27,37に対する両コントローラ20,30の角度を持ち易い角度に調節することもできる。
【0034】
<他の使用例>
上記実施形態では、第1コントローラ20を片手で把持する、いわゆる縦持ち状態で使用する例を挙げて説明した。しかしながら、図5(a)および図5(b)に示すようにコントローラ本体22を両手で把持する、いわゆる横持ちした状態で使用するようにしてもよい。図5(a)はアナログスティック23を右手で、各操作ボタン群24,25を左手で操作する場合を示す図である。一方、同図(b)は、アナログスティック23を左手で、各操作ボタン群24,25を右手で操作する場合を示す図である。
【0035】
このように、第1コントローラ20及び第2コントローラ30は、縦持ちと横持ちが可能となっているので、その持ち方(コントローラ本体22の姿勢)に応じた情報がスマートテレビ100(図6)に送信される。具体的には、本発明のシステム200を示す図6に記載されているように、当該第1コントローラ20(第2コントローラ30も同様の構成であるため説明を省略する。)は、上述したアナログスティック23、第1操作ボタン群24、及び第2操作ボタン群25に加えて、マイクロコンピュータ(以下、MCU38という)、加速度センサー39、及びBluetooth(登録商標)モジュール40を備えおり、アナログスティック23、各操作ボタン群24,25、加速度センサー39、及びBluetoothモジュール40はMCU38に電気的に接続された構成となっている。
【0036】
MCU38には、アナログスティック23、各操作ボタン群24,25から入力された信号を操作情報としてスマートテレビ100に送信するプログラムが予め格納されており、電力が供給されるとMCU38は図7(a)に示すように動作する。
【0037】
(1)先ず、MCU38は、Bluetoothモジュール40を介して、スマートテレビ100に設けられたBluetoothモジュール140との通信を開始する(s10)。
(2)次に、MCU38は、加速度センサー39から出力された信号に基づいてコントローラ本体22の姿勢を判別し、判別された姿勢を指標する姿勢フラグがメモリに記憶される。姿勢の判別は、加速度センサー39から出力されるx軸、y軸、及びz軸の各々の出力信号をA/D変換して各軸の出力値を得て、各軸の出力値を所定の閾値と比較することによりコントローラ本体22の姿勢、即ち縦持ち状態であるか、横持ち状態であるかを判定する。このように、MCU38と加速度センサー39はコントローラ本体22の姿勢を判別する判別部としても機能する(s20)。
(3)コントローラ本体22の姿勢が判別されると、MCU38は、アナログスティック23、各操作ボタン群24,25、及び加速度センサー39から入力された信号に基づいて入力情報を取得し(s30)、入力情報をコントローラ本体22の姿勢(姿勢フラグ)に応じた操作情報へと変換する。操作情報への変換は、例えば、コントローラ本体22の姿勢に対応した変換規則を予め定めておき、当該変換規則に基づいて変換される。変換規則としては、縦持ちした場合の縦持ち変換規則、アナログスティック23を右手で操作する場合(図5(a))の一の横持ち変換規則、及びアナログスティック23を左手で操作する場合(図5(b))の他の横持ち変換規則である。例えば、図7(b)に示す各姿勢において、A方向を指標するアナログスティック23の入力情報に対して、縦持ち変換規則では操作情報として「上」が定められ、一の横持ち変換規則では操作情報として「右」が定められ、他の横持ち変換情報では操作情報として「左」が定められている。同様に、B方向を指標するアナログスティック23の入力情報に対して、縦持ち変換規則では「右」、一の横持ち変換規則では「下」、他の横持ち変換規則では「上」が定められている。また、同様に、C方向を指標するアナログスティック23の入力に対して、縦持ち変換規則では「下」、一の横持ち変換規則では「左」、他の横持ち変換規則では「右」が定められている。また、同様に、D方向を指標するアナログスティック23の入力に対して、縦持ち変換規則では「左」、一の横持ち変換規則では「上」、他の変換規則では「下」が定められている。なお、アナログスティック23だけでなく、各操作ボタン24,25の入力、加速度センサー39の傾きや振動に関する入力についても同様にコントローラ本体22の姿勢に対応した変換規則を予め定めておいてもよい。このように、MCU38は操作部(アナログスティック23及び各操作ボタン群24,25)および、加速度センサー39からの入力に基づいて入力情報を取得する取得部、入力情報をコントローラ本体22の姿勢に応じた操作情報へと変換する変換部として機能する(s40)。
(4)操作情報が決定されると、MCU38は、Bluetoothモジュール40を制御して、操作情報をスマートテレビ100に送信する(s50)。このように、Bluetoothモジュール40は操作情報を送信する送信部として機能する。そして、s30~s50が定期的に実行され、ユーザによる操作が生じる度に操作情報がスマートテレビ100へと送信される。
【0038】
なお、上記のフローS10~S50は、第1コントローラ20に電力が供給された場合を例にして説明したが、上記のフローは、スマートテレビ100が起動された場合や、MCU38がスリープ状態から復帰した場合、又はスマートテレビ100で提供されるアプリケーション(映像コンテンツの提供やゲーム)が切り替えられた場合などに実行される。すなわち、第1コントローラ20又はスマートテレビ100からの要求に基づいてステップs10が実行され、当該要求に基づいてステップs20においてコントローラ本体22の姿勢が判別される。これにより、コントローラ本体22の姿勢が再度判別されることとなる。そして、再度判別された姿勢に基づいてステップs30~s50が実行される。
【0039】
また、判別部として機能する加速度センサー39に代えて、ユーザにより切り替え操作がなされる切替スイッチを設けても構わない。このような態様においては、MCU38は、切替スイッチからの入力に基づいてコントローラ本体22の姿勢を判別する。
【0040】
スマートテレビ100は、図6に示すように、CPU138、メモリ139、Bluetoothモジュール140、及びWifiモジュール141を備えており、メモリ139、Bluetoothモジュール140、及びWifiモジュール141が電気的にCPU138に接続された構成となっている。CPU138はメモリ139に記憶されたプログラムを実行することにより、インターネットを介して提供される各種映像コンテンツや、メモリ139に記憶されたゲームを提供する。映像コンテンツやゲームを提供するに際して、CPU138は、Bluetoothモジュール140を介して第1コントローラ20や第2コントローラ30からの操作情報を取得し、取得した操作情報に基づいて、映像コンテンツの選択などを行う。
【0041】
このように、第1コントローラ20を横持ちする場合には、ユーザが右利きであるか左利きであるかという点や、その他、使用するときのシチュエーションに応じて各コントローラ20の持ち方を変えることもできる。
【0042】
なお、上記の使用例では、第1コントローラ20および第2コントローラ30が判別部および変換部を備える態様であったが、判別部や変換部を本体装置であるスマートテレビ100に設けてもよい。
(1)このような態様においては、図8(a)に示すように、スマートテレビ100と第1コントローラ20との間での通信が開始されると(s100,s10)、CPU138は選択画面(図8(b))を出力する(s110)。選択画面は、コントローラ本体22の持ち方をユーザに選択させる画面であって、縦向きおよび横向きのコントローラ本体22の画像を含む。
(3)この状態において、縦持ち状態の第1コントローラ20のCPU38が、アナログスティック23や各操作ボタン群24,25の入力情報を取得し(s30)、取得した入力情報をスマートテレビ100へと送信する(s51)。
(4)入力情報を受信すると、スマートテレビ100のCPU138は、入力情報に従ってコントローラ本体22の画像上に目印となるポインタを移動させて、コントローラ本体22の持ち方(姿勢)を決定する(s130)。
このように、スマートテレビ100のCPU138は、選択画面を出力し、第1コントローラから受信した入力情報に基づいて持ち方を決定することで、コントローラ本体の姿勢を判別する判別部として機能している。なお、選択画面の出力(s110)は、スマートテレビ100の起動時やスマートテレビ100でのアプリケーションが切り替えられた際などに実行され、その都度、コントローラ本体22の姿勢が判別されることとなる。
【0043】
また、スマートテレビ100のメモリ139(図6)には、上述した変換規則がコントローラ本体22の姿勢に対応して定められている。スマートテレビ100のCPU138は、コンテンツを提供するに際して(s200)、第1コントローラ20から入力信号を受信し、上記判別したコントローラ本体22の姿勢に基づいて入力情報を操作情報へと変換する。
【0044】
<変形例1>
なお、本実施形態において、両コントローラ20,30は、互いに連結可能に構成された連結用アーム27,37を各々備える例を挙げて説明しているが、いずれか一方のコントローラにのみ連結用アームを設け、その連結用アームが他方のコントローラに連結可能となる構成でもよい。
【0045】
<変形例2>
また、上記実施形態では、コントローラ本体22がスティック状の外観形状を呈するように形成されていたが、コントローラ本体22の形状は当該スティック状に限定されない。また、コントローラ本体22の形状によっては、連結用アーム27をコントローラ本体22の片側側面に設けてもよい。また、連結用アーム27は、先端部(端部27b)がコントローラ本体22から離れた位置でコントローラ30の連結用アーム37に連結され、第2コントローラ30から分離した非連結状態で先端部(端部27b)がコントローラ本体22側に退避するよう、他端部(端部27a)がコントローラ本体22に回転可能に支持されればよい。
【0046】
<変形例3>
また、上記実施形態では、コントローラ本体22の背面側に形成され、退避場所Pに対して突出するように形成された段差部22bによって、連結用アーム27の回転可能範囲が、左右方向に、各々約120°の範囲に規制されていたが、当該連結用アーム27の回転可能範囲は左右方向に90°や他の角度であっても構わない。また、段差部22bは、退避場所Pに対して突出するように形成された突起であっても構わない。すなわち、連結用アーム27の回転可能範囲を所定の範囲に規制するストッパーであれば、如何なる態様であっても構わない。
【0047】
<変形例4>
続いて、図9(a)および図9(b)を用いて第1コントローラ20における回転支持機構28の変形例である回転支持機構128について説明する。図9(a)は、回転支持機構128のコントローラ本体22の背面側構成を示す図である。図9(b)は、回転支持機構128の連結用アーム27側の構成を示す図である。以下の説明において、回転支持機構128が上記実施形態における回転支持機構28の構成と異なる部分についてのみ説明し、構成が共通する部分については同一の符号を付して示すとともに適宜説明を省略する。
【0048】
回転支持機構128は、コントローラ本体22における支持軸22aの突出端におけるボルトBT1とボルトBT2の間にドーム状の突起TKを含む。また、回転支持機構128は、突起TKに嵌まり込むようにディンプルD0~D12(以下、適宜、「ディンプル群D」と表記)が連結用アーム27における窪み28f内に各々設けられている。このディンプル群Dは、隣り合うディンプルのなす中心角が30°なるように等間隔で同一円周上に設けられ、連結用アーム27が支持軸22aに取り付けられた状態で回転するのに伴い上述した突起TKが摺動可能に順に嵌まりこむ位置に設けられている。
【0049】
より具体的には、連起TKがディンプルD0に嵌まり込んだときに連結用アーム27は退避場所Pに位置している。そして、ディンプルD1,D2,D3,D4の順に突起TKが嵌まり込むのに伴って連結用アーム27は30°ずつ正面視において左回転する。一方、ディンプルD0からディンプルD5,D6,D7,D8の順に突起TKが嵌まり込むのに伴って連結用アーム27は30°ずつ正面視において右回転する。これにより、ディンプル群Dに突起TKが嵌まり込むたびにコントローラ本体22に対する連結用アーム27の回転位置が一時的に固定される。この結果、コントローラ本体22に対する連結用アーム27の回転(角度)位置をより保持しやすくできる。
【0050】
<変形例5>
また、上記実施形態では、本体装置としてスマートテレビ100を例に挙げて説明したが、本体装置はスマートテレビ100に限定されず、テレビに接続されるセットトップボックスやゲーム機、又は、パソコンやスマートフォンやタブレット端末などの携帯情報端末であっても構わない。
【0051】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【符号の説明】
【0052】
10 コントーラシステム
20 第1コントローラ
22 コントローラ本体
22a 支持軸
23 アナログスティック(第1操作部)
24 第1操作ボタン群(第2操作部)
25 第2操作ボタン群(第2操作部)
27,37 連結用アーム
27a 端部(先端部)
28 回転支持機構
28-1~28-8 係合爪
30 第2コントローラ(他のコントローラ)
100 スマートテレビ(本体装置)
200 システム
MG1~MG4 マグネット
P 退避場所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9