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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】油濾過還元装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/12 20060101AFI20230407BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
A47J37/12 321
A47J37/12 391
B01D35/02 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019058846
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2020156728
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】荒木 守
(72)【発明者】
【氏名】河邑 貴広
(72)【発明者】
【氏名】市川 惠
【審査官】武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-013588(JP,A)
【文献】特開2009-195593(JP,A)
【文献】特開2001-327413(JP,A)
【文献】特開2016-199661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/12
B01D 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象物の調理のための油が貯留される油槽を有するフライヤーに用いる油濾過還元装置であって、
前記油槽にて使用された油から不純物を濾す濾過部と、
前記油槽にて使用された油を還元する還元部と、
前記油槽にて使用された油を受け入れると共に受け入れた油に接触する状態で前記還元部を配設可能な濾過槽とを有する濾過還元ユニットを備え、
前記濾過還元ユニットは、前記油槽の上方の位置であり濾過還元した後の濾過還元油を前記油槽へ還流する油還流位置に配設自在に構成されており、
前記フライヤーの前記油槽は、対向する一対の壁部を有するものであり、
前記油還流位置にある前記濾過還元ユニットを前記油槽に対して位置決め固定する位置決め部が前記濾過槽の下方に設けられており、
前記位置決め部は、一対の前記壁部の一方側の一方側壁部の上端に接地する接地部位であると共に前記一方側壁部の内面と外面とに沿って伸びる一対の鍔部であり、
且つ、一対の前記壁部の他方側の他方側壁部の上端に接地可能で水平方向に延設される平面部位である油濾過還元装置。
【請求項2】
前記フライヤーは、前記油槽を床面に対して支持する脚部を有すると共に、前記油槽の下方で前記脚部の間に収納空間を有するものであり、
前記濾過還元ユニットは、前記収納空間に位置して前記油槽から吐出された油を前記油槽の下方にて受け入れる油受入位置から、前記油還流位置へ一体的に移動自在に構成される請求項に記載の油濾過還元装置。
【請求項3】
前記濾過還元ユニットは、床面に接地するキャスターを有して床面に沿って移動自在な台車に載置可能に構成されると共に、
前記台車に載置された状態で、前記収納空間の内部の前記油受入位置と、前記収納空間の外部との間で移動自在に構成されている請求項に記載の油濾過還元装置。
【請求項4】
前記還元部は、前記油を還元するための還元剤を袋状の不織布の内部へ封入した還元パックと、前記還元パックを前記濾過槽の内部で上方から押さえる押圧部材とから構成されている請求項1~の何れか一項に記載の油濾過還元装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱対象物の調理のための油が貯留される油槽を床面に対して支持する脚部を有すると共に、前記油槽の下方で前記脚部の間に前記濾過還元ユニットを収納可能な収納空間を有するフライヤーに用いる油濾過還元装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油の濾過還元装置として加熱対象物の調整のための油を貯留する油槽を加熱するフライヤーとは別置きで、濾過部と還元部とを濾過槽に備える自重式の濾過還元装置が知られている(公知文献がないため開示できない)。
当該濾過還元装置を用いる場合、フライヤーの下方に、フライヤーから排出された使用済油を貯留する一次貯留タンクを設置し、一次貯留タンクを濾過還元装置の濾過槽の上方へ移動して、当該一次貯留タンクに貯留された使用済油を濾過槽に流入させて濾過部と還元部とにより濾過還元した後、濾過還元された濾過還元油を、濾過槽からその下方に設置される二次貯留タンクへ排出し、二次貯留タンクをフライヤーの油槽の上方へ移動して、濾過還元油を油槽に還流する。
また、フライヤーの下方に使用済油を濾過槽にて濾過する濾過装置として、濾過槽とフライヤーの油槽とをつなぐ油通流路を備えると共に、当該油通流路にて濾過槽から油槽へ濾過油を圧送する圧送ポンプを備えたものが知られている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-180224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の濾過還元装置によれば、フライヤーとは別置きであるため多くの設置スペースが必要であると共に、一度の濾過還元工程を実行する際に、一時貯留タンクを濾過還元装置の濾過槽の上方へ移動する必要があると共に、二次貯留タンクをフライヤーの油槽の上方へ移動させる必要があり、作業者の作業工程が多いという問題があった。
一方、上記特許文献1に開示の濾過装置にあっては、圧送ポンプ及び油通流路を設ける必要があるため構成が比較的複雑になるという問題があると共に、圧送ポンプや油通流路等の設置スペースが必要であった。また、圧送ポンプの初期コスト、動力コスト、及びメンテナンスコストがかかるため、経済性の観点から改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で経済的に合理性のある構成を維持しながらも、濾過還元に伴う作業工程を簡略化できる油濾過還元装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための油濾過還元装置は、
加熱対象物の調理のための油が貯留される油槽を有するフライヤーに用いる油濾過還元
装置であって、その特徴構成は、
前記油槽にて使用された油から不純物を濾す濾過部と、
前記油槽にて使用された油を還元する還元部と、
前記油槽にて使用された油を受け入れると共に受け入れた油に接触する状態で前記還元
部を配設可能な濾過槽とを有する濾過還元ユニットを備え、
前記濾過還元ユニットは、前記油槽の上方の位置であり濾過還元した後の濾過還元油を
前記油槽へ還流する油還流位置に配設自在に構成されており、
前記フライヤーの前記油槽は、対向する一対の壁部を有するものであり、
前記油還流位置にある前記濾過還元ユニットを前記油槽に対して位置決め固定する位置決め部が前記濾過槽の下方に設けられており、
前記位置決め部は、一対の前記壁部の一方側の一方側壁部の上端に接地する接地部位であると共に前記一方側壁部の内面と外面とに沿って伸びる一対の鍔部であり、
且つ、一対の前記壁部の他方側の他方側壁部の上端に接地可能で水平方向に延設される平面部位である点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、濾過部と還元部と濾過槽とを有する濾過還元ユニットを、フライヤーの油槽の上方の油還流位置に配設することで、例えば、油槽からの使用済油を他の一次貯留容器に貯留し、当該一次貯留容器から濾過還元ユニットへ使用済油を流入することで、濾過還元を実行できる。更に、例えば、濾過還元後に、濾過槽の下端の排出口を開放することにより、濾過還元後の濾過還元油を油槽に戻すことができる。
即ち、比較的重い使用済油の運搬を一回に減らすことができ、簡易な構成で経済的に合理性のある構成を維持しながらも、濾過還元に伴う作業工程を簡略化できる油濾過還元装置を実現できる。
【0009】
上記特徴構成によれば、位置決め部が、油還流位置にて油槽に対して前記濾過槽を位置決めするから、濾過還元ユニットを油槽に対して、濾過還元油を油槽へ適切に還流できる状態で位置決めできる。
更に、位置決め部は、一対の壁部の一方側の一方側壁部の上端に接地する接地部位であると共に一方側壁部の内面と外面とに沿って伸びる一対の鍔部であり、且つ、一対の壁部の他方側の他方側壁部の上方部位が、水平方向に延設される平面部位であるから、一対の壁部の間隔が変化した場合であっても、水平方向に延設される平面部位が他方側壁部の上端に載置される形で、油槽の壁部の上端に濾過還元ユニットが載置可能となる。
結果、一対の壁部の間隔(間口)が異なるサイズの油槽を有する種々のフライヤーに対して、適切に位置決めしながらも使用可能な油濾過還元装置を実現できる。
【0010】
油濾過還元装置の更なる特徴構成は、
前記フライヤーは、前記油槽を床面に対して支持する脚部を有すると共に、前記油槽の下方で前記脚部の間に収納空間を有するものであり、
前記濾過還元ユニットは、前記収納空間に位置して前記油槽から吐出された油を前記油槽の下方にて受け入れる油受入位置から、前記油還流位置へ一体的に移動自在に構成される点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、フライヤーの使用後で油温が比較的高温である場合であっても、例えば、フライヤーの油槽の吐出口のバルブを閉止状態から開放状態へ操作するだけで、高温の油を人手で運ぶことなく濾過槽へ排出できるから、安全に濾過及び還元を実行できる。また、当該構成によれば、濾過還元を開始するまでに、油が冷めきるまで長い待機時間を必要とせず、濾過還元時間の短縮を図ることができる。
【0012】
油濾過還元装置の更なる特徴構成は、
前記濾過還元ユニットは、前記床面に接地するキャスターを有して前記床面に沿って移動自在な台車に載置可能に構成されると共に、
前記台車に載置された状態で、前記収納空間の内部の前記油受入位置と、前記収納空間の外部との間で移動自在に構成されている点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、収納空間に位置する油受入位置と収納空間の外部との間での濾過還元ユニットの移動を、台車を介して容易にでき、操作性を向上できる。
【0014】
油濾過還元装置の更なる特徴構成は、
前記還元部は、前記油を還元するための還元剤を袋状の不織布の内部へ封入した還元パックと、前記還元パックを前記濾過槽の内部で上方から押さえる押圧部材とから構成されている点にある。
【0015】
従来、還元処理としては、濾過槽に対して粉末状の還元剤を散布する形で行われていたが、当該方法では、粉末状の還元剤が空気中に飛散するといった問題があった。
上記特徴構成によれば、油を還元するための還元剤を袋状の不織布の内部へ封入した還元パックとして還元剤を供給するから、還元剤が空気中に飛散することを防止できる。
更に、このような還元パックを用いた場合、還元パック内の水蒸気が油の熱により気化して、濾過槽にて油から浮き上がる等の事象が生じることが考えられるが、押圧部材により還元パックを上方から押さえる構成をとることで、還元パックを適切に濾過槽の油の内部に留めて、還元処理を確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る油濾過還元装置の概略構成図である。
図2】濾過還元ユニットを油受入位置に配設している場合に、フライヤーの油槽から油濾過還元装置の濾過槽へ油を排出する場合の作用図である。
図3】濾過還元ユニットを油還流位置に配設している場合に、油濾過還元装置の濾過槽からフライヤーの油槽へ濾過還元油を還流する場合の作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る油濾過還元装置100は、簡易な構成で経済的に合理性のある構成を維持しながらも、濾過還元に伴う作業工程を簡略化できるものに関する。
以下、図1~3に基づいて油濾過還元装置100を説明する。
【0018】
当該実施形態に係る油濾過還元装置100は、加熱対象物の調理のための油Oが貯留される油槽62を床面に対して支持する脚部65を有すると共に油槽62の下方で脚部65の間に収納空間67を有するフライヤー60に用いる。
当該フライヤー60について説明を加えると、図2、3に示すように、油槽62の四方を外囲する筐体68と、油槽62の下方を含む周囲に燃焼排ガスを通流させる形態で油槽62の内部の油Oを加熱可能に構成されている加熱機(図示せず)を備えており、当該加熱機は、操作部61の操作によりON/OFF及び加熱量の調整が可能となっている。
油槽62には、底部から油槽62の内部の油Oを油槽62の下方の収納空間67の側へ排出する排出流路63が設けられると共に当該排出流路63を開閉する開閉バルブ(図示せず)が設けられている。また、当該開閉バルブの開閉は開閉操作部64により外部から操作可能に構成されている。
【0019】
さて、油槽62にて揚物等の加熱調理に使われた後の使用済油Oは、加熱対象物を油槽62にて加熱した際に発生する揚げ滓等の不純物が含まれると共に酸化されて継続使用が難しくなる。そこで、当該実施形態に係る油濾過還元装置100は、以下の構成を有する。
【0020】
油濾過還元装置100は、図1、2に示すように、フライヤー60の油槽62から排出流路63を介して下方へ吐出された油Oから不純物を濾す濾過部20と、油槽62から下方へ吐出された油Oを還元する還元部33と、油槽62から下方へ吐出された油Oを受け入れると共に受け入れた油Oに接触する状態で還元部33を配設可能な濾過槽30とを有する濾過還元ユニットFRUを備えている。
【0021】
濾過槽30の濾過空間32は、図3に示すように、濾過還元ユニットFRUがフライヤー60の油槽62の上方に載置され、濾過還元後の濾過還元油Oを濾過槽30から油槽62へ還流する油還流位置に位置する状態において、油槽62の上方に位置する主濾過空間32aに加え、平面視で油槽62と重畳する箇所から外れる領域に延設される副濾過空間32bから構成されている。
副濾過空間32bは、一度に濾過する油Oの濾過容量を増大するために設けられるものであり、その底面は、主濾過空間32aに近い側ほど低くなるよう傾斜され、濾過還元後に、濾過還元油Oが、副濾過空間32bから主濾過空間32aへ流入するようになっている。更に、主濾過空間32aを形成する濾過槽30の底部には、濾過還元油Oを下方へ排出する排出口36が設けられており、当該排出口36は図示しない開閉バルブにて開閉自在であると共に、当該開閉バブルが図示しない開閉操作部により開閉操作可能に構成されている。
【0022】
更に、主濾過空間32aには、金属網35がその底部に載置される形で設けられており、当該金属網35の上方に、油Oを還元するための還元材を袋状の不織布の内部へ封入した還元パック33cが載置され、当該還元パック33cの油O内での浮揚を防止するために還元パック33cを上方から押さえる押圧部材33bが設けられている。押圧部材33bには、その両端に、上方に延設される形で一対の把持部33aが設けられており、作業者は、当該一対の把持部33aを把持しながら、還元パック33cの上部に押圧部材33bを載置する。当該還元パック33c及び押圧部材33bが還元部33として機能する。
因みに、還元パック33cの不織布の内部には、シリカ・マグネシア系の吸着・精製剤が封入されている。
【0023】
濾過部20は、上部が開放すると共に有底角形状に成形された金網22から構成することができ、金網22の目開きは、揚げ滓等の不純物を濾し取ることを目的として数mm程度に設定されている。
濾過部20の上端淵には、一対のフランジ部21が側方に延設する形で設けられ、当該一対のフランジ部21は、濾過槽30の主濾過空間32aの上端に形成された一対の係合上端部31aに係合可能に構成されている。濾過部20は、一対のフランジ部21が一対の係合上端部31aに係合する形で、主濾過空間32aの内部に位置することになる。
【0024】
濾過槽30の上方には、濾過空間32に還元部33と濾過部20とを設置した状態で、濾過空間32を外部から隔離する形で閉止可能な蓋部11が設けられており、当該蓋部11には、その天面から上方に延設される把持部12が設けられている。作業者は、当該蓋部11の天面に設置される把持部12を把持して蓋部11を移動する形で、蓋部11による濾過槽30の濾過空間32の開閉を行う。
濾過槽30には、その上端から上方へ延設される一対の把持部31bが設けられており、濾過槽30は、上述の蓋部11が載置された状態で、一対の把持部31bを把持可能となっている。
【0025】
これまで説明してきた濾過還元ユニットFRUは、濾過槽30の濾過空間32の内部に濾過部20と還元部33とを配設している状態で、台車40上に載置可能に構成されている。
当該台車40は、床面に接地するキャスター42を有して床面に沿って移動自在に構成されおており、濾過還元ユニットFRUは、当該台車40に載置された状態で、図2に示す収納空間67の内部の油受入位置と、収納空間67の外部との間で移動自在に構成されている。
因みに、濾過還元ユニットFRUが油受入位置に位置する場合、濾過還元油Oをフライヤー60の油槽62から受け入れるべく、蓋部11が取り外されている。
また、濾過還元ユニットFRUは油受入位置に位置する場合、図2に示すように、紙面手前側に間口を向けるフライヤー60に対し、紙面奥側(図2で矢印Y2の矢示基端側)に副濾過空間32bが位置し、紙面手前側(図2で矢印Y2の矢示先端側)に主濾過空間32aが位置するように配設される。
即ち、濾過還元ユニットFRUは、図1のX1が図2のY2に対応し、図1のY1が図2のX2に対応する状態で、油受入位置に位置する。
【0026】
濾過還元ユニットFRUは、油受入位置(図2に示す位置)に位置した状態で、油受入位置にて油Oを受け入れ、濾過及び還元のため所定時間待機後、図3に示すように、フライヤー60の油槽62の上方の油還流位置に配設され、濾過還元油Oが排出口36から油槽62へ還流されることになる。
尚、濾過還元ユニットFRUは、当該濾過還流位置に位置する場合、図1のX1が図3のX2に対応し、図1のY1が図3のY2に対応する状態で、油受入位置に位置する。即ち、図3に示す油還流位置では、フライヤー60の間口に沿う方向が、濾過還元ユニットFRUの主濾過空間32aと副濾過空間32bとが連接される方向とが、同一方向となっている。
【0027】
さて、フライヤー60の油槽62は、図3に示すように、対向する一対の壁部69を有するものである。
濾過槽30の下方には、油還流位置にある濾過還元ユニットFRUを油槽62に対して位置決め固定する位置決め部が設けられている。
当該位置決め部は、一対の壁部69の一方側の一方側壁部69bの上端に接地する接地部位38dであると共に一方側壁部69bの内面と外面とに沿って伸びる一対の鍔部38e、38fであり、且つ、一対の壁部69の他方側の他方側壁部69aの上端に接地可能で水平方向に延設される平面部位38cである。
当該構成を採用することにより、種々の幅の間口を有するフライヤー60に対して共通に利用可能な濾過還元ユニットFRUを実現できる。
【0028】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態において、鉛直方向で上方側から順に、濾過部20と還元部33とを備える構成例を示したが、濾過部20の上方に還元部33を備える構成を採用しても構わない。
【0029】
(2)上記実施形態において、蓋部11及び台車40は、設けなくても本発明の目的を達成することができる。
【0030】
(3)上記実施形態では、濾過還元ユニットFRUは、油槽62の下方の油受入位置と、油槽62の上方の油還流位置との間で一体的に移動自在である例を示した。
他の使用例としては、濾過還元ユニットFRUを油槽62の上方の油還元位置に予め配設しておき、油槽62からの使用済油Oは、他の一時貯留容器に貯留し、当該一時貯留容器から濾過還元ユニットFRUの濾過槽30へ使用済油Oを流入する方法で使用しても構わない。
即ち、濾過還元ユニットFRUは、フライヤー60の油槽62にて使用された油Oから不純物を濾す濾過部20と、油槽62にて使用された油Oを還元する還元部33と、油槽62にて使用された油Oを受け入れると共に受け入れた油Oに接触する状態で還元部33を配設可能な濾過槽30とを有する構成であっても構わない。
【0031】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の油濾過還元装置は、簡易な構成で経済的に合理性のある構成を維持しながらも、濾過還元に伴う作業工程を簡略化できる油濾過還元装置として、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
12 :把持部
20 :濾過部
30 :濾過槽
31a :係合上端部
33 :還元部
33b :押圧部材
33c :還元パック
38c :平面部位
38d :接地部位
38e :鍔部
38f :鍔部
40 :台車
42 :キャスター
60 :フライヤー
62 :油槽
63 :排出流路
65 :脚部
67 :収納空間
69 :壁部
69a :他方側壁部
69b :一方側壁部
100 :油濾過還元装置
FRU :濾過還元ユニット
O :油
O :濾過還元油
図1
図2
図3