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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】検査支援装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20230407BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20230407BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20230407BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230407BHJP
   G01B 11/26 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
E04G21/16
G09B29/00 F
G06T7/00 610Z
G01B11/26 H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019089542
(22)【出願日】2019-05-10
(65)【公開番号】P2020186925
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊二
(72)【発明者】
【氏名】片山 厚子
(72)【発明者】
【氏名】川越 貴子
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-009932(JP,A)
【文献】特開2009-103648(JP,A)
【文献】特開平08-278116(JP,A)
【文献】特開2019-028478(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104680517(CN,A)
【文献】高力ボルト接合 ナット回転角,鉄骨工事Q&A B.工事現場施工編,一般社団法人日本建設業連合会 建築本部鉄骨専門部会,2016年07月01日,B-2-11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01B 11/00 - G01B 11/30
G01L 5/00 - G01L 5/28
G06T 7/00 - G06T 7/90
G01M 13/00 - G01M 13/045
G01M 99/00
E04G 21/14 - E04G 21/22
G09B 23/00 - G09B 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物を構成する2つの鉄骨部材にまたがって配置されたプレート部材と、前記鉄骨部材および前記プレート部材に形成された複数の孔のそれぞれに挿入された高力ボルトと、各前記高力ボルトに螺合するナットと、各前記ナットと前記プレート部材との間に挟持された座金とを含み、前記2つの鉄骨部材を接合する接合部の検査を支援する検査支援装置であって、
前記接合部が撮影された対象画像を取得する画像取得部と、
前記対象画像を解析することにより、前記高力ボルトと前記ナットと前記座金との複数の組合せのそれぞれについて、前記高力ボルト、前記座金または前記プレート部材に付された第1のマークの位置と、前記ナットに付された第2のマークの位置との間の、前記高力ボルトの中心点を中心とした角度を特定する画像解析部と、
特定された前記角度に基づき、前記接合部の検査に用いられる検査画像を生成する画像生成部と、
前記検査画像を表示部に表示させる表示制御部と、
を備え
前記検査画像は、前記高力ボルトと前記ナットと前記座金との前記複数の組合せのそれぞれについて、前記角度の値が合格範囲内にあるか否かを示す画像と、前記合格範囲を示す画像を含む、検査支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検査支援装置であって、
前記検査画像は、前記高力ボルトと前記ナットと前記座金との前記複数の組合せのそれぞれについて、前記角度の値を示す画像を含む、検査支援装置。
【請求項3】
請求項または請求項に記載の検査支援装置であって、
前記画像生成部は、前記高力ボルトと前記ナットと前記座金との前記複数の組合せのそれぞれについての前記角度の平均値に基づき、前記合格範囲を設定する、検査支援装置。
【請求項4】
請求項に記載の検査支援装置であって、
前記画像解析部は、前記対象画像を解析することにより、前記接合部に含まれる前記高力ボルトと前記ナットと前記座金との少なくとも1つの個数を特定し、
前記画像生成部は、特定された前記個数を用いて、前記平均値を算出する、検査支援装置。
【請求項5】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の検査支援装置であって、
前記画像解析部は、前記対象画像を解析することにより、前記高力ボルトの前記中心点の位置と、前記第1のマークと前記第2のマークとを含む複数のマークの位置と、を検出し、複数の前記マークの内、一の前記高力ボルトの前記中心点から2番目に近い前記マークの位置を前記第2のマークの位置として特定し、前記一の高力ボルトの前記中心点から1,3,4番目に近い前記マークの少なくとも1つの位置を前記第1のマークの位置として特定する、検査支援装置。
【請求項6】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の検査支援装置であって、さらに、
前記接合部の構成を示す属性情報を取得する属性情報取得部を備え、
前記画像解析部は、前記属性情報を参照して前記対象画像の解析を行う、検査支援装置。
【請求項7】
請求項に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、前記接合部に含まれる前記高力ボルトの個数を示す情報を含む、検査支援装置。
【請求項8】
請求項または請求項に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、前記接合部に含まれる前記高力ボルトの配置を示す情報を含む、検査支援装置。
【請求項9】
請求項から請求項までのいずれか一項に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、前記接合部に含まれる前記高力ボルトの径を示す情報を含む、検査支援装置。
【請求項10】
請求項から請求項までのいずれか一項に記載の検査支援装置であって、さらに、
前記構造物の二次元図面を表す図面データを取得する図面データ取得部と、
前記構造物の前記接合部の位置に対応する前記二次元図面上の座標を示す座標情報と、前記接合部の位置を示すアイコンと、が互いに関連付けられた地図情報データを取得する地図情報データ取得部と、
操作を受け付ける操作受付部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記図面データに基づいて前記表示部に前記二次元図面を表示させると共に、前記地図情報データに基づいて前記表示部に表示された前記二次元図面上の前記接合部の位置に前記アイコンを表示させ、
前記属性情報取得部は、前記操作受付部が前記アイコンを選択する前記操作を受け付けたことに応じて、選択された前記アイコンに対応する前記接合部の前記属性情報を特定する、検査支援装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の検査支援装置であって、さらに、
前記検査画像を含む検査帳票を表す検査帳票データを作成する検査帳票作成部を備える、検査支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、検査支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物や土木構造物等の構造物を構成する2つの鉄骨部材(例えば、梁の端部部材と中央部部材)を接合する方法として、高力ボルト接合が広く用いられている。高力ボルト接合は、引っ張り耐力の高い高力ボルト(ハイテンションボルト)を所定の力で締め付けることにより、摩擦力を利用して部材間を接合する方法である。
【0003】
高力ボルト接合の際には、接合される2つの鉄骨部材にまたがるようにプレート部材(スプライスプレート)が配置され、各鉄骨部材およびプレート部材に形成された複数の孔のそれぞれに高力ボルトが挿入され、各ナットとプレート部材との間に座金が挟持された状態となるように各高力ボルトにナットが螺合される。そして、ナットの一次締めが行われた後、高力ボルト、ナット、座金およびプレート部材にわたって直線状のマークを付すマーキングが行われ、その後、ナットの本締めが行われる。ナットの本締めにより、ナットに付されたマークの位置が、高力ボルト、座金およびプレート部材に付されたマークの位置から、ナットの回転角度分だけずれる。
【0004】
ナットの本締め後、高力ボルトの締め付け検査が行われる。従来の締め付け検査では、検査者が目視で、高力ボルト、ナット、座金およびプレート部材に付されたマークの位置に基づき、本締めによる各ナットの回転角度を特定し、各ナットの回転角度が合格範囲内にあるか否かを判定する(例えば、特許文献1参照)。合格範囲は、例えば、各ナットの回転角度の平均値から±30度の範囲とされる。ナットの回転角度が合格範囲を超える大きな値であった場合には、高力ボルトが取り替えられ、ナットの回転角度が合格範囲に満たない小さな値であった場合には、再度の締め付けが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5788617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高力ボルトを用いた接合部を対象とした上記従来の締め付け検査では、検査者が目視で各ナットの回転角度を特定したり、各ナットの回転角度に基づき合格範囲を計算したり、各ナットの回転角度が合格範囲内にあるか否かを判定したりする必要があるため、手間がかかると共に検査精度が低下するおそれがあり、さらに、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)が低いという課題がある。
【0007】
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0009】
(1)本明細書に開示される検査支援装置は、構造物を構成する2つの鉄骨部材にまたがって配置されたプレート部材と、前記鉄骨部材および前記プレート部材に形成された複数の孔のそれぞれに挿入された高力ボルトと、各前記高力ボルトに螺合するナットと、各前記ナットと前記プレート部材との間に挟持された座金とを含み、前記2つの鉄骨部材を接合する接合部の検査を支援する検査支援装置であって、前記接合部が撮影された対象画像を取得する画像取得部と、前記対象画像を解析することにより、前記高力ボルトと前記ナットと前記座金との複数の組合せのそれぞれについて、前記高力ボルト、前記座金または前記プレート部材に付された第1のマークの位置と、前記ナットに付された第2のマークの位置との間の、前記高力ボルトの中心点を中心とした角度を特定する画像解析部と、特定された前記角度に基づき、前記接合部の検査に用いられる検査画像を生成する画像生成部と、前記検査画像を表示部に表示させる表示制御部と、を備える。本検査支援装置によれば、鉄骨部材の接合部が撮影された対象画像を解析することにより、高力ボルトとナットと座金との複数の組合せ(以下、「締結単位」という。)のそれぞれについて、高力ボルト、座金またはプレート部材に付された第1のマークの位置と、ナットに付された第2のマークの位置との間の、高力ボルトの中心点を中心とした角度(以下、「ナット回転角度」という。)が特定され、特定されたナット回転角度に基づき生成された検査画像が表示部に表示される。すなわち、本検査支援装置によれば、検査者が目視で各締結単位についてのナット回転角度を特定したり、各締結単位のナット回転角度に基づき合格範囲を計算したり、各締結単位のナット回転角度が合格範囲内にあるか否かを判定したりする必要がない。検査者は、鉄骨部材の接合部が撮影された対象画像を検査支援装置に取得させるだけで、鉄骨部材の接合部の検査に用いられる検査画像を得ることができる。従って、本検査支援装置によれば、検査手間の低減および検査精度の向上を実現することができると共に、検査画像を得ることによって検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)を向上させることができる。
【0010】
(2)上記検査支援装置において、前記検査画像は、前記高力ボルトと前記ナットと前記座金との前記複数の組合せのそれぞれについて、前記角度の値を示す画像を含む構成としてもよい。本検査支援装置によれば、検査画像を参照することによって各締結単位についてのナット回転角度の値を容易に把握することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0011】
(3)上記検査支援装置において、前記検査画像は、前記高力ボルトと前記ナットと前記座金との前記複数の組合せのそれぞれについて、前記角度の値が合格範囲内にあるか否かを示す画像を含む構成としてもよい。本検査支援装置によれば、検査画像を参照することによって各締結単位についての検査の合否を容易に把握することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0012】
(4)上記検査支援装置において、前記検査画像は、前記合格範囲を示す画像を含む構成としてもよい。本検査支援装置によれば、検査画像を参照することによって合格範囲を容易に把握することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0013】
(5)上記検査支援装置において、前記画像生成部は、前記高力ボルトと前記ナットと前記座金との前記複数の組合せのそれぞれについての前記角度の平均値に基づき、前記合格範囲を設定する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、適切な合格範囲を容易に設定することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0014】
(6)上記検査支援装置において、前記画像解析部は、前記対象画像を解析することにより、前記接合部に含まれる前記高力ボルトと前記ナットと前記座金との少なくとも1つの個数を特定し、前記画像生成部は、特定された前記個数を用いて、前記平均値を算出する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、高力ボルトやナットや座金の個数の情報を利用することなく、ナット回転角度の平均値を算出することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0015】
(7)上記検査支援装置において、前記画像解析部は、前記対象画像を解析することにより、前記高力ボルトの前記中心点の位置と、前記第1のマークと前記第2のマークとを含む複数のマークの位置と、を検出し、一の前記高力ボルトの前記中心点に最も近い2つの前記マークの位置を、前記第1のマークおよび前記第2のマークの位置として特定する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、接合部に複数の締結単位が含まれている場合においても、高力ボルトやナットや座金の配置の情報を利用することなく、第1のマークの位置、および、第2のマークの位置を適切に特定することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0016】
(8)上記検査支援装置において、さらに、前記接合部の構成を示す属性情報を取得する属性情報取得部を備え、前記画像解析部は、前記属性情報を参照して前記対象画像の解析を行う構成としてもよい。本検査支援装置によれば、鉄骨部材の接合部の構成を示す属性情報を参照することにより、対象画像における高力ボルト等の画像認識精度を向上させつつ処理時間を短縮することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0017】
(9)上記検査支援装置において、前記属性情報は、前記接合部に含まれる前記高力ボルトの個数を示す情報を含む構成としてもよい。本検査支援装置によれば、鉄骨部材の接合部に含まれる高力ボルトの個数を示す情報を参照することにより、対象画像における高力ボルト等の画像認識精度を効果的に向上させつつ処理時間を短縮することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0018】
(10)上記検査支援装置において、前記属性情報は、前記接合部に含まれる前記高力ボルトの配置を示す情報を含む構成としてもよい。本検査支援装置によれば、鉄骨部材の接合部に含まれる高力ボルトの配置を示す情報を参照することにより、対象画像における高力ボルト等の画像認識精度を効果的に向上させつつ処理時間を短縮することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0019】
(11)上記検査支援装置において、前記属性情報は、前記接合部に含まれる前記高力ボルトの径を示す情報を含む構成としてもよい。本検査支援装置によれば、鉄骨部材の接合部に含まれる高力ボルトの径を示す情報を参照することにより、対象画像における高力ボルト等の画像認識精度を効果的に向上させつつ処理時間を短縮することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0020】
(12)上記検査支援装置において、さらに、前記構造物の二次元図面を表す図面データを取得する図面データ取得部と、前記構造物の前記接合部の位置に対応する前記二次元図面上の座標を示す座標情報と、前記接合部の位置を示すアイコンと、が互いに関連付けられた地図情報データを取得する地図情報データ取得部と、操作を受け付ける操作受付部と、を備え、前記表示制御部は、前記図面データに基づいて前記表示部に前記二次元図面を表示させると共に、前記地図情報データに基づいて前記表示部に表示された前記二次元図面上の前記接合部の位置に前記アイコンを表示させ、前記属性情報取得部は、前記操作受付部が前記アイコンを選択する前記操作を受け付けたことに応じて、選択された前記アイコンに対応する前記接合部の前記属性情報を特定する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、選択されたアイコンに対応する接合部についての属性情報を確実に該接合部に対応付けることができると共に、該属性情報を利用することによって、対象画像における高力ボルト等の画像認識精度を向上させつつ処理時間を短縮することができる。
【0021】
(13)上記検査支援装置において、さらに、前記検査画像を含む検査帳票を表す検査帳票データを作成する検査帳票作成部を備える構成としてもよい。本検査支援装置によれば、検査画像を含む検査帳票を自動的に作成することができ、検査手間のさらなる低減を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0022】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、検査支援装置、検査支援システム、検査支援方法、それらの装置またはシステムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態における検査システム10の構成を示すブロック図である。
図2】検査システム用データD100の構造を示す説明図である。
図3】図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
図4】拡大された図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
図5】選択検査位置KL1における検査画面HSの一例を示す説明図である。
図6】梁SG2の選択検査位置KL1における構造図SDの一例を示す説明図である。
図7】対象画像PH0の一例を示す説明図である。
図8】対象画像PH0の一部(1つの高力ボルトBO付近の部分)を拡大して示す説明図である。
図9】検査画像PH1の一例を示す説明図である。
図10】ある接合箇所についての1回目の検査が実施された後の検査画面HSの一例を示す説明図である。
図11】2回目の検査が実施された後の検査画面HSの一例を示す説明図である。
図12】2回目の検査が実施された後の図面表示画面HFを示す説明図である。
図13】データ生成装置100の表示部150に表示された図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
図14】検査帳票CHの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
A.実施形態:
A-1.検査システム10の構成:
図1は、本実施形態における検査システム10の構成を示すブロック図である。検査システム10は、建築物や土木構造物等の構造物の検査を支援するためのものであり、データ生成装置100と、複数の検査支援装置200と、図面データ保管サーバ300と、検査システム用データ保管サーバ400とを備える。各装置やサーバは、通信ネットワークNWを介して互いに接続されている。データ生成装置100は、例えばパーソナルコンピュータ等である。検査支援装置200は、例えばタブレット型端末やスマートフォン等である。図1には、3つの検査支援装置200が示されているが、検査システム10に含まれる検査支援装置200の数は、2つまたは4つ以上でもよい。
【0025】
データ生成装置100は、構造物の検査を管理する装置であり、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、操作部140と、表示部150とを備える。記憶部120は、例えばハードディスクドライブ(以下、「HDD」という。)やROM、RAM等により構成されており、データ生成装置100を制御するための各種プログラム、例えば、後述する検査システム用データD100(図2参照)を生成するためのプログラムを記憶する。通信部130は、無線通信方式または有線通信方式により、外部装置と通信を行うインターフェースである。操作部140は、例えばキーボードやマウス等により構成され、ユーザの操作を受け付ける。表示部150は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、図面等を表示する。制御部110は、例えば中央制御ユニット(以下、「CPU」という。)等により構成されており、記憶部120から読み出したプログラムに従って、データ生成装置100の各部を制御する。
【0026】
検査支援装置200は、構造物の検査を支援する装置であり、具体的には、検査を実施する検査者が操作する作業端末である。検査支援装置200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、表示部240と、撮影部250と、地磁気センサ260と、GPS受信部270とを備える。記憶部220は、例えばHDDやROM、RAM等により構成されており、検査支援装置200を制御するための各種プログラムを記憶する。通信部230は、無線通信方式または有線通信方式により、外部装置と通信を行うインターフェースである。表示部240は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、図面等を表示する。本実施形態では、表示部240は、タッチパネルを有し、ユーザによる操作を受け付ける操作受付部としても機能する。撮影部250は、被写体を撮影することにより画像を表す画像データを生成するカメラである。地磁気センサ260は、撮影部250の向きを特定する情報を取得するセンサである。GPS受信部270は、上空にある衛星20が送信する信号を受信することにより、自己の現在位置を特定する情報(緯度、経度および高度)を取得する装置である。制御部210は、例えばCPU等により構成されており、記憶部220から読み出したプログラムに従って、検査支援装置200の各部を制御する。制御部210は、画像取得部、画像解析部、画像生成部、表示制御部、属性情報取得部、図面データ取得部および地図情報データ取得部の一例であり、表示部240は、表示部および操作受付部の一例である。
【0027】
図面データ保管サーバ300は、構造物の二次元図面(以下、単に「図面」という。)を表す図面データD301(図2参照)を保管する装置である。図面データD301は、例えば構造物の各階の平面図や構造図等を表すデータであり、例えばDXF形式のデータである。図面データ保管サーバ300には、図面データD301が予め記憶されている。
【0028】
検査システム用データ保管サーバ400は、検査システム用データD100を保管する装置である。検査システム用データ保管サーバ400には、データ生成装置100により生成された検査システム用データD100が記憶される。
【0029】
図2は、検査システム用データD100の構造を示す説明図である。検査システム用データD100は、システムデータD101と個別現場データD102とを含む。システムデータD101は、個別現場データD102を管理するためのデータであり、検査対象となる全ての構造物に共通に用いられる。システムデータD101は、例えば梁アイコンAG(図4参照)またはその色違いアイコン(図12参照)を含む複数種類のアイコンを表示するためのアイコン画像データD201を含む。
【0030】
個別現場データD102は、構造物の建設現場毎に設定されるデータである。個別現場データD102は、例えば配筋検査や高力ボルト締め付け検査等、構造物に対して実施される検査の種類毎に設定される複数の検査種類別データD202を含む。各検査種類別データD202は、図面データD301と、地図情報データD302とを含む。地図情報データD302は、構造物の位置データD401と属性データD402とが互いに関連付けられたデータであり、例えばShape形式のデータである。具体的には、地図情報データD302は、位置データD401と、属性データD402と、対応関係データD403とを含む。
【0031】
位置データD401は、構造物の各位置に対する図面上の座標を示すデータであり、具体的には、図面データD301に含まれる座標データが流用される。位置データD401は、座標情報の一例である。属性データD402は、構造物の各位置の属性を示すデータであり、具体的には、IDデータD501と、アイコンデータD502と、通芯データD503と、通芯識別データD504と、検査データD506と、画像データD507と、構造データD508とを含む。属性データD402は、属性情報の一例である。
【0032】
IDデータD501は、属性データD402の識別番号を示すデータである。アイコンデータD502は、検査支援装置200の表示部240にアイコンを表示するためのデータであり、例えば、システムデータD101に含まれるアイコン画像データD201により表示可能な複数種類のアイコンから特定の種類のアイコンを選出するデータが含まれる。通芯データD503は、検査支援装置200の表示部240に構造物の通芯を表示するためのデータである。通芯識別データD504は、通芯を識別する通芯識別子を表示するためのデータである。検査データD506は、構造物に設定された所定の検査位置における検査内容および検査結果を示すデータである。画像データD507は、画像および画像を縮小したサムネイル画像を示すデータであり、例えば検査支援装置200の撮影部250によって生成される。構造データD508は、構造物を構成する各構成部材の構造を示すデータである。構造データD508には、例えば構造物が鉄骨造の建築物である場合において、梁の接合部の構造(高力ボルトの個数、配置、径等)を示す情報や、構造図SD図6参照)のデータ等が含まれる。
【0033】
対応関係データD403は、属性データD402と位置データD401とを関連付けるデータである。つまり、属性データD402の示す特定の種類のアイコン(以下、単に「アイコン」という。)や通芯等の属性は、対応関係データD403により、位置データD401の示す図面上の座標に関連付けられる。
【0034】
検査支援装置200の制御部210(図1)は、GIS(Geographic Information System)表示機能を有しており、位置情報をキーにして、空間に関する情報と位置に関する情報とを重ね合わせて表示部240に表示させる機能を有している。具体的には、検査支援装置200は、画像データD507に基づいて図面を表示するとともに、地図情報データD302に基づいて属性を表示する。同様に、データ生成装置100の制御部110は、GIS表示機能を有しており、データ生成装置100は、画像データD507に基づいて図面を表示するとともに、地図情報データD302に基づいて属性を表示する。上述したように、アイコンや通芯等の属性は、図面上の座標に関連付けられている。そのため、アイコンや通芯等の属性は、表示部150、240に表示される際に、その属性に関連付けられた座標に対応する図面上の位置に重ねて表示される。
【0035】
A-2.検査支援処理:
次に、本実施形態の検査システム10における検査支援処理の動作例を説明する。検査支援処理は、検査システム用データD100を生成する支援準備処理と、生成された検査システム用データD100に基づいて複数の検査支援装置200の表示部240に構造物の図面や属性を表示し、各検査支援装置200を利用する各検査員の検査を支援する支援実施処理と、データ生成装置100の表示部150に各検査支援装置200を用いて検査した検査結果を集計して表示する集計表示処理と、検査後に検査帳票を作成する帳票作成処理とを含む。
【0036】
(1)支援準備処理
支援準備処理は、データ生成装置100(図1)により実施される。データ生成装置100の制御部110は、操作部140を介した操作に応じてユーザから検査システム用データD100の生成指示を受け付けると、通信部130を介して図面データ保管サーバ300から検査対象となる構造物の図面データD301を取得し、図面データD301を用いて地図情報データD302を生成することにより、検査種類別データD202を生成する。
【0037】
具体的には、データ生成装置100の制御部110は、操作部140を介した操作に応じてユーザから入力される内容に従って、地図情報データD302を生成する。構造物では、構造物を構成する構成部材上に検査が必要な検査位置が予め設定されており、各検査位置の検査内容が予め設定されている。ユーザは、図面データD301に基づき表示部150に表示された図面上、詳細には、図面に含まれる構成部材上の検査位置の座標を読み取り、検査位置の座標を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されたデータから検査位置の位置データD401を生成する。また、ユーザは、各設定検査位置の検査内容を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されたデータから設定検査位置の属性データD402を生成する。具体的には、制御部110は、検査位置に表示させる特定の種類のアイコンを指定するデータからアイコンデータD502を生成し、検査内容を指定するデータから検査データD506を生成し、検査対象となる構成部材である対象構成部材の構造を示すデータから構造データD508を生成する。なお、検査内容を指定する複数種類のデータが予め記憶部120に記憶されている場合には、記憶部120に記憶された複数種類のデータから1のデータを選択することで、検査データD506が生成されてもよい。
【0038】
通芯については、ユーザは、図面上で通芯の座標を読み取り、通芯の座標を示すデータをデータ生成装置100に入力する。データ生成装置100の制御部110は、ユーザから入力されたデータから通芯の位置データD401を生成する。ユーザは、通芯の幅や表示色を設定し、通芯の幅や表示色を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されたデータから通芯データD503を生成する。
【0039】
通芯識別子については、データ生成装置100の制御部110は、通芯の座標に関連付けて通芯識別子の位置データD401を生成する。具体的には、制御部110は、通芯の位置データD401から選択された1の位置データD401を通芯識別子の位置データD401として生成する。ユーザは、通芯識別子の形状や表示色を設定し、通芯識別子の形状や表示色を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されたデータから通芯識別データD504を生成する。
【0040】
データ生成装置100の制御部110は、生成した位置データD401と属性データD402とを関連付ける対応関係データD403を生成し、位置データD401と、属性データD402と、対応関係データD403とを含む地図情報データD302を生成する。制御部110は、地図情報データD302を生成すると、図面データ保管サーバ300から取得した図面データD301と、生成した地図情報データD302とを含む検査種類別データを生成する。制御部110は、現場(つまり、構造物)毎、構造物のフロア毎、および、各現場において実施される検査種類毎に検査種類別データD202を生成し、個別現場データD102を生成する。制御部110は、通信部130を介して生成した個別現場データD102を検査システム用データ保管サーバ400に送信して保管させる。
【0041】
(2)支援実施処理
支援実施処理は、検査支援装置200(図1)により実施される。以下では、支援実施処理の一例として、鉄骨造の建築物を構成する梁の接合部の高力ボルト締め付け検査を行う場合における動作例について説明する。検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介した操作に応じて検査者から検査開始の指示を受け付けると、支援実施処理を開始する。制御部210は、検査開始の指示に併せて、現場を特定する現場情報、および、検査者を特定する検査者情報を受け付ける。制御部210は、受け付けた現場情報に基づいて、通信部230を介して検査システム用データ保管サーバ400から検査対象となる構造物の個別現場データD102を読み出し、記憶部220に記憶させる。つまり、制御部210は、通信部230を介して、検査システム用データ保管サーバ400から図面データD301および地図情報データD302を含む個別現場データD102を取得する。記憶部220には、予めシステムデータD101が記憶されている。制御部210は、予め記憶されたシステムデータD101と、取得された個別現場データD102とにより検査システム用データD100を取得する。
【0042】
検査支援装置200の制御部210は、支援実施処理を開始すると、検査者から入力される検査の種類を特定する検査種類情報と構造物のフロアを特定するフロア情報とに基づいて、個別現場データD102に含まれる複数の検査種類別データD202から一の検査種類別データD202を選択する。制御部210は、選択した検査種類別データD202に含まれる図面データD301に基づいて、表示部240に構造物の図面30(図3参照)を表示させる。
【0043】
図3は、図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。図3には、検査支援装置200の表示部240に図面30の全体が表示された状態が示されている。図面表示画面HFは、ヘッダ領域HUと、図面表示領域HZとを含む。ヘッダ領域HUは、検査者情報に基づく検査者コード(例えば、123456)と、検査種類情報に基づく検査識別子(例えば、高力ボルト締め付け検査 梁)と、フロア情報に基づくフロア識別子(例えば、07F)とを表示する領域である。図面表示領域HZは、図面30を表示する領域である。
【0044】
検査支援装置200の制御部210は、図面表示領域HZに表示された図面30の表示倍率と表示位置とを変更可能である。具体的には、制御部210は、表示部240を介した操作に応じて図面30を任意の倍率に拡大・縮小して表示させ、または、図面30をスクロールして表示させることが可能である。例えば、制御部210は、検査者から図面30の拡大指示を受け付けると、表示部240に図面30の一部を拡大して表示させる。
【0045】
図4は、拡大された図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。本実施形態では、検査支援装置200において、図面表示画面HFに図面30の全体が表示された状態以外の状態では、図4に示すように、検査支援装置200の制御部210は、表示部240に図面30を表示させるとともに、GIS表示機能により、地図情報データD302に基づいて属性を表示させる。具体的には、制御部210は、通芯データD503に基づいて通芯AS(AS1~AS3)を表示させ、通芯識別データD504に基づいて通芯識別子AM(AM1~AM3)を表示させ、アイコンデータD502に基づいて梁アイコンAG(AG1~AG5)を表示させる。
【0046】
検査支援装置200の制御部210は、通芯データD503に基づいて、通芯ASを、通芯ASに関連付けられた図面30上の座標に対応する位置に表示させる。そのため、制御部210は、図面30の表示倍率が変更されたことに応じて、通芯ASの表示状態を更新する。具体的には、制御部210は、図面30が拡大または縮小された場合には、その拡大または縮小に追従させて、通芯ASが表示される位置を更新する。また、通芯識別子AMは、対応する通芯ASの座標に対応する位置に関連付けられている。そのため、制御部210は、図面30の表示倍率が変更されたことに応じて、通芯識別子AMの表示状態を更新する。本実施形態では、通芯識別子AMは、対応する通芯ASが表示部240の外周部と交差する位置のいずれか一方の周囲に表示される。
【0047】
梁アイコンAGは、各アイコンに関連付けられた図面30上の座標に対応する検査位置に表示される。具体的には、図面30には、構造物を構成する梁SG2等の構成部材の図面が含まれており、梁アイコンAGは、各アイコンに対応する構成部材上に表示される。本実施形態では、梁SG2を構成する端部部材と中央部部材とが高力ボルト接合される構造となっており、梁SG2には、各接合部に対応する2つの検査位置KL1、KL2が設定されている。そのため、梁SG2上には、一の検査位置KL1に梁アイコンAG2が表示されるとともに、他の検査位置KL2に梁アイコンAG3が表示される。他の梁についても同様である。
【0048】
梁アイコンAGには、対象構造部材の種類を示す「梁」等の表示が含まれ、対応する検査位置の検査結果により表示色が変化する。例えば、対応する検査位置の検査結果が「未確認」であると、表示色は黄色となり、対応する対応する検査位置の検査結果が「合格」であると、表示色は青色となり、対応する検査位置の検査結果が「不合格」であると、表示色は赤色となり、対応する検査位置の検査結果が「確認」であると、表示色は緑色となる。なお、図4では、全ての検査位置の検査結果が「未確認」であり、全ての梁アイコンAGが黄色に表示されている。
【0049】
また、表示部240は、図面30上に現在位置マークAZを表示する。検査支援装置200の制御部210は、地磁気センサ260とGPS受信部270とから、撮影部250の向きを特定する情報と検査支援装置200の現在位置を特定する情報とを取得し、これらの情報を図面30上における向きと位置とを示す情報に変換する。表示部240は、変換した向きと位置とを示す情報に基づいて現在位置マークAZを表示する。検査者は、現在位置マークAZを利用して図面30上の複数の検査位置から所望の検査位置を決定する際の参考にすることができる。
【0050】
検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介して検査位置KL1(以下、「選択検査位置KL1」という。)に表示された梁アイコンAG2へのタップ(選択操作)を受け付けたことに応じて、表示部240に選択検査位置KL1における検査画面HSを表示させると共に、記憶部220に記憶された個別現場データD102から、選択されたアイコンに対応する梁の接合部についての属性データD402(例えば、該梁の接合部についての構造データD508)を特定する。図5は、選択検査位置KL1における検査画面HSの一例を示す説明図である。図5は、検査が実施される前の検査画面HSを示す。検査画面HSは、選択検査位置KL1に対応する検査データD506に基づいて表示される。検査画面HSは、前述したヘッダ領域HUに加え、部材表示領域HBと、検査結果表示領域HKと、検査項目表示領域HCと、画像関連領域HPと、機能表示領域HDとを含む。部材表示領域HBは、対象構造部材の種類を示す識別子(例えば、梁)と、対象構造部材の種別を示す符号(例えば、SG2)と、通芯ASを基準とした検査位置を示す識別子(例えば、X通:1-1 Y通:A-B A通り側)と、を表示する領域である。
【0051】
検査結果表示領域HKは、検査結果を表示する領域であり、具体的には、図面30において選択検査位置KL1に表示された梁アイコンAG2と同一のアイコンを表示するアイコン表示欄HK1と、検査結果を入力する検査結果入力欄HK2と、を表示する領域である。検査結果入力欄HK2には、「未確認」、「合格」、「不合格」、「確認」が記載されたマルチウインドウ(不図示)を示す画面が関連付けられている。検査者は、検査結果入力欄HK2に検査結果を入力するときは、検査結果入力欄HK2をタップし、表示されるマルチウインドウから検査結果を選択することで、検査結果を入力することができる。あるいは、検査支援装置200の制御部210が、検査結果に応じて自動的に検査結果入力欄HK2の表示内容を切り替えるとしてもよい。
【0052】
検査項目表示領域HCは、検査項目を表示する領域であり、具体的には、検査種類に応じた検査項目を表示する項目表示欄HC1と、各検査項目が検査されたか否かを示す検査確認欄HC2と、検査した内容を記録可能な検査内容記録欄HC3と、表示部240に表示されていない検査項目を表示させるためのスクロールバーHC4と、を表示する領域である。検査確認欄HC2には、対応する検査項目が未検査であることを示す「未」表示領域と、対応する検査項目が検査済であることを示す「確」表示領域(図10参照)とを含み、各検査項目に対して「未」表示領域と「確」表示領域のいずれか一方の表示領域が表示状態となる。検査者は、表示部240の検査確認欄HC2をスワイプすることで、表示状態の表示領域を切り替えることができる。あるいは、検査支援装置200の制御部210が、検査の進捗に応じて自動的に検査確認欄HC2の表示状態を切り替えるとしてもよい。
【0053】
画像関連領域HPは、検査に用いられる画像に関連する領域であり、具体的には、画像表示欄HP1と、カメラアイコンHP2と、を表示する領域である。画像表示欄HP1は、選択検査位置KL1に対応する画像データD507の表す画像(またはサムネイル画像)を表示する欄であり、本実施形態では複数の画像を同時に表示可能である。カメラアイコンHP2は、画像データD507の取得を指示するためのアイコンである。具体的には、カメラアイコンHP2には、「撮影部250で撮影する」内容と、「記憶部220から選択する」内容とが記載されたマルチウインドウ(不図示)を示す画面が関連付けられている。検査支援装置200の制御部210は、検査者により「撮影部250で撮影する」内容が選択されると、撮影部250を起動し、検査者が撮影部250を用いて撮影した被写体の画像データを、被写体に対応する座標に関連付けて地図情報データD302に追加する。具体的には、制御部210は、被写体の画像データを、被写体に対応する地図情報データD302の画像データD507として記憶部220に記憶させる。また、制御部210は、検査者により「記憶部220から選択する」内容が選択されると、検査システム用データD100とは別に記憶部220に記憶されている画像データを、選択検査位置KL1に対応する地図情報データD302に追加する。
【0054】
機能表示領域HDは、保存アイコンHD1と、位置図表示アイコンHD2と、施工資料表示アイコンHD3と、戻るアイコンHD4と、を表示する領域である。保存アイコンHD1は、検査結果表示領域HKと検査項目表示領域HCとに入力された内容の保存を指示するためのアイコンである。位置図表示アイコンHD2は、表示部240の表示を、検査画面HSから図面表示画面HFに切り替えることを指示するためのアイコンである。施工資料表示アイコンHD3は、表示部240に、各部の構造を表す構造図SD等の施工資料の表示を指示するためのアイコンである。戻るアイコンHD4は、検査結果表示領域HKや検査項目表示領域HCにおいて入力された内容を、入力前の内容に戻すことを指示するためのアイコンである。
【0055】
図6は、梁SG2の選択検査位置KL1における構造図SDの一例を示す説明図である。図6には、梁SG2の選択検査位置KL1である接合部における構造図SDとして、高力ボルトの径、個数、配置等を特定する図が示されている。
【0056】
ここで、鉄骨造の建築物の梁の接合部における高力ボルト締め付け検査の内容について説明する。鉄骨梁の高力ボルト接合の際には、接合される2つの鉄骨梁にまたがってプレート部材(スプライスプレート)が配置され、各鉄骨梁およびプレート部材に形成された複数の孔のそれぞれに高力ボルトが挿入され、各ナットとプレート部材との間に座金が挟持された状態となるように各高力ボルトにナットが螺合される。そして、ナットの一次締めが行われた後、高力ボルト、ナット、座金およびプレート部材にわたって直線状のマークを付すマーキングが行われ、その後、ナットの本締めが行われる。ナットの本締めにより、ナットに付されたマークの位置が、高力ボルト、座金およびプレート部材に付されたマークの位置から、ナットの回転角度分だけずれる。
【0057】
ナットの本締め後、高力ボルト締め付け検査が行われる。この締め付け検査では、本締めによる各ナットの回転角度が特定され、各ナットの回転角度が合格範囲内にあるか否かが判定される。合格範囲は、例えば、各ナットの回転角度の平均値から±30度の範囲とされる。ナットの回転角度が合格範囲を超える大きな値であった場合には、高力ボルトが取り替えられ、ナットの回転角度が合格範囲に満たない小さな値であった場合には、再度の締め付けが行われる。
【0058】
本実施形態では、鉄骨梁がH形鋼により構成されている。そのため、検査画面HSの項目表示欄HC1には、「上フランジ」、「下フランジ」、「ウェブ」の3つの項目が表示されている。検査支援装置200の制御部210は、項目表示欄HC1に表示された1つの項目(例えば、「ウェブ」)へのタップ(選択操作)を受け付けたことに応じて、撮影部250を起動すると共に、撮影部250によって鉄骨梁のウェブの接合部を撮像することを促すメッセージを表示部240に表示する。検査者は、撮影部250によって鉄骨梁のウェブの接合部を撮影する。これにより、該接合部が写った対象画像PH0が取得される。
【0059】
図7は、対象画像PH0の一例を示す説明図である。また、図8は、対象画像PH0の一部(1つの高力ボルトBO付近の部分)を拡大して示す説明図である。図7および図8に示すように、対象画像PH0には、鉄骨梁の接合部を構成する各部材が写っている。具体的には、対象画像PH0には、接合対象である2つの鉄骨梁SGと、2つの鉄骨梁SGにまたがって鉄骨梁SGのウェブ上に配置されたプレート部材(スプライスプレート)PLと、各鉄骨梁SGおよびプレート部材PLに形成された複数の孔のそれぞれに挿入された高力ボルトBOと、各高力ボルトBOに螺合されたナットNUと、各ナットNUとプレート部材PLとの間に挟持された座金WAとが写っている。なお、以下の説明では、互いに螺合した1つの高力ボルトBOと1つのナットNUと1つの座金WAとの組合せを、締結単位という。図7に示す対象画像PH0に写っている接合部は、16個の締結単位を含んでいる。さらに、対象画像PH0には、各部材に付されたマークMA(高力ボルトBOに付されたマークMAb、ナットNUに付されたマークMAn、座金WAに付されたマークMAw、および、プレート部材PLに付されたマークMAp)が写っている。対象画像PH0は、ナットの本締め後の画像であるため、ナットに付されたマークMAnの位置が、高力ボルトに付されたマークMAb、座金WAに付されたマークMAwおよびプレート部材PLに付されたマークMApの位置から、ナットNUの回転角度分だけずれている。なお、プレート部材PLに付されたマークMAp、高力ボルトBOに付されたマークMAbまたは座金WAに付されたマークMAw、は、第1のマークの一例であり、ナットに付されたマークMAnは、第2のマークの一例である。
【0060】
対象画像PH0が取得された後、検査支援装置200の制御部210は、対象画像PH0を解析することにより、対象画像PH0における高力ボルトBOの領域と、プレート部材PLに付されたマークMApの領域と、ナットNUに付されたマークMAnの領域と、高力ボルトBOに付されたマークMAbと、座金WAに付されたマークMAwの領域とを抽出する。これらの各領域の抽出は、例えば、画像特徴量に基づく統計的パターン認識といった公知の画像認識技術を用いることにより実現することができる。なお、画像認識には、人工知能(AI)が利用されてもよい。このようにすれば、画像認識精度を向上させることができる。また、上述したように、制御部210は、選択検査位置KL1に表示された梁アイコンAG2へのタップ(選択操作)を受け付けたことに応じて、選択されたアイコンに対応する梁の接合部についての構造データD508(例えば、高力ボルトBOの径、個数、配置等を特定する情報)を特定する。画像認識の際には、この構造データD508が利用されてもよい。このようにすれば、選択検査位置KL1にある梁の接合部についての構造データD508を確実に対応付けることができると共に、該構造データD508を利用することによって、画像認識精度を向上させつつ処理時間を短縮することができる。
【0061】
また、検査支援装置200の制御部210は、対象画像PH0から抽出された上記各領域に基づき、各締結単位について、プレート部材PL、高力ボルトBOおよび座金WAに付された各マークMAp,MAb,MAwの位置と、ナットNUに付されたマークMAnの位置との間の、高力ボルトBOの中心点P0を中心とした角度(以下、「ナット回転角度θ1」という。)を特定する。なお、高力ボルトBOの中心点P0の位置は、抽出された高力ボルトBOの領域から求めることができる。例えば、高力ボルトBOの領域の図心を求め、該図心を中心点P0とすることができる。同様に、各マークMAp,MAb,MAw,MAnの位置も、抽出された各マークMAp,MAb,MAw,MAnの領域から求めることができる。例えば、各マークMAp,MAb,MAw,MAnの領域の図心を求め、該図心を各マークMAp,MAb,MAw,MAnの位置とすることができる。
【0062】
なお、接合部に複数の締結単位が含まれる場合には、対象画像PH0から、高力ボルトBOの領域、プレート部材PLに付されたマークMApの領域、高力ボルトBOに付されたマークMAbの領域、座金WAに付されたマークMAwの領域およびナットNUに付されたマークMAnの領域が、それぞれ複数抽出される。検査支援装置200の制御部210は、複数抽出された各領域について、締結単位毎にグループ化し、同一のグループに属する領域に基づきナット回転角度θ1を特定する。グループ化の方法としては、例えば、高力ボルトBOの中心点P0に最も近い4つのマークMAを、同一グループに属する各マークMAp,MAb,MAw,MAnとして特定する方法を採用することができる。より具体的には、高力ボルトBOの中心点P0に最も近いマークMAを高力ボルトBOに付されたマークMAbとして特定し、2番目に近いマークMAをナットNUに付されたマークMAnとして特定し、3番目に近いマークMAを座金WAに付されたマークMAwとして特定し、4番目に近いマークMAをプレート部材PLに付されたマークMApとして特定する。すなわち、ナット回転角度θ1は、複数のマークMAの内、一の高力ボルトBOの中心点P0から2番目に近いマークMAであるナットNUに付されたマークMAnの位置と、該一の高力ボルトBOの中心点P0から1,3,4番目に近いマークMAである高力ボルトBOに付されたマークMAb、座金WAに付されたマークMAwおよびプレート部材PLに付されたマークMApの少なくとも1つの位置と、を用いて特定される。
【0063】
次に、検査支援装置200の制御部210は、各締結単位について特定されたナット回転角度θ1の平均値を算出する。より詳細には、制御部210は、各締結単位についてのナット回転角度θ1の値を合計し、合計値を締結単位の個数で除することにより、ナット回転角度θ1の平均値を算出する。なお、制御部210は、対象画像PH0を解析することにより、接合部に含まれる締結単位の個数(すなわち、高力ボルトBO、座金WAおよび/またはナットNUの個数)を特定する。あるいは、制御部210は、上述したアイコンに対応する梁の接合部についての構造データD508(例えば、高力ボルトBOの径、個数、配置等を特定する情報)を利用して、接合部に含まれる締結単位の個数(すなわち、高力ボルトBOの個数)を特定するとしてもよい。
【0064】
次に、検査支援装置200の制御部210は、各締結単位についてのナット回転角度θ1の平均値に基づき、合格範囲を設定する。より詳細には、制御部210は、各締結単位についてのナット回転角度θ1の平均値から±30度の範囲を合格範囲として設定する。図9に示す例では、ナット回転角度θ1の平均値が39.4度であるため、合格範囲は、9.4度~69.4度の範囲に設定される。
【0065】
また、検査支援装置200の制御部210は、各締結単位のナット回転角度θ1が、設定された合格範囲内にあるか否かを判定する。図9に示す例では、1つの締結単位についてのナット回転角度θ1が9度であるため、該締結単位のナット回転角度θ1が合格範囲内にはない。その他の締結単位のナット回転角度θ1は、すべて合格範囲内にある。
【0066】
その後、検査支援装置200の制御部210は、接合部の検査に用いられる検査画像PH1を生成する。図9は、検査画像PH1の一例を示す説明図である。検査画像PH1は、対象画像PH0をベースに、各締結単位についてのナット回転角度θ1の値を示す角度画像ANiと、接合部に含まれる締結単位の個数を示す個数画像NPiと、各締結単位についてのナット回転角度θ1の平均値を示す平均値画像AViと、合格範囲を示す合格範囲画像PAiと、各締結単位のナット回転角度θ1が合格範囲内にあるか否かを示す判定画像JUiと、が重畳された画像である。なお、図9の例では、判定画像JUiとして、ナット回転角度θ1が合格範囲内にない締結単位の位置に表示されるハッチングの画像が用いられている。判定画像JUiとして、他の画像(例えば、ナット回転角度θ1が合格範囲内にある締結単位の位置に表示されるハッチングの画像や、ナット回転角度θ1が合格範囲内にある締結単位と合格範囲内にない締結単位とを異なる表示態様(例えば、異なる色や形状)で表す画像等)が用いられてもよい。制御部210は、検査画像PH1の画像データを選択検査位置KL1に対応する地図情報データD302の画像データD507として記憶部220に記憶させる。なお、制御部210は、検査画像PH1に加えて対象画像PH0も、画像データD507として記憶部220に記憶させてもよい。
【0067】
検査支援装置200の制御部210は、生成された検査画像PH1を、表示部240に表示させる。具体的には、検査画像PH1は、表示部240に表示された検査画面HSにおける画像表示欄HP1に表示される。図10は、ある接合箇所についての1回目の検査が実施された後の検査画面HSの一例を示す説明図である。図10の例では、ある接合箇所のウェブにおける検査画像PH1(あるいはそのサムネイル画像)が、検査画面HSの画像表示欄HP1に表示されている。なお、画像表示欄HP1にサムネイル画像が表示される場合には、表示されたサムネイル画像へのタップが受け付けられたことに応じて、該サムネイル画像に対応する検査画像PH1が表示部240に表示されるとしてもよい。
【0068】
ある接合箇所についての1回目の検査では、接合箇所に含まれるすべての接合部、具体的には、H形鋼により構成された鉄骨梁の上フランジ、下フランジ、ウェブのそれぞれについて、高力ボルト締め付け検査が行われる。その結果、検査確認欄HC2では、全ての接合部に対して「確」表示領域が表示状態となり、必要に応じて検査内容記録欄HC3に検査した内容が記載される。本実施形態では、1回目の検査において、「ウェブ」の接合部において不備が検出されたものとする。そのため、検査結果表示領域HKの「ウェブ」についての検査内容記録欄HC3には「問題あり」の文字が表示され、検査結果入力欄HK2には「不合格」の文字が表示され、これに伴って、アイコン表示欄HK1におけるアイコンの表示色が赤色に変化している。具体的には、検査支援装置200の制御部210は、選択検査位置KL1に関連付けられた属性データD402のアイコンデータD502を更新し、選択検査位置KL1に表示されるアイコンの表示色を切り替える。
【0069】
1回目の検査の終了後、1回目の検査結果に基づいて、構造物に是正工事を行う是正業者により是正工事が行われる。是正業者は、選択検査位置KL1における検査画面HSの検査項目表示領域HCに表示された内容から、是正の対象が「ウェブ」の接合部であることを理解することができる。また、是正業者は、画像関連領域HPに表示された検査画像PH1から、是正の詳細な内容を理解することができる。例えば、図9に示す例では、1つの締結単位についてのナット回転角度θ1が9度であり、合格範囲(9.4度~69.4度)に満たない小さな値となっている。そのため、是正業者は、是正工事として、該ナットの再度の締め付けを行う。是正業者による是正工事後、検査者は構造物の選択検査位置KL1の検査を再び実施する。本実施形態では、該ナットの再度の締め付けにより、該接合部の各締結単位のナット回転角度θ1がすべて合格範囲内の値となり、不備が解消したものとする。
【0070】
図11は、2回目の検査が実施された後の検査画面HSの一例を示す説明図である。2回目の検査では、1回目の検査において不備が検出された「ウェブ」の接合部に対して、1回目の検査と同様に検査が行われる。2回目の検査後には、検査項目表示領域HCの「ウェブ」に対する検査内容記録欄HC3に、再検査が行われたことを示す内容が記載される。また、検査画面HSの画像表示欄HP1に、2回目の検査後のウェブにおける検査画像PH1(あるいはその画像のサムネイル画像)が表示される。2回目の検査において生成された検査画像PH1(および対象画像PH0)の画像データは、地図情報データD302の画像データD507として記憶部220に記憶される。つまり、制御部210は、1つの選択検査位置KL1に対応する図面30上の1つの座標に、属性としての2つの検査画像PH1を関連付けて記憶部220に記憶させる。
【0071】
また、2回目の検査後には、検査結果表示領域HKの検査結果入力欄HK2の文字が、「不合格」から「合格」に更新され、これに伴って、アイコン表示欄HK1におけるアイコンの表示色が青色に更新される。そのため、図12に示すように、表示部240の表示を、検査画面HSから図面表示画面HFに切り替えると、選択検査位置KL1の梁アイコンAG2の表示色が青色に変化する。
【0072】
(3)集計表示処理
集計表示処理は、データ生成装置100(図1)により実施される。以下では、集計表示処理の一例として、選択検査位置KL1における検査結果が「不合格」から「合格」に更新された場合における動作例について説明する。データ生成装置100の制御部110は、選択検査位置KL1の検査結果が「不合格」から「合格」に更新されると、通信部130を介して検査支援装置200から「合格」の検査結果を受信する。具体的には、検査支援装置200の制御部210は、選択検査位置KL1の検査結果が「不合格」から「合格」に更新された後に、表示部240を介した操作に応じて検査システム用データ保管サーバ400との同期指示を受け取ると、検査システム用データ保管サーバ400と同期し、検査結果を受信した選択検査位置KL1に関連付けられた属性データD402を検査システム用データ保管サーバ400に送信して保管させる。データ生成装置100の制御部110は、一定期間毎に検査システム用データ保管サーバ400から属性データD402を読み出しており、これにより、選択検査位置KL1の「合格」の検査結果を受信する。
【0073】
データ生成装置100の制御部110は、検査支援装置200から選択検査位置KL1の「合格」の検査結果を受信すると、つまり、検査システム用データ保管サーバ400から属性データD402を読み出すと、属性データD402を更新する。これにより、選択検査位置KL1に対応する属性データD402の検査データD506に含まれる検査結果が、「不合格」から「合格」に更新される。また、選択検査位置KL1に対応する属性データD402のアイコンデータD502が、「合格」の審査結果に対応する表示色のアイコンを示すデータに更新される。これにより、データ生成装置100の表示部150に表示された図面30上のアイコンの表示色が赤色から青色に切り替えられる。
【0074】
図13は、データ生成装置100の表示部150に表示された図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。上述したように、データ生成装置100の制御部110は、GIS表示機能を有している。制御部110は、このGIS表示機能を利用して、表示部150に図面30を表示させるとともに、地図情報データD302に基づいて、例えば梁アイコンAG等の属性を表示させる。図13では、データ生成装置100は、図面表示画面HFに図面30の全体が表示された状態において、梁アイコンAGを表示させている。表示部150に表示された図面30では、選択検査位置KL1に対応するアイコンデータD502の更新により、選択検査位置KL1に表示されたアイコンの表示色が赤色から青色に切り替えられる。
【0075】
データ生成装置100の制御部110は、各検査支援装置200が受信した検査結果を、一定期間毎に検査システム用データ保管サーバ400を介して一括して受信し、上記の処理を実施する。そのため、データ生成装置100の表示部150には、複数の検査支援装置200から集計された検査結果が、アイコンの表示色として表示される。また、制御部110は、各検査位置に関連付けられた属性データD402の更新を反映させるように個別現場データD102を更新し、更新された個別現場データD102を検査システム用データ保管サーバ400に保管させる。更新された個別現場データD102は、検査支援装置200と検査システム用データ保管サーバ400との同期により検査支援装置200に読み出され、検査支援装置200における検査システム用データD100が更新される。
【0076】
(4)帳票作成処理
帳票作成処理は、データ生成装置100(図1)により実施される。データ生成装置100の制御部110は、操作部140を介した操作に応じて検査者または管理者から検査帳票CH(図14参照)を表す検査帳票データの作成指示を受け付けると、帳票作成処理を実施する。制御部110は、検査システム用データ保管サーバ400を介して検査支援装置200から受信した属性データD402に基づいて検査帳票データを作成する。図14は、検査帳票CHの一例を示す説明図である。検査帳票CHには、結果表示欄CYと、画像表示欄CGと、選択検査位置表示欄CIとを含む。
【0077】
結果表示欄CYは、検査に関する各項目を表示する欄であり、属性データD402により示される各種の属性、例えば検査種類情報に基づく検査識別子(例えば、高力ボルト締め付け検査)や検査結果(例えば、合格)等を表示する欄である。画像表示欄CGは、画像データD507に基づく画像を表示する欄であり、具体的には検査画像PH1や対象画像PH0を表示する欄である。
【0078】
選択検査位置表示欄CIは、図面30の表示画像PH3を表示する欄である。検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介した操作に応じて表示部240に表示された図面30の表示画像PH3を取得可能である。制御部210は、検査者の操作により選択検査位置KL1を含む範囲の表示画像PH3を取得すると、表示画像PH3上の選択検査位置KL1に対応する領域TR、すなわち梁アイコンAG2が表示された領域TRに、選択検査位置KL1を識別する識別画像TK3を追加する。制御部210は、識別画像TK3の追加を終了すると、識別画像TK3が追加された表示画像PH3を上書きし、その画像データを保存する。データ生成装置100の制御部110は、検査支援装置200から受信した属性データD402に含まれる表示画像PH3の画像データを用いて、検査帳票CHの選択検査位置表示欄CIに表示画像PH3を貼り付ける。
【0079】
A-3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の検査支援装置200は、構造物を構成する2つの鉄骨梁SGにまたがって配置されたプレート部材PLと、鉄骨梁SGおよびプレート部材PLに形成された複数の孔のそれぞれに挿入された高力ボルトBOと、各高力ボルトBOに螺合するナットNUと、各ナットNUとプレート部材PLとの間に挟持された座金WAとを含み、2つの鉄骨梁SGを接合する接合部の検査を支援する装置である。検査支援装置200は、制御部210を備える。検査支援装置200の制御部210は、鉄骨梁SGの接合部が撮影された対象画像PH0を取得する画像取得部と、対象画像PH0を解析することにより、高力ボルトBOとナットNUと座金WAとの複数の組合せ(複数の締結単位)のそれぞれについて、プレート部材PLに付されたマークMApの位置、高力ボルトBOに付されたマークMAbの位置または座金WAに付されたマークMAwの位置と、ナットNUに付されたマークMAnの位置との間の、高力ボルトBOの中心点P0を中心とした角度(ナット回転角度θ1)を特定する画像解析部と、特定されたナット回転角度θ1に基づき、鉄骨梁SGの接合部の検査に用いられる検査画像PH1を生成する画像生成部と、検査画像PH1を表示部240に表示させる表示制御部として機能する。
【0080】
このように、本実施形態の検査支援装置200によれば、鉄骨梁SGの接合部が撮影された対象画像PH0を解析することにより、各締結単位についてのナット回転角度θ1が特定され、特定されたナット回転角度θ1に基づき生成された検査画像PH1が表示部240に表示される。すなわち、本実施形態の検査支援装置200によれば、検査者が目視で各締結単位についてのナット回転角度θ1を特定したり、各締結単位のナット回転角度θ1に基づき合格範囲を計算したり、各締結単位のナット回転角度θ1が合格範囲内にあるか否かを判定したりする必要がない。検査者は、鉄骨梁SGの接合部が撮影された対象画像PH0を検査支援装置200に取得させるだけで、鉄骨梁SGの接合部の検査に用いられる検査画像PH1を得ることができる。従って、本実施形態の検査支援装置200によれば、検査手間の低減および検査精度の向上を実現することができると共に、検査画像PH1を得ることによって検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)を向上させることができる。
【0081】
また、本実施形態の検査支援装置200では、検査画像PH1は、高力ボルトBOとナットNUと座金WAとの複数の組合せ(複数の締結単位)のそれぞれについて、ナット回転角度θ1の値を示す角度画像ANiを含む。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、検査画像PH1を参照することによって各締結単位についてのナット回転角度θ1の値を容易に把握することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0082】
また、本実施形態の検査支援装置200では、検査画像PH1は、高力ボルトBOとナットNUと座金WAとの複数の組合せ(複数の締結単位)のそれぞれについて、ナット回転角度θ1の値が合格範囲内にあるか否かを示す判定画像JUiを含む。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、検査画像PH1を参照することによって各締結単位についての検査の合否を容易に把握することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0083】
また、本実施形態の検査支援装置200では、検査画像PH1は、合格範囲を示す合格範囲画像PAiを含む。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、検査画像PH1を参照することによって合格範囲を容易に把握することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0084】
また、本実施形態の検査支援装置200では、画像生成部としての制御部210は、高力ボルトBOとナットNUと座金WAとの複数の組合せ(複数の締結単位)のそれぞれについてのナット回転角度θ1の平均値に基づき、合格範囲を設定する。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、適切な合格範囲を容易に設定することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0085】
また、本実施形態の検査支援装置200では、画像解析部としての制御部210は、対象画像PH0を解析することにより、鉄骨梁SGの接合部に含まれる高力ボルトBOとナットNUと座金WAとの少なくとも一方の個数を特定し、画像生成部としての制御部210は、特定された該個数を用いて、ナット回転角度θ1の平均値を算出する。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、高力ボルトBOやナットNUや座金WAの個数の情報を利用することなく、ナット回転角度θ1の平均値を算出することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0086】
また、本実施形態の検査支援装置200では、画像解析部としての制御部210は、対象画像PH0を解析することにより、高力ボルトBOの中心点P0の位置と、複数のマークMAの位置とを検出し、一の高力ボルトBOの中心点P0に最も近い2つのマークMAの位置を、プレート部材PLに付されたマークMApの位置、および、ナットNUに付されたマークMAnの位置として特定する。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、接合部に複数の締結単位が含まれている場合においても、高力ボルトBOやナットNUの配置の情報を利用することなく、プレート部材PLに付されたマークMApの位置、および、ナットNUに付されたマークMAnの位置を適切に特定することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0087】
また、本実施形態の検査支援装置200では、制御部210は、鉄骨梁SGの接合部の構成を示す属性情報(構造データD508)を取得する属性情報取得部として機能し、画像解析部としての制御部210は、該属性情報を参照して対象画像PH0の解析を行う。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、鉄骨梁SGの接合部の構成を示す属性情報を参照することにより、対象画像PH0における高力ボルトBO等の画像認識精度を向上させつつ処理時間を短縮することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0088】
また、本実施形態の検査支援装置200では、属性情報(構造データD508)は、鉄骨梁SGの接合部に含まれる高力ボルトBOの個数を示す情報を含む。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、鉄骨梁SGの接合部に含まれる高力ボルトBOの個数を示す情報を参照することにより、対象画像PH0における高力ボルトBO等の画像認識精度を効果的に向上させつつ処理時間を短縮することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0089】
また、本実施形態の検査支援装置200では、属性情報(構造データD508)は、鉄骨梁SGの接合部に含まれる高力ボルトBOの配置を示す情報を含む。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、鉄骨梁SGの接合部に含まれる高力ボルトBOの配置を示す情報を参照することにより、対象画像PH0における高力ボルトBO等の画像認識精度を効果的に向上させつつ処理時間を短縮することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0090】
また、本実施形態の検査支援装置200では、属性情報(構造データD508)は、鉄骨梁SGの接合部に含まれる高力ボルトBOの径を示す情報を含む。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、鉄骨梁SGの接合部に含まれる高力ボルトBOの径を示す情報を参照することにより、対象画像PH0における高力ボルトBO等の画像認識精度を効果的に向上させつつ処理時間を短縮することができ、検査手間のさらなる低減および検査精度のさらなる向上を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0091】
また、本実施形態の検査支援装置200では、制御部210は、構造物(鉄骨造の建築物)の二次元図面を表す図面データD301を取得する図面データ取得部と、構造物の接合部の位置に対応する二次元図面上の座標を示す位置データD401と接合部の位置を示すアイコン(梁アイコンAG)とが互いに関連付けられた地図情報データD302を取得する地図情報データ取得部と、操作を受け付ける操作受付部として機能する。また、表示制御部としての制御部210は、図面データD301に基づいて表示部240に二次元図面を表示させると共に、地図情報データD302に基づいて表示部240に表示された二次元図面上の接合部の位置にアイコン(梁アイコンAG)を表示させ、属性情報取得部としての制御部210は、操作受付部がアイコンを選択する操作を受け付けたことに応じて、選択されたアイコンに対応する接合部の属性情報(構造データD508)を特定する。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、選択されたアイコンに対応する梁の接合部についての属性情報(構造データD508)を確実に該接合部に対応付けることができると共に、該属性情報(構造データD508)を利用することによって、対象画像PH0における高力ボルトBO等の画像認識精度を向上させつつ処理時間を短縮することができる。
【0092】
また、本実施形態の検査支援装置200では、制御部210は、検査画像PH1を含む検査帳票CHを表す検査帳票データを作成する検査帳票作成部として機能する。そのため、本実施形態の検査支援装置200によれば、検査画像PH1を含む検査帳票CHを自動的に作成することができ、検査手間のさらなる低減を実現することができると共に、検査結果の追跡可能性(トレーサビリティ)をさらに向上させることができる。
【0093】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0094】
上記実施形態では、対象画像PH0として、検査支援装置200の撮影部250により撮影された画像が用いられているが、検査支援装置200の制御部210が、通信部230を介して他の装置から対象画像PH0を取得するとしてもよい。
【0095】
上記実施形態では、プレート部材PL、高力ボルトBOおよび座金WAに付された各マークMAp,MAb,MAwの位置と、ナットNUに付されたマークMAnの位置との間の、高力ボルトBOの中心点P0を中心とした角度が、ナット回転角度θ1として特定されるが、必ずしも各マークMAp,MAb,MAwのすべての位置と、ナットNUに付されたマークMAnの位置との間の角度が、ナット回転角度θ1として特定される必要はなく、各マークMAp,MAb,MAwの少なくとも1つの位置と、ナットNUに付されたマークMAnの位置との間の角度が、ナット回転角度θ1として特定されればよい。
【0096】
上記実施形態では、検査画像PH1(図9)は、各締結単位についてのナット回転角度θ1の値を示す角度画像ANiと、接合部に含まれる締結単位の個数を示す個数画像NPiと、各締結単位についてのナット回転角度θ1の平均値を示す平均値画像AViと、合格範囲を示す合格範囲画像PAiと、各締結単位のナット回転角度θ1が合格範囲内にあるか否かを示す判定画像JUiとを含んでいるが、検査画像PH1は、鉄骨部材の接合部の検査に用いられる限りにおいて、これらの画像の内の1つまたは複数を含まないとしてもよい。例えば、検査画像PH1が、判定画像JUiを含まず、検査者が角度画像ANiおよび合格範囲画像PAiを参照して、各締結単位のナット回転角度θ1が合格範囲内にあるか否かの判定を行うとしてもよい。
【0097】
上記実施形態における合格範囲の設定方法(ナット回転角度θ1の平均値から±30度の範囲を合格範囲として設定する方法)は、あくまで一例であり、他の設定方法が採用されてもよい。例えば、予め定められた固定の範囲が合格範囲として設定されるとしてもよい。
【0098】
上記実施形態では、2つの鉄骨梁の接合部の検査を例に挙げて説明したが、本発明は、他の種類の鉄骨部材の接合部の検査にも同様に適用可能である。また、上記実施形態では、構造物として鉄骨造の建築物を例に挙げて説明したが、本発明は、他の種類の構造物を構成する鉄骨部材の接合部の検査にも同様に適用可能である。
【0099】
上記実施形態における検査システム用データD100の構造(図2)は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
【0100】
上記実施形態では、構造物の図面として二次元図面のみを用いる例を示したが、二次元図面と三次元図面とを用いてもよい。すなわち、検査支援装置200の表示部240に、構造物の三次元図面と二次元図面とが切替可能に表示されており、ユーザが必要に応じて検査支援装置200の表示部240に構造物の二次元図面を表示させ、上記の検査支援処理を実施させてもよい。
【0101】
上記実施形態では、検査システム10は、データ生成装置100と、検査支援装置200とに加えて、図面データ保管サーバ300と、検査システム用データ保管サーバ400とを備える例を示したが、図面データ保管サーバ300と検査システム用データ保管サーバ400とが、1つのサーバにより構成されていてもよい。また、画像データD507が、例えばデータ生成装置100で生成される等、データ生成装置100に取得されて記憶部120に記憶されている場合には、図面データ保管サーバ300は必ずしも必要ではない。また、検査システム用データD100が、データ生成装置100から検査支援装置200に直接送信され、属性データD402が、検査支援装置200からデータ生成装置100に直接送信される場合には、検査システム用データ保管サーバ400は必ずしも必要ではない。
【0102】
上記実施形態では、検査支援装置200の表示部240が、操作受付部を兼ねている例を示したが、検査支援装置200は、表示部240とは別に操作受付部を備えていてもよい。
【0103】
上記実施形態では、検査結果により、選択検査位置KL1に表示されるにおける梁アイコンAG2を、形状が等しく、表示色が異なるアイコンを切り替える例を示したが、これに限られない。例えば、例えば表示色が等しく、互いに形状の異なるアイコンに切り替えられてもよければ、形状および表示色の異なるアイコンに切り替えられてもよい。
【0104】
上記実施形態では、選択検査位置KL1の検査帳票CHがデータ生成装置100により作成される例を示したが、これに限られず、検査支援装置200により実施されてもよい。この場合においては、検査支援装置200の制御部210は、検査帳票作成部の一例である。また、選択検査位置KL1の検査帳票CHに記載される内容として検査結果や選択検査位置KL1に位置する被写体の画像(検査画像PH1)等を挙げて説明したが、検査帳票CHに記載される内容は上記の例に限られない。
【0105】
上記実施形態では、表示部240に検査画像PH1を表示するときに、検査画像PH1が検査画面HSにおける画像表示欄HP1に表示される例を示したが、これに限られず、検査画像PH1が検査画面HSとは独立した別の画面に表示されるようにしてもよい。
【0106】
上記実施形態では、検査支援装置200の表示部240に現在位置マークAZを表示する例を示したが、現在位置マークAZはかならずしも表示される必要はない。また、上記実施形態では、現在位置マークAZを表示するために、地磁気センサ260とGPS受信部270とを用いる例を示したが、これに限られず、他の手法により現在位置マークAZが表示されてもよい。
【0107】
上記実施形態では、データ生成装置100の制御部110が、検査支援装置200から検査結果を受信するときに、検査システム用データ保管サーバ400を介して審査結果を受信する例を示したが、これに限られない。例えば、制御部110が、検査支援装置200から審査結果を直接受信してもよい。
【0108】
上記実施形態では、データ生成装置100の表示部150に、図面30やアイコン等の属性が表示される例を示したが、表示部150に図面30やアイコン等の属性が必ずしも表示される必要はない。
【符号の説明】
【0109】
10:検査システム 20:衛星 30:図面 100:データ生成装置 110:制御部 120:記憶部 130:通信部 140:操作部 150:表示部 200:検査支援装置 210:制御部 220:記憶部 230:通信部 240:表示部 250:撮影部 260:地磁気センサ 270:GPS受信部 300:図面データ保管サーバ 400:検査システム用データ保管サーバ NW:通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14