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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】ファン及び送風装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/38 20060101AFI20230407BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20230407BHJP
   F04D 29/32 20060101ALI20230407BHJP
   F04D 25/16 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
F04D29/38 A
F04D25/08 305C
F04D29/32 E
F04D25/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019130164
(22)【出願日】2019-07-12
(65)【公開番号】P2021014822
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】山本 明
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-106592(JP,A)
【文献】特開2013-113246(JP,A)
【文献】実開平01-108389(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/16
F04D 25/08
F04D 29/32
F04D 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸線を中心として回転する回転軸部と、
複数の第1羽根を有する軸流型の第1ファン部と、
複数の第2羽根を有する斜流型の第2ファン部と
を備え、
前記複数の第1羽根は、前記回転軸部の外周に沿って位置し、
前記複数の第2羽根は、前記第1ファン部の外周に沿って位置し、
前記第2ファン部は、
ベース部と、
複数のリブ部と
を更に有し、
前記ベース部は、
前記第1ファン部側に位置する内周面と、
前記第1ファン部と反対側に位置する外周面と
を有し、
前記複数の第2羽根は、前記外周面に配置され、
前記複数のリブ部は、前記内周面に配置される、ファン。
【請求項2】
前記第1ファン部の外側で、前記第2ファン部の内側に位置する分離部を更に備え、
前記分離部は、前記第1ファン部で発生する気流と、前記第2ファン部で発生する気流とを分離する、請求項1に記載のファン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のファンと、
前記ファンを駆動する駆動源と、
前記第2ファン部から吹き出された気流の進行方向を調整することが可能な風向板部と
を備え、
前記風向板部は、前記ファンの外周に沿って位置する、送風装置。
【請求項4】
前記風向板部は、複数の風向板を有し、
前記複数の風向板は、前記回転軸線に対して周方向に沿って配列され、
前記複数の風向板の各々は、可動する、請求項に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン及び送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の送風装置は、ファンモータと、回転ボスと、軸流型の羽根部と、斜流型の羽根部と、開閉手段とを備える。回転ボスは、ファンモータの回転軸に取り付けられる。軸流型の羽根部は、回転ボスを中心として、複数の翼を放射状に設けてなる。斜流型の羽根部は、回転ボスを中心として、複数の翼を放射状に設けてなる。斜流型の羽根部の直径は、軸流型の羽根部の直径よりも小さい。開閉手段は、斜流型の羽根部の吸気口を開閉する。開閉手段が吸気口を閉めることで、直進性のある風を送風する。一方、開閉手段が吸気口を開けることで、広がりのある風を送風する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-180470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の送風装置では、広がりのある風を送風する場合に、斜流型の羽根部は、軸流型の羽根部の内側に位置するため、斜流型の羽根部で発生した気流と、軸流型の羽根部で発生した気流とが衝突した。その結果、圧損が高くなった。よって、効率的に強い風を送風できなかった。
【0005】
本発明は、効率的に強い風を送風できるファン及び送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1局面によれば、ファンは、回転軸部と、第1ファン部と、第2ファン部とを備える。前記第1ファン部は、軸流型である。前記第2ファン部は、斜流型である。前記回転軸部は、回転軸線を中心として回転する。前記第1ファン部は、複数の第1羽根を有する。前記第2ファン部は、複数の第2羽根を有する。前記複数の第1羽根は、前記回転軸部の外周に沿って位置する。前記複数の第2羽根は、前記第1ファン部の外周に沿って位置する。
【0007】
本願の第2局面によれば、送風装置は、上記記載のファンと、駆動源と、風向板部とを備える。前記駆動源は、前記ファンを駆動する。前記風向板部は、前記第2ファン部から吹き出された気流の進行方向を調整することが可能である。前記風向板部は、前記ファンの外周に沿って位置する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のファン及び送風装置によれば、効率的に強い風を送風できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る扇風機の一例を示す斜視図である。
図2】本実施形態に係る送風部の一例を示す断面図である。
図3】本実施形態に係るファンの一例を示す斜視図である。
図4】本実施形態に係るファンの一例を示す斜視図である。
図5】本実施形態に係るファンの一例を示す断面図である。
図6】本実施形態に係る扇風機の一例を示す正面図である。
図7】本実施形態に係るファンが回転した時に発生する空気の流れを表した図である。
図8】本実施形態に係る送風部の他の一例を示す斜視図である。
図9】本実施形態に係る送風部の他の一例を示す断面図である。
図10】本実施形態に係るファンが回転した時に発生する空気の流れを表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
図1を参照して、本発明の本実施形態に係る扇風機の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る扇風機の一例を示す斜視図である。また、本実施形態では、図中に、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を示す。Z軸は鉛直方向に平行であり、X軸及びY軸は水平方向に平行である。更に、本実施形態では、X軸の正方向は、扇風機1の前面側を示す。扇風機1のファンの回転軸線AXは、X軸に沿っている。
【0012】
図1に示すように、扇風機1は、ベースと、支柱3と、送風部4とを備える。扇風機1は、送風装置の一例である。なお、前面側のガードは、ファンの形状をわかりやすく見せるため、図示していないが、前面側のガードを備えてもよい。
【0013】
ベースは、床面に載置される。ベースの外形は、例えば、平面視でほぼ円形をなす扁平状を有する。そして、ベースの前方上面には、例えば、キー、ボタン及び操作パネルが設けられる。
【0014】
支柱3は、ベースから上方に延びる。支柱3は、送風部4を昇降させる。具体的には、支柱3は、筒状の支柱基部と、柱状の摺動杆と、ロック釦とを有する。支柱基部は、ベースの後方上面から垂直に延びる。摺動杆は、送風部4を支持する。摺動杆は、支柱基部の内側に上下摺動自在に組み付けられる。ロック釦は、支柱基部の上部後方に設けられる。そして、ロック釦を、弾性体の付勢力に抗して押動することにより、支柱基部と摺動杆との係合が解除される。その結果、摺動杆が、支柱基部に対して上下に摺動する。
【0015】
続けて、送風部4について説明する。図2は、本実施形態に係る送風部4の一例を示す断面図である。図2に示すように、送風部4は、駆動部カバー19と、DC(Direct Current)ファンモータ15と、ファン30と、ガード50とを備える。DCファンモータ15は、駆動源の一例である。
【0016】
DCファンモータ15は、ファン30を駆動する。そして、DCファンモータ15は、前側を開口した駆動部カバー19により覆われている。なお、本明細書において、「前」は、ファン30の回転軸線AXに沿った方向における、ファンモータ15の位置からファン30の位置に向かう方向を示す。また、「後」は、ファン30の回転軸線AXに沿った方向における、ファン30の位置からファンモータ15の位置に向かう方向を示す。
【0017】
ガード50は、例えば、ファン30を覆う網状体である。ガード50は、例えば、円環形の基部51と、中空円筒形の周縁部52とを有する。
【0018】
基部51は、ファン30の後面に対向する。そして、基部51の内周端は、駆動部カバー19の前端に取付けられる。
【0019】
周縁部52は、基部51の外周端から基部51の径方向外側前方に延びており、ファン30の外周部に対向する。周縁部52は、例えば、円筒形の連結部52aと、複数の骨部52bと有する。複数の骨部52bの各々は、直線状に設けられ、前後方向に沿っている。複数の骨部52bは、互いに間隔を有して配置される。複数の骨部52bの一端の各々は、連結部52aと連結され、複数の骨部52bの他端の各々は、基部51と連結される。
【0020】
図3及び図4を参照して、ファン30について説明する。図3は、本実施形態に係るファン30の一例を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係るファン30の一例を示す斜視図である。図3及び図4に示すように、ファン30は、回転軸部31と、第1ファン部32と、第2ファン部33とを備える。
【0021】
回転軸部31は、回転軸線AXを中心として回転する。具体的には、回転軸部31は、円筒体である。詳細には、回転軸部31の中央には、DCファンモータ15の前方に突出した回転軸が取付けられる。その結果、ファン30は、DCファンモータ15によって回転駆動される。
【0022】
第1ファン部32は、軸流型のファン部である。軸流型のファン部は、複数の第1羽根を有する。複数の第1羽根は、例えば、7枚の羽根である。複数の第1羽根の各々は、互いに同一形状をなす。そして、複数の第1羽根は、回転軸部31の外周に沿って位置する。具体的には、複数の第1羽根は、回転軸部31を中心に放射状に配置される。詳細には、第1ファン部32では、前後方向に沿って回転軸線AXが延びている。DCファンモータ15の駆動により、第1ファン部32は回転し、第1ファン部32は、後方から吸い込んだ空気を、前方に吹き出す。なお、軸流型のファン部とは、例えば、プロペラファンであり、後方から吸い込んだ空気を、前方に吹き出すファンのことをいう。
【0023】
第2ファン部33は、斜流型のファン部である。斜流型のファン部は、複数の第2羽根を有する。複数の第2羽根は、例えば、7枚の羽根であり、第1羽根の枚数と同じであってもよく、異なっていてもよい。複数の第2羽根の各々は、互いに同一形状をなす。そして、複数の第2羽根は、第1ファン部32の外周に沿って位置する。具体的には、複数の第2羽根は、回転軸部31を中心に放射状に配置される。詳細には、第2ファン部33では、前後方向に沿って回転軸線AXが延びている。DCファンモータ15の駆動により、第2ファン部33は回転し、第2ファン部33は、後方から吸い込んだ空気を、斜め前方に吹き出す。なお、斜流型のファン部とは、例えば、後方から吸い込んだ空気を、斜め前方に吹き出すファンのことをいい、特に後方から吸い込んだ空気を、斜め前方に広がるように吹き出すファンのことをいう。
【0024】
ファン30は、分離部34を更に備える。そして、分離部34は、第1ファン部32の外側で、第2ファン部33の内側に位置する。具体的には、分離部34は、円筒体である。
【0025】
図5を参照して、扇風機1から吹き出される空気の流れについて説明する。図5は、本実施形態に係るファン30の一例を示す断面図である。第1風路F1、第2風路F2、第3風路F3及び第4風路F4の各々は、空気の流れを示す。第1風路F1は、第1ファン部32に吸い込まれる空気の流れを示す。第2風路F2は、第1ファン部32から吹き出される空気の流れを示す。第3風路F3は、第2ファン部33に吸い込まれる空気の流れを示す。第4風路F4は、第2ファン部33から吹き出される空気の流れを示す。
【0026】
図5に示すように、ファン30の後方の空気は、第1風路F1に沿って流れた後、第1ファン部32に吸い込まれる。第1ファン部32に吸い込まれた空気は、第1ファン部32によって、第2風路F2に沿って吹き出される。また、ファン30の後方の空気は、第3風路F3に沿って流れた後、第2ファン部33に吸い込まれる。第2ファン部33に吸い込まれた空気は、第2ファン部33によって、第4風路F4に沿って吹き出される。
【0027】
以上のように、本発明のファン30によれば、第2ファン部33の複数の第2羽根は、第1ファン部32の外周に沿って位置する。従って、第1ファン部32で発生した気流と、第2ファン部33で発生した気流とが衝突することが低減される。その結果、効率的に強い風を送風できる。
【0028】
また、分離部34は、第1ファン部32の外側で、第2ファン部33の内側に位置するため、第1ファン部32で発生する気流と、第2ファン部33で発生する気流とは分離される。その結果、第1ファン部32で発生した気流と、第2ファン部33で発生した気流とが衝突することがより低減されるため、広範囲に、より強い風を送風できる。
【0029】
図3及び図4に示すように、第2ファン部33は、ベース部33aと、複数のリブ部33bとを更に有する。ベース部33aは、第1ファン部32側に位置する内周面と、第1ファン部32と反対側に位置する外周面とを有する。具体的には、ベース部33aは、円錐台形体である。そして、ベース部33aの径は、前方に沿って大きくなっている。
【0030】
複数の第羽根は、外周面に配置される。また、複数のリブ部33bは、内周面に配置される。詳細には、複数のリブ部33bは、ベース部33aの内周面と分離部34の外周面との間を連結する。その結果、ベース部33aは複数のリブ部33bによって補強される。また、複数のリブ部33bによっても気流を発生させることにより、素な風と密な風とが発生することをなくすことができる。
【0031】
図6を参照して、風向板部20について説明する。図6は、本実施形態に係る扇風機1の一例を示す正面図である。図6に示すように、風向板部20は、ファン30の外周に沿って配置されている。風向板部20は、ガード50に支持される。具体的には、風向板部20の後端は、連結部52aの前端に取り付けられる。
【0032】
風向板部20は、複数の風向板を有する。例えば、複数の風向板は、第1風向板21と、第2風向板22と、第3風向板23と、第4風向板24とを含む。第1風向板21と第2風向板22と第3風向板23と第4風向板24との各々は、曲面を有する板状体である。そして、風向板部20は、ファン30の外周に沿って位置する。具体的には、第1風向板21と第2風向板22と第3風向板23と第4風向板24とは、回転軸線AXに周方向に沿って配列される。
【0033】
扇風機1は、第1姿勢をとる。詳細には、第1姿勢では、第1風向板21と第2風向板22と第3風向板23と第4風向板24との各々の前端が、回転軸線AXから離れる側に、第1風向板21と第2風向板22と第3風向板23と第4風向板24との各々の前端が位置する。
【0034】
また、風向板部20は、第2ファン部33から吹き出された空気の進行方向を調整することが可能である。
【0035】
図7を参照して、扇風機1から吹き出される空気の流れについて説明する。図7は、本実施形態に係るファン30が回転した時に発生する空気の流れを表した図である。図7に示すように、第2ファン部33の後方の空気は、第3風路F3に沿って流れた後、ガード50を経て第2ファン部33に吸い込まれる。第2ファン部33に吸い込まれた空気は、第2ファン部33によって、第2ファン部33の斜め前方に吹き出される。第2ファン部33から斜め前方に吹き出された空気は、風向板部20に沿う。その結果、空気の進行方向が第4風路F4に沿う。よって、広がりのある風が送風される。
【0036】
また、第1ファン部32の後方の空気は、第1風路F1に沿って流れた後、ガード50を経て第1ファン部32に吸い込まれる。第1ファン部32に吸い込まれた空気は、第1ファン部32によって、第1ファン部32の前方に吹き出される。その後、第1ファン部32か前方に吹き出された空気の一部の進行方向は、第4風路F4に沿う空気と第2風路F2に沿う空気との間に生じる気圧差によって、第4風路F4に沿う。よって、少し広がりのある風が送風される。
【0037】
更に、第1風向板21と第2風向板22と第3風向板23と第4風向板24とは、個別に可動する。詳細には、第1風向板21の後端は、例えば、第1ヒンジを介して連結部52aの前端に取り付けられる。その結果、使用者は、第1風向板21の後端を回転軸として、第1風向板21の前端を移動させることができる。また、第2風向板22の後端は、例えば、第2ヒンジを介して連結部52aの前端に取り付けられる。第3風向板23の後端は、例えば、第3ヒンジを介して連結部52aの前端に取り付けられる。第4風向板24の後端は、例えば、第4ヒンジを介して連結部52aの前端に取り付けられる。
【0038】
具体的には、風向板部20の前端は、回転軸線AXから近づく側に可動する。図8は、送風部4の他の一例を示す斜視図である。図9は、送風部4の他の一例を示す断面図である。
【0039】
図8及び図9に示すように、扇風機1は、第2姿勢をとる。詳細には、第2姿勢では、第1風向板21と第2風向板22と第3風向板23と第4風向板24との各々が、回転軸線AXに沿っている。
【0040】
図10を参照して、扇風機1から吹き出される空気の流れについて説明する。図10は、本実施形態に係るファン30が回転した時に発生する空気の流れを表した図である。図10に示すように、第2ファン部33の後方の空気は、第3風路F3に沿って流れた後、ガード50を経て第2ファン部33に吸い込まれる。第2ファン部33に吸い込まれた空気は、第2ファン部33によって、第2ファン部33の斜め前方に吹き出される。第2ファン部33から斜め前方に吹き出された空気は、風向板部20に当たる。その結果、風向板部20によって、空気の進行方向が第2風路F2に変えられる。よって、直進性のある風が送風される。
【0041】
また、第1ファン部32の後方の空気は、第1風路F1に沿って流れた後、ガード50を経て第1ファン部32に吸い込まれる。第1ファン部32に吸い込まれた空気は、第1ファン部32によって、第1ファン部32の前方に吹き出される。よって、直進性のある風が送風される。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、風向板部20の姿勢を変えることにより、第2ファン部33から吹き出された空気の進行方向が切り替えられる。その結果、簡易な構成で、第2ファン部33から吹き出された空気の進行方向を切り替えることができる。
【0043】
更に、一般的に斜流ファンから吹き出される風が障害物によって受ける圧損は、小さい。その結果、扇風機1によれば、風量を弱くせず、広がりのある風を直進性のある風に切り替えることができる。
【0044】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0045】
(1)本実施形態において、扇風機1であったが、本発明はこれに限定されない。天井送風装置であってもよい。Z軸の負方向は、天井送風装置100の前面側を示す。本実施形態に係る扇風機1では、ファン30の回転軸線AXは、X軸に沿っているのに対して、天井送風装置では、ファン30の回転軸線AXは、Z軸に沿っている点で相違する。
【0046】
(2)本実施形態において、第2ファン部33は、逆ネジを用いて第1ファン部32に取付け取外し可能であってもよい。第2ファン部33を取り外すことにより、第1ファン部32のみを備える扇風機1として使用できる。
(3)本実施形態において、第1羽根の枚数と第2羽根の枚数とは、同じであってもよく(実施例)、異なっていてもよい。例えば、第1羽根の枚数のほうが多くてもよい。第1羽根で生じた風は、直線状に向かうため、人に当たりやすい。羽根の枚数が多いほうが、風のあたりが柔らかになる(風の塊が小さくなり、風のぶつかり感がわかりにくくなる)ため、好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、ファンの分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 扇風機
20 風向板部
30 ファン
31 回転軸部
32 第1ファン部
33 第2ファン部
34 分離部
50 ガード
AX 回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10