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7257979サーバ装置、プログラム、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230407BHJP
   G06Q 10/0631 20230101ALI20230407BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230407BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
G06Q10/0631
G06Q30/0601 310
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020011096
(22)【出願日】2020-01-27
(65)【公開番号】P2021117775
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】福江 尚史
(72)【発明者】
【氏名】小西 啓介
【審査官】後藤 昂彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-049703(JP,A)
【文献】特開2002-222080(JP,A)
【文献】特開2003-263320(JP,A)
【文献】特開2019-185132(JP,A)
【文献】“システム開発は、一括払いではなく月額利用料金(サブ スクリプション)が良い!|Excel職人のつぶやき”,[online],2018年09月29日,インターネット<URL: https://excel-databace.hatenablog.com/entry/system-kaihatsu>,[検索日:2022.08.31]
【文献】“月額制(定額制)のシステム受託開発のメリットは何か?|techpartner”,[online],2019年06月06日,インターネット<URL: https://techpartner.jp/blog/monthly-payment-dev-support>,[検索日:2022.08.31]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムの開発を依頼する依頼者と、前記開発の少なくとも一部を請け負う1以上の開発者と、を仲介する仲介者が使用するサーバ装置であって、
前記依頼者が使用する依頼者端末から、前記依頼を示す開発依頼情報を取得する依頼取得部と、
前記開発依頼情報に基づき、前記開発者ごとに前記開発の少なくとも一部の開発費用を設定する費用設定部と、
前記システムの利用期間に応じた前記システムの利用料であって、前記開発費用に割り当てるための前記利用料を設定する利用料設定部と、
前記依頼者端末に、前記利用料を示す利用料情報を通知する利用料通知部と、
前記開発のタスクに対する評価を示す評価情報を記憶する評価記憶部を参照し、前記評価情報に基づき前記開発の少なくとも一部の開発費用の見積りを算出する見積り算出部と、
前記タスクを評価する評価者が使用する複数の評価者端末それぞれから、前記タスクに対する評価を示す複数の評価候補情報を取得する評価取得部と、
前記複数の評価候補情報が示す複数の評価が第1条件を満たす場合、前記評価記憶部に前記複数の評価候補情報を前記評価情報として登録する登録部と、を備える、
サーバ装置。
【請求項2】
前記開発者が使用する開発者端末に、前記開発の少なくとも一部の開発費用の見積りの依頼を示す見積り依頼情報を通知する依頼通知部と、
前記開発者端末から、前記通知した前記見積り依頼情報に対する応答として前記見積りを示す第1見積り情報を取得する第1見積り取得部と、をさらに備え、
前記費用設定部は、前記第1見積り情報にさらに基づき、前記開発費用を設定する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記費用設定部は、前記見積り算出部により算出された見積りにさらに基づき、前記開発費用を設定する、
請求項1から2のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記開発の少なくとも一部の開発費用の見積りを行う見積者が使用する複数の見積者端末それぞれから、前記見積者による見積りを示す複数の第2見積り情報を取得する第2見積り取得部をさらに備え、
前記費用設定部は、前記複数の第2見積り情報が示す前記複数の見積りが第2条件を満たす場合、前記複数の見積りにさらに基づき前記開発費用を設定する、
請求項1からのいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記依頼者端末から、前記通知した前記利用料情報に対する依頼者の合意を示す合意情報を取得する合意取得部と、
前記合意情報に基づき、前記開発者が使用する開発者端末ごとに、前記開発者に前記開発の少なくとも一部を発注するための発注情報を通知する発注通知部と、をさらに備える、
請求項1からのいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記開発依頼情報に基づき、前記依頼者端末に、前記システムに関するリクエストを問い合わせる問い合わせ部と、
前記依頼者端末から、前記問い合わせに対する応答として、前記リクエストを示すリクエスト情報を取得するリクエスト取得部と、をさらに備え、
前記利用料設定部は、前記リクエスト情報にさらに基づき、前記利用料を設定する、
請求項1からのいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記システムの利用期間は、複数の単位期間を含み、
前記利用料設定部は、前記単位期間ごとの前記利用料を設定し、
前記サーバ装置は、
前記利用料と前記単位期間の数の乗算が前記開発費用の総額以上となる前記単位期間の数を算出する単位期間数算出部、をさらに備え、
前記利用料通知部は、前記依頼者端末に、前記算出された単位期間の数を含む前記利用料情報を通知する、
請求項1からのいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記システムの利用期間は、複数の単位期間を含み、
前記開発費用の総額を所定の単位期間の数で除算した分割金額を算出する分割金額算出部、をさらに備え、
前記利用料設定部は、前記分割金額に応じて、前記利用料を設定する
請求項1からのいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項9】
コンピュータに、
システムの開発を依頼する依頼者と、1以上の前記開発の少なくとも一部を請け負う開発者と、を仲介する仲介者が使用するサーバ装置であって、
前記依頼者が使用する依頼者端末から、前記依頼を示す開発依頼情報を取得する依頼取得機能と、
前記開発依頼情報に基づき、前記開発者ごとに前記開発の少なくとも一部の開発費用を設定する費用設定機能と、
前記システムの利用期間に応じた前記システムの利用料であって、前記開発費用に割り当てるための前記利用料を設定する利用料設定機能と、
前記依頼者端末に、前記利用料を示す利用料情報を通知する利用料通知機能と、
前記開発のタスクに対する評価を示す評価情報を記憶する評価記憶部を参照し、前記評価情報に基づき前記開発の少なくとも一部の開発費用の見積りを算出する見積り算出機能と、
前記タスクを評価する評価者が使用する複数の評価者端末それぞれから、前記タスクに対する評価を示す複数の評価候補情報を取得する評価取得機能と、
前記複数の評価候補情報が示す複数の評価が第1条件を満たす場合、前記評価記憶部に前記複数の評価候補情報を前記評価情報として登録する登録機能と、を実現させる、
プログラム。
【請求項10】
システムの開発を依頼する依頼者と、1以上の前記開発の少なくとも一部を請け負う開発者と、を仲介する仲介者が使用するサーバ装置が、
前記依頼者が使用する依頼者端末から、前記依頼を示す開発依頼情報を取得し、
前記開発依頼情報に基づき、前記開発者ごとに前記開発の少なくとも一部の開発費用を設定し、
前記システムの利用期間に応じた前記システムの利用料であって、前記開発費用に割り当てるための前記利用料を設定し、
前記依頼者端末に、前記利用料を示す利用料情報を通知
前記開発のタスクを評価する評価者が使用する複数の評価者端末それぞれから、前記タスクに対する評価を示す複数の評価候補情報を取得し、
前記複数の評価候補情報が示す複数の評価が第1条件を満たす場合、前記タスクに対する評価を示す評価情報を記憶する評価記憶部に前記複数の評価候補情報を前記評価情報として登録し、
前記評価記憶部を参照し、前記評価情報に基づき前記開発の少なくとも一部の開発費用の見積りを算出する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、プログラム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クラウドソーシングサービスを実現するための技術が知られている。下記特許文献1に開示されている情報処理装置は、クラウドソーシングシステムに登録されたワーカーの受注履歴から当該ワーカーの受注可能なタスク規模を算出する。そして、情報処理装置は、算出されたタスク規模に応じてタスクを分割して、分割したタスクをワーカーに提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-37605号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クラウドソーシングサービスを利用してシステムの開発を依頼する者(以下、「依頼者」という)は、不特定多数の者に対して当該開発を請け負う者(以下、「開発者」という)を募集する。そして、依頼者は、この募集に対する応募者の中から開発者を選択し、選択された開発者から開発したシステムが納品される。しかしながら、開発されたシステムが依頼者の希望どおり動作せずシステムが利用できないなどのリスク(以下、「開発リスク」という)がシステムの開発には潜在する。クラウドソーシングサービスでは不特定多数の者に対して募集を行うため、システムが利用できなくとも依頼者が開発者に支払った開発費用は返金されないなど上記のような開発リスクを依頼者が負うことが少なくない。しかしながら特許文献1に記載の技術では、上記のような開発リスクを依頼者が負うことに対する考慮はなされていない。
【0005】
そこで、本発明は、システムの開発において、開発の依頼者が負う開発リスクを軽減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るサーバ装置は、システムの開発を依頼する依頼者と、1以上の開発の少なくとも一部を請け負う開発者と、を仲介する仲介者が使用するサーバ装置であって、依頼者が使用する依頼者端末から、依頼を示す開発依頼情報を取得する依頼取得部と、開発依頼情報に基づき、開発者ごとに開発の少なくとも一部の開発費用を設定する費用設定部と、システムの利用期間に応じたシステムの利用料であって、開発費用に割り当てるための利用料を設定する利用料設定部と、依頼者端末に、利用料を示す利用料情報を通知する利用料通知部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、システムの開発を依頼する依頼者と、1以上の開発の少なくとも一部を請け負う開発者と、を仲介する仲介者が使用するサーバ装置であって、依頼者が使用する依頼者端末から、依頼を示す開発依頼情報を取得する依頼取得機能と、開発依頼情報に基づき、開発者ごとに開発の少なくとも一部の開発費用を設定する費用設定機能と、システムの利用期間に応じたシステムの利用料であって、開発費用に割り当てるための利用料を設定する利用料設定機能と、依頼者端末に、利用料を示す利用料情報を通知する利用料通知機能部と、を実現させる。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、システムの開発を依頼する依頼者と、1以上のシステムの開発の少なくとも一部を請け負う開発者と、を仲介する仲介者が使用するサーバ装置が、依頼者が使用する依頼者端末から、依頼を示す開発依頼情報を取得し、開発依頼情報に基づき、開発者ごとにシステムの開発の少なくとも一部の開発費用を設定し、システムの利用期間に応じたシステムの利用料であって、開発費用に割り当てるための利用料を設定し、依頼者端末に、利用料を示す利用料情報を通知する、情報処理方法。
【0009】
上記の態様によれば、仲介者が使用するサーバ装置は、システムの利用期間に応じた利用料であって開発費用に割り当てるための利用料を設定することができる。また、上記の態様によれば、サーバ装置は、依頼者に、設定した利用料を通知することができる。これにより、上記の態様によれば、依頼者においては通知された利用期間に応じた利用料を支払う、すなわちサブスクリプション方式でシステムの開発に対する支払いをすることができる。よって、上記の態様によれば、依頼者の希望どおり動作せずシステムが利用できないなどの開発リスクが発生した場合、依頼者は利用期間に応じた利用料を支払えばいいので、開発費用を全額支払う必要がない。このため、上記の態様によれば、依頼者が負う開発リスクを軽減させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、システムの開発において、開発の依頼者が負う開発リスクを軽減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係るクラウドソーシングシステムのシステム構成例を説明するための図である。
図2】本実施形態に係るクラウドソーシングシステムの概要を説明するための図である。
図3】本実施形態に係る仲介サーバの機能構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係るシステムプランの一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る仲介サーバの動作例を示す図である。
図6】本実施形態に係る利用料の設定方法の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る利用料の設定方法の一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る利用料の設定方法の一例を示す図である。
図9】本実施形態に係る利用料の一例を示す図である。
図10】本実施形態に係るクラウドソーシングシステムの動作例を示す図である。
図11図10が示す動作例に後続する動作例を示す図である。
図12】本実施形態に係る仲介サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図13】本実施形態に係る仲介サーバの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一または同様の構成を有する。
【0013】
本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0014】
<1.システム構成>
本実施形態では、システムの開発(以下、「システム開発」という)を依頼する者(以下、「依頼者」という)と、1以上のシステム開発を請け負う者(以下、「開発者」という)と、を仲介する者(以下、「仲介者」という)が、本実施形態に係るクラウドソーシングシステム1を利用してクラウドソーシングサービスを依頼者と開発者に提供する例を用いて説明をする。ただし、本発明をこの例に限る趣旨ではない。
【0015】
本実施形態では、開発されたシステム(以下、単に「システム」ともいう)の所有権は仲介者とし、サブスクリプション方式を用いて、依頼者におけるシステムの利用権を定期的に更新して依頼者にシステムを利用させる例を用いて説明する。ただし、本発明をこの例に限る趣旨ではない。このような構成によれば、開発されたシステムを仲介者が再利用することができる。
【0016】
本実施形態では、仲介者は、開発されたシステムを、クラウドサーバを利用してSaaSのサービスとして依頼者に提供する。この場合、依頼者はネットワークNを介してシステムを利用期間においてサービスとして利用する。
【0017】
本実施形態のクラウドソーシングシステム1では、開発者において開発が完了するとその成果物が仲介者に納品される。次に、仲介者において受け入れテストなどを行った上で、成果物が本番環境にデプロイされる。次に、仲介者による本番環境のデプロイが完了したシステムは、依頼者による動作確認などの検収が行われる。そして、依頼者による検収がOKであった場合は、システムがリリースされ、依頼者がシステムを利用可能となる。
【0018】
「システム開発」とは、IT技術を用いてハードウェアやソフトウェアの開発を行うことをいう。システム開発は、例えば、単一のアプリケーションプログラムの開発や単一の装置の開発を含めてもよい。
【0019】
仲介者は、例えば、いわゆるITベンダーであってもよい。ITベンダーである仲介者は、例えば、依頼者を代理して開発者とのシステムの仕様調整や開発者に対する進捗管理、品質管理などのプロジェクト管理を行ってもよい。この場合、依頼者よりもシステム開発に詳しい仲介者が代理することで、適切に仕様調整やプロジェクト管理を行うことができる。なお、開発者は、例えば、個人であっても開発会社であってもよい。
【0020】
図1を参照して、クラウドソーシングシステム1のシステム構成例を説明する。
【0021】
クラウドソーシングシステム1は、仲介者が依頼者と開発者に対してクラウドソーシングサービスを提供するためのシステムである。図1に示すように、クラウドソーシングシステム1は、仲介者が使用する仲介サーバ100と、依頼者が使用する依頼者端末200と、第1開発者が使用する開発者端末300aと、第2開発者が使用する開発者端末300bと、を含む。なお、開発者端末300aと開発者端末300bとは、特に区別の必要が無い場合は、まとめて「開発者端末300」という。また、第1開発者と第2開発者とは、特に区別の必要が無い場合は、まとめて「開発者」という。仲介サーバ100と依頼者端末200とは、ネットワークNを介して互いに接続されている。また、仲介サーバ100と開発者端末300とは、ネットワークNを介して互いに接続されている。
【0022】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークの一例としては、携帯電話網や、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN(Local Area Network)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMax(登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電灯線ネットワーク、IEEE1394等に準拠したネットワークがある。
【0023】
仲介サーバ100は、依頼者端末200や開発者端末300との通信や、システム開発の依頼(以下、単に「開発依頼」ともいう)、受発注の管理が可能な情報処理装置である。また、仲介サーバ100は、サーバ装置の一例でもある。仲介サーバ100は、所定のプログラムを実行することにより、依頼者端末200や開発者端末300と連携して、システム開発の依頼、システム開発にかかる費用や期間などの見積り(以下、単に「見積り」ともいう)、見積りに対する合意、および発注までの依頼者と開発者とのやり取りを制御するサーバ機能を実現する。
【0024】
依頼者端末200は、依頼者からのシステム開発の依頼の入力や仲介サーバ100との通信が可能なスマートフォンやラップトップ端末等の端末装置である。依頼者端末200は、所定のプログラムを実行することにより、仲介サーバ100と連携してシステム開発に関する情報を送受信したりシステム開発に関する画面を表示したり依頼者からのリクエストを受け付けたりする。
【0025】
開発者端末300は、開発者からのシステム開発の見積りの入力や仲介サーバ100との通信が可能なスマートフォンやラップトップ端末などの端末装置である。開発者端末300は、所定のプログラムを実行することにより、仲介サーバ100と連携してシステム開発に関する情報を送受信したりシステム開発に関する画面を表示したり開発者のリクエストの指定を受け付けたりする。
【0026】
<2.概要>
図2を参照して、クラウドソーシングシステム1の概要を説明する。
【0027】
(1)図2に示すように、依頼者は、依頼者端末200から仲介者に対してシステム開発の依頼をする。具体的には、依頼者端末200が、開発依頼情報を仲介サーバ100に送信する。ここで「開発依頼情報」とは、依頼者からのシステム開発の依頼を示す情報である。
【0028】
(2)仲介者は、上記(1)の依頼を受け付けると、第1開発者および第2開発者に見積りを依頼する。具体的には、仲介サーバ100が、依頼者端末200から開発依頼情報を取得すると、開発者端末300に見積り依頼情報を通知する。ここで「見積り依頼情報」とは、システム開発の少なくとも一部における見積りの依頼を示す情報である。
【0029】
(3)第1開発者および第2開発者は、それぞれ、上記(2)の見積り依頼に応じて仲介者に見積りを提示する。具体的には、第1開発者端末300aおよび第2開発者端末300bは、仲介サーバ100に第1見積り情報をそれぞれ送信する。ここで「第1見積り情報」とは、見積り依頼情報に対する応答として開発者の見積りを示す情報である。
【0030】
(4)仲介者は、上記(3)で提示された見積りに基づき、開発者ごとに開発費用を設定する。具体的には、仲介サーバ100が、開発者端末300から第1見積り情報を取得すると、上記(1)の開発依頼情報と上記(3)の第1見積り情報とに基づき開発者ごとに開発費用を設定する。
【0031】
(5)仲介者は、システムの利用期間に応じたシステムの利用料(以下、単に「利用料」ともいう)であって、上記(4)で設定された開発費用に割り当てるための利用料を設定する。ここでいう「システムの利用期間に応じた利用料」とは、サブスクリプション方式において、システムの利用権を定期的に更新して依頼者に利用させるための料金である。具体的には、仲介サーバ100が、上記(4)の開発費用を設定すると、設定した開発費用に基づき、プランA~Cとする利用料のプラン(以下、「利用料プラン」ともいう)を設定する。
【0032】
(6)仲介者は、上記(5)で設定した利用料を依頼者に通知する。具体的には、仲介サーバ100が、依頼者端末200に利用料情報を通知する。ここで「利用料情報」とは、システムの利用料を示す情報である。利用料情報は、例えば、プランA~Cのそれぞれの利用料を示す情報であってもよい。
【0033】
(7)依頼者は、上記(6)で通知された利用料プランのうち採用する利用料プランを選択すると共に、選択した利用料プランに対する合意を指定する。具体的には、依頼者端末200が利用料情報に基づき画面で利用料プランを出力し、出力された利用料プランの中から依頼者が選択するものの入力を受け付ける。依頼者端末200は、当該入力を受け付けると、合意情報を生成し、生成した合意情報を仲介サーバ100に送信する。ここで「合意情報」とは、依頼者端末200に通知した利用料情報に対する依頼者の合意を示す情報である。合意情報は、例えば、依頼者が採用した利用プランに対する合意を示してもよい。
【0034】
(8)仲介者は、上記(7)で指定された合意に基づき、第1開発者および第2開発者それぞれに、システム開発の少なくとも一部を発注する。具体的には、仲介サーバ100が、合意情報に基づき、第1開発者端末300aおよび第2開発者端末300bごとに、発注情報を通知する。ここで「発注情報」とは、開発者にシステム開発の少なくとも一部を発注するための情報である。
【0035】
上記構成によれば、仲介サーバ100は、開発者ごとに設定された開発費用に割り当てるためのシステムの利用期間に応じた利用料を設定することができる。また、上記構成によれば、仲介サーバ100は、依頼者に、設定した利用料を通知してそれに対する合意を得て開発者にシステム開発を発注することができる。これにより、上記構成によれば、依頼者においては合意した利用料を利用期間支払うことでシステム開発に対する支払いをすることができる。
【0036】
上記構成によれば、仲介者は、例えば、開発されたシステムが依頼者の希望どおり動作せずシステムが利用できないなどの開発リスクが発生した場合、依頼者は利用期間に応じた利用料を支払うだけでよく、開発費用を全額支払う必要がない。このため、上記構成によれば、仲介者は、依頼者が負う開発リスクを軽減させることができる。
【0037】
<3.機能構成>
図3を参照して、本実施形態に係る仲介サーバ100の機能構成を説明する。図3に示すように、仲介サーバ100は、制御部110と、通信部130と、記憶部140と、を備える。
【0038】
制御部110は、依頼取得部111と、費用設定部115と、利用料設定部116と、利用料通知部117と、を備える。また、制御部110は、例えば、依頼通知部112、見積り取得部113、見積り算出部114、評価取得部118、登録部119、合意取得部120、発注通知部121、問い合わせ部122、リクエスト取得部123、単位期間数算出部124または分割金額算出部125を備えてもよい。
【0039】
依頼取得部111は、依頼者が使用する依頼者端末200から、開発依頼情報を取得する。依頼取得部111が開発依頼情報を依頼者端末200から取得する態様はどのようなものでもよい。依頼取得部111は、例えば、依頼者端末200から開発依頼情報を含むメールやメッセージを受信してもよい。
【0040】
依頼取得部111は、他の例として、依頼者端末200から開発依頼情報のデータファイルを受信してもよい。また、依頼取得部111は、他の例として、仲介者がクラウドソーシングサービスを提供するためのWebサイトであって開発依頼情報を依頼者が入力するための入力フォームを含むWebサイト(以下、「クラウドソーシングサイト」という)のWebページを生成・配信してもよい。この場合、依頼取得部111は、依頼者からこの入力フォームに開発依頼情報を入力されることで開発依頼情報を取得する。
【0041】
開発依頼情報は、例えば、依頼者を識別するための識別情報(例えば、依頼者の氏名またはIDなど)、依頼のタイトル、開発した成果物の納品完了日、開発依頼の依頼日、開発依頼に対する開発者からの応募の期限、依頼内容などを含んでもよい。依頼内容は、例えば、依頼者が必要とするシステムの仕様(例えば、機能要件、非機能要件(性能、動作環境)、開発費用の希望額などを含んでもよい。
【0042】
依頼通知部112は、開発者端末300に、見積り依頼情報を通知する。依頼通知部112が見積り依頼を開発者端末300に通知する態様はどのようなものでもよい。依頼通知部112は、例えば、クラウドソーシングサイト上に見積り依頼情報を掲載するよう、見積り依頼情報を含むWebページを開発者端末300に配信してもよい。依頼通知部112は、例えば、開発者のメールアドレス宛に見積り依頼情報を含むメールまたはメッセージを送信してもよい。この場合、開発者は開発者端末300においてこれらのメールなどを受信するものとする。また、依頼通知部112は、例えば、開発者端末300にプッシュ通知により見積り依頼情報を通知してもよい。
【0043】
依頼通知部112は、例えば、開発依頼情報および後述の依頼者からのシステムの仕様に関するリクエストを示すリクエスト情報に基づき、見積り情報を生成してもよい。このような構成によれば、依頼通知部112は、開発者に見積り依頼をする際に、依頼者からのリクエストを見積りに反映するよう依頼をすることができる。
【0044】
見積り取得部113は、システム開発に関係する者(以下、「関係者」という)が使用する端末から見積り情報を取得する。見積り取得部113が見積り情報を取得する態様は、どのようなものでもよく、例えば、上記の依頼取得部111と同様の態様でもよい。見積り取得部113は、第1見積り取得部1131と、第2見積り取得部1132と、を備える。
【0045】
「見積り情報」とは、システム開発の少なくとも一部における見積りを示す情報である。見積り情報は、例えば、後述の第1見積り情報または第2見積り情報の少なくともいずれか一つを含んでもよい。
【0046】
第1見積り取得部1131は、開発者端末300から、依頼通知部112が通知した見積り依頼情報に対する応答として第1見積り情報を取得する。ここで「第1見積り情報」とは、システム開発の少なくとも一部における開発者による見積りを示す情報である。
【0047】
第2見積り取得部1132は、複数の見積者端末それぞれから、複数の第2見積り情報を取得する。ここで「第2見積り情報」とは、システム開発の少なくとも一部の開発費用の見積者による見積りを示す情報である。また、ここで「見積者端末」とは、見積者が使用する端末である。ここで「見積者」とは、例えば、開発の少なくとも一部の開発費用の見積りを行う者であり、例えば、プロジェクトの管理者(仲介者)、依頼者、仲介者から委託されて開発されたシステムの少なくとも一部をリースするリース事業者(以下、単に「リース事業者」という)、システム開発に対して資金を提供する金融機関(以下、単に「金融機関」という)または第三者などである。
【0048】
見積り算出部114は、評価情報を記憶する後述の評価記憶部141を参照し、評価情報に基づきシステム開発の少なくとも一部における見積りを算出する。ここで「評価情報」とは、システム開発のタスクに対する評価を示す情報である。評価情報は、例えば、タスクごとに、その難易度や処理量(工数)などの評価を示してもよい。また、見積り算出部114は、例えば、見積り情報に示される見積りを集計してもよい。
【0049】
例えば、評価情報においてタスクの難易度が5段階で評価され、この5段階に応じた係数が設定されているものとする。具体的には、段階「5」の場合は係数「1.05」、段階「4」の場合は係数「1.04」、段階「3」の場合は係数「1.03」、段階「2」の場合は係数「1.02」、段階「1」の場合は係数「1.01」が設定されているものとする。見積り算出部114は、例えば、「システムで表示する画面のデザインを決定する」というタスクにおいて、評価情報にタスクの工数が「3人月」、難易度が「5」と評価されていた場合、開発の期間を3人月×1.05=3.15ヶ月と、タスクの工数に上記段階に応じた係数を乗算して開発の期間を見積もってもよい。
【0050】
費用設定部115は、開発依頼情報に基づき、開発者ごとにシステム開発の少なくとも一部の開発費用を設定する。費用設定部115は、例えば、開発依頼情報が示す依頼者が希望する開発費用の総額が100万円であって第1開発者と第2開発者とがそれぞれ4:6の割合の規模でシステム開発を請け負う場合、第1開発者の開発費用を40万円とし、第2開発者の開発費用を60万円として設定してもよい。
【0051】
費用設定部115は、例えば、第1見積り情報にさらに基づき、開発費用を設定してもよい。費用設定部115は、例えば、第1見積り情報に示されたシステム開発の費用や期間などの見積りに基づき、開発費用を設定してもよい。このような構成によれば、費用設定部115は、開発者の意向を開発費用に反映することができるため、開発者にとって使い勝手のよいクラウドソーシングシステムを提供することができる。
【0052】
費用設定部115は、例えば、見積り算出部114により算出された見積りにさらに基づき、開発費用を設定してもよい。費用設定部115は、上記のように見積り算出部114が開発期間を3.15ヶ月と見積もったとし、1月あたりの開発者の単価を90万円とすると、これらを乗算して、開発費用を283.5万円と設定してもよい。
【0053】
上記構成によれば、費用設定部115は、開発のタスクの評価に応じた見積りをもって開発費用を設定することができる。このため、上記構成によれば、費用設定部115は、精度よく開発費用を設定することができる。
【0054】
費用設定部115は、複数の第2見積り情報が示す複数の見積りが第2条件を満たす場合、複数の見積りにさらに基づき開発費用を設定する。ここで「第2条件」とは、例えば、複数の見積りが一致することや複数の見積りが所定の範囲内に収まることなどである。
【0055】
上記構成によれば、費用設定部115は、複数の見積りが一致することや所定の範囲内に収まることを要件とすることで、見積りにおける最適な集合知を形成できる。このため、上記構成によれば、費用設定部115は、見積りの精度を高めることができる。
【0056】
費用設定部115は、例えば、リクエスト情報にさらに基づき、開発費用を設定してもよい。
【0057】
利用料設定部116は、システムの利用期間に応じた利用料であって、開発費用に割り当てるための利用料を設定する。利用料設定部116は、例えば、利用期間が月ごとに設定される場合、月額の利用料を設定してもよい。利用料設定部116は、例えば、開発費用の総額100万円に割り当てるための月額の利用料を、10万円と設定してもよい。この場合、依頼者が開発されたシステムを10ヶ月利用すると、開発費用の総額分が依頼者から支払われることになる。なお、仮に10ヶ月満たずに依頼者がシステムの利用をやめてしまうと、依頼者からは開発費用の総額分が支払われないことになるが、この支払われなかった分については仲介者が負ってもよいし、金融機関に保証してもらってもよい。
【0058】
システムの利用期間は複数の単位期間(以下、単に「単位期間」という)を含み、利用料設定部116は、例えば、単位期間ごとの利用料を設定してもよい。例えば、この単位期間を「月単位」とすると、利用料設定部116は、月額の利用料を設定してもよい。
【0059】
利用料通知部117は、依頼者端末200に、利用料情報を通知する。利用料通知部117が利用料情報を依頼者に通知する態様はどのようなものでもよく、例えば、上記の依頼通知部112と同様の態様でもよい。利用料通知部117は、例えば、クラウドソーシングサイト上に利用料情報を掲載するよう、利用料情報を含むWebページを依頼者端末200に配信してもよい。
【0060】
上記構成によれば、利用料通知部117は、依頼者は通知された利用料を支払う、すなわちサブスクリプション方式でシステム開発に対する支払いをすることができる。このため、上記構成によれば、利用料通知部117は、依頼者が負う開発リスクを軽減させることができる。
【0061】
利用料通知部117は、例えば、依頼者端末200に、後述の単位期間数算出部124により算出された単位期間の数を含む利用料情報を通知してもよい。利用料通知部117は、例えば、算出された単位期間の数を「3(ヶ月)」とすると、システムの最低利用期間を3ヶ月とする旨を含む利用料情報を通知してもよい。また、利用料通知部117は、他の例として、前払いの月数を3ヶ月とする旨を含む利用料情報を通知してもよい。
【0062】
上記構成によれば、利用料通知部117は、開発費用の総額を回収できる単位期間の数を依頼者に通知することができる。このため、上記構成によれば、利用料通知部117は、仲介者または金融機関が負う開発費用の総額が回収できないなどの開発リスクを軽減させることができる。
【0063】
評価取得部118は、複数の評価者端末それぞれから、複数の評価候補情報を取得する。ここで「評価者端末」とは、タスクを評価する評価者が使用する端末装置である。また、ここで「評価者」とは、例えば、開発者、プロジェクトの管理者(仲介者)、依頼者、リース事業者、金融機関または第三者などである。ここで「評価候補情報」とは、システム開発の見積りに採用するタスクの評価の候補として、評価者によるシステム開発のタスクに対する評価を示す情報である。
【0064】
登録部119は、複数の評価候補情報が示す複数の評価が第1条件を満たす場合、評価記憶部141に評価候補情報を評価情報として登録する。ここで「第1条件」とは、例えば、複数の評価が一致することや複数の評価が所定の範囲内に収まることなどである。
【0065】
上記構成によれば、登録部119は、複数の評価が一致することや所定の範囲内に収まることを要件とすることで、タスクの評価における最適な集合知を形成できるため、タスクの評価の精度を高めることができる。
【0066】
合意取得部120は、依頼者端末200から、合意情報を取得する。ここで「合意情報」とは、利用料通知部117が通知した利用料情報に対する依頼者の合意を示す情報である。合意取得部120が合意情報を依頼者端末200から取得する態様は、どのようなものでもよく、例えば、上記の依頼取得部111と同様の態様でもよい。合意取得部120は、例えば、依頼者端末200から合意情報を含むメールやメッセージを受信してもよい。
【0067】
発注通知部121は、合意情報に基づき、開発者端末300ごとに、発注情報を通知する。ここで「発注情報」とは、開発者にシステム開発の少なくとも一部を発注するための情報である。発注通知部121が発注情報を依頼者に通知する態様はどのようなものでもよく、例えば、上記の依頼通知部112と同様の態様でもよい。発注通知部121は、例えば、クラウドソーシングサイト上に発注情報を掲載するよう、発注情報を含むWebページを開発者端末300ごとに配信してもよい。
【0068】
上記構成によれば、発注通知部121は、システム利用期間に応じた利用料に対する依頼者の合意に基づき、開発者にシステム開発を発注することができる。このため、上記構成によれば、発注通知部121は、依頼者が負う開発リスクを軽減しつつ開発者にシステム開発を発注することができる。
【0069】
問い合わせ部122は、開発依頼情報に基づき、依頼者端末200に、システムに関するリクエスト(以下、単に「リクエスト」ともいう)を問い合わせる。システムに関するリクエストとは、例えば、システムの仕様、開発費用、開発期間または利用料などに対するリクエストであってもよい。問い合わせ部122は、例えば、上記問い合わせを示す問い合わせ情報を依頼者端末200に送信してもよい。ここで、図4を用いて、問い合わせ部122がリクエストを問い合わせる方法の一例について説明する。
【0070】
図4に示すように、問い合わせ部122は、リクエストを問い合わせる際、1以上のシステムの仕様に関するプラン(以下、「仕様プラン」という)を依頼者端末200に提示してもよい。問い合わせ部122は、例えば、クラウドソーシングサイト上に仕様プランを掲載するよう、問い合わせ情報として仕様プランを含むWebページを依頼者端末200に配信してもよい。問い合わせ部122は、掲載された仕様プランのうち希望するものを依頼者に問い合わせることで、依頼者にリクエストを問い合わせる。
【0071】
問い合わせ部122は、例えば、図4(a)に示すように、CPUの性能、メモリ容量、HDD容量、冗長化などのシステム仕様に関する項目を組み合わせた「松」「竹」「梅」の3つのプランを提示してもよい。また、問い合わせ部122は、例えば、上記3つのプラン以外に依頼者がカスタマイズできる「カスタマイズ」プランを加えて提示してもよい。
【0072】
問い合わせ部122は、例えば、図4(b)に示すように、ECサイト、CRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)、ERP(Enterprise Resource Planning)などのシステムの種類ごとの仕様プランを提示してもよい。また、問い合わせ部122は、例えば、仕様プランごとにカスタマイズA~Cとカスタマイズのレベルを段階的に提示してもよい。
【0073】
リクエスト取得部123は、依頼者端末200から、問い合わせ部122による問い合わせに対する応答として、リクエスト情報を取得する。ここで「リクエスト情報」とは、システムに関するリクエストを示す情報である。リクエスト情報は、例えば、システムの仕様の少なくとも一部に対するリクエストを示してもよい。リクエスト取得部123がリクエスト情報を依頼者端末200から取得する態様は、どのようなものでもよく、例えば、上記の依頼取得部111と同様の態様でもよい。リクエスト取得部123は、例えば、依頼者端末200においてクラウドソーシングサイトの入力フォームに依頼者がリクエスト情報を入力することでリクエスト情報を取得してもよい。
【0074】
単位期間数算出部124は、利用料とシステムの利用期間における単位期間の数の乗算が開発費用の総額以上となる単位期間の数を算出する。単位期間数算出部124は、例えば、開発費用の総額を30万円とし、月額の利用料を10万円とした場合、開発費用の総額を利用料で除算して単位期間を「3(ヶ月)」と算出する。このような構成によれば、単位期間数算出部124は、開発費用の全てに利用料を割り当てるようシステムの利用期間を設定することができる。
【0075】
システムの利用期間は複数の単位期間を含み、分割金額算出部125は、開発費用の総額を所定の単位期間の数で除算した分割金額を算出する。ここで図5~9を用いて、見積りを集計してから、分割金額を算出し、利用料を設定するまでの処理方法の例を説明する。本例では、システムの利用期間に含まれる単位期間を「月単位」とする。
【0076】
図5は、仲介サーバ100において、見積りを集計してから利用料を設定するまでの動作の流れを示すフロー図である。図5に示すように、見積り算出部114は、見積り情報に示される見積りを集計する(S11)。見積り算出部114は、例えば、第1開発者から取得した開発費用を20万円とする見積りと、第2開発者から取得した開発費用を10万円とする見積りと、を集計する。費用設定部115は、集計された見積りに基づいて開発者ごとに開発費用を設定する(S12)。なお、本例では説明を簡単にするため、費用設定部115は、第1開発者の開発費用の見積り(20万円)と、第2開発者の開発費用の見積り(10万円)とをそのまま第1開発者第2開発者それぞれの開発費用として設定する。
【0077】
(ア)所定の単位期間の数が「3(ヶ月)」の場合(S13)、分割金額算出部125は、開発費用の総額を3で分割する(S14)。すなわち、分割金額算出部125は、開発費用の総額が30万円とすると、30万円を3で除算した分割金額10万円を算出する。(イ)同様に、所定の単位期間の数が「6(ヶ月)」の場合(S13)、分割金額算出部125は、開発費用の総額を6で分割する(S15)。この場合、分割金額算出部125は、分割金額を5万円と算出する。(ウ)同様に、所定の単位期間の数が「36(ヶ月)」の場合(S13)、分割金額算出部125は、開発費用の総額を36で分割する(S15)。なお、この場合、分割金額算出部125は、小数点以下は切り上げとして、分割金額を1万円と算出する。
【0078】
利用料設定部116は、分割金額に応じて、利用料を設定する(S17)。
【0079】
利用料設定部116は、例えば、上記(ア)の場合、図6に示すように、開発費用(分割金額)10万円に利益(リスクや金利を含む)2万円とインフラ・運用費1万円とを上乗せして、月額の利用料を13万円と設定してもよい。
【0080】
上記(イ)の場合、上記(ア)と同様に、図7に示すように、利用料設定部116は、開発費用(分割金額)の5万円に利益2万円とインフラ・運用費1万円とを上乗せして、月額の利用料を8万円と設定してもよい。
【0081】
上記(ウ)の場合、上記(ア)と同様に、図8に示すように、利用料設定部116は、開発費用(分割金額)の1万円に利益2万円とインフラ・運用費1万円とを上乗せして、月額の利用料を4万円と設定してもよい。
【0082】
上記(ア)~(ウ)のいずれにおいても、利用料設定部116は、例えば、利用期間において所定の単位期間の数経過後の利用料から開発費用(分割金額)を除いてもよい。例えば、上記(ア)の場合、利用料設定部116は、4ヶ月目以降の利用料を、開発費用(分割金額)を除いた3万円としてもよい。
【0083】
図9に示すように、利用料通知部117は、利用料設定部116が上記(ア)~(ウ)で設定した利用料をプランA~Cとして依頼者に通知してもよい。また、利用料通知部117は、プランA~Cそれぞれにおける所定の単位期間の数をシステムの最低利用期間または前払い月数として通知してもよい。
【0084】
利用料通知部117は、例えば、プランA・Bにおいて、それぞれにおける所定の単位期間の数を超えてから解約可能と通知してもよい。また、他の例として、利用料通知部117は、システムの利用終了が36ヶ月と設定されている場合、プランCにおいて、利用期間中は解約不可と通知してもよい。
【0085】
図3に戻って説明を続ける。通信部130は、ネットワークNを介して、依頼者端末200や開発者端末300とシステム開発に関する各種情報を送受信する。通信部130は、例えば、ネットワークNを介して、依頼者端末200から開発依頼情報を受信したり、開発者端末300に見積り依頼情報を送信したりする。
【0086】
記憶部140は、利用料情報、見積り情報、合意情報、発注情報などの各種情報を記憶する。記憶部140は、データベースマネジメントシステム(DBMS)を利用して各情報を記憶してもよいし、ファイルシステムを利用して各情報を記憶してもよい。DBMSを利用する場合は、上記情報ごとにテーブルを設けて、当該テーブル間を関連付けて各情報を管理してもよい。
【0087】
記憶部140は、例えば、評価記憶部141を備えてもよい。評価記憶部141は、評価情報を記憶する。
【0088】
<4.動作例>
図10~11を参照してクラウドソーシングシステム1の動作例を説明する。なお、以下に示す図10~11の動作例の処理の順番は一例であって、適宜、変更されてもよい。
【0089】
図10~11は、クラウドソーシングシステム1における、システム開発の依頼を依頼者から受け付けてシステム開発を開発者に発注する処理までの相互作用の例を示すシーケンス図である。
【0090】
図10に示すように、依頼者端末200は、画面に表示されたクラウドソーシングサイトにおいて依頼者からシステム開発の依頼を受け付ける(S20)。依頼者端末200は、システム開発の依頼を受け付けると開発依頼情報を生成し、仲介サーバ100に送信する(S21)。
【0091】
仲介サーバ100は、依頼者端末200から送信された開発依頼情報を取得する(S22)。仲介サーバ100は、開発依頼情報を取得すると、問い合わせ情報を生成する(S23)。仲介サーバ100は、生成した問い合わせ情報を依頼者端末200に送信する(S24)。
【0092】
依頼者端末200は、仲介サーバ100から送信された問い合わせ情報を取得する(S25)。依頼者端末200は、問い合わせ情報が示すシステムの仕様に関する問い合わせを画面で出力する(S26)。
【0093】
依頼者端末200は、上記出力した問い合わせに対する応答として依頼者からのリクエストを受け付ける(S27)。依頼者端末200は、上記リクエストを受け付けると、リクエスト情報を生成し、仲介サーバ100に送信する(S28)。
【0094】
仲介サーバ100は、依頼者端末200から送信されたリクエスト情報を取得する(S29)。仲介サーバ100は、リクエスト情報に基づき見積り依頼情報を生成する(S30)。仲介サーバ100は、生成した見積り依頼情報を開発者端末300に通知する(S31)。
【0095】
開発者端末300は、仲介サーバ100から通知された見積り依頼情報を画面で出力する(S32)。開発者端末300は、出力された見積り依頼情報が示す依頼に対する応答として開発者から見積もりの指定を受け付ける(S33)。開発者端末300は、見積りの指定を受け付けると、第1見積り情報を仲介サーバ100に送信する。
【0096】
仲介サーバ100は、開発者端末300から送信された第1見積り情報を取得する(S35)。ステップS35に後続するクラウドソーシングシステム1における相互作用を図11に示す。
【0097】
図11に示すように、仲介サーバ100は、評価記憶部141を参照し、評価情報に基づきシステム開発の少なくとも一部における見積りを算出する(S40)。仲介サーバ100は、第1見積り情報に示された見積りと上記算出された見積りとに基づき、開発費用を設定する(S41)。仲介サーバ100は、設定した開発費用に基づき、利用料を設定する(S42)。仲介サーバ100は、当該設定した利用料を示す利用料情報を生成し、依頼者端末200に通知する(S43)。
【0098】
依頼者端末200は、仲介サーバ100から通知された利用料情報を取得する(S44)。依頼者端末200は、取得した利用料情報が示す利用料を画面で出力する(S45)。依頼者端末200は、出力した利用料に対する依頼者からの合意を受け付ける(S46)。依頼者端末200は、合意を受け付けると、合意情報を生成して仲介サーバ100に送信する(S47)。
【0099】
仲介サーバ100は、依頼者端末200から送信された合意情報を取得する(S48)。仲介サーバ100は、取得した合意情報に基づき、発注情報を生成する(S49)。仲介サーバ100は、生成した発注情報を開発者端末300に通知する(S50)。開発者端末300は、仲介サーバ100から通知された発注情報が示すシステム開発を発注する旨を画面で出力する(S51)。
【0100】
<5.ハードウェア構成>
図12を参照して、上述してきた仲介サーバ100をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0101】
図12に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811と、表示装置813と、を含む。
【0102】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、仲介サーバ100の制御部110が備える各機能部等は、メモリ803に一時記憶された上で、主にプロセッサ801上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0103】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0104】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、見積り情報や利用料情報などを登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0105】
入力I/F部807は、仲介者からの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0106】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0107】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線または無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0108】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0109】
なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0110】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、以下のような場合も本発明に含まれる。
【0111】
(1)上記実施形態では示していないが、仲介サーバ100は、例えば、依頼者がリクエストする月額の利用料に基づき、利用料を設定してもよい。ここで図13を用いて、依頼者がリクエストする利用料に基づき利用料を設定した場合の開発費用の設定方法の例を説明する。
【0112】
図13に示すように、仲介サーバ100の問い合わせ部122は、依頼者端末200にシステムの利用料に対するリクエストを問い合わせる(S60)。具体的には、問い合わせ部122は、図4(a)に示すようにプラン「松」「竹」「梅」それぞれにおける利用料を提示して問い合わせる(S60)。仲介サーバ100のリクエスト取得部123は、依頼者端末200から当該問い合わせに対する応答として利用料に対するリクエストを含むリクエスト情報を取得する(S61)。本例では、依頼者はプラン「松」を選択し、月額の利用料を10万円とリクエストしたものとする。利用料設定部116は、リクエスト情報に基づき、利用料を10万円と設定する(S62)。
【0113】
費用設定部115は、所定の単位期間の数が「3(ヶ月)」の場合(S63)、3ヶ月で元をとる前提で、3ヶ月に月額の利用料10万円を乗算して30万円を算出し、そこから3ヶ月分の利益やインフラ・運用費などを差し引いて、開発費用にかけられる額、すなわち開発費用の総額を算出する(S64)。所定の単位期間の数が「6(ヶ月)」や「36(ヶ月)」の場合も同様である。
【0114】
費用設定部115は、上記算出した開発費用の総額に基づき、開発者ごとに開発費用を設定する(S67)。発注通知部121は、上記設定した開発費用を含む発注情報を開発者端末300に通知する(S68)。
【0115】
(2)上記実施形態では、評価記憶部を仲介サーバ100の記憶部140が備える機能部(評価記憶部141)とする例を説明したが、評価記憶部は、例えば、評価者端末が備える機能部であってもよいし、サードパーティシステムが備える機能部であってもよい。
【0116】
(3)上記実施形態に係る仲介サーバ100おける各構成の少なくとも一部は、依頼者端末200または開発者端末300に搭載するクラウドソーシングシステム1専用のアプリケーションプログラムが備えてもよい。例えば、このアプリケーションプログラムに、仲介サーバ100の制御部110の機能部のうち、依頼取得部111、見積り算出部114、費用設定部115、利用料設定部116、利用料通知部117を備えさせて、システム開発の依頼の取得~見積り算出~開発費用設定~利用料設定~利用料の通知まで依頼者端末200上で処理してもよい。
【0117】
(4)上記実施形態では示していないが、クラウドソーシングシステム1において取得・算出した見積りの結果の妥当性について審査してもよい。審査する主体は関係者でも仲介サーバ100の制御部110が備える機能部であってもよい。
【符号の説明】
【0118】
1…クラウドソーシングシステム、100…仲介サーバ、110…制御部、111…依頼取得部、112…依頼通知部、113…見積り取得部、114…見積り算出部、115…費用設定部、116…利用料設定部、117…利用料通知部、118…評価取得部、119…登録部、120…合意取得部、121…発注通知部、122問い合わせ部、123…リクエスト取得部、124…単位期間数算出部、125…分割金額算出部、130…通信部、140…記憶部、141…評価記憶部、200…依頼者端末、300…開発者端末、300a…第1開発者端末、300b…第2開発者端末、800…コンピュータ、801…プロセッサ、803…メモリ、805…記憶装置、807…入力I/F部、809…データI/F部、811…通信I/F部、813…表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13