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▶ コーク−グリッシュ,リミティド パートナーシップの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】物質移動カラムのための接触トレー
(51)【国際特許分類】
   B01D 3/20 20060101AFI20230407BHJP
   B01D 53/18 20060101ALI20230407BHJP
   B01J 10/00 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
B01D3/20
B01D53/18 140
B01J10/00 101
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020535513
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-08
(86)【国際出願番号】 IB2018060379
(87)【国際公開番号】W WO2019130173
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】62/610,815
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503195045
【氏名又は名称】コーク-グリッシュ,リミティド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニーウァウト アイザック
(72)【発明者】
【氏名】グリーセル チャールズ
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0018003(US,A1)
【文献】特表2001-505823(JP,A)
【文献】特公昭38-012512(JP,B1)
【文献】特開昭48-095373(JP,A)
【文献】特公昭40-028645(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0007971(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 3/00-42
B01J 19/00-32
B01D 53/14-18、77-79
B01J 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質移動カラムで使用するための接触トレーであって、前記接触トレーは、
液体流を受容するためのトレーデッキと、
前記トレーデッキ全体に分散された複数の弁と、を備え、
前記複数の弁のそれぞれは、
中央部分と、前記中央部分の対向する端部から外向きに延在する延長部と、を有して、前記液体流が前記トレーデッキ上に受容されたときに、前記液体流と相互作用するように、流体が前記トレーデッキを通過することを可能にする前記トレーデッキ内の開口と、
前記開口の前記中央部分の対向する側部に沿って上向きに延在する壁部分と、
弁本体と、を含み、
前記弁本体は、前記開口の上で被覆関係に位置付けられた弁蓋と、脚部と、を含み、
前記脚部は、前記弁蓋の対向する端部に位置する凹部において前記弁蓋に取り付けられ、前記開口前記延長部を通って下向きに延在し、
前記弁蓋は、前記開口の前記側部を越えて外向きに延在する側部を有し、
前記脚部の対向する側部に隣接して位置付けられ、前記弁蓋の前記側部の下に下向きに延在する偏向板を含む、
接触トレー。
【請求項2】
前記脚部及び前記開口の前記延長部は、前記弁蓋が上下に移動することを可能にするため、前記脚部が前記開口の前記延長部の中で垂直に移動可能であるように構成されている、請求項1に記載の接触トレー。
【請求項3】
前記脚部のそれぞれが、前記トレーデッキの下に延在する下部を有する、請求項2に記載の接触トレー。
【請求項4】
前記脚部のそれぞれの前記下部は、前記開口の前記延長部の中における前記脚部の直移動を制限するため、前記トレーデッキに接触する停止部を含む、請求項3に記載の接触トレー。
【請求項5】
前記脚部のうちの少なくとも1つの前記下部が、互いに横方向に離間した関係に位置付けられた一対の前記停止部を含む、請求項4に記載の接触トレー。
【請求項6】
前記弁蓋の前記側部が下向きに延在している、請求項4に記載の接触トレー。
【請求項7】
前記偏向板が前記脚部の外側に位置付けられている、請求項に記載の接触トレー。
【請求項8】
前記脚部のそれぞれが、前記弁蓋の幅よりも小さい幅を有し、前記脚部のうちの一方の幅が他方の脚部よりも大きい、請求項6に記載の接触トレー。
【請求項9】
前記開口の前記中央部分が円形であり、前記延長部が矩形である、請求項に記載の接触トレー。
【請求項10】
物質移動カラムで使用するための接触トレーであって、前記接触トレーは、
液体流を受容するためのトレーデッキと、
前記トレーデッキ全体に分配された複数の弁と、を備え、
前記弁のそれぞれは、
中央部分と、前記中央部分の対向する端部から外向きに延在する矩形延長部と、を有し、前記液体流が前記トレーデッキ上に受容されたときに、前記液体流と相互作用するように、流体が前記トレーデッキを通過することを可能にする前記トレーデッキ内の開口と、
前記開口の前記中央部分の対向する側部に沿って上向きに延在する壁部分と、
弁本体と、を含み、
前記弁本体は、前記開口の上で被覆関係に位置付けられる弁蓋と、脚部と、を含み、
前記脚部は、前記弁蓋の対向する端部に位置する凹部において前記弁蓋に取り付けられ、前記開口の前記矩形延長部を通って下向きに延在し、
前記脚部のそれぞれは、前記トレーデッキの下に延在する下部を有し、
前記脚部及び前記開口の前記矩形延長部は、前記弁蓋が上下に移動することを可能にするため、前記開口の前記矩形延長部の中で垂直に移動可能であるように構成され、
前記脚部のそれぞれは、前記弁蓋の幅よりも小さい幅を有し、
前記脚部のうちの一方の幅は他方の脚部よりも大きく、
前記弁蓋は、前記開口の前記側部を越えて外向きに延在する側部を有し、
前記脚部の周囲の蒸気の通過を制限するため、前記脚部の対向する側部に隣接して位置付けられ、前記弁蓋の側部の下に下向きに延在する偏向板を含む、
接触トレー。
【請求項11】
前記脚部のそれぞれの前記下部が、前記開口の前記矩形延長部の中における前記脚部の直移動を制限するために、前記トレーデッキに接触する停止部を含む、請求項10に記載の接触トレー。
【請求項12】
前記脚部のうちの少なくとも1つの前記下部が、互いに横方向に離間した関係に位置付けられた一対の前記停止部を含む、請求項11に記載の接触トレー。
【請求項13】
前記脚部のそれぞれの前記下部が、互いに横方向に離間した関係に位置付けられた一対の前記停止部を含む、請求項12に記載の接触トレー。
【請求項14】
前記弁蓋の前記側部が下向きに延在している、請求項13に記載の接触トレー。
【請求項15】
物質移動カラムで使用するための接触トレーであって、前記接触トレーは、
液体流を受容するためのトレーデッキと、
前記トレーデッキ全体に分配された複数の弁と、を備え、
前記弁のそれぞれは、円形中央部分と、前記円形中央部分の対向する端部から外向きに延在する矩形延長部と、を有し、前記液体流が前記トレーデッキに受容されたときに、前記液体流と相互作用するように、流体が前記トレーデッキを通過することを可能にする前記トレーデッキ内の開口と、弁本体と、を含み、
前記弁本体は、前記開口の上で被覆関係に位置付けられた弁蓋と、前記弁蓋の対向する端部に位置する凹部において前記弁蓋に取り付けられ、前記開口内の前記矩形延長部を通って下向きに延在する脚部と、前記脚部の周囲の蒸気の通路を制限するため、前記脚部の対向する側部に隣接して位置付けられ、前記弁蓋の部の下に下向きに延在する偏向板と、を含み、
前記脚部のそれぞれは、前記トレーデッキの下に延在する下部を有し、
前記脚部及び前記開口の前記矩形延長部は、前記弁蓋が上下に移動することを可能にするため、前記脚部が前記開口の前記矩形延長部の中で垂直に移動可能であるように構成されており、
前記脚部のそれぞれの前記下部は、前記開口の前記矩形延長部の中における前記脚部の直移動を制限するため、前記トレーデッキに接触する停止部を含み、
前記弁蓋は、前記開口の部を越えて外向きに延在する湾曲した側部を有し、
前記脚部のそれぞれは、前記弁蓋の幅よりも小さい幅を有し、
前記開口の前記円形中央部分の対向する側部に沿って上向きに延在する壁部分を含む、
接触トレー。
【請求項16】
前記脚部のそれぞれの前記下部が、互いに横方向に離間した関係に位置付けられた一対の前記停止部を含み、前記脚部のうちの一方の前記幅は、他方の脚部よりも大きい、請求項15に記載の接触トレー。
【請求項17】
前記弁蓋の前記側部が下向きに延在している、請求項15に記載の接触トレー。
【請求項18】
前記弁蓋が円形である、請求項15に記載の接触トレー。
【請求項19】
物質移動カラムで使用するための接触トレーであって、前記接触トレーは、
液体流を受容するためのトレーデッキと、
前記トレーデッキ全体に分配された複数の弁と、を備え、
前記弁のそれぞれは、
中央部分と、前記中央部分の対向する端部から外向きに延在し、横断して延在するスロットを含む、延長部と、を有して、前記液体流が前記トレーデッキ上に受容されたときに、前記液体流と相互作用するように、蒸気が前記トレーデッキを通過することを可能にするための前記トレーデッキ内の開口と、
前記開口の前記中央部分の対向する側部に沿って上向きに延在する壁部分と、
弁本体と、を含み、
前記弁本体は、台形弁蓋を含み、
前記台形弁蓋は、前記開口及び前記延長部の上で被覆関係に位置付けられ、前記台形弁蓋の対向する端部において前記台形弁蓋に取り付けられ、前記開口の前記延長部の前記スロットを通って下向きに延在する脚部と、前記中央部分の前記側部及び前記開口の前記延長部を越えて外向きに延在する側部を有し、
前記脚部の対向する側部に隣接して位置付けられ、前記台形弁蓋の前記側部の下に下向きに延在する偏向板を含む、
接触トレー。
【請求項20】
前記脚部のそれぞれが、前記トレーデッキの下に延在する下部を有し、前記開口の前記延長部前記スロット内における前記脚部の直移動を制限するために、前記トレーデッキに接触する停止部を含む、請求項19に記載の接触トレー。
【請求項21】
前記脚部のうちの少なくとも1つの前記下部が、互いに横方向に離間した関係に位置付けられた一対の前記停止部を含む、請求項20に記載の接触トレー。
【請求項22】
前記台形弁蓋の前記側部が下向きに延在している、請求項20に記載の接触トレー。
【請求項23】
蒸気が前記開口を通過した後に、前記脚部のうちの1つを通る前記蒸気の通過を可能にするために、前記脚部のうちの1つに位置付けられた脱気孔を含む、請求項22に記載の接触トレー。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は概して、物質移動及び熱交換が発生するカラムに関し、特に、カラムの内部で流れる流体流間での相互作用を促進するためにそのようなカラムで使用するための接触トレーに関する。
【0002】
物質移動カラムは、特定の組成物及び/又は温度の製品流を提供するために、少なくとも2つの流体流に接触するように構成される。本明細書で使用するとき、用語「物質移動カラム」は、物質及び/又は熱の移動が主目的であるカラムを包含することを意図する。多成分蒸留及び吸収用途で利用されるものなど、気相流を液相流に接触させるいくつかの物質移動カラムがあるが、抽出カラムなど、異なる密度の2つの液相間の接触を促進するように設計され得る他の物質移動カラムもある。しばしば、物質移動カラムは、通常は2つの液相間の密な接触を促進するためにカラムの内部領域に配置されている物質移動構造の表面に沿って、又はその上側で、上昇蒸気流又は液体流を下降液体流と接触させるように構成される。2つの相の間を移動する質量及び熱の速度及び/又は程度は、様々な種類のトレー、構造化パッキング、ランダムパッキング、又はグリッドパッキングの形態であり得る質量移動構造によって高められる。
【0003】
物質移動カラムで使用されるトレーは通常、実質的にカラムの水平断面全体にわたって水平に延在し、円形カラムの壁又はシェルの内面に溶接された輪によってその周囲で支持される。多数のトレーが、垂直に離間した関係で位置付けられる。トレーは、カラムで行われる多段階過程の1つの部分を実行するためにカラムの一部のみに位置してもよい。代わりに、トレーは、カラムの内部の空き領域全体を実質的に満たすことがある。
【0004】
上記のタイプのトレーは、液体が1つのトレーから隣接するより下のトレーに下降するための通路を設けるためにトレーデッキにおける開口に配置された1つ又は複数のダウンカマーを含む。ダウンカマーに侵入する前に、トレーデッキ上の液体は、トレーデッキの選択された部分に設けられた開口を通過する上昇する蒸気と相互作用する。蒸気開口を含むトレーデッキのそれらの領域は一般に、蒸気及び液体の混合、並びにトレーのそれらの領域の上で発生する泡立ちを理由に「活性化」領域と称される。
【0005】
トレーデッキにおける蒸気開口は、単純なふるい孔とすることができ、又は固定若しくは可動弁の一部として形成することができる。従来の弁は、脚部によってトレーデッキ内の開口上に支持される弁蓋を有する。固定弁では、弁蓋は、垂直の移動に対して固定される。可動弁では、弁蓋は、開口を通って上昇する蒸気又は流体の圧力における変動に応じて上下に移動することが可能である。弁蓋の垂直移動を可能にするために、脚部は、トレーデッキ内の蒸気開口又は他の開口を通って延在し、トレーデッキの下面に接触するように屈曲される下部を含み、それによって弁蓋の垂直移動の範囲を制限する。脚部をトレーデッキ内の蒸気開口又は他の開口を通して挿入した後に脚部の下部を屈曲させることは、大きな労働力を要し、トレー内の弁を組み立てるのに必要な時間を著しく増加させる。
【0006】
いくつかの弁では、脚部の下部は反対方向に予め屈曲されている。脚部の下部を互いに向かって圧迫することによって、蒸気開口を通して脚部の屈曲部分を挿入することができる。圧力が解放されると、屈曲部分は互いから離れる方向に移動し、トレーデッキの下面に係合して、蒸気開口からの脚部の脱落を防止することができる。脚部をこの様に蒸気開口に挿入することは、トレー内の弁の組み立てを容易にすると同時に、脚部は弁蓋を越えて外向きに延在し、蒸気が弁を出るときに所望の流れ方向から逃れ得る非遮蔽領域を形成する。このように、容易に組み立てられ、蒸気が弁から望ましくない流れ方向に逃れることを制限する、改善された弁の必要性が生じている。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本発明は、物質移動カラムで使用するための接触トレーを目的とする。接触トレーは、液体流を受容するためのトレーデッキと、トレーデッキ全体に分散された複数の弁と、を備える。弁のそれぞれは、液体流がトレーデッキに受容されたときに流体流と相互作用するように、流体がトレーデッキを通過することを可能にするためにトレーデッキ内の開口を含む。開口は、中央部分と、中央部分の対向する端部から外向きに延在する延長部と、を有する。弁はそれぞれ、開口の中央部分の対向する側部に沿って上向きに延在する壁部分と、開口の上で被覆関係に位置付けられた弁蓋を含む弁本体と、を含む。弁本体は、弁蓋の対向する端部に位置する凹部において弁蓋に取り付けられ、開口の延長部を通って下向きに延在する脚部を含む。弁蓋は、開口の側部を越えて外向きに延在する側部を有する。
【0008】
他の態様では、開口の中央部分は円形であってもよく、延長部は矩形であってもよい。脚部のそれぞれの下部は、開口の延長部内における脚部の垂直移動を制限するために、トレーデッキに接触するための少なくとも1つの停止部を含んでもよい。偏向板は、脚部の周囲の蒸気の通過を制限するため、脚部の対向する側部に隣接して位置付けられ、弁蓋の側部の下に下向きに延在してもよい。弁蓋の側部は湾曲していてもよい。
【0009】
別の態様では、本発明は、接触トレーであって、その中の弁のそれぞれは、液体流がトレーデッキ上に受容されたときに液体流と相互作用するように、蒸気がトレーデッキを通過することを可能にするためのトレーデッキ内の開口であって、該開口は、中央部分と、中央部分の対向する端部から外向きに延在し、横断して延在するスロットを含む延長部と、を有する、開口と、開口の中央部分の対向する側部に沿って上向きに延在する壁部分と、弁本体であって、開口及び延長部の上で被覆関係に位置付けられ、かつ、弁蓋の対向する端部において弁蓋に取り付けられ、開口の延長部内の該スロットを通って下向きに延在する脚部を有する、弁本体と、を含み、該弁蓋は、中央部分の側部及び開口の延長部を越えて外向きに延在する側部を有する、接触トレーを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書の一部を形成する添付図面において、同様の参照番号は、様々な図において同様の構成要素を示すために使用される。
【0011】
図1】本発明の接触トレーの一実施形態を示すためにカラムのシェルの一部分が切り取られた、物質移動カラムの断片的な斜視図である。
図2図1に示されるカラム内の接触トレーの斜視図であり、図1に使用されている尺度から拡大して示す。
図3】更に拡大した尺度で接触トレーの弁を示した図1及び図2の接触トレーのうちの1つの断片的な部分分解斜視図であり、一方の弁の列を閉鎖位置で示し、他方の列を開放位置で示す。
図4図3に示された接触トレーの一部分の断片的な平面図であり、弁のうちの1つの弁本体は除去されている。
図5図4の線5-5に沿って矢印の方向に垂直部分で取られ、弁のうちの一方を閉鎖位置、他方の弁を開放位置として更に拡大した尺度で示した、接触トレーの側面図である。
図6図5に示され、図5の線6-6に沿って矢印の方向に垂直部分で取られた、接触トレー及び閉鎖弁の立面図である。
図7図5に示され、図5の線7-7に沿って矢印の方向に垂直部分で取られた、接触トレー及び開放弁の立面図である。
図8図7で示された接触トレー及び開放弁の上面斜視図である。
図9】接触トレー及び開放弁の下面斜視図である。
図10】接触トレー及び開放弁の側面図である。
図11】接触トレー及び開放弁の平面図である。
図12】接触トレー及び開放弁の下流端部立面図である。
図13】接触トレー及び開放弁の上流端部立面図である。
図14】接触トレー及び開放弁の下面図である。
図15】弁本体の下流端部から示される弁本体のうちの1つの上面斜視図である。
図16図15に示された弁本体の下面斜視図である。
図17】弁蓋の上流端部から示される弁本体の上面斜視図である。
図18】弁本体の下流端部立面図である。
図19】弁本体の側面図である。
図20】弁本体の上流端部立面図である。
図21】弁本体の平面図である。
図22】弁本体の底面図である。
図23】第2の弁の実施形態を有する接触トレーのうちの別の1つの断片的な部分分解斜視図である。
図24図23に示された接触トレーの一部分の断片的な平面図であり、弁のうちの1つの弁本体は除去されている。
図25図24の線25-25に沿って矢印の方向に垂直部分で取られ、弁のうちの一方を閉鎖位置、他方の弁を開放位置として更に拡大した尺度で示された、接触トレーの側面図である。
図26図25に示され、図25の線26-26に沿って矢印の方向に垂直部分で取られた、接触トレー及び閉鎖弁の立面図である。
図27図25に示され、図25の線27-27に沿って矢印の方向に垂直部分で取られた、接触トレー及び開放弁の立面図である。
図28図27で示された接触トレー及び開放弁の上面斜視図である。
図29】接触トレー及び開放位置にある第2の弁の実施形態の上面斜視図である。
図30】接触トレー及び開放弁の側面図である。
図31】接触トレー及び開放弁の平面図である。
図32】接触トレー及び開放弁の下流端部立面図である。
図33】接触トレー及び開放弁の上流端部立面図である。
図34】接触トレー及び開放弁の下面図である。
図35】弁本体の下流端部から示される弁本体のうちの1つの上面斜視図である。
図36図35に示された弁本体の下面斜視図である。
図37】弁本体の上流端部から示される弁本体の上面斜視図である。
図38】弁本体の下流端部立面図である。
図39】弁本体の側面図である。
図40】弁本体の上流端部立面図である。
図41】弁本体の平面図である。
図42】弁本体の底面図である。
図43】第3の弁の実施形態を有する接触トレーのうちの更なる1つの断片的な部分分解斜視図である。
図44図43に示された接触トレーの一部分の断片的な平面図であり、弁のうちの1つの弁本体は除去されている。
図45図44の線45-45に沿って矢印の方向に垂直部分で取られ、弁のうちの一方を閉鎖位置、他方の弁を開放位置として更に拡大した尺度で示した、接触トレーの側部立面図である。
図46図45に示され、図45の線46-46に沿って矢印の方向に垂直部分で取られた、接触トレー及び閉鎖弁の立面図である。
図47図45に示され、図45の線47-47に沿って矢印の方向に垂直部分で取られた、接触トレー及び開放弁の立面図である。
図48図47で示された接触トレー及び開放弁の上面斜視図である。
図49】接触トレー及び開放位置にある第3の弁の実施形態の下面斜視図である。
図50】接触トレー及び開放弁の側面図である。
図51】接触トレー及び開放弁の平面図である。
図52】接触トレー及び開放弁の下流端部立面図である。
図53】接触トレー及び開放弁の上流端部立面図である。
図54】接触トレー及び開放弁の下面図である。
図55】第4の弁の実施形態を有する接触トレーのうちの更なる1つの断片的な部分分解斜視図である。
図56図55に示された接触トレーの一部分の断片的な平面図であり、弁のうちの1つの弁本体は除去されている。
図57図56の線57-57に沿って矢印の方向に垂直部分で取られ、弁のうちの一方を閉鎖位置、他方の弁を開放位置として更に拡大した尺度で示した、接触トレーの側面図である。
図58図57に示され、図57の線58-58に沿って矢印の方向に垂直部分で取られた、接触トレー及び閉鎖弁の立面図である。
図59図57に示され、図57の線59-59に沿って矢印の方向に垂直部分で取られた、接触トレー及び開放弁の立面図である。
図60図59で示された接触トレー及び開放弁の上面斜視図である。
図61】接触トレー及び開放位置にある第4の弁の実施形態の下面斜視図である。
図62】接触トレー及び開放弁の側面図である。
図63】接触トレー及び開放弁の平面図である。
図64】接触トレー及び開放弁の下流端部立面図である。
図65】接触トレー及び開放弁の上流端部立面図である。
図66】接触トレー及び開放弁の下面図である。
図67】弁本体の下流端部から示される第3及び第4の弁の実施形態からの弁本体のうちの1つの上面斜視図である。
図68図67に示された弁本体の下面斜視図である。
図69】弁本体の上流端部から示される弁本体の上面斜視図である。
図70】弁本体の下流端部立面図である。
図71】弁本体の側面図である。
図72】弁本体の上流端部立面図である。
図73】弁本体の平面図である。
図74】弁本体の底面図である。
図75】第5の弁の実施形態を有する接触トレーのうちの更なる1つの断片的な部分分解斜視図である。
図76図75に示された接触トレーの一部分の断片的な平面図であり、弁のうちの1つの弁本体は除去されている。
図77図76の線77-77に沿って矢印の方向に垂直部分で取られ、弁のうちの一方を閉鎖位置、他方の弁を開放位置として更に拡大した尺度で示した、接触トレーの側面図である。
図78図77に示され、図77の線78-78に沿って矢印の方向に垂直部分で取られた、接触トレー及び閉鎖弁の立面図である。
図79図77に示され、図77の線79-79に沿って矢印の方向に垂直部分で取られた、接触トレー及び開放弁の立面図である。
図80図79で示された接触トレー及び開放弁の上面斜視図である。
図81】接触トレー及び開放位置にある第5の弁の実施形態の下面斜視図である。
図82】接触トレー及び開放弁の側面図である。
図83】接触トレー及び開放弁の平面図である。
図84】接触トレー及び開放弁の下流端部立面図である。
図85】接触トレー及び開放弁の上流端部立面図である。
図86】接触トレー及び開放弁の下面図である。
図87】弁本体の下流端部から示される第5の弁の実施形態からの弁本体のうちの1つの上面斜視図である。
図88図87に示された弁本体の下面斜視図である。
図89】弁本体の上流端部から示される弁本体の上面斜視図である。
図90】弁本体の下流端部立面図である。
図91】弁本体の側面図である。
図92】弁本体の上流端部立面図である。
図93】弁本体の平面図である。
図94】弁本体の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面をより詳しく、最初に図1を参照すると、物質移動又は熱交換プロセスに使用するために好適な物質移動カラムは、全体にわたって番号10で示す。物質移動カラム10は、多角形を含む他の形状が可能であり、本発明の範囲内であるが、円筒形の形状であり得る直立の外部シェル12を含む。シェル12は、任意の好適な直径及び高さのシェルであってもよく、不活性であることが望ましいか、又はそうでなければ物質移動カラム10の稼働中に存在する流体及び条件と適合性がある1つ以上の硬質材料で構成されてもよい。
【0013】
物質移動カラム10は、分留製品を得るために又は流体流間で物質移動若しくは熱交換を他の方法で引き起こすために、流体流、典型的には液体流又は蒸気流の処理に使用されるタイプのものであってよい。例えば、物質移動カラム10は、原油常圧、潤滑油減圧、原油減圧、流体若しくは熱分解分留、コーカー若しくはビスブレーカの分留、コークス洗浄、原子炉オフガス洗浄、ガス焼入れ、食用油脱臭、汚染防止洗浄、又は他のプロセスが生じるものであってよい。
【0014】
物質移動カラム10のシェル12は、流体流間で望ましい物質移動又は熱交換が発生する開放内部領域14を画定する。一実施態様では、流体流は、1つ以上の上昇蒸気流及び1つ以上の下降液体流を含んでもよい。他の実施態様では、流体流は、上昇若しくは下降液体流又は上昇若しくは下降蒸気流の任意の組み合わせを実質的に含んでもよい。
【0015】
1つ以上の流体流は、物質移動カラム10の高さに沿った適切な位置に位置付けられた、下部フィードライン16及び上部フィードライン18などの任意の数のフィードラインを通って物質移動カラム10の中に方向付けられてもよい。一実施態様では、蒸気流は、フィードライン16及び18を通って物質移動カラム10に取り入れられるのではなく物質移動カラム10内で生成されてもよい。1つ以上の流体流は、下部テイクオフライン20及び上部テイクオフライン22などの任意の数のテイクオフラインを通って物質移動カラム10の外に方向付けられてもよい。一実施態様では、液体は、上部フィードライン18を通って取り入れられ、物質移動カラム10を通って下降し、下部テイクオフライン20を通って除去されてもよく、蒸気は、下部フィードライン16を通って取り入れられ、物質移動カラム10を通って上昇し、上部テイクオフライン22を通って除去されてもよい。
【0016】
例えば、還流ライン、リボイラー、コンデンサー、蒸気ホーン、及び液体分配器などの典型的に存在する他の物質移動カラム構成要素は、従来本質的なものであり、これらの構成要素の図が本発明の理解のために必要であるとは考えられないため、図面に例示されていない。
【0017】
複数の接触トレー24は、開放内部領域14内を流れる流体の相互作用を促進するために、物質移動カラム10の開放内部領域14内に位置付けられる。接触トレー24は、物質移動カラム10の断面全体にわたって概ね水平に延在し、互いに垂直に離間した関係で配置される。それぞれの接触トレー24の特定の設計は、本発明の範囲内にある限り変更してもよい。
【0018】
図1図2に例示された実施形態では、接触トレー24は、液体流が接触トレー24のうちの1つの上で一方向に端から端まで流れ、次いで接触トレー24のうちの1つに隣接する下部に下降し、そこで反対の流れ方向に端から端まで流れる、単一経路の流体流配置を形成するように構成される。接触トレー24のそれぞれは、相互接続された個々のトレーパネルから形成され得る、トレーデッキ28の一端部に位置付けられる側面ダウンカマー26を有する。側面ダウンカマー26は、関連する接触トレー24のトレーデッキ28から下降する液体流を受容及び除去し、それを接触トレー24のうちの下になる1つの接触トレーのトレーデッキ28の一端部に送達する。該トレーデッキ28上に受容された液体流は、次いで、トレーデッキ28にわたって反対方向に、トレーデッキ28の反対端部に位置付けられた側面ダウンカマー26へと流れる。液体流は、側面ダウンカマー26に侵入し、次の下になる接触トレー24のトレーデッキ28に送達される。この流れパターンは、接触トレー24のうちのそれぞれ連続する1つの接触トレーで繰り返される。トレー24が単一経路の流体の流れのために構成されているものとして例示されるが、本発明は、複数経路の流れのために構成されたトレーを包含する。
【0019】
複数の弁30が、接触トレー24のトレーデッキ28全体に分散されて、蒸気又は別の流体がトレーデッキ28を通って上昇し、トレーデッキ28の上面にわたって流れる液体と相互作用することを可能にする。これらの弁30を含むトレーデッキ28の領域は通常、接触トレー24の活性化領域と称される。弁30は、活性化領域上に予め選択された配置で位置付けられる。弁30は、平行列に配置されるものとして示されており、弁30の隣接する列は、三角形のピッチを形成するようにずらされている。別の配置例では、隣接する列の弁30は、正方形のピッチを形成するようにそろえられる。
【0020】
接触トレー24のうち、上に重なる接触トレーの側面ダウンカマー26の下にある、それぞれの接触トレー24上のトレーデッキ28の領域は、入口パネル32を含む。入口パネル32は、通常は無孔であるか、又は下降流体が入口パネル32を通過することを妨げる若しくは防止する遮蔽された流路を有する。
【0021】
それぞれの接触トレー24の側面ダウンカマー26は、シェル12の対向する側部から物質移動カラム10の開放内部領域14にわたって脊索状に延在するダウンカマー壁34を含む。ダウンカマー壁38の上部又はダウンカマー壁38に取り付けられた別個のパネルは、トレーデッキ26の上で上向きに延在して出口堰36を形成し、液体が出口堰36からあふれ、液体を下になるトレーデッキ28に送達する側面ダウンカマー26に侵入する前に、液体をトレーデッキ28上に蓄積させる。ダウンカマー壁34の下部は、流体が、側面ダウンカマー26を出て、トレーデッキ28の上面に沿って流れてから、トレーデッキ28の反対端部の側面ダウンカマー26に侵入することを可能にするように、下になるトレーデッキ28の上に離間配置されるか、又は流入開口(図示せず)を含む。ダウンカマー壁34が平面かつ垂直に延在するものとして例示されるが、段付きの壁、傾斜した壁、若しくは複数の脊索状壁又は他の構造が本発明の範囲内にある。
【0022】
ここで図3図22を参照すると、トレーデッキ28上の弁30の第1の実施形態のそれぞれは、液体流がトレーデッキ28上に受容されたときに液体流と相互作用するように、流体がトレーデッキ28を通過することを可能にするための、トレーデッキ28を通って延在する開口38を含む。図4で最も良く分かるように、開口38は、中央部分40と、中央部分40の対向する端部から外向きに延在する2つの延長部42及び44と、を有する。一実施形態では、中央部分40は円形であり、延長部42及び44は矩形である。延長部42及び44はそれぞれ、中央部分40の幅よりも小さい最大幅を有してもよい。延長部42及び44は、トレーデッキ28上の液体流の所望の流れ方向にそろえられる。上流方向に位置付けられる延長部42は、下流方向に位置付けられる延長部44の幅よりも大きい幅を有してもよい。中央部分40、並びに延長部42及び44には、他の形状が使用されてもよい。
【0023】
弁30は、開口38の中央部分40の対向する側部に沿って上向きに延在する壁部分46及び48を含んでもよい。壁部分46及び48は、開口38を形成するために使用されるパンチ又は他の操作中にトレーデッキ28の部分を上向きに曲げることによって形成されてもよい。壁部分46及び48は湾曲しており、延長部42と44との間の中央部分40の側部の円形外周に沿っている。
【0024】
それぞれの弁30はまた、弁蓋52と脚部54及び56とを含む弁本体50を含む。弁蓋52は、トレーデッキ28の開口38の側部を越えて外向きに延在して、開口38を通る流体の有害な下方への浸出に対して開口38をより効果的に遮蔽する側部を有する。一実施形態では、弁蓋52の側部は下向きに延在して、開口38を通って上昇する蒸気の流れを横方向に誘導して、トレーデッキ28上の液体流との相互作用を促進する。弁蓋52の側部は、この誘導機能を達成するために、下向きに湾曲又は角度付けされてもよい。
【0025】
脚部54及び56は、弁蓋52をトレーデッキ28の開口38の上で被覆関係に位置付ける。例示の実施形態では、2つの脚部54及び56が弁蓋52を位置付けるのに使用されているが、所望であれば、追加の脚部を使用することができる。脚部54及び56は、弁蓋50の対向する端部に位置し、垂直に延在する。弁30は、脚部54及び56がトレーデッキ28の上面に沿った液体流の所望の流れの大体の方向にそろえられるように、トレーデッキ28上で方向付けられる。
【0026】
脚部54及び56は、それらの上端部において、弁蓋52の対向する端部に位置する凹部58及び60において弁蓋52に取り付けられる。脚部54及び56は、開口38の延長部42及び44を通って下向きに延在する。脚部54及び56並びに延長部42及び44は、弁蓋52が上下に移動することを可能にするため、脚部54及び56が、延長部42及び44内で緊密に受容され、垂直に移動可能であるように構成される。弁蓋52は、開口38、並びに存在する場合は壁部分46及び48との上に離間した開放位置と、トレーデッキ28上若しくはその近くか、又は存在する場合は壁部分46及び48上若しくはその近くに留まる閉鎖位置との間を垂直に移動する。
【0027】
一実施形態では、脚部54及び56は、弁蓋52の幅よりも小さい最大幅を有する。脚部54又は56の一方は、脚部54又は56の他方よりも大きい幅を有してもよい。例えば、上流脚部54は、弁30の周囲の液体流の流れを促進し、開口38への液体の浸入を妨げるために、下流脚部56よりも幅広であってもよい。
【0028】
脚部54及び56のそれぞれは、トレーデッキ28の下に延在する下部を有し、開口38の延長部42及び44内の脚部54及び56の垂直移動を制限するため、トレーデッキ28の下面に接触するための少なくとも1つの停止部62を含む。例示の実施形態では、脚部54及び56のそれぞれは、互いに横方向に離間した関係に位置付けられた一対の停止部62を含む。脚部54及び56内の停止部62の対は、弁蓋52と平行な共通平面内にある上端部を有する。一対の停止部62の横方向間隔及び同一平面関係は、一対の停止部62がトレーデッキ28の下面に係合するときに、弁本体50を弁蓋52と正しくそろえて水平方向に維持するのに役立つという点で有利である。このように、弁本体50は、物質移動カラム10内の流体処理中の蒸気圧の低下に応じて、下方方向に下降するときに、位置ずれして動かなくなる可能性が低い。
【0029】
一実施形態では、停止部62は、脚部54及び56の平面から外向きに屈曲するタブの形態である。停止部62は、物質移動カラムの動作中に開口38の延長部42及び44内から脚部54及び56が脱落することを防止し、脚部54及び56の下部に力を及ぼして、停止部62が延長部42及び44を通過することを可能にするのに十分な距離だけそれらの脚部を互いに向かって移動させることによって、弁30の組み立て中に脚部54及び56を延長部42及び44に挿入することを可能にするように構成される。力を解放すると、脚部54及び56は、弁本体50を開口38内に設置するために、互いに平行な関係で延在する元の位置に戻る。
【0030】
弁30は、脚部54及び56のそれぞれの対向する側部に隣接して位置付けられる偏向板64及び66を更に含む。偏向板64及び66は、トレーデッキ28内の下になる開口38の延長部42及び44を越えて外向きに横方向へ延在するように、脚部54及び56の外側に位置付けられる。偏向板64及び66はまた、弁蓋52の側部の下に下向きに延在して、蒸気がトレーデッキ28の開口38を通って上昇する際に、脚部54及び56の周囲を蒸気が通過することを制限する。一実施形態では、偏向板64及び66は、弁蓋52の下向きの延長部として形成され、脚部54及び56が弁蓋52に接合される凹部に隣接する、弁蓋52の端部に位置付けられる。偏向板64及び66は、弁30が閉鎖位置にあるとき、トレーデッキ28の上面に係合するのに十分な距離だけ下向きに延在してもよい。
【0031】
弁の第2の実施形態は、図23図42に示され、数字130によって指定されている。弁130は、図1図22に示される弁30に類似しており、接頭辞「1」を有する同様の参照番号が、第1の実施形態の弁30の対応する部分に類似する弁130の部分を指定するために使用されている。弁130と弁30との間の主な違いは、弁130の脚部154及び156内では単一の停止部162のみが使用されており、その停止部は、脚部154又は156の側部の間で中央に位置付けられている。
【0032】
弁の第3の実施形態は、図43図54に示され、数字230によって指定されている。弁230はトレーデッキ228上に位置付けられており、それぞれの弁230は、液体流がトレーデッキ228上に受容されたときに液体流と相互作用するように、流体がトレーデッキ228を通過することを可能にするため、トレーデッキ228を通って延在する開口238を含む。図43で最も良く分かるように、開口238は、中央部分240と、中央部分240の対向する端部から外向きに延在し、横断して延在するスロット245a及び245bで終端する2つの延長部242及び244と、を有する。一実施形態では、中央部分240は円形であり、延長部242及び244は、狭い横断スロット245a及び245bにつながる矩形部分を有する。延長部242及び244の矩形部分はそれぞれ、中央部分240の幅よりも小さい最大幅を有してもよく、スロット245a及び245bはそれぞれ、中央部分240の幅よりも大きい幅を有してもよい。延長部242及び244は、トレーデッキ228上の液体流の所望の流れ方向にそろえられる。上流方向に位置付けられる延長部242及びそのスロット245aは、下流方向に位置付けられる延長部244及びそのスロット245bよりも大きい幅を有してもよい。中央部分240並びに延長部242及び244の他の形状が使用されてもよい。
【0033】
弁230は、開口238の中央部分240の対向する側部に沿って上向きに延在する壁部分246及び248、並びに延長部242及び244の矩形部分を含んでもよい。壁部分246及び248は、開口38を形成するために使用されるパンチ又は他の操作中にトレーデッキ228の部分を上向きに曲げることによって形成されてもよい。壁部分246及び248は、中央部分240の側部の円形外周に沿うように湾曲しており、延長部242及び244の矩形部分の側部に沿うように概ね線形である。
【0034】
それぞれの弁230はまた、弁蓋252並びに脚部254及び256を含む弁本体250を含む。弁蓋252は、概ね平面であり、例示の台形形状などの多角形形状を有してもよい。弁蓋252は、開口238を通る流体の有害な下方への浸出に対して開口238をより効果的に遮蔽するために、中央部分240の側部及び端部並びにトレーデッキ228内の開口238の延長部242及び244を越えて外向きに延在するように寸法決めされる。一実施形態では、弁蓋252の側部及び端部は下向きに延在し、側部は、開口238を通って上昇する蒸気の流れを、トレーデッキ228上の液体流の流れの全体的な方向へと横方向に誘導して、トレーデッキ228上の液体流との相互作用を促進する。弁蓋252の側部は、この誘導機能を達成するために、下向きに湾曲又は角度付けされてもよい。
【0035】
脚部254及び256は、弁蓋252をトレーデッキ228内の開口238並びに延長部242及び244の上で被覆関係に位置付ける。例示の実施形態では、2つの脚部254及び256が弁蓋252を位置付けるのに使用されているが、所望であれば、追加の脚部を使用することができる。脚部254及び256は、弁蓋250の対向する側部に位置し、垂直に延在する。弁230は、脚部54及び56がトレーデッキ228の上面に沿った液体流の所望の全体的な流れの大体の方向にそろえられるように、トレーデッキ228上で方向付けられる。
【0036】
脚部254及び256は、弁蓋252の上端部において弁蓋252の対向する端部に取り付けられる。脚部254及び256は、延長部42及び44並びに開口38と連通するスロット245a及び245bを通って下向きに延在する。脚部254及び256並びにスロット245a及び245bは、弁蓋252が上下に移動することを可能にするため、脚部254及び256が、スロット245a及び245b内で緊密に受容され、垂直に移動可能であるように構成される。弁蓋252は、開口238、並びに存在する場合は壁部分246及び248の上に離間した開放位置と、トレーデッキ228上若しくはその近くか、又は存在する場合は壁部分246及び248上若しくはその近くに留まる閉鎖位置との間を垂直に移動する。
【0037】
一実施形態では、脚部254及び256は、弁蓋252の対応する端部の幅に対応する最大幅を有する。脚部254又は256の一方は、脚部254又は256の他方よりも大きい幅を有してもよい。例えば、上流脚部254は、弁230の周囲の液体流の流れを促進し、開口238への液体の浸入を妨げるために、下流脚部256よりも幅広であってもよい。
【0038】
脚部254及び256のそれぞれは、トレーデッキ228の下に延在する下部を有し、開口238の延長部242及び244内のスロット245a及び245b内の脚部254及び256の垂直移動を制限するため、トレーデッキ228の下面に接触する少なくとも1つの停止部262を含む。例示の実施形態では、脚部254及び256のそれぞれは、互いに横方向に離間した関係に位置付けられた一対の停止部262を含む。脚部254及び256内の停止部262の対は、弁蓋252と平行な共通平面内にある上端部を有する。一対の停止部262の横方向間隔及び同一平面関係は、一対の停止部262がトレーデッキ228の下面に係合するときに、弁本体250を弁蓋252に正しくそろえて水平方向に維持するのに役立つという点で有利である。このように、弁本体250は、物質移動カラム10内の流体処理中の蒸気圧の低下に応じて、下方方向に下降するときに、位置ずれして動かなくなる可能性が低い。
【0039】
一実施形態では、停止部262は、脚部254及び256の平面から外向きに屈曲するタブの形態である。停止部262は、物質移動カラム10の動作中に開口238の延長部242及び244内から脚部254及び256が脱落することを防止するように構成される。弁230の組み立て中、脚部254及び256は、タブの屈曲によって停止部262が形成される前にスロット245a及び245bに挿入されてもよい。
【0040】
停止部262は、弁蓋252の下面に対する蒸気圧に応じて、弁本体250の垂直移動の上限を設定する。弁本体250の垂直移動の下限は、存在する場合には、壁部分246及び248の頂部上の弁蓋252の上面の接触によって、又はトレーデッキ228の上面に対する脚部254及び256上に形成された肩部263の接触によって設定されてもよい。
【0041】
それぞれの弁本体250内の下流脚部256は、トレーデッキ228内の開口238を通って上昇する蒸気の一部が下流脚部256を通過し、液体流及び蒸気混合物又は泡の下流方向への方向的流れを促進することを可能にするように位置付けられた、1つ以上の脱気孔266を含んでもよい。上に重なる偏向板268は、蒸気と液体流との混合を強化するため、脱気孔266を通過する蒸気をトレーデッキ228に向かって下方方向に方向付けるように、脱気孔266に関連付けられてもよい。
【0042】
弁の第4の実施形態は、図55図74で数字330によって指定されており、接頭辞「3」を有する同様の参照番号が、弁230の対応する部分と同じ又は類似の弁330の部分を指定するために使用されている。弁330は、開口338が開口238と共に使用される延長部242及び244を含まないことを除いて、図23図42に示される弁230と同じである。代わりに、脚部354及び356が延在するトレーデッキ328内のスロット345a及び345bは、開口238に接続されず、単一の壁346が開口を取り囲む。
【0043】
弁の第5の実施形態は、図75図94で数字430によって指定されており、接頭辞「4」を有する同様の参照番号が、弁230の対応する部分と同じ又は類似の弁の部分を指定するために使用されている。弁430は、弁430の脚部454及び456内で単一の停止部162のみが使用され、その停止部は、脚部454又は456の側部の間で中央に位置付けられることを除いて、弁230と同じである。
【0044】
以上により、本発明は、その構造に固有である他の利点と共に上記の本明細書の目的及び目標を全て実現するようによく適合された発明であることが分かるであろう。
【0045】
特定の機能及び部分的組み合わせは有用なものであり、他の機能及び部分的組み合わせと関係なく使用され得ることが理解されるだろう。これは本発明の範囲によって想到されるものであり、本発明の範囲内である。
【0046】
本発明の範囲から逸脱することなく多くの考えられる実施形態が本発明から作られてよいため、本明細書に記載された又は添付図面に示された全ての事項は例示として解釈されるべきで、限定する趣旨ではないことが理解されるべきである。
図1
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