IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-イオン発生装置 図1
  • 特許-イオン発生装置 図2
  • 特許-イオン発生装置 図3
  • 特許-イオン発生装置 図4
  • 特許-イオン発生装置 図5
  • 特許-イオン発生装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】イオン発生装置
(51)【国際特許分類】
   H01T 23/00 20060101AFI20230407BHJP
   H01T 19/00 20060101ALI20230407BHJP
   F24F 8/30 20210101ALI20230407BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20230407BHJP
【FI】
H01T23/00
H01T19/00
F24F8/30
F24F8/80 140
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020535791
(86)(22)【出願日】2019-08-06
(86)【国際出願番号】 JP2019030918
(87)【国際公開番号】W WO2020032030
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2018151689
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 愛
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康昌
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕康
(72)【発明者】
【氏名】漆崎 正人
(72)【発明者】
【氏名】永留 誠一
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-062036(JP,A)
【文献】国際公開第2017/038111(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 23/00
H01T 19/00
F24F 8/30
F24F 8/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電因子を発生する放電器と、
前記放電因子を含む空気をイオン発生装置の外部に送出する送風路と、
前記送風路の壁面に固定される支持部材と
前記支持部材に対して前記空気の送出方向の上流側において、前記送風路の壁面に配置された第1傾斜部材と
を備え、
前記支持部材は、前記放電器が前記送風路の中央部に向けて突出するように前記放電器を支持し、
前記支持部材の第1方向の幅は、前記支持部材が固定される前記送風路の壁面の前記第1方向の幅よりも狭く、
前記第1方向は、前記空気の送出方向と略直交し、且つ前記送風路の壁面と平行な方向を示し、
前記放電因子は、プラスイオン及びマイナスイオンの少なくとも一方を含み、
前記第1傾斜部材において前記送風路内に突出する側の面は、第1面から第2面に向けて傾斜し、
前記第1面は、前記支持部材に対して前記空気の送出方向の上流側の前記送風路の壁面を示し、
前記第2面は、前記支持部材において前記送風路内に突出する側の面を示し、 前記第1傾斜部材は、平板状に形成され、
前記第1傾斜部材の一方端は、前記送風路の壁面に固定され、
前記第1傾斜部材の他方端は、前記支持部材に固定される、イオン発生装置。
【請求項2】
前記支持部材の前記第1方向の幅は、前記放電器の前記第1方向の幅と略同一に形成される、請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項3】
前記支持部材に対して前記空気の送出方向の下流側において、前記送風路の壁面に配置された第2傾斜部材を更に備え、
前記第2傾斜部材において前記送風路内に突出する側の面は、第3面から第4面に向けて傾斜し、
前記第3面は、前記支持部材において前記送風路内に突出する側の面を示し、
前記第4面は、前記支持部材に対して前記空気の送出方向の下流側の前記送風路の壁面を示す、請求項1または請求項2に記載のイオン発生装置。
【請求項4】
前記第2傾斜部材は、平板状に形成され、
前記第2傾斜部材の一方端は、前記支持部材に固定され、
前記第2傾斜部材の他方端は、前記送風路の壁面に固定される、請求項3に記載のイオン発生装置。
【請求項5】
前記支持部材に対して前記空気の送出方向の上流側に配置された板状部材を更に備え、
前記板状部材は、前記送風路の壁面に立設され、
前記板状部材は、前記空気の送出方向と平行に配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項6】
放電因子を発生する放電器と、
前記放電因子を含む空気をイオン発生装置の外部に送出する送風路と、
前記送風路の壁面に固定される支持部材と
前記支持部材に対して前記空気の送出方向の下流側において、前記送風路の壁面に配置された第2傾斜部材と
を備え、
前記支持部材は、前記放電器が前記送風路の中央部に向けて突出するように前記放電器を支持し、
前記支持部材の第1方向の幅は、前記支持部材が固定される前記送風路の壁面の前記第1方向の幅よりも狭く、
前記第1方向は、前記空気の送出方向と略直交し、且つ前記送風路の壁面と平行な方向を示し、
前記放電因子は、プラスイオン及びマイナスイオンの少なくとも一方を含み、
前記第2傾斜部材において前記送風路内に突出する側の面は、第3面から第4面に向けて傾斜し、
前記第3面は、前記支持部材において前記送風路内に突出する側の面を示し、
前記第4面は、前記支持部材に対して前記空気の送出方向の下流側の前記送風路の壁面を示す、イオン発生装置。
【請求項7】
放電因子を発生する放電器と、
前記放電因子を含む空気をイオン発生装置の外部に送出する送風路と、
前記送風路の壁面に固定される支持部材と、
前記支持部材に対して前記空気の送出方向の上流側に配置された板状部材と
を備え、
前記支持部材は、前記放電器が前記送風路の中央部に向けて突出するように前記放電器を支持し、
前記支持部材の第1方向の幅は、前記支持部材が固定される前記送風路の壁面の前記第1方向の幅よりも狭く、
前記第1方向は、前記空気の送出方向と略直交し、且つ前記送風路の壁面と平行な方向を示し、
前記放電因子は、プラスイオン及びマイナスイオンの少なくとも一方を含み、
前記板状部材は、前記送風路の壁面に立設され、
前記板状部材は、前記空気の送出方向と平行に配置される、イオン発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の空気にイオンを供給するイオン発生装置が普及している。また、イオン発生装置において、室内の空気にイオンを効率的に供給する種々の技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたイオン発生装置は、本体ケースと、送風路と、イオン発生器とを備える。送風路は、本体ケース内に形成される。送風路は、吹出口を有する。イオン発生器は、送風路の最も狭い位置に配置される。イオン発生器は、イオンを発生する。イオンは、吹出口からイオン発生装置の外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-287321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたイオン発生装置では、イオン発生器は、送風路の最も狭い位置に配置されるため、空気に含まれるイオン量を増加できる。すなわち、最も狭い位置では、空気の流れの速さが速いため、発生したイオンが短時間で吹出口に送出される。そのため、吹出口に送出されるまでに、プラスイオンとマイナスイオンとが中和されない。したがって、高いイオン濃度を維持したままイオンをイオン発生装置の外部に送出できる。しかしながら、上記イオン発生装置は、空気に含まれるイオン量を増加する点において改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、空気に含まれるイオン量を増加可能なイオン発生装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るイオン発生装置は、放電器と、送風路と、支持部材とを備える。前記放電器は、放電因子を発生する。前記放電因子は、プラスイオン及びマイナスイオンの少なくとも一方を含む。前記送風路は、前記放電因子を含む空気をイオン発生装置の外部に送出する。前記支持部材は、前記送風路の壁面に固定される。前記支持部材は、前記放電器が前記送風路の中央部に向けて突出するように前記放電器を支持する。前記支持部材の第1方向の幅は、前記支持部材が配置される前記送風路の壁面の前記第1方向の幅よりも狭い。前記第1方向は、前記空気の送出方向と略直交し、且つ前記送風路の壁面と平行な方向を示す。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るイオン発生装置によれば、空気に含まれるイオン量を増加できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る空気清浄装置の構成の一例を示す側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る第1ユニットの構成の一例を示す正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る第1ユニットの構成の一例を示す拡大正面図である。
図4】本発明の実施形態に係る第1ユニットの構成の一例を示すIV-IV断面図である。
図5】本発明の実施形態に係るイオン発生部の構成の一例を示す正面図である。
図6】本発明の実施形態に係るイオン発生部の構成の一例を示すVI-VI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面(図1図6)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る空気清浄装置100の構成について説明する。図1は、空気清浄装置100の構成の一例を示す側面図である。図1に示すように、空気清浄装置100は、第1ユニット100Aと、第2ユニット100Bと脚部112とを備える。空気清浄装置100は、「イオン発生装置」の一例に相当する。
【0012】
また、本発明の実施形態では、図中に、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を示す。Z軸は鉛直方向に平行であり、X軸及びY軸は水平方向に平行である。X軸の負方向は、空気清浄装置100の前面側を示す。
【0013】
第1ユニット100Aは、空気清浄装置100のX軸の正方向側に配置される。すなわち、第1ユニット100Aは、空気清浄装置100の背面側に配置される。第2ユニット100Bは、空気清浄装置100のX軸の負方向側に配置される。すなわち、第2ユニット100Bは、空気清浄装置100の前面側に配置される。脚部112は、第1ユニット100A及び第2ユニット100Bの下方に配置される。脚部112は、第1ユニット100Aと第2ユニット100Bとを支持する。
【0014】
第1ユニット100Aは、背面パネル110と、モータ132と、ファン130と、流路形成部材123と、ダクト3と、イオン発生部2と、排出口29とを有する。
【0015】
背面パネル110は、第1ユニット100Aの背面側に配置される。すなわち、背面パネル110は、第1ユニット100AのX軸の正方向側に配置される。背面パネル110は、モータ132及びファン130を支持する。
【0016】
モータ132は、ファン130を回転駆動する。モータ132は、ファン130と背面パネル110との間に配置される。
【0017】
ファン130は、空気の流れを発生する。具体的には、ファン130は、方向Dで示すように、第2ユニット100B内の空気を吸い込み、流路形成部材123及びダクト3を順次経由して、排出口29から空気清浄装置100の外部に空気を排出する。方向Dは、空気の流れの方向を示す。
【0018】
流路形成部材123は、ファン130によって吐き出された空気がダクト3に向かうように誘導する。
【0019】
ダクト3は、ファン130によって吐き出された空気を排出口29に向けて流動させる。つまり、ダクト3は、ファン130によって吐き出された空気を空気清浄装置100の外部に送出する。ダクト3は、「送風路」の一例に相当する。流路形成部材123及びダクト3については、後述にて図2を参照して詳細に説明する。
【0020】
イオン発生部2は、イオン発生器21とリブ22とを有する。イオン発生器21は、イオンを発生する。イオン発生器21については、後述にて図5及び図6を参照して詳細に説明する。
【0021】
リブ22は、背面パネル110に立設され、ダクト3内に向けて突出するように形成される。リブ22は、「板状部材」の一例に相当する。リブ22については、後述にて図2及び図3を参照して詳細に説明する。
【0022】
排出口29は、空気清浄装置100の上部に形成され、イオンを含む空気を空気清浄装置100の外部に排出する。
【0023】
第2ユニット100Bは、前面パネル140と、フィルタ151と、枠150と、仕切り壁120とを有する。前面パネル140は、第2ユニット100Bの前面を覆う。
【0024】
フィルタ151は、脱臭フィルタ152、ホルムアルデヒド吸着フィルタ153及び集塵フィルタ154を有する。脱臭フィルタ152、ホルムアルデヒド吸着フィルタ153及び集塵フィルタ154の各々は平板状に形成される。枠150は、フィルタ151を第2ユニット100B内に固定する。具体的には、フィルタ151の主面が、Y-Z平面と平行になるように固定する。
【0025】
脱臭フィルタ152、ホルムアルデヒド吸着フィルタ153及び集塵フィルタ154は、前面側から順にX軸方向に積層して配置される。脱臭フィルタ152は、空気を脱臭する。ホルムアルデヒド吸着フィルタ153は、空気中のホルムアルデヒドを吸着する。集塵フィルタ154は、空気中の塵埃を吸着する。
【0026】
仕切り壁120は、第2ユニット100Bの背面側に配置される。仕切り壁120は、連通孔121を有する。連通孔121は、第2ユニット100B内の空気を、第1ユニット100A内に送出する。具体的には、連通孔121は、方向Dに示すように、前面パネル140及びフィルタ151を順次介して、空気清浄装置100の外部から第2ユニット100B内に流入した空気を、第1ユニット100A内に送出する。
【0027】
次に、空気の流れについて説明する。ファン130は、方向Dで示すように、空気清浄装置100の外部から空気を吸い込む。外部から吸い込まれた空気は、方向Dで示すように、前面パネル140、フィルタ151及び連通孔121を順次経由してファン130に流入する。また、ファン130によって吐出された空気は、方向Dで示すように、ダクト3を経由して排出口29から空気清浄装置100の外部に排出される。
【0028】
続いて、図1図3を参照して、本発明の実施形態に係る空気清浄装置100の構成について説明する。図2は、第1ユニット100Aの構成の一例を示す正面図である。図2は、空気清浄装置100の正面を示す。図3は、第1ユニット100Aの構成の一例を示す拡大正面図である。
【0029】
図2及び図3に示すように、流路形成部材123は、円弧状に形成される。具体的には、流路形成部材123の中心は、モータ132の中心軸に対して、Y軸の正方向、且つZ軸の負方向に偏心している。すなわち、流路形成部材123は、ファン130から吐出される空気の流路の幅Wが、方向Dの下流に向けて広がるように形成される。幅Wは、ファン130の外周と流路形成部材123との間の距離を示す。
【0030】
また、第1ユニット100Aは、第1壁部材25と、第2壁部材26とを更に備える。また、図3に示すように、イオン発生部2は、支持部材210と、第1傾斜部材23と、第2傾斜部材24とを更に備える。
【0031】
支持部材210は、ダクト3の壁面に固定される。支持部材210は、イオン発生器21がダクト3の中央部に向けて突出するようにイオン発生器21を支持する。具体的には、支持部材210は、イオン発生器21がダクト3のX軸方向の中央部に向けて突出するようにイオン発生器21を支持する。
【0032】
支持部材210の第1方向DR1の幅W1は、支持部材210が固定されるダクト3の壁面の第1方向DR1の幅W2及び幅W3よりも狭い。第1方向DR1は、方向Dと略直交し、且つダクト3の壁面(背面パネル110の一部)と平行な方向を示す。具体的には、第1方向DR1は、Y軸方向を示す。幅W1は、支持部材210の第1方向DR1の幅を示す。幅W2は、支持部材210の方向Dの上流端におけるダクト3の壁面の第1方向DR1の幅を示す。幅W3は、支持部材210の方向Dの下流端におけるダクト3の壁面の第1方向DR1の幅を示す。
【0033】
支持部材210の第1方向DR1の幅W1は、イオン発生器21の第1方向DR1の幅W4と略同一に形成される。幅W4は、イオン発生器21の第1方向DR1の幅を示す。
【0034】
第1傾斜部材23は、支持部材210に対して、方向Dの上流側において、ダクト3の壁面(背面パネル110の一部)に配置される。第2傾斜部材24は、支持部材210に対して、方向Dの下流側において、ダクト3の壁面(背面パネル110の一部)に配置される。第1傾斜部材23及び第2傾斜部材24については、後述にて図5及び図6を参照して詳細に説明する。
【0035】
第1壁部材25の下端は、流路形成部材123の上端に連接される。第2壁部材26の下端は、流路形成部材123の上端に連接される。第1壁部材25と、第2壁部材26とは、互いに対向して配置され、ダクト3の一部を形成する。
【0036】
具体的には、ダクト3は、第1壁部材25と、第2壁部材26と、図1に示す仕切り壁120の一部と、背面パネル110の一部とで形成される。すなわち、第1壁部材25は、ダクト3におけるY軸の正方向側の壁を構成し、第2壁部材26はダクト3におけるY軸の負方向側の壁を構成する。また、図1に示すように、背面パネル110の一部は、ダクト3におけるX軸の正方向側の壁を構成し、仕切り壁120の一部は、ダクト3におけるX軸の負方向側の壁を構成する。
【0037】
また、リブ22は、イオン発生器21に対して方向Dの上流側に配置される。リブ22は、X-Z平面と平行に配置される。リブ22に到達した空気は、方向D1と方向D2とに分かれて、排出口29から流出する。方向D1は、第1の空気流の向きを示し、方向D2は、第2の空気流の向きを示す。
【0038】
第1の空気流は、方向D1に示すように、リブ22に対してY軸の負方向側を流れる。換言すれば、第1の空気流は、リブ22と第2壁部材26との間の空間を流れる。第2の空気流は、リブ22に対してY軸の正方向側を流れる。換言すれば、第2の空気流は、リブ22と第1壁部材25との間の空間を流れる。第1の空気流は、例えばプラスイオンを含み、第2の空気流は、例えばマイナスイオンを含む。
【0039】
以上、図1図3を参照して説明したように、本発明の実施形態では、支持部材210が、イオン発生器21がダクト3の中央部に向けて突出するようにイオン発生器21を支持する。よって、風速の速いダクト3の中央部にイオン発生器21が配置されるため、空気に含まれるイオン量を増加できる。また、支持部材210の第1方向DR1の幅W1は、支持部材210が配置されるダクト3の壁面(背面パネル110の一部)の第1方向DR1の幅W2及び幅W3よりも狭い。よって、支持部材210が、ダクト3における空気の流れを妨げることを抑制できる。したがって、空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0040】
また、支持部材210の第1方向DR1の幅W1は、イオン発生器21の第1方向DR1の幅W4と略同一に形成される。よって、支持部材210が、ダクト3における空気の流れを妨げることを更に抑制できる。したがって、空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0041】
リブ22は、イオン発生器21に対して、方向Dの上流側に配置される。また、リブ22は、方向Dと平行に配置される。よって、プラスイオンとマイナスイオンとが衝突して中和されることを抑制できる。したがって、排出口29から排出される空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0042】
なお、本発明の実施形態では、リブ22は、イオン発生器21に対して方向Dの上流側に配置されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、リブ22がイオン発生器21に対して方向Dの下流側に配置されてもよい。
【0043】
続いて、図1図4を参照して、本発明の実施形態に係る空気清浄装置100の構成について更に説明する。図4は、第1ユニット100Aの構成の一例を示すIV-IV断面図である。IV-IV断面は、図3に示すように、リブ22の厚み方向(Y軸方向)の中心を通り、X-Z平面と平行な面である。
【0044】
図4に示すように、リブ22は、背面パネル110と一体に形成される。また、リブ22は、矩形状に形成される。リブ22は、方向Dに沿って延びる。リブ22の高さH1は、イオン発生器21の電極の高さH2よりも高い。高さH1及び高さH2は、背面パネル110から離間する方向の高さを示す。高さH1は、リブ22の背面パネル110から離間する方向の高さを示す。高さH2は、電極の背面パネル110から離間する方向の高さを示す。高さH2については、後述にて図6を参照して詳細に説明する。
【0045】
以上、図1図4を参照して説明したように、本発明の実施形態では、リブ22の高さH1は、イオン発生器21の電極の高さH2よりも高い。よって、リブ22によって、ファン130からイオン発生器21に向かう空気流を、第1の空気流と第2の空気流とに分けることができる。したがって、排出口29から排出される空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0046】
また、リブ22は、方向Dに沿って延びる。よって、リブ22が、ダクト3における空気の流れを妨げることを更に抑制できる。したがって、空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0047】
次に、図1図5を参照して、本発明の実施形態に係るイオン発生部2の構成について説明する。図5は、イオン発生部2の構成の一例を示す正面図である。図5に示すように、イオン発生部2のイオン発生器21は、電源回路ユニット211と、2つの電極212と、電極保護部材213とを更に備える。イオン発生器21は、「放電器」の一例に相当する。
【0048】
電源回路ユニット211は、2つの電極212の間に電圧を印加して、2つの電極212にプラスイオンとマイナスイオンとを発生させる。
【0049】
2つの電極212の各々は、電源回路ユニット211に立設される。また、2つの電極212は、第1方向DR1に配列される。第1方向DR1は、Y軸方向を示す。具体的には、2つの電極212のうちの一方の電極212aは、電源回路ユニット211においてY軸の負方向側の端部に立設される。2つの電極212のうちの他方の電極212bは、電源回路ユニット211においてY軸の正方向側の端部に立設される。電極212aは、例えばプラスイオンを発生する。電極212bは、例えばマイナスイオンを発生する。
【0050】
リブ22は、ダクト3においてリブ22に対して一方側(Y軸の負方向側)の空気が電極212aに向かって流れ、且つダクト3においてリブ22に対して他方側(Y軸の正方向側)の空気が電極212bに向かって流れるように配置される。一方側の空気は、図2及び図3を参照して説明した「第1の空気流」に対応する。他方側の空気は、図2及び図3を参照して説明した「第2の空気流」に対応する。
【0051】
電極保護部材213は、2つの電極212に対して方向Dの上流側と下流側とに配置される。電極保護部材213は、2つの電極212を保護する。具体的には、電極保護部材213は、空気清浄装置100を製造する際に、又は、空気清浄装置100を修理する際に、ユーザー(又は、他の部材)が電極212に接触しないように電極212を保護する。
【0052】
以上、図1図5を参照して説明したように、本発明の実施形態では、イオン発生器21の2つの電極212は、第1方向DR1に配列される。よって、プラスイオンを含む空気と、マイナスイオンを含む空気とが空気清浄装置100の外部に送出される。したがって、空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0053】
また、リブ22は、ダクト3においてリブ22に対して一方側(Y軸の負方向側)の空気が電極212aに向かって流れ、且つダクト3においてリブ22に対して他方側(Y軸の正方向側)の空気が電極212bに向かって流れるように配置される。よって、プラスイオンとマイナスイオンとが衝突して中和されることを更に抑制できる。したがって、空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0054】
なお、本発明の実施形態では、イオン発生器21が、プラスイオンとマイナスイオンとを発生するが、イオン発生器21が、放電因子を発生すればよい。放電因子は、プラスイオン及びマイナスイオンの少なくとも一方を含む。すなわち、イオン発生器21が、プラスイオン及びマイナスイオンの少なくとも一方を発生すればよい。
【0055】
続いて、図1図6を参照して、本発明の実施形態に係るイオン発生部2の構成について更に説明する。図6は、イオン発生部2の構成の一例を示すVI-VI断面図である。
【0056】
図6に示すように、第1傾斜部材23の面230は、第1面231から第2面232に向けて傾斜する。面230は、第1傾斜部材23においてダクト3内に突出する側の面を示す。第1面231は、支持部材210に対して方向Dの上流側のダクト3の壁面を示す。ダクト3の壁面は、背面パネル110の一部に対応する。第2面232は、支持部材210においてダクト3内に突出する側の面を示す。
【0057】
また、第1傾斜部材23は、平板状に形成される。第1傾斜部材23の一方端23aは、ダクト3の壁面に固定される。具体的には、第1傾斜部材23の一方端23aは、背面パネル110に固定される。第1傾斜部材23の他方端23bは、支持部材210に固定される。具体的には、第1傾斜部材23の他方端23bは、支持部材210の第2面232に固定される。
【0058】
第2傾斜部材24の面240は、第3面241から第4面242に向けて傾斜する。面240は、第2傾斜部材24においてダクト3内に突出する側の面を示す。第3面241は、支持部材210においてダクト3内に突出する側の面を示す。第4面242は、支持部材210に対して方向Dの下流側のダクト3の壁面を示す。ダクト3の壁面は、背面パネル110の一部に対応する。
【0059】
また、第2傾斜部材24は、平板状に形成される。第2傾斜部材24の一方端24aは、支持部材210に固定される。具体的には、第2傾斜部材24の一方端24aは、支持部材210の第3面241に固定される。第2傾斜部材24の他方端24bは、ダクト3の壁面に固定される。具体的には、第2傾斜部材24の他方端24bは、背面パネル110に固定される。
【0060】
電極保護部材213の高さH3は、イオン発生器21の電極212の高さH2よりも高い。電極保護部材213の高さH3は、背面パネル110から離間する方向の高さを示す。すなわち、高さH3は、電極保護部材213の背面パネル110から離間する方向の高さを示す。
【0061】
以上、図1図6を参照して説明したように、本発明の実施形態では、第1傾斜部材23の面230は、第1面231から第2面232に向けて傾斜している。面230は、第1傾斜部材23においてダクト3内に突出する側の面を示す。第1面231は、支持部材210に対して方向Dの上流側のダクト3の壁面を示す。第2面232は、支持部材210においてダクト3内に突出する側の面を示す。よって、ダクト3の壁面から第1傾斜部材23の面230に沿って、ダクト3内を空気が流れる。したがって、支持部材210がダクト3内の空気の流れを妨げることを更に抑制できる。その結果、空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0062】
また、第1傾斜部材23は、平板状に形成されるため、簡素な構成で第1傾斜部材23を形成できる。また、第1傾斜部材23の一方端23aは、ダクト3の壁面に固定され、第1傾斜部材23の他方端23bは、支持部材210に固定される。よって、支持部材210がダクト3内の空気の流れを妨げることを更に抑制できる。したがって、空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0063】
また、第2傾斜部材24の面240は、第3面241から第4面242に向けて傾斜している。第3面241は、支持部材210においてダクト3内に突出する側の面を示し、第4面242は、支持部材210においてダクト3内に突出する側の面を示す。よって、支持部材210の第4面242から、第2傾斜部材24の面240に沿って、ダクト3内を空気が流れる。したがって、支持部材210がダクト3内の空気の流れを妨げることを更に抑制できる。その結果、空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0064】
また、第2傾斜部材24は、平板状に形成されるため、簡素な構成で第2傾斜部材24を形成できる。また、第2傾斜部材24の一方端24aは、支持部材210に固定され、第2傾斜部材24の他方端24bは、ダクト3の壁面に固定されるため、支持部材210がダクト3内の空気の流れを妨げることを更に抑制できる。その結果、空気に含まれるイオン量を更に増加できる。
【0065】
また、電極保護部材213の高さH3は、イオン発生器21の電極212の高さH2よりも高い。したがって、2つの電極212を確実に保護できる。
【0066】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記(1)~(3))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0067】
(1)図1を参照して説明したように、本発明の実施形態では、イオン発生装置が空気清浄装置100であるが、本発明はこれに限定されない。イオン発生装置は、イオン発生器21が配置される装置であればよい。例えば、イオン発生装置が空気調和装置でもよい。
【0068】
(2)図1を参照して説明したように、本発明の実施形態では、イオン発生部2が空気清浄装置100の背面パネル110に固定されるが、本発明はこれに限定されない。イオン発生部2が空気清浄装置100に配置されればよい。例えば、イオン発生部2が仕切り壁120に固定されてもよい。
【0069】
(3)図1図3を参照して説明したように、本発明の実施形態では、空気清浄装置100が第1傾斜部材23と第2傾斜部材24とを備えるが、本発明はこれに限定されない。空気清浄装置100が第1傾斜部材23及び第2傾斜部材24の少なくとも一方を備えればよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、空気に含まれるイオン量を増加可能なイオン発生装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0071】
100 空気清浄装置(イオン発生装置)
100A 第1ユニット
110 背面パネル
123 流路形成部材
130 ファン
132 モータ
2 イオン発生部
21 イオン発生器(放電器)
211 電源回路ユニット
212、212a、212b 電極
210 支持部材
22 リブ(板状部材)
23 第1傾斜部材
230 面
231 第1面
232 第2面
24 第2傾斜部材
240 面
241 第3面
242 第4面
25 第1壁部材
26 第2壁部材
29 排出口
3 ダクト(送風路)
100B 第2ユニット
140 前面パネル
151 フィルタ
120 仕切り壁
112 脚部
D、D1、D2 方向
DR1 第1方向
W1、W2、W3 幅
H1、H2、H3 高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6