IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社の特許一覧

特許7258050軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ
<>
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図1
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図2
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図3
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図4
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図5A
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図5B
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図6
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図7
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図8A
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図8B
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図9A
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図9B
  • 特許-軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】軸受装置及びこれを備えたターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
   F16C 17/04 20060101AFI20230407BHJP
   F02B 39/00 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
F16C17/04 Z
F02B39/00 L
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020565046
(86)(22)【出願日】2019-01-07
(86)【国際出願番号】 JP2019000113
(87)【国際公開番号】W WO2020144733
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】316015888
【氏名又は名称】三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小島 優也
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-310143(JP,A)
【文献】特開2008-157444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 17/04
F02B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸周りに回転可能に構成され、前記回転軸に交差する回転面を有する回転部と、
前記回転面に対向する静止面を有する静止部と、を備え、
前記回転面又は前記静止面の一方は、軸受油膜を形成するための軸受面部を有し、
前記回転面は、
第1内周側領域と、
前記軸受面部よりも径方向外側にて前記静止面と対向し、前記第1内周側領域よりも疎油性が高い第1外周側領域と、
を含む
軸受装置。
【請求項2】
前記第1外周側領域の径方向範囲内の第1位置における前記回転面と前記静止面との間の間隙の大きさをG1とし、前記軸受面部の径方向範囲内の第2位置における前記回転面と前記静止面との間の間隙の大きさG2としたとき、G1≦G2を満たす
請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
前記回転面の前記第1内周側領域は、軸方向において前記軸受油膜に隣接するように設けられる
請求項1又は2に記載の軸受装置。
【請求項4】
前記回転面の前記軸受面部又は前記回転面のうち前記軸受面部に対向する部分において、前記第1外周側領域よりも疎油性が低い部分が占める面積の割合は75%以上である
請求項1乃至3の何れか一項に記載の軸受装置。
【請求項5】
前記第1外周側領域は、前記回転面の表面に設けられた疎油性膜を含む
請求項1乃至4の何れか一項に記載の軸受装置。
【請求項6】
前記疎油性膜は、軸方向に突出する複数の第1凸部を有し、
前記複数の第1凸部のピッチP1と前記複数の第1凸部の高さh1の比P1/h1は、1.0以上2.0以下である
請求項5に記載の軸受装置。
【請求項7】
前記疎油性膜のうち、前記複数の第1凸部が占める面積の割合は、1%以上20%以下である
請求項6に記載の軸受装置。
【請求項8】
前記静止面は、
第2内周側領域と、
前記軸受面部よりも径方向外側にて前記回転面と対向し、前記第2内周側領域よりも親油性が高い第2外周側領域と、
を含む
請求項1乃至7の何れか一項に記載の軸受装置。
【請求項9】
前記第2外周側領域は、軸方向に突出する複数の第2凸部を有し、
前記複数の第2凸部のピッチP2と前記複数の第2凸部の高さh2の比P2/h2は、1.0以上2.0以下である
請求項8に記載の軸受装置。
【請求項10】
前記第2外周側領域は、前記静止面の表面に設けられた親油性膜を含む
請求項8又は9に記載の軸受装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の軸受装置と、
前記軸受装置によって回転可能に支持される回転シャフトと、
前記回転シャフトに設けられるコンプレッサインペラ及びタービンインペラと、
を備えることを特徴とするターボチャージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、軸受装置及びこれを備えたターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
軸受油膜によって回転シャフトを回転可能に支持する軸受装置では、軸受油膜を形成する油の流失は軸受負荷の低減につながり得るため、このような油の流失を抑制するための工夫がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、回転シャフトと静止部材との間に潤滑液の膜が形成される流体動圧軸受において、この潤滑液の漏れを低減するため、回転シャフト及び静止部材の表面のうち、潤滑液の膜に隣接する部位に撥油膜を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4556621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、油膜でスラスト荷重を支持するスラスト軸受において、回転シャフトとともに回転する回転面(例えばスラストカラーの面)と、これに対向する静止面(例えば軸受プレートの面)との間で軸受油膜を形成する油が、遠心力により径方向外側へ流出すると(すなわち、サイドフローが生じると)、軸受装置の負荷能力が低下し得る。そこで、負荷能力の低下につながるサイドフローを軽減するために、軸受面の外周側に、回転面と静止面とで挟まれた空間(堰)を設けることがある。この空間を設けることにより、上述のサイドフローを低減できることが期待されるが、一方、このような空間を形成する場合、回転面と静止面とで挟まれる狭い隙間の面積が増大するため、この空間に油が存在していると、油と回転面との摩擦に起因する軸受損失が増大する可能性がある。
したがって、一般的に、軸受装置の負荷能力を高めることと、軸受損失を低減させることは両立は難しいと考えられる。この点、特許文献1には、軸受損失を低減させながら軸受装置の負荷能力を向上させることについて記載されていない。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、軸受損失の低減と、負荷能力の増大を両立可能な軸受装置及びこれを備えたターボチャージャを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る軸受装置は、
回転軸周りに回転可能に構成され、前記回転軸に交差する回転面を有する回転部と、
前記回転面に対向する静止面を有する静止部と、を備え、
前記回転面又は前記静止面の一方は、軸受油膜を形成するための軸受面部を有し、
前記回転面は、
第1内周側領域と、
前記軸受面部よりも径方向外側にて前記静止面と対向し、前記第1内周側領域よりも疎油性が高い第1外周側領域と、
を含む。
【0008】
軸受装置の軸受面部において、回転面の回転につれて回転方向に流れる油量が多いほど、軸受の負荷能力が向上する。一方、回転面と油の摩擦による軸受損失は、油の速度勾配に比例する。
この点、上記(1)の構成では、回転面のうち、軸受面部よりも径方向外側にて静止面と対向する第1外周側領域の疎油性を、第1内周側領域よりも高くしている。これにより、第1外周側領域において、回転面近傍における油の速度が低減し、遠心力によるサイドフロー(油の漏れ)を低減することができるため、軸受面部で回転方向に流れる油量が維持されやすく、軸受の負荷能力を増大させることができるとともに、第1外周側領域において回転面近傍の油に回転面からのエネルギーが伝わりにくく、油の速度勾配を低減させることができるため、摩擦による軸受損失を低減させることができる。よって、上記(1)の構成によれば、軸受損失を低減しながら、軸受装置の負荷能力を増大させることができる。
【0009】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記軸受装置は、
前記第1外周側領域の径方向範囲内の第1位置における前記回転面と前記静止面との間の間隙の大きさをG1とし、前記軸受面部の径方向範囲内の第2位置における前記回転面と前記静止面との間の間隙の大きさG2としたとき、G1≦G2を満たす。
【0010】
上記(2)の構成によれば、第1外周側領域の径方向範囲内の第1位置における回転面と静止面との間の間隙の大きさG1を、軸受面部の径方向範囲内の第2位置における間隙の大きさG2以下に設定したので、第1外周側領域から径方向外側への油の流出(上述のサイドフロー)をより確実に低減させることができる、よって、軸受装置の負荷能力を増大させることができる。
【0011】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記回転面の前記第1内周側領域は、軸方向において前記軸受油膜に隣接するように設けられる。
【0012】
上記(3)の構成によれば、第1内周側領域は軸方向において軸受油膜に隣接するように設けられるので、第1内周側領域よりも径方向外側に位置する高疎油性の第1外周側領域により、上記(1)で述べたように、油のサイドフローを低減することができるとともに、第1外周側領域における油の速度勾配を低減させることができる。よって、軸受損失を低減しながら、軸受装置の負荷能力を増大させることができる。
【0013】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記回転面の前記軸受面部又は前記回転面のうち前記軸受面部に対向する部分において、前記第1外周側領域よりも疎油性が低い部分が占める面積の割合は75%以上である。
【0014】
上記(4)の構成によれば、回転面のうち、軸受面部又は軸受面部に対向する部分の大部分は疎油性が比較的低いので、この領域においては、回転方向の油の流れが阻害されにくい。このため、軸受面部にて回転方向に流れる油量が確保され、軸受の負荷能力の低下を効果的に抑制することができる。
【0015】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記第1外周側領域は、前記回転面の表面に設けられた疎油性膜を含む。
【0016】
上記(5)の構成によれば、回転面の表面に疎油性膜を設けることにより、第1外周側領域に疎油性を付与することができるので、上記(1)で述べたように、油のサイドフローを低減することができるとともに、第1外周側領域における油の速度勾配を低減させることができる。よって、軸受損失を低減しながら、軸受装置の負荷能力を増大させることができる。
【0017】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記疎油性膜は、前記軸方向に突出する複数の第1凸部を有し、
前記複数の第1凸部のピッチP1と前記複数の第1凸部の高さh1の比P1/h1は、1.0以上2.0以下である。
【0018】
上記(6)の構成によれば、疎油性膜の表面に複数の第1凸部を形成し、該第1凸部のピッチP1と高さh1の比P1/h1を1.0以上2.0以下に設定したので、サイドフローを効果的に低減することができるとともに、第1外周側領域における油の速度勾配を効果的に低減させることができる。
【0019】
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記疎油性膜のうち、前記複数の第1凸部が占める面積の割合は、1%以上20%以下である。
【0020】
上記(7)の構成によれば、疎油性膜のうち複数の第1凸部が占める面積の割合を1%以上20%以下に設定したので、サイドフローをより効果的に低減することができるとともに、第1外周側領域における油の速度勾配をより効果的に低減させることができる。
【0021】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記静止面は、
第2内周側領域と、
前記軸受面部よりも径方向外側にて前記回転面と対向し、前記第2内周側領域よりも親油性が高い第2外周側領域と、
を含む。
【0022】
上記(8)の構成によれば、静止面のうち、軸受面部よりも径方向外側にて回転面と対向する第2外周側領域を親油性としたので、第2外周側領域には油が溜まりやすくなる。このように第2外周側領域に溜まった油は、軸受面部から径方向外側に流出しようとする油の流れを阻止する壁として機能する。このため、軸受面部において、回転方向に流れる油量が確保され、軸受の負荷能力の低下を効果的に抑制することができる。
【0023】
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、
前記第2外周側領域は、前記軸方向に突出する複数の第2凸部を有し、
前記複数の第2凸部のピッチP2と前記複数の第2凸部の高さh2の比P2/h2は、1.0以上2.0以下である。
【0024】
上記(9)の構成によれば、第2外周側領域の表面に複数の第2凸部を形成し、該第2凸部のピッチP2と高さh2の比P2/h2を1.0以上2.0以下に設定したので、第2外周側領域に親油性を付与することができる。よって、上記(8)で述べたように、軸受面部において、回転方向に流れる油量が確保され、軸受の負荷能力の低下を効果的に抑制することができる。
【0025】
(10)幾つかの実施形態では、上記(8)又は(9)の構成において、
前記第2外周側領域は、前記静止面の表面に設けられた親油性膜を含む。
【0026】
上記(10)の構成によれば、静止面の表面に親油性膜を設けることにより、第2外周側領域に親油性を付与することができる。これにより、上記(8)で述べたように、軸受面部において、回転方向に流れる油量が確保され、軸受の負荷能力の低下を効果的に抑制することができる。
【0027】
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係るターボチャージャは、
上記(1)乃至(10)の何れか一項に記載の軸受装置と、
前記軸受装置によって回転可能に支持される回転シャフトと、
前記回転シャフトに設けられるコンプレッサインペラ及びタービンインペラと、
を備える。
【0028】
上記(11)の構成では、回転面のうち、軸受面部よりも径方向外側にて静止面と対向する第1外周側領域の疎油性を、第1内周側領域よりも高くしている。これにより、第1外周側領域において、回転面近傍における油の速度が低減し、遠心力によるサイドフロー(油の漏れ)を低減することができるため、軸受面部で回転方向に流れる油量が維持されやすく、軸受の負荷能力を増大させることができるとともに、第1外周側領域において回転面近傍の油に回転面からのエネルギーが伝わりにくく、油の速度勾配を低減させることができるため、摩擦による軸受損失を低減させることができる。よって、上記(11)の構成によれば、軸受損失を低減しながら、軸受装置の負荷能力を増大させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、軸受損失の低減と、負荷能力の増大を両立可能な軸受装置及びこれを備えたターボチャージャが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施形態に係るターボチャージャの概略断面図である。
図2図1に示すスラスト軸受装置(軸受装置)の軸方向に沿った概略断面図である。
図3】一実施形態に係るスラスト軸受装置の構成を説明するための概略図である。
図4】一実施形態に係るスラスト軸受装置の構成を説明するための概略図である。
図5A】一実施形態に係るスラスト軸受装置による作用を説明するための図である。
図5B】一実施形態に係るスラスト軸受装置による作用を説明するための図である。
図6図2に示すスラスト軸受装置の部分的な拡大図である。
図7】一実施形態に係るスラスト軸受装置の回転面の表面の拡大模式図である。
図8A】一実施形態に係るスラスト軸受装置の回転面の表面の拡大模式図である。
図8B】一実施形態に係るスラスト軸受装置の回転面の表面の拡大模式図である。
図9A】一実施形態に係るスラスト軸受装置の静止面の表面の拡大模式図である。
図9B】一実施形態に係るスラスト軸受装置の静止面の表面の拡大模式図である。
図10】一実施形態に係るスラスト軸受装置の静止面の表面の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0032】
まず、図1を参照して、一実施形態に係る軸受装置を備えたターボチャージャについて説明する。図1は、一実施形態に係るターボチャージャの概略断面図である。同図に示すように、一実施形態に係るターボチャージャ1は、回転シャフト2と、回転シャフト2の一端部に設けられるコンプレッサインペラ4と、回転シャフト2の他端部に設けられるタービンインペラ6と、回転シャフト2を回転可能に支持するラジアル軸受装置24及びスラスト軸受装置30を備えている。ラジアル軸受装置24及びスラスト軸受装置30(軸受装置)は、それぞれ、回転シャフト2の軸方向において、コンプレッサインペラ4と、タービンインペラ6との間に位置している。
【0033】
また、ターボチャージャ1は、コンプレッサインペラ4を囲うコンプレッサハウジング10と、タービンインペラ6を囲うタービンハウジング12と、回転シャフト2の軸方向において、コンプレッサハウジング10とタービンハウジング12との間に位置する軸受ハウジング14と、を備えている。コンプレッサハウジング10と軸受ハウジング14、及び、タービンハウジング12と軸受ハウジング14は、それぞれ、ボルト(不図示)で締結されていてもよい。
【0034】
コンプレッサハウジング10は、軸方向におけるターボチャージャ1の一端部において軸方向外側に向かって開口する空気入口16を有するとともに、コンプレッサインペラ4の径方向外側に位置する環状流路18を形成している。
また、タービンハウジング12は、軸方向におけるターボチャージャ1の他端部において軸方向外側に向かって開口する排ガス出口20を有するとともに、タービンインペラ6の径方向外側に位置する環状流路22を形成している。
【0035】
ラジアル軸受装置24及びスラスト軸受装置30には、軸受ハウジング14に形成された潤滑油供給路26を介して、潤滑油が供給されるようになっている。ラジアル軸受装置24及びスラスト軸受装置30から漏出した潤滑油は、排油空間27を通って、油排出口28から排出されるようになっている。
【0036】
上述の構成を有するターボチャージャ1は、例えば、以下のように動作する。
空気入口16を介してコンプレッサインペラ4に空気が流入し、回転シャフト2とともに回転するコンプレッサインペラ4によってこの空気が圧縮される。このようにして生成した圧縮空気は、コンプレッサインペラ4の径方向外側に形成された環状流路18を介してターボチャージャ1から一旦排出され、燃焼機関(不図示)に供給される。
【0037】
燃焼機関では、上述の圧縮空気とともに燃料が燃焼され、この燃焼反応により燃焼ガスが生成される。燃焼ガスは、燃焼機関から排出される排ガスとして、タービンインペラ6の径方向外側に形成された環状流路22を介してタービンインペラ6に流入する。このように流入した排ガスの流れによってタービンインペラ6に回転力が付与され、これにより回転シャフト2が駆動される。タービンで仕事を終えた排ガスは、排ガス出口20を介して、ターボチャージャ1から排出されるようになっている。
【0038】
本発明の幾つかの実施形態に係る軸受装置は、上述のスラスト軸受装置30であってもよい。
【0039】
次に、図1~8Bを参照して、幾つかの実施形態に係る軸受装置について説明する。
図2は、図1に示すスラスト軸受装置30(軸受装置)の軸方向に沿った概略断面図であり、図3及び図4は、スラスト軸受装置30の構成を説明するための概略図である。また、図3図2のIII-III矢視図であり、図4図2のIV-IV矢視図である。なお、図3及び図4では、回転シャフト2、軸受プレート32及びスラストカラー36のみを示している。また、図3及び図4における符号101,102,201,202の部分の斜線は、断面を示すものではなく、領域を示すものである。
【0040】
図1及び図2に示すように、スラスト軸受装置30は、回転シャフト2の回転軸O周りに回転可能なスラストカラー36(回転部)と、静止部材としての軸受ハウジング14に支持された軸受プレート32(静止部)と、を含む。スラストカラー36は、回転軸Oに交差する回転面8を有する。軸受プレート32は、スラストカラー36の回転面8に対向する静止面9を有する。回転面8及び静止面9は、典型的には、回転軸Oに直交する平面に沿って拡がっている。
【0041】
軸受プレート32の静止面9には、軸受油膜50を形成するための軸受面部31を有している。軸受油膜50は、軸方向において、少なくとも回転面8と静止面9との間に形成される。図2及び図4に示すように、軸受面部31は、平坦なランド部33と、ランド部33から軸方向に凹み、円周方向に沿った斜面を有するテーパ部34と、を含むテーパランド軸受として機能する。軸受面部31には、軸受プレート32の内部に形成された油供給路39(図1参照;図2~6において不図示)を介して、潤滑油供給路26から潤滑油が供給されるようになっており、軸受面部31と、スラストカラー36の回転面8との間に軸受油膜50(図2参照)が形成されるようになっている。
【0042】
なお、図示する実施形態では、静止部(図示する実施形態における軸受プレート32)の静止面9に軸受面部31が形成されているが、他の実施形態では、回転部の回転面8に軸受面部が形成されていてもよい。
【0043】
また、軸受面部は、上述のテーパランド軸受に限定されない。例えば、軸受面部は、軸受油膜が形成される溝やポケットが静止面9又は回転面8に形成されたものであってもよい。
【0044】
また、図2等に示すように、軸方向において、軸受プレート32を挟んでスラストカラー36の反対側にスラストカラー38が設けられていてもよく、軸受プレート32とスラストカラー38との間にも、軸受油膜が形成されるようになっていてもよい。
【0045】
図2及び図3に示すように、回転面8(図示する実施形態では、スラストカラー36が有する面)は、第1内周側領域101と、軸受面部31よりも径方向外側にて静止面9と対向し、第1内周側領域101よりも疎油性が高い第1外周側領域102と、を含む。
【0046】
本明細書における「疎油性」又は「親油性」等の油に対する濡れ性は、例えば、基準となる試料油を用いて計測したときの接触角の大小関係によって評価し得るものである。接触角が大きいほど疎油性が高い(即ち親油性が低い、又は、油に対する濡れ性が低い)ことを示し、接触角が小さいほど疎油性が低い(即ち親油性が高い、又は、油に対する濡れ性が高い)ことを示す。上述の基準となる試料油は、例えば、標準的な潤滑油、又は、エンジンオイル等であってもよい。
【0047】
ここで、図5A及び図5Bは、幾つかの実施形態に係るスラスト軸受装置30による作用を説明するための図である。図5A図5Bにおいて、D1~D3は、軸方向における油の速度分布を示す。なお、図5A図5Bにおいて、軸受油膜は図示を省略している。
【0048】
回転面8に上述の第1外周側領域102(第1内周側領域101に比べて疎水性が高い領域)を設けない場合、軸方向における油の速度分布は、例えば図5A図5BのD1のように、回転面8において速度u1、かつ、静止面9において速度ゼロの線形の分布(速度勾配)を有する。ここで、回転面8における油の速度u1は、回転面8の回転速度に対応する値である。
【0049】
これに対し、上述の実施形態では、回転面8に上述の第1外周側領域102を設け、回転面8のうち、軸受面部31よりも径方向外側にて静止面9と対向する第1外周側領域102の疎油性を、第1内周側領域101よりも高くしている。これにより、軸方向における油の速度分布は、例えば図5AのD2のように、回転面8における速度がu1に比べて著しく低減し、軸方向における回転面8と静止面9との間で速度が最大となるような曲線状の分布となる。このように、第1外周側領域102において、回転面8近傍における油の速度が低減し、遠心力によるサイドフロー(油の漏れ)を低減することができるため、軸受面部31で回転方向に流れる油量が維持されやすく、軸受の負荷能力を増大させることができる。
【0050】
また、上述の実施形態では、回転面8に上述の第1外周側領域102を設け、回転面8のうち、軸受面部31よりも径方向外側にて静止面9と対向する第1外周側領域102の疎油性を、第1内周側領域101よりも高くしている。これにより、軸方向における油の速度分布は、例えば図5BのD3のように、回転面8において速度u2(ただしu2はu1よりも小さい)、かつ、静止面9において速度ゼロの線形の分布(速度勾配)を有し、軸方向の全領域において、油の速度はD1の場合よりも小さい。このように、疎油性の比較的高い第1外周側領域102を設けることにより、第1外周側領域102において回転面8近傍の油に回転面8からのエネルギーが伝わりにくく、油の速度勾配を低減させることができる。回転面8の表面における摩擦は油の速度勾配に比例するので、上述の速度勾配の低減により摩擦が低減するため、この摩擦による軸受損失を低減することができる。
【0051】
したがって、上述の実施形態によれば、回転面8に、軸受面部31よりも径方向外側にて静止面9と対向し、第1内周側領域101よりも疎油性が高い第1外周側領域102を設けたので、軸受損失を低減しながら、スラスト軸受装置30の負荷能力を増大させることができる。
【0052】
幾つかの実施形態では、図2に示すように、回転面8の第1内周側領域101は、軸方向において軸受油膜50に隣接するように設けられる。
この場合、上述したように、第1内周側領域101よりも径方向外側に位置する高疎油性の第1外周側領域102により、油のサイドフローを低減することができるとともに、第1外周側領域102における油の速度勾配を低減させることができる。よって、軸受損失を低減しながら、スラスト軸受装置30の負荷能力を増大させることができる。
【0053】
なお、図2図4等に示す実施形態では、回転面8の第1内周側領域101が軸方向において軸受面部31と完全に重なっており、回転面8の第1外周側領域102の全体が、軸受面部31よりも径方向外側に位置する例を示したが、本発明はこのような実施形態に限定されない。例えば、第1外周側領域102のうち、内径側の一部が、径方向において軸受面部31と重なるように設けられ、この第1外周側領域102よりも径方向内側に第1内周側領域101が設けられていてもよい。
また、第1内周側領域101よりも径方向内側に、他の領域(例えば、第1外周側領域102よりも疎油性が高い領域)が設けられていてもよい。
【0054】
図6は、図2に示すスラスト軸受装置30の部分的な拡大図である。
幾つかの実施形態では、スラスト軸受装置30は、第1外周側領域102の径方向範囲R1内の第1位置r1における回転面8と静止面9との間の間隙の大きさをG1とし、軸受面部31の径方向範囲R2内の第2位置r2(図6のr2a、r2b)における回転面8と静止面9との間の間隙の大きさG2(図6のG2a、G2b)としたとき、G1≦G2を満たす。なお、図6におけるr2aは、軸受面部31のうちランド部33の位置における第2位置であり、図6におけるr2bは、軸受面部31のうちテーパ部34の位置における第2位置である。
【0055】
また、幾つかの実施形態では、上述の径方向範囲R1内の全ての第1位置r1における上述の間隙の大きさG1、及び、上述の径方向範囲R2内の全ての第2位置r2における上述の間隙の大きさG2は、G1≦G2を満たしていてもよい。
【0056】
このように、第1外周側領域102の径方向範囲R1内の第1位置r1における回転面8と静止面9との間の間隙の大きさG1を、軸受面部31の径方向範囲R2内の第2位置r2における間隙の大きさG2以下に設定したので、第1外周側領域102から径方向外側への油の流出(上述のサイドフロー)をより確実に低減させることができる、よって、スラスト軸受装置30の負荷能力を増大させることができる。
【0057】
静止面9側に軸受面部31が設けられる幾つかの実施形態(図2等参照)では、回転面8のうち軸受面部31に対向する部分において、第1外周側領域102よりも疎油性が低い部分が占める面積の割合は75%以上又は90%以上であってもよい。なお、図示する実施形態では、回転面8のうち軸受面部31に対向する部分は、第1内周側領域101と重なる。
回転面8側に軸受面部31が設けられる幾つかの実施形態(不図示)では、回転面8の軸受面部31において、第1外周側領域102よりも疎油性が低い部分が占める面積の割合は75%以上又は90%以上であってもよい。
【0058】
このように、回転面8のうち、軸受面部31又は軸受面部31に対向する部分の大部分の疎油性を比較的低くすることにより、この領域においては、回転方向の油の流れが阻害されにくい。このため、軸受面部31にて回転方向に流れる油量が確保され、軸受の負荷能力の低下を効果的に抑制することができる。
【0059】
図7図8A及び図8Bは、幾つかの実施形態に係るスラスト軸受装置30の回転面8の表面の拡大模式図である。図7及び図8Bは回転面8の断面図であり、図8Aは回転面8を径方向視した図である。
【0060】
幾つかの実施形態では、例えば図7及び図8A図8Bに示すように、第1外周側領域102は、回転面8の表面に設けられた疎油性膜40を含む。
このように、回転面8の表面に疎油性膜を設けることにより、第1外周側領域102に疎油性を付与することができるので、回転面8と静止面9との間からの油のサイドフローを低減することができるとともに、第1外周側領域102における油の速度勾配を低減させることができる。よって、軸受損失を低減しながら、スラスト軸受装置30の負荷能力を増大させることができる。
【0061】
疎油性膜40の材料として、例えば、フッ素系樹脂等のフッ素系コーティング剤を用いることができる。
回転面8が金属で構成されている場合、回転面8の表面に直接疎油性膜40を形成してもよいし、あるいは、回転面8の表面を酸化剤で処理して酸化膜を形成した後、該酸化膜の表面に疎油性膜40を形成するようにしてもよい。
【0062】
図7に示す例示的な実施形態では、疎油性膜40は、平坦な表面を有する。
【0063】
図8A図8Bに示す例示的な実施形態では、疎油性膜40は、平坦部41と、平坦部41から軸方向に突出する複数の第1凸部42と、を有する。そして、複数の第1凸部42のピッチP1(図8A図8B参照)と複数の第1凸部42の高さh1(図8B参照)の比P1/h1は、1.0以上2.0以下である。
【0064】
一般に、表面に対する油の接触角が比較的大きい場合(例えば90度以上)、該表面に凹凸を設けると、油が凹部に入り込むことで、見かけ上の接触角が大きくなるため、該表面の疎油性が大きくなる。この点、上述の実施形態では、疎油性膜40の表面に複数の第1凸部42を形成し、該第1凸部42のピッチP1と高さh1の比P1/h1を1.0以上2.0以下に設定したので、複数の第1凸部42に囲まれる平坦部41に油が入り込みやすくなり、第1外周側領域102における油の見かけ上の接触角が大きくなる。このため、疎油性膜40を設けた第1外周側領域102の疎油性をより高くして、上述のサイドフローを効果的に低減することができるとともに、第1外周側領域102における油の速度勾配を効果的に低減させることができる。
【0065】
なお、複数の第1凸部42は、例えば図8Aに示すように格子状に配列されてもよいし、千鳥状に配列されていてもよく、あるいは、不規則に配列されていてもよい。
また、幾つかの実施形態では、複数の第1凸部42のピッチP1の平均P1_aveと複数の第1凸部42の高さの平均h1_aveとの比P1_ave/h1_aveが、1.0以上2.0以下であってもよい。
【0066】
幾つかの実施形態では、疎油性膜40のうち、複数の第1凸部42が占める面積の割合(すなわち、疎油性膜40を軸方向に視たとき(図8A参照)の全面積のうち、複数の第1凸部42が占める面積の割合)は、1%以上20%以下である。
【0067】
このように、疎油性膜40のうち複数の第1凸部42が占める面積の割合を1%以上20%以下とすることにより、上述の油のサイドフローをより効果的に低減することができるとともに、第1外周側領域102における油の速度勾配をより効果的に低減させることができる。
【0068】
幾つかの実施形態では、例えば図2及び図4に示すように、静止面9(図示する実施形態では、軸受プレート32が有する面)は、第2内周側領域201と、軸受面部31よりも径方向外側にて回転面8と対向し、第2内周側領域201よりも親油性が高い第2外周側領域202と、を含む。
【0069】
このように、静止面9のうち、軸受面部31よりも径方向外側にて回転面8と対向する第2外周側領域202を親油性としたので、第2外周側領域202において静止面9上に油が溜まりやすくなる。このように第2外周側領域202に溜まった油は、軸受面部31から径方向外側に流出しようとする油の流れを阻止する壁として機能する。このため、軸受面部31において、回転方向に流れる油量が確保され、軸受の負荷能力の低下を効果的に抑制することができる。
【0070】
図9A図9B及び図10は、幾つかの実施形態に係る静止面9の表面の拡大模式図である。図9Aは静止面9を径方向視した図であり、図9B及び図10は静止面9の断面図である。
【0071】
幾つかの実施形態では、例えば図9A図9Bに示すように、第2外周側領域202は、平坦部45と、平坦部45から軸方向に突出する複数の第2凸部46と、を有する。そして、複数の第2凸部46のピッチP(図9A図9B参照)2と複数の第2凸部46の高さh2(図9B参照)の比P2/h2は、1.0以上2.0以下である。
【0072】
一般に、表面に対する油の接触角が比較的小さい場合(例えば90度未満)、該表面が凹凸を有していると、油が凹部に入り込むことで、見かけ上の接触角が小さくなるため、該表面の親油性が大きくなる。この点、上述の実施形態では、第2外周側領域202の表面に複数の第2凸部46を形成し、該第2凸部46のピッチP2と高さh2の比P2/h2を1.0以上2.0以下に設定したので、複数の第2凸部46に囲まれる平坦部45に油が入り込みやすくなり、第2外周側領域202における油の見かけ上の接触角が小さくなるため、第2外周側領域202に親油性を付与することができる。よって、軸受面部31において、回転方向に流れる油量が確保され、軸受の負荷能力の低下を効果的に抑制することができる。
【0073】
なお、複数の第2凸部46は、例えば図9Aに示すように格子状に配列されてもよいし、千鳥状に配列されていてもよく、あるいは、不規則に配列されていてもよい。
また、幾つかの実施形態では、複数の第2凸部46のピッチP2の平均P2_aveと複数の第2凸部46の高さの平均h2_aveとの比P2_ave/h2_aveが、1.0以上2.0以下であってもよい。
【0074】
幾つかの実施形態では、例えば図10に示すように、第2外周側領域202は、静止面9の表面に設けられた親油性膜52を含んでいてもよい。親油性膜52は、例えば図10に示すように、平坦な表面を有していてもよい。あるいは、静止面9の表面に設けられた親油性膜52に、例えば図9A図9Bに示すような平坦部45及び第2凸部46が形成されていてもよい。
このように、静止面9の表面に親油性膜52を設けることにより、第2外周側領域202に親油性を付与することができる。これにより、軸受面部31において、回転方向に流れる油量が確保され、軸受の負荷能力の低下を効果的に抑制することができる。
【0075】
親油性膜の材料として、例えば、シリコンオイル含有コーティング剤等を用いることができる。
静止面9が金属で構成されている場合、静止面9の表面に直接親油性膜を形成してもよいし、あるいは、静止面9の表面を酸化剤で処理して酸化膜を形成した後、該酸化膜の表面に親油性膜を形成するようにしてもよい。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0077】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【符号の説明】
【0078】
1 ターボチャージャ
2 回転シャフト
4 コンプレッサインペラ
6 タービンインペラ
8 回転面
9 静止面
10 コンプレッサハウジング
12 タービンハウジング
14 軸受ハウジング
16 空気入口
18 環状流路
20 排ガス出口
22 環状流路
24 ラジアル軸受装置
26 潤滑油供給路
27 排油空間
28 油排出口
30 スラスト軸受装置
31 軸受面部
32 軸受プレート
33 ランド部
34 テーパ部
36 スラストカラー
38 スラストカラー
39 油供給路
40 疎油性膜
41 平坦部
42 第1凸部
45 平坦部
46 第2凸部
50 軸受油膜
52 親油性膜
101 第1内周側領域
102 第1外周側領域
201 第2内周側領域
202 第2外周側領域
O 回転軸
P ピッチ
R1 径方向範囲
R2 径方向範囲
h 高さ
r1 第1位置
r2 第2位置
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10