(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】システム、記録媒体処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/10 20120101AFI20230407BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20230407BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20230407BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20230407BHJP
【FI】
G06Q20/10
G06Q20/06
G06Q20/40
G06F21/31
(21)【出願番号】P 2021175317
(22)【出願日】2021-10-27
【審査請求日】2021-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】593092482
【氏名又は名称】JR東日本メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】若林 寿之
(72)【発明者】
【氏名】太田 翔
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特許第6539761(JP,B2)
【文献】特許第6310562(JP,B2)
【文献】特開2009-233246(JP,A)
【文献】特開2006-107316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体処理装置と、サーバ装置と、端末装置とを含むシステムであって、
前記記憶媒体処理装置は、
前記サーバ装置のアドレス情報を含む当該サーバ装置に登録されるポイント口座の認証アドレス情報と、
少なくとも当該ポイント口座に関する情報と、当該ポイント口座への付与対象となるポイントに関する
情報と、を含む、当該ポイント口座に当該ポイントを付与するための登録用アドレス情報と、を出力する出力手段と、
記憶媒体から取得された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を含むポイント口座の登録要求を前記サーバ装置に送信する登録要求手段と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記記憶媒体処理装置からの前記登録要求に含まれる記憶媒体識別情報に紐付けて前記ポイント口座を登録する登録手段と、
登録された前記ポイント口座に接続した前記端末装置からの認証要求に含まれる認証情報と、当該ポイント口座に紐付けられている記憶媒体識別情報との照合結果に応じて、当該ポイント口座の利用を認証する認証手段と、
前記端末装置からのポイント付与要求に含まれる前記
ポイント口座に関する情報に応じて、登録された前記ポイント口座
を特定し、当該ポイント付与要求に含まれる前記ポイントに関する情報に応じて、当該ポイント口座に対してポイント
を付与するポイント管理手段と、
を有し、
前記端末装置は、
前記出力手段により出力された前記認証アドレス情報と前記
登録用アドレス情報とを読み込む読み込み手段と、
読み込まれた前記認証アドレス情報に基づき、前記登録されたポイント口座へ認証接続する接続手段と、
前記ポイント口座へ認証接続された場合、入力された認証情報を含む前記ポイント口座の利用に係る認証要求を前記サーバ装置に送信する認証要求手段と、
前記認証要求に基づき認証された場合に、読み込まれた前記
登録用アドレス情報に含まれる前記ポイント口座に関する情報と前記ポイントに関する情報とを少なくとも含む前記ポイント口座へのポイントの付与に係るポイント付与要求を前記サーバ装置に送信するポイント付与要求手段と、
を有する、システム。
【請求項2】
前記出力手段は、前記認証アドレス情報を符号化した第1のコードと、前記
登録用アドレス情報を符号化した第2のコードと、を出力し、
前記読み込み手段は、前記第1のコードと前記第2のコードとを個別に読み取ることで、前記認証アドレス情報と前記
登録用アドレス情報とを読み込む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記出力手段は、前記認証アドレス情報と前記
登録用アドレス情報とを符号化した第3のコードと、を出力し、
前記読み込み手段は、前記第3のコードを読み取ることで、前記認証アドレス情報と前記
登録用アドレス情報とを読み込む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記出力手段は、前記認証アドレス情報と前記
登録用アドレス情報とを撮像結果に基づき読み取り可能なコードとして出力し、
前記読み込み手段は、撮像装置による前記コードの撮像結果に基づき、前記認証アドレス情報と前記
登録用アドレス情報とを読み込む、
請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記記憶媒体処理装置は、暗号情報を生成する生成手段を有し、
前記出力手段は、前記アドレス情報と前記暗号情報とを含む前記認証アドレス情報を出力し、
前記登録手段は、前記記憶媒体識別情報と、前記暗号情報とに紐付けて前記ポイント口座を登録し、
前記接続手段は、前記認証アドレス情報に含まれる前記暗号情報に紐づけて登録されている前記ポイント口座へ認証接続する、
請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記登録要求手段は、入力された暗証情報を更に含む前記登録要求を前記サーバ装置に送信し、
前記登録手段は、前記登録要求に含まれる記憶媒体識別情報と暗号情報と暗証情報とに紐付けてポイント口座を登録し、
前記認証手段は、前記認証要求に含まれる認証情報と前記登録されたポイント口座に紐付けられている記憶媒体識別情報と暗証情報との照合結果に応じて、前記端末装置の前記ポイント口座への認証を許可する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記認証要求手段は、前記認証要求とともに、前記端末装置を識別する端末識別情報と、認証要求する日時情報とを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記端末装置から前記認証要求とともに取得された前記端末識別情報と前記日時情報とを前記認証要求されたポイント口座と紐付けて管理する管理手段を更に有する、
請求項5または6に記載のシステム。
【請求項8】
記憶媒体に紐付けたポイント口座の登録要求を受け付ける受付画面を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された受付画面を介して前記登録要求を受け付けた場合に、
ポイント口座を管理するサーバ装置のアドレス情報を含む当該サーバ装置に登録されるポイント口座の認証アドレス情報と、
少なくとも当該ポイント口座に関する情報と、当該ポイント口座への付与対象となるポイントに関する
情報と、を含む、当該ポイント口座に当該ポイントを付与するための登録用アドレス情報と、を出力する出力手段と、
記憶媒体から取得された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を含むポイント口座の登録要求を前記サーバ装置に送信する登録要求手段と、
を有する、記録媒体処理装置。
【請求項9】
記憶媒体処理装置と、サーバ装置と、端末装置とを含むシステムにおけるポイント口座の登録に係る情報処理方法であって、
前記記憶媒体処理装置が、前記サーバ装置に登録されるポイント口座の認証アドレス情報と、
少なくとも当該ポイント口座に関する情報と、当該ポイント口座への付与対象となるポイントに関する
情報と、を含む、当該ポイント口座に当該ポイントを付与するための登録用アドレス情報と、を出力する出力ステップと、
前記記憶媒体処理装置が、記憶媒体から取得された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を含むポイント口座の登録要求を前記サーバ装置に送信する登録要求ステップと、
前記サーバ装置が、前記記憶媒体処理装置からの前記登録要求に含まれる記憶媒体識別情報に紐付けて前記ポイント口座を登録する登録ステップと、
前記端末装置が、前記出力ステップにおいて出力された前記認証アドレス情報と前記
登録用アドレス情報とを読み込む読み込みステップと、
前記端末装置が、読み込まれた前記認証アドレス情報に基づき、前記登録されたポイント口座へ認証接続する接続ステップと、
前記端末装置が、前記ポイント口座へ認証接続された場合、入力された認証情報を含む前記ポイント口座の利用に係る認証要求を前記サーバ装置に送信する認証要求ステップと、
前記サーバ装置が、登録された前記ポイント口座に接続した前記端末装置からの認証要求に含まれる認証情報と、当該ポイント口座に紐付けられている記憶媒体識別情報との照合結果に応じて、当該ポイント口座の利用を認証する認証ステップと、
前記端末装置が、前記認証要求に基づき認証された場合に、読み込まれた前記登録用アドレス情報
に含まれる前記ポイント口座に関する情報と前記ポイントに関する情報とを少なくとも含む前記ポイント口座へのポイントの付与に係るポイント付与要求を前記サーバ装置に送信するポイント付与要求ステップと、
前記サーバ装置が、前記端末装置からのポイント付与要求に含まれる前記
ポイント口座に関する情報に応じて、登録された前記ポイント口座
を特定し、当該ポイント付与要求に含まれる前記ポイントに関する情報に応じて、当該ポイント口座に対してポイント
を付与するポイント管理ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項10】
記録媒体処理装置が実行するポイント口座の登録に係る情報処理方法であって、
記憶媒体に紐付けたポイント口座の登録要求を受け付ける受付画面を表示する表示ステップと、
前記表示ステップにおいて表示された受付画面を介して前記登録要求を受け付けた場合に、
ポイント口座を管理するサーバ装置のアドレス情報を含む当該サーバ装置に登録されるポイント口座の認証アドレス情報と、
少なくとも当該ポイント口座に関する情報と、当該ポイント口座への付与対象となるポイントに関する
情報と、を含む、当該ポイント口座に当該ポイントを付与するための登録用アドレス情報と、を出力する出力ステップと、
記憶媒体から取得された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を含むポイント口座の登録要求を前記サーバ装置に送信する登録要求ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
記憶媒体に紐付けたポイント口座の登録要求を受け付ける受付画面を表示する表示ステップと、
前記表示ステップにおいて表示された受付画面を介して前記登録要求を受け付けた場合に、
ポイント口座を管理するサーバ装置のアドレス情報を含む当該サーバ装置に登録されるポイント口座の認証アドレス情報と、
少なくとも当該ポイント口座に関する情報と、当該ポイント口座への付与対象となるポイントに関する
情報と、を含む、当該ポイント口座に当該ポイントを付与するための登録用アドレス情報と、を出力する出力ステップと、
記憶媒体から取得された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を含むポイント口座の登録要求を前記サーバ装置に送信する登録要求ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システム、記録媒体処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子マネーが盛んに利用されるようになり、電子マネーをサーバで管理する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、プリペイドカードや携帯端末に紐付けた電子マネー口座をサーバ上に登録して電子マネーを管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、電子マネー口座等を含むポイント口座の利用者数の増加を促進させるために、ポイント口座の登録時にポイント等の特典を付与するといったサービスが提供される場合がある。しかしながら、このような特典が付与されたとしても、ポイント口座の登録や特典の付与のための手続きが煩雑であることで、ポイント口座の登録までいたらない場合がある。
【0005】
本発明は、ポイント口座の利用者数の増加をより好適な態様で促進可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るシステムは、記憶媒体処理装置と、サーバ装置と、端末装置とを含むシステムであって、前記記憶媒体処理装置は、前記サーバ装置のアドレス情報を含む当該サーバ装置に登録されるポイント口座の認証アドレス情報と、少なくとも当該ポイント口座に関する情報と、当該ポイント口座への付与対象となるポイントに関する情報と、を含む、当該ポイント口座に当該ポイントを付与するための登録用アドレス情報と、を出力する出力手段と、記憶媒体から取得された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を含むポイント口座の登録要求を前記サーバ装置に送信する登録要求手段と、を有し、前記サーバ装置は、前記記憶媒体処理装置からの前記登録要求に含まれる記憶媒体識別情報に紐付けて前記ポイント口座を登録する登録手段と、登録された前記ポイント口座に接続した前記端末装置からの認証要求に含まれる認証情報と、当該ポイント口座に紐付けられている記憶媒体識別情報との照合結果に応じて、当該ポイント口座の利用を認証する認証手段と、前記端末装置からのポイント付与要求に含まれる前記ポイント口座に関する情報に応じて、登録された前記ポイント口座を特定し、当該ポイント付与要求に含まれる前記ポイントに関する情報に応じて、当該ポイント口座に対してポイントを付与するポイント管理手段と、を有し、前記端末装置は、前記出力手段により出力された前記認証アドレス情報と前記登録用アドレス情報とを読み込む読み込み手段と、読み込まれた前記認証アドレス情報に基づき、前記登録されたポイント口座へ認証接続する接続手段と、前記ポイント口座へ認証接続された場合、入力された認証情報を含む前記ポイント口座の利用に係る認証要求を前記サーバ装置に送信する認証要求手段と、前記認証要求に基づき認証された場合に、読み込まれた前記登録用アドレス情報に含まれる前記ポイント口座に関する情報と前記ポイントに関する情報とを少なくとも含む前記ポイント口座へのポイントの付与に係るポイント付与要求を前記サーバ装置に送信するポイント付与要求手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ポイント口座の利用者数の増加をより好適な態様で促進することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1における電子マネー口座登録システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、券売機のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、券売機のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、サーバ装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、携帯端末のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態1における処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】
図9は、電子マネー口座の登録要求を受け付ける受付画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、券売機が出力する二次元バーコードを印刷したシートの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態1における携帯端末が表示するパスワード入力画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、サーバ装置が管理する管理テーブルの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態2における電子マネー口座登録システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、POSのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、POSのソフトウェア構成の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態2における携帯端末が表示するパスワード入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
<実施形態1>
図1は、本実施形態における電子マネー登録口座システムのシステム構成の一例を示す図である。本実施形態における電子マネー口座登録システムは、サーバ装置101、券売機102a、102b、102c、携帯端末装置(以下、携帯端末という)104を含む。サーバ装置101は、複数のユーザの電子マネー口座を管理している。ここでいう電子マネー口座は、ネットバリュー口座の一例である。ネットバリューには、電子マネーの他、ネットワーク上で利用可能なポイント、商品券、デジタルチケット等が含まれるが、ここでは電子マネーを例に説明する。携帯端末104は、例えばスマートフォン等であり、インターネット105を介してサーバ装置101と通信可能である。券売機102a、102b、102cは、セキュアなネットワークを介してサーバ装置101と通信可能であり、ICカード103a、103b、103cに対して電子マネー等の情報の読み書きを行う。以下、券売機102a、102b、102cを総称する場合は、券売機102という。また、ICカード103a、103b、103cを総称する場合は、ICカード103という。ICカード103には、電子マネー等の情報の他、各ICカードを識別するカードIDが記憶されており、裏面にはそのカードIDが印字又は刻印されているものとする。
【0011】
なお、券売機102は、ICカード103のような記憶媒体に対して情報を読み書きすることができる記憶媒体処理装置の一例である。ICカード103は、電子マネー等の情報を記憶する記憶媒体の一例であり、例えばSuica(登録商標)等である。ICカード103のカードIDは、記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報の一例である。また、券売機102、ICカード103、携帯端末104の数は、
図1に示される数に限定されるものではない。
【0012】
本実施形態における電子マネー口座登録システムでは、例えば駅構内に設置されている券売機102が、ユーザのICカード103を読み込んでカードIDを取得すると、取得したカードIDに紐付けてサーバ装置101に登録される電子マネー口座へ接続するためのセキュアなURLを出力する。そして、券売機102は、取得したカードIDに基づいて電子マネー口座の登録要求をサーバ装置101に送信する。携帯端末104は、券売機102から出力されたURLを読み取って前記電子マネー口座へ接続すると、ユーザが入力したカードID等をパスワード(認証情報)として認証要求する。サーバ装置101は、前記電子マネー口座に紐付けられているカードIDと携帯端末104から取得したパスワードとの照合結果に応じて前記電子マネー口座の利用を認証する。
【0013】
図2は、券売機102のハードウェア構成の一例を示す図である。CPU201は、HD204やROM203から読み出したプログラムをRAM202に格納して実行することにより、後述する券売機102のソフトウェア構成及びシーケンス図における券売機102の処理を実現する。RAM202は、券売機102のメインメモリである。ROM203は、券売機102の電源投入時に最初に読み込まれるプログラム等を格納する。HD204は、各種プログラム及びCPU201が実行する処理に要する各種情報を格納する。
【0014】
I/F(インターフェース)装置205は、券売機102をネットワークに接続するインターフェースである。入力装置206は、ユーザが操作するキーやボタン等で構成され、券売機102に各種操作情報を入力するのに用いられる。タッチパネル(表示装置)207は、各種情報又は画面を表示するのに用いられるとともに、ユーザがタッチすることにより各種操作情報を入力するのに用いられる。R/W(リーダライタ)208は、ICカード103に対して各種情報の読み取りや書き込みを行う。現金処理装置209は、券
売機102に投入された貨幣の受付、搬送、料金集計及び釣銭返却等の処理を行う。出力装置210は、乗車券の発券処理やレシートの発行処理を行う。
【0015】
図3は、サーバ装置101のハードウェア構成の一例を示す図である。CPU301~タッチパネル307の機能は、
図2を用いて説明したCPU201~タッチパネル207の機能と同様である。即ち、CPU301は、HD304やROM303から読み出したプログラムをRAM302に格納して実行することにより、後述するサーバ装置101のソフトウェア構成及びシーケンス図におけるサーバ装置101の処理を実現する。
【0016】
図4は、携帯端末104のハードウェア構成の一例を示す図である。CPU401~タッチパネル407の機能は、
図2を用いて説明したCPU201~タッチパネル207の機能と同様である。即ち、CPU401は、HD404やROM403から読み出したプログラムをRAM402に格納して実行することにより、後述する携帯端末104のソフトウェア構成及びシーケンス図における携帯端末104の処理を実現する。撮像装置408は、カメラ等で構成され、静止画や動画を撮像するのに用いられるとともに、例えばQRコード(登録商標)のような二次元バーコードを読み取る際にも用いられる。
【0017】
図5は、記録媒体処理装置として適用される券売機102のソフトウェア構成の一例を示す図である。読み書き部501は、R/W208を制御してICカード103に記憶されている各種情報を読み取ったり、ICカード103に各種情報を書き込んだりする。表示制御部502は、各種情報又は画面をタッチパネル207に表示する。登録要求部503は、読み書き部501がICカード103から読み取ったカードIDに紐付く電子マネー口座の登録をサーバ装置101に要求する。ポイント演算部505は、登録される上記電子マネー口座に対する付与の対象となるポイントを算出する。例えば、ポイント演算部505は、商品(例えば、チケット等)の購入金額に応じて、電子マネー口座への付与の対象となるポイントを算出してもよい。この場合には、例えば、ポイント演算部505は、ポイント付与の対象となる商品の購入金額に応じて、登録される電子マネー口座への付与の対象となるポイントを算出してもよい。また、他の一例として、ポイント演算部505は、登録される電子マネー口座への付与の対象となるポイントを固定値として特定してもよい。この場合には、例えば、ポイント演算部505は、ポイント付与の対象となる商品が購入された場合に、あらかじめ決められた値のポイントを、電子マネー口座への登録の対象として特定してもよい。出力制御部504は、出力装置210を制御して乗車券を発券したり、レシートを発行したり、
図10等を用いて後述するように二次元バーコードを紙等の媒体に印刷して出力したりする。なお、二次元バーコードはコードの一例である。ここでは二次元バーコードを例に説明するが、出力制御部504は、一次元バーコード等の他の種類のコードを印刷して出力するようにしてもよい。
【0018】
図6は、サーバ装置101のソフトウェア構成の一例を示す図である。登録部601は、券売機102から登録要求のあった電子マネー口座を開設してHD304上のデータベース(以下、単にデータベースという)に登録する。表示制御部602は、各種情報又は画面をタッチパネル307に表示したり、携帯端末104からの要求に応じて画面情報を提供したりする。ここでいう画面情報は、例えばWebページを表示するための情報であってもよいし、画面を表示するために必要な画面の構成情報であってもよい。認証部603は、携帯端末104からパスワードを取得し、データベースに登録されている電子マネー口座の利用に関する認証を判定する。管理部604は、データベースに登録されている電子マネー口座の口座情報や、電子マネー口座に接続した携帯端末104の携帯端末ID(端末識別情報)や、携帯端末104が電子マネー口座に接続した時の日時情報等を管理する。また、管理部604は、データベースに登録されている電子マネー口座に対して、所定の条件に応じて電子マネー(例えば、ポイント)の付与を行ってもよい。具体的な一例として、管理部604は、新たに電子マネー口座の登録が行われた場合に、当該電子マネー口座に接続した携帯端末104からの要求に応じて、当該電子マネー口座に対してポイントの付与を行ってもよい。
【0019】
図7は、携帯端末104のソフトウェア構成の一例を示す図である。読み取り部701は、撮像装置408を介して二次元バーコードを読み取る。また、読み取り部701は、ICカード103に記憶されている情報を読み取ることもできる。通信制御部702は、例えば読み取り部701が読み取った二次元バーコードから取得されるURLにより、データベースに登録されている電子マネー口座へ接続する。表示制御部703は、各種情報又は画面をタッチパネル407に表示する。認証要求部704は、ユーザが入力したパスワードをサーバ装置101に送信することにより、所望する電子マネー口座への認証を要求する。付与要求部705は、例えば読み取り部701が読み取った二次元バーコードから取得されるポイントに関する情報をサーバ装置101に送信することにより、認証が行われた上記電子マネー口座に対するポイントの付与を要求する。
【0020】
図8は、本実施形態における電子マネー口座登録システムで実行される電子マネー口座登録処理(ネットバリュー口座登録処理)及び当該電子マネー口座へのポイント付与処理の一例を示すシーケンス図である。なお、本説明では、便宜上、記録媒体処理装置として、券売機102が適用されるものとする。
S801において、登録要求部503は、サーバ装置101との通信状況を確認し、通信可能であればS802に処理を進める。
S802において、読み書き部501は、R/W208を制御してICカード103に記憶されている電子マネー情報と、ICカード103を識別するカードIDとを読み取る。
S803において、表示制御部502は、
図9に示すような電子マネー口座の登録要求を受け付ける受付画面901をタッチパネル207に表示する。
図9は、電子マネー口座の登録要求を受け付ける受付画面901の一例を示す図である。受付画面901には、S802で読み取られた電子マネー情報「9670円」が残額として表示されている。また、受付画面901には、ICカード103のチャージ(入金)を受け付けるボタン902と、ICカード103に紐付く電子マネー口座の登録を受け付けるボタン903とが表示されている。ここでは電子マネー口座の登録について説明するため、ICカード103の所有者であるユーザがボタン903を選択したとする。
【0021】
S804において、ポイント演算部505は、S805以降の処理でサーバ装置101に登録される電子マネー口座に対する付与の対象となるポイントを算出する。具体的な一例として、ポイント演算部505は、あらかじめ決められた値のポイントを、登録された電子マネー口座への登録対象として特定してもよい。
S805において、出力制御部504は、S806以降の処理でサーバ装置101に登録される電子マネー口座へ認証接続するための認証用URL(認証アドレス情報)を出力する。ここでいう認証接続とは、登録された電子マネー口座に携帯端末104が紐付くことをいう。より具体的に説明すると、出力制御部504は、HD204に予め格納しているサーバ装置101へ接続するためのURL(アドレス情報)に登録要求部503が生成した乱数を付加して認証用URLを生成し、その認証用URLを二次元バーコードに変換する。乱数は、登録要求部503が生成したランダムな数値である。例えば、登録要求部503は、S802で読み取られたカードIDをハッシュ関数により変換したハッシュ値を乱数として生成するようにしてもよいし、カードIDに依存しない任意の乱数を生成するようにしてもよい。なお、ここで生成される乱数は、暗号情報の一例である。また、出力制御部504は、S816~S818の処理において上記電子マネー口座にポイントを付与するための登録用URL(ポイント情報)を、S804におけるポイントの算出結果に基づき出力する。具体的には、登録用URLには、電子マネー口座への付与対象となるポイントに関する情報が含まれる。また、登録用URLには、ポイントの登録対象となる電子マネー口座に関する情報が含まれていてもよい。なお、登録用URLについても、登録用URLと同様に二次元バーコードのような所定のコードとして出力されてもよく、当該コードへの変換に際して乱数等の暗号情報が利用されてもよい。
そして、出力制御部504は、出力装置210を制御して、
図10に示すような二次元バーコードを印刷したシート(媒体)を出力する。
図10は、券売機102(記録媒体処理装置)が出力する二次元バーコードを印刷したシートの一例を示す図である。上述したように任意の乱数が用いられることにより、出力制御部504は、電子マネー口座に紐付けられているカードID等の個人情報を含まないセキュアな認証用URLと、電子マネー口座にポイントを付与するための登録用URLとを出力することができる。
【0022】
S806において、登録要求部503は、ICカード103に紐付く電子マネー口座の登録要求をサーバ装置101に送信する。より具体的に説明すると、登録要求部503は、S802で読み取られたカードIDと、自装置(券売機102)を識別する券売機ID(装置識別情報)と、上述のように生成した乱数とを紐付けてサーバ装置101に送信する。券売機IDは、券売機102のHD204に予め格納されているものとする。
【0023】
S807において、登録部601は、券売機102から受信したカードIDと、券売機IDと、乱数と紐付けて、電子マネー口座を登録する。即ち、電子マネー口座は、カードIDと、券売機IDと、乱数と紐付けて登録される。これにより、ユーザがWebサイト等でカードIDを入力する作業を行わなくても、電子マネー口座の登録が可能となる。また、ユーザがカードIDを誤入力してしまう可能性があるという不都合を解消し、ユーザの利便性を向上させることができる。なお、S807で券売機IDが登録される理由は、電子マネー口座の登録がどの券売機102から要求されたのかをサーバ装置101で管理することで、適切でない登録が行われていないかを確認することができるようにするためである。
S808において、登録部601は、S806における登録要求の応答として、電子マネー口座の登録通知を券売機102に送信する。
S809において、読み取り部701は、券売機102から出力されたシートに印刷されている、電子マネー口座の登録に係る二次元バーコードを読み取り、S807で登録された電子マネー口座への認証用URLを取得する。
【0024】
S810において、通信制御部702は、S809で取得された認証用URLと、自装置(携帯端末104)の携帯端末IDとを用いて、S807で登録された電子マネー口座へ認証接続する。より具体的に説明すると、通信制御部702は、S809で取得された認証用URLから、サーバ装置101に接続するためのURLと、S805で生成された乱数とを抽出する。そして、通信制御部702は、抽出したURLにより接続可能となるサーバ装置101に対して、抽出した乱数と自装置(携帯端末104)の携帯端末IDとを紐付けて送信する。これにより、通信制御部702は、サーバ装置101のデータベースに登録されている電子マネー口座のうち、前記乱数に紐付けて登録されている電子マネー口座へ認証接続することができる。このようにして、ICカード103と、電子マネー口座と、携帯端末104との紐付けが完了する。
なお、S810で携帯端末IDが送信される理由は、電子マネー口座に紐付く携帯端末104をサーバ装置101で管理可能とするためである。このようにして、ユーザがWebサイト等でカードIDを入力する作業を行わなくても、容易に電子マネー口座を登録して、ICカード103と、電子マネー口座と、携帯端末104とを紐付けることができる。即ち、ユーザにとって負荷となっていた入力作業をなくすことができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0025】
S811において、認証部603は、S810で認証接続された電子マネー口座をユーザが利用する際のパスワード入力画面を表示させる画面情報を携帯端末104に送信する。
S812において、表示制御部703は、サーバ装置101から受信したパスワード入力画面を表示させる画面情報に基づいて、
図11に示すようなパスワード入力画面1101をタッチパネル407に表示する。
図11は、表示制御部703が表示するパスワード入力画面1101の一例を示す図である。
図11の例では、入力欄1102にカードIDの下四桁を入力させる旨の指示が表示されている。上述したように、カードIDは、ICカード103の裏面に印字又は刻印されているものとする。なお、ここではカードIDの下四桁を入力させるものとしたが、予め定められた桁の値(17桁のカードIDであれば、例えば5、9、13、17桁目の値等)を入力させるようにしてもよい。
【0026】
S813において、認証要求部704は、パスワード入力画面1101で入力されたパスワードを含む認証要求をサーバ装置101に送信する。
S814において、認証部603は、携帯端末104から受信したパスワードと、S807で登録された電子マネー口座に紐付けられているカードIDとの照合結果に応じて、認証判定する。
S815において、認証部603は、S814で認証判定された場合、電子マネー口座の利用を許可する認証通知を携帯端末104に送信する。
【0027】
以下、より具体的な例を用いてパスワード認証に関する処理について説明する。例えば、S802において、読み書き部501が、カードIDとして「AB123 4567 8901 2345」という17桁のIDをICカード103から読み取ったとする。そして、S806において、登録部601が、券売機102から受信したカードID「AB123 4567 8901 2345」と、券売機IDと、乱数と紐付けて、電子マネー口座を登録したとする。この場合、ユーザは、パスワード入力画面1101の入力欄1102に、ICカード103の裏面に印字又は刻印されているカードIDの下四桁である「2345」を入力する必要がある。なお、ユーザに入力させるパスワードの桁数は任意の桁数に設定可能である。
【0028】
S814において、認証部603は、携帯端末104からパスワード「2345」を受
信すると、S806で登録された電子マネー口座に紐付けられているカードID「AB123 4567 8901 2345」と照合する。そして、認証部603は、携帯端末104から受信したパスワード「2345」が、S807で登録された電子マネー口座に紐付けられているカードIDの下四桁と一致するため、前記電子マネー口座の利用を認証する。このようにして、ユーザは、携帯端末104から電子マネー口座を利用することができるようになる。即ち、ユーザは、携帯端末104から電子マネー口座を閲覧したり、電子マネー口座にチャージしたり、電子マネー口座を使ってECサイトで決済をしたりすることができるようになる。なお、電子マネー口座へのチャージは携帯端末104からだけでなく、券売機102からも行うことができる。
【0029】
S815において、読み取り部701は、券売機102から出力されたシートに印刷されている、電子マネー口座へのポイントの付与に係る二次元バーコードを読み取り、S807で登録された電子マネー口座へのポイントの付与に係る登録用URLを取得する。
S816において、通信制御部702は、S815で取得された登録用URLに基づき、S807で登録された電子マネー口座へのポイントの付与に係る要求をサーバ装置101に送信する。具体的な一例として、通信制御部702は、S815で取得された登録用URLから、サーバ装置101に接続するためのURLと、電子マネー口座への付与対象となるポイントに関するポイント情報とを取得する。そして、通信制御部702は、抽出したURLにより接続可能となるサーバ装置101に対して、抽出したポイント情報と、ポイントの付与対象となる電子マネー口座の特定に係る口座情報(例えば、携帯端末ID)とを紐付けて送信する。これにより、通信制御部702は、サーバ装置101のデータベースに登録されている電子マネー口座に対する、ポイント情報が示すポイントの付与をサーバ装置101に要求することが可能となる。なお、サーバ装置101がポイント付与の対象となる電子マネー口座を特定することが可能であれば、口座情報として利用される情報は特に限定はされない。具体的な一例として、電子マネー口座を一意に特定可能な識別情報が口座情報として利用されてもよい。
S817において、管理部604は、携帯端末104から受信した口座情報に基づきポイント付与の対象となる電子マネー口座を特定する。具体的な一例として、管理部604は、口座情報として携帯端末IDを受信することで、当該携帯端末IDに紐付けられた電子マネー口座を、ポイント付与の対象となる電子マネー口座として特定してもよい。そして、管理部604は、特定した電子マネー口座に対して、ポイント情報が示すポイントを付与する。
S818において、管理部604は、S817における電子マネー口座へのポイント付与の結果を示すポイント付与通知を携帯端末104に送信する。
【0030】
以上、上述した
図8のフローチャートの処理により、ICカード103と、電子マネー口座と、携帯端末104とが紐付けられ、ユーザが電子マネー口座を利用することができるようになることを説明した。
その際、管理部604は、電子マネー口座の登録や認証に関する情報を管理する。より具体的に説明すると、管理部604は、S806で券売機102から受信したカードIDと、券売機IDと、乱数と、S807で登録された電子マネー口座と、S810で携帯端末104から受信した携帯端末IDとを紐付けて管理する。
図12は、管理部604が管理する管理テーブル1201の一例を示す図である。これにより、管理部604は、電子マネー口座がどの券売機102から登録されて、どのICカード103と、どの携帯端末104と紐付いているかを管理することができる。また、管理部604は、管理テーブル1201で管理している情報に、S813で携帯端末104から認証要求を受信した日時を示す日時情報を更に紐付けて管理するようにしてもよい。これにより、電子マネー口座の適切でない利用のチェック等を行うことができるようになる。
【0031】
なお、本実施形態では、認証用URLと登録用URLとのそれぞれを個別にコードとして出力する場合の一例について説明したが、端末装置210が認証用URLと登録用URLとを読み取ることが可能であれば、これらをコードとして出力する方法は特に限定はされない。具体的な一例として、認証用URLと登録用URLと双方の情報が1つのコードとして出力されてもよい。この場合には、読み取り部701は、S808において、券売機102から出力されたシートに印刷されている二次元バーコードを読み取ることで、認証用URLと登録用URLとを取得すればよい。また、この場合には、S808の処理の実行により登録用URLが取得されることとなるため、S816の処理として説明した、登録用URLの読み取りに係る処理は省略されてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、S805で説明したように、出力制御部504が認証用URLと登録用URLとを二次元バーコードに変換してシートに印刷することで出力するものとして説明した。しかし、出力制御部504は、前記二次元バーコードとともに認証用URLと登録用URLとを印刷したシートを出力するようにしてもよい。これにより、例えば、ユーザの携帯端末104が二次元バーコードを読み取る機能を有していない場合でも、認証用URLを手入力することで電子マネー口座に認証接続することが可能となる。同様に、登録用URLを手入力することで登録された電子マネー口座に対してポイントを付与することが可能となる。
また、出力制御部504は、表示制御部502と連携して、前記二次元バーコードを券売機102のタッチパネル207に表示して出力するようにしてもよい。この場合、S808において、読み取り部701は、タッチパネル207に表示される二次元バーコードを読み取る。これにより、ユーザは、例えば券売機102が混雑していない時間帯等に、電子マネー口座の登録作業、登録した電子マネー口座へのポイント付与、及び当該電子マネー口座へのチャージ等をその場で行うことができる。
【0033】
以上、本実施形態によれば、電子マネー口座を登録する際のユーザの利便性を向上させることができる。より具体的には、ユーザがWebサイト等でカードIDを入力する作業を行わなくても、容易に電子マネー口座を登録して、ICカード103と、電子マネー口座と、携帯端末104とを紐付けることができる。また、ユーザがカードIDを誤入力して登録してしまうという不都合を解消することができる。
また、券売機102から出力されたシートに印刷されている認証用URLの二次元バーコードを携帯端末104で読み込んで電子マネー口座に認証接続し、その後、パスワード認証するシステムであるため、シートを紛失した場合でもセキュリティを担保することができる。更に、認証用URLに任意の乱数を用いているため、同様にシートを紛失した場合でも電子マネー口座に紐付けられているカードIDを他人に知られることがない。
また、登録用URLの二次元バーコードを携帯端末104で読み込むことにより、煩雑な手順を伴わずに、登録された電子マネー口座に対して登録時の特典としてポイントを付与することが可能となる。このような仕組みにより、電子マネー口座等を含むポイント口座の利用者数の増加をより好適な態様で促進可能とする効果が期待できる。
【0034】
<実施形態2>
実施形態1では、券売機102がICカード103のカードIDを読み込んでサーバ装
置101に電子マネー口座の登録を要求する構成とした。本実施形態では、店舗等に設置されたPOS(Point Of Sales)レジ(以下、単にPOSという)がICカード103のカードIDを読み込んでサーバ装置101に電子マネー口座の登録を要求する例を説明する。電子マネー口座の登録、認証に関する基本的な処理の流れは実施形態1と同様であるが、本実施形態で説明するPOSにはPIN入力装置が備えられているものとし、電子マネー口座の認証にPIN入力装置で入力されたPIN番号等の暗証番号(暗証情報)が利用される。以下、実施形態1との相違点を中心に説明する。
【0035】
図13は、本実施形態における電子マネー口座登録システムのシステム構成の一例を示す図である。実施形態1で説明した
図1に示すシステム構成との違いは、券売機102a、102b、102cが、POS1302a、1302b、1302cに置き換えられている点である。以下、POS1302a、1302b、1302cを総称する場合は、POS1302という。なお、POS1302は、ICカード103のような記憶媒体に対して情報を読み書きすることができる記憶媒体処理装置の一例である。
【0036】
図14は、POS1302のハードウェア構成の一例を示す図である。CPU1401は、HD1404やROM1403から読み出したプログラムをRAM1402に格納して実行することにより、後述するPOS1302のソフトウェア構成及びPOS1302の処理を実現する。RAM1402は、POS1302のメインメモリである。ROM1403は、POS1302の電源投入時に最初に読み込まれるプログラム等を格納する。HD1404は、各種プログラム及びCPU1401が実行する処理に要する各種情報を格納する。
【0037】
I/F(インターフェース)装置1405は、POS1302をネットワークに接続するインターフェースである。入力装置1406は、ユーザが操作するキーやボタン等で構成され、POS1302に各種操作情報を入力するのに用いられる。タッチパネル(表示装置)1407は、各種情報又は画面を表示するのに用いられるとともに、ユーザがタッチすることにより各種操作情報を入力するのに用いられる。R/W(リーダライタ)1408は、ICカード103に対して各種情報の読み取りや書き込みを行う。現金処理装置1409は、POS1302に投入された貨幣の受付、搬送、料金集計及び釣銭返却等の処理を行う。出力装置1410は、レシートの発行処理等を行う。PIN入力装置1411は、PIN番号等の暗証番号を入力するために用いられる。
サーバ装置101、携帯端末104のハードウェア構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0038】
図15は、POS1302のソフトウェア構成の一例を示す図である。読み書き部1501は、R/W1408を制御してICカード103に記憶されている各種情報を読み取ったり、ICカード103に各種情報を書き込んだりする。PIN番号取得部1502は、PIN入力装置1411を介して入力されたPIN番号を取得する。表示制御部1503は、各種情報又は画面をタッチパネル1407に表示する。登録要求部1504は、読み書き部1501がICカード103から読み取ったカードIDに紐付く電子マネー口座の登録をサーバ装置101に要求する。出力制御部1505は、出力装置1410を制御してレシート等を発行する。ポイント演算部1506は、登録される上記電子マネー口座に対する付与の対象となるポイントを算出する。なお、ポイントの算出方法については、ポイント演算部505と実質的に同様の手法が適用可能である。
サーバ装置101、携帯端末104のソフトウェア構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
以下、本実施形態における電子マネー口座登録システムで実行される一連の処理について、上述した
図8のフローチャートを用いて説明する。なお、実施形態1と同様の処理については説明を省略する。
S801~S805の処理は実施形態1と同様であるが、本実施形態の場合、S803で表示される受付画面901の操作をICカード103の所有者ではなく、POS1302が設置されている店舗の店員等が行うようにしてもよい。また、受付画面901のボタン903が選択された際に、表示制御部1503は、PIN番号の入力を促すメッセージを表示するものとする。そして、PIN番号取得部1502は、ICカード103の所有者がPIN入力装置1411を介して入力したPIN番号を取得する。ここで、PIN番号の桁数は、カードIDのチェックデジットの桁数に応じて可変とするようにしてもよい。なお、チェックデジットの計算方法は公知の技術であるため、ここでは説明を省略する。また、上記にて説明した受付画面901の例はあくまで一例であり、ユースケースに応じて画面の構成、画面に提示される情報、及び操作方法等が適宜変更されてもよい。具体的な一例として、ICカード103の所有者と、POS1302が設置されている店舗の店員とのいずれが操作の主体となるかに応じて、画面の構成、画面に提示される情報、及び操作方法等が変更されてもよい。
また、S804において、ポイント演算部505は、あらかじめ決められた値のポイントを、登録された電子マネー口座への登録対象として特定してもよい。また、他の一例として、ポイント演算部505は、その時々の状況や各種条件に応じて付与するポイントを制御してもよい。具体的な一例として、ポイント演算部505は、商品の購入金額等に応じて、登録された電子マネー口座への付与対象となるポイントを算出してもよい。また、この場合には、ポイント演算部505は、ポイント付与の対象となる商品の購入金額等に応じて、電子マネー口座への付与対象となるポイントを算出してもよい。
【0040】
S806において、登録要求部1504は、ICカード103に紐付く電子マネー口座の登録要求をサーバ装置101に送信する。より具体的に説明すると、登録要求部1504は、S802で読み取られたカードIDと、PIN番号取得部1502が取得したPIN番号と、自装置(POS1302)を識別するPOSID(装置識別情報)と、生成した乱数とを紐付けてサーバ装置101に送信する。POSIDは、POS1302のHD1404に予め格納されているものとする。乱数については実施形態1で説明した通りである。
【0041】
S807において、登録部601は、POS1302から受信したカードIDと、PIN番号と、POSIDと、乱数と紐付けて、電子マネー口座を登録する。即ち、電子マネー口座は、カードIDと、PIN番号と、POSIDと、乱数と紐付けて登録される。
S808~S811の処理は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
S812において、表示制御部703は、サーバ装置101から受信したパスワード入力画面を表示させる画面情報に基づいて、
図16に示すようなパスワード入力画面1601をタッチパネル407に表示する。
図16は、表示制御部703が表示するパスワード入力画面1601の一例を示す図である。
図16の例では、入力欄1602にカードIDの下四桁を入力させる旨の指示が表示されている。なお、ここではカードIDの下四桁を入力させるものとしたが、上述したように予め定められた桁の値を入力させるようにしてもよい。また、入力欄1603にPIN番号を入力させる旨の指示が表示されている。
【0042】
S813の処理は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
S814において、認証部603は、携帯端末104から受信したパスワードと、S807で登録された電子マネー口座に紐付けられているカードID及びPIN番号との照合結果に応じて、認証判定する。
S815~S819の処理は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0043】
このように、本実施形態では、電子マネー口座の登録及び認証に、ICカード103のカードIDに加えてPIN番号も用いる。これにより、ICカード103と、電子マネー口座と、携帯端末104とを紐付けて利用するための認証をよりセキュアにすることができる。
また、本実施形態では、
図16に示したように、パスワードとしてカードID(所定の桁数)とPIN番号とを両方入力させるものとして説明したが、PIN番号のみを入力させるようにしてもよい。これにより、ユーザがカードIDを毎回確認しながらパスワード入力する手間がなくなり、電子マネー口座を利用する際のセキュリティを担保しながらもユーザの利便性を向上させることができる。
また、本実施形態においても、前述した実施形態1と同様に、煩雑な手順を伴わずに、登録された電子マネー口座に対して登録時の特典としてポイントを付与することが可能となる。また、この際に、商品の購入金額に応じたポイントを付与するといったように、その時々の状況や各種条件に応じて付与されるポイントを制御することも可能である。そのため、利用シーンに応じてより好適な態様でユーザに付加価値を提供することも可能となる。
【0044】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、上述した各実施形態では、記憶媒体処理装置を券売機102又はPOS1302とした場合を例に説明したが、R/Wを有していればPC等の他の情報処理装置であってもよい。
また、上述した各実施形態では、ユーザが利用する端末を携帯端末104とした場合を例に説明したが、ユーザが利用する端末は携帯端末104に限らず、PC等の他の情報処理端末とすることもできる。
また、上述した各実施形態では、認証の際にパスワードを入力させる構成としたが、パスワード入力を省略可能とする構成としてもよい。
また、実施形態1で説明した券売機102をPIN番号入力可能な構成とすれば、実施形態2で説明した処理を券売機102が実行することもできる。
【0045】
以上、上述した各実施形態によれば、電子マネー口座等のネットバリュー口座を登録する際のユーザの利便性を向上させることができる。また、ICカードと、電子マネー口座と、携帯端末とを紐付けて登録することで、ユーザは様々なサービスを利便性よく利用することができる。また、ICカードにチャージできる額に上限がある場合であっても、その上限を超える額を電子マネー口座にチャージしておくことができるため、ICカードを使って決済する際の利便性を向上させることができる。
加えて、上述した各実施形態によれば、煩雑な手順を伴わずに、登録された電子マネー口座に対して登録時の特典としてポイントを付与することが可能となる。また、この際に、利用状況に応じて付与されるポイントを制御することも可能であるため、利用シーンに応じてより好適な態様でユーザに付加価値を提供することも可能となる。これにより、電子マネー口座等を含むポイント口座の利用者数の増加をより好適な態様で促進可能とする効果が期待できる。
【0046】
以上、本発明の好ましい形態について詳述したが、本実施形態は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
101 サーバ装置、102 券売機、103 ICカード、104 携帯端末、501 読み書き部、502 表示制御部、503 登録要求部、504 出力制御部、505 ポイント演算部、601 登録部、602 表示制御部、603 認証部、604 管理部、701 読み取り部、702 通信制御部、703 表示制御部、704 認証要求部、705 付与要求部、1302 POS、1501 読み書き部、1502 PIN番号取得部、1503 表示制御部、1504 登録要求部、1505 出力制御部、1506 ポイント演算部
【要約】
【課題】ポイント口座の利用者数の増加をより好適な態様で促進可能とする。
【解決手段】記憶媒体処理装置は、サーバ装置のアドレス情報を含む当該サーバ装置に登録されるポイント口座の認証アドレス情報と、当該ポイント口座への付与対象となるポイントに関するポイント情報と、を出力する。端末装置は、認証アドレス情報に基づき、登録されたポイント口座へ認証接続して認証要求を送信し、認証された場合に、ポイント情報を含むポイント付与要求をサーバ装置に送信する。サーバ装置は、認証要求に含まれる認証情報に基づきポイント口座の利用を認証し、ポイント付与要求に含まれるポイント情報に応じて登録されたポイント口座にポイント付与する。
【選択図】
図8