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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】組立構造体
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/18 20060101AFI20230410BHJP
   F16B 12/40 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
F16B7/18 D
F16B12/40 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022171837
(22)【出願日】2022-10-26
【審査請求日】2022-11-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522420764
【氏名又は名称】クロモス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】堀内 孝平
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開実用新案第20-2016-0000899(KR,U)
【文献】実開昭50-067269(JP,U)
【文献】特開2010-038345(JP,A)
【文献】特開2021-032378(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0120759(US,A1)
【文献】国際公開第89/003461(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第19528362(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102008039852(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 7/18
F16B 12/40-12/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面に設けられた第1開口部、前記第1面に隣接する第2面に設けられた第2開口部、および前記第1面に隣接するとともに前記第2面に対応する位置に設けられた第3面に設けられた第3開口部を含むジョイント部材と、
前記第1開口部に挿入され、長手方向の端部に第1凸部を有する第1フレーム部材と、
前記第2開口部に挿入され、端部に第2凸部を有する第2フレーム部材と、
前記第3開口部に挿入され、前記第1フレーム部材及び前記第2フレーム部材を固定する固定部材と、を含み、
前記第1凸部は、前記長手方向と交差する方向に突出し、
前記固定部材は、端部に凹部を有し、
前記凹部と、前記第1凸部が係合する、
組立構造体。
【請求項2】
前記ジョイント部材は、六面体構造を有する、
請求項1に記載の組立構造体。
【請求項3】
前記第3開口部は、前記第2開口部に対向して配置される、
請求項1に記載の組立構造体。
【請求項4】
第1面に設けられた第1開口部、前記第1面に隣接する第2面に設けられた第2開口部、および前記第1面に隣接するとともに前記第2面に対応する位置に設けられた第3面に設けられた第3開口部を含むジョイント部材と、
前記第1開口部に挿入され、長手方向の端部に第1凸部を有する第1フレーム部材と、
前記第2開口部に挿入され、端部に第2凸部を有する第2フレーム部材と、
前記第3開口部に挿入され、前記第1フレーム部材及び前記第2フレーム部材を固定する固定部材と、を含み、
前記第3開口部は、前記第2開口部に対向して配置され、
前記固定部材は、前記第3開口部への挿入方向に貫通口を有し、
前記第2凸部は、ねじ穴を有し、
前記固定部材は、ねじが前記固定部材の貫通口および前記ねじ穴に挿入されることを介して前記第2フレーム部材を固定する
立構造体。
【請求項5】
第1面に設けられた第1開口部、前記第1面に隣接する第2面に設けられた第2開口部、および前記第1面に隣接するとともに前記第2面に対応する位置に設けられた第3面に設けられた第3開口部を含むジョイント部材と、
前記第1開口部に挿入され、長手方向の端部に第1凸部を有する第1フレーム部材と、
前記第2開口部に挿入され、端部に第2凸部を有する第2フレーム部材と、
前記第3開口部に挿入され、前記第1フレーム部材及び前記第2フレーム部材を固定する固定部材と、を含み、
前記第3開口部は、前記第2開口部に対向して配置され、
前記第2フレーム部材の前記第2凸部は、先端にねじ穴を有し、
前記固定部材は、前記ねじ穴に対応するように設けられたねじ部を有し、
前記ねじ部が前記ねじ穴に挿入される
立構造体。
【請求項6】
前記第1フレーム部材の前記第1凸部は、前記固定部材の前記凹部に対応して配置され、
前記凹部と、前記第1凸部が嵌合する、
請求項1に記載の組立構造体。
【請求項7】
前記第1凸部の一つの面と、前記凹部の側面とが、略平行である、
請求項1に記載の組立構造体。
【請求項8】
第1面に設けられた第1開口部、前記第1面に隣接する第2面に設けられた第2開口部、および前記第1面に隣接するとともに前記第2面に対応する位置に設けられた第3面に設けられた第3開口部を含むジョイント部材と、
前記第1開口部に挿入され、長手方向の端部に第1凸部を有する第1フレーム部材と、
前記第2開口部に挿入され、端部に第2凸部を有する第2フレーム部材と、
前記第3開口部に挿入され、前記第1フレーム部材及び前記第2フレーム部材を固定する固定部材と、を含み、
前記固定部材は、前記ジョイント部材の前記第1面に対応する位置に設けられ延伸する切り欠き部を有し、
前記第1フレーム部材は、前記第1凸部よりも基端側に柱状部を有し、
前記第1凸部は、前記長手方向に交差する方向に突出し、
前記切り欠き部の幅は、前記長手方向に交差する方向における前記第1フレーム部材の柱状部の幅よりも大きく、
前記切り欠き部の幅は、前記長手方向に交差する方向における前記第1フレーム部材の第1凸部の幅よりも小さい
立構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内やアウトドア環境で使用される組立構造体が市場で数多く販売されている。組立構造体は、フレーム部材とジョイント部材を組み合わることで、棚、インテリア資材、その他の用途として幅広く使用することができる。特許文献1には、組立構造体の一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-155731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、特許文献1の組立構造体の場合、各フレーム部材(棒状の部材)を接合させる場合、フレーム部材の数に合わせて多くのねじ、接合金具が必要となるため部材を紛失する恐れがある。また、部材を取り付ける工程が多く、組立が煩雑である。また、従来の組立構造体の場合、高い強度(耐荷重)を得ることには材料自体の強度を上げる必要があり、材料費が高くなってしまう。
【0005】
さらに、特許文献1の組立構造体とは異なる従来の組立構造体の場合、ジョイント部材のパーツが場所によってそれぞれ異なる形状を有する場合がある。ジョイント部材のパーツが対応箇所ではない場所(角)に使用されると角が出っ張ってしまう。このため、見た目や使用感を損ない、使用することが困難になる場合がある。
【0006】
そこで、本発明は上記の課題を解決するものであり、少ない部品数で簡単に組立てることができるとともに、強度を保持することが可能な組立構造体を提供することを目的の一つとする。また、対応箇所や向きを選ばずに強度とデザイン(外観)を保持することが可能な組立構造体を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、第1面に設けられた第1開口部、前記第1面に隣接する第2面に設けられた第2開口部、および前記第1面に隣接するとともに前記第2面に対応する位置に設けられた第3面に設けられた第3開口部を含むジョイント部材と、前記第1開口部に挿入され、長手方向の端部に第1凸部を有する第1フレーム部材と、前記第2開口部に挿入され、端部に第2凸部を有する第2フレーム部材と、前記第3開口部に挿入され、前記第1フレーム部材及び前記第2フレーム部材を固定する固定部材と、を含む、組立構造体が提供される。
【0008】
上記組立構造体において、前記ジョイント部材は、六面体構造を有してもよい。
【0009】
上記組立構造体において、前記第3開口部は、前記第2開口部に対向して配置されてもよい。
【0010】
上記組立構造体において、前記固定部材は、前記第3開口部への挿入方向に貫通口を有し、前記第2凸部は、ねじ穴を有し、前記固定部材は、ねじが前記固定部材の貫通口および前記ねじ穴に挿入されることを介して前記第2フレーム部材を固定してもよい。
【0011】
上記組立構造体において、前記第2フレーム部材の前記第2凸部は、先端にねじ穴を有し、前記固定部材は、前記ねじ穴に対応するように設けられたねじ部を有し、前記ねじ部が前記ねじ穴に挿入されてもよい。
【0012】
上記組立構造体において、前記第1フレーム部材の前記第1凸部は、前記固定部材に対応して配置されて、前記固定部材は、前記第1フレーム部材の前記第1凸部と係合して前記第1フレーム部材を固定してもよい。
【0013】
上記組立構造体において、前記第1凸部は、前記長手方向と交差する方向に突出し、前記固定部材は、端部に凹部を有し、前記凹部と、前記第1凸部が嵌合してもよい。
【0014】
上記組立構造体において、前記第1凸部の一つの面と、前記凹部の側面とが、略平行であってもよい。
【0015】
上記組立構造体において、前記固定部材は、前記ジョイント部材の前記第1面に対応する位置に設けられ延伸する切り欠き部を有し、前記切り欠き部の幅は、前記第1フレーム部材の第1凸部の幅よりも小さくてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態を用いることにより、少ない部品数で簡単に組立てることができるとともに、強度を保持することが可能な組立構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る組立構造体の概略斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略側面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る組立構造体を示す概略平面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る組立構造体を示す概略平面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る組立構造体を示す概略断面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る組立構造体の組立方法を示す模式図である。
図11】本発明の一実施形態に係る組立構造体の組立方法を示す模式図である。
図12】本発明の一実施形態に係る組立構造体の組立方法を示す模式図である。
図13】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略斜視図である。
図14】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略断面図である。
図15】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略斜視図である。
図16】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略平面図である。
図17】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略斜視図である。
図18】本発明の一実施形態に係る組立構造体の組立方法を示す模式図である。
図19】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略斜視図である。
図20】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略平面図である。
図21】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略斜視図である。
図22】本発明の一実施形態に係る組立構造体の組立方法を示す模式図である。
図23】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略斜視図である。
図24】本発明の一実施形態に係る組立構造体の部品の概略斜視図である。
図25】本発明の一実施形態に係る組立構造体の組立方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0019】
なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B、-1,-2等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
【0020】
さらに、本発明の詳細な説明において、ある構成物と他の構成物の位置関係を規定する際、「上に」「下に」とは、ある構成物の直上あるいは直下に位置する場合のみでなく、特に断りの無い限りは、間にさらに他の構成物を介在する場合を含むものとする。
【0021】
<第1実施形態>
(1-1.組立構造体100の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る組立構造体100の概略図である。
【0022】
組立構造体100は、ジョイント部材110、フレーム部材120、固定部材130を含む。フレーム部材120は、ジョイント部材と接続されて、立体構造を形成している。この例では、組立構造体100は、3~5個のフレーム部材120が結合した構造を形成している。
【0023】
(1-2.ジョイント部材110の構成)
図2は、ジョイント部材110の概略斜視図である。図3は、ジョイント部材110のA1-A2間の概略断面図である。ジョイント部材110は、6つの面を有する六面体構造(より具体的には立方体構造)を有する。なお、ジョイント部材110の角部は適宜面取りされてもよい。この場合においても、各面は、対向する面を除く4つの面と隣接するということができる。ジョイント部材110の各面には、開口部110aが形成されている。また、ジョイント部材110の内部は空洞である。この例では、開口部110aは、正方形を有している。なお、この場合の開口部110aの隅部は、加工の関係上、R形状を有してもよい。
【0024】
(1-3.フレーム部材120の構成)
図4は、フレーム部材120の概略側面図である。図5は、フレーム部材120の概略平面図である。フレーム部材120は、長手方向(第1方向D1、延伸方向ともいう)に伸びる棒状(柱状)の部材である。具体的には、フレーム部材120は、第1柱状部121、環状凸部123、第2柱状部125、第3柱状部127および先端凸部129(単に「凸部」ともいう)を含む。環状凸部123、第2柱状部125、第3柱状部127および先端凸部129は、第1柱状部121の両端に設けられる。環状凸部123、第2柱状部125、第3柱状部127および先端凸部129は、第1柱状部121から離れるように、この順で連なって設けられる。図5に示すように、本実施形態では、長手方向(第1方向D1(平面))から見たときに、第1柱状部121、環状凸部123、第2柱状部125、第3柱状部127および先端凸部129は、四角形(正方形)を有する。
【0025】
第1柱状部121は、四角柱の形状を有する。第1柱状部121の長さは、組立構造体100の大きさに応じて適宜調整することができる。環状凸部123は、第1柱状部121に対応して環状に設けられる。第2柱状部125は、ジョイント部材110に挿入できる程度の幅を有する。環状凸部123は、第2柱状部125よりも平面から見たときに大きく設けられる。これにより、フレーム部材120をジョイント部材110に挿入した時に環状凸部123は、ストッパーの機能を有する。第3柱状部127および先端凸部129の幅は、固定部材130と嵌合する関係上、第2柱状部125の幅よりも小さい。先端凸部129は、長手方向(第1方向D1)に交差する(この場合は直交する)第2方向D2に突出する凸型の構造を有する。先端凸部129の幅は、第3柱状部127の幅よりも大きい。そのため、先端凸部129が第3柱状部127から出っ張る形状を有する。また、先端凸部129には、先端にねじ穴129aが設けられる。また、本実施形態において、フレーム部材120の幅は、ジョイント部材110の一つの面の幅よりも小さい。
【0026】
(1-4.固定部材130の構成)
図6は、固定部材130の概略斜視図である。図7は、固定部材130を第3方向D3から見たときの概略平面図である。図8は、固定部材130を第3方向D3の反対の第4方向D4から見たときの概略平面図である。図9は、固定部材130のB1-B2間の概略断面図である。固定部材130は、ジョイント部材110に挿入されて設けられる。固定部材130は、ジョイント部材110の開口部110aに対応する形状を有する。この例では、第3方向D3および第4方向D4から見たときに正方形を有する。固定部材130は、延伸する方向(後述するように、ジョイント部材110への挿入する方向)に貫通孔131を有する。固定部材130は、第1凹部133(単に「凹部」ともいう)および第2凹部135を有する。第1凹部133は、第1面130a(ジョイント部材110に先に挿入される)側に設けられる。第1凹部133は、傾斜した側面133aおよび底面133bを有する。傾斜した側面133aを有する。第2凹部135は、第2面130b側に設けられる。第1凹部133および第2凹部135は、対向して配置される。第1凹部133、貫通孔131、および第2凹部135は、連なって設けられる。
【0027】
(1-5.組立構造体の組立方法)
以下に、組立構造体100の組立方法について説明する。図10図12は、組立構造体100の組立方法を説明する概略断面図である。
【0028】
図10に示すように、まずジョイント部材110の開口部110aにフレーム部材120を挿入する。この例では、左面に設けられた開口部110al(「第1開口部」ともいう)からフレーム部材120-1(「第1フレーム部材」ともいう)が挿入され、右面に設けられた開口部110arからフレーム部材120-2が挿入され、左面の開口部110aに隣接する下面の開口部110ad(「第2開口部」ともいう)からフレーム部材120-3(「第2フレーム部材」ともいう)が挿入される。なお、図10において図示されていない面(紙面の手前側の面および奥側の面)に設けられた開口部110aに対してもフレーム部材120が挿入される。
【0029】
次に、図11に示すように、下面に対向する上面の開口部110au(「第3開口部」ともいう)に固定部材130を挿入する。このとき、固定部材130は、フレーム部材120-1の先端凸部129と係合する。具体的には、フレーム部材120の先端凸部129の側面129bと、固定部材130のうち第1凹部133の側面133aが略平行である。このため、側面129bと、側面133aは接する又は近接する。これにより、フレーム部材120-1、120-2が固定部材130の第1凹部133と嵌合する(フレーム部材120の動きが制限される)。
【0030】
次に、図12に示すように、固定部材130の貫通孔131および固定部材130に対向して配置される下側のフレーム部材120-3のねじ穴129aにねじ140を挿入する。ねじ140がフレーム部材120-3と締結することにより、すべてのフレーム部材120が固定される。これにより、組立構造体100の一部が形成される。この方法を繰り返し行うことにより、組立構造体100を製造することができる。
【0031】
従来の組立構造体の場合、各フレーム部材をジョイント部材と接合させる場合、各フレームに対してねじ、接合金具が必要となるため部材を紛失する恐れがあった。また、部材を取り付ける工程が多く、煩雑であった。しかしながら、本実施形態の組立構造体の場合、ジョイント部材および固定部材および複数のフレーム部材を組み合わせて固定することができるため、部品の数を減らすことができる。また、本実施形態の場合、部品の数が少ない分、組立構造体を組み立てる工程を減らすことができ、簡単に組立構造体を形成することができる。
【0032】
また、本実施形態の場合、4本のフレーム部材120が固定部材130に嵌合する。さらに、固定部材130と、対向するフレーム部材120とがねじ140で締結されることで、すべてのフレーム部材120が一体として補強しあう形となり、組立構造体100の強度をより一層高めることができる。
【0033】
したがって、本実施形態を用いることにより、少ない部品で簡単に組み立てることができ、高い強度を有する組立構造体を形成することができる。
【0034】
また、本実施形態を用いることにより、ジョイント部材110は、場所によらず同じ形状を有するため、どの場所に対しても使用することができる。また、フレーム部材120の幅は、ジョイント部材110の一つの面の幅よりも小さいため、出っ張る部分もない。これにより、見た目や使用感を損なうことなく、組立構造体を使用することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、環状凸部123、第2柱状部125、第3柱状部127および先端凸部129は、第1柱状部121の両端に設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されない。接合場所(例えば、組立構造体の端に当たる部分)に応じては、第2柱状部125、第3柱状部127および先端凸部129は、設けられなくてもよい。
【0036】
<第2実施形態>
本実施形態では、第1実施形態とは異なる組立構造体について説明する。具体的には、円形、円柱状を有するジョイント部材を有する組立構造体について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、適宜説明を省略する。
【0037】
(組立構造体100Aの構成)
図13は、本実施形態に係るジョイント部材110Aの概略斜視図である。図14は、本実施形態に係るジョイント部材110Aの概略断面図である。図15は、本実施形態に係るフレーム部材120Aの概略斜視図である。図16は、本発明の一実施形態に係るフレーム部材120Aの概略平面図である。図17は、本実施形態に係る固定部材130Aの概略平面図である。図18は、本実施形態に係る組立構造体100Aの組立方法を示す模式図である。
【0038】
本実施形態において、組立構造体100Aは、ジョイント部材110A、フレーム部材120A、固定部材130Aを有する。
【0039】
図13および図14に示すように、ジョイント部材110Aは、各面に円形の開口部110aを有する。また、ジョイント部材110Aの内部は空洞である。開口部110aには、凹部113を有する。凹部113は、開口部110aに連なって開口部110aの全体に設けられる(環状に設けられる)。
【0040】
図15および図16に示すように、フレーム部材120Aは、第1柱状部121、環状凸部123、第2柱状部125、第3柱状部127および先端凸部129を有する。第1柱状部121、第2柱状部125、第3柱状部127および先端凸部129は、円柱(または円錐)形状を有する。環状凸部123は、円環形状を有する。フレーム部材120A(第1柱状部121)は、円柱形状を有することにより、ユーザがフレーム部材120を持ちやすくするとともに角部がなくなるので、けがが発生するリスクを減らすことができる。
【0041】
図17に示すように、固定部材130Aは、側面片側の端部に円周状に環状凸部137を有する。環状凸部137は、ジョイント部材110Aの凹部113に対応する。固定部材130Aの環状凸部137の一方向の幅(外径)は、ジョイント部材110Aの凹部113の一方向の幅(径)と略同一又はよりも小さい。具体的には、図18に示すように、ジョイント部材110Aに固定部材130Aを嵌合(挿入)させたときに、数ミリメートル程度の隙間ができる程度となるように、固定部材130Aの環状凸部137の一方向の幅(径)は、ジョイント部材110Aの凹部113の一方向の幅(径)よりも小さくてもよい。
【0042】
本実施形態を用いることにより、フレーム部材120Aの環状凸部123A及び固定部材130Aの環状凸部137は、ジョイント部材110Aの凹部113に配置される。これにより、組立構造体100Aにおいて、フレーム部材120Aおよび固定部材130Aが外れづらくなる。また、凹凸の数が減るため、すっきりと洗練された印象をユーザに与えることできる。
【0043】
また、本実施形態の場合、固定部材130をジョイント部材110に挿入した際に、固定部材130がジョイント部材110の内側に過度の入り込み(固定部材130が内部空間に入り込んでしまい、抜け出せなくなること)を防止することができる。なお、環状凸部137は、必ずしも設けられなくてもよい。
【0044】
<第3実施形態>
本実施形態では、第2実施形態とは異なる組立構造体について説明する。具体的には、固定部材の一部に凸部を有する例について説明する。
【0045】
(組立構造体100Bの構成)
図19は、本実施形態に係る固定部材130Bの概略斜視図である。図20は、本実施形態に係るジョイント部材110Bの概略平面図である。図19に示すように、固定部材130Bは、片側端部の側面に部分的に凸部138が設けられる。
【0046】
ジョイント部材110Bは、円形の開口部110aを有する。さらに、凹部115(切り欠きともいう)が、開口部110aに連なって設けられる。ジョイント部材110Bの凹部115は、固定部材130Bの凸部138に対応する形状を有する(言い換えれば、凹部115と、凸部138は、鍵と鍵穴の関係を有する)。固定部材130Bの凸部138の一方向の幅は、ジョイント部材110Bの凹部115の一方向の幅よりも小さい。より具体的には、ジョイント部材110に固定部材130Bを嵌合させたときに、数ミリメートル程度の隙間ができる程度となるように、固定部材130Bの凸部の一方向の幅は、ジョイント部材110の凹部115の一方向の幅よりも小さいことが望ましい。
【0047】
本実施形態を用いることにより、固定部材130Bの凸部138と、ジョイント部材110Bの凹部115が嵌合することにより、固定部材130Bの位置が固定され、組立構造体100Bを安定させることができる。
【0048】
<第4実施形態>
本実施形態では、第2実施形態とは異なる組立構造体について説明する。具体的には、固定部材130の各面に対応する位置に切り欠き部を有する例について説明する。
【0049】
(組立構造体100Cの構成)
図21は、本実施形態に係る固定部材130Cの概略斜視図である。図22は、本実施形態に係る組立構造体100Cの組立方法を示す模式図である。図21に示すように、固定部材130Cは、第1凹部133を有する側において延伸する。固定部材130Cは、ジョイント部材110Cの各面に対応する位置に切り欠き部139を有する。切り欠き部139は、固定部材130Cが延伸する方向(第5方向D5)に延伸する第1切り欠き部139aおよび第2切り欠き部139bを含む。第1切り欠き部139aと、第2切り欠き部139bは連なって設けられ、所定位置で直交する。第1切り欠き部139aの幅W139aおよび第2切り欠き部139bの幅W139bは、フレーム部材120の第3柱状部の幅W127よりも大きく、先端凸部129の幅W129よりも小さい。
【0050】
本実施形態では、図22に示すように、ジョイント部材110Aにフレーム部材120を挿入した後、固定部材130Cを挿入する。このとき、固定部材130Cが切り欠き部139を有することにより、第2実施形態よりも長手方向に長くなってもフレーム部材120Aに接触せずに奥まで挿入することができる。また、本実施形態において、固定部材130は、第1切り欠き部139aの端部に接触するまで挿入される。次に、固定部材130を時計回りに回す。この動作により、フレーム部材120は、第2切り欠き部139bの端部に接触する。最後に、固定部材130の貫通孔131からねじ140を挿入して固定部材130と対向するフレーム部材120と、ねじ140とを締結する。以上により、組立構造体100Cの一部が完成する。
【0051】
本実施形態を用いることにより、フレーム部材120の動きが固定部材130の第1凹部133とともに切り欠き部139によって抑えられる。このため、フレーム部材120の延びる方向と交差する方向からの力に対抗することができる。これにより、組立構造体100Cにおける構造の安定化を図ることができる。
【0052】
なお、本実施形態において、切り欠き部139は、一方向(長手方向)に直進し所定位置で直交する形状(第1切り欠き部139aおよび第2切り欠き部139b)を有する例を示したが、本発明はこれに限定されない。図23は、本実施形態に係る固定部材130Cの別の態様の概略斜視図である。図23に示すように、切り欠き部139は、固定部材130Cが延伸する方向(長手方向)と交差する方向(斜め方向)に直進するように設けられてもよい。切り欠き部139の幅W139は、フレーム部材120の第3柱状部の幅W127よりも大きく、先端凸部129の幅W129よりも小さい。この構成でも図21および図22の場合と同様に、フレーム部材120の延びる方向からの力に対抗することができる。これにより、組立構造体における構造の安定化を図ることができる。
【0053】
<第5実施形態>
本実施形態では、第2実施形態とは異なる組立構造体について説明する。具体的には、ねじ部が設けられた固定部材の例について説明する。
【0054】
(組立構造体100Dの構成)
図24は、本実施形態に係る固定部材130Dの概略斜視図である。図25は、本実施形態に係る組立構造体100Dの組立方法を示す模式図である。
【0055】
図24に示すように、固定部材130Dのうち第1面130Da側の第1凹部133には、ねじ部133cが設けられる。このため、固定部材130Dは、貫通孔および第2凹部を有さない。第1凹部133に対向する第2面130Dbは平坦であってもよいし、マイナスドライバーの先端部が嵌る程度の凹部136を有してもよい。これにより、図25に示すように、固定部材130Dをジョイント部材110に時計回りに挿入することにより、固定部材130Dに対向して配置される下側のフレーム部材120A-3のねじ穴129aにねじ部133cが挿入される。結果的に、すべてのフレーム部材120が固定される。
【0056】
本実施形態を用いることにより、ねじを新たに用意する必要がなく、より簡単に組立構造体を製造することができる。
【0057】
(変形例)
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、各実施形態の組み合わせ若しくは設計変更を行ったもの、又は、処理の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0058】
本発明の第1実施形態では、ジョイント部材110は、六面体構造として立方体構造を有する例を示したが、本発明はこれに限定されない。ジョイント部材110は、直方体であってもよい。また、ジョイント部材110は、用途に応じて六面体に限定されず、四面体であってもよい。さらに、ジョイント部材110は、球体構造であってもよい。
【0059】
本発明の第1実施形態では、開口部110aが正方形である例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、開口部110aは、菱形、平行四辺形、長方形でもよいし、三角形、六角形、星形などの多面体でもよい。また、第2実施形態では、開口部は円形である例を示したが、本発明はこれに限定されない。開口部は楕円形、その他曲線を有する形状でもよい。
【符号の説明】
【0060】
100・・・組立構造体,110・・・ジョイント部材,110a・・・開口部,110ad・・・開口部,110al・・・開口部,110ap・・・開口部,110ar・・・開口部,110a・・・開口部,110C・・・ジョイント部材,113・・・凹部,115・・・凹部,120・・・フレーム部材,121・・・第1柱状部,123・・・環状凸部,125・・・第2柱状部,127・・・第3柱状部,129・・・先端凸部,129a・・・ねじ穴,129b・・・側面,130・・・固定部材,131・・・貫通孔,133・・・第1凹部,133a・・・側面,133b・・・底面,133c・・・ねじ部,135・・・第2凹部,136・・・凹部,137・・・環状凸部,138・・・凸部,139・・・切り欠き部
【要約】      (修正有)
【課題】少ない部品数で簡単に組立てることができるとともに、強度を保持することが可能な組立構造体を提供すること。
【解決手段】組立構造体は、第1面に設けられた第1開口部、前記第1面に隣接する第2面に設けられた第2開口部、および前記第1面に隣接するとともに前記第2面に対応する位置に設けられた第3面に設けられた第3開口部を含むジョイント部材と、前記第1開口部に挿入され、長手方向の端部に第1凸部を有する第1フレーム部材と、前記第2開口部に挿入され、端部に第2凸部を有する第2フレーム部材と、前記第3開口部に挿入され、前記第1フレーム部材及び前記第2フレーム部材を固定する固定部材と、を含む。
【選択図】図1
図1
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