(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20230410BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2019158283
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100203699
【氏名又は名称】鈴木 健司
(72)【発明者】
【氏名】野村 直孝
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-262072(JP,A)
【文献】特開2005-189669(JP,A)
【文献】特開平09-114477(JP,A)
【文献】特開平11-126085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示部と、前記複数の表示部のそれぞれに対応付けて設けられて各表示部の表示方向の被写体を撮影する複数の撮影部と、が接続されているカラオケ装置において、
歌唱者により選曲された楽曲の演奏データに基づいて前記楽曲を演奏する演奏制御部と、
前記楽曲の演奏に伴って背景映像と歌詞テロップとを表示部に表示する表示制御部と、
予め登録された、顔特徴を示す顔特徴データの中から、前記歌唱者の前記顔特徴データを取得する顔特徴データ取得部と、
前記複数の撮影部から出力される撮影画像データから、顔画像を示す顔画像データを検出する顔画像データ検出部と、
前記顔画像データ検出部により検出された前記顔画像データの中から、前記歌唱者の前記顔特徴データと一致する前記顔画像データを抽出する顔画像データ抽出部と、
前記顔画像データ抽出部により抽出された前記顔画像データから、前記歌唱者の顔方向を検出する顔方向検出部と、
前記顔方向検出部の検出結果に基づいて、前記複数の撮影部から出力される撮影画像データの中から、前記歌唱者の顔方向がより正面に近い撮影画像データを選択する撮影画像データ選択部と、を有し、
前記表示制御部は、前記撮影画像データ選択部で選択された撮影画像データを出力した撮影部に対応付けられている表示部に歌詞テロップを表示し、該表示部以外の表示部には歌詞テロップを表示しない制御を行うことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記顔特徴データ取得部は、前記演奏制御部にて演奏される前記楽曲がデュエット楽曲である場合、予め登録された前記顔特徴データの中から歌唱者の顔特徴データを前記楽曲の歌唱パート毎に取得し、
前記顔画像データ抽出部は、前記顔画像データ検出部により検出された前記顔画像データの中から、前記顔特徴データ取得部により取得された前記顔特徴データと一致する前記顔画像データを前記歌唱パート毎に、抽出し、
前記顔方向検出部は、前記顔画像データ抽出部により抽出された前記顔画像データから、前記歌唱パート毎に歌唱者の顔方向を検出し、
前記撮影画像データ選択部は、前記顔方向検出部の検出結果に基づいて、前記複数の撮影部から送信される撮影画像データの中から、歌唱者の顔方向がより正面に近い撮影画像データを前記歌唱パート毎に選択し、
前記表示制御部は、前記撮影画像データ選択部で選択された撮影画像データを送信した撮影部と対応付けられている表示部に歌詞テロップを表示し、該表示部以外の表示部には歌詞テロップを表示しない制御を前記歌唱パート毎に行うことを特徴とする請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記撮影画像データ選択部で複数の撮影画像データが選択された場合に、前記撮影画像データ選択部で選択された撮影画像データの個数が増えるに従って、表示部に表示する歌詞テロップの透過率を上げる制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケ装置には複数の映像出力端子が設けられており、複数台のディスプレイを接続可能となっている。このようなカラオケ装置をカラオケボックスやナイト店などのカラオケ店舗に導入する場合、利用者がカラオケルーム内のどこに居ても何れかのディスプレイを視認できるように、各ディスプレイが配置される。そして、これら全てのディスプレイに歌詞テロップを表示することで、歌唱者は何れかのディスプレイに表示される歌詞を見ながら歌唱することが可能となる。
【0003】
また、近年ではディスプレイが大画面化したことにより、カラオケ事業者はアーティストのライブ映像といった高精細なカラオケ映像を提供するようになってきている。それに伴い、そのような高精細なカラオケ映像をじっくり見て楽しみたいという利用者が増えている。このようにカラオケ映像をじっくり楽しみたい利用者にとってみれば、上記のように全てのディスプレイに歌詞テロップが表示されることは、ライブ映像を楽しむ上でかえって邪魔になる可能性がある。
【0004】
そこで、歌詞テロップを表示させるディスプレイと歌詞テロップを表示させないディスプレイとを切り替える技術が提案されている(特許文献1,2参照)。特許文献1には、カラオケ演奏中に利用者がリモコン装置を使用して、各ディスプレイの表示モードを、歌詞テロップを表示する歌詞表示モードと、演奏曲リストなどの情報を表示する情報表示モードとに手動で切り替える技術が記載されている。特許文献2には、各モニタにリモコン受光部を設け、楽曲の予約信号を受信したリモコン受光部に対応するモニタにその楽曲のカラオケ映像を表示させ、それ以外のモニタには任意の映像を表示させることで、表示モードを自動で切り替える技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-114477号公報
【文献】特開平11-126085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、カラオケ店舗の利用者は、時間の経過や飲酒量の増加によって場が盛り上がってくると、着席しての歌唱に物足りず、席を立って動いたり踊ったりしながら歌唱する場合がある。したがって、特許文献2に記載の技術のように、歌詞テロップを表示するディスプレイが固定されてしまうと、歌唱者は、そのディスプレイを注視しなければならず、自由に動くことができなくなり、歌唱を楽しむことができなくなる。一方、特許文献1に記載の技術を用いて歌詞テロップを表示するディスプレイを切り替えることはできるが、歌唱者が歌唱中にディスプレイを切り替えることは煩わしい。また、歌唱者が歌唱しながらリモコン装置を操作してディスプレイを確実に切り替えることは困難である。
【0007】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、カラオケ歌唱中において、歌唱者がカラオケ歌唱を楽しむことができ、且つ、歌唱者以外の利用者がカラオケ映像を見て楽しむことが可能なカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のカラオケ装置は、複数の表示部と、前記複数の表示部のそれぞれに対応付けて設けられて各表示部の表示方向の被写体を撮影する複数の撮影部と、が接続されているカラオケ装置において、歌唱者により選曲された楽曲の演奏データに基づいて前記楽曲を演奏する演奏制御部と、前記楽曲の演奏に伴って背景映像と歌詞テロップとを表示部に表示する表示制御部と、予め登録された、顔特徴を示す顔特徴データの中から、前記歌唱者の前記顔特徴データを取得する顔特徴データ取得部と、前記複数の撮影部から出力される撮影画像データから、顔画像を示す顔画像データを検出する顔画像データ検出部と、前記顔画像データ検出部により検出された前記顔画像データの中から、前記歌唱者の前記顔特徴データと一致する前記顔画像データを抽出する顔画像データ抽出部と、前記顔画像データ抽出部により抽出された前記顔画像データから、前記歌唱者の顔方向を検出する顔方向検出部と、前記顔方向検出部の検出結果に基づいて、前記複数の撮影部から出力される撮影画像データの中から、前記歌唱者の顔方向がより正面に近い撮影画像データを選択する撮影画像データ選択部と、を有し、前記表示制御部は、前記撮影画像データ選択部で選択された撮影画像データを出力した撮影部に対応付けられている表示部に歌詞テロップを表示し、該表示部以外の表示部には歌詞テロップを表示しない制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カラオケ歌唱中において、歌唱者がカラオケ歌唱を楽しむことができ、且つ、歌唱者以外の利用者がカラオケ映像を見て楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るカラオケ装置を備えるカラオケシステムの構成図である。
【
図2】第1実施形態に係るカラオケ装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係るカラオケ装置の映像入出力部の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係るカラオケ装置を備えるカラオケシステムの動作を示すシーケンス図である。
【
図5】第1実施形態に係る楽曲予約画面の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るカラオケ装置のカラオケ演奏時の動作を示すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る各カメラから出力される撮影画像データによって示される撮影画像の一例を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係る楽曲予約画面の一例を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係るカラオケ装置のカラオケ演奏時の動作を示すフローチャートである。
【
図10】第2実施形態に係る各カメラから出力される撮影画像データによって示される撮影画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
図1、
図2、及び
図3を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
図1は、第1実施形態に係るカラオケ装置3を備えるカラオケシステム1の構成図である。
図2は、第1実施形態に係るカラオケ装置3の構成を示すブロック図である。
図3は、第1実施形態に係るカラオケ装置3の映像入出力部33の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、カラオケシステム1は、サーバ装置2、複数のカラオケ装置3、複数のリモコン装置4を備えていて、それぞれ相互に情報通信を行うことができる。また、
図1に示すように、カラオケ装置3とリモコン装置4とで無線LAN(ローカルエリアネットワーク)5が構築されていて、無線LAN5はルータとモデム(いずれも図示なし)を介してインターネット6に接続されている。また、サーバ装置2は、ルータとモデム(いずれも図示なし)を介してインターネット6に接続されている。なお、
図1では、1台のカラオケ装置3に1台のリモコン装置4が接続されているが、1台のカラオケ装置3に複数台のリモコン装置4が接続されていてもよい。
【0013】
図2に示すように、サーバ装置2は、カラオケシステム1を利用する利用者の識別情報(以下、利用者IDと呼ぶ。)をログインパスワード、顔特徴データ、歌唱履歴等と対応付けて格納する、利用者データベース21を有する。顔特徴データとは、利用者の顔の特徴を示すデータであり、少なくとも顔の輪郭及び、目、鼻、口の位置を特定可能な情報である。例えば、顔特徴データは、利用者の顔を撮影して得られる画像データである。
【0014】
カラオケ装置3は、記憶部31と、通信回路32と、映像入出力部33と、カラオケ装置3における各種処理を制御するCPU(中央演算処理装置)等の制御部34と、音響処理部35とを有する。
【0015】
記憶部31は、例えばフラッシュメモリ等の半導体記憶装置、または例えばハードディスク等の磁気記憶装置を有している。記憶部31は、後述するログイン利用者管理テーブルや予約楽曲管理テーブルを格納する。また、記憶部31は、後述する演奏データを格納する。通信回路32は、ルータ及びインターネット6を介して他の装置(本実施形態では、サーバ装置2)と通信を行うための回路を有している。また、通信回路32は、他の装置(本実施形態では、リモコン装置4)と無線LANを構築するための回路を有している。
【0016】
映像入出力部33は、複数の映像出力端子と複数の映像入力端子とを有し、一つの映像出力端子に対して、一つの映像入力端子が対応付けられている。本実施形態では、映像入出力部33は、
図3に示すように、3つの映像出力端子331a,331b,331cと3つの映像入力端子332a,332b,332cとを有する。そして、映像出力端子331aと映像入力端子332aが、映像出力端子331bと映像入力端子332bが、映像出力端子331cと映像入力端子332cがそれぞれ対応付けられている。
【0017】
映像出力端子331a,331b,331cには複数の表示部(ディスプレイ)が接続されている。具体的には、映像出力端子331aにディスプレイ10aが、映像出力端子331bにディスプレイ10bが、映像出力端子331cにディスプレイ10cが接続されている。ディスプレイ10a,10b,10cは、カラオケ装置3が設置されるカラオケルームのレイアウトに応じて、利用者がカラオケルーム内のどこに居ても何れかのディスプレイを視認できるように、カラオケルーム内に配置される。
【0018】
映像入力端子332a,332b,332cには複数の撮影部であるカメラが接続されている。具体的には、映像入力端子332aにカメラ11aが、映像入力端子332bにカメラ11bが、映像入力端子332cにカメラ11cが接続されている。
【0019】
カメラ11a,11b,11cは、ディスプレイ10a,10b,10cの表示方向を撮影可能なように配置される。本実施形態では、カメラ11aがディスプレイ10aの表示方向の被写体を撮影し、カメラ11bがディスプレイ10bの表示方向の被写体を撮影し、カメラ11cがディスプレイ10cの表示方向の被写体を撮影する。ここで、ディスプレイの表示方向とは、ディスプレイの画面に対面する方向であり、ディスプレイの前方である。
【0020】
また、カメラ11a,11b,11cは、撮影して得られた撮影画像データをカラオケ装置3の映像入力端子332a,332b,332cに出力する。具体的には、カメラ11aが、ディスプレイ10aの表示方向の撮影画像データCD1を映像入力端子332aに出力する。カメラ11bが、ディスプレイ10bの表示方向の撮影画像データCD2を映像入力端子332bに出力する。カメラ11cが、ディスプレイ10cの表示方向の撮影画像データCD3を映像入力端子332cに出力する。
【0021】
制御部34は、例えば記憶部31に記憶されたコンピュータプログラムを読み取って実行することにより、後述する機能ブロック341~347として機能する。
【0022】
演奏制御部341は、利用者(歌唱者)により選曲された楽曲の演奏データに基づいて楽曲を演奏する。表示制御部342は、楽曲の演奏に伴って、背景映像及び歌詞テロップをディスプレイ10a,10b,10cに表示する制御を行う。顔特徴データ取得部343は、歌唱者の顔特徴データを取得する。
【0023】
顔画像データ検出部344は、カメラ11a,11b,11cから入力される撮影画像データCD1,CD2,CD3から、顔画像データを検出する。顔画像データ抽出部345は、顔特徴データ取得部343により取得された歌唱者の顔特徴データに基づいて、顔画像データ検出部344により検出された顔画像データから、歌唱者の顔画像データを抽出する。顔方向検出部346は、顔画像データ抽出部345により抽出された歌唱者の顔画像データに基づいて、歌唱者の顔方向を検出する。撮影画像データ選択部347は、顔方向検出部346により検出された歌唱者の顔方向に基づいて、カメラ11a,11b,11cから入力される撮影画像データから、歌唱者の顔方向がより正面に近い撮影画像データを選択する。
【0024】
音響処理部35は、演奏制御部341の制御に基づき、楽曲に対する演奏の制御およびマイク(マイクロフォン)8を通じて入力された歌唱音声信号の処理を行う。音響処理部35は、たとえばMIDI音源、A/Dコンバータ、DSP(Digital Signal Processor)を含むミキサ、D/Aコンバータ、アンプ(いずれも図示なし)を含む。演奏制御部341は、予約された楽曲の演奏データを、テンポクロック信号に基づいて記憶部31から順次読み出し、MIDI音源に入力する。MIDI音源は、入力された演奏データに基づいて楽音信号を生成する。A/Dコンバータは、マイク8から入力される歌唱音声信号をデジタル音声データに変換し、ミキサ(DSP)に入力する。ミキサは、上記楽音信号および上記デジタル音声データを適当な比率でミキシングする。D/Aコンバータはミキシング信号をアナログ音声信号に変換し、アンプは、D/Aコンバータからのアナログ音声信号を増幅し、放音信号としてスピーカ9へ出力する。これにより、スピーカ9からは放音信号に基づくカラオケ演奏音およびマイク8からの歌唱音声が放音される。
【0025】
リモコン装置4は、タッチパネル41と、記憶部42と、通信回路43と、CPU(中央演算処理装置)等の制御部44とを有する。
【0026】
タッチパネル41は、各種情報を表示する表示部として機能するとともに、ユーザの入力操作を受け付ける入力部として機能する。記憶部42は、例えばフラッシュメモリ等の半導体記憶装置を有している。通信回路43は、カラオケ装置3と無線LAN5を構築するための回路を有している。
【0027】
制御部44は、例えば記憶部42に記憶されたコンピュータプログラムを読み取って実行することにより、リモコン装置4における各種処理を制御する。本実施形態では、制御部44は、楽曲の検索メニューや楽曲の検索結果などの各種情報を示す画面(後述する楽曲検索画面や楽曲予約画面など)をタッチパネル41に表示する。また、制御部44は、ユーザがタッチパネル41介して入力した情報を、通信回路43を介してカラオケ装置3やサーバ装置2に送信する。
【0028】
続いて、
図4及び
図5を参照して、利用者が楽曲予約をする際のカラオケシステム1の動作を説明する。
【0029】
図4は、利用者が楽曲予約をする際のカラオケシステム1の動作を示すシーケンス図である。
図5は、第1実施形態に係る楽曲予約画面の一例を示す図である。まず、利用者はリモコン装置4を使用して利用者IDとパスワードとの入力によるログイン操作を行う。リモコン装置4の制御部44は、ログイン操作により入力された利用者IDとパスワードの組み合わせをサーバ装置2に送信する(ステップS401)。
【0030】
サーバ装置2は、リモコン装置4から受信した利用者IDとパスワードの組み合わせに対応する、歌唱履歴や顔特徴データを、リモコン装置4に送信する(ステップS402)。リモコン装置4の制御部44は、サーバ装置2から受信した顔特徴データを利用者IDと共に、ログイン利用者情報としてカラオケ装置3に送信する(ステップS403)。
【0031】
カラオケ装置3の制御部34は、通信回路32を介して、リモコン装置4から送信されたログイン利用者情報を受信する。そして、制御部34は、受信したログイン利用者情報をログイン利用者管理テーブルに登録する(ステップS404)。ログイン利用者管理テーブルは、利用者の利用者IDと顔特徴データとを対応づけて格納するテーブルである。
【0032】
次いで、利用者は、リモコン装置4を操作して、リモコン装置4のタッチパネル41に楽曲検索画面(図示なし)を表示させる。そして、利用者は、楽曲検索画面から予約候補の楽曲(歌唱を希望する楽曲)を検索し、検索結果から予約候補の楽曲を決定する。すると、リモコン装置4の制御部44は、タッチパネル41に、
図5に示す楽曲予約画面50を表示させる。その際、制御部44は、楽曲予約画面50に利用者アイコン(カラオケ装置3にログインしている利用者のアイコン)の一覧51を表示する。利用者は、楽曲予約画面50に表示されている、利用者アイコンの一覧51から、自身の利用者アイコンを選択する。
図5に示す例では、3人の利用者の利用者アイコン52~54が表示されていて、利用者アイコン53が選択されている様子が示されている。なお、利用者が他の利用者の予約操作を代行して行う場合には、該他の利用者の利用者アイコンを選択すればよい。また、利用者アイコンは、利用者毎のログイン操作時にリモコン装置4がサーバ装置2から受信し、当該利用者の利用者IDと対応付けられている。
【0033】
利用者が楽曲予約画面上の転送ボタン55を押下すると、リモコン装置4の制御部44は、予約候補として決定された楽曲の識別情報(以下、楽曲IDと呼ぶ。)と利用者IDとを予約楽曲情報としてカラオケ装置3に送信する(ステップS411)。なお、ここで送信される利用者IDは、予約操作において選択された利用者アイコンに対応する利用者の利用者IDである。カラオケ装置3の制御部34は、リモコン装置4から受信した予約楽曲情報を予約楽曲管理テーブルに登録する(ステップS412)。
【0034】
図6及び
図7を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置3のカラオケ演奏時の動作について説明する。
図6は、第1実施形態に係るカラオケ装置3のカラオケ演奏時の動作を示すフローチャートである。まず、カラオケ装置3の制御部34は、予約楽曲管理テーブルに登録された予約楽曲情報を読み出す(ステップS601)。なお、予約楽曲情報は、登録順に従って1つずつ(一曲ずつ)読み出されるものとする。また、読み出された予約楽曲情報は、予約楽曲管理テーブルから削除されるものとする。次いで、制御部34は、読み出した予約楽曲情報に含まれる楽曲IDに対応する楽曲データ、歌詞テロップデータ、及び背景映像データを記憶部31から読み出す(ステップS602)。さらに、制御部34(より具体的には顔特徴データ取得部343)は、予約楽曲情報に含まれる利用者IDに対応する顔特徴データをログイン利用者管理テーブルから読み出す(ステップS603)。
【0035】
制御部34は、読み出した楽曲データ、歌詞テロップデータ、及び背景映像データに基づいて、カラオケ演奏(楽曲の演奏)と、各ディスプレイに対する背景映像の表示と歌詞テロップの表示とを開始する(ステップS604)。制御部34は、カラオケ演奏が終了するまで、ステップS606~S610の処理を所定時間毎に繰り返す(ステップS605)。
【0036】
まず、制御部34(より具体的には顔画像データ検出部344)は、カメラ11a,11b,11cから継続的に入力される撮影画像データCD1,CD2,CD3に基づいて、利用者の顔画像データを検出する(ステップS606)。顔画像データの検出方法としては、例えば、特開2000-2833号公報に記載の方法がある。この方法では、エッジ検出により各撮影画像データが示す視野内の画像の輪郭を抽出し、輪郭で囲まれた領域のうち、所定以上の大きさの面積を有する領域を顔画像領域として検出する。さらに、顔画像データ検出部344は、検出した顔画像領域の輪郭や顔画像領域内における目、鼻、及び口の位置を利用して、利用者の顔画像の特徴を認識することにより、各撮影画像データから顔画像データを検出する。
図7は、各カメラから入力される撮影画像データによって示される撮影画像の一例を示す図である。なお、
図7における破線の枠は、顔画像データとして検出された領域を模式的に示している。ここでは、
図7に示すように、撮影画像データCD1から2名の利用者の顔画像データが検出されたとする。また、撮影画像データCD2から3名の利用者の顔画像データが検出されたとする。さらに、撮影画像データCD3から1名の利用者の顔画像データが検出されたとする。
【0037】
次いで、顔画像データ抽出部345は、ステップS606で検出された各顔画像データの中から、ログイン利用者管理テーブルから読み出した歌唱者の顔特徴データと一致する顔画像データ、すなわち歌唱者の顔画像データを抽出する(ステップS607)。顔画像データ抽出部345は、例えば、特開2010-262072号公報の段落0046に記載の方法を用いて、顔特徴データと各撮影画像データの顔画像データとにおいて、顔の輪郭及び、目、鼻、口の位置を比較してその一致度を数値化する。そして、顔画像データ抽出部345は、一致度が所定の閾値以下であれば、両者は一致していないと判断し、一致度が所定の閾値を超えていれば、両者は一致していると判断する。このようにして、顔画像データ抽出部345は、各撮影画像データから検出された顔画像データの中から、歌唱者の顔画像データを抽出する。ここでは、
図7に示すように、撮影画像データCD1から検出された顔画像データの中から、歌唱者の顔特徴データと一致すると判断された顔画像データFD1が抽出されたとする。また、撮影画像データCD2から検出された顔画像データの中から、歌唱者の顔特徴データと一致すると判断された顔画像データFD2が抽出されたとする。さらに、撮影画像データCD3から検出された顔画像データの中から、歌唱者の顔特徴データと一致すると判断された顔画像データFD3が抽出されたとする。
【0038】
次いで、制御部34(より具体的には顔方向検出部346)は、歌唱者の顔特徴データと一致するとして抽出された全ての顔画像データ(顔画像データFD1,FD2,FD3)について、顔の向き(以下、顔方向と呼ぶ。)を検出する(ステップS608)。顔方向の検出方法としては、例えば、特開2015-109614号公報の段落0018~0022に記載の方法がある。この方法では、顔画像データから目、鼻等の特徴点である水平ラインと垂直ラインを検出し、その検出結果から顔の回転角度を判断する。そして、顔の回転角度に基づいて歌唱者の顔方向を検出する。顔方向検出部346は、このような方法を用いて、歌唱者の顔画像データから歌唱者の顔方向を検出する。ここでは、顔画像データFD1によって示される歌唱者の顔方向が正面向き(
図7における手前方向)として検出され、顔画像データFD2によって示される歌唱者の顔方向が右向き(
図7における左方向)として検出され、顔画像データFD3によって示される歌唱者の顔方向が左向き(
図7における右方向)として検出されたとする。
【0039】
次いで、制御部34(より具体的には撮影画像データ選択部347)は、ステップS608の検出結果に基づき、歌唱者の顔方向がより正面に近い顔画像データを含む撮影画像データを選択する(ステップS609)。顔画像データが示す歌唱者の顔方向が正面に近いということは、その顔画像データを含む撮影画像データを出力するカメラの方を歌唱者が注視していることになる。
図7に示す例では、顔方向が正面向きである顔画像データFD1を含む撮影画像データCD1が選択される。
【0040】
最後に、制御部34(より具体的には表示制御部342)は、歌詞テロップの表示と非表示の制御を行う(ステップS610)。その際、表示制御部342は、ステップS609で選択された撮影画像データCD1を出力するカメラ11aが接続された映像入力端子332aに対応する映像出力端子331aに接続されたディスプレイ10aを、歌唱者が注視するディスプレイとして特定する。そして、表示制御部342は、特定したディスプレイ10aに歌詞テロップを表示し、ディスプレイ10b及びディスプレイ10cには歌詞テロップを表示しないように制御する。なお、表示制御部342は、歌詞テロップの表示区間でのみ歌詞テロップの表示と非表示の制御を行うこととし、前奏や間奏といった歌詞テロップの非表示区間においては、歌唱者が注視するディスプレイが特定されたとしても、歌詞テロップの表示と非表示の制御は行わないこととしてもよい。
【0041】
制御部34は、ステップS606~S610の処理をカラオケ演奏が終了するまで所定時間毎に繰り返し、カラオケ演奏が終了すると処理を終了する。なお、予約楽曲管理テーブルに予約楽曲情報が残っている場合には、制御部34は、それらの予約楽曲情報に対してステップS601~S610の処理を繰り返し実行する。なお、所定時間は、例えば歌唱者が、あるディスプレイから他のディスプレイに顔の向きを90度変える場合に、顔方向を30度ずつ検出できる程度の短い時間が望ましい。この場合、歌唱者の顔の向きが60度変わった時点で、他のディスプレイが歌唱者の注視するディスプレイとして特定されて歌詞テロップが表示されるため、歌唱者に歌詞表示の遅れによる違和感を与えることがない。
【0042】
以上、第1実施形態によれば、歌唱者は、体の向きや姿勢、場所に応じて自分が見やすいディスプレイを注視することで、そのディスプレイのみに歌詞テロップを表示させることができる。また、歌唱者以外の利用者は、歌詞テロップが表示されているディスプレイ以外の何れかのディスプレイを見ることで、カラオケ映像を楽しむことができる。
【0043】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。第2実施形態に係るカラオケシステム1は、利用者が楽曲検索画面にてデュエット楽曲を選曲した場合に、楽曲予約画面にてデュエット楽曲の歌唱パート毎に利用者に利用者アイコンを指定させて、歌唱パートと歌唱者とを対応付けする。
【0044】
なお、第2実施形態のカラオケシステム1の構成は、第1実施形態と同様である。したがって、第2実施形態については第1実施形態と同様な構成については説明を省略する。また、第2実施形態に係るカラオケシステム1においては、第1実施形態と同一の名称には同一の符号を付して説明する。
【0045】
また、利用者が楽曲予約をする際の第2実施形態に係るカラオケシステム1の動作は、
図4に示す第1実施形態に係るカラオケシステム1の動作と同様である。ただし、利用者が、楽曲検索画面にてデュエット楽曲を予約候補の楽曲として決定した場合には、リモコン装置4の制御部44は、タッチパネル41に、
図8に示す楽曲予約画面80を表示させる。
【0046】
図8は、第2実施形態に係る楽曲予約画面の一例を示す図である。
図8に示すように、楽曲予約画面80には、歌唱パート毎に利用者アイコンの一覧81が表示され、歌唱パート毎に歌唱者を指定することが可能となっている。なお、本実施形態では、説明を簡単にするため、第1歌唱パートと第2歌唱パートの2つの歌唱パートを含むデュエット楽曲が予約された場合を例にする。
【0047】
例えば、利用者X,Yが、楽曲予約画面80にて、予約候補のデュエット楽曲の第1歌唱パートに利用者Xの利用者アイコン83を指定し、第2歌唱パートに利用者Yの利用者アイコン82を指定したとする。その状態で楽曲予約画面の転送ボタン85が押下されると、ステップS411にて、予約候補の楽曲ID、第1歌唱パートのID、利用者Xの利用者ID、第2歌唱パートのID、及び利用者Yの利用者IDが予約楽曲情報としてカラオケ装置3に送信される。歌唱パートのIDは、歌唱パートを特定可能な識別情報であり、例えば歌唱パートのパートナンバーである。なお、このような歌唱パートのIDと利用者IDを含む予約楽曲情報が送信された際には、カラオケ装置3では、第1歌唱パートのIDと利用者Xの利用者IDが対応付けられ、第2歌唱パートのIDと利用者Yの利用者IDが対応付けられる。
【0048】
図9は、第2実施形態に係るカラオケ装置3のカラオケ演奏時の動作を示すフローチャートである。なお、ステップS901,S902,S904の処理は、ステップS601,S602,S604の処理と同様であるが、ステップS903では、制御部34(より具体的には顔特徴データ取得部343)は、予約楽曲情報に含まれる第1歌唱パートのIDに対応付けられた利用者IDに対応する利用者Xの顔特徴データと、第2歌唱パートのIDに対応付けられた利用者IDに対応する利用者Yの顔特徴データを、ログイン利用者管理テーブルから読み出す。
【0049】
ステップS904の後、制御部34は、カラオケ演奏が終了するまで、ステップS906~S910の処理を所定時間毎に各歌唱パートに対して交互に繰り返す(ステップS905)。
【0050】
まず、第1歌唱パートに対して行われるステップS906~S910の処理を説明する。制御部34(より具体的には顔画像データ検出部344)は、各カメラから継続的に入力される撮影画像データに基づいて、利用者の顔画像データを検出する(ステップS906)。顔画像データの検出方法は、ステップS606の処理と同様である。なお、ここでは、カメラ11a,11b,11cから
図10に示す撮影画像データCD1,CD2,CD3が入力されたものとする。
【0051】
次いで、顔画像データ抽出部345は、ステップS906で検出した各顔画像データの中から、ログイン利用者管理テーブルから読み出した利用者Xの顔特徴データと一致する顔画像データを抽出する(ステップS907)。ここでは、
図10に示すように、撮影画像データCD1の顔画像データの中から、利用者Xの顔特徴データと一致する顔画像データとして顔画像データFD4が抽出されたとする。また、撮影画像データCD2の顔画像データの中から、利用者Xの顔特徴データと一致する顔画像データとして顔画像データFD5が抽出されたとする。
【0052】
次いで、制御部34(より具体的には顔方向検出部346)は、利用者X(第1歌唱パートの歌唱者)の顔特徴データと一致するとして抽出された全ての顔画像データ(顔画像データFD4,FD5)について顔方向を検出する(ステップS908)。顔方向の検出方法は、ステップS608と同様である。ここでは、顔画像データFD4によって示される利用者Xの顔方向が左向き(
図10における右方向)として検出され、顔画像データFD5によって示される利用者Xの顔方向が正面向き(
図10における手前方向)として検出される。
【0053】
次いで、制御部34(より具体的には撮影画像データ選択部347)は、ステップS908の検出結果に基づき、利用者Xの顔方向がより正面に近い顔画像データを含む撮影画像データを選択する(ステップS909)。ここでは、顔方向が正面向きである顔画像データFD5を含む撮影画像データCD2が選択される。
【0054】
最後に、制御部34(より具体的には表示制御部342)は、第1歌唱パートの歌詞テロップの表示と非表示を制御する(ステップS910)。その際、表示制御部342は、ステップS909で選択された撮影画像データCD2を出力するカメラ11bが接続された映像入力端子332bに対応する映像出力端子331bに接続されたディスプレイ10bを、利用者Xが注視するディスプレイとして特定する。そして、表示制御部342は、特定されたディスプレイ10bに第1歌唱パートの歌詞テロップを表示し、ディスプレイ10a及びディスプレイ10cに第1歌唱パートの歌詞テロップを表示しないように制御する。なお、表示制御部342は、第1歌唱パートの歌詞テロップの表示区間でのみ第1歌唱パートの歌詞テロップの表示と非表示の制御を行うこととし、第1歌唱パートの歌詞テロップの非表示区間においては、第1歌唱パートの歌唱者が注視するディスプレイが特定されたとしても、第1歌唱パートの歌詞テロップの表示と非表示の制御は行わないこととしてもよい。
【0055】
制御部34は、ステップS906~S910の処理を第1歌唱パートの演奏に対して行う。そして、第1歌唱パートに対する処理が終了すると、制御部34は、第2歌唱パートに対してステップS906~S910の処理を開始する。
【0056】
次いで、第2歌唱パートに対して行われるステップS906~S910の処理を説明する。制御部34(より具体的には顔画像データ検出部344)は、各カメラから継続的に入力される撮影画像データに基づいて、利用者の顔画像データを検出する(ステップS906)。なお、ここでは、カメラ11a,11b,11cから、
図10に示す撮影画像データCD1,CD2,CD3が入力されたものとする。
【0057】
次いで、顔画像データ抽出部345は、ステップS906で検出した各顔画像データの中から、ログイン管理テーブルから読み出した利用者Yの顔特徴データと一致する顔画像データを抽出する(ステップS907)。ここでは、撮影画像データCD1の顔画像データの中から、利用者Yの顔特徴データと一致する顔画像データとして顔画像データFD6が抽出されたとする。また、撮影画像データCD2の顔画像データの中から、利用者Yの顔特徴データと一致する顔画像データとして顔画像データFD7が抽出されたとする。
【0058】
次いで、制御部34(より具体的には顔方向検出部346)は、利用者Y(第2歌唱パートの歌唱者)の顔特徴データと一致するとして抽出された全ての顔画像データ(顔画像データFD6,FD7)について顔方向を検出する(ステップS908)。ここでは、顔画像データFD6によって示される利用者Yの顔方向が左向き(
図10における右方向)であると検出され、顔画像データFD7によって示される利用者Yの顔方向が正面向き(
図10における手前方向)であると検出されたとする。
【0059】
次いで、制御部34(より具体的には撮影画像データ選択部347)は、ステップS908の検出結果に基づき、利用者Yの顔方向がより正面に近い顔画像データを含む撮影画像データを選択する(ステップS909)。ここでは、顔方向が正面向きである顔画像データFD7を含む撮影画像データCD2が選択されたとする。
【0060】
最後に、制御部34(より具体的には表示制御部342)は、第2歌唱パートの歌詞テロップの表示と非表示を制御する(ステップS910)。具体的には、表示制御部342は、選択された撮影画像データCD2を出力するカメラ11bが接続された映像入力端子332bに対応する映像出力端子331bに接続されたディスプレイ10bを、利用者Yが注視するディスプレイとして特定する。そして、表示制御部342は、特定したディスプレイ10bに第2歌唱パートの歌詞テロップを表示し、ディスプレイ10a及びディスプレイ10cに第2歌唱パートの歌詞テロップを表示しないように制御する。なお、表示制御部342は、第2歌唱パートの歌詞テロップの表示区間でのみ第2歌唱パートの歌詞テロップの表示と非表示の制御を行うこととし、第2歌唱パートの歌詞テロップの非表示区間においては、第2歌唱パートの歌唱者が注視するディスプレイが特定されたとしても、第2歌唱パートの歌詞テロップの表示と非表示の制御は行わないこととしてもよい。
【0061】
制御部34は、ステップS906~S910の処理を第2歌唱パートに対して行う。そして、第2歌唱パートに対する処理が終了すると、制御部34は、第1歌唱パートに対する処理に戻る。制御部34は、ステップS906~S910の処理をカラオケ演奏が終了するまで所定時間毎に各歌唱パートに対して交互に繰り返し、カラオケ演奏が終了すると処理を終了する。なお、予約楽曲管理テーブルに予約楽曲情報が残っている場合には、制御部34は、それらの予約楽曲情報に対してステップS901~S910の処理を繰り返し実行する。また、第2実施形態では、第1歌唱パートと第2歌唱パートそれぞれに対してステップS906~S910の処理を交互に繰り返したが、一つの撮影画像データの中から各歌唱パートの歌唱者の顔特長データと一致する顔画像データを同時に抽出し、抽出された顔画像データによって示される各歌唱パートの歌唱者の顔方向を同時に検出し、この検出結果に基づいて、各歌唱パートの歌唱者の顔方向が正面向きである顔画像データを同時に抽出することで、ステップS906~S910の処理を各歌唱パートに対して一度に行ってもよい。
【0062】
以上、第2実施形態によれば、利用者が複数の歌唱パートで構成されたデュエット楽曲などを歌唱パート毎に歌唱者を決めて歌唱する場合においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、各歌唱パートの歌唱者は、歌唱中に体の向きや姿勢、場所に応じて自分が見やすいディスプレイを注視することで、そのディスプレイのみに自分が担当する歌唱パートの歌詞テロップを表示させることができる。また、歌唱者以外の利用者は、歌詞テロップが表示されているディスプレイ以外の何れかのディスプレイを見ることで、カラオケ映像を楽しむことが可能となる。
【0063】
<変形例1>
第1、第2実施形態では、各カメラから出力される撮影画像データから、歌唱者の顔方向が正面に近い顔画像データを含む撮影画像データを1つ選択する構成を例にしたが、この構成に限定されない。例えば、歌唱者の顔方向が正面に近い顔画像データを含む撮影画像データが複数選択され、それらの顔画像データに基づく歌唱者の顔方向が同じ程度に正面に近い場合も想定される。したがって、そのような場合には、ステップS609やステップS909で選択された各撮影画像データの出力元であるカメラに対応付けられている各ディスプレイに表示する歌詞テロップの透過率を、選択された撮影画像データの個数に応じて変更しても良い。例えば、選択された撮影画像データが2つである場合には、各ディスプレイに表示する歌詞テロップの透過率を50%に設定してもよい。また例えば、選択された撮影画像データが3つである場合には、各ディスプレイに表示する歌詞テロップの透過率を67%にしてもよい。これにより、例えば歌唱者が動いたり踊ったりしながら歌唱した場合に、歌唱者の視線付近にあるディスプレイに歌詞テロップを表示させることが可能となる。また、選択された撮影画像データの個数が増えるに従って歌詞テロップの透過率を上げるようにしているので、歌詞テロップを表示するディスプレイ台数が増えた場合でも、歌唱者以外の利用者はカラオケ映像を楽しむことが可能となる。
【0064】
なお、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うカラオケ装置およびカラオケシステムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
3 カラオケ装置
10a,10b,10c ディスプレイ(表示部)
11a,11b,11c カメラ(撮影部)
341 演奏制御部
342 表示制御部
343 顔特徴データ取得部
344 顔画像データ検出部
345 顔画像データ抽出部
346 顔方向検出部
347 撮影画像データ選択部