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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】熱交換ユニット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/16 20110101AFI20230410BHJP
   F24F 1/38 20110101ALI20230410BHJP
   F24F 1/50 20110101ALI20230410BHJP
   F24F 13/30 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
F24F1/16
F24F1/38
F24F1/50
F24F13/30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018003360
(22)【出願日】2018-01-12
(65)【公開番号】P2019124374
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 正広
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-013302(JP,A)
【文献】特開平03-087536(JP,A)
【文献】特開平02-037239(JP,A)
【文献】特開2013-076517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/16
F24F 1/38
F24F 1/50
F24F 13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル状の一対の熱交換器と、
前記一対の熱交換器に外気を送風する一対の送風機と、
前記一対の熱交換器を収容する熱交換器室と、
該熱交換器室の上方を覆うとともに前記一対の送風機が取り付けられた天板と、
前記一対の熱交換器の長手方向を一致させた状態で該長手方向の端部を連結する連結部と、を備え、
前記熱交換器室は熱交換器室筐体によって外殻が形成され、
前記熱交換器室筐体の短手方向の側面は板状の側壁により構成され、
前記連結部は、前記熱交換器室筐体の内側に配置される前記一対の熱交換器の長手方向の前記端部に取り付けられ、前記一対の熱交換器の下端の配置間隔よりも前記一対の熱交換器の上端の配置間隔が広く前記長手方向からみた場合に略V字状となるように前記一対の熱交換器を連結し、
前記連結部は、前記一対の熱交換器を前記長手方向の一端で連結する第1連結部材と、前記一対の熱交換器を前記長手方向の他端で連結する第2連結部材とを備え、
前記第1連結部材は、
前記一対の熱交換器の前記長手方向の一端に取り付けられるとともに前記長手方向からみた場合に略V字状となるように形成された第1のV字ブラケットと、
前記第1のV字ブラケットの上端に連結されて水平方向に配置される第1の水平ブラケットと、を有し、
前記第2連結部材は、
前記一対の熱交換器の前記長手方向の他端に取り付けられるとともに前記長手方向からみた場合に略V字状となるように形成された第2のV字ブラケットと、
前記第2のV字ブラケットの上端に連結されて水平方向に配置される第2の水平ブラケットと、を有し、
前記第1のV字ブラケットは略V字に挟まれる部分が開放されており、前記第2のV字ブラケットは略V字に挟まれる部分が開放されていない壁面形状である熱交換ユニット。
【請求項2】
前記天板は、前記第1の水平ブラケットおよび前記第2の水平ブラケットに取り付けられる請求項1に記載の熱交換ユニット。
【請求項3】
前記天板は、板金製である請求項1または請求項2に記載の熱交換ユニット。
【請求項4】
前記一対の送風機のそれぞれは、ファンと該ファンを駆動するファンモータとを備え、
前記天板には、前記ファンの回転軸線を覆う一対のベルマウスが形成されている請求項1から請求項のいずれかに記載の熱交換ユニット。
【請求項5】
パネル状の一対の熱交換器と、前記一対の熱交換器に外気を送風する一対の送風機と、前記一対の熱交換器を収容する熱交換器室と、該熱交換器室の上方を覆う天板と、前記一対の熱交換器連結する連結部と、を備える熱交換ユニットの製造方法であって、
前記熱交換器室は熱交換器室筐体によって外殻が形成され、
前記熱交換器室筐体の短手方向の側面は板状の側壁により構成され、
前記連結部は、前記一対の熱交換器を前記長手方向の一端で連結する第1連結部材と、前記一対の熱交換器を前記長手方向の他端で連結する第2連結部材とを備え、
前記第1連結部材は、
前記一対の熱交換器の前記長手方向の一端に取り付けられるとともに前記長手方向からみた場合に略V字状となるように形成された第1のV字ブラケットと、
前記第1のV字ブラケットの上端に連結されて水平方向に配置される第1の水平ブラケットと、を有し、
前記第2連結部材は、
前記一対の熱交換器の前記長手方向の他端に取り付けられるとともに前記長手方向からみた場合に略V字状となるように形成された第2のV字ブラケットと、
前記第2のV字ブラケットの上端に連結されて水平方向に配置される第2の水平ブラケットと、を有し、
前記第1のV字ブラケットは略V字に挟まれる部分が開放されており、前記第2のV字ブラケットは略V字に挟まれる部分が開放されていない壁面形状であり、
前記天板に前記一対の送風機を取り付ける取付工程と、
前記連結部により、前記熱交換器室筐体の内側に配置される前記一対の熱交換器の長手方向を一致させた状態で該長手方向の一端で連結する連結工程と、
前記一対の送風機が取り付けられた前記天板を前記熱交換器室の上方に設置する設置工程と、を備え、
前記連結工程は、前記一対の熱交換器の下端の配置間隔よりも前記一対の熱交換器の上端の配置間隔が広く前記長手方向からみた場合に略V字状となるように前記一対の熱交換器を連結する熱交換ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換ユニット及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮機,レシーバ,アキュームレータ等が配設される機械室と、空気熱交換器およびファン等が配設される熱交換器室とから構成される熱交換ユニットが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示される熱交換ユニットは、一対の熱交換器を略V字状に配設することにより、ユニット高さを低減するとともに熱交換器の熱交換面積を増大させたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-234802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように一対の熱交換器を略V字状に配設する場合、各熱交換器を鉛直方向から傾斜させて設置する必要があるため、組立時に熱交換器の姿勢が安定せずに組立に多大な労力を要する。また、熱交換器の姿勢が安定しないため、熱交換器に外気を送風する送風機を設置することにも多大な労力を要する。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、多大な労力を要することなく一対の熱交換器を略V字状に配置して送風機を設置することを可能とした熱交換ユニット及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る熱交換ユニットは、パネル状の一対の熱交換器と、前記一対の熱交換器に外気を送風する一対の送風機と、前記一対の熱交換器を収容する熱交換器室と、該熱交換器室の上方を覆うとともに前記一対の送風機が取り付けられた天板と、前記一対の熱交換器の長手方向を一致させた状態で該長手方向の端部で連結する連結部と、を備え、前記熱交換器室は熱交換器室筐体によって外殻が形成され、前記熱交換器室筐体の短手方向の側面は板状の側壁により構成され、前記連結部は、前記熱交換器室筐体の内側に配置される前記一対の熱交換器の長手方向の前記端部に取り付けられ、前記一対の熱交換器の下端の配置間隔よりも前記一対の熱交換器の上端の配置間隔が広く前記長手方向からみた場合に略V字状となるように前記一対の熱交換器を連結する。
【0007】
本発明の一態様に係る熱交換ユニットによれば、パネル状の一対の熱交換器が長手方向からみた場合に略V字状となるように連結部により連結されるため、単体では姿勢が安定しない熱交換器を安定した姿勢に維持し、一対の熱交換器の組立を容易に行うことができる。また、一対の熱交換器を安定した姿勢に維持した状態で、天板に取り付けられた一対の送風機を熱交換ユニットに設置することができる。
さらに、単一の天板に一対の送風機が取り付けられているため、複数の天板のそれぞれに送風機が個別に取り付けられている場合に比べ、送風機の設置作業が容易となる。また、天板に対して一対の送風機が位置決めされるため、一対の送風機の設置間隔を正確に設定することができる。
【0008】
本発明の一態様に係る熱交換ユニットにおいて、前記連結部は、前記一対の熱交換器の前記長手方向の端部に取り付けられるとともに前記長手方向からみた場合に略V字状となるように形成された第1ブラケットと、前記第1ブラケットの上端に連結されて水平方向に配置される第2ブラケットと、を備えていてもよい。
略V字状となるように形成された第1ブラケットに一対の熱交換器の長手方向の端部を取り付けることで、一対の熱交換器が連結部に対して確実に固定される。また、第1ブラケットの上端に水平方向に配置される第2ブラケットが連結されているため、一対の熱交換器の上端の配置間隔を確実に固定し、一対の熱交換器の姿勢を更に安定させることができる。
【0009】
本発明の一態様に係る熱交換ユニットにおいて、前記連結部は、前記一対の熱交換器を前記長手方向の両端で連結してもよい。
一対の熱交換器が、連結部により長手方向の両端において連結されるため、一対の熱交換器の姿勢を更に安定させることができる。
【0010】
本発明の一態様に係る熱交換ユニットにおいて、前記天板は、前記連結部に取り付けられていてもよい。
天板を連結部に取り付けることで、一対の熱交換器と一対の送風機とが天板とともに一体化され、熱交換ユニットの組立性が更に向上する。
【0011】
本発明の一態様に係る熱交換ユニットにおいて、前記天板は、板金製であってもよい。
天板を板金製とすることにより、天板の強度を十分に確保して一対の送風機を確実に天板に支持することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る熱交換ユニットにおいて、前記一対の送風機のそれぞれは、ファンと該ファンを駆動するファンモータとを備え、前記天板には、前記ファンの回転軸線を覆う一対のベルマウスが形成されていてもよい。
ファンの回転軸線をベルマウスで覆うことにより送風機の送風特性が向上する。
【0013】
本発明の一態様に係る熱交換ユニットの製造方法は、パネル状の一対の熱交換器と、前記一対の熱交換器に外気を送風する一対の送風機と、前記一対の熱交換器を収容する熱交換器室と、該熱交換器室の上方を覆う天板と、前記一対の熱交換器連結する連結部と、を備える熱交換ユニットの製造方法であって、前記熱交換器室は熱交換器室筐体によって外殻が形成され、前記熱交換器室筐体の短手方向の側面は板状の側壁により構成され、前記天板に前記一対の送風機を取り付ける取付工程と、前記連結部により、前記熱交換器室筐体の内側に配置される前記一対の熱交換器の長手方向を一致させた状態で該長手方向の一端で連結する連結工程と、前記一対の送風機が取り付けられた前記天板を前記熱交換器室の上方に設置する設置工程と、を備え、前記連結工程は、前記一対の熱交換器の下端の配置間隔よりも前記一対の熱交換器の上端の配置間隔が広く前記長手方向からみた場合に略V字状となるように前記一対の熱交換器を連結する。
【0014】
本発明の一態様に係る熱交換ユニットの製造方法によれば、パネル状の一対の熱交換器が長手方向からみた場合に略V字状となるように連結部により連結されるため、単体では姿勢が安定しない熱交換器を安定した姿勢に維持し、一対の熱交換器の組立を容易に行うことができる。また、一対の熱交換器を安定した姿勢に維持した状態で、天板に取り付けられた一対の送風機を熱交換ユニットの設置することができる。
さらに、単一の天板に一対の送風機が取り付けられているため、複数の天板のそれぞれに送風機が個別に取り付けられている場合に比べ、送風機の設置作業が容易となる。また、一対の送風機の設置間隔を正確に設定することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、多大な労力を要することなく一対の熱交換器を略V字状に配置して送風機を設置することを可能とした熱交換ユニット及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】チラーユニットの外観を示す斜視図である。
図2図1の熱交換器室内部を示す模式的な平面図である。
図3図1の空気熱交換器を示す模式的な斜視図である。
図4図1に示すチラーユニットを長手方向の一端側からみた側面図である。
図5図1に示すI-I矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明にかかる一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のチラーユニット(熱交換ユニット)1は、空冷ヒートポンプチラーユニットであり、機械室2と、機械室2の上方に配置された熱交換器室3と、熱交換器室3の上方を覆う一対の天板4と、天板4のそれぞれに設けられた一対の送風機5と、機械室2と熱交換器室3との間に設けられるドレンパン6と、を有する。ドレンパン6は、空気熱交換器8の下方に設けられ、空気熱交換器8で発生した凝縮水を回収する。
【0018】
機械室2は、一方向(図1の長手方向)に延在する略直方体形状の筐体7によって外殻が構成される。筐体7内には、圧縮機、四方弁、水熱交換器、膨張弁、冷媒配管、水配管及び水ポンプ(すべて図示略)が収容されている。圧縮機、四方弁、水熱交換器及び膨張弁は、冷媒配管によって接続され、後述する熱交換器室3に設けられる空気熱交換器8とともに、冷凍サイクルを構成している。
【0019】
四方弁は、冷媒配管内を流通する冷媒の流れを切替え可能であって、冷媒の流れを切替えることで、チラーユニット1は冷房運転及び暖房運転の両方の運転が可能となっている。
圧縮機は、例えば、インバータによって駆動されるモータを備える。圧縮機では、モータの回転数を制御することで、冷媒配管に吐出する冷媒の量を調整する。
【0020】
水熱交換器は、冷媒配管を流れる冷媒と、水配管を流れる水とを熱交換する。
水配管は、チラーユニット1の外部から水熱交換器に水を供給する第1配管と、水熱交換器の水をチラーユニット1の外部に排出する第2配管とによって構成される。第2配管から排出された水は、温水又は冷水として各種提供先の装置(図示略)等に提供される。各種提供先の装置等で熱交換を行った水は、各種提供先の装置等から第1配管を介して水熱交換器に供給される。このように、第1配管及び第2配管は、チラーユニット1と提供先の装置等とを接続する循環流路の一部を構成している。
【0021】
膨張弁は、水熱交換器と、熱交換器室3に設けられた空気熱交換器8との間に設けられている。
水ポンプは、水配管内の水を循環させ、水熱交換器に水を供給する。
【0022】
熱交換器室3は、一方向に延在する熱交換器室筐体9によって外殻が形成される。図2の平面図に示すように、熱交換器室筐体9の内側には、複数(本実施形態では4つ)の空気熱交換器8が配置されている。熱交換器室筐体9は、下面を構成する略長方形状の底板12と、短手方向の側面を構成する板状の側壁13とを有し、長手方向の側面は開放状態とされている。
【0023】
図3の斜視図に示すように、空気熱交換器8は、パネル状に形成されており、上下方向に延びる湾曲部8bがパネル面において形成されるように、平面視略L字状に湾曲している。空気熱交換器8は、L字の長手部分にあたる第1平面部8aと、L字の角部分にあたる湾曲部8bと、L字の短手部分にあたる第2平面部8cとを有している。第1平面部8aの端部の熱交換器室3の中心側の位置には、空気熱交換器8の各冷媒配管に冷媒を供給するためのヘッダ8dが配置されている。
【0024】
図2に示すように、本実施形態のチラーユニット1は、チラーユニット1の長手方向の一端側に配置される一対の空気熱交換器8と、チラーユニット1の長手方向の他端側に配置される一対の空気熱交換器8とを有する。4つの空気熱交換器8は、短手部分の第2平面部8cが熱交換器室3の短手方向の側面に沿うように並んで配置される。4つの空気熱交換器8は、L字の角部である湾曲部8bが、熱交換器室3の四隅にそれぞれ対応するように配置される。また、4つの空気熱交換器8は、L字の長手部分である第1平面部8aが、熱交換器室3の長手方向の側面に沿うように各々配置される。
【0025】
空気熱交換器8は、フィンアンドチューブ型の熱交換器であり、内部に冷媒が流通する円管状の複数のチューブと、チューブの外周面に設けられる複数のフィンとを有する。本実施形態では、チューブが上下方向に複数列配置される面が、空気熱交換器8のパネル面となっている。
【0026】
フィンは、板状であって、板面が鉛直面となるように複数列並んで配置されている。また、フィンの板面には、複数の穴が形成されている。この穴の直径は、チューブの外形よりも僅かに大きく形成されており、この穴にチューブが嵌め込まれるように挿通している。このようにして、チューブの外周面に対してフィンが設けられている。このように構成された空気熱交換器8は、開放状態とされた熱交換器室筐体9の長手方向側面から導入された外気と熱交換することで、チューブ内を流通する冷媒の冷却または加熱を行う。
【0027】
図1に示すように、4つの送風機5は、熱交換器室筐体9の天板4に設けられ、熱交換器室筐体9の長手方向に沿って、等間隔に並んで配置されている。4つの送風機5は、空気熱交換器8に外気を送風するものであり、熱交換器室3内に外気を導入するとともに、空気熱交換器8において熱交換を行った外気を熱交換器室3の外部に排出する。図2に示す長手方向の一端側に配置される一対の空気熱交換器8に対して一対の送風機5が設けられ、図2に示す長手方向の他端側に配置される一対の空気熱交換器8に対して一対の送風機5が設けられる。
【0028】
次に、チラーユニット1の長手方向の一端側に配置される一対の空気熱交換器8を連結する連結部20について説明する。なお、チラーユニット1の長手方向の他端側に配置される一対の空気熱交換器8を連結する連結部20については、チラーユニット1の長手方向の一端側の連結部20と同様であるので、以下での説明を省略する。
【0029】
図2に示すように、連結部20は、一対の空気熱交換器8の長手方向の一端側を連結する第1連結部材21と、一対の空気熱交換器8の長手方向の他端側を連結する第2連結部材22とを備える。
ここで、図4及び図5を参照して、連結部20の詳細について説明する。図4は、図1に示すチラーユニット1を長手方向の一端側からみた側面図である。図5は、図1に示すI-I矢視図である。なお、図4は、側壁13を取り外した状態を示す。また、図4及び図5は、天板4及び送風機5を取り外した状態を示す。
【0030】
図4に示すように、第1連結部材21は、長手方向を一致させた状態で配置される一対の空気熱交換器8を、チラーユニット1の長手方向の一端側からみた場合に略V字状となるように連結する部材である。図4に示すように、一対の空気熱交換器8の下端の配置間隔D1よりも一対の空気熱交換器8の上端の配置間隔D2が広くなっている。ここで、配置間隔D1,D2は、チラーユニット1の短辺方向における一方の空気熱交換器8の第1平面部8aの外周面から他方の空気熱交換器8の第1平面部8aの外周面までの水平方向の距離である。
【0031】
第1連結部材21は、一対の空気熱交換器8の長手方向の一端(端部)に取り付けられるとともに長手方向からみた場合に略V字状となるように形成された第1ブラケット21aと、第1ブラケット21aの上端に連結されて水平方向に配置される第2ブラケット21bと、を備える。
【0032】
第1ブラケット21aは、チラーユニット1の短辺方向の一端側が空気熱交換器8の第2平面部8cに連結され、短辺方向の他端側が空気熱交換器8の第2平面部8cに連結される。第1ブラケット21aと一対の空気熱交換器8は、鉛直方向の下端から上端に至るまでの複数箇所で空気熱交換器8の端部に設けられた側板(図示略)に対してネジ等の締結具により連結される。ここでは、第1ブラケット21aを空気熱交換器8に連結するものとしたが、第2ブラケット21bを空気熱交換器8の端部に設けられた側板に連結するようにしてもよい。
【0033】
第2ブラケット21bは、第1ブラケット21aと一体に形成することにより第1ブラケット21aに連結されている。なお、第2ブラケット21bを第1ブラケット21aとは一体に形成せずに別部材とし、締結ボルト及び締結ナット等の締結具や溶接によって連結するようにしてもよい。
【0034】
第2ブラケット21bには、天板4を取り付けるための締結ボルト(図示略)が貫通する貫通穴が水平方向の複数箇所に形成されている。天板4には、第2ブラケット21bの貫通穴と対向する位置に貫通穴が複数箇所に形成されている。天板4は、連結部20により一対の空気熱交換器8を連結した後に、第2ブラケット21bの上方へ設置される。天板4の貫通穴と第2ブラケット21bの貫通穴に締結ボルトを挿入して締結ナットと締結することにより、天板4が第2ブラケット21bに取り付けられる。
【0035】
図5に示すように、第2連結部材22は、長手方向を一致させた状態で配置される一対の空気熱交換器8を、チラーユニット1の長手方向の他端側からみた場合に略V字状となるように連結する部材である。図5に示すように、一対の空気熱交換器8の下端の配置間隔D1よりも一対の空気熱交換器8の上端の配置間隔D2が広くなっている。
【0036】
第2連結部材22は、一対の空気熱交換器8の長手方向の他端(端部)に取り付けられるとともに長手方向からみた場合に略V字状となるように形成された第1ブラケット22aと、第1ブラケット22aの上端に連結されて水平方向に配置される第2ブラケット22bと、を備える。
【0037】
第1ブラケット22aは、チラーユニット1の短辺方向の他端側が空気熱交換器8の第1平面部8aに連結され、短辺方向の一端側が空気熱交換器8の第1平面部8aに連結される。第1ブラケット22aと一対の空気熱交換器8は、鉛直方向の下端から上端に至るまでの複数箇所で空気熱交換器8の端部に設けられた側板(図示略)に対してネジ等の締結具により連結される。ここでは、第1ブラケット22aを空気熱交換器8に連結するものとしたが、第2ブラケット22bを空気熱交換器8の端部に設けられた側板に連結するようにしてもよい。
【0038】
図2及び図5に示すように、第1ブラケット22aは、ヘッダ8dを避けるように、チラーユニット1の短辺方向の両端部において、上方からみた場合に略L字型となるように形成されている。このような形状とすることにより、ヘッダ8dとの干渉を避けつつ、一対の空気熱交換器8を連結することができる。
【0039】
第2連結部材22の第1ブラケット22aは、第1連結部材21の第1ブラケット21aとは異なり、略V字に挟まれる部分が開放されておらず、前後の空間の連通を遮断する壁面形状となっている。第1ブラケット22aが壁面形状となっているため、熱交換器室3の内部空間がチラーユニット1の長手方向の中央部で仕切られる。これにより、チラーユニット1の長手方向の一端側に配置される一対の送風機5による送風される空気が、チラーユニット1の長手方向の他端側に配置される一対の空気熱交換器8に送風されることが抑制される。
【0040】
第2ブラケット22bは、第1ブラケット22aと一体に形成することにより第1ブラケット22aに連結されている。なお、第2ブラケット22bを第1ブラケット22aとは一体に形成せずに別部材とし、締結ボルト及び締結ナット等の締結具や溶接によって連結するようにしてもよい。
【0041】
第2ブラケット22bには、天板4を取り付けるための締結ボルト(図示略)が貫通する貫通穴が水平方向の複数箇所に形成されている。天板4には、第2ブラケット22bの貫通穴と対向する位置に貫通穴が複数箇所に形成されている。天板4は、連結部20により一対の空気熱交換器8を連結した後に、第2ブラケット22bの上方へ設置される。天板4の貫通穴と第2ブラケット22bの貫通穴に締結ボルトを挿入して締結ナットと締結することにより、天板4が第2ブラケット22bに取り付けられる。
【0042】
図1に示すように、熱交換器室3の上方を覆う天板4には、一対の送風機5が取り付けられている。
図4及び図5に示すように、送風機5は、ファン5aとファン5aを駆動して回転軸線X回りに回転させるファンモータ5bと、ファンモータ5bを天板4に取り付けるモータ取付部5cとを備える。天板4は、板金製であり、ファン5aの回転軸線Xを覆うベルマウス4aが形成されている。
【0043】
次に、本実施形態のチラーユニット1の組立方法(製造方法)について説明する。
第1工程で、作業者は、一枚の天板4に対して一対の送風機5を取り付ける。具体的に、作業者は、モータ取付部5cにファンモータ5bを取り付け、ファンモータ5bにファン5aを取り付ける。
【0044】
第2工程で、作業者は、連結部20により、一対の空気熱交換器8の長手方向を一致させた状態で長手方向の両端を連結する。具体的に、作業者は、一対の空気熱交換器8の長手方向の一端側を第1連結部材21で連結し、一対の空気熱交換器8の長手方向の他端側を第2連結部材22で連結する。第2工程では、前述したように、チラーユニット1の長手方向の端部からみた場合に略V字状となるように一対の空気熱交換器8を連結部20により連結する。
【0045】
第3工程で、作業者は、一対の送風機5が取り付けられた天板4を一対の熱交換器室3の上方に設置する。具体的に、作業者は、天板4を第2ブラケット22bの上方へ設置し、天板4の貫通穴と第2ブラケット22bの貫通穴に締結ボルトを挿入して締結ナットと締結することにより、天板4を熱交換器室3の上方に設置する。
【0046】
以上説明した本実施形態のチラーユニット1が奏する作用及び効果について説明する。
本実施形態のチラーユニット1によれば、パネル状の一対の空気熱交換器8が長手方向からみた場合に略V字状となるように連結部20により連結されるため、単体では姿勢が安定しない空気熱交換器8を安定した姿勢に維持し、一対の空気熱交換器8の組立を容易に行うことができる。また、一対の空気熱交換器8を安定した姿勢に維持した状態で、天板4に取り付けられた一対の送風機5をチラーユニット1に設置することができる。
【0047】
さらに、単一の天板4に一対の送風機5が取り付けられているため、複数の天板4のそれぞれに送風機5が個別に取り付けられている場合に比べ、送風機5の設置作業が容易となる。また、天板4に対して一対の送風機5が位置決めされるため、一対の送風機5の設置間隔を正確に設定することができる。
【0048】
本実施形態のチラーユニット1において、連結部20は、一対の空気熱交換器8の長手方向の端部に取り付けられるとともに長手方向からみた場合に略V字状となるように形成された第1ブラケット21a,22aと、第1ブラケット21a,22aの上端に連結されて水平方向に配置される第2ブラケット21b,22bと、を備える。
【0049】
略V字状となるように形成された第1ブラケット21a,22aに一対の空気熱交換器8の長手方向の端部を取り付けることで、一対の空気熱交換器8が連結部20に対して確実に固定される。また、第1ブラケット21a,22aの上端に水平方向に配置される第2ブラケット21b,22bが連結されているため、一対の空気熱交換器8の上端の配置間隔を確実に固定し、一対の空気熱交換器8の姿勢を更に安定させることができる。
【0050】
本実施形態のチラーユニット1において、天板4は、連結部20に取り付けられているため、一対の空気熱交換器8と一対の送風機5とが天板4とともに一体化され、チラーユニット1の組立性が更に向上する。
【0051】
本実施形態のチラーユニット1において、天板4は、板金製であってもよい。
天板4を板金製とすることにより、天板4の強度を十分に確保して一対の送風機5を確実に天板4に支持することができる。
【0052】
本実施形態のチラーユニット1において、一対の送風機5のそれぞれは、ファン5aとファン5aを駆動するファンモータ5bとを備える。また、一枚の天板4には、ファン5aの回転軸線Xを覆う一対のベルマウス4aが形成されている。
ファン5aの回転軸線Xをベルマウス4aで覆うことにより送風機5の送風特性が向上する。
【0053】
〔他の実施形態〕
以上の説明において、連結部20は、一対の空気熱交換器8は、一対の空気熱交換器8の長手方向の一端側を連結する第1連結部材21と、一対の空気熱交換器8の長手方向の他端側を連結する第2連結部材22の双方を備えるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、連結部20は、第1連結部材21または第2連結部材22のいずれか一方により、一対の空気熱交換器8を連結してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 チラーユニット(熱交換ユニット)
2 機械室
3 熱交換器室
4 天板
5 送風機
5a ファン
5b ファンモータ
5c モータ取付部
6 ドレンパン
7 筐体
8 空気熱交換器
8a 第1平面部
8b 湾曲部
8c 第2平面部
8d ヘッダ
9 熱交換器室筐体
12 底板
13 側壁
20 連結部
21 第1連結部材
21a 第1ブラケット
21b 第2ブラケット
22 第2連結部材
22a 第1ブラケット
22b 第2ブラケット
X 回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5