(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】メタン発酵装置およびメタン発酵方法
(51)【国際特許分類】
C02F 3/28 20230101AFI20230410BHJP
C02F 11/04 20060101ALI20230410BHJP
C02F 11/12 20190101ALI20230410BHJP
B09B 3/65 20220101ALI20230410BHJP
B09B 5/00 20060101ALI20230410BHJP
B01D 29/00 20060101ALI20230410BHJP
B01D 24/46 20060101ALI20230410BHJP
B01D 29/62 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
C02F3/28 A
C02F3/28 Z
C02F11/04 A
C02F11/04 Z
C02F11/12
B09B3/65
B09B5/00 Z
B01D23/02 Z
B01D23/24 Z
(21)【出願番号】P 2018139001
(22)【出願日】2018-07-25
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】595011238
【氏名又は名称】クボタ環境エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107478
【氏名又は名称】橋本 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100117972
【氏名又は名称】河崎 眞一
(74)【代理人】
【識別番号】100190713
【氏名又は名称】津村 祐子
(74)【代理人】
【識別番号】100197549
【氏名又は名称】山下 昌三
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】野村 和利
【審査官】片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-086111(JP,A)
【文献】特開2002-239598(JP,A)
【文献】特開2001-259677(JP,A)
【文献】特開2016-182584(JP,A)
【文献】特開2006-116391(JP,A)
【文献】特開平11-077007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F3/28-34、11/00-20
B01D24/00-37/04
B09B1/00-5/00
B09C1/00-10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオガスを発生させる発酵液を収容する発酵槽と、
前記発酵槽から取り出された前記発酵液中を浮遊する発酵不適物を除去する分離装置と、
前記分離装置で前記発酵不適物が除去された分離液を脱水する脱水装置と、
前記分離液を前記脱水装置に供給する脱水ルートと、
前記分離液を前記発酵槽に戻す回収ルートと、
前記分離液の供給先を、前記脱水ルートと、前記回収ルートとの間で切り換える、切り換え装置と、
を具備し、
前記分離装置は、
前記発酵液を濾過する濾過面を有するとともに、前記濾過面に開口する複数のスリット状隙間を有する濾過部と、
前記スリット状隙間内で運動して前記濾過面に堆積する前記発酵不適物を搬送する隙間自浄部と、
を具備
し、
前記切り換え装置は、
前記分離装置の前記濾過面に残存する固形廃棄物の状態から得られる、前記発酵槽内の発酵液の発酵が完了しているか発酵途中であるかの判断結果に基づいて、前記脱水ルートと前記回収ルートとの何れかに切替可能に構成されている、メタン発酵装置。
【請求項2】
前記濾過部が、前記発酵不適物の搬送方向に沿って延出配置された複数の帯状部を有し、隣接する前記帯状部間に前記スリット状隙間が形成されている、請求項1に記載のメタン発酵装置。
【請求項3】
前記隙間自浄部が、前記濾過部の下方に配置された複数の回転軸と、前記複数の回転軸にそれぞれ固定され、前記回転軸の軸方向に沿って間隔を空けて配置された複数のディスク状回転体と、を具備し、
前記複数の回転軸が、それぞれ前記発酵不適物の搬送方向と交わるように軸支され、かつ前記発酵不適物の搬送方向に沿って間隔を空けて配置され、
前記複数のディスク状回転体が、それぞれ前記スリット状隙間内で前記回転軸の回転に伴って上下動する、請求項1または2に記載のメタン発酵装置。
【請求項4】
前記分離液または前記発酵液と、外部から供給される発酵適物を含む廃棄物とを混合して流動物を得るとともに、前記廃棄物に由来する発酵不適物の少なくとも一部を分別する混合部と、
前記流動物を前記混合部から前記発酵槽に送る投入ルートと、を更に具備する、請求項1~3のいずれか1項に記載のメタン発酵装置。
【請求項5】
(i)発酵液を収容する発酵槽内で発酵適物の加水分解、酸発酵およびメタン発酵を進行させてバイオガスを発生させる工程と、
(ii)前記発酵槽から前記発酵液を取り出して前記発酵液中を浮遊する発酵不適物を除去する工程と、
(iii)前記発酵不適物が除去された分離液を脱水する工程と、
(iv)前記分離液を前記発酵槽に戻す工程と、
を具備し、
前記発酵不適物を除去する工程は、
複数のスリット状隙間が開口する濾過面に前記発酵液を導入して、前記発酵液を複数のスリット状隙間で水切りし、前記濾過面に前記発酵不適物を堆積させる工程と、
前記スリット状隙間内を自浄する隙間自浄部により前記濾過面に堆積する前記発酵不適物を回収する工程と、を具備
し、
前記分離液を脱水する工程と前記分離液を前記発酵槽に戻す工程とを、
前記濾過面に残存する固形廃棄物の状態から得られる、前記発酵槽内の発酵液の発酵が完了しているか発酵途中であるかの判断結果に基づいて、何れかに切り換える、メタン発酵方法。
【請求項6】
前記分離液または前記発酵槽から取り出された前記発酵液を混合部に送る工程と、
前記混合部で、前記分離液または前記発酵液と発酵適物を含む廃棄物とを混合して流動物を得るとともに前記廃棄物に由来する発酵不適物の少なくとも一部を分別する工程と、
前記流動物を前記混合部から前記発酵槽に送る工程と、を更に具備する、請求項5に記載のメタン発酵方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば紙ごみのような発酵適物を含む廃棄物をメタン発酵槽に導入するメタン発酵装置およびメタン発酵方法に関する。
【背景技術】
【0002】
湿式のメタン発酵システムでは、例えば分別された生ごみが可溶化槽に貯留される。可溶化槽では、生ごみの加水分解と酸発酵(すなわち可溶化)が進行し、有機酸を含むスラリーが得られる。その後、スラリーはメタン発酵槽に送られ、メタン発酵槽内で嫌気性微生物により分解される。このとき生成するバイオガスは、一般に約60vol%のメタンと約40vol%の二酸化炭素とを含み、エネルギー源として有用である。
【0003】
廃棄物を減容化するとともにバイオガスの生成量を増加させる観点から、生ごみだけでなく、紙ごみのような有機物を含む固形廃棄物を含む発酵適物を原料に用いることが望ましい。特許文献1は、有機性固形廃棄物を槽内で発酵液に浸漬させつつ可溶化し、バイオガスにまで分解することを提案している。
【0004】
一方、特許文献2は、原汚泥を嫌気性消化する消化槽に循環管とポンプを設けた汚泥処理システムにおいて、消化槽内の汚泥を効率的に撹拌する観点から、循環管を、消化槽内の上部で開口している上側循環配管、消化槽内の下部で開口している下側循環配管、および先端に吐出口を有し、汚泥に水平流を発生させる吐出配管から構成し、ポンプを消化槽外に配設することを提案している。特許文献2は、消化槽内の汚泥の混合を促進し、汚泥の温度を均一化し、汚泥中から消化ガスを放散させ、汚泥面のスカムを破砕し、汚泥中の土砂、し渣などが堆積することを防止することを意図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-86157号公報
【文献】特開2007-229600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
固形廃棄物からバイオガスを生成させるメタン発酵システムでは、生ごみの他、紙ごみのような発酵適物を原料に用いるため、バイオガスの生成量を顕著に増加させることができる。
【0007】
固形廃棄物は、プラスチック、金属、砂利、鶏卵の殻など、様々な発酵不適物を含んでいる。固形廃棄物を原料に用いる場合、前処理により固形廃棄物から発酵不適物が分別された後、発酵適物が発酵槽に導入されるが、一定割合で、分別しきれなかった発酵不適物が発酵適物に混入する。発酵不適物は、発酵槽の内容物の攪拌、引き抜き作業などにおいて様々な不具合の原因になる。例えば攪拌ポンプのサクションの閉塞、引き抜いた内容物の処理作業の増加、内容物の攪拌効率の低下などが発生し得る。
【0008】
中でも発酵液の液面に浮上せず、かつ発酵槽底部に沈降もせず、発酵液中を浮遊する不適物(以下、浮遊性不適物とも称する。)は、発酵液中に蓄積されやすい。浮遊性不適物の発酵液中濃度が増加すると、発酵槽に付属の配管、機器類で閉塞障害が発生する確率が高くなる。その結果、発酵液を全量引き抜いて発酵槽内を清掃する作業が頻繁に必要となり、メタン発酵装置の管理コストが増大する。また、発酵液を移し替えるための予備水槽が必要となり、設備費用も増加する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面は、バイオガスを発生させる発酵液を収容する発酵槽と、前記発酵槽から取り出された前記発酵液中を浮遊する発酵不適物を除去する分離装置と、前記分離装置で前記発酵不適物が除去された分離液を脱水する脱水装置と、
前記分離液を前記脱水装置に供給する脱水ルートと、前記分離液を前記発酵槽に戻す回収ルートと、前記分離液の供給先を、前記脱水ルートと、前記回収ルートとの間で切り換える、切り換え装置と、を具備し、前記分離装置は、前記発酵液を濾過する濾過面を有するとともに、前記濾過面に開口する複数のスリット状隙間を有する濾過部と、前記スリット状隙間内で運動して前記濾過面に堆積する前記発酵不適物を搬送する隙間自浄部と、を具備し、前記切り換え装置は、前記分離装置の前記濾過面に残存する固形廃棄物の状態から得られる、前記発酵槽内の発酵液の発酵が完了しているか発酵途中であるかの判断結果に基づいて、前記脱水ルートと前記回収ルートとの何れかに切替可能に構成されている、メタン発酵装置に関する。
【0010】
本発明の別の側面は、(i)発酵液を収容する発酵槽内で発酵適物の加水分解、酸発酵およびメタン発酵を進行させてバイオガスを発生させる工程と、(ii)前記発酵槽から前記発酵液を取り出して前記発酵液中を浮遊する発酵不適物を除去する工程と、(iii)前記発酵不適物が除去された分離液を脱水する工程と、(iv)前記分離液を前記発酵槽に戻す工程と、を具備し、前記発酵不適物を除去する工程は、複数のスリット状隙間が開口する濾過面に前記発酵液を導入して、前記発酵液を複数のスリット状隙間で水切りし、前記濾過面に前記発酵不適物を堆積させる工程と、前記スリット状隙間内を自浄する隙間自浄部により前記濾過面に堆積する前記発酵不適物を回収する工程と、を具備し、前記分離液を脱水する工程と前記分離液を前記発酵槽に戻す工程とを、前記濾過面に残存する固形廃棄物の状態から得られる、前記発酵槽内の発酵液の発酵が完了しているか発酵途中であるかの判断結果に基づいて、何れかに切り換える、メタン発酵方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るメタン発酵装置およびメタン発酵方法によれば、固形廃棄物を用いてバイオガスを生産する場合に、発酵液中の浮遊性不適物の濃度管理が容易になり、メタン発酵装置の維持管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るメタン発酵装置を含むメタン発酵システムの一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】浮遊性不適物を除去する分離装置の一例の模式図である。
【
図3】浮遊性不適物を除去する分離装置の他の一例の模式図である。
【
図4】固形廃棄物から原料廃棄物を分別する前処理装置の一例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係るメタン発酵装置には、固形廃棄物が原料として発酵槽内に導入される。発酵槽内では、固形廃棄物中の発酵適物の加水分解、酸発酵およびメタン発酵が進行し、バイオガスが生成される。すなわち、メタン発酵装置は、バイオガスを発生させる発酵液を収容するとともに、発酵適物の加水分解、酸発酵およびメタン発酵を進行させる発酵槽を具備する。
【0014】
本実施形態に係るメタン発酵装置は、発酵適物の酸発酵を促すための可溶化槽を具備しないメタン発酵システムの構築を可能にし得る。湿式のメタン発酵システムでは、分別された生ごみを貯留し、生ごみの加水分解と酸発酵を進行させる可溶化槽が通常設置される。一方、本実施形態に係るメタン発酵装置では、固形廃棄物が原料として発酵槽内に導入される。固形廃棄物は、事前に発酵不適物の一部が除去された原料廃棄物として供給される。原料廃棄物は、発酵槽から部分的に取り出された発酵液と混合される。こうして得られる原料廃棄物を含む流動物がメタン発酵槽に導入される。
【0015】
固形廃棄物は、発酵適物を含み、多少の発酵不適物を含み得る。固形廃棄物は、例えば、家庭から出される一般ごみであってもよい。一般ごみに含まれる発酵不適物は予め十分に分別される。
以下、メタン発酵の原料として用いる固形廃棄物を、原料廃棄物と称する。
【0016】
発酵液とは、発酵適物の加水分解と酸発酵を経た後、メタン発酵を促進する菌体による消化分解を経て得られた液状物である。
【0017】
発酵適物とは、加水分解および酸発酵(すなわち可溶化)を経てメタン発酵により分解され得る有機物をいう。発酵適物としては、例えば、生ごみ、紙ごみ、生分解性プラスチックなどが挙げられるが、特に限定されない。
【0018】
発酵不適物とは、可溶化に適さない材料であり、例えば、金属、プラスチック、鉱物、貝殻類などが挙げられる。発酵不適物は、予め十分に分別される場合でも、原料廃棄物に混在し得る。このような発酵不適物は、適宜、装置系内から分別により除去される。
【0019】
本発明の実施形態に係るメタン発酵装置は、バイオガスを発生させる発酵液を収容する発酵槽と、発酵槽から取り出された発酵液中を浮遊する発酵不適物を除去する分離装置と、分離装置で発酵不適物が除去された分離液を脱水する脱水装置と、分離液を脱水装置に供給する脱水ルートと、を具備する。発酵槽から取り出された発酵液は、引き抜きルートを通って分離装置に送られる。分離装置は、引き抜きルートから供給される発酵液から発酵液中を浮遊する発酵不適物(浮遊性不適物)を除去する。分離装置で浮遊性不適物が除去された分離液は脱水ルートを通って脱水装置に送られる。
【0020】
なお、浮遊性不適物とは、発酵槽内でも消化分解されにくい有機物をいい、例えば、茶葉、野沢菜漬けなどの発酵食品、木枝等に含まれるセルロース類をいう。浮遊性不適物を除去することが目的の場合、分離装置に送られる発酵液には原則として凝集剤等は添加しない。
【0021】
分離装置は、発酵液を濾過する濾過面を有するとともに、濾過面に開口する複数のスリット状隙間を有する濾過部と、スリット状隙間内で運動して濾過面に堆積する不適物を搬送する隙間自浄部とを具備する。
【0022】
本発明の実施形態に係るメタン発酵方法は、例えば、上記メタン発酵装置を用いることにより行い得る方法であり、(i)発酵液を収容する発酵槽内で発酵適物の加水分解、酸発酵およびメタン発酵を進行させてバイオガスを発生させる工程と、(ii)発酵槽から発酵液を取り出して浮遊性不適物を除去する工程と、(iii)浮遊性不適物が除去された分離液を脱水する工程とを具備する。
【0023】
浮遊性不適物を除去する工程は、複数のスリット状隙間が開口する濾過面に発酵液を導入して、発酵液を複数のスリット状隙間で水切りし、濾過面に不適物を堆積させる工程と、スリット状隙間内を自浄する隙間自浄部により濾過面に堆積する不適物を回収する工程とを具備する。隙間自浄部は、スリット状隙間内で運動して濾過面に堆積する不適物を所定位置まで移動させる機能を有してもよい。
【0024】
固形廃棄物は、様々な発酵適物と発酵不適物とを含む。高比重物は、発酵槽の底部に沈降する。軽比重物は、液面に移動し、スカム(SCUM)として滞留する。よって、高比重および軽比重の発酵不適物は、比較的容易に発酵槽内から除去し得る。一方、発酵液中の浮遊性不適物は、発酵槽内の特定部位に滞留することがなく、除去が困難である。しかし、原料廃棄物として有機物を含む固形廃棄物を用いると、発酵液における浮遊性不適物量は増加する傾向にある。浮遊性不適物は、配管および機器類の閉塞障害の原因となり、メンテナンス頻度を増大させ得る。
【0025】
浮遊性不適物は、発酵適物との分離も困難であり、無理に浮遊性不適物を除去すると、発酵適物も一緒に除去され得る。その結果、バイオガスの発生量が低減する。また、一般的なメッシュタイプのスクリーンを用いて発酵液を濾過しようとすると、発酵適物が一緒に除去されるだけでなく、発酵液中に含まれる微細繊維によって容易にスクリーンが目詰まりを生じる。よって、メタン発酵装置の安定的な運転が困難になる。
【0026】
これに対し、上記分離装置は、浮遊性不適物を除去するのに極めて効果的である。また、上記分離装置は、メッシュタイプのスクリーンのように発酵適物を過度に除去することがなく、微細繊維による目詰まりを生じにくい。
【0027】
濾過部は、例えば、不適物の搬送方向に沿って延出配置された複数の帯状部を有する。隣接する帯状部間にスリット状隙間が形成される。複数の帯状部の長手方向に沿った一端面とスリット状隙間とで発酵液を濾過する濾過面が形成される。配管および機器類の閉塞障害の原因となりにくい発酵適物のうちの微細繊維などは、発酵液とともにスリット状隙間を通過する。一方、配管および機器類の閉塞障害の原因となり得る比較的大きな発酵不適物は濾過面に堆積する。濾過部には、例えば一般的にバースクリーン(Bar screen)と称される部材を用いることができる。
【0028】
隙間自浄部は、例えば、濾過部の下方に配置された複数の回転軸と、複数の回転軸にそれぞれ固定され、その軸方向に沿って間隔を空けて配置された複数のディスク状回転体とを具備する。複数の回転軸は、それぞれ発酵不適物の搬送方向と交わるように軸支され、かつ搬送方向に沿って間隔を空けて配置される。複数のディスクが、それぞれスリット状隙間内で回転軸の回転に伴って上下動することにより、濾過面に堆積する不適物に動力が付与される。発酵不適物は、搬送方向に沿って移動し、例えば濾過部の端部から所定の容器に落下して回収される。濾過面は搬送方向に沿って上方に傾斜するように構成されていることが好ましい。
【0029】
メタン発酵装置は、分離液または引き抜きルートから供給される発酵液と、外部から供給される発酵適物を含む廃棄物とを混合して流動物を得るとともに、廃棄物に由来する発酵不適物の少なくとも一部を分別する混合部と、流動物を混合部から発酵槽に送る投入ルートとを更に具備してもよい。
【0030】
分離装置は、発酵槽内の発酵適物の分解状況の確認にも使用できる。発酵適物の分解状況に応じて、通常稼働状態もしくは発酵の立ち上げ時に、原料廃棄物の導入量を制御することができる。具体的には、発酵槽から発酵液を部分的にサンプリングして分離装置に送り、濾過面に残存する固形廃棄物の状態を確認すればよい。このとき得られる分離液に濾過面に残存する発酵適物の全部または一部を再度混合し、発酵槽に再投入してもよい。
【0031】
メタン発酵装置は、分離液を発酵槽に戻す回収ルートを更に具備してもよい。この場合、メタン発酵装置は、分離液の脱水ルートへの供給と回収ルートへの供給とを任意のタイミングで切り換え得るように構成してもよい。すなわち、メタン発酵装置は、分離液の供給先を、脱水ルートと回収ルートとの間で切り換え可能に構成してもよい。
【0032】
すなわち、本発明の別の実施形態に係るメタン発酵方法は、バイオガスを発生させる発酵液を収容する発酵槽と、発酵槽から取り出された発酵液中を浮遊する発酵不適物を除去する分離装置と、分離装置で発酵不適物が除去された分離液を脱水する脱水装置と、分離液を脱水装置に供給する脱水ルートと、分離液を発酵槽に戻す回収ルートとを具備し、分離液の供給先を、脱水ルートと回収ルートとの間で切り換え可能に構成されている態様を包含する。
【0033】
例えば、発酵槽内の発酵液の発酵が完了したときには、分離液の供給先を脱水ルートにして発酵液を脱水し、廃棄すればよい。発酵槽内の発酵液が発酵途中のときには、分離液の供給先を回収ルートにして、発酵液中の不適物の除去や発酵状態の確認等を行えばよい。これにより発酵槽内の発酵液の状態の管理が容易化するとともに、システム稼働の自由度が大きくなる。このような供給先の切り換えはバルブなどの所定の装置により行い得る。
【0034】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら更に説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0035】
図1に、本発明に係るメタン発酵装置100を含むメタン発酵システム10の一例の構成を示す。メタン発酵装置100は、発酵液Lを収容する発酵槽110と、発酵槽110から引き抜かれた発酵液Lと原料廃棄物Cとを混合して流動物Sを得る混合部120と、発酵槽110から取り出された発酵液Lを混合部120に送る第1引き抜きルートR11と、流動物Sを混合部120から発酵槽110に送る投入ルートR2とを具備する。
【0036】
また、メタン発酵装置100は、発酵槽110から取り出された発酵液Lを分離装置300に送る第2引き抜きルートR12と、発酵液Lから浮遊性不適物を除去する分離装置300と、分離装置300で浮遊性不適物が除去された分離液FLが通過する脱水ルートR6と、分離液FLを脱水する脱水装置180とを具備する。
【0037】
更に、メタン発酵装置100は、発酵液Lを発酵槽110の下方より引き抜いてから上方に戻す循環ルートR3を有する。発酵槽110の下方には、発酵液Lを抜き取る吐出口114が設けられている。発酵液Lは、循環ルートR3に設けられた第1ポンプ(ヒドロスタル)P1の駆動力によって吐出口114から引き抜かれて上方に送られる。発酵液Lを循環させることで、発酵槽110内の発酵適物の発酵が促進されるとともに、発酵不適物の分別と回収が容易になる。
【0038】
循環ルートR3の下流端部は二股に分岐しており、2つの分岐路は、それぞれ循環ルートR3を通過した発酵液Lを発酵槽110に放出する上部吹出口111および液中吹出口112を有する。上部吹出口111の上流側および液中吹出口112の上流側には、それぞれバルブV1およびV2が設けられている。
【0039】
発酵槽110は、縦型の円筒状容器であり、内部が嫌気性雰囲気に維持されるように密閉性を有する。発酵槽110は、発酵不適物を沈降させるデッドスペースを有してもよい。デッドスペースに沈降する高比重物は、底部出口113から適宜に外部に排出して除去される。底部出口113は、例えば掻き寄せ排出機構もしくはテーブルフィーダ機構を有することが好ましい。
【0040】
図1では、第1引き抜きルートR11および第2引き抜きルートR12の上流側と循環ルートR3の上流側とが共通の配管により構成されている。発酵液Lは、循環ルートR3に設けられた第1ポンプP1の駆動力により発酵槽110の下方から引き抜かれる。第1引き抜きルートR11および第2引き抜きルートR12は、第一分岐部T1で循環ルートR3から分岐している。
【0041】
分岐路に設けられたバルブV3と第1引き抜きルートR11に設けられたバルブV10とを開き、バルブ11を閉じることにより、発酵液Lが第1引き抜きルートR11を通って混合部120に送られる。このとき、第1引き抜きルートR11を通ってバイパス移送される発酵液Lの状態を確認することにより、発酵槽110内の発酵適物の分解状態を把握することができる。
【0042】
また、バルブV3と第2引き抜きルートR12に設けられたバルブV11を開くことにより、発酵液Lが第2引き抜きルートR12を通って分離装置300に送られる。分離装置300で浮遊性不適物が除去された発酵液(分離液FL)は、あるときは、混合部120の手前のバルブV5を開き、貯留槽170の手前のバルブV7を閉じて、混合部120に送られる。この場合、分離装置300は、発酵槽110内の発酵適物の消化分解状態を確認するために利用できる。
【0043】
発酵槽110の内部を目視で確認することは困難であるが、混合部120もしくは分離装置300によれば発酵液中の適物の消化分解状態を明確に把握することができるため、原料廃棄物の供給量の制御が容易になる。混合部120に送られた分離液FLは、分離装置300で分離された固形物とともに再利用することができる。
【0044】
分離装置300で浮遊性不適物が除去された分離液FLは、別のときは、混合部120の手前のバルブV5を閉じ、貯留槽170の手前のバルブV7を開いて、貯留槽170に回収される。その後、分離液FLは、任意のタイミングで回収ルートR5または脱水ルートR6に送られる。バルブV9を閉じ、バルブV8を開き、ポンプP3の駆動力により回収ルートR5を通過させた分離液FLは発酵槽110に戻される。バルブV8を閉じ、バルブV9を開き、ポンプP3の駆動力により脱水ルートR6を通過させた分離液FLは脱水装置180に送られる。
【0045】
脱水ルートR6を通過させて分離液FLを廃棄する際には、貯留槽170内の分離液FLに凝集剤を混合し、凝集剤を含む分離液FLを脱水装置180に送り、脱水汚泥と脱水濾液に分離してから廃棄すればよい。
【0046】
混合部120は、原料廃棄物Cと発酵液Lとを混合して、原料廃棄物Cに流動性を持たせ、発酵槽110内での原料廃棄物Cの分散性を向上させるという意義を有する。混合部120における流動物の滞留時間は、0.5日より短くてもよく、例えば3時間以下もしくは2時間以下であり、0.5時間以下であってもよい。原料廃棄物Cは、混合部120で発酵液Lおよび/または分離液FLと混合攪拌され、液状もしくはスラリー状に分散させた後、気密性が保たれた発酵槽110に導入もしくは移送される。流動物中の発酵適物の加水分解および酸発酵は、メタン発酵が行われる発酵槽内で進行する。
【0047】
混合部120内の流動物Sは、第2ポンプP2の駆動力により引き抜かれる。流動物Sは、投入ルートR2を通過し、バルブV4を介して発酵槽110に戻される。投入ルートR2をバルブV4の上流側で分岐させ、分岐路を循環ルートR3と第二分岐部T2で合流させてもよい。第二分岐部T2の上流側のバルブV6を開くことで、流動物Sは循環ルートR3に合流し、上部吹出口111および/または液中吹出口112から発酵槽110に放出される。このとき、発酵液Lの発酵槽110内での循環と、流動物Sの発酵槽110への供給とが並行して行われてもよい。このような並行動作は一定期間にわたり連続的に行い得る。第二分岐部T2は第一分岐部T1よりも循環ルートの下流側に設ければよい。
【0048】
バッチ方式でメタン発酵を行う場合、流動物Sを発酵槽110に導入した後、発酵が完了するまではバルブV3を閉じてもよい。
【0049】
メタン発酵システム100は、水蒸気を発酵槽110に導入する蒸気入口を有してもよい。水蒸気は、発酵槽110の内部を、例えば50~60℃の適正温度範囲内に維持するための熱源として発酵槽110に導入される。水蒸気は、発酵液Lのアンモニア濃度もしくは有機酸濃度を制御する希釈水としても機能する。紙ごみのような固形廃棄物を用いる場合、発酵液のアンモニア濃度が上昇しにくい。よって、外部から希釈水を追加する必要はなく、発酵槽内の発酵液量は、比較的長期にわたり適正範囲内に維持される。なお、発酵槽110の内部を適正温度範囲内に維持する方法として、蒸気による加温以外の方法を用いてもよい。
【0050】
発酵槽110に送られた発酵適物は、発酵槽110内の制限されたスペースで、順次、加水分解される。発酵槽110とは別に、発酵適物の加水分解および酸発酵を進行させるための可溶化槽を設置する必要はない。上記メタン発酵装置100では、発酵適物の可溶化に必要なスペースが大幅に削減される。これに伴い、必要機器点数およびエネルギー消費量も削減される。以上により、メタン発酵システム10の構築と運営に必要なコストが削減される。
【0051】
発酵槽110内に導入される発酵適物量は、発酵槽110内の有機酸量に影響を与える。発酵槽110内の発酵適物量は、混合部120から発酵槽110に送る流動物Sの量を制御することで調整可能である。発酵槽110内の発酵液Lの有機酸濃度は、混合部120から発酵槽110に送る流動物Sの量を適正に制御することで適正範囲内に維持される。
【0052】
混合部120には、空気を内包する有機物を含む固形廃棄物が導入されるため、混合部120の内部を良好な嫌気性雰囲気に維持することは困難である。ただし、混合部120の容積を発酵槽110の容積よりも大幅に小さくすれば、混合部120に送られて空気と接触する発酵液量は制限される。混合部120の容積を発酵槽110の容積の20%以下とすれば、発酵槽110から過剰の発酵液Lが抜き取られることもなく、発酵量が減少しにくい。混合部120の容積は、例えば、発酵槽110の容積の20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
【0053】
混合部120で流動物Sを得る場合、発酵液100質量部に対して混合される原料廃棄物Cの量は、10~50質量部が好ましく、10~30質量部がより好ましい。原料廃棄物Cの性状、物性、含水率によっては流動性を増す目的で外部から水を追加する必要はない。十分な流動性を有する流動物Sを得ることで、配管の詰まりなどの様々な不具合の発生率が低減される。配管の詰まりを更に抑制するには、流速を大きくする対策を講じる他、横方向の配管勾配、-45°~+45°の勾配とすることが好ましい。加えて、配管内堆積物を保留させる任意配管(トラップ配管部)を併設することが好ましい。
【0054】
発酵槽110は、基本的にその内部が大気との接触を遮断する構造である。発酵液Lへの日光照射も抑制する必要がある。一方、発酵槽110の内部状況、すなわち発酵槽110内における浮上性ごみ(スカム(SCUM))発生状況、発酵液L中の夾雑物濃度、発酵液LのpH値などを把握する必要もある。混合部120は、このような状況把握のための発酵液Lのモニタリング部としての機能も果たす。
【0055】
図2に、分離装置300の一例である回転円板式濃縮機の構成を示す。
図3(a)には、分離装置300が具備する濾過部310と隙間自浄部320との関係を鳥瞰図として模式的に示す。隙間自浄部320は、複数の回転軸323と、回転軸323にそれぞれ固定され、その軸方向に沿って間隔を空けて配置された複数のディスク状回転体321とを具備する。
図4(b)には、濾過部310と隙間自浄部320との関係を回転軸323に沿った断面図として模式的に示す。
【0056】
濾過部310は、発酵不適物の搬送方向に沿って延出配置された複数の帯状部315により形成され、隣接する帯状部315間にはスリット状隙間312Gが形成されている。複数の帯状部315の上端面がスリット状隙間312Gとともに濾過面311Sを形成している。
図2(b)に、濾過面311Sのレベルを破線で示す。複数の回転軸323は、複数の帯状部315の下方に、それぞれ帯状部315の長手方向と交わるように軸支されている。複数のディスク状回転体321は、それぞれがスリット状隙間312G内で323回転軸の回転に伴って上下動する。
【0057】
ディスク状回転体321は、その偏心位置で回転軸323に固定されている。軸心方向で互いに隣接するディスク状回転体321は、回転軸323の回転に伴う上下動位相が一つのディスク321毎に180度異なっている。隣接する回転軸323間では、隣接するディスク状回転体321の上下動位相は同じである。回転軸323が、すべて同一方向に同速度で同期して回転するため、回転軸323が半回転する毎に、模式図内の左右に示した状態が交互に実現される。
【0058】
浮遊性不適物と分解途中の発酵適物とを分別することは一般的には困難であるが、分離装置300によれば、溶解せずに比較的大きいサイズを維持している不適物を選択的に除去することが可能である。発酵液Lは、分離装置300の濾過部310の上方から濾過面311Sの入口側端部に向けて流し込まれる。入口側端部は、隙間自浄部320の回転方向の後方端部である。比較的大きいサイズを有する浮遊性不適物は、濾過部310と隙間自浄部320との隙間を通過せず、濾過面311Sにトラップされる。トラップされた不適物は、隙間自浄部320の回転によって濾過面311Sを回転方向の前方に移動し、所定の出口に向けて搬送される。分離された不適物は残渣汚泥RCとして回収される。
【0059】
分離装置300では、隙間自浄部320が常時上下動しているため、濾過部310と隙間自浄部320との隙間が閉塞しにくい。一方、例えばメッシュタイプのスクリーンを用いると、メッシュが容易に目詰まりを起こす。
【0060】
分解途中のサイズの小さい発酵適物を含む発酵液Lは、隙間自浄部320と濾過部310との隙間を通過し、貯留槽170または混合物120に分離液FLとして回収される。
【0061】
図3に、別の分離装置300Aの一例の構成を示す。
分離装置300Aが具備する濾過部310Aは、
図2の分離装置300と概ね同じ構成であり、発酵不適物の搬送方向に沿って延出配置された複数の帯状部315Aを有し、隣接する帯状部315A間にはスリット状隙間312AGが形成されている。複数の帯状部315Aの上端面がスリット状隙間312AGとともに濾過面311ASを形成している。
【0062】
分離装置300Aが具備する隙間自浄部320Aは、回転体ではなく、概ね櫛形の形状を有する。隙間自浄部320Aは、それぞれのスリット状隙間312AGに一方向から挿入される複数の爪部321Aと、複数の爪部321Aを支持する支柱部322Aとを具備する。支柱部322Aは、発酵不適物の搬送方向に交わるように軸支されており、
図3(a)から
図3(b)の順に示されるように、搬送方向に沿って移動する。その後、
図3(c)に示されるように濾過部310Aの下方を逆方向に移動して元の位置に戻る機構を有する。この周回動作が繰り返されることで、濾過面に堆積する発酵不適物が複数の爪部321Aで掻き取られ、濾過部310Aの後方で残渣汚泥RCとして回収される。
【0063】
図4に、原料廃棄物Cを分別するための前処理装置の一例の構成を示す。前処理装置200は、外部から導入される固形廃棄物C1を移送する第1搬送装置210と、第1搬送装置210から供給される固形廃棄物C1を破砕する破砕機220と、破砕機220で破砕された破砕廃棄物C2を移送する第2搬送装置230と、分別機240とを具備する。
【0064】
第1搬送装置210は、例えば、ベルトコンベアであり、連続的に装置系内に導入される固形廃棄物C1の一定期間内の供給量を均等化して破砕機220に供給する。破砕機220は、例えば、二軸破砕機であり、加水分解に適さない大型の有機物を含む固形廃棄物を細かく破砕し、分別機240での処理に適した大きさになるように破砕前処理をする。第2搬送装置230は、例えば、ベルトコンベアであり、破砕された固形廃棄物を含む破砕廃棄物C2の一定期間内の供給量を均等化して分別機240に供給する。
【0065】
分別機240は、どのような構成でもよいが、例えば複数の孔を有するメッシュ、パンチングメタルなどの多孔シートで構成された円筒型の回転ドラムを有する。破砕廃棄物C2は、回転ドラム内に導入される。破砕廃棄物C2のうち、多孔シートの孔径よりも小さい固形物は、ドラム内を流通する風力と遠心力によりドラム外に放出される。放出された固形物は、適正な含有量の発酵適物を含む原料廃棄物Cとして回収される。布、プラスチックシートなどの軽比重物および金属などの高比重物は発酵不適物NCとして、回転ドラム内から回収される。
【0066】
上述した実施形態は本発明の一態様であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成や制御態様は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0067】
10:メタン発酵システム
100:メタン発酵装置
110:発酵槽
111:上部吹出口
112:液中吹出口
113:底部出口
114:吐出口
120:混合部
121:混合容器
122:攪拌羽
170:貯留槽
180:脱水装置
200:前処理装置
210:第1搬送装置
220:破砕機
230:第2搬送装置
240:分別機
300:分離装置
310,310A:濾過部
311S,311AS:濾過面
312G,312AG:スリット状隙間
315,315A:帯状部
320,320A:隙間自浄部
321:ディスク状回転体
321A:爪部
322A:支柱部
C1:固形廃棄物
C2:破砕廃棄物
C:原料廃棄物
NC:発酵不適物
L:発酵液
FL:分離液(濾液)
S:流動物
RC:残渣汚泥
P1~P3:第1~第3ポンプ
R11:第1引き抜きルート
R12:第2引き抜きルート
R2:投入ルート
R3:循環ルート
R5:回収ルート
R6:脱水ルート
V1~V11:バルブ
T1:第一分岐部
T2:第二分岐部