(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230410BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230410BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230410BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20230410BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20230410BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20230410BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
G09F9/30 349B
G09F9/00 366A
G09F9/30 349C
H05B33/14 A
H05B33/12 E
H05B33/04
H05B33/12 B
G02B5/20 101
G06F3/041 410
(21)【出願番号】P 2018218161
(22)【出願日】2018-11-21
【審査請求日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】10-2017-0163535
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】李 彦 周
(72)【発明者】
【氏名】丁 進 煥
(72)【発明者】
【氏名】朴 光 雨
(72)【発明者】
【氏名】李 現 範
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-016655(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0278899(US,A1)
【文献】特開2013-045100(JP,A)
【文献】特開2014-215608(JP,A)
【文献】特開2017-009625(JP,A)
【文献】特開2011-129392(JP,A)
【文献】特開2009-048835(JP,A)
【文献】特開2016-134293(JP,A)
【文献】特開2017-173492(JP,A)
【文献】特開2015-050059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09F 9/00
H10K 50/00
H05B 33/12
H05B 33/04
G02B 5/20
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示領域と前記表示領域の外側に非表示領域が定義され、前記表示領域には中心領域と前記中心領域外側の周辺領域が定義された表示パネルと、
前記表示パネル上に配置されたタッチ感知ユニットと、
前記タッチ感知ユニット上に配置され、ブラックマトリックスとカラーフィルターを含むカラーフィルター層と、を含み、
前記ブラックマトリックスは、前記中心領域に配置された第1ブラックマトリックス及び前記周辺領域に配置された第2ブラックマトリックスを含み、
前記カラーフィルターは、前記中心領域に配置された第1カラーフィルター及び前記周辺領域に配置された第2カラーフィルターを含み、
前記第1カラーフィルターは、前記第1ブラックマトリックスの上部に配置され、前記第2カラーフィルターは、前記第2ブラックマトリックスの
下部に配置され
、
前記封止層は、前記表示領域をカバーする封止有機膜を含み、
前記中心領域で前記封止有機膜は、第1厚さを有し、前記周辺領域で前記封止有機膜は、前記第1厚さより小さい第2厚さを有する表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、
ベース層と、
前記ベース層上に配置され、前記表示領域内に配置され、前記映像を表示する表示素子と、
前記表示素子を密封する封止層を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示素子は、複数に提供され、
前記カラーフィルターは、前記表示素子の各々と重畳し、前記ブラックマトリックスは、前記表示素子の間の領域に重畳する請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記封止有機膜は、アクリル系モノマーを含む請求項
1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記封止層は、前記封止有機膜を介して互いに対向する第1及び第2封止無機膜をさらに含む請求項
1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2カラーフィルターは、第3厚さを有し、
前記第2厚さ
と前記第3厚さ
との合計と
、前記第1厚さ
との差は、2μm以内である請求項
1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1ブラックマトリックスと前記ベース層との間の
距離は第1距離
であり、前記第2ブラックマトリックスと前記ベース層との間の
距離は第2距離
であり、前記第1距離と前記第2距離との差は、2μm以内
である請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1ブラックマトリックスは、前記タッチ感知ユニットの上面に接触し、前記第1カラーフィルターの下面は前記タッチ感知ユニット及び前記第1ブラックマトリックスに接触する請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2カラーフィルターは、前記タッチ感知ユニットの上面に接触し、前記第2ブラックマトリックスの下面は、前記第2カラーフィルターに接触する請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1ブラックマトリックスは、平坦面上に配置され、前記第2ブラックマトリックスの下面は
、前記第2カラーフィルターの傾いた側面に接触すると共に、湾曲
している請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1カラーフィルターの下面は、
前記タッチ感知ユニットと接触すると共に、湾曲し、前記第2カラーフィルターの下面は、平坦面上に配置され
る請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
平面上
で前記周辺領域
は、前記中心領域を囲む請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、さらに詳細には有機発光表示装置に係る。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン、携帯電話、タブレットコンピュータ、ナビゲーション、ゲーム機等のようなマルチメディア装置に使用される多様な表示装置が開発されている。表示装置は多様な表示パネル、例えば液晶表示パネル、有機発光表示パネル等を採用する。
【0003】
有機発光表示パネルで出射される光の光学特性は多様に定義されるが、典型的に、視野角輝度比及び視野角色差を含む。視野角輝度比は前面出射光の輝度に対する傾斜角出射光の輝度の比である。また、視野角の色差は視野角に応じる光路差による色差として定義されることができる。
【0004】
有機発光表示パネルは表示領域の位置によって異なる光学特性を有し、これによって表示品質が低下される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は中心領域と周辺領域で第1封止有機膜の厚さの差による表示モジュールの光学特性差を補償して表示モジュールの表示品質を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る表示装置は表示パネル、タッチ感知ユニット、及びカラーフィルター層を含むことができる。
【0007】
前記表示パネルには映像を表示する表示領域と前記表示領域の外側に非表示領域が定義されることができる。前記表示領域には中心領域と前記中心領域外側の周辺領域とが定義されることができる。
【0008】
前記タッチ感知ユニットは前記表示パネル上に配置されることができる。
【0009】
前記カラーフィルター層は前記タッチ感知ユニット上に配置され、ブラックマトリックスとカラーフィルターを含むことができる。
【0010】
前記ブラックマトリックスは前記中心領域に配置された第1ブラックマトリックス及び前記周辺領域に配置された第2ブラックマトリックスを含むことができる。
【0011】
前記カラーフィルターは前記中心領域に配置された第1カラーフィルター及び前記周辺領域に配置された第2カラーフィルターを含むことができる。
【0012】
前記第1カラーフィルターは前記第1ブラックマトリックス上部に配置され、前記第2カラーフィルターは前記第2ブラックマトリックス上部に配置されることができる。
【0013】
前記表示パネルは、ベース層、表示素子、及び封止層を含むことができる。
【0014】
前記表示素子は前記ベース層上に配置され、前記表示領域内に配置され、前記映像を表示することができる。前記封止層は前記表示素子を密封することができる。
【0015】
前記封止層は前記表示領域をカバーする封止有機膜を含むことができる。
【0016】
前記中心領域で前記封止有機膜は第1厚さを有し、前記周辺領域で前記封止有機膜は前記第1厚さより小さい第2厚さを有することができる。
【0017】
前記封止有機膜はアクリル系モノマーを含むことができる。
【0018】
前記封止層は前記封止有機膜を介して互いに対向する第1及び第2封止無機膜をさらに含むことができる。
【0019】
前記第2カラーフィルターは第3厚さを有することができる。前記第2厚さ及び前記第3厚さの合計と前記第1厚さの差は2μm以内である。
【0020】
前記第1ブラックマトリックスと前記ベース層との間の第1距離及び前記第2ブラックマトリックスと前記ベース層との間の第2距離は2μm以内の差を有することができる。
【0021】
前記第1ブラックマトリックスは前記タッチ感知ユニットの上面に接触し、前記第1カラーフィルターの下面は前記タッチ感知ユニット及び前記第1ブラックマトリックスに接触することができる。
【0022】
前記第2カラーフィルターは前記タッチ感知ユニットの上面に接触し、前記第2ブラックマトリックスの下面は前記第2カラーフィルターに接触することができる。
【0023】
前記第1ブラックマトリックスは平坦面上に配置され、前記第2ブラックマトリックスの下面は湾曲している。
【0024】
前記第1カラーフィルターの下面は湾曲し、前記第2カラーフィルターの下面は平坦面上に配置されることができる。
【0025】
平面上で前記中心領域は前記周辺領域を囲む。
【0026】
本発明の一実施形態に係る表示装置は表示パネル、タッチ感知ユニット、及びカラーフィルター層を含むことができる。
【0027】
前記表示パネルには映像を表示する表示領域と前記表示領域の外側に非表示領域が定義されることができる。前記表示領域には中心領域と前記中心領域外側の周辺領域とが定義されることができる。
【0028】
前記タッチ感知ユニットは前記表示パネル上に配置されることができる。
【0029】
前記カラーフィルター層は前記タッチ感知ユニット上に配置され、ブラックマトリックスを含むことができる。
【0030】
前記ブラックマトリックスは前記中心領域に配置された第1ブラックマトリックス及び前記周辺領域に配置された第2ブラックマトリックスを含むことができる。
【0031】
前記第1ブラックマトリックスは平坦面上に配置され、前記第2ブラックマトリックスの下面は湾曲している。
【0032】
前記第1ブラックマトリックスは前記タッチ感知ユニットの上面に接触し、前記第2ブラックマトリックスは前記タッチ感知ユニットと離隔されることができる。
【0033】
前記第1及び第2ブラックマトリックスは互いに同一な物質からなる。
【0034】
本発明の一実施形態に係る表示装置は表示パネル、タッチ感知ユニット、及びカラーフィルター層を含むことができる。
【0035】
前記表示パネルには映像を表示する表示領域と前記表示領域の外側に非表示領域が定義されることができる。前記表示領域には中心領域と前記中心領域外側の周辺領域とが定義されることができる。
【0036】
前記タッチ感知ユニットは前記表示パネル上に配置されることができる。
【0037】
前記カラーフィルター層は前記タッチ感知ユニット上に配置され、カラーフィルターを含むことができる。
【0038】
前記カラーフィルターは前記中心領域に配置された第1カラーフィルター及び前記周辺領域に配置された第2カラーフィルターを含むことができる。
【0039】
前記第1カラーフィルターの下面は湾曲し、前記第2カラーフィルターの下面は平坦面上に配置されることができる。
【0040】
前記第1カラーフィルターの下面の一部は前記タッチ感知ユニットの上面に接触し、前記第1カラーフィルターの前記下面の他の一部は前記タッチ感知ユニットの前記上面に非接触することができる。
【0041】
前記第2カラーフィルターの下面は前記タッチ感知ユニットの前記上面に接触することができる。
【0042】
前記表示パネルは、ベース層、表示素子、及び封止層を含むことができる。
【0043】
前記表示素子は前記ベース層上に配置され、前記表示領域内に配置され、前記映像を表示することができる。
【0044】
前記封止層は前記表示素子を密封し、前記表示領域をカバーする封止有機膜を含むことができる。
【0045】
前記中心領域で前記封止有機膜は第1厚さを有し、前記周辺領域で前記封止有機膜は前記第1厚さより小さい第2厚さを有することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明の実施形態で、中心領域と周辺領域で第1封止有機膜の厚さの差による表示モジュールの光学特性差を中心領域と周辺領域でブラックマトリックスとカラーフィルターとの位置を変更することによって補償することができる。したがって、表示モジュールの表示品質が向上されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の一実施形態による表示装置の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る表示モジュールの断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る表示パネルの平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による画素の等価回路図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る表示パネルの拡大された断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る表示モジュールを示した平面図である。
【
図7】
図6のI-I’線に沿って切断した断面図である。
【
図8】
図6の中心領域に該当する表示モジュールの断面図である。
【
図9】
図6の周辺領域に該当する表示モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本明細書で、ある構成要素(又は領域、層、部分等)が他の構成要素“上にある”、“連結される”、又は“結合される”と言及される場合に、それは他の構成要素上に直接連結/結合されることができるか、或いはこれらの間に第3の構成要素が配置されることもできることを意味する。
【0049】
同一の図面符号は同一の構成要素を称する。また、図面において、構成要素の厚さ、比率、及び寸法は技術的内容の効果的な説明のために誇張されたものである。“及び/又は”は関連する構成が定義できる1つ以上の組合を全て含む。
【0050】
第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱せず、第1構成要素は第2構成要素と称され、同様に第2構成要素も第1構成要素と称されることができる。単数の表現は文脈上、明確に異なる表現にしない限り、複数の表現を含む。
【0051】
また、“下に”、“下側に”、“上に”、“上側に”等の用語は図面に図示された構成の連関関係を説明するために使用される。前記用語は相対的な概念として図面に表示された方向を基準に説明される。
【0052】
“含む”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組合したことが存在することを表現しようするものであり、1つ又はその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品、又はこれらを組合したものの存在又は付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0053】
図1は本発明の一実施形態に係る表示装置1000の斜視図であり、
図2は
図1の表示モジュールDMの断面図である。
【0054】
本実施形態に係る表示装置1000はテレビジョン、モニター等のような大型電子装置を始めとして、携帯電話、タブレット、自動車ナビゲーション、ゲーム機、スマートウォッチ等のような中小型電子装置等に適用されることができる。
【0055】
図1を参照すれば、表示装置1000は表示モジュールDM、ウインドー部材WM、及びハウジング部材HMを含む。
【0056】
表示モジュールDMの画像IMが表示される表示面ISは第1方向軸DR1及び第2方向軸DR2が定義する面と平行になる。表示面ISの法線方向、即ち表示モジュールDMの厚さ方向は第3方向軸DR3が指示する。各部材の前面(又は上面)と背面(又は下面)は第3方向軸DR3によって区分される。しかし、第1乃至第3方向軸(DR1、DR2、DR3)が指示する方向は相対的な概念として他の方向に変換されることができる。以下、第1乃至第3方向は第1乃至第3方向軸(DR1、DR2、DR3)が指示する方向に同一な図面符号を参照する。
【0057】
表示モジュールDMはフラットなリジッド(rigid)表示モジュールである。しかし、これに制限されることなく、本発明による表示モジュールDMはフレキシブル表示モジュールであってもよい。
【0058】
図1に図示されたように、表示モジュールDMは画像IMが表示される表示領域DM-DA及び表示領域DM-DAに隣接する非表示領域DM-NDAを含む。非表示領域DM-NDAは画像が表示されない領域である。
図1には画像IMの一例として花瓶を図示した。一例として、表示領域DM-DAは四角の形状である。非表示領域DM-NDAは表示領域DM-DAを囲む。但し、これに制限されることなく、表示領域DM-DAの形状と非表示領域DM-NDAの形状とは相対的にデザインされてもよい。
【0059】
ウインドー部材WMは表示モジュールDM上に配置される。ウインドー部材WMは表示モジュールDMを保護する。ウインドー部材WMはハウジング部材HMと結合されて内部空間を形成する。ウインドー部材WMとハウジング部材HMとは表示装置1000の外観を定義する。
【0060】
ウインドー部材WMは平面上で透過領域TA及びベゼル領域BAに区分される。透過領域TAは入射される光を大部分透過させる領域である。透過領域TAは光学的に透明性を有する。透過領域TAは約90%以上の光透過率を有する。透過領域TAは表示モジュールDMの表示領域DM-DAに対応する。
【0061】
ベゼル領域BAは入射される光を大部分遮光させる領域である。ベゼル領域BAはウインドー部材WMの下部に配置される構成が外部から視認されないようにする。また、ベゼル領域BAはウインドー部材WMの外部で入射される光の反射を低減させる。ベゼル領域BAは表示モジュールDMの非表示領域DM-NDAに対応する。
【0062】
ベゼル領域BAは透過領域TAに隣接する。透過領域TAの平面上での形状はベゼル領域BAによって定義される。
【0063】
ハウジング部材HMは所定の内部空間を提供する。表示モジュールDMは内部空間に収容される。ハウジング部材HMの内部空間には表示モジュールDM以外に多様な電子部品、例えば電源供給部、格納装置、音響入出力モジュール、カメラ等が実装される。
【0064】
図2は本発明の一実施形態に係る表示モジュールDMの断面図である。
図2は第1方向軸DR1と第3方向軸DR3とが定義する断面を図示した。
【0065】
図2に図示されたように、表示モジュールDMは表示パネルDP、タッチ感知ユニット(TS、又はタッチ感知層)、及びカラーフィルター層CFLを含む。別途図示しなかったが、本発明の一実施形態に係る表示モジュールDMは表示パネルDPの下面に配置された保護部材をさらに含むことができる。
【0066】
表示パネルDPは発光形表示パネルであり、特別に制限されない。例えば、表示パネルDPは有機発光表示パネル又はカンタムドット発光表示パネル(quantum-dot light-emitting display panel)である。有機発光表示パネルは発光層が有機発光物質を含む。カンタムドット発光表示パネルの発光層はカンタムドット、又はカンタムロードを含む。以下、表示パネルDPは有機発光表示パネルとして説明される。
【0067】
表示パネルDPはベース層SUB、ベース層SUB上に配置された回路素子層DP-CL、表示素子層DP-OLED、及び封止層TFEを含む。別に図示せずが、表示パネルDPは屈折率調節層等のような機能性層をさらに含むことができる。
【0068】
ベース層SUBは少なくとも1つのプラスチックフィルムを含む。ベース層SUBはフレキシブルな基板にプラスチック基板、ガラス基板、メタル基板、又は有/無機複合材料基板等を含む。
図1を参照して説明した表示領域DM-DAと非表示領域DM-NDAはベース層SUBに同様に定義される。
【0069】
回路素子層DP-CLは少なくとも1つの中間絶縁層と回路素子とを含む。中間絶縁層は少なくとも1つの中間無機膜と少なくとも1つの中間有機膜とを含む。前記回路素子は信号ライン、画素の駆動回路等を含む。これに対する詳細な説明は後述する。
【0070】
表示素子層DP-OLEDは少なくとも有機発光ダイオードを含む。表示素子層DP-OLEDは画素定義膜のような有機膜をさらに含む。
【0071】
封止層TFEは表示素子層DP-OLEDを密封する。封止層TFEは少なくとも1つの無機膜(以下、封止無機膜)を含む。封止層TFEは少なくとも1つの有機膜(以下、封止有機膜)をさらに含む。封止無機膜は水分/酸素から表示素子層DP-OLEDを保護し、封止有機膜はほこり粒子のような異物質から表示素子層DP-OLEDを保護する。封止無機膜はシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層及びシリコン酸化物層、チタニウムオキサイド層、又はアルミニウムオキサイド層等を含む。封止有機膜はアクリル系列有機層を含み、これに制限されない。
【0072】
タッチ感知ユニットTSは外部入力の座標情報を獲得する。タッチ感知ユニットTSは有機発光封止層TFE上に直接配置される。本明細書で、“直接配置される”ということは別の接着層を利用して付着することを除外し、連続工程によって形成されたことを意味する。但し、これに制限されることはなく、タッチ感知ユニットTSは封止層TFE上に接着層を利用して付着されることができる。タッチ感知ユニットTSは多層構造を有する。タッチ感知ユニットTSは単層又は多層の導電層を含む。タッチ感知ユニットTSは単層又は多層の絶縁層を含む。タッチ感知ユニットTSは、例えば靜電容量方式に外部入力を感知する。本発明でタッチ感知ユニットTSの動作方式は特別に制限されなく、本発明の一実施形態でタッチ感知ユニットTSは電磁気誘導方式又は圧力感知方式に外部入力を感知してもよい。
【0073】
カラーフィルター層CFLはタッチ感知ユニットTS上に配置される。カラーフィルター層CFLは表示素子層DP-OLEDで生成された光を透過させることだけでなく、外部光の反射率を減少させる。また、外部光はカラーフィルター層CFLを通過することに応じて光量が減少される。
【0074】
カラーフィルター層CFLはカラーフィルターとブラックマトリックスとを含む。カラーフィルター層CFLの積層構造は表示モジュールDMの領域によって異なる。具体的な内容は後述される。
【0075】
図3は本発明の一実施形態に係る表示パネルDPの平面図である。
図4は本発明の一実施形態による画素PXの等価回路図である。
図5は本発明の一実施形態に係る表示パネルDPの拡大された断面図である。
【0076】
図3に図示されたように、表示パネルDPは平面上で表示領域DAと非表示領域NDAを含む。本実施形態で非表示領域NDAは表示領域DAの枠に沿って定義される。表示パネルDPの表示領域DA及び非表示領域NDAは
図1に図示された表示モジュールDMの表示領域DM-DA及び非表示領域DM-NDAに各々対応する。表示パネルDPの表示領域DA及び非表示領域NDAは表示モジュールDMの表示領域DM-DA及び非表示領域DM-NDAと必ず同一である必要はなく、表示パネルDPの構造/デザインによって変更されることができる。表示パネルDPは複数の画素PXを含む。複数の画素PXは表示領域DA内に配置される。画素PXの各々は有機発光ダイオードとそれに連結された画素駆動回路とを含む。
【0077】
表示パネルDPは複数の信号ラインとパッド部PDとを含む。複数の信号ラインはゲートラインGL、データラインDL、発光ラインEL、制御信号ラインSL-D、初期化電圧ラインSL-Vint、電圧ラインSL-VDD、及び電源供給ラインE-VSSを含む。複数の信号ラインとパッド部PDとは
図2に図示された回路素子層DP-CLに含まれる。
【0078】
ゲートラインGL、データラインDL、発光ラインEL、制御信号ラインSL-D、初期化電圧ラインSL-Vint、電圧ラインSL-VDD、及び電源供給ラインE-VSSの中で一部は同一な層に配置され、一部は他の層に配置される。
【0079】
ゲートラインGLは複数の画素PXの中で対応する画素PXに各々連結され、データラインDLは複数の画素PXの中で対応する画素PXに各々連結される。発光ラインELの各々はゲートラインGLの中で対応するゲートラインGLに並べに配列される。制御信号ラインSL-Dはゲート駆動回路GDCに制御信号を提供する。初期化電圧ラインSL-Vintは複数の画素PXに初期化電圧を提供する。電圧ラインSL-VDDは複数の画素PXに連結され、複数の画素PXに第1電圧を提供する。電圧ラインSL-VDDは第1方向DR1に延長する複数のライン及び第2方向DR2に延長する複数のラインを含む。電源供給ラインE-VSSは非表示領域NDAには表示領域DAの3つの側面を囲み、配置される。電源供給ラインE-VSSは複数の画素PXに共通電圧(例えば、第2電圧)を提供する。共通電圧は前記第1電圧より低いレベルの電圧である。
【0080】
表示パネルDPはゲート駆動回路GDCをさらに含む。ゲート駆動回路GDCは非表示領域NDAの一側に配置され、ゲートラインGL及び発光ラインELに連結される。ゲート駆動回路GDCは
図2に図示された回路素子層DP-CLに含まれる。ゲート駆動回路GDCは画素PXの駆動回路と同一な工程、例えばLTPS(Low Temperature Polycrystalline Silicon)工程又はLTPO(Low Temperature Polycrystalline Oxide)工程を通じて形成された複数の薄膜トランジスタを含む。
【0081】
パッド部PDは複数のパッドを含む。パッド部PDの一部はデータラインDL、制御信号ラインSL-D、初期化電圧ラインSL-Vint、及び電圧ラインSL-VDDの末端に連結される。パッド部PDの他の一部はタッチ感知ユニットTSのタッチ信号ラインと連結される。
【0082】
図示しないが、表示パネルDPは表示領域DAとパッド部PDとの間に配置されたバンク(図示せず)をさらに含むことができる。また、表示パネルDPは表示領域DAの枠を囲むダム部(図示せず)をさらに含むことができる。バンクとダム部は表示パネルDPを形成する時、特定な層を印刷して形成する際に、特定な層がバンク又はダム部の外部へ溢れることを防止することができる。
【0083】
図4にはいずれか1つのゲートラインGLといずれか1つのデータラインDL、及び電源ラインPLに連結された画素PXとを例示的に図示した。画素PXの構成はこれに制限されず、変形されて実施されることができる。
【0084】
有機発光ダイオードOLEDは前面発光形ダイオードであるか、或いは背面発光形ダイオードである。画素PXは有機発光ダイオードOLEDを駆動するための画素駆動回路として第1トランジスタTR1(又はスイッチングトランジスタ)、第2トランジスタTR2(又は駆動トランジスタ)、及びキャパシターCstを含む。第1電源電圧ELVDDは第2トランジスタTR2に提供され、第2電源電圧ELVSSは有機発光ダイオードOLEDに提供される。第2電源電圧ELVSSは第1電源電圧ELVDDより低い電圧である。
【0085】
第1トランジスタTR1は走査ラインGLに印加された走査信号に応答してデータラインDLに印加されたデータ信号を出力する。キャパシターCstは第1トランジスタTR1から受信したデータ信号に対応する電圧を充電する。
【0086】
第2トランジスタTR2は有機発光ダイオードOLEDに連結される。第2トランジスタTR2はキャパシターCstに格納された電荷量に対応して有機発光ダイオードOLEDに流れる駆動電流を制御する。有機発光ダイオードOLEDは第2トランジスタTR2のターンオン区間の間に発光する。
【0087】
図5は
図4に図示された等価回路に対応する表示パネルDPの部分断面を図示した。ベース層SUB上に回路素子層DP-CL、表示素子層DP-OLED、及び封止層TFEが順次的に配置される。
【0088】
回路素子層DP-CLは少なくとも1つの無機膜、少なくとも1つの有機膜、及び回路素子を含む。回路素子層DP-CLは無機膜であるバッファ膜BFL、第1中間無機膜10、及び第2中間無機膜20を含み、有機膜である中間有機膜30を含む。
【0089】
無機膜はシリコンナイトライド、シリコンオキシナイトライド、及びシリコン酸化物等を含む。有機膜はアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリイソプレン、ビニール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、シロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びペリレン系樹脂の中で少なくともいずれか1つを含む。回路素子は導電性パターン及び/又は半導体パターンを含む。
【0090】
バッファ膜BFLはベース層SUBと導電性パターン又は半導体パターンとの結合力を向上させる。別に図示せずが、異物質が流れ込まれることを防止するバリアー層がベース層SUBの上面にさらに配置されてもよい。バッファ膜BFLとバリアー層とは選択的に配置/省略されることができる。
【0091】
バッファ膜BFL上に第1トランジスタTR1の半導体パターンOSP1(以下、第1半導体パターン)、第2トランジスタTR2の半導体パターンOSP2(以下、第2半導体パターン)が配置される。第1半導体パターンOSP1及び第2半導体パターンOSP2はアモルファスシリコン、ポリシリコン、金属酸化物半導体から選択されることができる。
【0092】
第1半導体パターンOSP1及び第2半導体パターンOSP2上に第1中間無機膜10が配置される。第1中間無機膜10上に第1トランジスタTR1の制御電極GE1(以下、第1制御電極)及び第2トランジスタTR2の制御電極GE2(以下、第2制御電極)が配置される。第1制御電極GE1及び第2制御電極GE2はゲートラインGLと同一なフォトリソグラフィー工程によって製造される。
【0093】
第1中間無機膜10の上には第1制御電極GE1及び第2制御電極GE2をカバーする第2中間無機膜20が配置される。第2中間無機膜20上に第1トランジスタTR1の入力電極DE1(以下、第1入力電極)及び出力電極SE1(第1出力電極)、第2トランジスタTR2の入力電極DE2(以下、第2入力電極)及び出力電極SE2(第2出力電極)が配置される。
【0094】
第1入力電極DE1と第1出力電極SE1とは第1中間無機膜10及び第2中間無機膜20を貫通する第1貫通ホールCH1と第2貫通ホールCH2を通じて第1半導体パターンOSP1に各々連結される。第2入力電極DE2と第2出力電極SE2とは第1中間無機膜10及び第2中間無機膜20を貫通する第3貫通ホールCH3と第4貫通ホールCH4を通じて第2半導体パターンOSP2に各々連結される。一方、本発明の他の実施形態で第1トランジスタTR1と第2トランジスタTR2とはボトムゲート構造に変形されて実施されることができる。第2中間無機膜20上に第1入力電極DE1、第2入力電極DE2、第1出力電極SE1、及び第2出力電極SE2をカバーする中間有機膜30が配置される。中間有機膜30は平坦面を提供する。
【0095】
中間有機膜30の上には表示素子層DP-OLEDが配置される。表示素子層DP-OLEDは画素定義膜PDL及び有機発光ダイオードOLEDを含む。画素定義膜PDLは中間有機膜30のように有機物質を含む。中間有機膜30上に第1電極AEが配置される。第1電極AEは中間有機膜30を貫通する第5貫通ホールCH5を通じて第2出力電極SE2に連結される。画素定義膜PDLには開口部OPが定義される。画素定義膜PDLの開口部OPは第1電極AEの少なくとも一部分を露出させる。
【0096】
画素PXは平面上で画素領域に配置される。画素領域は発光領域PXAと発光領域PXAに隣接する非発光領域NPXAとを含む。非発光領域NPXAは発光領域PXAを囲む。本実施形態で発光領域PXAは開口部OPによって露出された第1電極AEの一部領域に対応するように定義される。
【0097】
正孔制御層HCLは発光領域PXAと非発光領域NPXAとに共通に配置される。別に図示されなかったが、正孔制御層HCLのような共通層は複数の画素PX(
図3参照)に共通に形成される。
【0098】
正孔制御層HCL上に発光層EMLが配置される。発光層EMLは開口部OPに対応する領域に配置される。即ち、発光層EMLは複数の画素PXの各々に分離されて形成される。発光層EMLは有機物質及び/又は無機物質を含む。本実施形態でパターニングされた発光層EMLを例示的に図示したが、発光層EMLは複数の画素PXに共通的に配置されることができる。この時、発光層EMLは赤色、緑色、青色、又は白色光を生成することができ、生成する光の色に制限はない。また、発光層EMLは多層構造を有する。
【0099】
発光層EML上に電子制御層ECLが配置される。別途図示されなかったが、電子制御層ECLは複数の画素PX(
図3参照)に共通に形成されることができる。
【0100】
電子制御層ECL上に第2電極CEが配置される。第2電極CEは複数の画素PXに共通的に配置される。
【0101】
第2電極CE上に封止層TFEが配置される。封止層TFEは複数の画素PXに共通的に配置される。本実施形態で封止層TFEは第2電極CEを直接カバーする。
【0102】
封止層TFEは少なくとも1つの封止無機膜及び少なくとも1つの封止有機膜を含む。封止無機膜と封止有機膜とは交互に積層される。
【0103】
本発明の実施形態で、封止層TFEは第1及び第2封止無機膜IOL1、IOL2及び第1封止有機膜OL1を含むことを例示的に図示した。
【0104】
第1封止無機膜IOL1、第1封止有機膜OL1、及び第2封止無機膜IOL2は第2電極CE上に順次的に積層される。
【0105】
第1封止有機膜OL1はインクジェット印刷方式を利用して形成されるか、或いはアクリル系モノマーを含む組成物をコーティングして形成される。第1及び第2封止無機膜IOL1、IOL2は互いに同一な無機物を有し、互いに異なる無機物を有する。第1及び第2封止無機膜IOL1、IOL2を構成する物質は特別に制限されなく、シリコンナイトライド、シリコンオキシナイトライド、及びシリコン酸化物等を含む。
【0106】
本発明の一実施形態で、封止層TFEと第2電極CEとの間には、第2電極CEをカバーするキャッピング層がさらに配置されることができる。この時、封止層TFEはキャッピング層を直接カバーする。
【0107】
図6は本発明の実施形態に係る表示モジュールを示した平面図であり、
図7は
図6のI-I’線に沿って切断した断面図である。
【0108】
図6及び
図7を参照すれば、表示モジュールDMには表示領域DM-DA及び非表示領域DM-NDAが定義される。表示領域DM-DA及び非表示領域DM-NDAに対する具体的な説明は
図1を参照して説明したので、省略する。
【0109】
表示領域DM-DAには中心領域CTA及び周辺領域PRAが定義される。周辺領域PRAは中心領域CTAの外側に定義される。本発明の実施形態で、平面上で周辺領域PRAは中心領域CTAを囲む領域であることと図示された。但し、これに制限されることではなく、他の実施形態で周辺領域PRAは中心領域CTAを囲まなく、中心領域CTAの外側に定義されてもよい。
【0110】
封止層TFEの第1及び第2封止無機膜IOL1、IOL2及び第1封止有機膜OL1は表示領域DM-DAをカバーするように配置される。
【0111】
第1封止有機膜OL1を形成する過程で、有機物のリフロー(reflow)現象によって周辺領域PRAに有機物が流れ下ることができる。中心領域CTAで第1封止有機膜OL1の厚さは周辺領域PRAで第1封止有機膜OL1の厚さより大きい。
【0112】
カラーフィルター層CFLは外部光反射を防止する偏光フィルム及びλ/4波長フィルムのような光学フィルムを代替することができる。
【0113】
カラーフィルター層CFLはブラックマトリックスBM、カラーフィルターCF、及び平坦層OCを含む。
図7でのブラックマトリックスBMとカラーフィルターCFとはそれらの位置関係を説明するための図面である。したがって、ブラックマトリックスBMとカラーフィルターCFとが中心領域CTA及び周辺領域PRAを全面的にカバーするように配置されることではない。ブラックマトリックスBMとカラーフィルターCFとの具体的な形状は
図8及び
図9を参照して後述する。
【0114】
ブラックマトリックスBMは第1ブラックマトリックスBM1及び第2ブラックマトリックスBM2を含む。
【0115】
第1ブラックマトリックスBM1は中心領域CTAに配置され、第2ブラックマトリックスBM2は周辺領域PRAに配置される。第1及び第2ブラックマトリックスBM1、BM2は有機物質をベース物質として含む。第1及び第2ブラックマトリックスBM1、BM2は黒色顔料又は黒色染料を含む。第1及び第2ブラックマトリックスBM1、BM2を構成する物質は特に制限されない。第1及び第2ブラックマトリックスBM1、BM2は互いに同一な物質からなる。
【0116】
カラーフィルターCFは第1カラーフィルターCF1及び第2カラーフィルターCF2を含む。
【0117】
第1カラーフィルターCF1は中心領域CTAに配置され、第2カラーフィルターCF2は周辺領域PRAに配置される。第1及び第2カラーフィルターCF1、CF2は染料又は顔料を含む有機物パターンである。第1及び第2カラーフィルターCF1、CF2の各々はレッドカラーフィルター、グリーンカラーフィルター、及びブルーカラーフィルターを含む。
【0118】
本発明の実施形態で、第1カラーフィルターCF1は第1ブラックマトリックスBM1上に配置され、第2カラーフィルターCF2は第2ブラックマトリックスBM2の下部に配置される。
【0119】
視野角輝度比は前面(0°)出射光の輝度に対する傾斜角(45°)出射光の輝度として定義される。また、視野角の色差は視野角に応じる光路差による色差として定義される。視野角輝度比は低いほど、光学特性が良好であり、視野角色差は高いほど、光学特性が良好である。
【0120】
中心領域CTAと周辺領域PRAで第1封止有機膜OL1の厚さの差によって表示モジュールDMの中心領域CTAと周辺領域PRAで光学特性差を有する。第1封止有機膜OL1の厚さが薄い周辺領域PRAで光学特性が相対的に優れており、第1封止有機膜OL1の厚さが厚い中心領域CTAで光学特性が相対的に優れていない。
【0121】
また、表示モジュールDMで出射される光の光学特性はブラックマトリックスBMと有機発光ダイオードOLEDとの間の距離によって異なる。ブラックマトリックスBMと有機発光ダイオードOLEDとの間の距離が小さいほど、光学特性が相対的に優れており、ブラックマトリックスBMと有機発光ダイオードOLEDとの間の距離が大きいほど、光学特性が相対的に優れていない。
【0122】
本発明の実施形態で、中心領域CTAと周辺領域PRAで第1封止有機膜OL1の厚さの差による表示モジュールDMの光学特性差を中心領域CTAと周辺領域PRAでブラックマトリックスBMとカラーフィルターCFの位置を変更することによって補償することができる。したがって、表示モジュールDMの品質が向上されることができる。具体的に、中心領域CTAで第1封止有機膜OL1の厚さは周辺領域PRAで第1封止有機膜OL1の厚さより相対的に大きいので、第1ブラックマトリックスBM1を第1カラーフィルターCF1の下部に配置して第1ブラックマトリックスBM1と有機発光ダイオードOLEDとの間の距離を相対的に減少させる。また、周辺領域PRAで第1封止有機膜OL1の厚さは中心領域CRAで第1封止有機膜OL1の厚さより相対的に小さいので、第2ブラックマトリックスBM2を第2カラーフィルターCF2の上部に配置して第2ブラックマトリックスBM2と有機発光ダイオードとの間の距離を相対的に増加させる。したがって、本発明の実施形態に係る表示装置によれば、中心領域CTAと周辺領域PRAで表示モジュールDMの光学特性が均一になることができる。
図8は
図6の中心領域に該当する表示モジュールの断面図であり、
図9は
図6の周辺領域に該当する表示モジュールの断面図である。
【0123】
第1及び第2ブラックマトリックスBM1、BM2は
図5を参照して説明した非発光領域NPXAに重畳するように配置される。第1及び第2カラーフィルターCF1、CF2は
図5を参照して説明した発光領域PXAに重畳するように配置される。
【0124】
図8及び
図9を参照すれば、第1封止有機膜OL1は中心領域CTAで第1厚さT1を有し、第1封止有機膜OL1は周辺領域PRAで第1厚さT1より小さい第2厚さT2を有する。周辺領域PRAで第1封止有機膜OL1の厚さは一定な値ではなく、位置によって異なるが、周辺領域PRAで第1封止有機膜OL1の平均厚さは第2厚さT2である。
【0125】
中心領域CTAで第1ブラックマトリックスBM1はタッチ感知ユニットTS上に配置される。タッチ感知ユニットTSの上面は平坦である。第1ブラックマトリックスBM1はタッチ感知ユニットTSの上面上に配置されるので、平坦面上に配置される。第1ブラックマトリックスBM1はタッチ感知ユニットTSの上面に接触する。第1カラーフィルターCF1は第1ブラックマトリックスBM1上に接触する。第1カラーフィルターCF1の下面はタッチ感知ユニットTSと第1ブラックマトリックスBM1に接触する。第1カラーフィルターCF1の下面の一部はタッチ感知ユニットTSと接触し、他の一部はタッチ感知ユニットTSと接触しなくともよい。第1カラーフィルターCF1の下面はタッチ感知ユニットTSと第1ブラックマトリックスBM1とに接触するので、湾曲している。周辺領域PRAで第2カラーフィルターCF2はタッチ感知ユニットTS上に配置される。第2カラーフィルターCF2はタッチ感知ユニットTS上に配置されるので、平坦面上に配置される。第2カラーフィルターCF2はタッチ感知ユニットTSの上面に接触する。第2ブラックマトリックスBM2はタッチ感知ユニットTSと離隔される。第2ブラックマトリックスBM2は第2カラーフィルターCF2上に接触する。第2ブラックマトリックスBM2は互いに隣接する第2カラーフィルターCF2の間に配置されて、互いに隣接する第2カラーフィルターCF2に接触する。第2カラーフィルターCF2は有機物質を含んで傾いた側面を有する。第2ブラックマトリックスBM2の下面は第2カラーフィルターCF2の傾いた側面に接触、湾曲している。
【0126】
第1ブラックマトリックスBM1とベース層SUBとは第1距離T3離隔され、第2ブラックマトリックスBM2とベース層SUBは第2距離T4離隔される。第1距離T3と第2距離T4との差は2μm以内である。また、第2カラーフィルターCF2は第3厚さT5を有する。周辺領域PRAで第1封止有機膜OL1の厚さである第2厚さT2と第3厚さT5の合計と中心領域CTAで第1封止有機膜OL1の厚さである第1厚さT1の差は2μm以内である。
【0127】
表1は比較例で第1封止有機膜の厚さに応じる視野角輝度比を測定した結果の値である。
【0128】
【0129】
表1を参照すれば、比較例1はブラックマトリックスがカラーフィルターの上部に配置された構造であり、比較例2はカラーフィルターがブラックマトリックスの上部に配置された構造である。
【0130】
比較例1で第1封止有機膜の厚さが8μmである時、前面出射光に対する45°出射光の視野角輝度比は18.04であり、比較例2で第1封止有機膜の厚さが4μmである時、前面出射光に対する45°出射光の視野角輝度比は19.78であるので、約10%以内の類似な視野角輝度比を有する。また、比較例1で第1封止有機膜の厚さが8μmである時、正面出射光に対する60°出射光の視野角輝度比は7.71であり、比較例2で第1封止有機膜の厚さが4μmである時、正面出射光に対する60°出射光の視野角輝度比は8.94であるので、類似な視野角輝度比を有する。
【0131】
本発明の実施形態に係る表示装置によれば、中心領域CTAと周辺領域PRAで第1封止有機膜OL1の厚さの差による表示モジュールDMの光学特性差を中心領域CTAと周辺領域PRAでブラックマトリックスBMとカラーフィルターCFの位置を変更することによって補償することができる。
【0132】
以上では本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者又は該当技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述される特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることを理解できる。
【0133】
したがって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されることではなく、特許請求の範囲によって定まれなければならない。
【符号の説明】
【0134】
SUB ベース層
DP-CL 回路素子層
DP-OLED 表示素子層
TFE 封止層
CFL カラーフィルター層
BM ブラックマトリックス
CF カラーフィルター
DP 表示パネル
DM 表示モジュール
1000 表示装置