(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】監視装置及び監視方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20230410BHJP
H04N 5/915 20060101ALI20230410BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20230410BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230410BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 K
H04N5/915
H04N5/77
G08B25/00 510M
G08B23/00 510
(21)【出願番号】P 2019014719
(22)【出願日】2019-01-30
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】冨永 秀人
(72)【発明者】
【氏名】西村 岳
(72)【発明者】
【氏名】三浦 啓輔
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-234561(JP,A)
【文献】特開2008-306604(JP,A)
【文献】特開2014-153813(JP,A)
【文献】特開2012-084077(JP,A)
【文献】特開2000-224457(JP,A)
【文献】特開2003-143594(JP,A)
【文献】特開2003-240613(JP,A)
【文献】特開平11-346357(JP,A)
【文献】特開2014-033429(JP,A)
【文献】特開2010-161651(JP,A)
【文献】特開2013-211821(JP,A)
【文献】特開2016-018571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 5/91-5/95
H04N 5/77
G08B 25/00
G08B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置により撮像される監視エリアの撮像画像を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記撮像画像の変化と、前記撮像画像が変化した時刻である変化時刻とを検出する検出処理部と、
前記監視エリアに含まれる複数の検出エリアのうち、前記検出処理部により検出される前記撮像画像の変化に対応する検出エリアである第1検出エリアを特定する特定処理部と、
前記特定処理部により特定される前記第1検出エリアを識別可能な識別情報と、前記検出処理部により検出される前記変化時刻とを表示部に表示させる表示処理部と、
を備え、
前記複数の検出エリアのそれぞれには、互いに異なる色情報が関連付けられており、
前記表示処理部は、前記特定処理部により検出エリアが互いに異なる複数の前記第1検出エリアが特定された場合に、前記撮像画像の変化の状態を表す1つのインジケーターを前記表示部に表示させるとともに、前記インジケーターにおいて、複数の前記第1検出エリアのそれぞれに対応する前記変化時刻を、複数の前記第1検出エリアのそれぞれに関連付けられた複数の前記色情報の色で表示させる、監視装置。
【請求項2】
前
記インジケータ
ーは、時間に応じた長さを有する
1つのタイムバーで構成されており、
前記表示処理部は、
前記タイムバーにおいて、前記撮像画像の変化が検出された時刻から検出されなくなった時刻までの変化時間
を、前記色情報の色
で表示させる、
請求項
1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記特定処理部により複数の前記第1検出エリアが特定された場合に、前記表示処理部は、前
記タイムバ
ーにおいて、互いに異なる前記色を前記変化時間に応じた長さで表示させる、
請求項
2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記表示処理部は、複数の前記第1検出エリアのそれぞれに対応する前記変化時間が互いに重なる場合に、前記タイムバーにおいて、重なる時間帯を複数の前記第1検出エリアのそれぞれに関連付けられた前記色情報の色とは異なる色で表示させる、
請求項2又は3に記載の監視装置。
【請求項5】
前記表示処理部は、複数の前記第1検出エリアのそれぞれに対応する前記変化時間が互いに重なる場合に、前記タイムバーにおいて、重なる時間帯を含む複数の前記変化時間を時間軸方向とは異なる方向に併記して表示させる、
請求項2又は3に記載の監視装置。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記取得処理部により取得される前記監視エリア全体の前記撮像画像、又は、前記撮像画像のうち前記特定処理部により特定される
複数の前記第1検出エリア
のそれぞれの撮像画像である
複数の第1エリア画像を前記表示部に表示させる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項7】
前記表示処理部は、前記監視エリア全体の前記撮像画像において
、複数の
前記第1検出エリアのそれぞれを識別するためのエリア情報を表示させる、
請求項6に記載の監視装置。
【請求項8】
前記取得処理部により取得される前記撮像画像を記憶部に記録する記録処理部をさらに備え、
前記記録処理部は、前記検出処理部により前記撮像画像の変化が検出された場合に、前記撮像画像を前記記憶部に記録する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項9】
前記記録処理部により記録された前記撮像画像を再生する再生処理部をさらに備え、
前記再生処理部は、前記複数の検出エリアのうちユーザーにより選択された前記検出エリアに対応する前記撮像画像を再生する、
請求項8に記載の監視装置。
【請求項10】
1つの前記撮像装置を備え、
前記撮像装置は、前記監視エリア全体を撮像可能に構成されている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項11】
撮像装置により撮像される監視エリアの撮像画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得される前記撮像画像の変化と、前記撮像画像が変化した時刻である変化時刻とを検出する検出ステップと、
前記監視エリアに含まれる複数の検出エリアのうち、前記検出ステップにより検出される前記撮像画像の変化に対応する検出エリアである第1検出エリアを特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定される前記第1検出エリアを識別可能な識別情報と、前記検出ステップにより検出される前記変化時刻とを表示部に表示させる表示ステップと、
を一又は複数のプロセッサー
が実行
し、
前記複数の検出エリアのそれぞれには、互いに異なる色情報が関連付けられており、
前記表示ステップにおいて、前記特定ステップにより検出エリアが互いに異なる複数の前記第1検出エリアが特定された場合に、前記撮像画像の変化の状態を表す1つのインジケーターを前記表示部に表示させるとともに、前記インジケーターにおいて、複数の前記第1検出エリアのそれぞれに対応する前記変化時刻を、複数の前記第1検出エリアのそれぞれに関連付けられた複数の前記色情報の色で表示させる、監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
監視エリアをカメラで撮像し、撮像画像を解析して管理エリア内の被写体の動きを検出する監視装置が知られている。例えば特許文献1には、撮影部によって撮影される撮影範囲の一部領域において被写体の変位を検出した場合に外部に通報する監視装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、被写体の動きを検出した場合に外部に通報する構成であるため、監視エリアのうち被写体の動きが検出された場所及び時刻を視覚的に把握することは困難である。
【0005】
本発明の目的は、監視エリアのうち検出対象の動きが検出された場所及び時刻を視覚的に把握することが可能な監視装置及び監視方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る監視装置は、撮像装置により撮像される監視エリアの撮像画像を取得する取得処理部と、前記取得処理部により取得される前記撮像画像の変化と、前記撮像画像が変化した時刻である変化時刻とを検出する検出処理部と、前記監視エリアに含まれる複数の検出エリアのうち、前記検出処理部により検出される前記撮像画像の変化に対応する検出エリアである第1検出エリアを特定する特定処理部と、前記特定処理部により特定される前記第1検出エリアを識別可能な識別情報と、前記検出処理部により検出される前記変化時刻とを表示部に表示させる表示処理部と、を備える。
【0007】
本発明の他の局面に係る監視方法は、撮像装置により撮像される監視エリアの撮像画像を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得される前記撮像画像の変化と、前記撮像画像が変化した時刻である変化時刻とを検出する検出ステップと、前記監視エリアに含まれる複数の検出エリアのうち、前記検出ステップにより検出される前記撮像画像の変化に対応する検出エリアである第1検出エリアを特定する特定ステップと、前記特定ステップにより特定される前記第1検出エリアを識別可能な識別情報と、前記検出ステップにより検出される前記変化時刻とを表示部に表示させる表示ステップと、を一又は複数のプロセッサーにより実行する監視方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、監視エリアのうち検出対象の動きが検出された場所及び時刻を視覚的に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る監視装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る監視装置が適用される店舗の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る監視装置で利用される監視エリア情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る監視装置で利用される画像変化情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る監視装置で利用される撮像画像情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る監視装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る監視装置の表示部に表示される表示画面の他の例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る監視装置の表示部に表示される表示画面の他の例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る監視装置の表示部に表示される再生画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る監視装置で実行される監視エリア設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る監視装置で実行される表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る監視装置で実行される再生処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係る監視装置の表示部に表示される再生画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
本発明に係る監視装置は、小売店、飲食店などの店舗(施設)に設置され、店舗内の所定のエリア(本発明の監視エリアに相当)を監視する。例えば、前記監視装置は、店舗の出入り口、売り場、レジなどを含む監視エリアをカメラにより撮影して、利用客、従業員など(検出対象)による不審な行動を検出する。また、前記監視装置は、前記監視エリアにおいて前記検出対象の動きを検出した場合に、カメラにより撮像される撮像画像を再生可能に記録する。
【0012】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る監視装置10は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介してカメラ20に通信可能に接続されている。例えば、カメラ20は、ネットワークで構成される。
【0013】
カメラ20は、本発明の撮像装置の一例である。カメラ20は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備え、被写体を撮像する。カメラ20は、被写体を所定のフレームレートで連続して撮像し、所定の解像度のフレーム画像を生成して逐次、監視装置10に送信する。カメラ20は、周知の構成を適用することができる。
【0014】
またカメラ20は、例えば、監視エリアの全体を撮影可能な場所に1つ設置されて、監視エリア全体を撮像する。例えば
図2に示すように、カメラ20は、店舗30の店内(監視エリア)の天井面に1つ設置されて、店内に配置された商品棚、レジカウンター、店舗30の出入り口などを含む店内全体を撮像する。なお、本発明の監視装置は、カメラ20を含んで構成されてもよい。
【0015】
監視装置10は、カメラ20により撮像された監視エリアの撮像画像をフレームごとに取得し、取得した撮像画像に基づいて、監視エリアの検出対象(利用客、従業員など)の動きを検出する。
【0016】
図1に示すように、監視装置10は、制御部1、操作表示部2、記憶部3、通信部4などを備える。
【0017】
操作表示部2は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。例えば、監視装置10の管理者(ユーザー)は、操作表示部2において、監視エリアに関する設定などを行う。操作表示部2は、本発明の表示部の一例である。
【0018】
通信部4は、監視装置10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してカメラ20などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0019】
記憶部3は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリー、HDDなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部3には、制御部1に後述の監視エリア設定処理(
図10参照)を実行させるための監視エリア設定プログラム、表示処理(
図11参照)を実行させるための表示プログラム、及び再生処理(
図12参照)を実行させるための再生プログラム、などの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記監視エリア設定プログラム、前記表示プログラム及び前記再生プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、監視装置10に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部3に記憶される。
【0020】
また記憶部3には、監視エリア情報D1、画像変化情報D2、及び撮像画像情報D3などのデータが記憶される。
図3は、監視エリア情報D1の一例を示す図である。
図4は、画像変化情報D2の一例を示す図である。
図5は、撮像画像情報D3の一例を示す図である。
【0021】
図3に示すように、監視エリア情報D1には、前記監視エリアに含まれる複数の検出エリアに関する情報が含まれる。例えば
図2に示す店舗30において、店内全体がカメラ20により撮像される監視エリアである場合、当該監視エリアには、店内の場所に応じて予め設定された複数のエリア(検出エリア)が含まれる。例えば、管理者は、前記監視エリア内に、商品棚のエリア(検出エリアA)と、レジカウンターのエリア(検出エリアB)と、出入り口のエリア(検出エリアC)とを設定する。監視エリア情報D1には、管理者により、各検出エリアに関する情報が登録される。具体的には、監視エリア情報D1には、検出エリアごとに、対応する「範囲(座標)」、「表示色」などの情報が登録される。「範囲(座標)」は、監視エリアにおける検出エリアの範囲及び位置を示す情報である。
図3に示す例では、検出エリアA,B,Cのそれぞれは、4点の座標で規定される矩形状の領域(
図2参照)として設定されている。「表示色」は、検出エリアを識別するための識別情報(色情報)である。前記色情報は、本発明の識別情報の一例である。例えば、検出エリアAには「緑色」が設定され、検出エリアBには「黄色」が設定され、検出エリアCには「赤色」が設定される。
【0022】
図4に示すように、画像変化情報D2には、撮像画像の変化に関する情報が含まれる。例えば、店舗30に利用客が来店した場合、撮像画像に利用客が映り込む。この場合、監視装置10は、撮像画像の前後のフレーム画像を比較して撮像画像の変化を検出する。監視装置10は、監視エリアのうち変化を検出した検出エリアを特定する。画像変化情報D2には、撮像画像の変化が検出される度に、変化が検出された時刻と、変化が検出された検出エリアとが互いに関連付けられて登録される。「変化フラグ」には、撮像画像の変化が検出された場合に「1」が登録され、撮像画像の変化が検出されない場合に「0」が登録される。画像変化情報D2の「時刻」には、例えば、一日の開始時刻「0:00」から終了時刻「24:00」までの時刻が登録される。なお、「時刻」に、店舗30の営業時間の開始時刻から終了時刻までの時刻が登録されてもよい。
【0023】
図5に示すように、撮像画像情報D3には、撮像画像の画像データと撮像画像の情報とが含まれる。例えば、撮像画像情報D3には、撮像画像の変化が検出された場合に、前記撮像画像の変化が検出された時刻(「変化開始時刻」)、前記撮像画像の変化が検出されなくなった時刻(「変化終了時刻」)、前記撮像画像の画像データ、前記撮像画像の変化が検出された検出エリアなどの情報が登録される。
【0024】
制御部1は、CPU、ROM、及びRAMなどを有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムを予め記憶する。前記RAMは、各種の情報を記憶し、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部1は、前記ROM又は記憶部3に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより監視装置10を制御する。
【0025】
具体的に、制御部1は、
図1に示すように、取得処理部11、検出処理部12、特定処理部13、記録処理部14、表示処理部15、再生処理部16などの各種の処理部を含む。なお、制御部1は、前記CPUで前記監視エリア設定プログラム、前記表示プログラム、及び前記再生プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部1に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記監視エリア設定プログラム、前記表示プログラム、及び前記再生プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0026】
取得処理部11は、カメラ20により撮像される監視エリアの撮像画像を取得する。取得処理部11は、本発明の取得処理部の一例である。例えば、取得処理部11は、店舗30に設置されたカメラ20により撮像される店内全体(監視エリア)の撮像画像をフレームごとに取得する。取得処理部11は、カメラ20からフレーム画像を取得すると、取得したフレーム画像を撮像時刻とともにフレームメモリ(図示せず)に記憶する。
【0027】
検出処理部12は、取得処理部11により取得される前記撮像画像の変化を検出する。検出処理部12は、本発明の検出処理部の一例である。具体的には、検出処理部12は、取得処理部11により取得された現フレームのフレーム画像と、1フレーム前のフレーム画像とを比較して、監視エリア全体の前記撮像画像の変化を検出する。検出処理部12は、フレーム画像ごとに、1フレーム前のフレーム画像に対して変化があるか否か(変化の有無)を判定する。
【0028】
また、検出処理部12は、前記撮像画像の変化を検出した場合に、さらに前記撮像画像が変化した時刻である変化時刻を検出する。具体的には、検出処理部12は、前記撮像画像の変化を検出した場合に、前記撮像画像の変化を検出した時刻(「変化開始時刻」)と、前記撮像画像の変化が検出されなくなった時刻(「変化終了時刻」)とを検出する。
【0029】
特定処理部13は、監視エリア含まれる複数の検出エリアのうち、検出処理部12により検出される前記撮像画像の変化に対応する検出エリアである変化エリアを特定する。特定処理部13は、本発明の特定処理部の一例であり、前記変化エリアは、本発明の第1検出エリアの一例である。例えば、特定処理部13は、検出エリアA,B,Cのそれぞれに対応する撮像画像について、1フレーム前のフレーム画像と比較して、前記撮像画像の変化の有無を判定する。すなわち、特定処理部13は、検出処理部12により監視エリア全体の前記撮像画像において変化が検出された場合に、検出エリアA,B,Cのうち変化があった検出エリアを特定する。
【0030】
記録処理部14は、画像変化情報D2、及び撮像画像情報D3を記憶部3に登録する。記録処理部14は、本発明の記録処理部の一例である。具体的には、記録処理部14は、画像変化情報D2に、時刻に応じて前記変化フラグ(「0」又は「1」)を記録する。例えば
図4に示すように、記録処理部14は、特定処理部13により前記変化エリアが特定された場合に、画像変化情報D2において、前記変化開始時刻から前記変化終了時刻までの期間の前記変化エリアに対応する検出エリアの登録欄に変化フラグ「1」を登録し、他の登録欄に変化フラグ「0」を登録する。
【0031】
また、記録処理部14は、撮像画像情報D3に撮像画像を記録する。例えば
図5に示すように、記録処理部14は、特定処理部13により前記変化エリアが特定された場合に、撮像画像情報D3に、前記変化開始時刻と、前記変化終了時刻と、前記変化開始時刻から前記変化終了時刻までの期間(変化時間)の撮像画像の画像データと、前記変化エリアに対応する検出エリアとの各情報を登録する。
【0032】
また、記録処理部14は、検出処理部12により前記撮像画像の変化が検出されない間は、取得処理部11により取得される前記撮像画像を、解像度を低くして記憶部3に記録してもよい。これにより、撮像画像を継続して記録することができるとともに、記憶部3の記憶領域を節約することができる。なお、記録処理部14は、記憶部3に記録された前記撮像画像を、所定期間経過後に削除してもよい。
【0033】
表示処理部15は、特定処理部13により特定される前記変化エリアを識別可能な識別情報を操作表示部2に表示させる。表示処理部15は、本発明の表示処理部の一例である。前記識別情報は、例えば色情報である。色情報は、検出エリアごとに予め設定され、監視エリア情報D1(
図3参照)に登録される。前記識別情報は、色情報に限定されず、文字情報、図形情報、記号情報、音声情報などであってもよい。
【0034】
例えば、表示処理部15は、複数の検出エリアのそれぞれに対応する、前記撮像画像の変化の状態を表す複数のインジケーターを操作表示部2に表示させる。前記インジケーターは、例えば、時間に応じた長さを有するタイムバーで構成される。
図6は、操作表示部2に表示される表示画面の一例を示す図である。
図6に示す例では、「0:00」から「24:00」までの長さに応じたタイムバーが表示されている。
図6に示すように、表示処理部15は、検出エリアAに対応するタイムバー151aと、検出エリアBに対応するタイムバー151bと、検出エリアCに対応するタイムバー151cとを操作表示部2に表示させる。
【0035】
また、表示処理部15は、複数のインジケーター(タイムバー)のうち前記変化エリアに対応するインジケーター(タイムバー)に、前記変化エリアに関連付けられた前記色情報(
図3参照)の色を表示させる。また、表示処理部15は、前記撮像画像の変化が検出された時刻(変化開始時刻)から検出されなくなった時刻(変化終了時刻)までの変化時間(
図5参照)に応じた長さの前記色を前記タイムバーに表示させる。
図6に示す例では、検出エリアAのタイムバー151aにおいて、時刻T3~T4(
図5参照)の変化時間(変化期間)と、時刻T5~T6の変化時間と、時刻T11~T12の変化時間とが、緑色で表示される。また検出エリアBのタイムバー151bにおいて、時刻T7~T8の変化時間と、時刻T13~T14の変化時間と、時刻T15~T16の変化時間とが、黄色で表示される。また検出エリアCのタイムバー151cにおいて、時刻T1~T2の変化時間と、時刻T9~T10の変化時間と、時刻T17~T18の変化時間とが、赤色で表示される。
【0036】
このように、検出処理部12により前記複数の検出エリアのそれぞれにおいて前記撮像画像の変化が検出された場合に、表示処理部15は、前記複数のタイムバーのそれぞれにおいて、互いに異なる色を前記変化時間に応じた長さで表示させる。なお、表示処理部15は、各タイムバーに、変化開始時刻及び変化終了時刻を表示させてもよい。
【0037】
また、表示処理部15は、取得処理部11により取得される監視エリア全体の前記撮像画像を操作表示部2に表示させる。例えば、表示処理部15は、店舗30の店内全体(監視エリア)の現在の様子を操作表示部2に表示させる(
図6参照)。表示処理部15は、表示画面に表示される前記撮像画像において、各検出エリアを識別するためのエリア情報を表示させてもよい。前記エリア情報は、色情報、文字情報、図形情報、記号情報などであってもよい。例えば
図7に示すように、表示処理部15は、前記撮像画像に、検出エリアA,B,Cのそれぞれに対応する色(緑色、黄色、赤色)で塗りつぶされた矩形枠を表示させてもよい。
【0038】
また、表示処理部15は、
図6に示す表示画面において、管理者により、前記撮像画像のうち所定の検出エリアが選択された場合、又は、前記タイムバーのうち所定のタイムバーが選択された場合に、選択された検出エリアの撮像画像(本発明の第1エリア画像の一例)を表示画面に表示させてもよい。例えば
図6に示す表示画面において、管理者がマウスを操作して検出エリアA内の領域(商品棚など)をクリックした場合、
図8に示すように、検出エリアAの現在の状況を表す撮像画像が拡大されて表示画面に表示される。
【0039】
再生処理部16は、記憶部3に記憶された撮像画像を再生する。再生処理部16は、本発明の再生処理部の一例である。具体的には、再生処理部16は、管理者の操作に基づいて、撮像画像情報D3に登録された撮像画像を操作表示部2に再生表示させる。例えば、録画データを再生する操作を受け付ける受付画面において、管理者が所望の検出エリアを選択した場合に、再生処理部16は、選択された検出エリアにおいて撮像画像の変化が検出された変化時間の撮像画像を再生する。
【0040】
また、例えば
図9に示すように、管理者がマウス(
図9のマウスポインタMP)を操作して、検出エリアAに対応するタイムバー151aのうち、時刻T11~T12の変化時間に表示された緑色の領域を選択した場合、再生処理部16は、時刻T11~T12の撮像画像PD06(
図5参照)を操作表示部2に表示(動画再生)させる。なお、
図9に示す撮像画像には、撮像画像の変化(動き)が検出された利用客U1が含まれている。
【0041】
[監視エリア設定処理]
次に、
図10を参照しつつ、監視装置10の制御部1によって実行される監視エリア設定処理の手順の一例について説明する。制御部1は、管理者が監視エリアを設定する操作を開始することにより前記監視エリア特定プログラムの実行を開始することによって、前記監視エリア設定処理の実行を開始する。ここで、ステップS101,S102,・・・は、制御部1により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0042】
なお、ここで説明する前記監視エリア設定処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記監視エリア設定処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは監視装置10の制御部1によって前記監視エリア設定処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、他の複数のプロセッサーによって前記監視エリア設定処理における各ステップが分散して実行されてもよい。また、本発明は、前記監視エリア設定処理に含まれる一又は複数のステップを実行する監視エリア設定方法の発明として捉えることができる。
【0043】
先ず、管理者は、設定画面において、監視エリアに対して検出エリアを設定する。例えば
図2に示すように、管理者は、店舗30の店内全体の監視エリアにおいて、検出エリアAの範囲を指定する。ステップS101において、制御部1は、管理者により指定された範囲の座標を取得して、検出エリアAに範囲(座標)を設定する(
図3参照)。
【0044】
次に、管理者は、設定画面において、前記検出エリアに表示色を設定する。例えば、管理者は、検出エリアAに「緑色」を選択する。ステップS102において、制御部1は、管理者により選択された色の情報を取得して、検出エリアAに表示色「緑色」を設定する(
図3参照)。
【0045】
続いて、管理者が他の検出エリアを設定する場合(S103:YES)、処理はステップS101に移行する。これにより、検出エリアBに範囲(座標)及び表示色「黄色」が設定され、検出エリアCに範囲(座標)及び表示色「赤色」が設定される。管理者が検出エリアの設定を終了した場合(S103:NO)、制御部1は監視エリア設定処理を終了する。監視エリア設定処理が行われると、前記各情報を含む監視エリア情報D1(
図3参照)が記憶部3に記憶される。
【0046】
[表示処理]
次に、
図11を参照しつつ、監視装置10の制御部1によって実行される表示処理の手順の一例について説明する。制御部1は、監視エリアの録画(撮像)を開始することにより前記表示プログラムの実行を開始することによって、前記表示処理の実行を開始する。
【0047】
なお、ここで説明する前記表示処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記表示処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは監視装置10の制御部1によって前記表示処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、他の複数のプロセッサーによって前記表示処理における各ステップが分散して実行されてもよい。また、本発明は、前記表示処理に含まれる一又は複数のステップを実行する表示方法の発明として捉えることができる。
【0048】
ステップS201において、制御部1は、管理者から録画停止の指示を取得した場合、録画を終了して前記表示処理を終了する(S213)。
【0049】
制御部1は、管理者から録画停止の指示を取得しない場合(S201:NO)、カメラ20により撮像された監視エリアの撮像画像及び撮像時刻を取得して記録する(S202,S203)。例えば、制御部1は、店舗30に設置されたカメラ20により撮像される店内全体(監視エリア)の撮像画像をフレームごとに取得し、取得したフレーム画像を撮像時刻とともにフレームメモリに記憶する。
【0050】
次にステップS204において、制御部1は、画像変化情報D2の前記撮像時刻に対応する変化フラグに「0」を登録する。
【0051】
次にステップS205において、制御部1は、監視エリア全体に対する現フレームのフレーム画像と、1フレーム前のフレーム画像とを比較する。
【0052】
次にステップS206において、制御部1は、監視エリア全体の撮像画像の変化を検出したか否かを判定する。監視エリア全体の撮像画像の変化を検出した場合(S206:YES)、処理はステップS207に移行する。監視エリア全体の撮像画像の変化を検出しなかった場合(S206:NO)、処理はステップS201に戻る。制御部1は、監視エリア全体の撮像画像の変化を検出した場合、前記撮像画像が変化した時刻である変化時刻(「変化開始時刻」、「変化終了時刻」)を検出する。
【0053】
ステップS207において、制御部1は、所定の検出エリアに対応する撮像画像について、1フレーム前のフレーム画像と比較する。
【0054】
次にステップS208において、制御部1は、前記検出エリアに対応する撮像画像の変化を検出したか否かを判定する。前記検出エリアに対応する撮像画像の変化を検出した場合(S208:YES)、処理はステップS209に移行する。前記検出エリアに対応する撮像画像の変化を検出しなかった場合(S208:NO)、処理はステップS211に移行する。
【0055】
例えば、制御部1は、初めに複数の検出エリアA,B,Cのうち検出エリアAについてステップS207,S208の処理を行う。制御部11が検出エリアAに対応する撮像画像の変化を検出しなかった場合(S208:NO)、処理はステップS211に移行する。ステップS211において、他の検出エリアがある場合にはステップS212に移行して、制御部1は次の検出エリアについて撮像画像の変化の有無を判定する。ここでは、制御部1は、検出エリアA,B,Cのうち検出エリアBについてステップS208の判定処理を行う。制御部11が検出エリアBに対応する撮像画像についても変化を検出しなかった場合(S208:NO)、処理は再びステップS211に移行する。続いて、制御部1は、検出エリアA,B,Cのうち検出エリアCについてステップS208の判定処理を行う。そして、制御部11が検出エリアCに対応する撮像画像の変化を検出した場合(S208:YES)、処理はステップS209に移行する。
【0056】
このように、制御部1は、監視エリアに含まれる複数の検出エリアのうち、前記撮像画像の変化に対応する検出エリアである変化エリアを特定する。
【0057】
ステップS209において、制御部1は、画像変化情報D2(
図4参照)において、前記変化開始時刻から前記変化終了時刻までの期間(変化時間)の前記変化エリアに対応する検出エリアCの登録欄に変化フラグ「1」を登録する。
【0058】
次にステップS210において、制御部1は、前記変化エリアに対応する検出エリアのインジケーターに、前記変化エリアに関連付けられた前記色情報(
図3参照)の色を、前記変化時間に応じた長さで表示させる。例えば、制御部1は、検出エリアCに対応するタイムバー151cに、時刻T1~T2(
図5参照)の変化時間に応じた長さで赤色を表示させる(
図6参照)。続くステップS211では、他の検出エリアが存在しないため、処理はステップS201に戻り、制御部1は、新たな撮像画像に対する前記処理を実行する。このようにして、録画が停止されるまで前記処理が繰り返される。これにより、例えば
図6に示す表示画面が操作表示部2に表示される。
【0059】
[再生処理]
次に、
図12を参照しつつ、監視装置10の制御部1によって実行される再生処理の手順の一例について説明する。制御部1は、管理者が録画データを再生する操作を開始することにより前記再生プログラムの実行を開始することによって、前記再生処理の実行を開始する。
【0060】
なお、ここで説明する前記再生処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記再生処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは監視装置10の制御部1によって前記再生処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、他の複数のプロセッサーによって前記再生処理における各ステップが分散して実行されてもよい。また、本発明は、前記再生処理に含まれる一又は複数のステップを実行する再生方法の発明として捉えることができる。
【0061】
ステップS301において、制御部1は、録画データの再生を受け付ける受付画面を操作表示部2に表示させる。管理者は、前記受付画面において、再生を希望する検出エリアを選択する。
【0062】
次にステップS302において、制御部1は、前記受付画面において管理者により選択された検出エリアを取得する。制御部1は、管理者から再生を終了させる操作を取得すると再生処理を終了する(S307)。
【0063】
ステップS304において、制御部1は、録画データを1フレーム進める。次にステップS305において、制御部1は、画像変化情報D2を参照して、フレーム画像に対応する変化フラグに「1」が設定されているか否かを判定する。前記変化フラグに「1」が設定されている場合(S305:YES)、処理はステップS306に移行する。前記変化フラグに「1」が設定されていない場合(S305:NO)、処理はステップS304に戻り、次のフレームに進める。
【0064】
ステップS306において、制御部1は、画像を再生する。この処理によれば、制御部1は、監視エリアに変化(動き)があった場合に、変化を含む画像のみを再生することが可能となる。また、制御部1は、管理者により指定された検出エリアのみの画像を再生させることができる。
【0065】
以上のように、本実施形態に係る監視装置10では、監視エリアのうち検出対象の動きが検出された場所(検出エリア)を特定し、特定した検出エリアに対応する識別情報(例えば色情報)を時間情報とともに表示画面に表示する。これにより、監視エリアのうち検出対象の動きが検出された場所及び時刻を視覚的に把握することが可能となる。
【0066】
本発明の監視装置は上述の実施形態に限定されない。本発明の監視装置は、以下に示す形態であってもよい。
【0067】
例えば、監視装置10は、複数の検出エリアにおいて撮像画像に動きが検出された場合に、変化の状態を1つのインジケーターにより表示してもよい。例えば、
図13に示すように、監視装置10は、監視エリアに対応する1つのインジケーター(タイムバー151)を表示し、当該タイムバー151において、検出エリアごとの色を表示させてもよい。なお、タイムバー151において、複数の検出エリアの変化時間が重なる場合(例えば、検出エリアAの時刻T5~T6、及び、検出エリアBの時刻T7~T8)には、重なる時間帯を他の色で表示させてもよいし、重なる時間帯を含む両変化時間を二段で併記させてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 :制御部
2 :操作表示部
3 :記憶部
4 :通信部
10 :監視装置
11 :取得処理部
12 :検出処理部
13 :特定処理部
14 :記録処理部
15 :表示処理部
16 :再生処理部
20 :カメラ
30 :店舗
151 :タイムバー
151a :タイムバー
151b :タイムバー
151c :タイムバー