(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】駐車装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/42 20060101AFI20230410BHJP
E04H 6/18 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
E04H6/42 F
E04H6/18 601A
(21)【出願番号】P 2019100086
(22)【出願日】2019-05-29
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】坂田 優
(72)【発明者】
【氏名】横野 昌利
(72)【発明者】
【氏名】野上 達矢
(72)【発明者】
【氏名】川本 裕一
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-186170(JP,A)
【文献】特開2007-100304(JP,A)
【文献】特開平10-074300(JP,A)
【文献】特開2015-168985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00
E04H 6/18
E04H 6/42
G08G 1/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を格納する空間を有する駐車設備と、前記駐車設備の動作を制御する制御装置とを備えた駐車装置であって、
各車両又は各利用者に関する情報である車両識別情報を登録可能であり、車両の入庫前に入庫準備を実施する入庫準備動作が可能であり、
接近する車両から車両識別情報を取得する第一検知手段と、第二検知手段とを有し、
前記第一検知手段と、前記第二検知手段は、前記駐車設備を設置した敷地に連なる一本の道路の道路脇にそれぞれ設置され、
前記第二検知手段は、前記駐車設備から所定距離だけ離れた位置に設けられ、
前記第一検知手段は、前記第二検知手段よりもさらに前記駐車設備から離れた位置に設けられており、
前記入庫準備動作を開始するか否かを判別する判別動作を実施するものであり、
前記判別動作は、前記第一検知手段と前記第二検知手段が順に一の車両から車両識別情報を取得し、且つ、前記一の車両から取得した車両識別情報が登録済の車両識別情報と対応する情報であることを条件として、前記入庫準備動作を開始することを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
前記判別動作は、前記第一検知手段が一の車両から車両識別情報を取得した後、所定時間内に前記第二検知手段が前記一の車両から車両識別情報を取得したことを条件の一つとして、前記入庫準備動作を開始することを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記判別動作では、前記第一検知手段が車両識別情報を取得した後、取得した情報を記憶するものであり、
前記第一検知手段が一の車両から車両識別情報を取得した後、所定時間内に前記第二検知手段によって前記一の車両から車両識別情報が取得されなかった場合、前記第一検知手段が前記一の車両から取得した車両識別情報を削除する動作を実施することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記第一検知手段が複数の車両から車両識別情報を取得した後、前記第二検知手段が同じ複数の車両から車両識別情報を取得し、且つ、複数の車両のそれぞれから取得した車両識別情報が登録済の車両識別情報と対応する情報である場合、
前記第二検知手段が車両識別情報を取得した順に、取得した車両識別情報に関する前記入庫準備動作を開始することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の駐車装置。
【請求項5】
車両を格納する空間を有する駐車設備と、前記駐車設備の動作を制御する制御装置とを備えた駐車装置であって、
各車両又は各利用者に関する情報である車両識別情報を登録可能であり、車両の入庫前に入庫準備を実施する入庫準備動作が可能であり、
接近する車両から車両識別情報を取得する第一検知手段と、第二検知手段とを有し、
前記第二検知手段は、前記駐車設備から所定距離だけ離れた位置に設けられ、
前記第一検知手段は、前記第二検知手段よりもさらに前記駐車設備から離れた位置に設けられており、
前記入庫準備動作を開始するか否かを判別する判別動作を実施するものであり、
前記判別動作は、前記第一検知手段と前記第二検知手段が順に一の車両から車両識別情報を取得し、且つ、前記一の車両から取得した車両識別情報が登録済の車両識別情報と対応する情報であることを条件として、前記入庫準備動作を開始するものであり、
前記判別動作では、前記第一検知手段と前記第二検知手段が順に一の車両から車両識別情報を取得した場合であっても、これに先だって前記第二検知手段が前記一の車両から車両識別情報を取得していた場合には、前記入庫準備動作を開始しないことを特徴とす
る駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を収容する収容構造を備えた駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マンション等に併設され、事前に契約した利用者が車両を入出庫する立体駐車場が広く知られている。例えば、このような立体駐車場として、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
特許文献1に開示された駐車システムは、2つの駐車設備と、管理室に設置された入出庫制御装置を有している。そして、駐車設備が設置された敷地内への入場口に設けられる入場ゲートと、入場口の道路脇に設置される入場側認証アンテナと、入場口付近の道路に埋設されるループコイルと、駐車設備の入出庫口に設けられた設備前アンテナとを備えている。さらに、敷地内からの退場口には、退場ゲートと、退場側認証アンテナが設けられている。
【0004】
そして、自動車が敷地外から駐車設備へ向かって近接すると、自動車からのDSRC信号を入場側認証アンテナが受信し、この受信結果を入出庫制御装置に送信する。これを受けた入出庫制御装置は、入場しようとする自動車が契約車両であるか否かを判定し、自動車が契約車両であった場合には、入場ゲートを開状態とする。
続いて、自動車が敷地内に入場したことがループコイルによって検知されると、自動車の車種や2つの駐車設備の稼働状況等から、自動車を入庫させる入庫先と、入庫先として選択された駐車設備における格納スペースの割り当て先を選択する。そして、選択結果を予約データとして、入庫準備の予約テーブルに記憶する。
【0005】
この後、自動車が駐車設備の付近に到着すると、設備前アンテナが自動車からのDSRC信号を受信し、到着した自動車の車種が確認され、すでに実行された(又は実行中)の入庫準備によって到着した自動車が入庫可能か否かを確認する。
【0006】
つまり、特許文献1に開示された駐車システムでは、入場側認証アンテナ、ループコイルによって検知された情報に基づいて、それぞれ対象となる自動車が契約車両であるか否かと、敷地内に侵入したか否かを判別する。そして、これらの判別結果に基づいて、自動車を入庫させる入庫先と格納スペースを決定し、入庫準備を予約している。
【0007】
また、自動車が敷地内に侵入して入庫準備を予約した後、駐車設備へ向かわず退場口へ向かった場合、予約データを削除し、入庫準備をキャンセルする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、特許文献1には、入場口と退場口とを共有してもよい旨が記載されているが、特許文献1の駐車システムは、入場側認証アンテナと退場側認証アンテナを近接する位置に配すると、上記した入庫準備をキャンセルする動作が意図に反して実施されてしまう。
つまり、特許文献1の駐車システムは、入場口と退場口をそれぞれ設ける場合はもちろん、共有する場合でも誤動作を防ぐため、入場口と退場口となる区域を広く確保する必要がある。すなわち、必然的に駐車システムを構築するために必要な敷地が広くなり、敷地に制限のあるような土地ではその構築が困難となる。
【0010】
また、特許文献1の駐車システムでは、一の自動車から送信されたDSRC信号を入場側認証アンテナが受信してゲートが開となった状態で、一の自動車が敷地内に侵入せずに折り返し、他の自動車が敷地に侵入した場合、誤った予約動作が実行されてしまう。
そのため、特許文献1の駐車システムでは、上記したように、すでに実行された(又は実行中)の入庫準備によって到着した自動車が入庫可能か否かを確認する動作を実行している。
しかしながら、この動作を実行する場合、入場側認証アンテナとループコイルの他にさらに設備前アンテナが必要となり、駐車システムを構築するためにより多くの部材が必要となり、構成が複雑化する上に製造コストが嵩んでしまう。
【0011】
以上のことから、簡素な構成で構築可能であって広い敷地を必要とせず、意図しない無駄な動作の発生を抑制する駐車システムが望まれていた。
【0012】
そこで本発明は、簡素な構成で構築可能であり、駐車設備に近づく自動車の入庫準備を実行する際に無駄な動作の発生を抑制可能な駐車装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、車両を格納する空間を有する駐車設備と、前記駐車設備の動作を制御する制御装置とを備えた駐車装置であって、各車両又は各利用者に関する情報である車両識別情報を登録可能であり、車両の入庫前に入庫準備を実施する入庫準備動作が可能であり、接近する車両から車両識別情報を取得する第一検知手段と、第二検知手段とを有し、前記第一検知手段と、前記第二検知手段は、前記駐車設備を設置した敷地に連なる一本の道路の道路脇にそれぞれ設置され、前記第二検知手段は、前記駐車設備から所定距離だけ離れた位置に設けられ、前記第一検知手段は、前記第二検知手段よりもさらに前記駐車設備から離れた位置に設けられており、前記入庫準備動作を開始するか否かを判別する判別動作を実施するものであり、前記判別動作は、前記第一検知手段と前記第二検知手段が順に一の車両から車両識別情報を取得し、且つ、前記一の車両から取得した車両識別情報が登録済の車両識別情報と対応する情報であることを条件として、前記入庫準備動作を開始することを特徴とする駐車装置である。
ここで、「車両から車両識別情報を取得する」とは、車両内外に配されて(取り付けられて)車両の走行と共に移動する機器や媒体から車両識別情報を取得する場合を含む。
【0014】
本発明の駐車装置は、駐車設備から遠い順に第一検知手段、第二検知手段が設けられており、第一検知手段、第二検知手段の順に登録された車両識別情報が検知されることで、入庫準備動作を実施する。すなわち、対象となる車両が確実に駐車設備に近づく方向に走行している場合に入庫準備動作が実施されるので、無駄な入庫準備動作の実行を抑制できる。
また、駐車設備と制御装置の他、第一検知手段、第二検知手段を設けることで構築可能であり、簡素な構成で構築できる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記判別動作は、前記第一検知手段が一の車両から車両識別情報を取得した後、所定時間内に前記第二検知手段が前記一の車両から車両識別情報を取得したことを条件の一つとして、前記入庫準備動作を開始することを特徴とする請求項1に記載の駐車装置である。
【0016】
かかる構成では、第一検知手段が車両識別情報を取得してから、長時間経過後に第二検知手段が車両識別情報を取得した場合、入庫準備動作を開始しない。
すなわち、第一検知手段が車両識別情報を取得してから、第二検知手段が車両識別情報を取得するまでに時間が掛かりすぎている場合、何らかの理由で検知手段の誤動作が発生している可能性が疑われる。そこで、そのような場合に入庫準備動作を開始しないことで、より確実に無駄な入庫準備動作の実行を抑制できる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記判別動作では、前記第一検知手段が車両識別情報を取得した後、取得した情報を記憶するものであり、前記第一検知手段が一の車両から車両識別情報を取得した後、所定時間内に前記第二検知手段によって前記一の車両から車両識別情報が取得されなかった場合、前記第一検知手段が前記一の車両から取得した車両識別情報を削除する動作を実施することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車装置である。
【0018】
かかる構成によると、より確実に無駄な入庫準備動作の実行を抑制できる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記第一検知手段が複数の車両から車両識別情報を取得した後、前記第二検知手段が同じ複数の車両から車両識別情報を取得し、且つ、複数の車両のそれぞれから取得した車両識別情報が登録済の車両識別情報と対応する情報である場合、前記第二検知手段が車両識別情報を取得した順に、取得した車両識別情報に関する前記入庫準備動作を開始することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の駐車装置である。
【0020】
かかる構成によると、先行して駐車設備に到着する車両に対する入庫準備動作が優先的に実行されるので、利用者の駐車設備前での待ち時間を少なくすることができる。
【0021】
ここで、駐車設備から出庫して外部に向かう車両が、途中でUターンして駐車設備側に走行する場合がある。このような場合、運転者が忘れ物を取りに帰る際のように、駐車場設備に車両を格納しない場合が多く、入庫準備動作を開始すると無駄な動作となってしまう可能性が高い。
【0022】
かかる知見に基づいて提供される請求項5に記載の発明は、車両を格納する空間を有する駐車設備と、前記駐車設備の動作を制御する制御装置とを備えた駐車装置であって、各車両又は各利用者に関する情報である車両識別情報を登録可能であり、車両の入庫前に入庫準備を実施する入庫準備動作が可能であり、接近する車両から車両識別情報を取得する第一検知手段と、第二検知手段とを有し、前記第二検知手段は、前記駐車設備から所定距離だけ離れた位置に設けられ、前記第一検知手段は、前記第二検知手段よりもさらに前記駐車設備から離れた位置に設けられており、前記入庫準備動作を開始するか否かを判別する判別動作を実施するものであり、前記判別動作は、前記第一検知手段と前記第二検知手段が順に一の車両から車両識別情報を取得し、且つ、前記一の車両から取得した車両識別情報が登録済の車両識別情報と対応する情報であることを条件として、前記入庫準備動作を開始するものであり、前記判別動作では、前記第一検知手段と前記第二検知手段が順に一の車両から車両識別情報を取得した場合であっても、これに先だって前記第二検知手段が前記一の車両から車両識別情報を取得していた場合には、前記入庫準備動作を開始しないことを特徴とする駐車装置である。
【0023】
かかる構成によると、駐車設備に入庫する可能性が低い場合に入庫準備動作が実行されないので、無駄な入庫準備動作の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、簡素な構成で構築可能であり、駐車設備に近づく自動車の入庫準備を実行する際に無駄な動作の発生を抑制可能な駐車装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係る立体駐車装置を示す概略図である。
【
図2】
図1の駐車場設備及び操作盤を拡大して示す概略図である。
【
図4】(a)は、
図3の登録用テーブルの概念図であり、(b)は、
図3の第一履歴テーブルの概念図であり、(c)は、
図3の予約テーブルの概念図である。
【
図5】
図1の立体駐車装置が実行する入庫準備判別動作の詳細を示すフローチャートである。
【
図6】
図1の駐車場設備から離れる方向に登録車両が走行し、その後にUターンして駐車場設備に近づく方向に走行した様子を示す説明図であり、(a)~(c)の順に走行する。
【
図7】
図1の駐車場設備に近づく方向に2台の登録車両が走行する様子を示す説明図であり、(a)~(c)の順に走行する。
【
図8】
図1の駐車場設備に近づく方向に2台の登録車両が走行し、途中で後発の登録車両が先行する登録車両を追い越し、そのまま走行する様子を示す説明図であり、(a)~(c)の順に走行する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態に係る立体駐車装置1(駐車装置)について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0027】
本実施形態の立体駐車装置1は、
図1で示されるように、駐車場設備2(駐車設備)と、操作盤3(制御装置)と、第1アンテナ4(第一検知手段)と、第2アンテナ5(第二検知手段)とを備えている。
【0028】
駐車場設備2は、
図2で示されるように、4階建ての建造物であり、複数台の自動車(車両)を駐車可能に形成されている。
すなわち、駐車場設備2は、複数階(4階)の階層を有する車両配置エリア10を有しており、この車両配置エリア10にパレット11が複数設けられている。そして、それぞれのパレット11は、車両搭載用の台部材であり、図示しない駆動機構によって左右方向と上下方向にパズル式に移動が可能となっている。
なお、作図の都合上、パレット11は、一部にのみ符号を付し、他への符号を省略する。
【0029】
また、車両配置エリア10の地上階(1階)部分には、車両配置エリア10に自動車を出入りさせる車両出入り部12が設けられている。車両出入り部12は、自動車の入出庫口となる部分であり、車両配置エリア10と外部の境界となる部分である。
【0030】
車両出入り部12には、ゲート15が設けられている。
ゲート15は、図示しない昇降機構によって昇降可能に形成され、ゲート15が上がった開状態と、ゲート15が下がった閉状態とを切り替え可能となっている。
【0031】
立体駐車装置1では、自動車の入庫時にパレット11が地上階へと移動し、いずれかの車両出入り部12の奥側に待機した状態となる。そして、パレット11の手前側に位置する車両出入り部12のゲート15を開状態とした状態で、自動車をパレット11の上に載置させる。続いて、ゲート15を閉状態とすることで、入庫が完了する。なお、ゲート15を閉状態としたとき、必要に応じてパレット11が所定位置まで自動で移動する。
【0032】
対して、自動車の出庫時には、自動車が載置されたパレット11が地上階に位置していない場合、地上階まで移動する。そして、パレット11の手前側に位置する車両出入り部12のゲート15を開状態とし、自動車をパレット11の上から車両配置エリア10の外部へ移動させる。続いて、ゲート15を閉状態とすることで、出庫が完了する。なお、ゲート15を閉状態としたとき、必要に応じてパレット11が所定位置まで自動で移動する。
【0033】
つまり、車両配置エリア10では、自動車を載置する各パレット11の上側に、各自動車を収容する収容スペースが形成される。また、地上階の車両出入り部12の奥側部分が、入出庫時に自動車が待機する車両待機部となり、自動車の乗降場となる。
【0034】
操作盤3は、
図2で示されるように、車両配置エリア10のエリア外に設置された略直方体状の箱型構造物であり、制御基板等の各種機器を収容して形成されている。
この操作盤3は、液晶パネル等の表示手段や、テンキー、操作スイッチ等の入力手段を備えており、利用者が操作することで、駐車場設備2に入出庫に係る動作を実行させる。すなわち、上記したパレット11を地上階へ移動させる動作や、ゲート15を開閉させる動作を実施させる。
なお、液晶パネル等の表示手段をタッチパネルとし、テンキーや操作スイッチ等の入力手段を兼用するようにしてもよい。
【0035】
操作盤3は、
図3で示されるように、駐車場設備2の各動作を制御する制御部30を有している。そして、この制御部30は、CPU等の演算部31と、記憶部32と、通信部33を備えたものとなっている。
【0036】
演算部31は、各種入力に基づいて、記憶部32に記憶されたプログラムを読み取りつつ実行することで各種演算や制御信号の生成を行う部分である。
【0037】
記憶部32は、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶したりするRAMからなる主記憶装置を備えており、必要に応じて補助記憶装置がさらに設けられて形成される。なお、補助記憶装置としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等が採用できる。
【0038】
通信部33は、外部の機器や基板に対し、有線又は無線による双方向通信を可能とするインターフェースを有する。また、この通信部33は、バス等の伝送路を介して演算部31と接続されている。
本実施形態では、この通信部33により、操作盤3が駐車場設備2に設けられた各種機器や基板と信号の送受信が可能となっている。また、第1アンテナ4、第2アンテナ5から送信された信号を受信可能となっている。
【0039】
ここで記憶部32には、データベースが記憶されており、各テーブルに情報を記憶することが可能となっている。具体的には、登録用テーブル40と、第一履歴テーブル41と、第二履歴テーブル42と、予約テーブル43のそれぞれに規定された情報を記憶することができる。
【0040】
登録用テーブル40には、
図4で示されるように、それぞれのパレット11に個別に割り当てられた番号であるパレット番号と、ETC車載器番号(車両識別情報)とが関連付けて記憶されている。
【0041】
具体的に説明すると、本実施形態の立体駐車装置1は、駐車場設備2に格納する各自動車を識別するための情報として、それぞれの自動車に搭載するETC車載器の管理番号(ETC車載器番号)を採用している。
そして、本実施形態の立体駐車装置1では、運用開始前に、駐車場設備2に格納する自動車を特定する情報であるETC車載器番号と、それぞれの自動車を格納させる格納位置に関する情報であるパレット番号を関連付けて記憶させておく。
つまり駐車場設備2に格納するそれぞれの自動車は、搭載するETC車載器の管理番号をパレット番号に関連付けて登録用テーブル40に記憶させることで、登録が完了する。以下の説明では、この登録が完了した自動車を登録車両とも称する。
【0042】
第一履歴テーブル41は、第1アンテナ4の付近を走行した登録車両に搭載されたETC車載器から発信された信号を第1アンテナ4が信号を受信し、その登録車両のETC車載器番号に関する情報を取得した際、その履歴を記憶するテーブルである。
【0043】
すなわち、詳しくは後述するが、自動車が第1アンテナ4の付近を走行すると、第1アンテナ4が自動車に搭載されたETC車載器から発信された信号を受信する。そして、この信号に基づいてETC車載器番号を特定する動作が実施され、このETC車載器番号が登録用テーブル40に記憶された登録済の番号であった場合、この第一履歴テーブル41に取得履歴を記憶する。
つまり、第一履歴テーブル41は、第1アンテナ4によってETC車載器番号を特定する情報を取得した自動車のうち、登録車両の取得履歴を選別して記憶するテーブルである。
【0044】
本実施形態では、第1アンテナ4が情報を取得した時刻と、取得したETC車載器番号を関連付けて記憶している。なお、本実施形態では、第一履歴テーブル41に取得履歴(レコード)を記憶してから所定時間t1(本実施形態では1分)が経過すると、記憶した取得履歴を自動で削除する動作を実施している。
【0045】
第二履歴テーブル42(
図3参照)は、第2アンテナ5の付近を走行した登録車両に搭載されたETC車載器から発信された信号を第2アンテナ5が受信し、その登録車両のETC車載器番号に関する情報を取得した際、その履歴を記憶するテーブルである。
【0046】
すなわち、上記した第1アンテナ4と第一履歴テーブル41の関係と同様に、自動車が第2アンテナ5の付近を走行すると、第2アンテナ5が自動車に搭載されたETC車載器から発信された信号を受信する。そして、この信号に基づいてETC車載器番号を特定する動作が実施され、このETC車載器番号が登録用テーブル40に記憶された登録済の番号であった場合、この第二履歴テーブル42に取得履歴を記憶する。
つまり、第二履歴テーブル42は、第2アンテナ5によってETC車載器番号を特定する情報を取得した自動車のうち、登録車両の取得履歴を選別して記憶するテーブルである。
【0047】
この第二履歴テーブル42もまた、上記した第一履歴テーブル41(
図4参照)と同様に、第2アンテナ5が情報を取得した時刻と、取得したETC車載器番号を関連付けて記憶している(詳細な図示は省略する)。なお、第二履歴テーブル42に取得履歴(レコード)を記憶してから所定時間t2(本実施形態では3分)が経過すると、記憶した取得履歴を自動で削除する動作を実施している。
【0048】
予約テーブル43は、
図4(c)で示されるように、入庫準備動作(詳しくは後述する)の予約順と、入庫対象となる登録車両に搭載されたETC車載器番号と、入庫時にその登録車両を載置するパレット11のパレット番号とが、関連付けて記憶されている。
【0049】
第1アンテナ4、第2アンテナ5(
図1参照)は、自動車に搭載されたETC車載器から発信される信号を受信するETCアンテナである。また、第1アンテナ4、第2アンテナ5は、受信した信号を操作盤3に送信する送信手段(図示しない)を有する。
【0050】
第1アンテナ4、第2アンテナ5は、
図1で示されるように、駐車場設備2を設置した敷地に連なる一本道の道路Rであり、直線的に延びる道路Rの道路脇にそれぞれ設置されている。つまり、第1アンテナ4、第2アンテナ5は、間隔を空けて略一直線上に並ぶように配置されている。
第2アンテナ5は、駐車場設備2及びそれに近接する操作盤3から所定距離だけ離れた位置に配され、第1アンテナ4は、第2アンテナ5よりもさらに駐車場設備2から離れた位置に配されている。
【0051】
本実施形態に係る立体駐車装置1では、
図1で示されるように、自動車が外部から駐車場設備2に近づく方向に道路Rを走行したとき、入庫準備動作を実行するか否かを判別する入庫準備判別動作(判別動作)を実施する(詳しくは後述する)。そして、この入庫準備判別動作の結果に応じて入庫準備動作を実施する。
【0052】
まず、入庫準備判別動作に先立って、入庫準備動作について説明する。
【0053】
入庫準備動作では、まず、制御部30が予約テーブル43を参照し、入庫対象となる登録車両と、この入庫対象の登録車両を載置させるパレット11のパレット番号を特定する。そして、このパレット番号からパレット11を特定し、特定したパレット11が地上階になければ、パレット11を地上階に移動させる動作を実施する。一方で、特定したパレット11が地上階にあれば、そのまま待機させる。
すなわち、入庫準備動作は、入庫対象の登録車両が駐車場設備2に到着する前(又は到着に合わせて)、予めパレット11を地上階に配しておく動作である。なお、この入庫準備動作では、パレット11が地上階に配された状態となった後、ゲート15を閉状態から開状態へ移行させる動作を実行してもよい。
【0054】
この入庫準備動作は、予約テーブル43に記憶された情報に基づいて優先順位を判別し、優先順位の高いものから順に実施する。本実施形態では、「予約順」の項目(カラム)を参照し、数の小さいものから順に実行する。
【0055】
続いて、本実施形態の特徴的な動作である入庫準備判別動作について、
図5を参照しつつ詳細に説明する。
【0056】
道路Rを走行する自動車が第1アンテナ4(
図1参照)に近接する位置を走行すると、この自動車に搭載されたETC車載器からの信号を第1アンテナ4が受信し、ETC車載器番号に係る情報を取得する(ステップS1でYes)。そして、第1アンテナ4が制御部30に信号を送信して、ステップS2へ進む。
【0057】
続いて、制御部30は、第1アンテナ4で取得したETC車載器番号に係る情報と、登録用テーブル40とを参照し、取得したETC車載器番号が登録用テーブル40(
図4(a)参照)に登録された番号であるか否かを判別する登録判別動作を実施する。
登録判別動作の結果、登録用テーブル40に登録された番号である場合(ステップS2でYes)、第1アンテナ4で取得したETC車載器番号と、情報を取得した時刻とを第一履歴テーブル41(
図4(b)参照)に記憶する(ステップS3)。
対して、登録用テーブル40に登録された番号でなかった場合(ステップS2でNо)、入庫準備動作を実施しないものと判別して、入庫準備判別動作を終了する。
【0058】
続いて、第1アンテナ4が情報を受信してから(ステップS1が完了してから)、所定時間t1内に、第2アンテナ5がステップS1で取得したETC車載器番号と同一のETC車載器番号に係る情報を取得したか否かを判別する(ステップS4、ステップS5)。
例えば、登録車両が外部から駐車場設備2に向かって道路R(
図1参照)を走行し、第1アンテナ4の付近を走行した後にそのまま直進し、所定時間t1内に第2アンテナ5の付近を走行した場合には、このステップS4がYesとなる。
【0059】
具体的には、道路Rを走行する登録車両が第2アンテナ5(
図1参照)に近接する位置を走行すると、この登録車両に搭載されたETC車載器からの信号を第2アンテナ5が受信し、ETC車載器番号に係る情報を取得する。そして、第2アンテナ5が制御部30に信号を送信する。
制御部30は、第2アンテナ5から受信した情報と、第一履歴テーブル41から、第2アンテナ5の信号取得時から所定時間t1だけ前までの間に、第1アンテナ4が同一のETC車載器番号に係る情報を取得しているか否かを判別する。そして、第1アンテナ4が同一のETC車載器番号に係る情報を取得していた場合、ステップS4がYesとなる。
【0060】
このように、立体駐車装置1は、第1アンテナ4が取得したETC車載器番号に係る情報と、その後に第2アンテナ5が取得したETC車載器番号に係る情報とが同一であるのか(同一の車両を特定する情報であるのか)を判別する比較動作を実施する。
そして、比較動作の結果、2つのアンテナが取得したETC車載器番号に係る情報が同一であることと、取得したETC車載器番号が登録済の番号であること(ステップS2でYes)を入庫準備動作が開始されるための条件としている。
【0061】
つまり、入庫準備判別動作では、入庫準備動作を開始するか否かを判別するため、以下の(A)~(D)の条件をみたしているか否かを判別している。
(A)第1アンテナ4でETC車載器番号に係る情報が取得されたこと。
(B)(A)の後に第2アンテナ5でETC車載器番号に係る情報が取得されたこと。
(C)(A)で取得したETC車載器番号に係る情報と、(B)で取得したETC車載器番号に係る情報とが同一であること(同一の車両を特定する情報であること)。
(D)(A)、(B)で取得した情報で特定されるETC車載器番号が登録済の番号であること。
【0062】
これに対し、所定時間t1内に、ステップS1で取得したETC車載器番号と同一のETC車載器番号に係る情報が取得されかった場合(ステップS4でNо、ステップS5でYes)、ステップS3で記憶させた情報(レコード)が削除される(ステップS6)。すなわち、所定時間t1が経過することで、ステップS3で記憶させた情報が削除され、入庫準備動作を実施しないものと判別して、入庫準備判別動作が終了する。
【0063】
すなわち、登録車両が外部から駐車場設備2に向かって道路R(
図1参照)を走行し、第1アンテナ4の付近を走行した後、折り返して第2アンテナ5の付近を走行せずに外部へ向かって走行した場合等では、入庫準備動作を実施しないものと判別される。
【0064】
ステップS4でYesの場合、ステップS1で第1アンテナ4がETC車載器番号に係る情報を取得する以前に、第2アンテナ5がステップS1で取得したETC車載器番号と同一のETC車載器番号に係る情報を取得したか否かを判別する(ステップS7)
【0065】
具体的に説明すると、
図6のように、駐車場設備2から出庫された登録車両(
図6の符号C1)が駐車場設備2から離れる方向に走行し(
図6(a)参照)、途中で折り返して、駐車場設備2に近づく方向に走行する場合がある(
図6(b)、
図6(c)参照)。
このような場合、利用者(運転者)が忘れ物を取りに帰る際のように、駐車場設備2に登録車両を格納しない場合が多く、入庫準備動作を開始すると無駄な動作となってしまう可能性が高い。
【0066】
そこで、本実施形態の入庫準備判別動作では、第2アンテナ5が登録車両からETC車載器番号に係る情報を取得した後、第1アンテナ4、第2アンテナ5が順に同一の登録車両から同一の情報を取得した場合には、入庫準備動作を開始しないものと判別する。
【0067】
図5のフローチャートに戻って、ステップS4でYesの場合、制御部30は、第一履歴テーブル41と、第二履歴テーブル42を参照する。そして、第一履歴テーブル41にステップS3で記憶された時刻よりも前であり、この時刻から所定時間t3だけ前までの間に、第2アンテナ5がステップS1で取得したETC車載器番号に係る情報と同一の情報を取得しているか否かを判別する。
なお、本実施形態では、所定時間t3を所定時間t2と同じ3分としている。
【0068】
第2アンテナ5がステップS1以前にステップS1で取得した情報と同一の情報を取得していた場合(ステップS7でNo)、入庫準備動作を開始しないものと判別し、入庫準備動作の予約動作を実施せず、入庫準備判別動作を終了する。
このとき、所定時間t3が経過することで、ステップS4と、ステップS1以前に第二履歴テーブル42に記憶された第2アンテナ5の情報の取得履歴に関する情報(レコード)が削除される(ステップS9)。
【0069】
対して、第2アンテナ5がステップS1以前にステップS1で取得した情報と同一の情報を取得していない場合(ステップS7でYes)、入庫準備動作を開始するものと判別し、入庫準備動作の予約動作を実施する(ステップS8)。そして、入庫準備判別動作を終了する。
このとき、所定時間t3が経過することで、ステップS4で第二履歴テーブル42に記憶された第2アンテナ5の情報の取得履歴に関する情報(レコード)が削除される(ステップS9)。
【0070】
入庫準備動作の予約動作は、入庫準備動作の対象となる登録車両のETC車載器番号と、それに関連付けられたパレット番号を予約テーブル43(
図4(c)参照)に記憶させる動作である。詳細には、予約順がすでに登録完了している全予約(全レコード)の中で最後となるように記憶させる動作となっている。
すなわち、制御部30が、入庫準備動作で第1アンテナ4と第2アンテナ5の少なくとも一方が取得した情報と、登録用テーブル40に記憶された情報から、新規に予約テーブル43に記憶させる情報(新レコード)を作成し、記憶させる動作である。
【0071】
ここで、
図7で示されるように、複数台の登録車両(
図7では2台であり、符号C1,C2)が駐車場設備2に近づく方向に走行した場合のように、それぞれの登録車両に対する複数の入庫準備判別動作が並行して実行される場合がある。
そして、複数の入庫準備判別動作が並行して実行された場合、それぞれの入庫準備判別動作で入庫準備動作の予約動作を実施する(
図5のステップS8)ように判別される場合がある。このような場合、本実施形態の立体駐車装置1では、第2アンテナ5が対象車両からETC車載器番号に係る情報を取得した順に、入庫準備動作の予約動作を実施している。
【0072】
具体的に説明すると、
図7で示されるように、先行する第一の登録車両(C1)が第1アンテナ4に近づき、その後に後発の第二の登録車両(C2)が第1アンテナ4に近づいたとする。そして、そのまま第一の登録車両(C1)、第二の登録車両(C2)の順に第2アンテナ5に近づいたとする。
この場合、第一の登録車両(C1)に対する入庫準備動作の予約動作を実施した後、第二の登録車両(C2)に対する入庫準備動作の予約動作を実施する。
【0073】
これに対し、
図8で示されるように、先行する第一の登録車両(C1)が第1アンテナ4に近づき、その後に後発の第二の登録車両(C2)が第1アンテナ4に近づいたとする。そして、第一の登録車両(C1)が同乗者の降車のために停車する等により第二の登録車両(C2)が第一の登録車両(C1)を追い抜き(
図8(b)参照)、そのまま第二の登録車両(C2)、第一の登録車両(C1)の順に第2アンテナ5に近づいたとする。
この場合、第二の登録車両(C2)に対する入庫準備動作の予約動作を実施した後、第一の登録車両(C1)に対する入庫準備動作の予約動作を実施する。
【0074】
つまり、
図8に示した例において、各登録車両に対して入庫準備判別動作が開始された順番(第1アンテナ4が登録車両を検知した順、即ち第一の登録車両(C1)、第二の登録車両(C2)の順)で入庫準備動作の予約動作を実行することもできるが、それぞれの入庫準備判別動作において、第2アンテナ5が情報を取得した順に、入庫準備動作の予約動作を実行する。
【0075】
上記した実施形態では、第1アンテナ4でETC車載器番号に係る情報が取得された後(ステップS1でYes)、登録判別動作を実施する(ステップS2)例を示した。すなわち、第2アンテナ5でETC車載器番号に係る情報が取得され、第1アンテナ4で取得した情報と比較する比較動作(ステップS4)の前に登録判別動作を実施する例を示した。
しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、比較動作の後に登録判別動作を実施してもよい。この場合、当然のことながら、登録用テーブル40に記憶された情報と比較する情報は、第1アンテナ4で取得された情報と、第2アンテナ5で取得された情報のどちらでもよい。
【0076】
上記した実施形態では、駐車場設備として、所謂多段式(垂直横行式)の駐車場設備2を採用した例について説明したが、本発明で採用する駐車場設備はこれに限るものではない。例えば、本発明の駐車場設備は、単純昇降式の立体駐車場や、所謂タワー式の立体駐車場、すなわち、エレベータ式の立体駐車場や、垂直循環式の立体駐車場であってもよい。また、この他、車両配置エリアの一部が地下に設けられた立体駐車場であってもよい。さらに、立体構造を有さない平面循環式の駐車場であってもよい。
すなわち、上記した入庫準備動作は、入庫のために必要な各動作の少なくとも一部を自動で実行する動作であればよい。
【0077】
上記した実施形態では、駐車場設備2に接近する、又は、駐車場設備2から離れる方向に走行する自動車が、駐車場設備2への格納を許可されている登録された自動車であるか否かを識別する車両識別情報として、ETC車載器番号を採用した例を示した。
すなわち、各自動車に取り付ける機器の固有の番号であり、車両に関する情報であるETC車載器番号を車両識別情報とした。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
例えば、ETC車載器と共に使用するETCカードの固有番号であり、車両の利用者に関する情報を車両識別情報としてもよい。
つまり、車両識別情報は、走行する車両から取得可能な情報であり、車両を特定できる情報であればよい。
【0078】
また、制御装置45は2以上の制御装置を組み合わせてもよい。この場合、駐車装置1の入出庫を実行するための制御装置と、予約のための制御装置(第1アンテナ4、第2アンテナ5と接続しデータベース38を記憶)とに分割することにより既存の駐車装置1から安価に製造できたり、設置済みの駐車装置1に予約機能を容易に付加することができる。
【0079】
上記した実施形態では、予めETC車載器番号とパレット番号を関連付けて登録し、登録車両が、入庫時に関連付けられたパレット11に載置される例について説明した。
しかしながら、ETC車載器番号(車両識別情報)とパレット番号の関連付けは、運用時に随時変更されるものであってもよい。
例えば、入庫時に自動車が搭載されていない一のパレットが地上階にあった場合、他のパレットに関連付けられた登録車両をこの一のパレットに載置させて入庫し、この際に、この登録車両と一のパレットを関連付けるように登録用テーブルを上書きしてもよい。
そして、上書き前にこの一のパレットに関連付けられていた他の登録車両が存在する場合、この他の登録車両と空いている(車両が搭載されていない)パレットとを新たに関連付ける動作を続けて実施してもよい。
また、立体駐車装置から出庫する際に、登録車両を第2アンテナ5、第1アンテナ4の順に検知したときに、地上階にある登録車両と関連付けられたパレットを所定の格納階に格納する動作を行わせてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 立体駐車装置(駐車装置)
2 駐車場設備(駐車設備)
3 操作盤(制御装置)
4 第1アンテナ(第一検知手段)
5 第2アンテナ(第二検知手段)