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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/18 20060101AFI20230410BHJP
   C04B 14/04 20060101ALI20230410BHJP
   C04B 14/38 20060101ALI20230410BHJP
   C04B 22/14 20060101ALI20230410BHJP
   C04B 14/28 20060101ALI20230410BHJP
   C04B 14/42 20060101ALI20230410BHJP
   C04B 24/26 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
C04B28/18
C04B14/04 Z
C04B14/38 C
C04B22/14 A
C04B22/14 B
C04B14/28
C04B14/42 Z
C04B24/26 D
C04B24/26 G
C04B24/26 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019182649
(22)【出願日】2019-10-03
(65)【公開番号】P2021059461
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000126609
【氏名又は名称】株式会社エーアンドエーマテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】岩永 朋来
(72)【発明者】
【氏名】川上 聡
(72)【発明者】
【氏名】山崎 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】海老澤 尚宏
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-246251(JP,A)
【文献】特開平08-012409(JP,A)
【文献】特開2017-132670(JP,A)
【文献】特開平05-246752(JP,A)
【文献】特開平09-059053(JP,A)
【文献】特開2008-214779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 7/00-28/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゾノトライト系ケイ酸カルシウム50~80質量%、ラテックス5~20質量%、タルク1~4質量%、無機質繊維状粒子(ただし、ガラス繊維を除く)10~20質量%及びガラス繊維1~10質量%を含有してなり、凝集剤を外割で0.5~3質量%含有することを特徴とする樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体。
【請求項2】
無機質繊維状粒子が、ウォラストナイト、硫酸マグネシウム、石膏及び炭酸カルシウムからなる群から選択される1種または2種以上の針状粒子である、請求項1記載の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体。
【請求項3】
ゾノトライト系ケイ酸カルシウムの平均粒径が20~70μmの範囲内にある、請求項1または2記載の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ケイ酸カルシウム成形体は、内装用下地材、人造木材、造作材、住宅設備機器、カーボンファイバー製品成形型枠用基材など様々な分野に用いられている。
例えば、型枠材として用いられているケイ酸カルシウム成形体から構成される人造木材は、従来、型枠材として用いられている木材の欠点である耐熱性、寸法安定性、均質な切削加工性の不足を補う材質として従来より使用されている。例えば、特許文献1には、ケイ酸カルシウム水和物100重量部、カルボキシル基を含むスチレン-ブタジエン共重合体ラテックス5~30重量部(固形分として)、カチオン型高分子凝集剤および水からなる水性スラリーを成形、乾燥してなる前記ケイ酸カルシウム成形物(第1項);水性スラリーが補強繊維を含有するケイ酸カルシウム成形物(第2項);ケイ酸カルシウム水和物が石灰質原料とケイ酸質原料および水とから水熱合成反応によって得られたものである前記ケイ酸カルシウム成形物(第3項);乾燥温度が100~180℃である前記ケイ酸カルシウム成形物(第4項);カルボキシル基を含むスチレン-ブタジエン共重合体ラテックスの使用量が8~20重量部(固形分として)である前記ケイ酸カルシウム成形物(第5項);カチオン型高分子凝集剤がカルボキシル基を含むスチレン-ブタジエン系共重合体ラテックス1重量部(固形分として)に対して0.01~0.3重量部である前記ケイ酸カルシウム成形物(第6項)が開示されている。更に、特許文献1には、補強繊維として、アスベスト、ガラス繊維、木綿、クラフトパルプ、レーヨン;ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、ナイロン等の合成繊維が例示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ゾノトライト系ケイ酸カルシウム水和物60~94重量部、スチレン-ブタジエン共重合体5~30重量部、ガラス繊維1~10重量部の組成からゾノトライト系ケイ酸カルシウム成形体が成ることを特徴とするモデル材料(請求項1);ゾノトライト系ケイ酸カルシウム成形体を耐熱性接着剤により積層して成る前記モデル材料(請求項2);耐熱性接着剤がシリコーン系樹脂である前記モデル材料(請求項3);耐熱性接着剤がポルトランドセメント、マグネシアセメント、アルミナセメント、半水石膏、リン酸アルミニウム、水ガラスの1種類以上から成る前記モデル材料(請求項4)が開示されている。
【0004】
更に、特許文献3には、ケイ酸カルシウム水和物70~99重量部及びワラストナイト1~30重量部の配合物100重量部に対し、補強繊維1~30重量部、ラテックス1~40重量部、膨張材1~15重量部及び水からなるケイ酸カルシウム水和物スラリー組成物を成形、乾燥してなるケイ酸カルシウム成形体(請求項1);ケイ酸カルシウム水和物90~97重量部及びアスペクト比10~50の繊維状β-ワラストナイト3~10重量部の配合物100重量部に対し、補強繊維1~30重量部、ラテックス1~40重量部、膨張材1~15重量部及び水からなるケイ酸カルシウム水和物スラリー組成物を成形、乾燥してなるケイ酸カルシウム成形体(請求項2);石灰質原料、ケイ酸質原料及び水を水熱合成反応させてケイ酸カルシウム水和物スラリーを調製した後、ケイ酸カルシウム水和物70~99重量部に対してアスペクト比10~50の繊維状β-ワラストナイトを1~30重量%配合し、次いで該ケイ酸カルシウム水和物と繊維状β-ワラストナイトの合計物100重量部に対して補強繊維を1~30重量部、ラテックスを1~40重量部、膨張材を1~15重量部の割合で成形、乾燥することを特徴とするケイ酸カルシウム成形体の製造法(請求項3)が開示されている。また、特許文献3の[0015]段落には、補強繊維として、石綿、シリカウール、スラグウール、カーボン繊維等の無機繊維;ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、パルプ繊維、麻繊維等の有機繊維が例示されている。更に、特許文献3の[0019]段落には、「膨張材としては、水と反応してエトリンガイトを生成する物質で、ACIの分類でKタイプ、Mタイプ及びSタイプからなる群から選択された少なくとも1種類以上の膨張剤、カルシウムサルホアルミネート系クリンカーの単独又は石膏との混合物あるいはアルミネート系クリンカーと石膏との混合物、高炉スラグ粉又は水酸化アルミニウムを含む物質、石膏、消石灰又は生石灰の混合物、アルミナセメントと石膏の混合物等を使用することができる。」旨の記載もあります。
【0005】
また、特許文献4には、(A)ケイ酸カルシウム水和物をバインダーとし、(B)ガラス繊維と(C)滑り材を含む無機充填材とを含有するCFRP成形用の成形型基材であって、バインダーとしてのケイ酸カルシウム水和物を構成する石灰質原料とケイ酸質原料のCaO/SiOモル比が0.7~1.2の範囲であり、石灰質原料とケイ酸質原料の合計含有量が全固形分に対して40~89質量%、ガラス繊維の含有量が全固形分に対して1~10質量%、無機充填材の含有量が全固形分に対して10~59質量%、滑り材の含有量が全固形分に対して0.1~20質量%であって、かさ密度が0.6~1.1であるCFRP成形用の成形型基材(請求項1);前記滑り材が、タルク、パイロフィライト、カオリナイト及びマイカ粉から選択される1種又は2種以上である前記CFRP成形用の成形型基材(請求項2);(1)石灰質原料とケイ酸質原料のCaO/SiOモル比が0.7~1.2の範囲であり、石灰質原料とケイ酸質原料とを合計で全固形分に対し40~89質量%含み、ガラス繊維を全固形分に対し1~10質量%含み、無機充填材を全固形分に対し10~59質量%含み、前記無機充填材の一部として全固形分に対し0.1~20質量%の滑り材を含む原料配合物に、水を加えて混合攪拌して原料スラリーとし、(2)得られた原料スラリーを脱水プレス成形した後、(3)水蒸気存在下160~230℃の温度で1~24時間オートクレーブ養生することを特徴とする前記CFRP成形用の成形型基材の製造法(請求項3);前記滑り材が、タルク、パイロフィライト、カオリナイト及びマイカ粉から選択される1種又は2種以上である前記CFRP成形用の成形型基材の製造法(請求項4)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭60-246251号公報
【文献】特開平5-246752号公報
【文献】特開平8-12409号公報
【文献】特開2017-132670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特許文献1に開示されているケイ酸カルシウム成形物は、かさ密度が同程度の無機系ケイ酸カルシウム成形体に比べて強度は向上しているものの、切削加工性及び耐角欠け性に問題がある。
また、特許文献2に開示されているモデル材料は、ガラス繊維を配合することにより成形物の大型化に対応しようとするものであるが、切削加工性及び耐角欠け性に問題がある。
更に、特許文献3に開示されているケイ酸カルシウム成形体は、ウォラストナイトを配合することにより切削加工性及び耐角欠け性は向上しているものの、今日の精密加工に対する要求精度の高まりにより更なる改善が求められている。
また、特許文献4に開示されているCFRP成形用の成形型基材は、切削加工性及び耐角欠け性は向上しているが、本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体よりも高温域での繰り返し使用を目的としているため、オートクレーブによる湿熱養生工程が必要となり、また、必要強度を得るためにはかさ密度を大きくする必要があり、結果的に樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体に比べて重くなるという問題がある。
【0008】
従って、本発明の目的は、高い比強度が得られ、加熱収縮率が小さく、切削面精度や加工性に優れた樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体は、ゾノトライト系ケイ酸カルシウム50~80質量%、ラテックス5~20質量%、タルク1~4質量%、無機質繊維状粒子(ただし、ガラス繊維を除く)10~20質量%及びガラス繊維1~10質量%を含有してなり、凝集剤を外割で0.5~3質量%含有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体は、ゾノトライト系ケイ酸カルシウムの平均粒径が20~70μmの範囲内にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高い比強度が得られ、加熱収縮率が小さく、切削面精度や加工性に優れた樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体が得られるという効果を奏するものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体は、ゾノトライト系ケイ酸カルシウム50~80質量%、ラテックス5~20質量%、タルク1~4質量%、無機質繊維状粒子10~20質量%及びガラス繊維1~10質量%を含有してなり、凝集剤を外割で0.5~3質量%含有してなることを構成上の特徴とするものである。
【0013】
本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体において、ゾノトライト系ケイ酸カルシウムの含有量は、50~80質量%、好ましくは60~70質量%の範囲内である。ここで、ゾノトライト系ケイ酸カルシウムの含有量が50質量%未満であると、加工性が大幅に低下することがあるために好ましくない。また、ゾノトライト系ケイ酸カルシウムの含有量が80質量%を超えると、十分な見掛け密度及び曲げ強度が得られないために好ましくない。
【0014】
また、ゾノトライト系ケイ酸カルシウムは、平均粒径が20~70μm、好ましくは40~60μmの範囲内のものである。ここで、ゾノトライト系ケイ酸カルシウムの平均粒径が20μm未満であると、樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体を作製する際の成型性が悪化して成形体を作製することが困難となることがあるために好ましくない。また、ゾノトライト系ケイ酸カルシウムの平均粒径が70μmを超えると、得られる樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体の切削面精度や加工性が劣化するために好ましくない。なお、本明細書に記載するゾノトライト系ケイ酸カルシウムの平均粒径は、島津製作所製SALD-2200を用いるゾノトライト系ケイ酸カルシウム粒子の粒度分布測定により得られたものである。
【0015】
次に、本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体において、ラテックスの含有量は、5~20質量%、好ましくは7~15質量%の範囲内である。ここで、ラテックスの含有量が5質量%未満であると、樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体に強度発現効果を付与することができないために好ましくない。また、ラテックスの含有量が20質量%を超えると、成型性が悪化することがあるために好ましくない。なお、ラテックスとしては、例えば、主鎖に不飽和炭素結合をもつラテックスが好適であり、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴムなどを使用することができる。
【0016】
また、本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体において、タルクの含有量は、1~4質量%、好ましくは2~3質量%の範囲内である。ここで、タルクの含有量が1質量%未満であると、得られる樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体の切削面精度や加工性が十分に確保できないために好ましくない。また、タルクの含有量が4質量%を超えると、成型性が大きく低下するために好ましくない。
【0017】
次に、本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体において、無機質繊維状粒子の含有量は、10~20質量%、好ましくは12~18質量%の範囲内である。ここで、無機質繊維状粒子の含有量が10質量%未満であると、樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体の熱収縮率が増加してしまうために好ましくない。また、無機質繊維状粒子の含有量が20質量%を超えると、得られる樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体の切削面精度や加工性が低下するために好ましくない。なお、無機質繊維状粒子としては、例えば、ウォラストナイト、硫酸マグネシウム、石膏、炭酸カルシウムなどの針状粒子を使用することができ、ウォラストナイトを使用することが好ましい。
【0018】
また、本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体において、ガラス繊維の含有量は、1~10質量%、好ましくは3~7質量%の範囲内である。ここで、ガラス繊維の含有量が1質量%未満であると、十分な材料強度が得られないために好ましくない。また、ガラス繊維の含有量が10質量%を超えると、得られる樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体の切削面精度や加工性が低下するために好ましくない。
【0019】
次に、本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体は、上記ゾノトライト系ケイ酸カルシウム、ラテックス、タルク、無機質繊維状粒子及びガラス繊維の合計量に対して外割で0.5~3質量%、好ましくは0.8~2.5質量%の凝集剤を含有してなる。ここで、凝集剤の含有量が外割で0.5質量%未満であると、その効果が発揮できないために好ましくない。また、凝集剤の含有量が外割で3質量%を超えても、それに見合う効果がないために好ましくない。なお、凝集剤は、カチオン型であることが望ましく、使用するラテックスの官能基と相互作用することができる4級アミノ基を有する脂肪族アミンを主成分とするカチオン型高分子凝集剤、例えば、ポリアクリルアミド、ポリメチルアクリルアミドなどを使用することができる。
【0020】
なお、上述の成分から構成される樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、鋼製モールドを使用した加圧脱水成型により製造することができる。
【実施例
【0021】
以下の表に記載する配合割合にて、凝集剤を除く原料配合物を調製し、原料配合物の固形分量に対して8~9倍となるように水分量を調整、混合し、次に、凝集剤を固形分に対して外割で添加、混合することにより原料スラリーを調製した。得られたスラリーを300mm×300mm×150mmの鋼製モールド内へ流し込み、5~10N/mmの圧力で加圧することにより脱水プレス成型を行った後、得られた生板を110~140℃で24時間以上乾燥し、75mm×300mmに切断することにより厚さ10mmの供試体を得た。
【0022】
【表1】
【0023】
表中、
「ラテックス」としては、ガラス転移点40℃以下のカルボキシル基を含むスチレン-ブタジエン共重合体ラテックスを使用した;
「凝集剤」としては、カチオン系高分子凝集剤を使用した;
「成型性」は、加圧脱水成型を感応的に評価した指標であり、プレス圧力が10N/mm以下でモールドからのスラリー漏洩が全くない状態を◎、スラリー漏洩が僅かに認められる程度を○、プレス圧力が10N/mmを超え、スラリー漏洩が多く認められた場合を×としてそれぞれ示す;
「見掛け密度」は、JIS A 9510に準拠した方法にて測定したものである;
「曲げ強度」は、JIS A 9510に準拠した方法にて測定したものである;
「比強度」は、曲げ強度を見掛け密度の2乗で除した値である;
「加熱収縮率」は、(株)リガク社製TMA8310を使用し、加熱条件として180℃で2時間保持した後、常温まで自然冷却した時の収縮率を測定した;
「切削面精度」は、切削面の触感にて評価し、○は、切削面が滑らかで型枠として使用しても転写等がないことを、△は、切削面に若干ザラツキがあるものの、表層を拭き取る等の簡単な処理で滑らかな面が得られることをを、×は、切削面がザラツキ、型枠として使用した場合に粗面の転写や表面崩壊が起こることをそれぞれ示す;
「加工性」は、供試体を一般的なNCルーターにより切削した後の切削面を観察したもので、○は、切削面が滑らかで型枠として使用しても転写等がないことを、△は、切削面に若干ザラツキがあめものの、表層を拭き取る等の簡単な処理で滑らかな面が得られることを、×は、切削時に欠け等が発生したり、切削面がザラツキ、型枠として使用した場合に粗面の転写や表面崩壊が起こったりすることをそれぞれ示す。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の樹脂混合ケイ酸カルシウム成型体は、内装下地材、造作材、カーボンファイバー製品成型用型枠材などの様々な分野に用いることができ、特に、加熱処理等における寸法安定性に優れるため、型枠材として好適に使用することができる。