(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】温度測定装置、温度測定システム、および温度測定装置を用いた温度測定方法
(51)【国際特許分類】
G01K 1/024 20210101AFI20230410BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20230410BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
G01K1/024
G01K1/14 L
H01L21/30 566
H01L21/30 562
(21)【出願番号】P 2019207768
(22)【出願日】2019-11-18
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 丈二
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-58760(JP,A)
【文献】特開2002-124457(JP,A)
【文献】特開2014-17323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
H01L 21/027
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の温度センサが表面に設けられたセンサ基板と、
前記複数の温度センサの各々と有線で接続され、前記各温度センサで得られた温度測定データを外部へ無線で通信する無線通信回路と、前記無線通信回路を駆動するバッテリーとを有し、下面に少なくとも1本の脚部が設けられた無線通信基板であって、前記少なくとも1本の脚部を介して前記センサ基板上に載置することができると共に、温度測定時に前記センサ基板から分離することができる前記無線通信基板と、
を備えていることを特徴とする温度測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の温度測定装置において、
前記有線の一部は、帯状のフレキシブルケーブルで構成され、
前記フレキシブルケーブルの一端は前記センサ基板に固定され、前記フレキシブルケーブルの他端は前記無線通信基板に固定されていることを特徴とする温度測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の温度測定装置において、
前記フレキシブルケーブルは、平面視で前記センサ基板の中心と前記無線通信基板の中心とを通過する直線に平行に広がるように、前記センサ基板および前記無線通信基板に固定されることを特徴とする温度測定装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の温度測定装置において、
前記フレキシブルケーブルは、前記無線通信基板が前記センサ基板に載置されているときに、平面視で前記センサ基板の内側に収まるように、前記センサ基板と前記無線通信基板との間に配置されることを特徴とする温度測定装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の温度測定装置において、
前記センサ基板の厚みは、搬送機構の上下方向に配置された2つのハンドの隙間よりも小さく、
前記脚部の高さは、前記2つのハンドのうちの上側ハンドの厚みよりも大きく、
前記センサ基板の厚みと前記脚部の高さとの合計は、前記上側ハンドの厚みと前記2つのハンドの隙間との合計よりも大きいことを特徴とする温度測定装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の温度測定装置において、
前記センサ基板の外縁部には、切り欠きが形成されており、
平面視で前記無線通信基板の外縁部が前記切り欠きを覆わないように、前記無線通信基板の直径がセンサ基板の直径よりも小さいことを特徴とする温度測定装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の温度測定装置と、
前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を搬送する搬送機構と、
を備えていることを特徴とする温度測定システム。
【請求項8】
請求項7に記載の温度測定システムにおいて、
前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を保持し、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を垂直軸周りに回転させる保持回転機構を更に備えていることを特徴とする温度測定システム。
【請求項9】
請求項8に記載の温度測定システムにおいて、
前記センサ基板の外縁部の上方または下方に設けられ、前記センサ基板の角度基準となる切り欠きを検出する切り欠き検出部を更に備え、
前記保持回転機構は、前記切り欠き検出部により検出された前記切り欠きに基づき、保持された前記センサ基板であって前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を、予め設定された角度に調整することを特徴とする温度測定システム。
【請求項10】
請求項8または9に記載の温度測定システムにおいて、
前記有線の一部は、帯状のフレキシブルケーブルで構成され、
前記フレキシブルケーブルの一端は前記センサ基板に固定され、前記フレキシブルケーブルの他端は前記無線通信基板に固定されており、
前記保持回転機構は、次に温度測定を行う、加熱プレートを有する熱処理ユニットに前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を搬送したときに、前記フレキシブルケーブルの長手方向が前記加熱プレートに対する前記熱処理ユニットの第2搬送機構のアクセス方向と一致するように、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を鉛直軸周りに回転させることで、前記センサ基板の角度調整を行い、
前記搬送機構は、角度調整が行われた前記センサ基板であって、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を、前記保持回転機構上から前記熱処理ユニットに搬送することを特徴とする温度測定システム。
【請求項11】
複数の温度センサが表面に設けられたセンサ基板と、
前記複数の温度センサの各々と有線で接続され、前記各温度センサで得られた温度測定データを外部へ無線で通信する無線通信回路と、前記無線通信回路を駆動するバッテリーとを有する無線通信基板と、を備えた温度測定装置を用いた温度測定方法において、
加熱プレートの温度を測定する温度測定工程を備え、
前記温度測定工程は、
前記無線通信基板の下面に設けられた少なくとも1本の脚部を介して、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を第1搬送機構の第1ハンドで保持する工程と、
前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を保持する前記第1ハンドを冷却プレートの上方に移動させる工程と、
前記冷却プレートを貫通するように設けられた複数の第1支持ピン上に、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を引き渡す工程と、
前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を前記複数の第1支持ピン上に引き渡した後、前記冷却プレートの上方から前記第1ハンドを退避させる工程と、
前記センサ基板と前記無線通信基板との間に前記第1搬送機構の第2ハンドを進入させる工程と、
前記第2ハンドを進入させた後、進入させた前記第2ハンドに前記無線通信基板を引き渡すと共に、前記複数の第1支持ピン上の前記センサ基板を、前記冷却プレートの上方と加熱プレートの上方との間で移動可能である第2搬送機構の保持部材上に引き渡す工程と、
前記センサ基板を保持する前記保持部材を前記冷却プレートの上方から前記加熱プレートの上方に移動させる工程と、
前記保持部材を前記加熱プレートの上方に移動させた後に、前記加熱プレートを貫通するように設けられた複数の第2支持ピン上に前記センサ基板を引き渡す工程と、
前記複数の第2支持ピン上に前記センサ基板が引き渡された後、前記複数の第2支持ピンを下降させることで、前記センサ基板を加熱プレート上に載置する工程と、
を備えていることを特徴とする温度測定装置を用いた温度測定方法。
【請求項12】
請求項11に記載の温度測定装置を用いた温度測定方法において、
第1の熱処理ユニットの前記加熱プレートに対して前記温度測定工程を実行した後、第2の熱処理ユニットに前記第1搬送機構によって前記無線制御基板が載置された前記センサ基板を搬送する工程と、
前記第2の熱処理ユニットの加熱プレートに対して前記温度測定工程を実行する工程と、を備え、以下同様に複数の熱処理ユニットに対して連続して温度測定を行うことを特徴とする温度測定装置を用いた温度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱プレート上の基板の温度を測定する温度測定装置、温度測定システム、および温度測定装置を用いた温度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の基板処理装置は、複数の熱処理ユニットを備え、複数の熱処理ユニットは各々、基板を載置して熱処理を行う加熱プレートを備えている。加熱プレートは、温度の面内均一性が厳しく求められる。そのため、加熱プレートの個体差を個々に調整する必要がある。この調整作業には多くの工数が必要で、装置の立ち上げおよびメンテナンスを長期化させる要因の1つとなっている。
【0003】
特許文献1には、ウエハから外側に延びるシリアルケーブルが不要なワイヤレスウエハを用いて加熱プレートの温度測定を行うことが開示されている。
【0004】
特許文献2には、樹脂製のシート上にダミー用ウエハを重ねて配置した検知シートが開示されている。ダミー用ウエハは、検温素子を有し、シートは、検温素子と無線で送受信可能なセンサコイルを有する。また、シートの出力端子には、ケーブルが接続されている。測定部は、センサコイルで受信され、かつケーブルを通じて送られた電磁波の周波数に基づいて、温度を測定する。
【0005】
特許文献3には、温度測定用ウエハ、ウエハ型の送信装置およびケーブルを備えた温度測定装置が開示されている。温度測定用ウエハは、複数の温度センサを有する。ウエハ型の送信装置は、温度測定用ウエハと同じ略円板形状で形成されている。ケーブルは、温度測定用ウエハと送信装置とを接続する。また、特許文献3には、熱処理装置および2つの搬送アームが開示されている。熱処理装置は、冷却プレート、加熱プレートおよび搬送装置を備えている。冷却プレートと加熱プレートは、横方向に並べて配置される。搬送装置は、冷却プレートと加熱プレートの間でウエハを搬送する。2つの搬送アームは、温度測定用ウエハを熱処理装置内に搬入および搬出する。
【0006】
このような構成の温度測定方法について説明する。作業者は、上側に位置する第1搬送アームにウエハ型の送信装置を載置し、下側に位置する第2搬送アームに温度測定用ウエハを載置する。その後、2つの搬送アームは、熱処理装置内の冷却プレートの上方に移動する。その後、ウエハ型の送信装置を冷却プレートの上方の位置に維持させながら、温度測定ウエハを加熱プレート上に載置する。この状態で温度測定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-080489号公報
【文献】特開2008-139256号公報
【文献】特開2002-124457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。温度測定するための温度測定装置として、特許文献1に記載のワイヤレスウエハがある。ワイヤレスウエハ上には、無線通信のアンテナおよび回路が設けられている。これらは、高温に弱く、加熱プレートをあまり高温にすることができない。そのため、高温に加熱した加熱プレートの温度測定は、温度測定用ウエハから配線(ケーブル)を引き出すタイプの温度測定装置を用いなくてはならない。この場合、例えば、配線が引っ掛からないように注意しながら、加熱プレートから他の加熱プレートへ温度測定ウエハを移し換えるので、作業者の負担が発生する。そのため、ワイヤレスウエハのように自動で搬送されることが望まれる。
【0009】
ここで、特許文献3に記載の温度測定装置がある。温度測定装置は、上述のように、温度測定用ウエハと、ウエハ型の送信装置と、これらを接続するケーブルとを備えている。温度測定装置を搬送するとき、ウエハ型の送信装置は、上側の第1搬送アームに載置され、また、温度測定用ウエハは、下側の第2搬送アームに載置される。そのため、温度測定装置は、2つの搬送アームを用いて搬送する必要がある。また、例えば、作業者が温度測定装置を2つの搬送アームに載置する際に、温度測定用ウエハと、ウエハ型の送信装置とを個々に取り扱わなければならない。これらにより、温度測定装置の取扱いが容易ではない可能性がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、取扱いが容易な温度測定装置、温度測定システム、および温度測定装置を用いた温度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る温度測定装置は、複数の温度センサが表面に設けられたセンサ基板と、前記複数の温度センサの各々と有線で接続され、前記各温度センサで得られた温度測定データを外部へ無線で通信する無線通信回路と、前記無線通信回路を駆動するバッテリーとを有し、下面に少なくとも1本の脚部が設けられた無線通信基板であって、前記少なくとも1本の脚部を介して前記センサ基板上に載置することができると共に、温度測定時に前記センサ基板から分離することができる前記無線通信基板と、を備えていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る温度測定装置によれば、無線通信基板の下面には、少なくとも1本の脚部が設けられている。そのため、無線通信基板とセンサ基板の間に隙間を有しながら、脚部を介してセンサ基板上に無線通信基板を載置することができる。そのため、センサ基板を保持することで、無線通信基板とセンサ基板とを一体的に搬送することができる。その結果、センサ基板と無線通信基板とが有線で通信する温度測定装置の取扱いを容易にすることができる。
【0013】
また、上述の温度測定装置において、前記有線の一部は、帯状のフレキシブルケーブルで構成され、前記フレキシブルケーブルの一端は前記センサ基板に固定され、前記フレキシブルケーブルの他端は前記無線通信基板に固定されていることが好ましい。これにより、センサ基板と無線通信基板との間において、複数の温度センサの各々から引き出される配線をまとめることができるだけでなく、まとめた配線がふらついて安定しない状態を防止することができる。例えば、配線がふらついて安定しないことで、配線をどこかに引っ掛けてしまう場合がある。本発明によれば、これを防止することができる。
【0014】
また、上述の温度測定装置において、前記フレキシブルケーブルは、平面視で前記センサ基板の中心と前記無線通信基板の中心とを通過する直線に平行に広がるように、前記センサ基板および前記無線通信基板に固定されることが好ましい。これにより、フレキシブルケーブルが広がる方向に無線通信基板からセンサ基板を引き出すことができる。フレキシブルケーブルは捻れる方向に広がりにくい性質を有する。そのため、無線通信基板からセンサ基板を予め設定された方向に移動させることができる。
【0015】
また、上述の温度測定装置において、前記フレキシブルケーブルは、前記無線通信基板が前記センサ基板に載置されているときに、平面視で前記センサ基板の内側に収まるように、前記センサ基板と前記無線通信基板との間に配置されることが好ましい。フレキシブルケーブルがセンサ基板の外側にはみ出てしまうと、フレキシブルケーブルを何かに引っ掛けてしまう場合がある。本発明は、これを防止することができる。
【0016】
また、上述の温度測定装置において、前記センサ基板の厚みは、搬送機構の上下方向に配置された2つのハンドの隙間よりも小さく、前記脚部の高さは、前記2つのハンドのうちの上側ハンドの厚みよりも大きく、前記センサ基板の厚みと前記脚部の高さとの合計は、前記上側ハンドの厚みと前記2つのハンドの隙間との合計よりも大きいことが好ましい。これにより、無線通信基板が載置されたセンサ基板をハンドが保持した状態において、無線通信基板およびセンサ基板に引っ掛けずに、無線通信基板とセンサ基板と間の隙間にハンドを進入させることができる。
【0017】
また、上述の温度測定装置において、前記センサ基板の外縁部には、切り欠きが形成されており、平面視で前記無線通信基板の外縁部が前記切り欠きを覆わないように、前記無線通信基板の直径がセンサ基板の直径よりも小さいことが好ましい。これにより、切り欠きを基準に、平面視で、無線通信基板が載置されたセンサ基板の角度を調整することができる。
【0018】
また、本発明に係る温度測定システムは、上述の温度測定装置と、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を搬送する搬送機構と、を備えていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る温度測定システムによれば、温度測定装置の無線通信基板の下面には、少なくとも1本の脚部が設けられている。そのため、無線通信基板とセンサ基板の間に隙間を有しながら、脚部を介してセンサ基板上に無線通信基板を載置することができる。そのため、搬送機構は、センサ基板を保持することで、無線通信基板とセンサ基板とを一体的に搬送することができる。その結果、センサ基板と無線通信基板とが有線で通信する温度測定装置の取扱いを容易にすることができる。
【0020】
また、上述の温度測定システムにおいて、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を保持し、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を垂直軸周りに回転させる保持回転機構を更に備えていることが好ましい。保持回転機構により、無線通信基板が載置されたセンサ基板の角度調整を行うことができる。
【0021】
また、上述の温度測定システムにおいて、前記センサ基板の外縁部の上方または下方に設けられ、前記センサ基板の角度基準となる切り欠きを検出する切り欠き検出部を更に備え、前記保持回転機構は、前記切り欠き検出部により検出された前記切り欠きに基づき、保持された前記センサ基板であって前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を、予め設定された角度に調整することが好ましい。これにより、無線通信基板が載置されたセンサ基板を、任意の角度に精度良く調整することができる。
【0022】
また、上述の温度測定システムにおいて、前記有線の一部は、帯状のフレキシブルケーブルで構成され、前記フレキシブルケーブルの一端は前記センサ基板に固定され、前記フレキシブルケーブルの他端は前記無線通信基板に固定されており、前記保持回転機構は、次に温度測定を行う、加熱プレートを有する熱処理ユニットに前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を搬送したときに、前記フレキシブルケーブルの長手方向が前記加熱プレートに対する前記熱処理ユニットの第2搬送機構のアクセス方向と一致するように、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を鉛直軸周りに回転させることで、前記センサ基板の角度調整を行い、前記搬送機構は、角度調整が行われた前記センサ基板であって、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を、前記保持回転機構上から前記熱処理ユニットに搬送することが好ましい。
【0023】
熱処理ユニットに対して斜めから温度測定装置を搬送すると、フレキシブルケーブルの長手方向が加熱プレートに対する第2搬送機構のアクセス方向と一致しない場合がある。この場合、フレキシブルケーブルは捻れる方向に広がりにくいので、センサ基板を加熱プレートに載置できない場合が生じる。本発明によれば、保持回転機構は、熱処理ユニットに温度測定装置を搬送したときに、フレキシブルケーブルの長手方向が加熱プレートに対する第2搬送機構のアクセス方向と一致するように、角度調整される。そのため、熱処理ユニットに対して斜めから温度測定装置を搬送しても、フレキシブルケーブルの長手方向を、加熱プレートに対する第2搬送機構のアクセス方向と一致させることができる。そのため、作業者が熱処理ユニットごとに温度測定装置を移し換える動作を行わなくてもよいので、作業者の負担が軽減する。また、作業者の移し換え待ちが無くなり、次の熱処理ユニットの温度測定を円滑に行うことができる。
【0024】
また、本発明に係る温度測定方法は、温度測定装置を用いた温度測定方法である。温度測定装置は、複数の温度センサが表面に設けられたセンサ基板と、前記複数の温度センサの各々と有線で通信する無線通信回路を有する無線通信基板と、を備えている。この温度測定装置を用いた温度測定方法において、加熱プレートの温度を測定する温度測定工程を備え、前記温度測定工程は、前記無線通信基板の下面に設けられた少なくとも1本の脚部を介して、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を第1搬送機構の第1ハンドで保持する工程と、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を保持する前記第1ハンドを冷却プレートの上方に移動させる工程と、前記冷却プレートを貫通するように設けられた複数の第1支持ピン上に、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を引き渡す工程と、前記無線通信基板が載置された前記センサ基板を前記複数の第1支持ピン上に引き渡した後、前記冷却プレートの上方から前記第1ハンドを退避させる工程と、前記センサ基板と前記無線通信基板との間に前記第1搬送機構の第2ハンドを進入させる工程と、前記第2ハンドを進入させた後、進入させた前記第2ハンドに前記無線通信基板を引き渡すと共に、前記複数の第1支持ピン上の前記センサ基板を、前記冷却プレートの上方と加熱プレートの上方との間で移動可能である第2搬送機構の保持部材上に引き渡す工程と、前記センサ基板を保持する前記保持部材を前記冷却プレートの上方から前記加熱プレートの上方に移動させる工程と、前記保持部材を前記加熱プレートの上方に移動させた後に、前記加熱プレートを貫通するように設けられた複数の第2支持ピン上に前記センサ基板を引き渡す工程と、前記複数の第2支持ピン上に前記センサ基板が引き渡された後、前記複数の第2支持ピンを下降させることで、前記センサ基板を加熱プレート上に載置する工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0025】
本発明に係る温度測定方法によれば、温度測定装置の無線通信基板の下面には、少なくとも1本の脚部が設けられている。そのため、無線通信基板とセンサ基板の間に隙間を有しながら、脚部を介してセンサ基板上に無線通信基板を載置することができる。そのため、第1搬送機構は、センサ基板を保持することで、無線通信基板とセンサ基板とを一体的に搬送することができる。また、脚部によって形成された無線通信基板とセンサ基板との間の隙間にハンドを進入させ、進入させたハンドに無線通信基板を保持させることができる。それらの結果、センサ基板と無線通信基板とが有線で通信する温度測定装置の取扱いを容易にすることができる。
【0026】
また、上述の温度測定方法において、第1の熱処理ユニットの前記加熱プレートに対して前記温度測定工程を実行した後、第2の熱処理ユニットに前記第1搬送機構によって前記無線制御基板が載置された前記センサ基板を搬送する工程と、前記第2の熱処理ユニットの加熱プレートに対して前記温度測定工程を実行する工程と、を備え、以下同様に複数の熱処理ユニットに対して連続して温度測定を行うことが好ましい。温度測定装置の取扱いが容易である。そのため、複数の熱処理ユニットに対して、作業者に負担を与えず円滑に温度測定を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る温度測定装置、温度測定システム、および温度測定装置を用いた温度測定方法によれば、温度測定装置の取扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】(a)は、実施例1に係る温度測定装置の平面図であり、(b)は、(a)の温度測定装置の側面図である。
【
図2】(a)は、無線通信基板がセンサ基板に載置された状態の温度測定装置の平面図であり、(b)は、(a)の温度測定装置の側面図であり、(c)は、センサ基板の厚み、脚部の高さ、2つのハンドの隙間および上側ハンドの厚みの関係を示す側面図である。
【
図6】(a)は、基板搬送機構の側面図であり、(b)は、基板搬送機構の平面図である。
【
図7】(a)~(c)は、所定の熱処理ユニットの加熱プレートの温度を測定する動作を説明する図である。
【
図8】(a)~(c)は、所定の熱処理ユニットの加熱プレートの温度を測定する動作を説明する図である。
【
図9】実施例2に係る基板処理装置の縦断面図である。
【
図10】実施例2に係る基板処理装置の横断面図である。
【
図11】実施例2に係る基板処理装置を左側から見た側面図である。
【
図12】(a)は、温度測定ユニットの側面図であり、(b)は、温度測定ユニットの平面図である。
【
図13】実施例2に係る温度測定方法を説明するためのフローチャートである。
【
図14】(a)、(b)は、温度測定方法を説明するための図である。
【
図15】実施例3に係る温度測定方法を説明するためのフローチャートである。
【
図17】実施例4に係る温度測定方法を説明するためのフローチャートである。
【
図18】実施例5に係る温度測定方法を説明するためのフローチャートである。
【
図19】(a)、(b)は、温度測定方法を説明するための図である。
【
図20】変形例に係る温度測定装置を示す図である。
【実施例1】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1(a)は、実施例1に係る温度測定装置の平面図である。
図1(b)は、
図1(a)の温度測定装置の側面図である。
図2(a)は、無線通信基板がセンサ基板に載置された状態の温度測定装置の平面図である。
図2(b)は、
図2(a)の温度測定装置の側面図である。
図2(c)は、センサ基板の厚み、脚部の高さ、2つのハンドの隙間および上側ハンドの厚みの関係を示す側面図である。
【0030】
<温度測定装置1>
図1(a)、
図1(b)を参照する。温度測定装置1は、センサ基板2と無線通信基板3とを備えている。センサ基板2の表面には、複数(例えば17個、34個)の温度センサ5が設けられている。なお、
図1(a)において、センサ基板2は、図示の便宜上、9個の温度センサ5を備えている。複数の温度センサ5は、センサ基板2の表面(上面)に放射状、同心円状、またはこれらの組合せで配置されている。すなわち、複数の温度センサ5は、センサ基板2の表面に均等に配置されている。
【0031】
センサ基板本体2Aは、円板状に形成されている。また、センサ基板本体2Aは、例えばシリコンで形成されている。センサ基板本体2Aは、シリコンに限らず、実際の基板(ウエハ)と同じ材料で形成されていてもよい。温度センサ5は、例えば、測温抵抗体が用いられる。各温度センサ5は、配線(ケーブル)7の一端が接続されている。配線7の他端は、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuit)9の一端に接続されている。更に、フレキシブル基板9の他端は、後述する無線通信回路10に接続されている。フレキシブル基板9は、以下「FPC基板9」と呼ぶ。なお、FPC基板9は、本発明のフレキシブルケーブルに相当する。
【0032】
FPC基板9は、帯状で形成されている。
図1(b)に示すように、FPC基板9の一端は、センサ基板2の上面に固定されている。FPC基板9の他端は、無線通信基板3の下面に固定されている。一端の固定部は、符号9Aで示され、他端の固定部は、符号9Bで示される。FPC基板9は、
図1(a)に示すように、平面視で、センサ基板2の中心と無線通信基板3の中心とを通過する直線SLと平行に広がる(展開する、または、延びる)ようにセンサ基板2および無線通信基板3に固定される。これにより、FPC基板9が広がる方向(引き出し方向DW)に無線通信基板3からセンサ基板2を引き出すことができる。すなわち、平面視で、無線通信基板3に対してセンサ基板2を直線SLに沿って移動させることができる。FPC基板9は捻れる方向に広がりにくい性質を有する。そのため、無線通信基板3からセンサ基板2を予め設定された方向DWに移動させることができる。
【0033】
無線通信基板3は、無線通信回路10とバッテリー11(
図3参照)を備えている。無線通信回路10は、センサ基板2の複数の温度センサ5の各々と有線(配線7およびFPC基板9)で接続されている。なお、FPC基板9は、有線の一部を構成する。無線通信回路10は、複数の温度センサ5の各々で得られた温度測定データを外部(後述するデータ収集部13)へ無線で通信する。
【0034】
無線通信基板3の下面には、3本の脚部12が形成されている。そのため、無線通信基板3は、
図2(a)、
図2(b)に示すように、3本の脚部12を介してセンサ基板2上に載置することができる。また、無線通信基板3は、
図1(a)、
図1(b)に示すように、温度測定時に、センサ基板2から分離することができる。
【0035】
FPC基板9は、無線通信基板3がセンサ基板2に載置されているときに、平面視でセンサ基板2(または無線通信基板3)の内側に収まるように、センサ基板2と無線通信基板3との間に配置される。FPC基板9がセンサ基板2の外側にはみ出てしまうと、FPC基板9を何かに引っ掛けてしまう場合がある。本実施例は、これを防止することができる。
【0036】
センサ基板2の外縁部には、
図2(a)の符号Nに示すように、ノッチが形成されている。例えばノッチの深さは1mm程度である。無線通信基板3がセンサ基板2上に載置されるとき、平面視で無線通信基板3の外縁部がノッチを覆わないように、無線通信基板3の直径(例えば297mm)がセンサ基板2の直径(例えば300mm)よりも小さい。これにより、ノッチを基準に、平面視で、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2の角度を調整することができる。なお、切り欠きとしてのノッチに代えて、センサ基板2には、オリエンテーションフラットが形成されていてもよい。
【0037】
図2(c)を参照する。センサ基板2の厚みT1は、基板搬送機構TR3の上下方向に配置された2つのハンド61A,61Bの隙間CLよりも小さい(T1<CL)。脚部12の高さHTは、2つのハンド61A,61Bのうちの上側ハンド61Aの厚みT2よりも大きい(HT>T2)。また、センサ基板2の厚みT1と脚部12の高さHTとの合計は、上側ハンド61Aの厚みT2と2つのハンドの隙間CLとの合計よりも大きい(T1+HT>T2+CL)。これにより、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を下側のハンド61Bが保持した状態において、無線通信基板3およびセンサ基板2に引っ掛けずに、無線通信基板3とセンサ基板2との隙間に上側のハンド61Aを進入させることができる。
【0038】
なお、上側ハンド61Aの厚みは、符号T2Aに示すように出っ張り部分を含むものであってもよい。また、センサ基板2の厚みT1、脚部12の高さHT、2つのハンド61A,61Bの隙間CLおよび上側ハンド61Aの厚みT2の関係は、少なくとも脚部12の高さHT>上側ハンド61Aの厚みT2を満たせばよい。
【0039】
図3は、温度測定装置1の制御系を示す図である。無線通信回路10は、例えば、アンテナ10A、温度変換回路10B、変調回路10C、復調回路10D、プロセッサ10E、およびメモリ10Fを備えている。温度変換回路10Bは、温度センサ5から送られてきた信号を温度データ(例えば100℃)に変換する。変調回路10Cは、温度データを電波に乗せることで変調波を生成する。復調回路10Dは、後述するデータ収集部13から送られた変調波から情報を取り出す。プロセッサ10Eは、無線通信回路10を制御する。メモリ10Fは、例えば、温度データ、および無線通信回路10の動作に必要な情報を記憶する。なお、温度データは、本発明の温度測定データに相当する。
【0040】
また、無線通信回路10から無線で送信された温度データ(変調波)は、データ収集部13によって受信される。データ収集部13は、例えば、アンテナ13A、変調回路13C、復調回路13D、プロセッサ13Eおよびメモリ13Fを備えている。復調回路13Dは、無線で送られた変調波から温度データを取り出す。変調回路13Cは、情報(例えば動作指示)を電波に乗せることで変調波を生成する。プロセッサ13Eは、データ収集部13を制御する。メモリ13Fは、例えば、温度データおよび、データ収集部の動作に必要な情報を記憶する。温度測定装置1から送られた温度データは、後述する制御部71送られる。なお、無線通信基板3は、無線通信回路10に電力を供給するバッテリー11を備えている。そのため、温度測定装置1は、バッテリー11の充電時を除き、外部電源から有線で電力供給を行わずに温度測定および搬送を行うことができる。
【0041】
<熱処理ユニット20の構成>
図4は、熱処理ユニットの縦断面図である。
図5は、熱処理ユニットの平面図である。熱処理ユニット20は、円形基板(以下適宜、「基板」と呼ぶ)Wに対して、熱処理(加熱処理および冷却処理)を行う。
【0042】
熱処理ユニット20は、冷却プレート21、加熱プレート23、第1支持ピン25、第1ピン昇降機構26、第2支持ピン27、第2ピン昇降機構28、ローカル搬送機構29を備えている。これらは、ケーシング31の内部に配置されている。
【0043】
冷却プレート21は、載置された基板Wを冷却処理する。冷却プレート21は、円板状であり、例えば金属またはセラミックで形成されている。冷却プレート21は、その内部に所定の温度(例えば23℃)に調節された冷却水が循環するように循環流路(図示しない)が設けられている。冷却プレート21内の循環流路には、外部ポンプによって冷却水が循環される。なお、冷却プレート21は、冷却機構として、ペルチェ素子を内蔵していてもよい。
【0044】
冷却プレート21には、鉛直方向(Z方向)に3つの孔部33が設けられている。3つの孔部33には各々、棒状の第1支持ピン25が通されている。すなわち、3本の第1支持ピン25は、冷却プレート21を貫通するように設けられている。3本の第1支持ピン25の下端は、昇降部材34に固定されている。第1ピン昇降機構26は、昇降部材34を昇降させることにより、昇降部材34に固定された3本の第1支持ピン25を昇降させる。第1ピン昇降機構26および、後述する第2ピン昇降機構28は各々、電動モータまたはエアで駆動されるアクチュエータで構成されている。
【0045】
なお、例えば基板Wは、後述する搬送アーム45を介して冷却プレート21に接触する。すなわち、基板Wは、間接的に冷却される。この点、基板Wは、冷却プレート21上に直接載置されるように構成されていてもよい。また、搬送アーム45は、冷却プレート21のように冷却機能を有していてもよい。この場合、冷却プレート21を設けなくてもよい。
【0046】
加熱プレート23は、載置された基板Wを所定の温度に昇温して加熱する。加熱プレート23は、冷却プレート21に対して水平方向(Y方向)に並んで配置されている。加熱プレート23は、円板状であり、金属またはセラミックで形成されている。加熱プレート23は、ヒータ(例えば電熱器)を備えている。
【0047】
加熱プレート23には、鉛直方向に3つの孔部37が設けられている。3つの孔部37には各々、棒状の第2支持ピン27が通されている。すなわち、3本の第2支持ピン27は、加熱プレート23を貫通するように設けられている。3本の第2支持ピン27の下端は、昇降部材38に固定されている。第2ピン昇降機構28は、昇降部材38を昇降させることにより、昇降部材38に固定された3本の第2支持ピン27を昇降させる。
【0048】
加熱プレート23は、その上面23A上の基板Wを覆うためのカバー39が設けられている。カバー昇降機構41は、カバー39と接続して、カバー39を昇降する。カバー昇降機構41は、電動モータまたはエアで駆動されるアクチュエータで構成されている。
図4において、加熱プレート23の上面23Aには、載置された基板Wを取り囲むように、リング状の排気口43が設けられている。カバー39が基板Wを覆う下位置にある場合に、排気口43は、処理空間SP内の気体を排気することができる。
【0049】
図5を参照する。ローカル搬送機構29は、搬送アーム45とアーム駆動機構47とを備えている。なお、ローカル搬送機構29は、本発明の第2搬送機構に相当する。搬送アーム45は、本発明の保持部材に相当する。
【0050】
搬送アーム45は、平板状の部材であり、良好な伝熱性を有する材料(例えばアルミニウム)で形成されている。搬送アーム45の上面には、3つのプロキシミティボール49が設けられている。3つのプロキシミティボール49は、上面から上側に突出している。そのため、基板Wが搬送アーム45の上面に載置されたとき、3つのプロキシミティボール49により、基板Wの下面と搬送アーム45の上面との間に僅かな隙間が形成される。搬送アーム45には、2つのスリット51が形成されている。2つのスリット51は、搬送アーム45の加熱プレート23側に形成され、前後方向35に平行に延びている。2つのスリット51には、例えば、上昇した状態の3本の第1支持ピン25が入り込むようになっている。
【0051】
アーム駆動機構47は、冷却プレート21の上方と加熱プレート23の上方との間で、搬送アーム45を直線移動させることができる。アーム駆動機構47は、水平移動部47Hと鉛直移動部47Vとを備えている。水平移動部47Hは、搬送アーム45を水平方向(前後方向35、すなわちY方向)に移動させる。水平移動部47Hは、例えば、電動モータ、ガイドレールおよびタイミングベルトを備えている。鉛直移動部47Vは、搬送アーム45を鉛直方向に移動させる。鉛直移動部47Vは、例えば、電動モータまたはエアシリンダを備えている。
【0052】
図6(a)は、基板搬送機構TR3の側面図である。
図6(b)は、基板搬送機構TR1の平面図である。基板搬送機構TR3は、熱処理ユニット20の外部に設けられている。基板搬送機構TR3は、熱処理ユニット20に基板Wを搬入および搬出することができる。基板搬送機構TR3は、2つのハンド61A,61B、進退駆動部62、および回転駆動部63を備えている。なお、基板搬送機構TR3は、本発明の搬送機構および第1搬送機構に相当する。
【0053】
2つのハンド61A,61Bは各々、基板Wを保持する。また、2つのハンド61A,61Bは各々、1つの基礎部分65と、その基礎部分65から分かれた2つの先端部分66とを有している。基礎部分65および、2つの先端部分66の内側には、3つの突出部67が設けられている。基板Wは、3つの突出部67上に載置される。3つの突出部67は各々、吸着部68を有する。吸着部68は、図示しない吸気系に接続される。なお、2つのハンド61A,61Bは、
図6(b)に示す形状に限られない。
【0054】
2つのハンド61A,61Bは個々に水平方向に進退可能である。進退駆動部62は、2つのハンド61A,61Bを移動可能に支持すると共に、2つのハンド61A,61Bの各々を進退移動させる。進退駆動部62は、1つのハンド61Aを駆動するために、例えば、電動モータと、直線状のねじ軸と、ねじ軸と噛み合う孔部を有する可動部材と、可動部材をガイドするガイド部とを備えている。回転駆動部63は、進退駆動部62を鉛直軸AX1周りに回転させる。これにより、2つのハンド61A,61Bの向きを変えることができる。回転駆動部63は、電動モータを備えている。
【0055】
次に、ケーシング31について説明する。
図4を参照する。ケーシング31には、搬入搬出口31Aが設けられている。基板搬送機構TR3は、搬入搬出口31Aから2つのハンド61A,61Bの少なくとも一方を進入させて、基板Wの搬入および搬出を行う。なお、
図4に示すように、ケーシング31内の排気が行われる。
【0056】
また、
図5に示すように、熱処理ユニット20は、制御部71と、操作部72とを備えている。制御部71は、例えば中央演算処理装置(CPU)を備えている。制御部71は、熱処理ユニット20の各構成を制御する。操作部72は、表示部(例えば液晶モニタ)、記憶部および入力部を備えている。記憶部は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、およびハードディスクの少なくとも1つを備えている。入力部は、キーボード、マウス、タッチパネルおよび各種ボタンの少なくとも1つを備えている。記憶部には、加熱処理および冷却処理の各種条件および、熱処理ユニット20の制御に必要な動作プログラム等が記憶されている。
【0057】
<温度測定装置1を用いた温度測定方法>
次に、温度測定装置1を用いた温度測定方法について説明する。
図7(a)~7(c)、
図8(a)~
図8(c)は、所定の熱処理ユニット20の加熱プレート23の温度を測定する動作を説明する図である。
【0058】
図7(a)を参照する。基板搬送機構TR3は、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2(温度測定装置1)を例えば下側のハンド61Bで保持する。なお、無線通信基板3は、その下面に設けられた脚部12を介して、センサ基板2上に載置されている。基板搬送機構TR3の上側のハンド61Aは、無線通信基板3とセンサ基板2との間に配置されている。
【0059】
図7(b)を参照する。基板搬送機構TR3は、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を保持する下側のハンド61Bを冷却プレート21の上方に移動させる。その後、冷却プレート21を貫通するように設けられた3本の第1支持ピン25上に、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を引き渡す。すなわち、第1ピン昇降機構26(
図4参照)は、3本の第1支持ピン25を上昇させることで、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を3本の第1支持ピン25上に載置させる。なお、
図7(b)において、ローカル搬送機構29の搬送アーム45は、冷却プレート21に接触している。
【0060】
図7(c)を参照する。無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を3本の第1支持ピン25上に引き渡した後、冷却プレート21の上方から下側のハンド61Bを後退(退避)させる。その後、基板搬送機構TR3は、上側のハンド61Aを前進させることで、無線通信基板3とセンサ基板2との間に上側のハンド61Aを進入させる。また、下側のハンド61Bが後退した後、ローカル搬送機構29は、冷却プレート21から離すように搬送アーム45を上昇させる。
【0061】
なお、
図7(a)、
図7(b)において、冷却プレート21の上方に、下側のハンド61Bによって、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を搬送している。この点、上側のハンド61Aが、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を搬送してもよい。下側のハンド61Bによって搬送する場合、次の効果がある。すなわち、
図7(c)に示すように、3本の第1支持ピン25上のセンサ基板2の下面側からハンドを後退させて、無線通信基板3とセンサ基板2との間の隙間に上側のハンドを進入させる動作を比較的速く行うことができる。
【0062】
図8(a)を参照する。上側のハンド61Aを進入させた後、進入させた上側のハンド61Aに無線通信基板3を引き渡す。また、3本の第1支持ピン25上のセンサ基板2をローカル搬送機構29の搬送アーム45上に引き渡す。具体的に説明する。第1ピン昇降機構26(
図4参照)は、3本の第1支持ピン25を下降させる。これにより、無線通信基板3が上側のハンド61A上に載置されると共に、センサ基板2がローカル搬送機構29の搬送アーム45上に載置される。なお、ローカル搬送機構29の搬送アーム45は、冷却プレート21の上方と加熱プレート23の上方との間で移動可能である。
【0063】
図8(b)を参照する。その後、ローカル搬送機構29は、センサ基板2を保持する搬送アーム45を冷却プレート21の上方から加熱プレート23の上方に移動させる。搬送アーム45を加熱プレート23の上方に移動させた後に、加熱プレート23を貫通するように設けられた3本の第2支持ピン27上に、センサ基板2を引き渡す。すなわち、第2ピン昇降機構28(
図4参照)は、3本の第2支持ピン27を上昇させることで、センサ基板2を3本の第1支持ピン25上に載置させる。
図8(b)、
図8(c)の動作の説明において、無線通信基板3は、冷却プレート21の上方で待機する。
【0064】
図8(c)を参照する。3本の第2支持ピン27上にセンサ基板2が引き渡された後、まず、ローカル搬送機構29は、加熱プレート23の上方から冷却プレート21の上方に搬送アーム45を移動させ、その後、冷却プレート21に接触させるために、搬送アーム45を下降させる。そして、第2ピン昇降機構28(
図4参照)は、3本の第2支持ピン27を下降させる。これにより、センサ基板2を加熱プレート23上に載置する。その後、カバー昇降機構41(
図4参照)は、センサ基板2および無線通信基板3の載置位置が移動しない程度に、カバー39を下降させてもよい。
【0065】
センサ基板2を加熱プレート23上に載置した後、センサ基板2は、加熱プレート23によって加熱される。その後、センサ基板2によって、加熱プレート23の温度が測定される。
図1(a)に示す複数の温度センサ5は各々、温度を検出する。複数の温度センサ5の各々の信号は、配線7およびFPC基板9を通じて無線通信回路10に送られる。温度変換回路10Bは、温度センサ5から送られてきた信号を温度データに変換する。
【0066】
温度データは、変調回路10C、アンテナ10A、アンテナ13Aを通じてデータ収集部13に送られる。データ収集部13の復調回路は、無線で送られた変調波から温度データを取り出す。データ収集部13のプロセッサ13Eは、温度センサ5毎の時系列の温度データをメモリ13Fに記憶させながら、制御部71に送る。データ収集部13から送られた温度センサ5毎の時系列の温度データは、操作部72の記憶部に記憶される。そして、制御部71は、送られた温度データに基づき、加熱プレート23の温度を再設定する。温度測定と再設定を繰り返しながら、加熱プレート23の温度が調整される。
【0067】
加熱プレート23の温度を調整した後、温度測定装置1は、熱処理ユニット20から搬出される。この動作は、
図7(a)~
図7(d)および
図8(a)~
図8(b)の説明の順番と逆に行われる。簡単に説明する。
【0068】
図8(c)を参照する。カバー39が上側の待避位置から下降している場合、カバー昇降機構41は、カバー39を待避位置に上昇させる。
図8(b)を参照する。その後、第2ピン昇降機構28は、3本の第2支持ピン27を上昇させて、3本の第2支持ピン27上にセンサ基板2を載置させる。その後、ローカル搬送機構29は、搬送アーム45をセンサ基板2の上方と加熱プレート23の上方と間に移動させる(前進)。その後、第2ピン昇降機構28は、3本の第2支持ピン27を下降させて、搬送アーム45上にセンサ基板2を載置させる。
【0069】
図8(a)を参照する。センサ基板2を保持する搬送アーム45を加熱プレート23の上方から冷却プレートの上方に移動させる(後退)。第1ピン昇降機構26は、3本の第1支持ピン25を上昇させる。これにより、センサ基板2が3本の第1支持ピン25上に載置されると共に、脚部12を介して、無線通信基板3がセンサ基板2上に載置される。これにより、センサ基板2と無線通信基板3とを一体的に移動することができる。
【0070】
図7(c)を参照する。基板搬送機構TR3は、上側のハンド61Aを無線通信基板3とセンサ基板2との間の隙間から退避させる(後退)。一方、ローカル搬送機構29は、搬送アーム45を下降させて、搬送アーム45を冷却プレート21に接触させる。これにより、搬送アーム45は、冷却プレート21によって冷却される。その後、基板搬送機構TR3は、下側のハンド61Bをセンサ基板2と搬送アーム45との間の隙間に進入させる(前進)。
【0071】
図7(b)を参照する。第1ピン昇降機構26は、3本の第1支持ピン25を下降させて、下側のハンド61B上に、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を載置させる。
図7(a)を参照する。基板搬送機構TR3は、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を保持する下側のハンド61Bを冷却プレート21の上方から退避させる(後退)。この際、上側のハンド61Aは、無線通信基板3とセンサ基板2との間に収められる。
【0072】
本実施例によれば、温度測定装置1の無線通信基板3の下面には、3本の脚部12が設けられている。そのため、無線通信基板3とセンサ基板2の間に隙間を有しながら、脚部12を介してセンサ基板2上に無線通信基板3を載置することができる。そのため、作業者および基板搬送機構TR3は、センサ基板2を保持することで、無線通信基板3とセンサ基板2とを一体的に搬送することができる。また、脚部12によって形成された無線通信基板3とセンサ基板2との間の隙間にハンドを進入させ、進入させたハンドに無線通信基板3を保持させることができる。それらの結果、センサ基板2と無線通信基板3とが有線で通信する温度測定装置1の取扱いを容易にすることができる。
【0073】
また、有線の一部は、帯状のFPC基板9で構成され、FPC基板9の一端はセンサ基板2に固定され、FPC基板9の他端は無線通信基板3に固定されている。これにより、センサ基板2と無線通信基板3との間において、複数の温度センサ5の各々から引き出される配線7をまとめることができるだけでなく、まとめた配線7がふらついて安定しない状態を防止することができる。例えば、配線7がふらついて安定しないことで、配線7をどこかに引っ掛けてしまう場合がある。本実施例によれば、これを防止することができる。
【実施例2】
【0074】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。
【0075】
実施例1では、温度測定装置1を用いた、1つの熱処理ユニット20の加熱プレート23に対する温度測定について説明した。基板処理装置は、一般的に複数の熱処理ユニット20を有している。実施例2では、複数の熱処理ユニット20の加熱プレート23に対する温度測定について説明する。
【0076】
<基板処理装置81の構成>
図9、
図10を参照する。基板処理装置81は、基板W上にフォトレジスト膜を形成し、露光後の基板Wに対して現像するものである。基板処理装置81は、インデクサブロック82、塗布ブロック83、現像ブロック84、およびインターフェースブロック86を備えている。インデクサブロック82は、以下適宜、「IDブロック82」と呼ぶ。インターフェースブロック86は、以下適宜、「IFブロック86」と呼ぶ。外部装置である露光装置EXPは、IFブロック86に隣接して配置されている。
【0077】
〔IDブロック82の構成〕
IDブロック82は、2つのオープナ87,88(
図10参照)、および2つの基板搬送機構TR1,TR2を備えている。IDブロック82に設けられた2つのオープナ87,88(キャリア載置部)は各々、複数の基板Wを収納することが可能なキャリアCを載置する。キャリアCは、例えばフープ(FOUP:Front Open Unified Pod)が用いられる。
【0078】
各オープナ87,88は、キャリアCが載置される載置台90と、基板Wを通すための開口部91と、開口部91の開閉を行うと共にキャリア本体に対して蓋部の着脱を行うシャッタ部材(図示しない)と、シャッタ部材を駆動させるシャッタ部材駆動機構(図示しない)とを備えている。
【0079】
2つの基板搬送機構TR1,TR2は各々、2つのハンド93、進退駆動部94および昇降回転駆動部95を備えている。2つのハンド93は各々、基板Wを保持する。また、2つのハンド93は各々、進退駆動部94に移動可能に取り付けられている。進退駆動部94は、2つのハンド93を個々に移動できる。なお、2つのハンド93は、基板搬送機構TR3の2つのハンド61A,61Bと同様に構成されている。
【0080】
昇降回転駆動部95は、進退駆動部94を昇降および回転させることで、2つのハンド93を昇降および回転させる。すなわち、昇降回転駆動部95は、進退駆動部94を上下方向(Z方向)に移動することができると共に、進退駆動部94を鉛直軸AX2周りに回転させることができる。進退駆動部94および昇降回転駆動部95は各々、例えば電動モータを備えている。なお、2つの基板搬送機構TR1,TR2は各々、水平方向に移動できないように、IDブロック82の床部に固定されている。この点、2つの基板搬送機構TR1,TR2は各々、水平方向に移動可能に設けられていてもよい。また、2つの基板搬送機構TR1,TR2の一方を省略してもよい。
【0081】
IDブロック82と、塗布ブロック83の後述する上側の塗布処理層83Aとの間には、基板載置部PS1が設けられている。IDブロック82と、塗布ブロック83の後述する下側の塗布処理層83Bとの間には、基板載置部PS2が設けられている。2つの基板載置部PS1,PS2および後述する4つの基板載置部PS3,PS4,PS5,PS6は各々、1枚または複数の基板Wを載置できるように構成されている。
【0082】
なお、6つの基板載置部PS1~PS6は、
図2(a)、
図2(b)に示す温度測定装置1を載置できるように構成されている。基板載置部が複数の基板Wを載置できるように構成されている場合、基板載置部は、上下方向に配置された複数の載置部材を備えている。このとき、2つの載置部材の隙間の大きさの問題から、最上段の載置部材に温度測定装置1を載置するように構成されていてもよい。また、最上段以外の段でも、温度測定装置1を載置できる構成されていてもよい。
【0083】
第1基板搬送機構TR1は、オープナ87に載置されたキャリアCから2つの基板載置部PS1,PS2のいずれかに基板Wを搬送する。また、第2基板搬送機構TR2は、オープナ88に載置されたキャリアCから2つの基板載置部PS1,PS2のいずれかに基板Wを搬送する。なお、オープナ87,88は各々、上下方向に2以上設けられていてもよい。この場合、例えば、第1基板搬送機構TR1は、上下方向に設けられた2以上のオープナ87に載置されたキャリアCから基板Wを取り出すことができる。
【0084】
〔塗布ブロック83および現像ブロック84の構成〕
塗布ブロック83は、基板Wに対して、例えばフォトレジスト液または反射防止膜を形成するための液を塗布する塗布処理を行う。塗布ブロック83は、上側の塗布処理層83Aと下側の塗布処理層83Bを備えている。一方、現像ブロック84は、露光された基板Wに対して現像処理を行う。現像ブロック84は、上側の現像処理層84Aと下側の現像処理層84Bを備えている。4つの処理層83A,83B,84A,84Bは各々、基板搬送機構TR3(
図6参照)、搬送スペース97(
図10参照)、液処理ユニット98および熱処理ユニット20(
図4、
図5参照)を備えている。
【0085】
基板搬送機構TR3は、4つの処理層83A,83B,84A,84Bの各々において、基板Wを搬送するためのものである。基板搬送機構TR3は、上述のように、2つのハンド61A,61B、進退駆動部62、回転駆動部63を備え、更に、第1移動機構101および第2移動機構102を備えている。
【0086】
第1移動機構101は、回転駆動部63をX方向に移動させる。これにより、2つのハンド61A,61Bおよび進退駆動部62をX方向に移動させることができる。第2移動機構102は、回転駆動部63を上下方向(Z方向)に移動させる。これにより、2つのハンド61A,61Bおよび進退駆動部62をZ方向に移動させることができる。すなわち、2つの移動機構101,102は、2つのハンド61A,61Bおよび進退駆動部62をXZ方向に移動させることができる。なお、第1移動機構101および第2移動機構102は各々、電動モータを備えている。なお、2つの移動機構101,102は、床に設けられていてもよい。
【0087】
基板搬送機構TR3は、搬送スペース97に設けられている。搬送スペース97は、平面視で、水平方向(X方向)に直線状に延びる長方形の空間である。液処理ユニット98と熱処理ユニット20は、搬送スペース97を挟むように配置されている。
【0088】
上側の塗布処理層83Aと上側の現像処理層84Aとの間には、基板載置部PS3が設けられている。下側の塗布処理層83Bと下側の現像処理層84Bとの間には、基板載置部PS4が設けられている。また、上側の現像処理層84AとIFブロック86との間には、基板載置部PS5が設けられている。下側の現像処理層84BとIFブロック86との間には、基板載置部PS6が設けられている。
【0089】
2つの塗布処理層83A,83Bは各々、4つの液処理ユニット98を備えている。この4つの液処理ユニット98は、水平方向に2列かつ上下方向に2段の2列×2段で配置されている。また、2つの現像処理層84A,84Bは各々、6つの液処理部98を備えている。この6つの液処理ユニット98は、3列×2段で配置されている。
【0090】
図10に示すように、液処理ユニット98は、保持回転部103、ノズル105およびノズル移動機構107を備えている。保持回転部103は、例えば真空吸着で基板Wを保持して、保持した基板Wを垂直軸(Z方向)周りに回転させるものである。回転は、電動モータ(例えばステッピングモータ)によって行われる。ノズル105は、基板Wに塗布液(例えば反射防止膜形成用の液またはフォトレジスト液)または現像液を供給するものである。ノズル移動機構107は、ノズル105を任意の位置に移動させるものである。ノズル移動機構107は、例えば電動モータを備えている。
【0091】
図11は、塗布ブロック3および現像ブロック4の熱処理ユニット20の配置を示す図である。4つの処理層83A,83B,84A,84Bは各々、複数の熱処理ユニット20を備えている。各熱処理ユニット20は、
図4,
図5に示すように、冷却プレート21、加熱プレート23およびローカル搬送機構29を備えている。
【0092】
2つの塗布処理層83A,83Bにおいて、熱処理ユニット20は、3列×5段で配置できるように構成されている。
図11において、2つの塗布処理層83A,83Bは各々、14個の熱処理ユニット20を備えている。一方、2つの現像処理層84A,84Bにおいて、熱処理ユニット20は、4列×5段で配置できるように構成されている。2つの現像処理層84A,84Bは各々、16個の熱処理ユニット20を備えている。また、熱処理ユニット20が設けられる空間にエッジ露光部EEWが設けられもよい。エッジ露光部EEWは、基板Wの周縁部の露光処理を行う。エッジ露光部EEWは、
図10に示す保持回転部103と同様の保持回転部を備えている。エッジ露光部EEWの保持回転部は、電動モータ(例えばステッピングモータ)を備えている。なお、液処理ユニット98および熱処理ユニット20の個数および種類は、適宜変更される。
【0093】
〔インターフェースブロック86〕
IFブロック86は、露光処理を行う露光装置EXPに対して基板Wの搬入および搬出を行う。IFブロック86は、3つの基板搬送機構TR4~TR6、複数の露光前洗浄ユニット116、複数の露光後洗浄ユニットSOAK、3つの載置兼冷却部P-CP、基板載置部PS9、および熱処理ユニット20を備えている(
図9~
図11参照)。
【0094】
第4基板搬送機構TR4および第5基板搬送機構TR5は、前後方向(X方向)と直交するY方向に並んで配置されている。第6基板搬送機構TR6は、2つの基板搬送機構TM4,TM5の後方(
図9の右側)に配置されている。3つの基板搬送機構TR4~TR6は、基板搬送機構TR1と同様に構成されている。
【0095】
露光前洗浄ユニット116と露光後洗浄ユニットSOAKは、2つの基板搬送機構TR4,TR5を挟んで対向するように設けられている。洗浄ユニット116,SOAKは各々、基板Wを保持する保持回転部と、例えば洗浄液を基板Wに吐出するノズルとを備えている。なお、保持回転部は、保持回転部103(
図10参照)と同様に構成されている。また、処理前洗浄ユニット116は、ブラシ等を用いて基板Wの裏面、および端部(ベベル部)のポリッシング処理を行ってもよい。なお、基板Wの裏面は、例えば回路パターンが形成された面の反対側の面を言う。
【0096】
3つの基板搬送機構TM4~TM6の間には、3つの載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9が設けられている。IFブロック86において、熱処理ユニット20は、第4基板搬送機構TR4側および第5基板搬送機構TR5側に6個ずつ設けられている。
【0097】
なお、制御部71は、基板処理装置81の各構成を制御する。操作部72の記憶部には、基板処理装置81の制御に必要な動作プログラム等が記憶されている。
【0098】
<温度測定ユニット122の構成>
図11において、塗布ブロック83の各処理層83A,83Bは、3列×5段で熱処理ユニット20を配置することができる。温度測定ユニット122は、その3列×5段の空間に設けられていてもよい。同様に、温度測定ユニット122は、現像ブロック84の各処理層84A,84Bの4列×5段の空間に設けられていてもよい。例えば、塗布処理層83Aの温度測定ユニット122は、処理層83Aの複数の熱処理ユニット20に対して温度測定を行う。また、処理層83Bの温度測定ユニット122は、処理層83Bの複数の熱処理ユニット20に対して温度測定を行う。すなわち、実施例2では、各処理層83A,83B,84A,84Bは、温度測定ユニット122を備え、処理層ごとに温度測定を行う。温度測定ユニット122は、温度測定の作業の際に取り付けられてもよいし、常時設けられていてもよい。なお、IFブロック86にも、温度測定ユニット122が設けられてもよい。
【0099】
図12(a)、
図12(b)を参照する。温度測定ユニット122は、例えば、保持回転部125、切り欠き検出部127、中心合わせ機構129および制御部131を備えている。制御部131は、例えばCPUを備え、温度測定ユニット122の各構成を制御する。
【0100】
保持回転部125は、スピンチャック125Aと回転駆動部125Bを備えている。スピンチャック125Aは、例えば真空吸着によりセンサ基板2の裏面を保持する。なお、スピンチャック125Aは、3本以上の保持ピン(図示しない)で基板Wの端部を保持するものであってもよい。回転駆動部125Bは、鉛直軸AX3周りにスピンチャック125Aを回転させる。回転駆動部125Bは、電動モータ(例えばステッピングモータ)を備えている。
【0101】
切り欠き検出部127は、例えば透過型または反射型の光学式センサで構成されている。切り欠き検出部127は、センサ基板2に設けられたノッチの有無を検出する。
図12(a)において、切り欠き検出部127は、センサ基板2の左端の位置で検出動作を行っている。この点、検出位置は、センサ基板2の外縁部のいずれかの位置で行っていればよい。
【0102】
中心合わせ機構129は、保持回転部125の回転中心である鉛直軸AX3とセンサ基板2の中心を一致させるものである。
図12(b)に示すように、中心合わせ機構129は、例えば、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を2つの水平方向から挟み込むための2つの部材129Aを備えるものであってもよい。2つの部材129Aは、例えば電動モータによって駆動される。
【0103】
<温度測定装置1を用いた温度測定方法>
次に、本実施例における、温度測定装置1を用いた温度測定方法について説明する。
図11を参照する。作業者は、塗布ブロック83の上側の塗布処理層83Aの所定位置に温度測定ユニット122を挿入して取り付ける。この取り付けは、基板処理装置1の外側から行われる。他の処理層83B,84A,84Bも処理層83Aと同様に取り付けられ、また、操作される。
図13は、実施例2に係る温度測定方法を説明するためのフローチャートである。
【0104】
〔ステップS01〕温度測定装置1の投入
温度測定ユニット122を取り付けた後、作業者は、脚部12を介して、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2(温度測定装置1)を、温度測定ユニット122の保持回転部125上に載置する(
図12(a)、
図12(b)参照)。なお、温度測定装置1の載置作業は、基板処理装置1の外壁側から温度測定ユニット122に設けられた開口部を通じて行われる。中心合わせ機構129は、2つの部材129Aが水平方向からセンサ基板2を挟み込むことにより、温度測定装置1の中心位置を、保持回転部125の回転中心である鉛直軸AX3と一致させる。その後、2つの部材129Aは、センサ基板2から離れる。また、スピンチャック125Aは、真空吸着によりセンサ基板2の保持を有効にする。
【0105】
その後、保持回転部125によって温度測定装置1を回転させながら、切り欠き検出部127は、センサ基板2のノッチの位置を検出する。なお、この回転は、例えば1周または複数周で行われる。検出したノッチの位置(角度)に基づき、制御部131は、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2(温度測定装置1)の角度を調整する。無線通信基板3が載置されたセンサ基板2の角度は、
図14(a)に示すように、FPC基板9の長手方向がY方向と平行になるように調整される。更に、具体的には、そのセンサ基板2の角度は、引き出し方向DWがY方向と平行であり、かつ基板搬送機構TR3に対して背を向ける方向に調整される。なお、引き出し方向DWは、平面視でFPC基板9の長手方向に沿って無線通信基板3からセンサ基板2を引き出す方向である(
図1(a)参照)。また、引き出し方向DWは、無線通信基板3がセンサ基板2に載置された状態、かつ平面視で、FPC基板9の一端の固定部9Aから他端の固定部9Bに向かう方向と言い換えることができる(
図2(a)、
図2(b)参照)。Y方向は、冷却プレート21と加熱プレート23が並ぶ方向である。また、Y方向は、熱処理ユニット20が並ぶX方向と直交する方向でもある。
【0106】
本実施例では、基板搬送機構TR3の2つのハンド61A,61Bの各々は、各熱処理ユニット20に対して、冷却プレート21と加熱プレート23が並ぶY方向に進入および後退する。
【0107】
〔ステップS02〕熱処理ユニット20の温度測定
無線通信基板3が載置されたセンサ基板2の角度が調整された後、基板搬送機構TR3は、下側のハンド61Bを温度測定ユニット122に進入させて、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を受け取る。
図14(a)において、例えば、所定の熱処理ユニット20Aの加熱プレート23に対して温度測定を行う。なお、熱処理ユニット20Aは、冷却プレート21および加熱プレート23を備えている。基板搬送機構TR3は、熱処理ユニット20Aの正面からY方向に、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を進入させる。温度測定の具体的な工程は、
図7(a)~(c)および
図8(a)~
図8(c)を参照して実施例1において説明している。そのため、その説明を省略する。
【0108】
〔ステップS03〕全ての熱処理ユニット20の温度測定終了?
制御部131は、塗布処理層83Aにおける全ての熱処理ユニット20の温度測定が終了したかどうか判定する。全ての熱処理ユニット20の温度測定が終わった場合(YESの場合)は、ステップS04に進む。これに対し、全ての熱処理ユニット20の温度測定が終わっていない場合(NOの場合)は、ステップS02に戻る。なお、温度測定が不要な熱処理ユニット20は、「全ての熱処理ユニット20」から除かれる。
【0109】
ここで、ステップS02に戻る場合について説明する。熱処理ユニット20Aの加熱プレート23に対して温度測定を実行した後、基板搬送機構TR3は、熱処理ユニット20Bに無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を搬送する。なお、熱処理ユニット20Bは、冷却プレート21および加熱プレート23を備えている。
図14(b)において、まず、基板搬送機構TR3は、第1の熱処理ユニット20Aの正面からY方向に下側のハンド61Bを進入させて、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2をハンド61Bで受け取る。その後、基板搬送機構TR3は、第2の熱処理ユニット20Bの正面からY方向に、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を進入させる。その後、熱処理ユニット20Bの加熱プレート23に対して温度測定を実行する。以下同様に、残りの複数の熱処理ユニット20に対して連続して温度測定を行う。すなわち、全ての熱処理ユニット20の温度測定が終わるまで、繰り返す。
【0110】
2つの熱処理ユニット20間の搬送において、基板搬送機構TR3の各ハンド61A,61Bが熱処理ユニット20(20A,20B)に対して正面からY方向に進入する。そのため、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2の向き(引き出し方向DW)を維持することができる。センサ基板2の向きを維持することができるので、センサ基板2の向きが変わって温度測定ができなくなる事態を回避することができる。
【0111】
〔ステップS04〕温度測定装置1の回収
全ての熱処理ユニット20の温度測定が終わった場合、基板搬送機構TR3は、例えば下側のハンド61Bを用いて、最後に温度測定した熱処理ユニット20から温度測定装置1(無線通信基板3が載置されたセンサ基板2)を受け取り、受け取った温度測定装置1を温度測定ユニット122の保持回転部125に戻す。保持回転部125に載置された温度測定装置1は、作業者により回収される。
【0112】
本実施例によれば、温度測定装置1の無線通信基板3の下面には、3本の脚部12が設けられている。そのため、無線通信基板3とセンサ基板2の間に隙間を有しながら、脚部12を介してセンサ基板2上に無線通信基板3を載置することができる。そのため、基板搬送機構TR3は、センサ基板2を保持することで、無線通信基板3とセンサ基板2とを一体的に搬送することができる。その結果、センサ基板2と無線通信基板3とが有線で通信する温度測定装置1の取扱いを容易にすることができる。
【0113】
また、温度測定ユニット122は、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を保持し、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を鉛直軸AX3周りに回転させる保持回転部125を備えている。保持回転部125により、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2の角度調整を行うことができる。
【0114】
また、基板処理装置1は、センサ基板2の外縁部の上方または下方に設けられ、センサ基板2の基準角度となるノッチを検出する切り欠き検出部127を備えている。保持回転部125は、切り欠き検出部127により検出されたノッチに基づき、保持された温度測定装置1を、予め設定された角度に調整する。これにより、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を、任意の角度に精度良く調整することができる。
【0115】
また、第1熱処理ユニット20Aの加熱プレート23に対して温度測定動作を実行する。その後、第2熱処理ユニット20Bに、基板搬送機構TR3によって無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を搬送する。その後、第2熱処理ユニット20Bの加熱プレート23に対して温度測定動作を実行する。第2熱処理ユニット20Bは、第1熱処理ユニット20Aと同じ例えば処理層83Aに配置されている。また、上述のように、温度測定装置1の取扱いが容易である。そのため、例えば処理層83Aの複数の熱処理ユニット20に対して、作業者に負担を与えず円滑に温度測定を行うことができる。
【実施例3】
【0116】
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。なお、実施例1,2と重複する説明は省略する。
【0117】
実施例2では、各処理層83A,83B,84A,84Bは、温度測定ユニット122を備え、処理層(例えば83A)ごとに温度測定を行った。これに対し、実施例3では、2つの処理ブロック83,84をまたいで、温度測定を行う。
【0118】
実施例3の基板処理装置1は、温度測定ユニット122の個数を除いて、実施例2と同じ構成である。
図11において、作業者は、例えば、現像処理層84A,84Bに温度測定ユニット122を取り付けず、塗布処理層83A,83Bに温度測定ユニット122を取り付けている。
図15は、実施例3に係る温度測定方法を説明するための図である。
【0119】
〔ステップS11〕温度測定装置1の投入
塗布処理層83Aにおいて、温度測定ユニット122を取り付けた後、脚部12を介して、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2(温度測定装置1)を、温度測定ユニット122の保持回転部125上に載置する。その後、温度測定装置1の中心合わせ、ノッチの検出、および温度測定装置1の角度調整の動作を行う。
【0120】
〔ステップS12〕熱処理ユニット20の温度測定
基板搬送機構TR3は、下側のハンド61Bを温度測定ユニット122に進入させて、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を受け取る。その後、基板搬送機構TR3は、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を保持する下側のハンド61Bを、温度測定の対象である熱処理ユニット20(20A)に進入させる。この際、下側のハンド61Bは、冷却プレート21と加熱プレート23が並ぶY方向と平行に移動する。進入後、温度測定が行われる。温度測定の具体的な工程は、上述の通りである。
【0121】
〔ステップS13〕全ての熱処理ユニット20の温度測定終了?
全ての熱処理ユニット20に対する温度測定が終了するまで、熱処理ユニット20の温度測定が行われる。基板搬送機構TR3は、温度測定が行われた熱処理ユニット20Aから、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を保持する下側のハンド61BをY方向と平行に退避させる。その後、基板搬送機構TR3は、次に温度測定を行う熱処理ユニット20Bの正面まで、2つのハンド61A,61Bおよび進退駆動部62などを移動させる。その後、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を保持する下側のハンド61Bを、熱処理ユニット20BにY方向に進入させる。進入後、温度測定が行われる。全ての熱処理ユニット20に対する温度測定が終了した場合、ステップS14に進む。
【0122】
〔ステップS14〕2つのブロック83,84間で移動
塗布処理層83A内の全ての熱処理ユニット20の温度測定が終了した後、現像処理層84A内の全ての熱処理ユニット20に対して温度測定を行う。塗布処理層83Aの基板搬送機構TR3は、最後に温度測定した熱処理ユニット20から温度測定ユニット122の保持回転部125上に温度測定装置1を搬送する(
図16参照)。保持回転部125は、温度測定装置1(無線通信基板3が載置されたセンサ基板2)を保持しながら、温度測定装置1を180度回転させる。これにより、180度回転後の温度測定装置1を下側のハンド61Bで保持した際に、測定時にセンサ基板2を引き出す方向DWが、温度測定ユニット122の進入方向の反対方向を向くようになる。
【0123】
なお、この温度測定装置1の180°の回転は、温度測定ユニット122の保持回転部125ではなく、塗布処理を行う液処理ユニット98の保持回転部103が行ってもよい。この場合も、基板搬送機構TR3の各ハンド61A,61Bは、複数の液処理ユニット98が並ぶX方向と直交するY方向に各液処理ユニット98に進入する。
【0124】
その後、塗布処理層83Aの基板搬送機構TR3は、基板載置部PS3に温度測定装置1を搬送する。現像処理層84Aの基板搬送機構TR3は、基板載置部PS3から温度測定装置1を受け取り、その温度測定装置1を現像処理層84A内の所定の熱処理ユニット20Cに搬送する。この際、冷却プレート21の上方に搬送された温度測定装置1は、引き出し方向DWが、加熱プレート23に対するローカル搬送機構29の搬送アーム45(
図5参照)のアクセス方向と一致する。そのため、2つの処理ブロック83,84をまたいで温度測定しても、熱処理ユニット20における温度測定装置1の向きを維持することができる。上述の温度測定装置1を180°回転させる動作は、現像処理層84Aの液処理ユニット98の保持回転部103で行ってもよい。
【0125】
〔ステップS15,S16〕全ての熱処理ユニット20の温度測定
現像ブロック84の現像処理層84A内の全ての熱処理ユニット20に対して温度測定を行う。この動作は、塗布ブロック83の塗布処理層83A内の熱処理ユニット20に対する温度測定と同様に行われる。
【0126】
〔ステップS17,S18〕2つのブロック83,84間で移動、および温度測定装置1の回収
現像処理層84Aの基板搬送機構TR3は、温度測定装置1を基板載置部PS3に搬送する。その後、塗布処理層83Aの基板搬送機構TR3は、温度測定装置1を基板載置部PS3から受け取り、その温度測定装置1を温度測定ユニット122の保持回転部125上に戻す。作業者は、保持回転部125上の温度測定装置1を回収する。なお、2つの処理層83B,84Bの温度測定の動作は、2つの処理層83A,84Aの動作と同様に行ってもよい。
【0127】
本実施例によれば、第2熱処理ユニット20Cは、第1熱処理ユニット20Aが配置された塗布ブロック83に隣接する現像ブロック84に配置されている。また、上述のように、温度測定装置1の取扱いが容易である。そのため、2つの処理ブロック83,84をまたぎながら複数の熱処理ユニット20に対して、作業者に負担を与えず円滑に温度測定を行うことができる。
【0128】
なお、本実施例では、2つの処理ブロック83,84をまたぎながら、複数の熱処理ユニットに対して温度測定を行っている。IFブロック86も熱処理ユニット20を備えている。そのため、例えば、現像ブロック84とIFブロック86とをまたぎながら、複数の熱処理ユニット20に対して温度測定を行ってもよい。
【実施例4】
【0129】
次に、図面を参照して本発明の実施例4を説明する。なお、実施例1~3と重複する説明は省略する。
【0130】
実施例3では、2つのブロック83,84をまたいで、温度測定を行った。これに対し、実施例4では、2つの処理層83A,83B(84A,84B)をまたいで、温度測定を行う。
【0131】
実施例4の基板処理装置1は、温度測定ユニット122の配置関係を除いて、実施例2と同じ構成である。
図11において、作業者は、例えば、上側の塗布処理層83Aおよび現像処理層84Aに温度測定ユニット122を取り付けず、下側の塗布処理層83Bおよび現像処理層84Bに温度測定ユニット122を取り付ける。
図17は、実施例4に係る温度測定方法を説明するための図である。
【0132】
ステップS21~S23は、
図15に示すステップS11~13の動作と略同じであるので、これらの説明を省略する。
【0133】
〔ステップS24〕2つの処理層83A,83B(84A,84B)間で移動
下側の塗布処理層83B内の全ての熱処理ユニット20の温度測定が終了した後、上側の塗布処理層83A内の全ての熱処理ブロック20に対して温度測定を行う(
図11参照)。下側の塗布処理層83Bの基板搬送機構TR3は、最後に温度測定を行った熱処理ユニット20から下側のハンド61B(
図6(a)参照)で温度測定装置1を受け取り、その状態で、温度測定装置1(無線通信基板3が載置されたセンサ基板2)を基板載置部PS2(
図9参照)に搬送する。
【0134】
IDブロック82の2つの基板搬送機構TR1,TR2の一方は、基板載置部PS2から温度測定装置1を取り出し、その温度測定装置1を基板載置部PS1に搬送する。その後、上側の塗布処理層83Aの基板搬送機構TR3は、下側のハンド61Bで、基板載置部PS1から温度測定装置1を取り出し、その温度測定装置1を熱処理ユニット20に搬送する。
【0135】
〔ステップS25,S26〕全ての熱処理ユニット20の温度測定
塗布処理層83A内の全ての熱処理ユニット20に対して温度測定を行う。この動作は、塗布処理層83B内の熱処理ユニット20に対する温度測定と同様に行われる。
【0136】
〔ステップS27,S28〕2つのブロック83A,83B(84A,84B)間で移動、および温度測定装置1の回収
上側の塗布処理層83Aの基板搬送機構TR3は、最後に温度測定した熱処理ユニット20から温度測定装置1を受け取り、その温度測定装置1を基板載置部PS1に搬送する。IDブロック82の2つの基板搬送機構TR1,TR2の一方は、基板載置部PS1から基板載置部PS2に温度測定装置1を搬送する。下側の塗布処理層83Bの基板搬送機構TR3は、基板載置部PS2から温度測定装置1を取り出し、その温度測定装置1を温度測定ユニット122の保持回転部125上に戻す。作業者は、保持回転部125上の温度測定装置1を回収する。
【0137】
2つの現像処理層84A,84Bの温度測定の動作も、2つの塗布処理層83A,83Bの動作と同様に行われる。この場合、下側の現像処理層84Bと上側の現像処理層84Aとの間の温度測定装置1の移動は、基板載置部PS5,PS6およびIFブロック86の2つの基板搬送機構TR5,TR6によって行われる。
【0138】
本実施例によれば、第2熱処理ユニット20は、第1熱処理ユニット20が配置された例えば塗布処理層83Bに対して上下方向の塗布処理層83Aに配置されている。また、上述のように、温度測定装置1の取扱いが容易である。そのため、2つの塗布処理層83A,83Bをまたぎながら複数の熱処理ユニット20に対して、作業者に負担を与えず円滑に温度測定を行うことができる。
【実施例5】
【0139】
次に、図面を参照して本発明の実施例5を説明する。なお、実施例1~4と重複する説明は省略する。
【0140】
実施例2~4では、基板搬送機構TR3は、複数の熱処理ユニット20が並ぶX方向と直交するY方向に、各ハンド61A,61Bを進入させていた。この点、実施例5では、基板搬送機構TR3は、Y方向に対して傾いた方向ICで、各ハンド61A,61Bを進入させてもよい。なお、Y方向および、傾いた方向ICは、水平方向である。
【0141】
実施例5の基板処理装置1は、実施例2と同じ構成である。
図18は、実施例5に係る温度測定方法を説明するためのフローチャートである。
図18において、
図13と同じ動作は、同じ符号を付けている。実施例5の温度測定方法は、
図13に示す温度測定方法に対して、ステップS02の前に温度測定装置1の角度調整を行う動作を追加している点で異なる。
図13の温度測定方法に対して異なる点であるステップS31の説明を行う。
【0142】
〔ステップS31〕温度測定装置1の角度調整
図19(a)は、各ハンド61A,61Bの進入方向(進入角度)を説明するための図である。各ハンド61A,61Bは、各熱処理ユニット20の正面から真っ直ぐ(Y方向)に入らずに、Y方向に対して斜めかつ水平な方向で進入する。進入方向を符号ICで示す。
【0143】
Y方向に対して斜めに進入する理由を簡単に説明する。複数の熱処理ユニット20が並ぶX方向に直交する水平なY方向で、各熱処理ユニット20に対して各ハンド61A,61Bが進入すると仮定する。この場合、
図19(a)の符号SG1に示すように、基板搬送機構TR3のX方向の走行軸が
図19(a)の左右方向に長くなる。これに対し、本実施例のように、Y方向に対して斜めから進入する場合は、走行軸SG2で示すように、走行軸SG1を短くすることができる。その短くなったスペースを詰めることができるので、
図19(a)の左右方向の装置81のフットプリントを小さくできる。すなわち、装置81のフットプリントを抑えるために、各ハンド61A,61Bは、Y方向に対して斜めから進入している。
【0144】
各熱処理ユニット20に対する進入方向は、作業者によるティーチング作業によって予め設定されている。そのため、進入方向は、熱処理ユニット20ごとに異なるが、一部で一致している場合もある。このように、進入方向が熱処理ユニット20ごとに異なる。そのため、第1の熱処理ユニット20の温度測定を行った後に、第2の熱処理ユニット20の温度測定を行う場合、温度測定装置1の角度が変わってしまう(
図19(a)の符号20D参照)。なお、第1および第2の熱処理ユニット20の進入角度は、互いに異なる。温度測定装置1の角度が変わってしまうと、FPC基板9が捻れてしまい、センサ基板2を加熱プレート23に搬送できない。また、次の熱処理ユニット20の温度測定を行う度に、温度測定装置1を作業者が載せ替えていたのでは、作業者の負担になってしまう。
【0145】
そこで、本実施例では、熱処理ユニット20への搬送の前、あるいは、2つの熱処理ユニット20間の搬送の途中で、温度測定装置1の角度調整を行っている。その一例を説明する。
図19(b)において、例えば、温度測定ユニット122から熱処理ユニット20Aに温度測定装置1を搬送すると仮定する。
【0146】
まず、保持回転部125は、引き出し方向DWが、Y方向に平行であって基板搬送機構TR3に背を向く水平な方向に向くように、スピンチャック125A上の温度測定装置1の角度調整を行う。なお、この角度調整による引き出し方向DWは、
図14(a)の温度測定ユニット122内の温度測定装置1の引き出し方向DWとなるように調整される。また、この調整による温度測定装置1の角度は、各熱処理ユニット20において、以下の動作により維持される。
【0147】
その後、保持回転部125は、次に温度測定を行う熱処理ユニット20Aに温度測定装置1を搬送したときに、平面視で、FPC基板9の長手方向に沿って無線通信基板3からセンサ基板2を引き出す方向DWが、加熱プレート23に対するローカル搬送機構29の搬送アーム45のアクセス方向(
図5参照)と一致するように、温度測定装置1を鉛直軸AX3周りに回転させる。これにより、温度測定装置1(無線通信基板3が載置されたセンサ基板2)の角度調整を行う。その後、基板搬送機構TR3は、角度調整が行われた温度測定装置1を、保持回転部125のスピンチャック125A上から熱処理ユニット20Aに搬送する。
【0148】
この例では、保持回転部125から熱処理ユニット20Aに温度測定装置1を搬送する。この搬送は、所定の方向かつ回転量で保持回転部125への進入角度ANG1から熱処理ユニット20Aへの進入角度ANG2に基板搬送機構TR3のハンド61A,61Bの向きを変えながら行われる。進入角度ANG1,ANG2は各々、Y方向に対する傾きである。例えば、進入角度ANG1が-15°(時計回りに15°)であり、進入角度ANG2が-5°(時計回りに5°)であるとする。そのため、保持回転部125から熱処理ユニット20Aに温度測定装置1を搬送するために、各ハンド61A,61Bを反時計回り(所定の方向)に10°(回転量(絶対値))で回転することになる。
【0149】
この場合、保持回転部125は、各ハンド61A,61Bの回転方向と逆方向に温度測定装置1を回転させる。そのため、保持回転部125は、時計回りに10°(絶対値)で温度測定装置1を回転させることで、センサ基板2の角度調整を行う。これにより、熱処理ユニット20Aに温度測定装置1が搬送されたときに、引き出し方向DWを、加熱プレート23に対するローカル搬送機構29の搬送アーム45のアクセス方向と一致させることができる。すなわち、温度測定装置1のセンサ基板2の引き出し方向DWを加熱プレート23の中心に向けることができる。
【0150】
次に、熱処理ユニット20Aから熱処理ユニット20Bに温度測定装置1を搬送する場合の温度測定装置1の角度調整について説明する。
【0151】
この場合の角度調整は、2つの熱処理ユニット20A,20B間の搬送の途中で行われている。具体的に説明する。基板搬送機構TR3は、熱処理ユニット20Aから温度測定ユニット122の保持回転部125上に、温度測定装置1(無線通信基板3が載置されたセンサ基板2)を搬送する。保持回転部125は、次に温度測定を行う熱処理ユニット20Bに温度測定装置1を搬送したときに、センサ基板2の引き出し方向DWが加熱プレート23に対する搬送アーム45のアクセス方向(
図5参照)と一致するように、温度測定装置1を鉛直軸AX3周りに回転させる。これにより温度測定装置1(無線通信基板3が載置されたセンサ基板2)の角度調整を行う。基板搬送機構TR3は、角度調整が行われた温度測定装置1を、熱処理ユニット20Aから熱処理ユニット20Bに搬送する。
【0152】
この例では、熱処理ユニット20Aから熱処理ユニット20Bに温度測定装置1を搬送する。この搬送は、所定の方向かつ回転量で熱処理ユニット20Aへの進入角度ANG2から熱処理ユニット20Bへの進入角度ANG3に基板搬送機構TR3のハンド61A,61Bの向きを変えながら行われる。進入角度ANG2,ANG3は各々、Y方向に対する傾きである。例えば、進入角度ANG2が-5°(時計回りに5°)であり、進入角度ANG3が+20°(反時計回りに20°)であるとする。そのため、熱処理ユニット20Aから熱処理ユニット20Bに温度測定装置1を搬送するために、各ハンド61A,61Bを反時計回り(所定の方向)に25°(回転量(絶対値))で回転することになる。
【0153】
この場合、まず、基板搬送機構TR3は、熱処理ユニット20Aから保持回転部125上に温度測定装置1を搬送する。保持回転部125は、各ハンド61A,61Bの回転方向と逆方向に温度測定装置1を回転させる。そのため、保持回転部125は、時計回りに25°(絶対値)で温度測定装置1を回転させることで、センサ基板2の角度調整を行う。その後、基板搬送機構TR3は、角度調整が行われた温度測定装置1を、保持回転部125上から熱処理ユニット20Bに搬送する。これにより、熱処理ユニット20Bに温度測定装置1が搬送されたときに、引き出し方向DWを、加熱プレート23に対するローカル搬送機構29の搬送アーム45のアクセス方向と一致させることができる。
【0154】
本実施例によれば、有線の一部は、帯状のFPC基板9で構成され、FPC基板9の一端はセンサ基板2に固定され、FPC基板9の他端は無線通信基板3に固定されている。保持回転部125は、次に温度測定を行う熱処理ユニット20に無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を搬送したときに、センサ基板2の引き出し方向DWが加熱プレート23に対する搬送アーム45のアクセス方向(
図5参照)と一致するように、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2を鉛直軸AX3周りに回転させる。これにより、センサ基板2の角度調整を行う。基板搬送機構TR3は、角度調整が行われた温度測定装置1を、保持回転部125上から熱処理ユニット20に搬送する。
【0155】
熱処理ユニット20に対して斜めから温度測定装置1を搬送すると、引き出し方向DWが加熱プレート23に対する搬送アーム45のアクセス方向と一致しない場合がある。この場合、FPC基板9は捻れる方向に広がりにくいので、センサ基板2を加熱プレート23に載置できない場合が生じる。本実施例によれば、保持回転部125は、熱処理ユニット20に温度測定装置1を搬送したときに、引き出し方向DWが加熱プレート23に対する搬送アーム45のアクセス方向と一致するように、角度調整される。そのため、熱処理ユニット20に対して斜めから温度測定装置1を搬送しても、引き出し方向DWを、加熱プレート23に対する搬送アーム45のアクセス方向と一致させることができる。そのため、作業者が熱処理ユニット20ごとに温度測定装置1を移し換える動作を行わなくてもよいので、作業者の負担が軽減する。また、作業者の移し換え待ちが無くなり、次の熱処理ユニット20の温度測定を円滑に行うことができる。
【0156】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0157】
(1)上述した各実施例では、無線通信基板3の下面には、3本の脚部12が設けられていた。この点、無線通信基板3の下面には、2本または4本以上の脚部12が設けられていてもよい。また、無線通信基板3の下面には、1本の脚部12が設けられていてもよい。この場合、1本の脚部12は、パイプ状に形成されていてもよい。
【0158】
(2)上述した各実施例および変形例(1)において、少なくとも1本の脚部12のセンサ基板1に接触する底面には、温度センサ5を収容するための凹部135(
図20参照)が形成されていてもよい。無線通信基板3は、センサ基板2上に載置されるだけである。そのため、無線通信基板3がセンサ基板2に対して横方向に比較的移動し易い。そこで、無線通信基板3がセンサ基板2上に載置されたときに、凹部135に温度センサ5が収容されることで、無線通信基板3の横方向の移動を抑えることができる。
【0159】
(3)上述した実施例2~5および各実施例では、温度測定ユニット122の切り欠き検出部127は、センサ基板2の外縁部からノッチを検出して、保持回転部125は、切り欠き検出部127で検出したノッチの位置情報に基づいて、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2の角度を調整した。この点、温度測定ユニット122は、切り欠き検出部127を備えていなくてもよい。温度測定装置1を投入する際に、作業者の感覚によって、無線通信基板3が載置されたセンサ基板2の角度調整が行われてもよい。この場合であっても、例えば、実施例5のように進入角度(例えば符号ANG1~ANG3)に基づきセンサ基板2の角度調整を行うことで、2つの熱処理ユニット20間で温度測定装置1の向きを維持しながら搬送することができる。
【0160】
また、基板処理装置は、温度測定ユニット122を備えていなくてもよい。この場合、作業者は、角度調整を行いながら、手で持って搬送された温度測定装置1(無線通信基板3が載置されたセンサ基板2)を下側ハンド61Bに直接載置してもよい。また、作業者は、例えば基板載置部PS1に温度測定装置1を直接載置して、基板搬送機構TR3に温度測定装置1を引き渡してもよい。
【0161】
(4)上述した各実施例および各変形例では、
図4に示すカバー31には、例えば、ガス配管(図示しない)の一端が接続されていてもよい。この場合、加熱プレート23とカバー39とで囲まれる処理空間SP内に、任意のガスを供給することができる。任意のガスは、例えば、不活性ガス(例えば窒素ガス)および、処理ガス(例えばHMDS(ヘキサメチルジシラザン))である。
【0162】
(5)上述した各実施例および各変形例では、熱処理ユニット20は、冷却プレート21と加熱プレート23を備えていた。
図4に示す冷却プレート21が必要ない場合は、冷却プレート21を省略してもよい。
【0163】
(6)上述した各実施例および各変形例では、
図9~
図10に示す基板処理装置81は、IDブロック82、塗布ブロック83、現像ブロック84、IFブロック86を備えていた。この点、基板処理装置81は、IFブロック86を備えなくてもよい。加えて、塗布ブロック83および現像ブロック84の一方が設けられていない構成であってもよい。この場合、基板処理装置81は、例えば単一または複数の塗布ブロック83を備えていてもよい。
【0164】
(7)上述した各実施例および各変形例では、また、塗布ブロック83または現像ブロック84は各々、上下に配置された2つの処理層を備えていた。この点、塗布ブロック83または現像ブロック84は各々、単一の処理層または、上下に配置された3つ以上の処理層を備えていてもよい。
【0165】
(8)上述した各実施例および各変形例において、1つの温度測定装置1によって、基板処理装置81の塗布ブロック83、現像ブロック84、IFブロック86の全ての熱処理ユニット20の温度測定を行ってもよい。これらの温度測定を行うために温度測定装置1の角度調整が必要になった場合には、温度測定ユニット122、液処理ユニット98、エッジ露光部EEW、露光前洗浄ユニット116および露光後洗浄ユニットSOAKの少なくとも1つのユニットの保持回転部を用いて角度調整を行ってもよい。また、これらのユニットがエッジセンサ(例えば透過型または反射型の光学式センサ)を有するとき、センサ基板2の外縁部に設けられたノッチを検出して、検出されたノッチに基づき、温度測定装置1の角度調整を行ってもよい。
【0166】
(9)上述した各実施例および各変形例において、基板搬送機構TR3は、2つのハンド61A,61Bを備えているが、1つまたは3つ以上のハンドを備えていてもよい。また、
図7(a)~
図7(c)および
図8(a)~
図8(c)において、2つのハンド61A,61Bの両方を用いずに、2つのハンド61A,61Bの一方のハンドのみで、センサ基板2および無線通信基板3を搬送してもよい。
【0167】
(10)上述した各実施例および各変形例において、
図1(a)、
図8(b)に示すように、方向DWにセンサ基板2を引き出していた。この点、FPC基板9の長さに余裕がある場合は、引き出し方向DWと反対方向にセンサ基板2を引き出してもよい。そのため、熱処理プレート20に温度測定装置1を搬送した際に、FPC基板9の長手方向が加熱プレート23に対する搬送アーム45のアクセス方向と一致するように、温度測定装置1の角度調整が行われる。引き出し方向DWと反対方向にセンサ基板2を引き出す場合は、方向DWにセンサ基板2を引き出す場合に比べて、FPC基板9の長さが長くなる。また、場合により、センサ基板2の表面に、FPC基板9が接触してしまう可能性がある。
【0168】
(11)上述した各実施例および各変形例では、有線の一部は、帯状のFPC基板9で構成されていた。すなわち、フレキシブルケーブルの一例としてFPC基板9が用いられた。この点、フレキシブルケーブルの他の例として、金属線を絶縁物で被膜した複数の配線を帯状に並べたものが用いられていてもよい。
【0169】
(12)上述した各実施例および各変形例において、本発明の温度測定システムは、実施例1において、温度測定装置1とデータ収集部13とを備えたものであってもよい。また、本発明の温度測定システムは、実施例1において、温度測定装置1、熱処理ユニット20および基板搬送機構TR3を備えたものであってもよい。また、本発明の温度測定システムは、実施例2~5において、
図9~
図11に示す基板処理装置81に相当する。
【0170】
基板処理装置81は、例えば
図9に示すように、塗布ブロック83、現像ブロック84、およびIFブロック86を備えている。この点、基板処理装置81は、塗布ブロック83、現像ブロック84、およびIFブロック86の少なくとも1つのブロックを備えるものであってもよい。また、
図9に示す塗布ブロック83および現像ブロック84は各々、上下に配置された2つの処理層(例えば、符号83A,83B)を備えている。この点、塗布ブロック83および現像ブロック84は各々、単一の処理層を備えていてもよいし、上下方向に配置された3つ以上の処理層を備えていてもよい。
【0171】
各処理層は、単数または複数の熱処理ユニット20と、これらの熱処理ユニット20に基板Wを搬送可能な基板搬送機構TR3と、を備えていればよい。また、IFブロック86も、単数または複数の熱処理ユニット20と、これらの熱処理ユニット20に基板Wを搬送可能な基板搬送機構とを備えていればよい。なお、基板処理装置81は、異なる2つのブロックを跨いで、あるいは、異なる2つの処理層を跨いで、または、所定の処理層内で、複数の熱処理ユニット20を備えていることが好ましい。これにより、各実施例および各変形例の温度測定装置1の取扱いが容易である効果をより得ることができる。
【符号の説明】
【0172】
1 … 温度測定装置
2 … センサ基板
3 … 無線通信基板
5 … 温度センサ
7 … 配線
9 … フレキシブル基板(FPC基板)
10 … 無線通信回路
20 … 熱処理ユニット
21 … 冷却プレート
23 … 加熱プレート
25 … 第1支持ピン
27 … 第2支持ピン
29 … ローカル搬送機構
45 … 搬送アーム
61A,61B … ハンド
81 … 基板処理装置
83 … 塗布ブロック
83A … 塗布処理層
83B … 塗布処理層
84 … 現像ブロック
84A … 現像処理層
84B … 現像処理層
86 … インターフェースブロック(IFブロック)
103 … 保持回転部
TR1~TR6 … 基板搬送機構
116 … 露光前洗浄ユニット
SOAK … 露光後洗浄ユニット
122 … 温度測定ユニット
125 … 保持回転部
127 … 切り欠き検出部
AX1~AX3 … 鉛直軸