(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】クローラ走行装置、及び当該クローラ走行装置を備えた作業機
(51)【国際特許分類】
B62D 55/10 20060101AFI20230410BHJP
B62D 55/30 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
B62D55/10 A
B62D55/30 A
(21)【出願番号】P 2020003766
(22)【出願日】2020-01-14
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西 啓四郎
【審査官】谷川 啓亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-048066(JP,A)
【文献】特開2013-086766(JP,A)
【文献】実開昭57-143987(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/00 - 55/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車輪と、
前記第1車輪と離間して配置された第2車輪と、
前記第1車輪と前記第2車輪とを
機体に対して支持する支持フレームと、
前記支持フレームの上方に配置された第3車輪と、
前記第1車輪、前記第2車輪、及び前記第3車輪に巻き掛けられた無端状のクローラと、
前記第3車輪に対する前記支持フレームの鉛直方向の位置を変更する車高変更機構と、
前記支持フレームに設けられ、且つ前記第1車輪と前記第2車輪との間の距離を変更する距離変更機構と、
を備え
、
前記車高変更機構は、前記第3車輪の支軸の前側と後側とに配置され、鉛直方向に収縮可能であり、前記第3車輪に対する前記支持フレームの鉛直方向の位置を変更する一対の第1アクチュエータを有し、
前記支軸の前側の第1アクチュエータと、前記支軸の後側の第1アクチュエータとは、幅方向にオフセットして配置され、
前記支持フレームは、前記第1車輪を支持する前支持部と、前記第2車輪を支持する後支持部と、を有し、
前記距離変更機構は、前記前支持部と前記後支持部とを連結し、且つ前記支持フレームを前後方向に収縮させる第2アクチュエータを有し、
前記支軸の前側の第1アクチュエータは、前記前支持部と幅方向にオフセットした位置に配備されており、前記第2アクチュエータを最も収縮した状態の側方視において、前記前支持部と幅方向に重複する位置関係を備えているクローラ走行装置。
【請求項2】
前記前支持部は、前記第1車輪の第1支軸を支持する支持体と、前記支持体に対して前側のテンションを付与するテンション付与具を有している請求項1に記載のクローラ走行装置。
【請求項3】
前記第3車輪の支軸の前側と後側には、前記第3車輪を前記機体の幅方向外方に支持する装着フレームが取り付けられており、
前記支軸の前側の第1アクチュエータは、前記支持フレームの前側と、前記装着フレームの前側とを連結すると共に、鉛直方向に延びるように配置されており、
前記支軸の後側の第1アクチュエータは、前記支持フレームの後側と、前記装着フレームの後側とを連結すると共に、鉛直方向に延びるように配置されている請求項1又は2に記載のクローラ走行装置。
【請求項4】
前記第1車輪及び前記第2車輪は、前記クローラにテンションを付与する従動輪であり、
前記第3車輪は、動力を伝達され回転駆動する駆動輪である請求項1
~3のいずれか1項に記載のクローラ走行装置。
【請求項5】
前記支持フレームに取り付けられ、それぞれ離間して配置された複数の転輪を備え、
前記複数の転輪のうち前記第1車輪側の転輪と当該第1車輪との間の距離は、前記第2車輪側の転輪と当該第2車輪との間の距離よりも長い請求項
1~4のいずれか1項に記載のクローラ走行装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の複数のクローラ走行装置と、
作業装置を装着可能な装着部を有する機体と、
を備え、
前記複数のクローラ走行装置は、前記機体の幅方向の一方側に設けられたクローラ走行装置と、前記幅方向の他方側に設けられたクローラ走行装置と、を含んでいる作業機。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の複数のクローラ走行装置と、
作業装置を装着可能な装着部を有する機体と、
を備え、
前記複数のクローラ走行装置は、前記機体の幅方向に離間し且つ当該機体の前部に設けられた一対のクローラ走行装置と、前記幅方向に離間し且つ当該機体の後部に設けられた一対のクローラ走行装置と、を含んでいる作業機。
【請求項8】
前記車高変更機構は、それぞれ独立して前記第3車輪に対する前記支持フレームの鉛直方向の位置を変更する請求項6又は7に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クローラ走行装置、及び当該クローラ走行装置を備えたトラクタ等の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されたクローラ走行装置は、第1車輪(前後従動輪)と、第1車輪と離間して配置された第2車輪(前後従動輪)と、第1車輪と第2車輪とを支持する支持フレーム(トラックフレーム)と、支持フレームの上方に配置された第3車輪(駆動輪)と、第1車輪、第2車輪、及び第3車輪に巻き掛けられた無端状のクローラと、を備え、支持フレームは、第1車輪を支持し且つクローラのテンションを調整するテンション調整機構を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のクローラ走行装置では、第1車輪の安定化などを実現することができる。
しかしながら、特許文献1のようなクローラ走行装置では、当該クローラ走行装置を備える作業機の車高が一定であるため、畔等の段差や障害物が比較的大きい場合、作業機の下面が接触して乗り越えることができない場合があった。また、作業機の作業によっては鉛直方向の位置を調整する必要があった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、走行性・作業性を向上させることができるクローラ走行装置、及び当該クローラ走行装置を備えた作業機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るクローラ走行装置は、第1車輪と、前記第1車輪と離間して配置された第2車輪と、前記第1車輪と前記第2車輪とを機体に対して支持する支持フレームと、前記支持フレームの上方に配置された第3車輪と、前記第1車輪、前記第2車輪、及び前記第3車輪に巻き掛けられた無端状のクローラと、前記第3車輪に対する前記支持フレームの鉛直方向の位置を変更する車高変更機構と、前記支持フレームに設けられ、且つ前記第1車輪と前記第2車輪との間の距離を変更する距離変更機構と、を備え、前記車高変更機構は、前記第3車輪の支軸の前側と後側とに配置され、鉛直方向に収縮可能であり、前記第3車輪に対する前記支持フレームの鉛直方向の位置を変更する一対の第1アクチュエータを有し、前記支軸の前側の第1アクチュエータと、前記支軸の後側の第1アクチュエータとは、幅方向にオフセットして配置され、前記支持フレームは、前記第1車輪を支持する前支持部と、前記第2車輪を支持する後支持部と、を有し、前記距離変更機構は、前記前支持部と前記後支持部とを連結し、且つ前記支持フレームを前後方向に収縮させる第2アクチュエータを有し、前記支軸の前側の第1アクチュエータは、前記前支持部と幅方向にオフセットした位置に配備されており、前記第2アクチュエータを最も収縮した状態の側方視において、前記前支持部と幅方向に重複する位置関係を備えている。
【0007】
また、クローラ走行装置は、前記前支持部は、前記第1車輪の第1支軸を支持する支持体と、前記支持体に対して前側のテンションを付与するテンション付与具を有している。
また、前記第3車輪の支軸の前側と後側には、前記第3車輪を前記機体の幅方向外方に支持する装着フレームが取り付けられており、前記支軸の前側の第1アクチュエータは、前記支持フレームの前側と、前記装着フレームの前側とを連結すると共に、鉛直方向に延びるように配置されており、前記支軸の後側の第1アクチュエータは、前記支持フレームの後側と、前記装着フレームの後側とを連結すると共に、鉛直方向に延びるように配置されている。
また、前記第1車輪及び前記第2車輪は、前記クローラにテンションを付与する従動輪であり、前記第3車輪は、動力を伝達され回転駆動する駆動輪である。
【0008】
また、クローラ走行装置は、支持フレームに取り付けられ、それぞれ離間して配置された複数の転輪を備え、複数の転輪のうち第1車輪側の転輪と当該第1車輪との間の距離は、第2車輪側の転輪と当該第2車輪との間の距離よりも長い。
また、作業機は、複数のクローラ走行装置と、作業装置を装着可能な装着部を有する機体と、を備え、複数のクローラ走行装置は、機体の幅方向の一方側に設けられたクローラ走行装置と、幅方向の他方側に設けられたクローラ走行装置と、を含んでいる。
【0009】
また、作業機は、複数のクローラ走行装置と、作業装置を装着可能な装着部を有する機体と、を備え、複数のクローラ走行装置は、機体の幅方向に離間し且つ当該機体の前部に設けられた一対のクローラ走行装置と、幅方向に離間し且つ当該機体の後部に設けられた一対のクローラ走行装置と、を含んでいる。
また、車高変更機構は、それぞれ独立して第3車輪に対する支持フレームの鉛直方向の位置を変更する。
【発明の効果】
【0010】
上記クローラ走行装置、及び当該クローラ走行装置を備えた作業機によれば、走行性・作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態における作業機を示す概略側面図である。
【
図2】第1実施形態における作業機を示す概略平面図である。
【
図3】第1実施形態における作業機のシステムを説明する図である。
【
図4】第1実施形態におけるクローラ走行装置を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態におけるクローラ走行装置を示す平面図である。
【
図6】第1実施形態におけるクローラ走行装置の鉛直方向の長さを短くした状態(車高が低い状態)を示す側面図である。
【
図7】第1実施形態におけるクローラ走行装置の鉛直方向の長さを長くした状態(車高が高い状態)を示す側面図である。
【
図8】第1実施形態における充電表示部の表示形態の遷移を説明する図である。
【
図9】第2実施形態における作業機を示す概略側面図である。
【
図10】第2実施形態における作業機を示す概略平面図である。
【
図11】第2実施形態における作業機の変形例を示す概略側面図である。
【
図12】第2実施形態における作業機の変形例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1及び
図2は、作業機1の一例であるトラクタを示している。作業機1について、トラクタを例にあげて説明するが、作業機1は、トラクタに限定されず、作業装置を装着可能な装着部を備えたバックホーやホイールローダ等の建設機械、コンバインや田植え機等の農業機械、或いは各種車両等であってもよい。本発明の実施形態において、
図1、
図2の矢印A1方向を前方、
図1、
図2の矢印A2方向を後方、
図1の手前側、
図2の矢印B1方向を左方、
図1の奥側、
図2の矢印B2方向を右方として説明する。また、作業機1の前後方向に直交する方向である水平方向を幅方向として説明する。幅方向の中央部から右方、或いは、左方へ向かう方向を幅方向外方として説明する。幅方向外方とは反対の方向を、幅方向内方として説明する。
【0013】
図1に示すように、作業機1は、機体(走行車体)2と、機体2を走行可能に支持する走行装置3と、を備えている。また、
図3に示すように、作業機1は、原動機4と、変速装置6と、を備えている。走行装置3は、機体2を走行させる装置であり、機体2に推進力を付与する。走行装置3は、例えば機体2に複数設けられている。
原動機4は、電動モータ4a、ディーゼルエンジン等である。原動機4は、例えば作業機1に設けられた油圧機器を作動させる油圧ポンプ10を駆動させ、油圧ポンプ10は原動機4が出力した動力によって作動油を吐出する。本実施形態においては、機体2に設けられたバッテリユニット5が蓄電する電力によって駆動する電動モータ4aである。
【0014】
変速装置6は、変速によって走行装置3の推進力を切換可能であると共に、走行装置3の前進、後進の切換が可能である。
図1、
図2に示すように、機体2は外装体7を有しており、外装体7は、機体2に設けられた機器や装置(例えば、原動機4やバッテリユニット5等)を収容する。
図1、
図2に示すように、外装体7は、機体2の前部から後部に延びており、内部に形成された空間(収容空間)に原動機4やバッテリユニット5を収容する。外装体7は、収容空間の前部を形成する前壁7a、収容空間の後部を形成する後壁7b、収容空間の側部を形成する一対の側壁7c、収容空間の上部を形成する上壁7dと、を有している。
【0015】
前壁7aは、機体2の前部に配置されており、例えばヘッドランプユニットが設けられている。後壁7bは、機体2の後部に配置され且つ前壁7aと前後方向に離間して配置されており、例えばテールランプユニットが設けられている。一対の側壁7cのうち、左側の側壁7cは、機体2の左側に配置され、且つ前壁7aの左端と後壁7bの左端とを連結する。一対の側壁7cのうち、右側の側壁7cは、機体2の右側に配置され、且つ前壁7
aの右端と後壁7bの右端とを連結する。このため、一対の側壁7cは、幅方向に離間して配置されている。上壁7dは、機体2の前部から後部に延びており、上方に配置されている。また、上壁7dは、前壁7aの上端、後壁7bの上端、及び一対の側壁7cの上端を連結する。
【0016】
また、
図1、
図2に示すように機体2は装着部8を有している。装着部8は、作業装置を装着可能であり、当該作業装置と機体2とを連結する。装着部8は、例えば機体2の後部に設けられており、作業装置の昇降を行わないスイングドローバ、3点リンク機構等で構成されて作業装置の昇降を行う昇降装置等である。作業装置を装着部8に連結することによって、機体2は作業装置を牽引することができる。なお、装着部8の位置は機体2の後部に限定されず、バックホー等のように機体(旋回基板)の前部に設けられていてもよいし、その構成は上記構成に限定されない。
【0017】
作業装置は、装着部8に装着され所定の作業を行う装置である。作業装置は、耕耘する耕耘装置、苗を植え付ける移植装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置、施肥装置(ブロードキャスタ)、農薬を散布する農薬散布装置、灌水を行う灌水散布装置等を含んでいる。
【0018】
以下、走行装置3について詳しく説明する。
図1、
図2に示すように走行装置3は、機体2に複数設けられ、クローラ21を有しており且つ当該クローラ21を循環駆動するクローラ走行装置20(無限軌道走行装置)である。クローラ21は、鉄で形成された鉄クローラや、弾性体であるゴムで形成されたゴムクローラであり、循環駆動することで機体2に推進力を付与する。
【0019】
図1、
図2に示すように、複数のクローラ走行装置20は、機体2の幅方向に離間し且つ当該機体2の前部に設けられた一対のクローラ走行装置20と、幅方向に離間し且つ当該機体2の後部に設けられた一対のクローラ走行装置20と、を含んでいる。即ち、クローラ走行装置20は、機体2の前部において幅方向に一対配置され、且つ機体2の後部において幅方向に一対配置されている。
【0020】
図2に示すように、複数のクローラ走行装置20のうち、機体2の前部の幅方向の一方側(左側)に配置されたクローラ走行装置20と、機体2の前部の幅方向の他方側(右側)に配置されたクローラ走行装置20とは同一の構成であり、幅方向において対称である。複数のクローラ走行装置20のうち、機体2の後部の幅方向の一方側(左側)に配置されたクローラ走行装置20と、機体2の後部の幅方向の他方側(右側)に配置されたクローラ走行装置20とは同一の構成であり、幅方向において対称である。
【0021】
また、
図1に示すように、機体2の前部に配置されたクローラ走行装置20と、機体2の後部に配置されたクローラ走行装置20とは同様の構成である。以下、機体2の後部の左側に配置されたクローラ走行装置20を例にクローラ走行装置20を説明し、他のクローラ走行装置20の説明を省略する。
図4~
図7に示すように、クローラ走行装置20は、第1車輪22と、第2車輪23と、支持フレーム24と、第3車輪25と、複数の転輪26と、を備えている。第1車輪22~第3車輪25、及び複数の転輪26には、クローラ21が巻き掛けられている。
【0022】
図4~
図7に示すように、第1車輪22は、クローラ走行装置20の前部に配置されており、幅方向に延びる第1支軸22a廻りに回転可能である。第1車輪22は、例えばクローラ21に前下方向のテンションを付与し、且つクローラ21の循環駆動に伴って回転する従動輪である。
図4~
図7に示すように、第2車輪23は、クローラ走行装置20の後部に配置されており、第1車輪22と前後方向において離間して配置されている。第2車輪23は、幅方向に延び且つ第1支軸22aと平行である第2支軸23a廻りに回転可能である。また、第2車輪23は、例えばクローラ21に後下方向のテンションを付与し、且つクローラ21の循環駆動に伴って回転する従動輪である。
【0023】
図4~
図7に示すように、支持フレーム24は、第1車輪22と第2車輪23とを支持し、且つ前後方向に延びる長尺のフレーム部材である。支持フレーム24は、第1車輪2
2及び第2車輪23を前後方向に離間して支持する。
図4、
図6、
図7に示すように、第3車輪25は、支持フレーム24の上方に配置されており、第1車輪22及び第2車輪23と鉛直方向において離間して配置されている。つまり、第1車輪22~第3車輪25は、それぞれ三角形の頂点を形成し、第1車輪22~第3車輪25に巻き掛けられたクローラ21は、側方視において略三角形を描く。
【0024】
図5に示すように、第3車輪25は、幅方向に延び且つ第1支軸22a及び第2支軸23aと平行である第3支軸25a廻りに回転可能である。具体的には、第3車輪25は、動力を伝達され回転駆動する駆動輪であり、例えばクローラ21に上方向のテンションを付与し、且つクローラ21を循環駆動させる。第3車輪25は、例えば円盤の外周に歯が形成された駆動伝動体であるスプロケットである。第3支軸25aは、変速装置6と接続され、且つ当該変速装置6から動力を伝達され、当該動力によって第3車輪25を駆動させる。第3支軸25a(第3車輪25)は、装着フレーム27を介して機体2に取り付けられている。装着フレーム27は、角材、板材、及びパイプ材等で形成されており、第3車輪25を機体2の幅方向外方に支持する。即ち、左側の第3車輪25は、装着フレーム27によって機体2の左側の左方で支持される。
【0025】
複数の転輪(遊転輪)26は、支持フレーム24に取り付けられ、且つクローラ21に下方向のテンションを付与する。複数の転輪26は、幅方向に延び且つ第1支軸22a~第3支軸25aと平行である支軸(図示略)廻りに回転可能である。複数の転輪26は、支持フレーム24の下側において第1車輪22及び第2車輪23の間に配列支持されており、前後方向にそれぞれ離間して配置されている。複数の転輪26のうち第1車輪22側の転輪26(前転輪26a)と当該第1車輪22との間の距離は、第2車輪23側の転輪26(後転輪26b)と当該第2車輪23との間の距離よりも長い。
【0026】
本実施形態においては、
図5に示すように、前転輪26aと第1車輪22とは前後方向において所定距離(離間距離La)、離間して配置されており、後転輪26bと後転輪26bとは前後方向において所定距離(重複距離Lb)、重複(オーバラップ)して配置されている。なお、後側のクローラ走行装置20において、複数の転輪26の数は、3つであるが、
図1に示す前側のクローラ走行装置20のように2つでもよいし、その数は4つでもよいし上記数に限定されない。
【0027】
図4~
図7に示すように、クローラ走行装置20は、車高変更機構30を備えている。車高変更機構30は、第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置を変更する。つまり、車高変更機構30は、作業機1の所定の位置から地面までの距離である車高を変更可能である。車高変更機構30は、鉛直方向に収縮可能であり、第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置を変更するアクチュエータ(第1アクチュエータ)31を有している。第1アクチュエータ31は、油圧ポンプ10が吐出した作動油によって伸縮駆動可能な油圧シリンダである。なお、第1アクチュエータ31は、油圧シリンダに限定されず、油圧ジャッキ等であってもよい。
図3に示すように、第1アクチュエータ31は、第1制御弁11を介して油圧ポンプ10と接続されている。第1制御弁11は、電磁弁等であって、第1アクチュエータ31に供給する作動油を調整することで第1アクチュエータ31を伸縮させる。
【0028】
図6、
図7に示すように、第1アクチュエータ31は、鉛直方向に延びて配置されており、支持フレーム24と装着フレーム27とを連結する。つまり、第1アクチュエータ31、支持フレーム24、及び装着フレーム27は、第1車輪22~第3車輪25、転輪26、及びクローラ21を機体2に取り付けるトラックフレームを構成する。第1アクチュエータ31の上端は、装着フレーム27と幅方向の支軸廻りに揺動可能に連結され、第1アクチュエータ31の下端は、支持フレーム24と幅方向の支軸廻りに揺動可能に連結されている。
【0029】
図6、
図7に示すように、第1アクチュエータ31は、第3支軸25aの前側と後側とに一対配置されており、前側の第1アクチュエータ31は、支持フレーム24の前側と装着フレーム27の前側とを連結する。詳しくは、前側の第1アクチュエータ31の上端(本実施形態においては前側の第1アクチュエータ31のロッド31aの上端)は、装着フ
レーム27の前側上部に配置された第1上部ブラケット27aと揺動可能に連結されている。また、前側の第1アクチュエータ31の下端(本実施形態においては前側の第1アクチュエータ31のシリンダチューブ31bの下端)は、支持フレーム24の幅方向内方の前側に配置された第1下部ブラケット24aと揺動可能に連結されている。
【0030】
一方、
図6、
図7に示すように、後側の第1アクチュエータ31は、支持フレーム24の後側と装着フレーム27の後側とを連結する。
図5に示すように、前側の第1アクチュエータ31及び後側の第1アクチュエータ31は、例えば幅方向にオフセットして配置されており、本実施形態においては後側の第1アクチュエータ31は、前側の第1アクチュエータ31よりも幅方向の外側(左側)に配置されている。詳しくは、後側の第1アクチュエータ31の上端(本実施形態においては後側の第1アクチュエータ31のロッド31aの上端)は、装着フレーム27の後側上部に配置された第2上部ブラケット27bと揺動可能に連結されている。第2上部ブラケット27bは、第1上部ブラケット27aよりも幅方向外方(左側)に位置している。また、後側の第1アクチュエータ31の下端(本実施形態においては後側の第1アクチュエータ31のシリンダチューブ31bの下端)は、支持フレーム24の幅方向内方の後側に配置された第2下部ブラケット24bと揺動可能に連結されている。第2下部ブラケット24bは、第1下部ブラケット24aよりも幅方向外方(左側)に位置している。
【0031】
油圧ポンプ10から第1アクチュエータ31に供給される作動油を制御して、
図6から
図7に遷移するように第1アクチュエータ31を伸長させると、支持フレーム24と装着フレーム27との間の距離(第1距離L1)が増加、即ち第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置が下方に移動する。
一方、油圧ポンプ10から第1アクチュエータ31に供給される作動油を制御して、
図7から
図6に遷移するように第1アクチュエータ31を収縮させると、支持フレーム24と装着フレーム27との間の距離(第1距離L1)が減少、即ち第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置が上方に移動する。
【0032】
なお、油圧ポンプ10から第1アクチュエータ31に供給される作動油を制御して、前側の第1アクチュエータ31と後側の第1アクチュエータ31のいずれか一方を伸長させ、他方を収縮させると、機体2に対して支持フレーム24が傾斜して支持フレーム24と装着フレーム27との間の距離が増加、即ち第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置が下方に移動する。
【0033】
図5~
図7に示すように、支持フレーム24は、第1車輪22を支持する部分である前支持部40と、第2車輪23を支持する部分である後支持部45とを有しており、前支持部40と後支持部45との位置を変更することで、第1車輪22と第2車輪23との間の距離を変更可能である。
図5~
図7に示すように、前支持部40は、例えば第1車輪22がクローラ21に付与するテンションを調整するテンション調整機構であり、第1支軸22aを支持する支持体41と、支持体41と連結され且つ当該支持体41に対してクローラ21側(前側)のテンションを付与するテンション付与具42と、テンション付与具42を前下方に傾斜して支持する傾斜台43と、テンション付与具42を覆うテンションカバー44と、を有している。
【0034】
図5~
図7に示すように、支持体41及び傾斜台43は、角材、板材、パイプ材等で形成され且つ前後方向に離反して配置され、テンション付与具42を介して連結されている。支持体41の前端は、幅方向に離間した二股状の軸受体が形成され、当該軸受体を介して第1支軸22aを回転自在に支持している。テンション付与具42は、弾性体であって本実施形態においてはスプリングである。テンションカバー44は、角材、板材等で形成され、且つテンション付与具42の幅方向の一方側(左側)及び他方側(右側)、並びに上方を覆う。
【0035】
図5~
図7に示すように、後支持部45は、前後方向に延びて配置された長尺のフレームであり、複数の転輪26を配列支持している。後支持部45は、前後方向に延設された支持柱46と、複数の転輪26を支持する複数の揺動ブラケット47と、を有している。
支持柱46は、例えば角材、板材、及びパイプ材等で形成されており、後端において第2支軸23aを支持する。支持柱46の後端は、幅方向に離間した二股状の軸受体が形成され、当該軸受体を介して第2支軸23aを回転自在に支持している。支持柱46の前側は、前支持部40を前後方向に摺動可能に支持する。具体的には、支持柱46の前側は、前後方向に延びるレールを形成しており、傾斜台43が当該レールに摺動可能に取り付けられている。第1車輪22と前転輪26aは離間して配置されているため、支持柱46に取り付けられた傾斜台43は、第1車輪22と前転輪26aとが接触するまでの距離を摺動することができる。
【0036】
複数の揺動ブラケット47は、例えば角材、板材等で形成されており、それぞれ複数の転輪26のうち少なくとも1以上の転輪26を支持可能である。本実施形態においては、複数の揺動ブラケット47は、2つの転輪26を支持可能である。複数の揺動ブラケット47の下端は、幅方向に離間した二股状の軸受体が形成され、当該軸受体を介して前側で一の転輪26の支軸を支持し、後側で別の転輪26の支軸を支持する。複数の揺動ブラケット47は、支持柱46の下側において前部の下側から後方に亘って下方に突設されており、詳しくは、幅方向に延びる軸心廻りに支持柱46の下側に揺動自在に枢支されている。
【0037】
なお、本実施形態において前支持部40がテンション調整機構であるが、後支持部45がテンション調整機構であってもよいし、支持フレーム24がテンション調整機構を有していない構成であってもよく、その構成は上述した構成に限定されない。また、支持フレーム24は、第1車輪22と第2車輪23との間の距離を変更可能に構成されていればよく、支持柱46の前側が前方に延設されたパイプ状に形成され、傾斜台43が当該パイプを前後方向に摺動するような構成であってもよいし、その構成は上述した構成に限定されない。
【0038】
図4~
図7に示すように、クローラ走行装置20は、支持フレーム24に設けられ、且つ第1車輪22と第2車輪23との間の距離を変更する距離変更機構50を備えている。距離変更機構50は、前後方向に収縮可能であり、支持フレーム24を前後方向に収縮させる第2アクチュエータ51と、第2アクチュエータ51をカバーするシリンダカバー52と、を有している。第2アクチュエータ51は、油圧ポンプ10が吐出した作動油によって伸縮駆動可能な油圧シリンダである。なお、第2アクチュエータ51は、油圧シリンダに限定されず、油圧ジャッキ等であってもよい。
図3に示すように、第2アクチュエータ51は、第2制御弁12を介して油圧ポンプ10と接続されている。第2制御弁12は、電磁弁等であって、第2アクチュエータ51に供給する作動油を調整することで第2アクチュエータ51を伸縮させる。
【0039】
図5~
図7に示すように、第2アクチュエータ51は、前後方向に延びて配置されており、前支持部40と後支持部45とを連結する。具体的には、第2アクチュエータ51の前端(本実施形態においては第2アクチュエータ51のロッド51a)は、傾斜台43と連結され、第2アクチュエータ51の後端(本実施形態においては第2アクチュエータ51のシリンダチューブ51b)は、後支持部45の後端と連結されている。
【0040】
このため、油圧ポンプ10から第2アクチュエータ51に供給される作動油を制御して、
図7から
図6に遷移するように第2アクチュエータ51を伸長させると、第1車輪22と第2車輪23との間の距離(第4距離L4)が増加、即ちクローラ21の前後方向のテンションが増加する。
一方、油圧ポンプ10から第2アクチュエータ51に供給される作動油を制御して、
図6から
図7に遷移するように第2アクチュエータ51を収縮させると、第1車輪22と第2車輪23との間の距離(第4距離L4)が減少、即ちクローラ21の前後方向のテンションが減少する。
【0041】
図4に示すように、シリンダカバー52は、角材、板材等で形成され第2アクチュエータ51の少なくとも一部を覆う。本実施形態において、シリンダカバー52は、第2アクチュエータ51の前端の幅方向外方(左側)、前方、及び上方を覆う。なお、後側のクローラ走行装置20は、シリンダカバー52とテンションカバー44とを別体として備えて
いるが、
図1に示す前側のクローラ走行装置20のようにテンションカバー44がシリンダカバーを兼用、又はシリンダカバーがテンションカバーを兼用するような構成であってもよい。
【0042】
図3に示すように、作業機1は、制御装置60を備えており、制御装置60が車高変更機構30及び距離変更機構50を制御して、第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置を変更し、且つ第1車輪22と第2車輪23との間の距離を変更することで、クローラ21に付与されるテンションを適正に保ちつつ、クローラ21の鉛直方向の長さを変更できる。このため、クローラ走行装置20が取り付けられた機体2は、車高を変更することができる。
【0043】
また、制御装置60は、作業機1が有する第1制御弁11及び第2制御弁12をそれぞれ独立して制御可能、即ち作業機1が備える複数のクローラ走行装置20の第1アクチュエータ31及び第2アクチュエータ51を独立して制御可能である。言い換えると、車高変更機構30は、それぞれ独立して第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置を変更できる。
【0044】
さらに、制御装置60は、クローラ走行装置20が駆動し作業機1が走行している場合とクローラ走行装置20が停止して作業機1が停車している場合との両方、又はいずれか一方の場合において車高変更機構30及び距離変更機構50を制御することができる。
制御装置60は、電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成された装置であり、作業機1が有する様々な機器を制御する。例えば、制御装置60は、電動モータ4aの回転数や、走行装置3の車速及び操舵等を無人又は自律して制御可能である。なお、制御装置60は、作業機1に設けられた操作装置の操作に応じて、電動モータ4aの回転数や、走行装置3の車速及び操舵等を制御してもよい。
【0045】
図3に示すように、制御装置60には、複数の検出装置61が接続されている。複数の検出装置61は、作業機1の状態を検出する装置であり、本実施形態においては第1アクチュエータ31の伸長(ストローク)を検出する第1伸長センサ61aと、第2アクチュエータ51の伸長(ストローク)を検出する第2伸長センサ61bを含んでいる。第1伸長センサ61a及び第2アクチュエータ51は、作業機1が備える複数のクローラ走行装置20の第1アクチュエータ31及び第2アクチュエータ51のそれぞれに設けられている。
【0046】
第1伸長センサ61a及び第2伸長センサ61bは、検出信号を制御装置60に出力し、制御装置60は第1伸長センサ61a及び第2伸長センサ61bから出力された検出信号に基づいて、第1アクチュエータ31及び第2アクチュエータ51のストロークを取得、即ち第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置及び第1車輪22と第2車輪23との間の距離を取得可能である。
【0047】
図3に示すように、制御装置60は、制御に関するプログラムやテーブルを記憶している記憶部60aを有している。記憶部60aは、不揮発性のメモリ等である。制御装置60は、外部から入力された信号や記憶部60aに記憶されたプログラムやテーブルに基づいて機器の制御を行う。具体的には、例えば、制御装置60は、作業機1と通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン(多機能携帯電話)、タブレット等の端末や、サーバから送信された信号を取得し、当該信号、記憶部60aが記憶しているテーブル、及び第1伸長センサ61a及び第2伸長センサ61bから出力された検出信号に基づいて、第1制御弁11及び第2制御弁12を制御して車高変更機構30及び距離変更機構50を制御する。以下、制御装置60が端末から出力された信号に基づいて第1制御弁11及び第2制御弁12を制御して車高変更機構30及び距離変更機構50を制御して、機体2の車高を変更する場合を例に説明する。
【0048】
端末は、液晶パネル、タッチパネル、その他のパネルのいずれかで構成された表示部を有し、操作可能な装置である。端末は、表示部に所定の設定画面を表示し、機体2の車高(設定車高)を入力可能であり、当該設定車高を信号(設定信号)として制御装置60に出力する。詳しくは、設定画面は、複数のクローラ走行装置20のそれぞれの位置における車高を独立して設定可能である。
【0049】
なお、本実施形態において、端末が設定信号を制御装置60に出力する場合を例に説明するが、端末が車高の上昇及び下降の操作を受付可能であり、車高を上昇させる信号(上昇信号)及び車高を下降させる信号(下降信号)を制御装置60に出力し、制御装置60が上昇信号及び下降信号に基づいて機体2の車高を変更してもよく、制御装置60による車高の制御を操作する方法は、上記方法に限定されない。また、作業機1が当該作業機1の位置を検出する位置検出装置を備え、制御装置60は、位置検出装置が検出した位置と、記憶部60aに記憶されている位置情報と、に基づいて車高を変更してもよい。さらに、作業機1に当該作業機1を操作する操作装置が設けられている場合、制御装置60は、操作装置から出力された操作信号に基づいて車高を変更してもよい。
【0050】
以下、制御装置60による車高変更機構30及び距離変更機構50の制御について説明する。制御装置60は、制御装置60が端末から設定信号を取得すると、当該設定信号と、記憶部60aのテーブルと、に基づいて設定車高を取得する。制御装置60は、設定車高を取得すると、第1伸長センサ61aから検出信号を取得して、第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置、言い換えると車体の現在の車高(実車高)を取得する。
【0051】
制御装置60は、実車高を取得すると、設定車高と実車高を比較する。設定車高が実車高よりも高い場合、制御装置60は、第1制御弁11を制御して油圧ポンプ10から第1アクチュエータ31に供給される作動油を制御し、第1アクチュエータ31を伸長させる。即ち、
図6から
図7に遷移するように第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置が下方に移動し、第3車輪25から支持フレーム24までの距離(第1距離L1)が増加する。このため、第3支軸25aの軸心とクローラ21の接地面との間の距離(第2距離L2)が増加し、クローラ21の上端とクローラ21の接地面との距離(第3距離L3)が増加する。
【0052】
また、制御装置60は、設定信号と、記憶部60aのテーブルと、第2伸長センサ61bから出力された検出信号と、に基づいて第2制御弁12を制御して油圧ポンプ10から第2アクチュエータ51に供給される作動油を制御し、第2アクチュエータ51を収縮させる。即ち、
図6から
図7に遷移するように第1車輪22と第2車輪23との間の距離(第4距離L4)が減少する。このため、第1支軸22aと第2支軸23aとの間の距離(第5距離L5)が減少し、クローラ21の前端とクローラ21の後端との間の距離(第6距離L6)が減少する。これによって、クローラ21の鉛直方向の長さを増加、即ち車高を上昇させることができ、且つクローラ21のテンションを一定以上に維持してクローラ21に過剰なテンションが付与されることを回避できる。
【0053】
一方、設定車高が実車高よりも低い場合、制御装置60は、第1制御弁11を制御して油圧ポンプ10から第1アクチュエータ31に供給される作動油を制御し、第1アクチュエータ31を収縮させる。即ち、
図7から
図6に遷移するように第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置が上方に移動し、第3車輪25から支持フレーム24までの距離(第1距離L1)が減少する。このため、第3支軸25aの軸心とクローラ21の接地面との間の距離(第2距離L2)が減少し、クローラ21の上端とクローラ21の接地面との距離(第3距離L3)が減少する。
【0054】
また、制御装置60は、設定信号と、記憶部60aのテーブルと、第2伸長センサ61bから出力された検出信号と、に基づいて第2制御弁12を制御して油圧ポンプ10から第2アクチュエータ51に供給される作動油を制御し、第2アクチュエータ51を伸長させる。即ち、
図7から
図6に遷移するように第1車輪22と第2車輪23との間の距離(第4距離L4)が増加する。このため、第1支軸22aと第2支軸23aとの間の距離(第5距離L5)が増加し、クローラ21の前端とクローラ21の後端との間の距離(第6距離L6)が増加する。これによって、クローラ21の鉛直方向の長さを減少、即ち車高を下降させることができ、クローラ21のテンションを一定以上に維持してクローラ21が脱落することを回避できる。
【0055】
つまり、機体2の前側と後側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を伸長させてクローラ21の鉛直方向の長さを増加させると、地面に対して機体2を水平に維持しつ
つ車高を上昇させることができる。一方、機体2の前側と後側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を収縮させてクローラ21の鉛直方向の長さを減少させると、地面に対して機体2を水平に維持しつつ車高を下降させることができる。
【0056】
また、機体2の前側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を収縮させてクローラ21の鉛直方向の長さを減少させ、機体2の後側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を伸長させてクローラ21の鉛直方向の長さを増加させると、機体2の前側の車高を機体2の後側の車高よりも低くすることで地面に対して機体2を前傾姿勢にすることができる。一方、機体2の前側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を伸長させてクローラ21の鉛直方向の長さを増加させ、機体2の後側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を収縮させてクローラ21の鉛直方向の長さを減少させると、機体2の後側の車高を機体2の前側の車高よりも低くすることで地面に対して機体2を後傾姿勢にすることができる。
【0057】
さらに、機体2の左側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を収縮させてクローラ21の鉛直方向の長さを減少させ、機体2の右側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を伸長させてクローラ21の鉛直方向の長さを増加させると、機体2の左側の車高を機体2の右側の車高よりも低くすることで地面に対して機体2を左傾姿勢にすることができる。一方、機体2の左側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を伸長させてクローラ21の鉛直方向の長さを増加させ、機体2の右側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を収縮させてクローラ21の鉛直方向の長さを減少させると、機体2の右側の車高を機体2の左側の車高よりも低くすることで地面に対して機体2を右傾姿勢にすることができる。
【0058】
以下、バッテリユニット5及び当該バッテリユニット5の充電について説明する。バッテリユニット5は、蓄電可能であり、蓄電した電力を出力する構造体である。バッテリユニット5は、ハウジング(筐体)の内部にバッテリ5aを有している。バッテリ5aは、蓄電可能であり、例えばリチウムイオン電池や鉛蓄電池等の二次電池である。バッテリ5aは、内部に複数のセルを有しており、複数のセルが電気的に直列及び並列に接続されている。バッテリユニット5は、作業機1に設けられた充電器15と接続されている。充電器15は、バッテリユニット5に充電を行うケーブルが接続されるソケット15aや、外部から出力された力に電力を得る所謂非接触充電を行う給電部15b等を含んでいる。給電部15bは、受電用アンテナコイルと、受電用アンテナコイルに発生した電流から電力を再生する電力再生回路と、昇圧回路等から構成されている。
【0059】
図1に示すように、給電部15b(受電用アンテナコイル)は、例えば機体2の下部に設けられており、外部(充電ステーション)の送電用アンテナコイルから出力された磁力によって電流が発生される。送電用アンテナコイルは、例えば地面に設置されており、作業機1は、受電用アンテナコイルが送電用アンテナコイルの上方に位置するよう充電ステーションに移動して、受電用アンテナコイルと送電用アンテナコイルとの間の距離が所定範囲内になるよう、クローラ走行装置20を制御して車高を変更する。このため、バッテリユニット5は、給電部15bを含む充電器15を介して外部から電力を供給されることで充電可能である。
【0060】
なお、
図3に示すように、充電器15は、ソケット15aや給電部15b等に加えて太陽光パネル15cを含んでいてもよい。太陽光パネル15cは、光エネルギを電気エネルギ(電力)に変換して出力可能であり、例えば
図1、
図2に示すように、外装体7のうち上壁7dの前端から後端に亘って配置される。これにより、バッテリユニット5は、ソケット15aや給電部15bから出力された電力に代えて、或いは加えて太陽光パネル15cから出力された電力によって充電可能である。
【0061】
図1、
図3に示すように、作業機1は充電表示部70を備え、制御装置60がバッテリ5aの状態に基づいて充電表示部70の表示を制御する。具体的には、制御装置60は、作業機1に設けられた検出装置61である状態検出部からバッテリ5aの充電に関する情報を取得する。状態検出部は、電気・電子回路やプログラム等から構成されており、バッテリ5aの充電に関する状態を検出可能である。本実施形態において、状態検出部は、例
えばバッテリ5aに設けられ、且つ当該バッテリ5aを監視・制御するBMU(battery management unit)5a1である。
【0062】
BMU5a1は、バッテリ5aの電圧、温度、電流、内部のセルの端子電圧等を取得するとともに、バッテリ5aの残り容量を算出する。例えば、BMU5a1は、バッテリ5aの内部のセルの端子電圧と電圧測定方式を用いてバッテリ5aの残り容量を検出する。なお、バッテリ5aの残り容量の検出方法は、電圧測定方式に限定されず、クーロン・カウンタ方式、電池セル・モデリング方式、インピーダンス・トラック方式等の方式であってもよい。
【0063】
また、BMU5a1は、バッテリ5aの内部のリレー開閉制御が可能であり、バッテリ5aの電力供給の開始及び停止の制御が可能、言い換えるとバッテリ5aが充電状態であるが充電を行わない放電状態であるかを取得可能である。これにより、BMU5a1は、バッテリ5aの残り容量と、バッテリ5aが充電状態又は放電状態であるかと、を含む情報を制御装置60に出力する。なお、状態検出部は、バッテリ5aの充電に関する状態を検出可能であればよく、BMU5a1に限定されない。
【0064】
充電表示部70は、制御装置60の制御によって、バッテリ5aの充電に関する情報を表示可能である。充電表示部70は、制御装置60と接続されており制御装置60から出力された信号に基づいて表示形態を変更する。具体的には、充電表示部70は、表示形態を変更して、バッテリ5aの残り容量を表示、バッテリ5aの充電状態、及び放電状態を表示可能である。
【0065】
充電表示部70は、例えば作業機1の外装体7に設けられており、外部にバッテリ5aの状態を報知する。本実施形態においては、
図1に示すように、充電表示部70は、外装体7のうち一対の側壁7cの外側にそれぞれ配置されており、具体的には、前側のクローラ走行装置20と後側のクローラ走行装置20との間であって、鉛直方向の中途部に配置されている。これによって、作業者は、側壁7cを見ることで充電表示部70を視認することができる。なお、充電表示部70は、側壁7cに加え、或いは代えて外装体7の他の部分(例えば前壁7a、後壁7b等)に配置されていてもよい。
【0066】
図1に示すように、充電表示部70は、前後方向に延びた棒状のインジケータ(レベルゲージ)であり、バッテリ5aの残り容量を段階的に表示可能である。本実施形態においては、充電表示部70は、所定方向に列を形成するよう配置された複数のLED光源71を含んでいる。LED光源71は、例えば青色や緑色に点灯可能であり、充電表示部70は、制御装置60から出力された信号に基づいて、LED光源71を点灯、又は消灯させて表示形態を異ならせる。
図8に示すように、複数のLED光源71は、例えば前側から順に第1光源71a、第2光源71b、第3光源71c、第4光源71d、第5光源71e、第6光源71f、第7光源71g、第8光源71h、第9光源71i、第10光源71jの合計10個の光源を含んでいる。なお、複数のLED光源71の光源の数は10個に限定されず、適宜変更可能である。
【0067】
第1光源71aは、バッテリ5aの残り容量が最も少ない段階であることを示し、制御装置60は、バッテリ5aの残り容量が所定値(例えば10%)未満であれば当該第1光源71aを消灯する。また、制御装置60は、バッテリ5aの残り容量が10%以上であれば第1光源71aを点灯する。第10光源71jは、バッテリ5aの残り容量が最も多い段階であることを示し、制御装置60は、バッテリ5aの残り容量が所定値(例えば90%)未満であれば当該第10光源71jを消灯する。また、制御装置60は、バッテリ5aの残り容量が90%以上であれば第10光源71jを点灯する。第2光源71b~第9光源71iは、バッテリ5aの残り容量が最も少ない段階(10%未満)と最も多い段階(90%以上)との間の段階であることを示し、制御装置60は、第2光源71b~第9光源71iをそれぞれバッテリ5aの残り容量が所定未満であれば消灯する。また、制御装置60は、第2光源71b~第9光源71iをそれぞれバッテリ5aの残り容量が所定以上であれば点灯する。
【0068】
つまり、BMU5a1が検出したバッテリ5aの残り容量が零である場合、
図8の上図に示すように、制御装置60は、複数のLED光源71を全て消灯する。バッテリ5aの
残り容量が半分である(残り容量が40%以上50%未満である)場合、
図8の中図に示すように、複数のLED光源71のうち第1光源71a~第5光源71eを点灯し、第6光源71f~第10光源71jを消灯する。バッテリ5aの残り容量が十分である(残り容量が90%以上である)場合、
図8の下図に示すように、複数のLED光源71は、全て点灯する。
【0069】
また、制御装置60は、バッテリ5aが充電状態である場合、バッテリ5aが放電状態である場合と異なり、放電状態においてバッテリ5aの残り容量に基づいて点灯させるLED光源71を所定時間ごとに点灯と消灯を繰り返させる(点滅させる)。具体的には、制御装置60は、LED光源71の点灯及び消灯の切換を緩やかに行う。
なお、充電表示部70は、制御装置60の制御によって、バッテリ5aの充電に関する情報を表示可能であればよく、複数のLED光源71に限定されず、例えば様々な情報を表示可能な表示画面であってもよいし、複数のLED光源71が色彩を切り換えることで表示形態を変更してもよく、その構成や表示方法、位置は上述した構成に限定されない。
【0070】
例えば、
図1、
図2に示すように、作業機1が方向指示器(ウインカ)16を有し、方向指示器16が充電表示部70を兼用する場合を例に説明すると、制御装置60は、バッテリ5aが充電状態である場合、方向指示器16を緑色で点灯させ、バッテリ5aが放電状態であり、且つバッテリ5aの残り容量が所定以上である場合、方向指示器16を青色で点灯させ、バッテリ5aが放電状態であり、且つバッテリ5aの残り容量が所定未満である場合、方向指示器16を赤色で点灯させるような構成であってもよい。
【0071】
また、制御装置60は、バッテリ5aが充電状態である場合、バッテリ5aが放電状態である場合と異なり、第1光源71a~第10光源71jの順(又は逆の順)に流れるように第1光源71a~第10光源71jを点滅させてもよい。
上述したクローラ走行装置20は、第1車輪22と、第1車輪22と離間して配置された第2車輪23と、第1車輪22と第2車輪23とを支持する支持フレーム24と、支持フレーム24の上方に配置された第3車輪25と、第1車輪22、第2車輪23、及び第3車輪25に巻き掛けられた無端状のクローラ21と、第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置を変更する車高変更機構30と、を備えている。上記構成によれば、クローラ走行装置20は、第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置を変更して、クローラ21の鉛直方向の長さを変更できる。このため、クローラ走行装置20が設けられた作業機1等の車高を変更することができ、地面との位置関係を調整して走行性・作業性を向上させることができる。
【0072】
また、車高変更機構30は、鉛直方向に収縮可能であり、第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置を変更するアクチュエータ31を有している。上述した構成によれば、クローラ走行装置20による車高変更を簡単に実現できる。
また、第1車輪22及び第2車輪23は、クローラ21にテンションを付与する従動輪であり、第3車輪25は、動力を伝達され回転駆動する駆動輪である。上記構成によれば、第1車輪22及び第2車輪23はクローラ21を介して接地し、第3車輪25は接地しない。このため、駆動する駆動輪である第3車輪25を地面から離反して配置させることで、当該第3車輪25が石等の障害物で損傷したり、土埃や汚れで劣化したりすること抑制できる。
【0073】
また、クローラ走行装置20は、支持フレーム24に設けられ、且つ第1車輪22と第2車輪23との間の距離を変更する距離変更機構50を備えている。上記構成によれば、車高変更機構30によって第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置を変更することで変動したクローラ21のテンションを調整することができる。このため、クローラ21のテンションを一定以上に維持することができ、クローラ21の脱落を回避できる。また、クローラ21に過剰なテンションが付与されることを回避できる。
【0074】
また、クローラ走行装置20は、支持フレーム24に取り付けられ、それぞれ離間して配置された複数の転輪26を備え、複数の転輪26のうち第1車輪22側の転輪26と当該第1車輪22との間の距離は、第2車輪23側の転輪26と当該第2車輪23との間の距離よりも長い。上記構成によれば、距離変更機構50は、少なくとも第1車輪22側の
転輪26と第1車輪22との間の距離を変更することができる。このため、転輪26によるクローラ21の接地圧の向上やクローラ21の脱落抑止と、クローラ21のテンションの調整と、を両立することができる。
【0075】
また、作業機1は、複数のクローラ走行装置20と、作業装置を装着可能な装着部8を有する機体2と、を備え、複数のクローラ走行装置20は、機体2の幅方向に離間し且つ当該機体2の前部に設けられた一対のクローラ走行装置20と、幅方向に離間し且つ当該機体2の後部に設けられた一対のクローラ走行装置20と、を含んでいる。上記構成によれば、機体2の車高を変更できるクローラ走行装置20を、機体2の前部に一対、及び機体2の後部に一対設けることで、機体2を安定して支持することができ、且つ車高を変更することで、機体2の下面と、畔等の段差や比較的大きな障害物とが接触することを回避でき、畔や障害物を容易に乗り越えることができる。
【0076】
また、車高変更機構30は、それぞれ独立して第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置を変更する。上記構成によれば、独立して第3車輪25に対する支持フレーム24の鉛直方向の位置を変更することで、一部の車高が高くなるよう変更したり、他の部分の車高が低くなるよう変更したりすることができる。このため、地面の状態によらないで、作業機1が地面に対して水平である状態を簡単に維持することができ、機体2の姿勢を柔軟に変更することができる。また、クローラ21の接地圧を適正に維持することができ、作業機1を安定して走行させることができる。
[第2実施形態]
図9及び
図10は、作業機1の別の実施形態(第2実施形態)を示す。以下、第2実施形態の作業機1について、上述した実施形態(第1実施形態)と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と共通する構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図9、
図10に示すように、第2実施形態において、作業機1が有する複数のクローラ走行装置20は、機体2の幅方向の一方側(左側)に設けられたクローラ走行装置20と、幅方向の他方側(右側)に設けられたクローラ走行装置20と、を含んでいる。即ち、クローラ走行装置20は、幅方向に一対配置されている。クローラ21は、機体2の前端から後端に亘って配置され、第1車輪22は、機体2の前部に位置している。また、第2車輪23は、機体2の後部に位置している。
【0077】
斯かる場合において、機体2の左側と右側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を伸長させてクローラ21の鉛直方向の長さを増加させると、地面に対して機体2を水平に維持しつつ車高を上昇させることができる。一方、機体2の左側と右側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を収縮させてクローラ21の鉛直方向の長さを減少させると、地面に対して機体2を水平に維持しつつ車高を下降させることができる。
【0078】
また、機体2の左側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を収縮させてクローラ21の鉛直方向の長さを減少させ、機体2の右側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を伸長させてクローラ21の鉛直方向の長さを増加させると、機体2の左側の車高を機体2の右側の車高よりも低くすることで地面に対して機体2を左傾姿勢にすることができる。一方、機体2の左側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を伸長させてクローラ21の鉛直方向の長さを増加させ、機体2の右側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を収縮させてクローラ21の鉛直方向の長さを減少させると、機体2の右側の車高を機体2の左側の車高よりも低くすることで地面に対して機体2を右傾姿勢にすることができる。
【0079】
なお、上述した実施形態において、クローラ21は、機体2の前端から後端に亘って配置され、第1車輪22は、機体2の前部に位置し、第2車輪23は、機体2の後部に位置しているが、クローラ走行装置20は、幅方向に一対配置されていればよく、機体2の前部と後部のいずれか一方にクローラ走行装置20が幅方向に一対配置してもよい。また、機体2の前部及び後部の他方にクローラ走行装置20とは別の構成及び構造の走行装置3が設けられていてもよい。
【0080】
具体的には、例えば、
図11、
図12に示すように、クローラ走行装置20が機体2の後部に設けられ、機体2の前部に幅方向に離反した一対の車輪80が設けられていてもよ
い。
図11に示すように車輪80は、ホイールと当該ホイールに組み付けられたタイヤとを有するタイヤ型であるが、クローラ走行装置20とは別の走行装置3として、車高変更機構30を有さないクローラ21型の走行装置3であってもよい。
【0081】
斯かる場合において、機体2の左側と右側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を伸長させてクローラ21の鉛直方向の長さを増加させると、機体2の前側の車高を機体2の後側の車高よりも低くすることで地面に対して機体2を前傾姿勢にすることができる。一方、機体2の左側と右側の車高変更機構30の第1アクチュエータ31を収縮させてクローラ21の鉛直方向の長さを減少させると、機体2の後側の車高を機体2の前側の車高よりも低くすることで地面に対して機体2を後傾姿勢にすることができる。
【0082】
上述した作業機1は、複数のクローラ走行装置20と、作業装置を装着可能な装着部8を有する機体2と、を備え、複数のクローラ走行装置20は、機体2の幅方向の一方側に設けられたクローラ走行装置20と、幅方向の他方側に設けられたクローラ走行装置20と、を含んでいる。上記構成によれば、機体2の車高を変更できるクローラ走行装置20を、機体2に一対設けることで、機体2を幅方向に安定して支持することができ、且つ車高を変更することで、機体2の下面と、畔等の段差や比較的大きな障害物とが接触することを回避でき、畔や障害物を容易に乗り越えることができる。
【0083】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0084】
1 作業機
2 機体
8 装着部
20 クローラ走行装置
21 クローラ
22 第1車輪(従動輪)
23 第2車輪(従動輪)
24 支持フレーム
25 第3車輪(駆動輪)
26 転輪(遊転輪)
30 車高変更機構
31 第1アクチュエータ(アクチュエータ)
50 距離変更機構