(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】半導体デバイス、及び半導体デバイスを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20230410BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20230410BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20230410BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20230410BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20230410BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L21/28 301B
H01L29/44 S
H01L29/58 Z
(21)【出願番号】P 2020510105
(86)(22)【出願日】2018-12-17
(86)【国際出願番号】 CN2018121450
(87)【国際公開番号】W WO2019114837
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】201711352376.9
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518335137
【氏名又は名称】ダイナックス セミコンダクター インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DYNAX SEMICONDUCTOR,INC.
【住所又は居所原語表記】No.18,Chenfeng Road, Yushan Zhen Kunshan, Jiangsu 215300 China
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ナイキアン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,シ
(72)【発明者】
【氏名】グ,チンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,シンシン
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-193004(JP,A)
【文献】特表2016-524817(JP,A)
【文献】特開2003-203930(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0361310(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/338
H01L 29/41
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の片面に形成された半導体層と、
前記半導体層の前記基板から離れた片面に形成されたソース及びドレインと、
前記ソースと前記ドレインとの間のゲートと、
を備え、前記ドレインの片面付近及び前記半導体層付近の前記ゲートの第1の面の少なくとも一部は、第1の湾曲面を有し、
前記ゲートの前記第1の面は、前記第1の湾曲面から前記半導体層まで延在する第1の平面を更に有し、
前記第1の平面と前記半導体層との間の角度は、25度以上かつ85度以下であり、
前記半導体層の前記基板から離れた片面の前記ソースと前記ドレインとの間に形成された誘電体層を更に備え、前記ゲートは、前記誘電体層の前記半導体層から離れた片面に形成され、
前記ゲートに対応するゲートトレンチが前記誘電体層上に設けられ、前記ゲートの材料が前記ゲートトレンチ内に充填され、前記ゲートトレンチを被覆し、前記ドレイン付近のゲートの端部と接触する前記ゲートトレンチの第2の面の少なくとも一部は、前記誘電体層の前記半導体層から離れた表面から、前記半導体層に向かって延在する第2の湾曲面を有する、半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1の平面の長さと、前記ゲートの前記第1の面の全長との比は、Xであり、0≦X≦0.95である、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記半導体層の前記平面における前記ゲートの前記第1の面の全長の投影の長さと、前記ゲートの前記第1の面から前記ゲートの底部の平面までの鉛直距離との比は、Yであり、0.3≦Y≦7である、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記ゲートの前記第1の湾曲面は、前記半導体層から離れた片面において第3の平面を有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記ゲートトレンチの前記第2の面は、前記半導体層付近の片面において第2の平面を更に有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記第2の湾曲面は、前記誘電体層の前記半導体層から離れた表面から、前記半導体層まで延在する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記ゲートトレンチは、前記誘電体層を貫通し、前記半導体層内に延在する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記ソース付近及び前記半導体層付近の片面における前記ゲートの第3の面の少なくとも一部は、前記第1の湾曲面を有し、及び/又は、前記ソース付近の前記ゲートの端部と接触する前記ゲートトレンチの第4の面の少なくとも一部は、前記第2の湾曲面を有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第2の平面と前記半導体層との間の角度は、25度以上かつ85度以下である、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
半導体デバイスを製造する方法であって、
基板を準備することと、
前記基板の片面に半導体層を形成することと、
前記半導体層の前記基板から離れた片面にソース及びドレインを形成することと、
前記半導体層の前記基板から離れた片面の前記ソースと前記ドレインとの間にゲートを形成することであって、前記ドレイン付近及び前記半導体層付近の前記ゲートの第1の面の少なくとも一部は、第1の湾曲面を有することと、
を含み、
前記半導体層の前記基板から離れた片面の前記ソースと前記ドレインとの間にゲートを形成するステップは、
前記半導体層の前記基板から離れた片面の前記ソースと前記ドレインとの間に誘電体層を形成することと、
前記ドレイン付近の前記ゲートの端部と接触するゲートトレンチの第2の面の少なくとも一部が、前記第1の湾曲面に対応する第2の湾曲面であるように、前記誘電体層上に前記ゲートを形成するための前記ゲートトレンチを形成することであって、前記第2の湾曲面は、前記誘電体層の前記半導体層から離れた表面から、前記半導体層に向かって延在することと、
前記誘電体層に基づいて前記ゲートを形成することであって、前記ゲートは、前記ゲートトレンチに基づいて形成されるとともに、前記ソースと前記ドレインとの間に配置されることと、
を含み、
前記誘電体層上に前記ゲートを形成するためのゲートトレンチを形成するステップは、
前記誘電体層の前記半導体層から離れた片面にマスクを被覆することと、
前記ゲートトレンチの前記第2の面が平面を形成するように、前記ゲートトレンチに対応する領域における前記マスク及び前記誘電体層上に第1段階のエッチングを実行することと、
前記マスクが前記ゲートトレンチ付近の面において前記第2の湾曲面を形成するように、前記第1段階のエッチング後に前記半導体デバイスを焼成することと、
前記ゲートトレンチの前記第2の面が前記第2の湾曲面を形成するように、前記誘電体層と前記マスクとの間の界面上に第2段階のエッチングを実行することと、
前記誘電体層が、前記ゲートトレンチの底部に対応する前記半導体層の一部を除去するようにエッチングされた後、前記誘電体層をマスクとして用いることによって第3段階のエッチングを実行することと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記ソース付近の前記ゲートの端部と接触する前記ゲートトレンチの第4の面の少なくとも一部は、前記第2の湾曲面である、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2017年12月15日に出願された中国特許出願第201711352376.9号の優先権を主張し、上述した中国特許出願によって開示された内容の全文を本出願の一部としてここに引用する。
【0002】
本発明は、半導体技術の分野に関し、詳細には、半導体デバイス及び半導体デバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)デバイスの半導体材料の顕著な利点、例えば、広いバンドギャップ、高い電子飽和ドリフト速度、高い破壊電界強度、及び高温耐性に起因して、窒化ガリウムHEMTデバイスは、高温、高電圧、高周波数及び高電力の電子デバイスの製造に適しており、広範な応用への期待を有する。しかしながら、既存の窒化ガリウムデバイスの電位勾配は、十分に緩やかではない。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑みて、本発明の実施形態の目的は、上記問題を解決するために、半導体デバイス及び半導体デバイスを製造する方法を提供することである。
【0005】
本発明によって提供される技術的解決法は、以下の通りである。
【0006】
基板と、
前記基板の片面に形成された半導体層と、
前記半導体層の前記基板から離れた片面に形成されたソース及びドレインと、
前記ソースと前記ドレインとの間のゲートと、
を備え、前記ドレインの片面付近及び前記半導体層付近の前記ゲートの第1の面の少なくとも一部は、第1の湾曲面を有する、半導体デバイス。
【0007】
さらに、前記ゲートの前記第1の面は、前記第1の湾曲面から前記半導体層まで延在する第1の平面を更に有する。
【0008】
さらに、前記第1の平面の長さと、前記ゲートの前記第1の面の全長との比は、Xであり、0≦X≦0.95である。
【0009】
さらに、前記半導体層の前記平面における前記ゲートの前記第1の面の前記全長の投影の長さと、前記ゲートの前記第1の面から前記ゲートの底部の平面までの鉛直距離との比は、Yであり、0.3≦Y≦7である。
【0010】
さらに、前記ゲートの前記第1の湾曲面は、前記半導体層から離れた片面において第3の平面を有する。
【0011】
さらに、前記半導体デバイスは、前記半導体層の前記基板から離れた片面の前記ソースと前記ドレインとの間に形成された誘電体層を更に備え、前記ゲートは、前記誘電体層の前記半導体層から離れた片面に形成され、
前記ゲートに対応するゲートトレンチが前記誘電体層上に設けられ、前記ゲートの材料が前記ゲートトレンチ内に充填され、前記ゲートトレンチを被覆し、前記ドレイン付近のゲートの端部と接触する前記ゲートトレンチの第2の面の少なくとも一部は、前記誘電体層の前記半導体層から離れた表面から、前記半導体層に向かって延在する第2の湾曲面を有する。
【0012】
さらに、前記ゲートトレンチの前記第2の面は、前記半導体層付近の片面において第2の平面を更に有する。
【0013】
さらに、前記第2の湾曲面は、前記誘電体層の前記半導体層から離れた表面から、前記半導体層まで延在する。
【0014】
さらに、前記ゲートトレンチは、前記誘電体層を貫通し、前記半導体層内に延在する。
【0015】
さらに、前記ソース付近及び前記半導体層付近の片面における前記ゲートの第3の面の少なくとも一部は、前記第1の湾曲面を有し、及び/又は、前記ソース付近の前記ゲートの端部と接触する前記ゲートトレンチの第4の面の少なくとも一部は、前記第2の湾曲面を有する。
【0016】
さらに、前記第1の平面と前記半導体層との間の角度は、25度以上かつ85度以下である。
【0017】
さらに、前記第2の平面と前記半導体層との間の角度は、25度以上かつ85度以下である。
【0018】
本発明は、半導体デバイスを製造する方法であって、
基板を準備することと、
前記基板の片面に半導体層を形成することと、
前記半導体層の前記基板から離れた片面にソース及びドレインを形成することと、
前記半導体層の前記基板から離れた片面の前記ソースと前記ドレインとの間にゲートを形成することであって、前記ドレイン付近及び前記半導体層付近の前記ゲートの第1の面の少なくとも一部は、第1の湾曲面を有することと、
を含む、方法を更に提供する。
【0019】
さらに、前記半導体層の前記基板から離れた片面の前記ソースと前記ドレインとの間にゲートを形成するステップは、
前記半導体層の前記基板から離れた片面の前記ソースと前記ドレインとの間に誘電体層を形成することと、
前記ドレイン付近の前記ゲートの端部と接触するゲートトレンチの第2の面の少なくとも一部が、前記第1の湾曲面に対応する第2の湾曲面であるように、前記誘電体層上に前記ゲートを形成するための前記ゲートトレンチを形成することであって、前記第2の湾曲面は、前記誘電体層の前記半導体層から離れた表面から、前記半導体層に向かって延在することと、
前記誘電体層に基づいて前記ゲートを形成することであって、前記ゲートは、前記ゲートトレンチに基づいて形成されるとともに、前記ソースと前記ドレインとの間に配置されることと、
を含む。
【0020】
さらに、前記ソース付近の前記ゲートの端部と接触する前記ゲートトレンチの第4の面の少なくとも一部は、前記第2の湾曲面である。
【0021】
さらに、前記誘電体層上に前記ゲートを形成するためのゲートトレンチを形成するステップは、
前記誘電体層の前記半導体層から離れた片面にマスクを被覆することと、
前記ゲートトレンチの前記第2の面が平面を形成するように、前記ゲートトレンチに対応する領域における前記マスク及び前記誘電体層上に第1段階のエッチングを実行することと、
前記マスクが前記ゲートトレンチ付近の面において前記第2の湾曲面を形成するように、前記第1段階のエッチング後に前記半導体デバイスを焼成することと、
前記ゲートトレンチの前記第2の面が前記第2の湾曲面を形成するように、前記誘電体層と前記マスクとの間の界面上に第2段階のエッチングを実行することと、
前記誘電体層が、前記ゲートトレンチの底部に対応する前記半導体層の一部を除去するようにエッチングされた後、前記誘電体層をマスクとして用いることによって第3段階のエッチングを実行することと、
を含む。
【0022】
本発明の実施形態において、このような半導体デバイス構造を用いると、ゲートの第1の湾曲面の存在により、半導体デバイスの電位勾配は、より緩やかになることができる。さらに、ゲートトレンチ構造の第2の湾曲面により、ゲートトレンチの頂部コーナーにおける電位勾配は、同じドレイン電圧条件下でより緩やかになることができ、それゆえ、これにより、その位置におけるピーク電界強度が減少し、また、ドレイン付近のゲートトレンチの底部の一端におけるピーク電界の位置を半導体層材料に導入することもできる。半導体層材料の絶縁破壊電圧は、誘電体層材料の絶縁破壊電圧よりも高いので、そこでの耐圧可能な(withstandable)ピーク電界強度が増加する。この2つの組み合わせは、実際的には、空乏領域のエリアの増加に等価であり、したがって、ゲート領域全体の電界強度が増加する。電界強度の積分は、絶縁破壊電圧であり、したがって、ゲート及びゲートトレンチの構造は、実際的には、デバイスの絶縁破壊電圧を上昇させる。そして、弧状の第2の湾曲面により、誘電体層と金属との間の結合力を高めることができ、それにより、ゲートは、短絡する(fall off:オフ状態に陥る)傾向が減り、デバイスの信頼度が改善される。
【0023】
本発明の目的、特徴及び利点をより明白かつ理解可能とするために、好ましい実施形態について、添付図面とともに詳細に説明する。
【0024】
本発明の実施形態の技術的解決法をより明確に例示するために、実施形態で使用する図面について以下簡単に説明する。以下の図面は、本発明の幾つかの特定の実施形態のみを例示しており、したがって、範囲を限定するものとしてみなされるべきではないということが理解されるべきである。当業者であれば、他の関連する図面もまた、発明の技能を行使することなくこれらの図面に従って得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態による半導体デバイスの概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による別の半導体デバイスの概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態による半導体デバイスのゲートトレンチ部分の斜視構造概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態による半導体デバイスのゲートトレンチ部分の概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による半導体デバイスのゲートトレンチ部分の別の斜視構造概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態による半導体デバイスのゲートトレンチ部分の別の概略断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による半導体デバイスの別の概略図である。
【
図8(a)】本発明の一実施形態による、半導体デバイスを製造する方法のフローチャートである。
【
図8(b)】
図8(a)におけるステップS140のステップフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態による、半導体デバイスを製造する方法において、ゲートトレンチの製造におけるそれぞれのステップに対応する概略断面構造図である。
【
図10】本発明の一実施形態による、半導体デバイスを製造する方法において、ゲートトレンチの製造におけるそれぞれのステップに対応する概略断面構造図である。
【
図11】本発明の一実施形態による、半導体デバイスを製造する方法において、ゲートトレンチの製造におけるそれぞれのステップに対応する概略断面構造図である。
【
図12】本発明の一実施形態による、半導体デバイスを製造する方法において、ゲートトレンチの製造におけるそれぞれのステップに対応する概略断面構造図である。
【
図13】本発明の一実施形態による、半導体デバイスを製造する方法において、ゲートトレンチの製造におけるそれぞれのステップに対応する概略断面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態における技術的解決法について、添付図面を参照して以下に明確にかつ完全に説明する。明らかに、記載する実施形態は、本発明の実施形態の全てではなく単に一部である。本明細書に記載し図面に例示する本発明の実施形態の構成要素は、概して、様々な異なる構成で配置及び設計することができる。したがって、図面における本発明の実施形態の以下の詳細な説明は、本発明の範囲を限定するようには意図されておらず、単に、本発明の好ましい実施形態に言及するものである。当業者が発明の技能を行使することなく本発明の実施形態に基づいて得る他の全ての実施形態が、本発明の範囲内にある。
【0027】
以下の図面において同様の参照数字及び文字は同様の項目を示すことが留意されるべきである。したがって、図面において或る項目が定義されると、後続する図面においてその項目を更に定義及び説明する必要はない。
【0028】
本発明者らは、窒化ガリウムデバイスの製造プロセスにおいて、ゲートの傾斜フィールドプレート構造を準備することができることを見出した。このような構造は、一般に、エッチングによって傾斜ゲートトレンチを形成し、傾斜ゲートトレンチ上に金属を蒸着してゲート電極を形成することによって準備される。ゲートトレンチが設けられない構造と比較して、傾斜ゲートトレンチを据えることにより、ゲートによってチャネル電界を変調すること、及びドレイン付近のゲートトレンチ底部の片面におけるピーク電界を低減させることが容易になり、したがって、デバイスの絶縁破壊電圧が上昇するとともに電流コラプス効果が低減される。しかしながら、このようなゲートトレンチ構造には、電位勾配が十分に緩やかではなく、かつ、ピーク電界が存在するという問題が依然として存在する。本発明者らは、従来のゲートは、ピーク電界を形成し得るコーナーを有することを見出した。ドレイン電圧が上昇すると、そこで形成されるピーク電界は、ここでの電位勾配を緩やかにせず、したがって、空乏領域の幅が限られるとともにデバイスの絶縁破壊電圧が低下する。その上、誘電体層のコーナーにおいて、金属との結合力が乏しく、デバイスの信頼度が乏しくなる。これに鑑みて、本出願の一実施形態は、半導体デバイス100を提供する。
図1に示すように、半導体デバイス100は、基板110、半導体層120、ソース140、ドレイン150及びゲート160を備える。
【0029】
基板110は、サファイア、炭化ケイ素、ケイ素、砒化ガリウム、窒化ガリウム、又は窒化アルミニウムのうちの1つとすることができる。
【0030】
半導体層120は、基板110の片面に形成され、ソース140及びドレイン150は、半導体層120の基板110から離れた片面に形成される。ゲート160は、半導体層120の基板110から離れた片面に形成される。特に、本出願の実施形態では、ドレイン150付近及び半導体層120付近のゲート160の第1の面の少なくとも一部は、第1の湾曲面180を有する。任意選択で、ゲート160の第1の湾曲面180は、半導体層120付近のゲート160の表面から、半導体層120に向かって延在することができ、
図1に示すソースからドレインまでの第1の方向における第1の湾曲面180の長さは、aである。ゲートコーナーにおけるピーク電界の問題を緩和するために、任意選択で、ゲート160の第1の面は、第1の湾曲面から半導体層まで延在する第1の平面を更に有し、第1の方向におけるこの長さは、bであり、a+bは、ゲート160の第1の面の全長であり、b/(a+b)は、0≦X≦0.95であるXの値であり、漏れ電流を低減するより良好な効果を有する長さ比は、0.15≦X≦0.81である。半導体デバイスの電位勾配をより緩やかにしてデバイスの全体性能を改善するために、任意選択で、cは、ゲート160の第1の面の全長a+bの、半導体層120の平面に対する投影であり、dは、ゲート160の第1の面からゲートの底部の平面までの最大鉛直距離であり、c/dは、0.3≦Y≦7であるYの値であり、デバイスの全体性能を最適化する範囲は、0.7≦Y≦4である。任意選択で、ゲート160の第1の湾曲面180は、半導体層120から離れた片面において部分平面(partial plane)を更に有し、これは、第3の平面であり、この平面は、電極に向かって延在する。好ましくは、ソース140付近の一端における1つの第1の湾曲面180と、ドレイン150付近の一端における1つの第1の湾曲面180とがゲート160のために形成される。
【0031】
本出願の具体的な一実施形態では、
図2に示すように、ゲート160の第1の湾曲面180を形成するために、半導体デバイス100は、半導体層120の基板110から離れた片面に誘電体層130を更に備えることができ、誘電体層130は、半導体層120の基板110から離れた片面に形成されるとともに、ソース140とドレイン150との間に配置される。
【0032】
誘電体層130は、パッシベーション層として機能し、誘電体層130は、SiN、SiO2、SiON、Al2O3、HfO2、HfAlOxのうちの1つ又は組み合わせとすることができる。
【0033】
図3及び
図4に示すように、ゲート160に対応するゲートトレンチ161が、誘電体層130上に設けられる。ゲート160の材料がゲートトレンチ161内に充填され、ドレイン150付近のゲート160の端部と接触するゲートトレンチ161の第2の面の少なくとも一部は、第2の湾曲面162を形成し、第2の湾曲面162は、誘電体層130の半導体層120から離れた表面から、半導体層120に向かって延在する。簡潔にするために、ゲート160の電極構造は、
図3及び
図4には示されない。
【0034】
本発明の実施形態において、このような半導体デバイス構造を用いると、ゲートの第1の湾曲面の存在により、半導体デバイスの電位勾配は、より緩やかになることができる。さらに、本発明の実施形態において、このような上記のゲートトレンチ構造を用いると、第2の湾曲面162により、ゲートトレンチ161の頂部コーナーにおける電位勾配は、同じドレイン電圧条件下でより緩やかになることができ、それゆえ、これにより、その位置におけるピーク電界強度が減少し、また、ゲートトレンチの底部において一部の材料バリア層を除去することによって、ドレイン150付近のゲートトレンチ161の底部の一端におけるピーク電界の位置を材料に導入することもできる。なぜならば、材料の絶縁破壊電圧は、誘電体層の絶縁破壊電圧よりも高いためである。したがって、そこでの耐圧可能なピーク電界強度が増加する。この2つの組み合わせは、実際的には、空乏領域のエリアの増加に等価であり、したがって、ゲートトレンチ領域全体の電界強度が増加する。電界強度の積分は、絶縁破壊電圧であり、したがって、ゲートトレンチ構造は、実際的には、デバイスの絶縁破壊電圧を上昇させる。そして、弧状の第2の湾曲面により、誘電体層と金属との間の結合力を高めることができ、それにより、ゲート160は、短絡する傾向が減り、デバイスの信頼度が改善される。
【0035】
ゲート160の形状は、ゲートトレンチ161の形状に合致し、ゲート160の第1の湾曲面180は、第2の湾曲面162と接触する表面上に形成することができる。ゲート160は、T字形状ゲート構造とすることができ、ゲートトレンチ161は、フォトリソグラフィーマスク170(
図8に示す)を通じて誘電体層130上のゲート160に対応する領域において形成することができ、Ni/Au金属の2つの層が、電子ビーム蒸着技法によってゲートトレンチ161内に蒸着され、したがって、ゲート160が形成される。他の実施形態では、ゲート160は、他の構造を有することができ、第1の湾曲面180を形成することができる限り、本出願の実施形態におけるT字形状ゲート構造に限定されない。
【0036】
具体的には、具体的な実施形態において、
図3に示すように、ドレイン150付近のゲート160の端部と接触するゲートトレンチ161の第2の面の少なくとも一部は、第2の湾曲面162を形成する。任意選択で、第2の湾曲面162は、誘電体層130の半導体層120から離れた表面から、半導体層120まで延在することができる。それゆえ、ドレイン150付近のゲートトレンチ161の第2の面は、全体が湾曲している。
【0037】
別の具体的な実施形態において、ソース140付近のゲート160の端部と接触するゲートトレンチ161の第4の面の少なくとも一部も、第2の湾曲面162を形成する。任意選択で、第2の湾曲面162は、誘電体層130の半導体層120から離れた表面から、半導体層120まで延在することができる。それゆえ、ソース140付近のゲートトレンチ161の第4の面は、全体が湾曲している。
【0038】
ゲートトレンチ161において、ドレイン150の一端と接触する第2の面のみが第2の湾曲面162を有することができる一方、ソース140の一端と接触する第4の表面は、第2の湾曲面162を有しないことが可能であることを理解すべきである。加えて、ゲートトレンチ161は、ゲート160と接触する2つの面が第2の湾曲面162を有するように形成することもできる。
【0039】
一例では、
図5に示すように、ゲート160と接触するゲートトレンチ161の2つの面は、第2の湾曲面162の部分と、半導体層120と角度をなす第2の平面163の部分とを有し、第2の湾曲面162は、誘電体層130の半導体層120から離れた表面から、半導体層120に向かって延在し、第2の平面163は、第2の湾曲面162から、半導体層120まで延在する。それゆえ、ゲートトレンチ161の2つの面は、2つの部分から構成され、一方の部分は、第2の湾曲面162であり、対して他方の部分は、第2の平面163であり、第2の湾曲面162は、ゲートトレンチ161の底部にまで延在しない。ゲート160がゲートトレンチと接触する面の形状の一方の部分は、第2の湾曲面162であり、対して他方の部分は、第2の平面163である。
【0040】
これに対応して、ゲートトレンチ161と接触するゲート160の第1の面及び第3の面は、第1の湾曲面180の部分と、半導体層120と角度をなすとともに第2の平面に対応する第1の平面の部分とを同様に有することができ、第1の湾曲面180は、ゲート160の半導体層120付近の片面の表面から、半導体層120に向かって、第1の平面の位置まで延在しはじめることができ、次いで、第1の平面は、第1の湾曲面180から、半導体層120まで延在する。
【0041】
ゲートトレンチの下で2次元電子ガス濃度を変調し、デバイスの全体漏れ電流を低減するために、第1の方向における第2の平面163の長さと、ゲートトレンチ161の第2の面の全長との比は、Xであり、ここで、0≦X≦0.95であり、好ましくは、漏れ電流を低減するより良好な効果を有する長さ比は、0.15≦X≦0.81である。X=0.5のとき、第2の平面163の長さは、第2の湾曲面162の長さに等しい。
図5に示すように、第2の湾曲面162の長さは、aとすることができ、第2の平面163の長さは、bであり、ここで、b≧0であり、b=0のとき、ゲートトレンチの第2の面の全体が湾曲面である。a+bは、ゲートトレンチ161の第2の面の全長であり、b/(a+b)は、Xの値である。
図5において、第2の平面163と半導体層120の平面との間の角度は、αである。第2の平面163と半導体層120の平面との間の角度は、25度以上かつ85度以下であり、好ましくは、29度以上かつ61度以下である。これに対応して、ゲート160において、第1の平面の長さと第1の湾曲面の長さとの間の関係は、ゲートトレンチ161における第2の平面163と第2の湾曲面162との間の関係に対応する。
【0042】
一実施形態では、ゲートトレンチ161がソース140付近のゲート160の一端と接触する第4の面の少なくとも一部も、誘電体層130の半導体層120から離れた表面から、半導体層120に向かって延在する第2の湾曲面162を有する。トレンチの片面の下で2次元電子ガスを更に変調し、デバイス漏れ電流を低減するために、
図6において、ゲートトレンチがゲートと接触する第2の面の、誘電体層130の平面に対する投影の長さは、cであり、誘電体層130の厚さは、dであり、c/dは、Yの値であり、ゲートトレンチがゲートと接触する第2の面の、誘電体層130の平面に対する投影の長さと、誘電体層130の厚さとの比は、Yであり、ここで、0.3≦Y≦7である。好ましくは、ゲートトレンチがゲートと接触する第2の面の、誘電体層130の平面に対する投影の長さと、誘電体層130の厚さとの比は、0.7≦Y≦4であり、Y=1のとき、ゲートトレンチがゲートと接触する第2の面の、誘電体層130の平面に対する投影の長さは、誘電体層130の厚さに等しく、Y=1.5のとき、ゲートトレンチがゲートと接触する第2の面の、誘電体層130の平面に対する投影の長さは、誘電体層130の厚さの1.5倍であり、Y=3のとき、ゲートトレンチがゲートと接触する第2の面の、誘電体層130の平面に対する投影の長さは、誘電体層130の厚さの3倍である。
【0043】
図7に示すように、本発明の具体的な一実施形態において、半導体層120は、バッファー層121、チャネル層122、及びバリア層123を含むことができる。
【0044】
バッファー層121は、基板110の片面に形成される。チャネル層122は、バッファー層121の基板110から離れた片面に形成される。バリア層123は、チャネル層122のバッファー層121から離れた片面に形成され、誘電体層130は、バリア層123のチャネル層122から離れた片面に形成される。
【0045】
バッファー層121は、窒化ガリウム材料とすることができ、バッファー層121の基板110との格子整合の程度は、結晶品質、表面トポグラフィー、及びバッファー層121自体の電気的特性等のパラメーターに影響を与え、また、バッファー層121の基板110から離れた片面における他の材料の結晶品質、表面トポグラフィー、及び電気的特性等のパラメーターにも影響を与え得る。バッファー層121は、2μm~4μmの厚さを有することができる。バッファー層121は、核生成層を更に含むことができ、その全体厚さは、5μm以下とすることができる。核生成層の主要成分は、窒化ガリウム材料とすることができ、Al、In、P、Si、Fe、C等の元素を核生成層にドープして、基板材料に適合させるという目的を達成することができる。加えて、窒化ガリウムバッファー層の層を、窒化ガリウム核生成層上に成長させることができ、窒化ガリウムバッファー層は、非ドープ層である。
【0046】
チャネル層122は、バッファー層121の基礎の上に形成されたより良好な格子品質を有する窒化ガリウム材料層である。
【0047】
バリア層123は、窒化アルミニウムガリウム材料とすることができ、バリア層123及びチャネル層122は、ヘテロ構造を形成することができ、大量の2次元電子ガスを、圧電効果の下で、ヘテロ構造の境界部において形成することができる。バリア層123におけるアルミニウム含有量は、20%~30%とすることができ、バリア層123の厚さは、10nm~50nmとすることができる。
【0048】
一例では、また、ゲートトレンチ161は、誘電体層130を貫通し、半導体層120内に延在することができる。具体的には、ゲートトレンチ161は、ゲートトレンチ161の深さが誘電体層130の厚さより大きくなるように、誘電体層130を貫通し、バリア層123の内部に延在することができる。それゆえ、ドレイン150付近のゲートトレンチ161の底部の端部におけるピーク電界の位置を半導体層材料の内部に導入することができる。半導体層材料の絶縁破壊電圧は、誘電体層材料の絶縁破壊電圧よりも高いので、そこでの耐圧可能なピーク電界強度を増加させることができる。
【0049】
本発明の一実施形態は、
図8(a)に示すように、半導体デバイス100を製造する方法を更に提供し、この方法は、以下のステップを含む。
【0050】
ステップS101、基板110を準備する。
【0051】
ステップS102、基板110の片面に半導体層120を形成する。この実施形態では、半導体層120は、バッファー層121、チャネル層122、及びバリア層123を含む。
【0052】
ステップS103、半導体層120の基板110から離れた片面にソース140及びドレイン150を形成する。
【0053】
ソース140及びドレイン150は、電子ビーム蒸着によってTi、Al、Ni又はAu等の金属の複数の層を蒸着することによって形成することができ、その後、非活性領域における金属は、有機溶液剥離の方法によって剥離され、その後、金属は、急速アニーリング技法によって、半導体層120における材料とのオーミック接触をもたらされる。
【0054】
ステップS104、半導体層120の基板110から離れた片面のソース140とドレイン150との間にゲート160を形成する。ゲート160は、半導体層120付近の片面において第1の湾曲面を有する。
【0055】
具体的には、この実施形態では、
図8(b)に示すように、ステップS104は、以下で詳述される以下のステップS1041~S1043を含む。
【0056】
ステップS1041、半導体層120の基板110から離れた片面のソース140とドレイン150との間に誘電体層130を形成する。
【0057】
誘電体層130は、MOCVDキャビティ内でその場で成長させることもできるし、LPCVD、ALD、又はPECVDによって成長させることもできる。
【0058】
ステップS1042、ゲートトレンチ161がゲート160と接触する第2の面の少なくとも一部が第2の湾曲面162であるように、誘電体層130上にゲート160を形成するためのゲートトレンチ161を形成する。第2の湾曲面162は、誘電体層130の半導体層120から離れた表面から、半導体層120に向かって延在する。
【0059】
誘電体層130の堆積が完了した後、誘電体層130の半導体層120から離れた片面にマスク170を被覆することができる。その後、ゲートトレンチ161に対応する領域のマスク170及び誘電体層130がエッチングされる。
図9に示すように、ゲートトレンチ161内の誘電体は、フォトリソグラフィーマスク170が完了した後にエッチングされる。例えば、RIE(反応性イオンエッチング)、ECR(電子サイクロトロン共鳴)、又はICP(誘導結合プラズマ)等のプラズマエッチングデバイスのうちの1つを用いることができ、エッチングに用いられるプロセスガスは、SF
6、CF
4、CHF
3、N
2、O
2、Arのうちの1つ又は組み合わせを含むことができる。プラズマエッチフェーズ中、ゲートトレンチ161内の誘電体は、完全にはエッチングされない。エッチングの深さは、
図10に示すように、平滑な直線の長さと、ゲートトレンチ161全体の側壁の全長との比に従って決定することができる。エッチング後の、エッチングされたゲートトレンチ161の側壁と、誘電体層130の平面との間の角度αは、29度~61度とすることができる。
【0060】
エッチング後、誘電体層130上のマスク170に湾曲トポグラフィーを形成させるために焼成(baking)が実行される。焼成は、加熱ステージ又は焼成炉を用いて行うことができる。焼成温度は、110℃~160℃とすることができ、焼成時間は、5分とすることができる。焼成後、フォトレジストマスク170は、傾斜し、底部は、湾曲トポグラフィーを有する。
図11は、焼成後のマスク170のトポグラフィーを示しており、マスク170の形態は、焼成の温度を制御することによって制御することができる。
【0061】
焼成が完了した後、次いで、誘電体層130がマスク170と接触する界面において、第2段階のエッチングが実行され、第2段階のエッチングプロセスにおいて湾曲部分のマスク170によって阻止される誘電体層130のエッチングレートにおける差異に起因して、湾曲トポグラフィーは、ゲートトレンチ161の頂部コーナーにおいて形成することができる。それゆえ、第2段階のエッチング後のフォトレジストマスク170の形態は、
図12に示すように、ゲートトレンチ161の頂部コーナーに移る。
【0062】
この実施形態では、
図13に示すように、第2段階のエッチングが完了した後、マスク170が除去される間に半導体層120のバリア層123の一部がエッチング除去され、ゲートトレンチ161がバリア層123にまで延在するように、誘電体層130を第3段階のエッチングを実行するためのマスクとして用いることもできる。それゆえ、ドレイン150付近のゲートトレンチ161の底部の一端におけるピーク電界の位置を材料の内部に導入することができる。半導体層材料の絶縁破壊電圧は、誘電体層材料の絶縁破壊電圧よりも高いので、そこでの耐圧可能なピーク電界強度を増加させることができる。
【0063】
ステップS1043、誘電体層130に基づいてゲート160を形成する。ゲート160は、ゲートトレンチ161に基づいて形成されるとともに、ソース140とドレイン150との間に配置される。
【0064】
ゲートトレンチ161の製造が完了した後、ゲート160を製造することができる。ゲートトレンチ161は湾曲部分を有するので、形成されたゲートも対応して、湾曲部分と接触する部分において、湾曲面、すなわち、第1の湾曲面を形成する。
【0065】
図8(a)及び
図8(b)に示す半導体デバイスの製造方法は、まず、誘電体層の対応するトポグラフィーを形成し、その後、ゲートの対応するトポグラフィーを対応して形成することに留意すべきである。他の実施形態では、誘電体層のトポグラフィーは、最初に形成されない場合があり、ゲートのトポグラフィーを、ゲートが半導体層付近の片面に第1の湾曲面を有して形成されるように、他の方法において直接形成することができることを理解することができる。
【0066】
本発明の記載において、別段指定又は限定のない限り、「設定され」、「取り付けられ」、「接続され」及び「結合され」という用語は、広義に使用され、例えば、固定された接続、着脱可能な接続又は一体化接続とすることができ、機械接続又は電気接続とすることもでき、直接接続、又は介在する構造体を介する間接的接続とすることもでき、2つの要素の内部連通とすることもできる。当業者であれば、場合によって、本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0067】
以下の図面において、同様の参照数字及び文字は同様の項目を示すことが留意されるべきである。したがって、図面において1つの項目が定義されると、後続する図面ではその項目について更に定義及び説明する必要はない。
【0068】
本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」及び「外」等の用語によって示される向き又は位置関係は、図面に示す向き若しくは位置関係、又は本発明の製品が使用されるときに慣例的に配置される向き若しくは位置関係に基づくことが留意されるべきである。それらの用語は、本発明を説明しその説明を簡略化する便宜のためのみのものであり、言及するデバイス又は構成要素が、特定の向きを有し、特定の向きで構成され操作されなければならないことを示し又は意味するものではなく、そのため、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に、説明における識別のためにのみ使用され、相対的な重要性を示すか又は意味するものとして解釈されるべきではない。
【0069】
上記説明は、本発明の好ましい実施形態のみを言及し、本発明を限定するようには意図されていない。当業者であれば、本発明に対して様々な変更及び変形を行うことができる。本発明の趣旨及び範囲内で行われるいかなる変更、均等の置換、改善等は、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。
【符号の説明】
【0070】
100 半導体デバイス
110 基板
120 半導体層
121 バッファー層
122 チャネル層
123 バリア層
130 誘電体層
140 ソース
150 ドレイン
160 ゲート
180 第1の湾曲面
161 ゲートトレンチ
162 第2の湾曲面
163 平面
170 マスク