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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/289 20210101AFI20230410BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20230410BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20230410BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20230410BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20230410BHJP
【FI】
H01M50/289
H01M50/213
H01M50/262 E
H01M50/291
H01M50/293
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020516175
(86)(22)【出願日】2019-04-05
(86)【国際出願番号】 JP2019015053
(87)【国際公開番号】W WO2019208157
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】P 2018083309
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河上 聡
(72)【発明者】
【氏名】橋本 武
(72)【発明者】
【氏名】米田 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】中野 雅也
(72)【発明者】
【氏名】高津 孝夫
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/067517(WO,A1)
【文献】特開2014-002850(JP,A)
【文献】特開2013-187088(JP,A)
【文献】特開2009-193961(JP,A)
【文献】特開2014-186806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の円筒形電池と、
各々の円筒形電池を平行姿勢に配置してなるホルダーと
を備える電池モジュールであって、
前記ホルダーが、
前記円筒形電池を定位置に配置する保持スペースを有するホルダー本体と、
前記ホルダー本体に積層してなるサブホルダーとを備え、
前記ホルダー本体は、前記保持スペースに配置される前記円筒形電池の表面に向かって変形するストッパ部を有し、
前記サブホルダーは、前記ホルダー本体に連結される状態で、前記ストッパ部を前記円筒形電池に押し出すプッシュロッドを有し、
前記サブホルダーが前記ホルダー本体に連結される状態で、前記プッシュロッドが前記ストッパ部を前記円筒形電池に押し付けて前記保持スペースに配置してなる前記円筒形電池の表面を押圧するようにしてなる電池モジュール。
【請求項2】
前記サブホルダーが前記ホルダー本体に連結される状態で、前記プッシュロッドが前記ストッパ部の背面に挿入されて、該ストッパ部を背面から押圧して、該ストッパ部の表面を前記円筒形電池に押し付けて押圧する構造としてなることを特徴とする請求項1に記載する電池モジュール。
【請求項3】
前記ストッパ部の表面が前記円筒形電池の表面に沿う湾曲面であることを特徴とする請求項1又は2に記載する電池モジュール。
【請求項4】
前記サブホルダーの前記プッシュロッドが、前記ストッパ部の背面を局部的に押し出す突起を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載する電池モジュール。
【請求項5】
前記ストッパ部の背面が、前記プッシュロッドに設けた突起で押圧される押圧面を平面状としてなることを特徴とする請求項4に記載する電池モジュール。
【請求項6】
前記ストッパ部が、変形して前記円筒形電池に押し付けられる弾性アームで、前記ホルダー本体が前記弾性アームを一体構造に成形してなるプラスチック製であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載する電池モジュール。
【請求項7】
前記ホルダー本体が、複数の円筒形電池を俵積み状態に配置して、同列に配列された前記円筒形電池の間に、隣接する列の前記円筒形電池が配置されて、隣接する列に配置してなる3個の円筒形電池に囲まれる領域に、全体形状を略三角柱状とする挿入スペースを設けており、
前記挿入スペースと前記円筒形電池の間には、2個の円筒形電池の表面を押し出す2個のストッパ部が一対のストッパ部として平面視がハの字状に配置されて、ホルダー本体と一体構造に連結してなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載する電池モジュール。
【請求項8】
前記ホルダー本体が、前記一対のストッパ部を該ホルダー本体から分離する分離スリットを該ストッパ部の両側縁に沿って設けてなることを特徴とする請求項7に記載する電池モジュール。
【請求項9】
前記挿入スペースと前記円筒形電池の間には、2個の円筒形電池の表面を押圧する2個の前記ストッパ部と、1個の円筒形電池の表面をカバーするカバー部とが前記ホルダー本体と一体構造に設けられ、
前記カバー部は両側縁をホルダー本体と一体構造に連結してなることを特徴とする請求項7又は8に記載する電池モジュール。
【請求項10】
前記挿入スペースの周囲に配置される3個の円筒形電池は、
前記ストッパ部に押圧される2個の円筒形電池は互いに並列に接続され、
前記ストッパ部に押圧される円筒形電池と前記カバー部の内側に配置してなる前記円筒形電池とは直列に接続されてなることを特徴とする請求項9に記載する電池モジュール。
【請求項11】
前記ホルダー本体が、ゴム状弾性体を成形してなるゴム状ホルダーを備え、
前記ゴム状ホルダーが前記円筒形電池を配置する保持スペースと、前記プッシュロッドの挿入スペースを有し、
前記挿入スペースと前記円筒形電池との対向面との間を弾性変形できるストッパ部としており、
前記プッシュロッドが前記挿入スペースに挿入されて、前記プッシュロッドが弾性変形する前記ストッパ部を前記円筒形電池の表面に押し付けて押圧する構造としてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載する電池モジュール。
【請求項12】
前記ホルダー本体が、ゴム状ホルダーとプラスチックホルダーとを積層構造としてなることを特徴とする請求項11に記載する電池モジュール。
【請求項13】
前記保持スペースの内面が、前記円筒形電池の表面に沿う円柱状で、
前記プッシュロッドの外形が前記挿入スペースの内形よりも大きく、
前記プッシュロッドが前記挿入スペースに挿入されて、前記ストッパ部が弾性変形して前記円筒形電池の表面に押し付けられることを特徴とする請求項11または12に記載する電池モジュール。
【請求項14】
前記プッシュロッドは、前記ストッパ部に対向して配置される前記円筒形電池に向かって突出する突起を有することを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載する電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒形電池をホルダーで定位置に配置している電池モジュールに関し、とくに円筒形電池の位置ずれを阻止して、回転を防止・抑制するようにホルダーを配置してなる電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の円筒形電池を、ホルダーの保持スペースに入れて平行姿勢に配置している電池モジュールは開発されている。この電池モジュールは、円筒形電池の回転を阻止してホルダーの定位置に配置することが大切である。円筒形電池が回転すると、電池を直列や並列に接続している金属板のバスバーとの接合部に無理な荷重が作用して、破損する等の弊害が発生するおそれがあるからである。円筒形電池の回転を阻止してホルダーの保持スペースに配置する電池モジュールは開発されている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-9798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
円筒形電池をホルダーに回転しないように配置する電池モジュールは、電池の表面に接触するストッパ部をホルダーに設け、ストッパ部をホルダーに挿入される円筒形電池に押し付けて回転を阻止する。この電池モジュールは、ホルダーの保持スペースに円筒形電池をスムーズに挿入できない。ホルダーに挿入される円筒形電池の表面にストッパ部を押し付けて、円筒形電池とストッパ部との摩擦抵抗を大きくしているからである。とくに、円筒形電池の回転を確実に阻止するために、ストッパ部を強く円筒形電池の表面に押し付けると、摩擦抵抗が大きくなってますます円筒形電池をホルダーにスムーズに挿入できなくなる欠点がある。
【0005】
本発明は、以上の欠点を解消することを目的として開発されたもので、本発明の目的の一は、円筒形電池をスムーズにホルダーに挿入できる構造を実現しながら、円筒形電池の位置ずれを確実に阻止でき、かつ回転を防止・抑制できる電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電池モジュールは、複数の円筒形電池1と、各々の円筒形電池1を平行姿勢に配置してなるホルダー2、20とを備えている。ホルダー2、20は、円筒形電池1を定位置に配置する保持スペース13、33を有するホルダー本体3、23と、ホルダー本体3、23に積層してなるサブホルダー4、24とを備えている。ホルダー本体3、23は、保持スペース13、33に配置される円筒形電池1の表面に向かって変形するストッパ部5、25を有している。サブホルダー4、24は、ホルダー本体3、23に連結される状態で、ストッパ部5、25を円筒形電池1に押し出すプッシュロッド6、26を有している。電池モジュールは、サブホルダー4、24がホルダー本体3、23に連結される状態で、プッシュロッド6、26がストッパ部5、25を円筒形電池1に押し付けて、保持スペース13、33に配置してなる円筒形電池1の表面に押圧させている。
【0007】
本発明の電池モジュールは、サブホルダー4、24がホルダー本体3、23に連結される状態で、プッシュロッド6、26がストッパ部5、25の背面に挿入されて、ストッパ部5、25を背面から押圧して、ストッパ部5、25の表面を円筒形電池1に押し付けて押圧する構造とすることができる。
【0008】
本発明の電池モジュールは、ストッパ部5、25の表面を円筒形電池1の表面に沿う湾曲面5a、25aとすることができる。
【0009】
本発明の電池モジュールは、サブホルダー4、24のプッシュロッド6、26が、ストッパ部5、25の背面を局部的に押し出す突起6a、26aを有することができる。
【0010】
本発明の電池モジュールは、ストッパ部5の背面が、プッシュロッド6に設けた突起6aで押圧される押圧面を平面状とすることができる。
【0011】
本発明の電池モジュールは、ストッパ部5を、変形して円筒形電池1に押し付けられる弾性アーム5Aとして、ホルダー本体3が弾性アーム5Aを一体構造に成形してなるプラスチック製とすることができる。
【0012】
本発明の電池モジュールは、ホルダー本体3が、複数の円筒形電池1を俵積み状態に配置して、同列に配列される円筒形電池1の間に、隣接する列の円筒形電池1が配置されて、隣接する列に配置してなる3個の円筒形電池1に囲まれる領域に、全体形状を略三角柱状とする挿入スペース14を設けて、挿入スペース14と円筒形電池1の間には、2個の円筒形電池1の表面を押し出す2個のストッパ部5を一対のストッパ部5として平面視ハの字状に配置して、ホルダー本体3と一体構造に連結することができる。
【0013】
本発明の電池モジュールは、ホルダー本体3が、一対のストッパ部5をホルダー本体3から分離する分離スリット15をストッパ部5の両側縁に沿って設けることができる。
【0014】
本発明の電池モジュールは、挿入スペース14と円筒形電池1の間に、2個の円筒形電池1の表面を押圧する2個のストッパ部5と、1個の円筒形電池1の表面をカバーするカバー部7とをホルダー本体3と一体構造に設けて、カバー部7は両側縁をホルダー本体3と一体構造に連結することができる。
【0015】
本発明の電池モジュールは、挿入スペース14の周囲に配置される3個の円筒形電池1を、ストッパ部5に押圧される2個の円筒形電池1は互いに並列に接続し、ストッパ部5に押圧される円筒形電池1とカバー部7の内側に配置してなる円筒形電池1とを直列に接続することができる。
【0016】
さらに、本発明の電池モジュールは、ホルダー本体23が、ゴム状弾性体を成形してなるゴム状ホルダー22を備え、ゴム状ホルダー22が円筒形電池1を配置する保持スペース33と、プッシュロッド26の挿入スペース34を有し、挿入スペース34と円筒形電池1との対向面との間を弾性変形できるストッパ部25とし、プッシュロッド26が挿入スペース34に挿入されて、プッシュロッド26が弾性変形するストッパ部25を円筒形電池1の表面に押し付けて押圧する構造とすることができる。
【0017】
さらにまた、本発明の電池モジュールは、ホルダー本体23が、ゴム状ホルダー22とプラスチックホルダー21とを積層構造とすることができる。
【0018】
さらにまた、本発明の電池モジュールは、保持スペース33の内面を円筒形電池1の表面に沿う円柱状として、プッシュロッド26の外形を挿入スペース34の内形よりも大きくし、プッシュロッド26を挿入スペース34に挿入して、ストッパ部5を弾性変形させて円筒形電池1の表面に押し付けることができる。
【0019】
さらにまた、本発明の電池モジュールは、プッシュロッド26が、ストッパ部25に対向して配置される円筒形電池1に向かって突出する突起26aを有することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電池モジュールは、円筒形電池をスムーズにホルダーに挿入して効率よく組み立てできるにも関わらず、ホルダーで定位置に配置している円筒形電池の位置ずれを確実に阻止でき、かつ回転を防止・抑制できる特徴がある。それは、以上の電池モジュールが、ホルダーをホルダー本体とサブホルダーとで構成し、ホルダー本体には保持スペースに配置される円筒形電池の表面に向かって変形するストッパ部を設け、サブホルダーには、ホルダー本体に連結される状態で、ストッパ部を円筒形電池に押し出すプッシュロッドを設け、サブホルダーをホルダー本体に連結して、プッシュロッドでストッパ部を円筒形電池に押し付けて、保持スペースに配置している円筒形電池の表面を押圧するからである。この構造の電源モジュールは、円筒形電池をホルダーに挿入した後、ホルダー本体にサブホルダーを連結して、サブホルダーのプッシュロッドでストッパ部を円筒形電池の表面に強く押し付けるので、円筒形電池を挿入する状態ではストッパ部を円筒形電池の表面に強く押し付ける必要がなく、スムーズに円筒形電池をホルダーに挿入できる。円筒形電池をホルダーの定位置に配置する状態では、サブホルダーのプッシュロッドでストッパ部を円筒形電池の表面に押し付けて摩擦抵抗を大きくできるので、円筒形電池の位置ずれを確実に阻止でき、かつ回転を防止・抑制できる。
【0021】
さらに、本発明の電池モジュールは、プッシュロッドを介してサブホルダーがホルダー本体に連結されるので、サブホルダーとホルダー本体とを定位置に位置ずれしない状態で連結できる特徴も実現する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態1に係る電池モジュールの斜視図である。
図2図1に示す電池モジュールのホルダーの分解斜視図である。
図3図2に示すホルダーを下側から見た分解斜視図である。
図4】円筒形電池を収納したホルダーの垂直断面図であって、図2のIV-IV線断面に相当する図である。
図5図4に示すホルダーのV-V線断面図である。
図6図5に示すホルダーの要部拡大断面図である。
図7】ホルダー本体の拡大斜視図である。
図8】サブホルダーの拡大底面斜視図である。
図9】本発明の実施形態2に係る電池モジュールの斜視図である。
図10図9に示す電池モジュールのホルダーの分解斜視図である。
図11】円筒形電池を収納したホルダーの垂直断面図であって、図9のXI-XI線断面に相当する図である。
図12図11に示すホルダーのXII-XII線断面図である。
図13】サブホルダーとゴム状ホルダーを下側から見た分解斜視図である。
図14】ゴム状ホルダーの拡大斜視図である。
図15】サブホルダーの拡大底面斜視図である。
図16図12に示すホルダーの要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0024】
本発明の一実施形態に係る電池モジュールを図1図5に示す。これらの図において、図1は電池モジュールの斜視図を、図2図1に示す電池モジュールの分解斜視図を、図3図2の電池モジュールを下側から見た分解斜視図を、図4図1の電池モジュールの垂直断面図を、図5図1の電池モジュールの水平断面図をそれぞれ示している。図1図5に示す電池モジュール100は、複数の円筒形電池1と、各々の円筒形電池1を平行姿勢に配置しているホルダー2と、円筒形電池1を直列と並列に接続しているバスバー11と、円筒形電池1の保護回路を実装する回路基板10とを備えている。
【0025】
ホルダー2は、円筒形電池1の保持スペース13を有するホルダー本体3と、ホルダー本体3に積層しているサブホルダー4とを備えている。ホルダー本体3は、保持スペース13に配置される円筒形電池1の表面に向かって変形するストッパ部5を設けている。サブホルダー4は、ホルダー本体3に連結される状態で、ストッパ部5を円筒形電池1に押し出すプッシュロッド6を有し、サブホルダー4をホルダー本体3に連結する状態で、プッシュロッド6がストッパ部5を円筒形電池1に押し付けて、保持スペース13の円筒形電池1の表面を押圧して、円筒形電池1の位置ずれを阻止し、かつ回転を防止・抑制する。
【0026】
図6は、ホルダー本体3にサブホルダー4を連結して、プッシュロッド6がストッパ部5を円筒形電池1に押し付けている部分の拡大横断面図である。電池モジュール100は、図4図6に示すように、サブホルダー4をホルダー本体3に連結して、プッシュロッド6をストッパ部5の背面に挿入する。ホルダー本体3は、プッシュロッド6の挿入スペース14を設けている。挿入スペース14に案内されたプッシュロッド6はストッパ部5を背面から押し出す。背面から押圧されるストッパ部5は、表面を円筒形電池1に押し付ける。ストッパ部5は表面が円筒形電池1に押し付けられて円筒形電池1の位置ずれを阻止し、かつ回転を防止・抑制する。ストッパ部5と円筒形電池1との摩擦抵抗が大きくなるからである。ストッパ部5は、プッシュロッド6で背面から押圧されて弾性変形する。弾性変形したストッパ部5の表面が円筒形電池1の表面に押し付けられる。図6及び図7に示すストッパ部5は、表面を円筒形電池1の表面に沿う湾曲面5aとしている。図7はホルダー本体3に設けたストッパ部5を示す拡大斜視図である。このストッパ部5は、表面を面接触状態で円筒形電池1の表面に接触させて、広い面積で円筒形電池1の表面に密着するので、円筒形電池1の位置ずれを効果的に阻止でき、かつ回転を防止・抑制できる。
【0027】
プッシュロッド6で押圧されるストッパ部5の背面は、図7に示すように、平面状としている。背面を平面状とするストッパ部5は、プッシュロッド6に押される押圧部の位置ずれによる押圧力のアンバランスを少なくできる。プッシュロッド6に押圧される位置がストッパ部5の背面の表面に沿って移動しても、同じ押圧力で押圧できるからである。
【0028】
図8はサブホルダー4に設けたプッシュロッド6の拡大斜視図である。図8に示すプッシュロッド6は、ストッパ部5の背面を局部的に押し出す突起6aを設けている。突起6aは、プッシュロッド6をスムーズに挿入できるように、プッシュロッド6の挿入方向に伸びる凸条としている。プッシュロッド6の突起6aがストッパ部5の背面を押圧する構造は、寸法誤差を吸収して、ストッパ部5で確実に円筒形電池1の位置ずれを防止でき、かつ回転を防止・抑制できる。それは、局部的に接触する突起6aとストッパ部5の背面とを僅かに変形させて、寸法誤差を吸収できるからである。
【0029】
図7に示すストッパ部5は、弾性変形して円筒形電池1に押し付けられる弾性アーム5Aである。弾性アーム5Aはホルダー本体3と一体構造に設けられる。このホルダー本体3は、プラスチックを一体的に成形して弾性アーム5Aを設けている。弾性アーム5Aを一体構造として成形して製作されるホルダー本体3は、安価に多量生産できる。
【0030】
ホルダー本体3は円筒形電池1を挿入する保持スペース13を設けている。保持スペース13は、複数の円筒形電池1を俵積み状態の多段多列に配置するようにホルダー本体3に設けている。また、保持スペース13は、円筒形電池1をスムーズに挿入できるように、内形を円筒形電池1の外形よりも僅かに大きく、たとえば、内径を円筒形電池1の外径より0.1mm~0.3mm大きく成形している。図5の断面図に示すように、円筒形電池1を俵積み状態で多段多列に配置するホルダー本体3は、3個の円筒形電池1に囲まれる領域にプッシュロッド6の挿入スペース14を設けている。俵積み状態に配置される円筒形電池1は、同列に配列される円筒形電池1の間に、隣接する列の円筒形電池1を配置して、隣接する列に配置している3個の円筒形電池1に囲まれる領域に、全体形状を略三角柱状とする挿入スペース14を設けている。挿入スペース14は、3個の円筒形電池1に囲まれるので、各辺が内側に湾曲する略三角柱状となる。
【0031】
図4図7のホルダー本体3は、挿入スペース14と円筒形電池1の間に、2個の円筒形電池1の表面を押し出す2個の弾性アーム5Aからなるストッパ部5を「一対のストッパ部5」として平面視がハの字状となるように設けている。一対のストッパ部5は、弾性アーム5Aの後端をホルダー本体3と一体構造に連結している。ホルダー本体3は、各ストッパ部5の両側縁に沿って分離スリット15を設けている。分離スリット15は、ストッパ部5をホルダー本体3から分離して、プッシュロッド6に押されて弾性変形しやすい形状としている。図4のストッパ部5は、プッシュロッド6の挿入方向に細長い長方形の弾性アーム5Aで、この弾性アーム5Aは、両側縁と先端縁をホルダー本体3から分離して、下端縁をホルダー本体3に一体的に連結している。弾性アーム5Aは、両側縁を分離スリット15でホルダー本体3から分離して、先端縁をホルダー本体3の表面に配置してホルダー本体3から分離している。この弾性アーム5Aは、3辺をホルダー本体3から分離しているので、背面からプッシュロッド6に押されて弾性変形して円筒形電池1に押し付けられる。
【0032】
図6の断面図と図7の斜視図に示すホルダー本体3は、3個の円筒形電池1で囲まれる三角柱状の挿入スペース14において、三角柱状の2辺の対向位置に一対のストッパ部5を設けて、残りの1辺にはストッパ部5を設けることなく、弾性変形しないカバー部7を設けている。挿入スペース14に挿入されるプッシュロッド6でストッパ部5は弾性変形して円筒形電池1を押圧するが、カバー部7は弾性変形することなく円筒形電池1の表面に沿って配置される。多段多列に配置される各々の円筒形電池1は、ひとつのストッパ部5で押圧されて定位置に配置される。したがって、ホルダー本体3は、全ての円筒形電池1にひとつのストッパ部5を押圧できるように、一対のストッパ部5を配置している。
【0033】
ホルダー本体3は、ストッパ部5の両側縁に分離スリット15を設けているので、分離スリット15が円筒形電池1の表面の一部を挿入スペース14に露出させる。略三角形状の挿入スペース14の周囲に3個の円筒形電池1を配置して、2個の円筒形電池1の表面にストッパ部5を設けるホルダー本体3は、2個の円筒形電池1の表面の一部を挿入スペース14に露出して、1個の円筒形電池1の表面を挿入スペース14に露出させない。ストッパ部5が円筒形電池1の表面の一部を挿入スペース14に露出して、カバー部7が円筒形電池1の表面を挿入スペース14に露出させないからである。表面の一部を挿入スペース14に露出させる2組の円筒形電池1は、バスバー11を介して互いに並列に接続される。カバー部7で表面を被覆して絶縁して、表面を挿入スペース14に露出させない円筒形電池1は、表面を露出させる円筒形電池1とバスバー11を介して直列に接続される。並列接続の円筒形電池1は外装缶が同じ電位となるので絶縁する必要がなく、表面の一部を同じ挿入スペース14に露出させても漏電などの弊害は発生しない。直列に接続される円筒形電池1は、外装缶に電位差が生じるので、絶縁して配置する必要がある。絶縁特性が低下すると漏電などの弊害が発生するからである。カバー部7の内側に配置される円筒形電池1は、カバー部7に覆われて、表面を挿入スペース14に露出させない。したがって、この円筒形電池1は挿入スペース14から充分に絶縁して配置されるので、漏電による弊害を防止してホルダー本体3に配置できる。
【0034】
図1に示す電池モジュール100は、各円筒形電池1の両端の端面電極をリード線12を介してバスバー11に接続している。図に示すバスバー11は、板状の金属板で、互いに並列に接続される円筒形電池1の列同士の間に配置されている。バスバー12は、同じ列に配置される円筒形電池1同士を並列に接続すると共に、隣の列にある円筒形電池1同士を直列に接続している。
【0035】
サブホルダー4は、ストッパ部5を押圧する位置にプッシュロッド6を配置している。図8の斜視図に示すプッシュロッド6は、全体の形状を略三角柱状として三角形の先端縁に沿って、ストッパ部5の背面を押圧する突起6aを設けている。突起6aは三角形の2辺に突出する凸条として設けられて、ストッパ部5を背面から押圧する。
【0036】
以上の図に示すホルダー2は、図においてホルダー本体3の上下にサブホルダー4を積層している。このホルダー2は、ホルダー本体3に設けた保持スペース13の両端部にストッパ部5を設けており、ホルダー本体3の上下にサブホルダー4を連結する状態で、ホルダー本体3に収納される円筒形電池1の両端部をストッパ部5で保持する構造としている。この構造は、円筒形電池1の両端をストッパ部5で保持するので、円筒形電池1の位置ずれを効果的に阻止でき、かつ回転を防止・抑制できる特長がある。ただ、ホルダーは、ホルダー本体に設けた保持スペースの片側にのみストッパ部を設けることもできる。この場合、ホルダー本体のストッパ部を設けた側に連結されるサブホルダーにのみプッシュロッドを設けることができる。また、ホルダー本体は、円筒形電池の軸方向に分割して、複数の分割ホルダーで構成することもできる。
【0037】
さらに、以上の電池モジュール100は、ホルダー本体3に弾性変形する弾性アーム5Aをストッパ部5として設けているが、本発明の電池モジュールは、ホルダー本体の一部、あるいは全体を、ゴム状弾性体を成形しているゴム状ホルダーとすることができる。この構造の電池モジュールを、本発明の他の実施形態に係る電池モジュールとして図9図16に示す。
【0038】
図9図16に示す電池モジュール200は、複数の円筒形電池1と、各々の円筒形電池1を平行姿勢に配置しているホルダー20と、円筒形電池1を直列と並列に接続しているバスバー11と、円筒形電池1の保護回路を実装する回路基板10とを備えている。ホルダー20は、円筒形電池1の保持スペース33を有するホルダー本体23と、ホルダー本体23に積層しているサブホルダー24とを備えている。
【0039】
ホルダー本体23は、ゴム状弾性体を成形してなるゴム状ホルダー22を備えている。ゴム状ホルダー22は、円筒形電池1を配置する保持スペース32と、サブホルダー24から突出するプッシュロッド26が挿入される挿入スペース34とを備えており、この挿入スペース34と、円筒形電池1との対向面との間を弾性変形できるストッパ部25としている。サブホルダー24は、ホルダー本体23に連結される状態で、ゴム状ホルダー22の挿入スペース34に挿入されて、ストッパ部25を弾性変形させて円筒形電池1に押し出すプッシュロッド26を備えている。このホルダー20は、サブホルダー24をホルダー本体23に連結する状態で、挿入スペース34に挿入されるプッシュロッド26がストッパ部25を円筒形電池1に押し付けて、保持スペース33の円筒形電池1の位置ずれを阻止し、かつ回転を防止・抑制する。
【0040】
図10図12、及び図16は、ホルダー本体3にサブホルダー4を連結して、ゴム状ホルダー22の挿入スペース34に挿入されるプッシュロッド26がストッパ部25を円筒形電池1に押し付ける状態を示す図である。電池モジュール200は、図11図12に示すように、サブホルダー24をホルダー本体23に連結して、プッシュロッド26をゴム状ホルダー22の挿入スペース34に挿入する。挿入スペース34に挿入されるプッシュロッド26の外形は挿入スペース34の内形よりも大きく、プッシュロッド26が挿入スペース34に挿入される状態では、円筒形電池1との対向面との間のストッパ部25を弾性変形させて、表面を円筒形電池1に押圧する。ストッパ部25は表面が円筒形電池1に押し付けられて円筒形電池1の位置ずれを阻止し、かつ回転を防止・抑制する。ストッパ部25と円筒形電池1との摩擦抵抗が大きくなるからである。ストッパ部25は、プッシュロッド26で背面から押圧されて弾性変形する。弾性変形したストッパ部25の表面が円筒形電池1の表面に押し付けられる。
【0041】
図10図11に示すホルダー本体23は、各々の円筒形電池1を平行姿勢に保持するプラスチックホルダー21と、このプラスチックホルダー21に積層されて、プラスチックホルダー21に挿入された円筒形電池1の端部を保持するゴム状ホルダー22とを備えている。プラスチックホルダー21は、円筒形電池1の一端部を除くほぼ全体を収納する保持スペース31を設けている。ゴム状ホルダー22は、プラスチックホルダー21に設けた保持スペース31と対向する位置に、円筒形電池1の端部が挿入される保持スペース32を設けている。これらの保持スペース31、32は、複数の円筒形電池1を俵積み状態の多段多列に配置するように設けている。プラスチックホルダー21の保持スペース31とゴム状ホルダー22の保持スペース32は、互いに対向する位置に設けられており、プラスチックホルダー21にゴム状ホルダー22を積層した状態では、互いに連結される保持スペース31、32同士によって、円筒形電池1の表面に沿う円柱状の保持スペース33が形成されるようにしている。保持スペース33は、円筒形電池1をスムーズに挿入できるように、内形を円筒形電池1の外形よりも僅かに大きく、たとえば、内径を円筒形電池1の外径より0.1mm~0.3mm大きく成形している。
【0042】
さらに、ホルダー本体23は、図10図12、及び図13に示すように、ゴム状ホルダー22をプラスチックホルダー21の定位置に連結できるように、ゴム状ホルダー22に連結穴37を設けて、プラスチックホルダー21には、この連結穴37に挿入される位置決めピン27を設けている。ホルダー本体23は、プラスチックホルダー21とゴム状ホルダー22の対向面であって、俵積み状態で配置される3個の円筒形電池1に囲まれる領域に、連結穴37と位置決めピン27とを設けている。位置決めピン27は、プラスチックホルダー21の端面であって、ゴム状ホルダー22が積層される面から円筒形電池1の軸方向に突出する姿勢として、プラスチックホルダー21に一体成形して設けている。このホルダー本体23は、プラスチックホルダー21の端面から突出する位置決めピン27を連結穴37に案内する状態で、ゴム状ホルダー22がプラスチックホルダー21の定位置に連結される。
【0043】
ゴム状ホルダー22は、ゴム状弾性体を所定の厚さの板状に成形している。図10図12、及び図13に示すゴム状ホルダー22は、平面視が円形に形成された保持スペース32の周囲に沿って、サブホルダー24のプッシュロッド26が挿入される挿入スペース34を設けている。図に示すゴム状ホルダー22は、一つの保持スペース32に対して2~4個の挿入スペース34を周囲に設けて、1本の円筒形電池1を周囲の複数箇所から押圧して保持する構造としている。図に示す挿入スペース34は、板状のゴム状ホルダー22を貫通して開口された貫通穴で、内形を円柱状とする形状に設けられている。保持スペース32の周囲に沿って設けられる挿入スペース34は、好ましくは3個の円筒形電池1で囲まれた領域に設けられる。さらに、ゴム状ホルダー22の外周に沿って配置される挿入スペース34は、互いに隣接する円筒形電池1の谷間や、ひとつの円筒形電池1の外周に対向して設けられる。以上のようにして、ひとつの円筒形電池1に対して、その外周面を複数箇所から押圧して保持できるようにしている。
【0044】
ゴム状ホルダー22は、挿入スペース34と、円筒形電池1との対向面との間を弾性変形できるストッパ部25としている。このゴム状ホルダー22は、挿入スペース34にプッシュロッド26を挿入する状態で、ストッパ部25を円筒形電池1に向かって突出する形状に弾性変形させて円筒形電池1の表面を押圧する。したがって、3個の円筒形電池1で囲まれた領域に挿入スペース34を設ける構造は、一つの挿入スペース34に挿入されるプッシュロッド26により、ストッパ部25を3方向に弾性変形させる状態で突出させて、3方向に対向する円筒型電池1を押圧できる。このように、ゴム状弾性体で成形されるゴム状ホルダー22の一部を弾性変形させて円筒形電池1の表面に押し付ける構造は、摩擦抵抗の大きなゴム状弾性体により、円筒形電池の位置ずれを確実に阻止でき、かつ回転を防止・抑制できる特長がある。図に示すストッパ部25は、表面を円筒形電池1の表面に沿う湾曲面25aとしている。
【0045】
図14は、ゴム状ホルダー22の斜視図である。図に示すゴム状ホルダー22は、プッシュロッド26が挿入される挿入スペース34である貫通穴の開口縁部をテーパー面としている。この構造は、挿入スペース34の内形よりも大きな外形を有するプッシュロッド26をスムーズに案内しながら圧入できる。
【0046】
サブホルダー24は、ホルダー本体23に連結される状態で、ゴム状ホルダー22の挿入スペース34に挿入される複数のプッシュロッド26を一体成形して備えている。図15は、サブホルダー24に設けたプッシュロッド26の拡大斜視図である。図15に示すプッシュロッド26は、挿入スペース34に圧入される状態でストッパ部25の背面を局部的に押し出す突起26aを、円柱状のロッド本体の表面から突出して設けている。突起26aは、プッシュロッド26をスムーズに挿入スペース34に挿入でき、かつ円筒形電池セル1の表面を軸方向にわたってストッパ部25で押圧できるように、円柱状のロッド本体の側面に沿って、プッシュロッド26の挿入方向に伸びる凸条としている。図16に示すプッシュロッド26は、対向する円筒形電池1に向かって確実にストッパ部25を弾性変形できるように、外周面に設けた突起26aを、対向する円筒形電池1の中心に向かって突出する姿勢としている。図16に示すように、対向する円筒形電池1に向かって突出する突起26aを備えるプッシュロッド26は、ストッパ部25を円筒形電池1の表面に向かって確実に押圧できる特長がある。
【0047】
さらに、図15図16に示すプッシュロッド26は、対向する複数の円筒形電池1に向かってストッパ部25を押圧できるように、周囲に配置される円筒形電池1の数に応じて突起26aの数と向きを変更している。図15図16に示すプッシュロッド26は、3方向に突出する3列の突起26aを備える第1のロッド26Aと、2方向に突出する2列の突起26aを備える第2のロッド26Bと、1方向に突出する1列の突起26aを備える第3のロッド26Cとを備えている。第1のロッド26Aは、3個の円筒形電池1に囲まれた領域に配置された挿入スペース34に挿入されて、ゴム状弾性体のストッパ部25を弾性変形させて3個の円筒形電池1を押圧する。第2のロッド26Bは、2個の円筒形電池1の間に配置された挿入スペース34に挿入されて、ゴム状弾性体のストッパ部25を弾性変形させて2個の円筒形電池1を押圧する。第3のロッド26Cは、1個の円筒形電池1と対向する挿入スペース34に挿入されて、ゴム状弾性体のストッパ部25を弾性変形させて1個の円筒形電池1を押圧する。以上のようにして、保持スペース32の周囲に沿って配置された複数の挿入スペース34に対して所定の形状のプッシュロッド26を挿入することで、各円筒形電池1の表面を周囲の複数箇所から押圧して円筒形電池の位置ずれを理想的に阻止でき、かつ回転を防止・抑制できる。
【0048】
以上の図に示すホルダー本体23は、プラスチックホルダー21の片側(図において上側)にのみゴム状ホルダー22を積層する構造としている。したがって、これらの図に示すホルダー20は、ホルダー本体23の片側にのみサブホルダー24を連結する構造としている。このホルダー20は、全体を簡単な構造として、ホルダー本体23に収納される円筒形電池1の端部をストッパ部25で保持して、円筒形電池1の位置ずれを阻止でき、かつ回転を防止・抑制できる。ただ、ホルダーは、プラスチックホルダーの両側にゴム状ホルダーを積層する構造として、ホルダー本体の両側にサブホルダーを積層することもできる。この構造は、円筒形電池の両端をストッパ部で保持するので、円筒形電池の位置ずれを効果的に阻止でき、かつ回転を防止・抑制できる特長がある。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、円筒形電池をホルダーで定位置に配置している電池モジュールであって、とくに、円筒形電池の位置ずれや回転を阻止できる電池モジュールとして好適に使用できる。
【符号の説明】
【0050】
100、200…電池モジュール
1…円筒形電池
2…ホルダー
3…ホルダー本体
4…サブホルダー
5…ストッパ部
5A…弾性アーム
5a…湾曲面
6…プッシュロッド
6a…突起
7…カバー部
10…回路基板
11…バスバー
12…リード線
13…保持スペース
14…挿入スペース
15…分離スリット
20…ホルダー
21…プラスチックホルダー
22…ゴム状ホルダー
23…ホルダー本体
24…サブホルダー
25…ストッパ部
25a…湾曲面
26…プッシュロッド
26a…突起
26A…第1のロッド
26B…第2のロッド
26C…第3のロッド
27…位置決めピン
31…保持スペース
32…保持スペース
33…保持スペース
34…挿入スペース
37…連結穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16